JP2000313647A - 水硬性結合材用液体凝結促進剤とその製造方法、使用方法 - Google Patents

水硬性結合材用液体凝結促進剤とその製造方法、使用方法

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JP2000313647A JP11810999A JP11810999A JP2000313647A JP 2000313647 A JP2000313647 A JP 2000313647A JP 11810999 A JP11810999 A JP 11810999A JP 11810999 A JP11810999 A JP 11810999A JP 2000313647 A JP2000313647 A JP 2000313647A
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Shigeru Matsuura
茂 松浦
Yoshifumi Hosokawa
佳史 細川
Kumiko Kobayashi
久美子 小林
Takashi Ayada
隆史 綾田
Kazunori Nishi
和紀 西
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Taiheiyo Cement Corp
Onoda Co Ltd
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Taiheiyo Cement Corp
Onoda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定期間貯蔵後も固化せず良好な凝結促進
効果を有する水硬性結合材用液体凝結促進剤の提供。 【解決手段】 硫酸アルミニウム水溶液ないしその水性
懸濁液からなる成分(I)と、少なくとも1種のアルミン
酸カルシウム系化合物粉末からなる成分(II)の混合物を
湿式粉砕してなることを特徴とする水硬性結合材用液体
凝結促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント、モルタ
ルあるいはコンクリート等の水硬性結合材に用いられる
新規な凝結促進剤とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水硬性結合材の凝結および硬化は凝結促
進剤によって促進されることが知られている。また、凝
結促進剤はフレッシュコンクリートの分離を抑制し、コ
ンクリートの初期強度の発現を促進する。凝結促進剤と
しては、特に硫酸アルミニウムやアルミン酸カルシウム
あるいはサルフォアルミン酸カルシウム、さらにはこれ
らをベースにした組成のものがよく知られている.しか
しながら、これらの利用は、欧州特許公報EP-A-0742179
号に記載されるように、常に推奨されるとは限らない。
なぜなら、アルミン酸カルシウムあるいはサルフォアル
ミン酸カルシウムは水と反応するため液体の形態で使用
できないからである。一方、硫酸アルミニウムは水溶液
の形態で使用されるが、結晶化の問題を避けるためにか
なり希薄な溶液としなければならず、その結果、十分な
凝結および硬化の促進を達成するためには多量の溶液の
使用が必要となる。この問題はまた鉄およびリチウムの
硫酸塩の場合も同様である。
【0003】欧州特許公報EP-A-0742179号では、二水石
膏と非晶質水酸化アルミニウムおよび/または塩基性硫
酸アルミニウムからなる液体凝結促進剤を使用すること
によってこれらの問題を解決している。しかし、この凝
結促進剤は液体としての貯蔵安定性に問題があるため、
常に良好な結果が得られるものではないことが明らかに
なった。これは、促進剤を調整した後、直ちに使用する
ことを強いるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の凝結
促進剤における上記問題を解決したものであり、本発明
の目的の一つは、アルミン酸カルシウムと硫酸アルミニ
ウムとから調製され、一定期間の貯蔵後においても固化
せずに良好な保存安定性と凝結促進性能を有する新規な
液体凝結促進剤を提供することである。また、本発明は
この凝結促進剤の製造方法を提供する。さらに、本発明
は、セメントペースト、モルタルあるいはコンクリート
等の水硬性結合材料に対する使用方法に関するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、硫
酸アルミニウム水溶液ないしその水性懸濁液からなる成
分(I)と、少なくとも1種のアルミン酸カルシウム系化
合物粉末からなる成分(II)との混合物を湿式粉砕し、成
分(II)を水と反応させたことを特徴とする液体状の水硬
性結合材用凝結促進剤に関する。
【0006】上記凝結促進剤において、成分(II)のアル
ミン酸カルシウム系化合物は、具体的には、例えばC
A、C2A、C3A、C117、C127、CA2、CA6
4AF、C2ASiO2、C33X、C43Xあるいは
これらの混合物から選ばれたものである。なお、上記化
合物の例示から明らかなように、本発明においてアルミ
ン酸カルシウム化合物とはサルフォアルミン酸カルシウ
ムおよび鉄アルミン酸カルシウムを含む。以下の説明に
おいて、アルミン酸カルシウムとは同様の意味である。
【0007】本発明の液体凝結促進剤は、湿式粉砕によ
って成分(II)のアルミン酸カルシウムが実質的に全て水
と反応して二水石膏と非晶質水酸化アルミニウムに転化
し、未反応物が残存しないので、長時間保存しても未反
応物によって液が変質して固化することがなく、液の保
存安定性が極めて良い。
【0008】この成分(II)の量は、成分(I)と成分(II)
の合計量に対して、乾燥固形分換算で40重量%以下、
好ましくは15〜40重量%である。また、成分(I),
(II)は、これらを混合して得た凝結促進剤溶液のpHが
4以下であるように配合される。成分(II)の量が40重
量%を上回ると液の安定性が低下するので好ましくな
い。また、液のpHが4より高いと液が固化する虞があ
る。
【0009】また、本発明の凝結促進剤は、成分(I)の
硫酸アルミニウムに代えて、または硫酸アルミニウムと
共に、鉄および/またはリチウムの硫酸塩を含有するも
のでも良い。なお、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、硫酸リ
チウムのうち、硫酸アルミニウムが最も好ましい。
【0010】さらに、本発明の液体凝結促進剤は、アル
カリ成分を含有することができる。アルカリ成分を適量
添加したものは液の安定性が向上し、初期強度の発現に
も効果がある。ただし、多量に添加すると逆にpHを高
め、液の安定性を阻害すると共に長期強度の発現が低下
する虞があるので、アルカリ成分はアルカリ金属酸化物
換算で0.5〜5重量%が好ましい。
【0011】また、この凝結促進剤にはシリカ質化合物
を添加するのが好ましい。シリカ質化合物はモルタルま
たはコンクリートに適度な粘着性を付与し、吹付け面へ
の付着性を向上させる。また、セメント中のエーライト
成分あるいはビーライト成分の水和を促進させ、モルタ
ルおよびコンクリートの初期強度を高めると共に長期強
度の増進にも有効に作用する。シリカ質化合物は無水換
算で1〜15重量%が適当であり、3〜10重量%の範
囲が好ましい。シリカ質化合物の含有量が1重量%未満
ではその添加効果が認められず、また15重量%を上回
ると相対的に他の有効成分の含有量が制限されて凝結促
進性能が低下するので好ましくない。
【0012】さらに、本発明の凝結促進剤は、分散剤、
遅延剤、増粘剤、消泡剤あるいは防腐剤のうち1種以上
を含むことができる。
【0013】また本発明は液体凝結促進剤の使用方法に
関するものであり、上記液体凝結促進剤を、水硬性結合
材料の製造工程あるいは施工時に、該水硬性結合材料に
添加することを特徴とする水硬性結合材用液体凝結促進
剤の使用方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の態様】以下、本発明を実施態様に即して
詳細に説明する。本発明に係る凝結促進剤の成分(I)に
用いられる硫酸アルミニウムは、無水硫酸アルミニウム
[Al2(SO4)3]や硫酸アルミニウム水和物[特にAl2(SO4)3
14H2OまたはAl2(SO4)3・18H2O]を用いることができる。
成分(I)の硫酸アルミニウム水溶液はこれら硫酸塩の混
合物でも良い。一般に使用される硫酸アルミニウム溶液
は、無水硫酸アルミニウム重量換算で、25重量%〜4
0重量%の固形分を有する。硫酸アルミニウムの水性懸
濁液を使用する場合には、通常この懸濁液には結晶化し
た硫酸アルミニウム水和物が含まれる。本発明の硫酸ア
ルミニウムの水溶液または水性懸濁液はこれら何れのも
のでも良い。
【0015】凝結促進剤の原料として、上記成分(I)と
共にアルミン酸カルシウム系化合物からなる成分(II)を
用いる。このアルミン酸カルシウム系化合物は、既に述
べたように、例えばCA、C2A、C3A、C117、C
127、CA2、CA6、C4AF、C2ASiO2、C33
X、C43Xから選ばれる。また、高アルミナセメント
も使用することができる。
【0016】成分(II)のアルミン酸カルシウムは一般に
粉体として製品化されているので、成分(I)と混合され
て湿式粉砕される。湿式粉砕は成分(I)(II)の混合物を
コロイドミルあるいはビーズミルの中に通すことによっ
て実施される。一例を挙げると、NetschミルあるいはFr
ymaミルが使われる。この湿式粉砕によって成分(II)を
粉砕して実質的にその全てを水と反応させる。未反応の
成分(II)が残ると、これが徐々に反応して液質を変化さ
せその安定性を損なうので好ましくない。
【0017】この湿式粉砕により水溶性の懸濁液が得ら
れる。得られた懸濁液はもはやカルシウムアルミネート
を含まず、二水石膏(CaSO4・2H2O)とベーマイト型の非晶
質水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を含むことがX線解析
によって分かる。このX線解析は、(イ)アセトンによる
懸濁液の洗浄、(ロ)懸濁液の濾過、(ハ)真空乾燥、(ニ)調
整した試料粉末のX線解析、の試料調整過程を経て測定
される。
【0018】このX線解析の一例を図1、図2に示す。
図1は湿式粉砕前のアルミナセメントのX線回析図であ
り、図2には湿式粉砕後のX線回折図である。図からわ
かるように、湿式粉砕後の図2ではアルミナセメントに
含まれる鉱物のピークはみられず、主に二水石膏のピー
クであり、僅かに非晶質の水酸化アルミニウムと考えら
れるブロードなピーク(2θ=22°付近)が認められるに
すぎない。
【0019】本発明の凝結促進剤は従来から使用されて
いる添加剤を含むことができる。この添加剤としては、
例えば以下のものが挙げられる。 (イ) 好ましくはポリアクリル酸およびその塩類、ホスホ
ン酸誘導体、あるいはそれらの混合物から選ばれる少な
くとも1種の分散剤。 (ロ) グルコン酸のような遅延剤およびホスホン酸やカル
ボン酸系遅延剤。 (ハ) メラミンスルホン酸縮合物、ホルムアルデヒド−ナ
フタレンスルホン酸縮合物、アクリルあるいはメタアク
リル酸あるいはそれらの誘導体のポリマー、ホスホン酸
誘導体、ポリリン酸塩、クエン酸およびその塩。
【0020】本発明の凝結促進剤は、先に述べたよう
に、好ましくはアルカリ成分を含有することができる。
このアルカリ成分は酸化物換算(M2O換算、Mはアルカリ
金属)で0.5〜5重量%のK2O、Na2OあるいはLi2Oなど
が用いられる。
【0021】また、ベントナイト、スメクタイト、ラボ
ナイトあるいはポリサッカロイド、セルロースエーテ
ル、海藻起源のガム、グアガム、キサンタンガムのよう
な微生物の発酵作用により得られるガムなどの増粘(濃
化)剤、防腐剤あるいは消泡剤を含むことができる。
【0022】本発明の凝結促進剤は、より好ましくは、
以下のものから選ばれる少なくとも一つの固体成分(II
I)を含むことができる。 (イ) シリカフューム、沈降性シリカ、シリカゾル、シリ
カゲル、焼成シリカ、天然あるいは合成のシリカ化合
物、アルミノ珪酸塩、スメクタイト、マグネシウム珪酸
塩、粘土、ウォラストナイト、タルク、雲母、アタプル
ガイト(attapulgite)、モンモリロナイト、あるいはベ
ントナイトに代表されるシリカ質化合物 (ロ) アルミナ (ハ) カルシウム珪酸塩[(CaO)2SiO2、(CaO)3SiO2]
【0023】なお、上記沈降性シリカとは、珪酸アルカ
リ金属と酸、一般的には無機酸を沈澱媒体の好適なpH
で反応させて沈殿させることによって得られるシリカを
意味する。シリカは任意の方法、例えば、珪酸塩基礎原
料に酸を添加する方法、水または珪酸塩溶液の基礎原料
に酸または珪酸塩を全量または一部を同時に添加する方
法などによって製造することができ、これらの方法は所
望のシリカの種類に応じて選択される。沈澱工程の終了
時には、一般に反応混合物からのシリカの分離工程が任
意の周知手段によって、例えば、フィルタープレスまた
は真空フィルターによって行われる。これによりフィル
ターケーキを集め、必要なら洗浄する。このフィルター
ケーキは、場合により砕解した後、任意の周知手段によ
り、特に噴霧乾燥され、次いで場合により粉砕および/
または凝集させることができる。これらの関連したプロ
セスは、欧州特許公報EP-A-0,736,489号の中に詳細に記
述されている。
【0024】以上のように、本発明の液体凝結促進剤
は、好ましくは固まらずに分散した非常に良好な性能を
有するシリカの懸濁液からなる。欧州特許公報EP-A-056
0862号あるいは欧州特許公報EP-A-0736489号において公
開されたようなシリカを使用することが可能である。
【0025】本発明の液体凝結促進剤は、セメントペー
スト、モルタルおよびコンクリートなどのセメント系水
硬性結合材料、石灰、石膏あるいはこれらの混合物など
の水硬性結合材料に対して用いられる。本凝結促進剤
は、セメントペースト、モルタルあるいはコンクリート
などに、乾式あるいは湿式法で、プラントの中であるい
は施工現場で添加される。具体的には、本凝結促進剤は
ミキサーの中へ、あるいは供給ポンプに、供給配管、プ
レウェッテイングノズルあるいはスプレーノズルに導入
される。また、本液体凝結促進剤は混合装置によって直
接的に添加され得る。本凝結促進剤は、普通、上記結合
材に対して0.1〜20重量%の比率で使用される。
【0026】本凝結促進剤は、また生コンクリートや施
工現場で調製されたコンクリートに使用される。さら
に、岩盤、軟弱地盤や土壌の覆工および安定化のための
セメント懸濁液の硬化にも使用される。特に好ましい使
用分野として、吹付けモルタルや吹付けコンクリートが
上げられる。本発明の凝結促進剤は乾式吹付けおよび湿
式吹付け法に適している。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例よって具体的に示す。
なお、これらの例は本発明を制限するものではない。
【0028】実施例1(本凝結促進剤の製造−Netzsch
ミル使用) 水溶性アルミニウム硫酸溶液として、沈降性シリカ水性
懸濁液中で稀釈されたアルミニウム硫酸塩を出発懸濁液
として用いた。この懸濁液は、450℃における仮焼後
の乾操成分35.5重量%、pH=2.5のものである。
この懸濁液はローディア社から「Rhoca Jet 50 SC」の
商品名で販売されている。この出発物質の懸濁液を適度
な撹拌の下で高アルミナセメント(ラファージュ社製品)
と混合しこの高アルミナセメントは、X線回折チャート
にみられるように主にモノカルシウムアルミネートCaAl
2Oからなる。そのブレーン比表面積は2850〜345
0cm2/gである。
【0029】混合は次のように実施した。まず、容器内
の27kgの出発懸濁液を撹拌しながら、3kgの高アルミ
ナセメントを5分かけて加えた。そして1時間ほど撹拌
混合した。開始時には19℃の温度が操作の終わりには
22℃まで上昇した。引き続き、この調製した混合物を
1.2リットル容積の水平型ミル(LME 1型のNetzschミル)に
投入した。投入はPCMポンプあるいはMoineauタイプ
のポンプによって行った。次いで、ミルに直径1〜1.
6mmのビーズ(SEPR ER120Bビーズ)960mlを入れた。
充填率は80%である。回転速度2500rpm、懸濁液
の投入速度5リットル/時間とした。ミルは粉砕の間循環水
により冷却した。温度は22℃から33℃に上昇した
が、粉砕の終わりまで安定であった。
【0030】粉砕品の粒子径はカルター粒子径測定装置
(Coulter particle sizer)によるレーザー回折法によっ
て定期的に測定した。液体製品や常温乾燥後の製品をX
線により解析した結果、製造後8日経過した懸濁液には
もはやモノカルシウムアルミネートは含まれておらず、
石膏(硫酸カルシウム)と非晶質水酸化アルミニウムを含
むことが判明した。得られた懸濁液(懸濁液1)は流動性
を有し、均質である。
【0031】実施例2(本凝結促進剤の製造−Frymaミ
ル使用) 実施例1と同じ出発懸濁物質を適度に撹拌しながら、実
施例1と同じ高アルミナセメントを以下の方法によって
混合した。まず、容器内の27kgの出発懸濁物質を撹拌
しながら、3kgの高アルミナセメントを5分かけて加え
た。さらに1時間ほど撹拌混合した。開始時に19℃の
温度が操作の終わりには22℃まで上昇した。
【0032】0.5リットル容積のフリマミル(Fryma mill M
S12型)を湿式粉砕に使用した。このミルは全てポリウレ
タンで覆われており、冷却装置を装備していない。ミル
には直径1〜1.6mmのビーズ(SEPR ER 120B)250ml
を充填した。充填率は50%である。このフリマミル
に、粉砕される混合懸濁液をマスターフレックス蠕動ポ
ンプ(Masterflexperistaltic pump)を用いて供給した。
供給速度は毎時5.4リットル、回転速度は毎分12000rpmで
ある。粉砕開始時の温度は17℃であり、10分後48
℃まで上昇した後、粉砕終了まで50℃で安定した。こ
れにより、流動性を有する均質な懸濁液(懸濁液2)を得
た。
【0033】比較例1(乾式粉砕による製造) 実施例1で使用した高アルミナセメントを乾式粉砕し、
次いで実施例1と同じ出発懸濁液の中に混合した。高ア
ルミナセメントはエアージェットミルで粉砕した、3種
類の異なる粒径(2.5μm,5μm,10μm)を有する粉末に調
整した。これら3種類の粉末は、その後、上記と同様の
比率(出発懸濁液900重量部,高アルミナセメント10重量
部)で出発懸濁液の中に加えて懸濁液3(粒径2.5μm)、
懸濁液4(粒径5μm)、懸濁液5(粒径10μm)を得た。こ
れらの混合物はいずれも1時間で調整した。これらの混
合物(懸濁液3,4,5)は含有する高アルミナセメントの
粒子径にかかわらず静置後24時間で固化した。従っ
て、これらの懸濁液は保存性がなく凝結促進剤として利
用できないものであった。一方、湿式粉砕によって得た
本発明の懸濁液1,2は固化しない。
【0034】比較例2(せん断撹拌による製造) 実施例1で使用したものと同じ出発懸濁液と高アルミナ
セメントを用いた。ただし、これらは粉砕せず、せん断
撹拌により混合した。すなわち、再循環ループに置かれ
たコルマ(koruma)せん断ポンプ(ローターないしはステ
ータータイプのシステムにより付与される循環)を装備
した2m3のステンレス反応容器によって本比較例の懸濁
液を製造した。出発懸濁液と高アルミナセメントの混合
比率は実施例1,2と同じ(出発懸濁液90重量部、高アル
ミナセメント10重量部)である。高アルミナセメントは
予備粉砕せずに、高い流動速度(42m3/hr)で出発懸濁液
が循環する高せん断部分(コルマポンプ)に加えられる。
この容器中での撹拌力は数W/m3である。セメントを送入
した後、せん断撹拌を4時間(概ね430回せん断室を通
過)続行した。せん断停止後すぐに懸濁液(懸濁液6)を
抜き出したところ、反応容器、パイプウォークやドラム
の中で急速に固化した。従って、この製造物は保存性が
なく凝結促進剤として利用できないものであった。
【0035】実施例3(出発懸濁液、懸濁溶液1,2の評
価) 実施例1の出発懸濁液(Rhoca jet 50 SC)、あるいは懸
濁液1、2について、これらをおのおの添加したモルタ
ルによってその硬化特性を評価した。モルタルの組成は
以下のとおりである。 砂:140.0g、セメント(CPA CEM I):60.0g、水:28.0g 試験する懸濁液:4.8g 高性能減水剤(商品名:レオヒ゜ルト):0.6g 砂はセメントに混合した。この混合物を水(その後にモ
ルタルの中に試験される懸濁液を加えるため1〜2gの
水は控除される)と高性能減水剤を含む250mlの円柱
状容器に加えた。その後、このモルタルを、試験される
懸濁液を加える前に1分間せん断撹拌した。攪拌は3枚
刃のプロペラを備えた攪拌機(RW20タイフ゜)を用いて30秒
間続けた。その後、硬化特性をスティーブンテクストロ
メーター(Stevens texturometer)を用いて測定した。3
種類の懸濁液について測定結果を図3に示した。この結
果に示すように、出発懸濁液を用いたものは12分経過
後の硬化体の硬さは200gに達しないが、本発明の懸
濁液(液体凝結促進剤)を用いたものは、4〜6分の間に
凝結が急速に進み、懸濁液1を用いたものは700gの
硬度、懸濁液2を用いたものは1000gに達し、何れ
も12分経過後には1000gの硬度が発現する。この
ように、本発明による懸濁液1,2は出発懸濁液よりは
るかに速い硬化特性を示すことがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明の液体凝結促進剤は一定の貯蔵期
間経過しても固化せず、良好な凝結促進効果を有する。
また、本発明の凝結促進剤は従来のものより凝結促進効
果が格段に高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルミナセメントのX線回折チャート
【図2】 本発明の液体凝結促進剤のX線回折チャート
【図3】 実施例3の測定結果を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 佳史 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 小林 久美子 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 綾田 隆史 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 太平洋 セメント株式会社佐倉研究所内 (72)発明者 西 和紀 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 株式会 社小野田開発研究所内 Fターム(参考) 4G012 MB00 MB01 MB08 MB12 MB13 MB23

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸アルミニウム水溶液ないしその水性
    懸濁液からなる成分(I)と、少なくとも1種のアルミン
    酸カルシウム系化合物粉末からなる成分(II)との混合物
    を湿式粉砕し、成分(II)を水と反応させたことを特徴と
    する液体状の水硬性結合材用凝結促進剤。
  2. 【請求項2】 成分(II)のアルミン酸カルシウム系化合
    物がCA、C2A、C3A、C117、C127、CA2
    CA6、C4AF、C2ASiO2、C33X、C43X、
    あるいはこれらの混合物から選ばれたものである請求項
    1に記載する液体凝結促進剤。
  3. 【請求項3】 湿式粉砕によって成分(II)のアルミン酸
    カルシウムを二水石膏と非晶質水酸化アルミニウムに転
    化した請求項1または2に記載する水硬性液体
  4. 【請求項4】 成分(II)の量が、成分(I)と成分(II)の
    合計量に対して、乾燥固形成分換算で40重量%以下で
    ある請求項1、2または3に記載する液体凝結促進剤。
  5. 【請求項5】 成分(II)の量が乾燥固形成分換算で15
    〜40重量%である請求項4に記載する液体凝結促進
    剤。
  6. 【請求項6】 液体のpHが4以下である請求項1〜5
    のいずれかに記載する液体凝結促進剤。
  7. 【請求項7】 成分(I)が硫酸アルミニウムに代えて、
    または硫酸アルミニウムと共に鉄および/またはリチウ
    ムの硫酸塩を含有する請求項1〜6のいずれかに記載す
    る液体凝結促進剤。
  8. 【請求項8】 液体中にアルカリ成分を、アルカリ金属
    酸化物換算で0.5〜5重量%含有する請求項1〜7の
    いずれかに記載する液体凝結促進剤。
  9. 【請求項9】 液体中にシリカ質化合物を、1〜15重
    量%含有する請求項1〜8のいずれかに記載する液体凝
    結促進剤。
  10. 【請求項10】 液体中に分散剤、遅延剤、増粘剤、消
    泡剤あるいは防腐剤のうち1種以上を含む請求項1〜9
    のいずれかに記載する液体凝結促進剤。
  11. 【請求項11】 セメントペースト、モルタルまたはコ
    ンクリートに対して使用される請求項1〜10のいずれ
    かに記載する液体凝結促進剤。
  12. 【請求項12】 アルミニウム硫酸塩の水溶液あるいは
    水性懸濁液からなる成分(I)と、少なくとも1種のアル
    ミン酸カルシウム系化合物粉末からなる成分(II)を混合
    し、この混合物を湿式粉砕して成分(II)を水と反応させ
    ることを特徴とする水硬性結合材用液体凝結促進剤の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 湿式粉砕手段として、コロイドミルタ
    イプのミルあるいはビーズミルを用いる請求項12に記
    載する製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11のいずれかに記載する
    液体凝結促進剤を、水硬性結合材料の製造工程あるいは
    施工時に、該水硬性結合材料に添加することを特徴とす
    る水硬性結合材用液体凝結促進剤の使用方法。
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