JP2000313349A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置

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JP2000313349A
JP2000313349A JP12361799A JP12361799A JP2000313349A JP 2000313349 A JP2000313349 A JP 2000313349A JP 12361799 A JP12361799 A JP 12361799A JP 12361799 A JP12361799 A JP 12361799A JP 2000313349 A JP2000313349 A JP 2000313349A
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steering
vehicle
force
sliding friction
vehicle speed
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JP12361799A
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Hiroshi Okuzumi
宏 奥住
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、簡単な制御としながら、操舵感
を高いレベルに保ちつつ、シミーの発生や車両片流れを
確実に抑制することができる車両の操舵装置を提供する
こと。 【解決手段】 ステアリングホイールaからの操舵力
を、ステアリングギヤ機構bを介して操舵輪c,dに入
力して操舵を行うようにした車両の操舵装置において、
車速検出手段e及び舵角検出手段fからの走行状態情報
と操舵力検出手段gからの操舵力情報に基づき、操舵力
伝達部材へ摺動フリクションを付加するアクチュエータ
hの作動を制御する摺動フリクション制御手段iを設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、良好な操舵感とス
テアリング振動(以下、シミー)の防止とを両立させた
車両の操舵装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の操舵装置としては、例え
ば、特開平5−16827号公報や特開平7−1492
44号公報に記載のものが知られている。
【0003】これらの公報には、車速,サスペンション
に作用する荷重,ステアリングホイール振動情報を基
に、ラックハウジングに設けられたアクチュエータがラ
ックハウジングを加振し、タイロッド振動とラック振動
との相対変位を減らすことでシミーの悪化を防止する技
術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両の操舵装置にあっては、下記に列挙するような
問題がある。
【0005】(1) アクチュエータで振動を相殺するに
は、周波数,位相,振幅をきちんと制御する必要があ
り、制御が非常に複雑で困難となる。
【0006】(2) アクチュエータ反力や作動音が車体に
入力され、アクチュエータが新たな振動騒音源となる。
【0007】(3) アクチュエータ構造が複雑になり、コ
ストが増大するため、車両への採用有無を決定する場合
に大きなネックになる。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、低コス
トで、簡単な制御としながら、操舵感を高いレベルに保
ちつつ、シミーの発生や車両片流れを確実に抑制するこ
とができる車両の操舵装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
図1のクレーム対応図に示すように、ステアリングホイ
ールaからの操舵力を、ステアリングギヤ機構bを介し
て操舵輪c,dに入力して操舵を行うようにした車両の
操舵装置において、車速検出手段eと、前記ステアリン
グホイールaの回転角を検出する舵角検出手段fと、操
舵力伝達部材に作用する操舵力を検出する操舵力検出手
段gと、操舵力伝達部材へ摺動フリクションを付加する
アクチュエータhと、前記車速検出手段e及び舵角検出
手段fからの走行状態情報と操舵力検出手段gからの操
舵力情報に基づき前記アクチュエータhの作動を制御す
る摺動フリクション制御手段iと、を備えていることを
特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の車
両の操舵装置において、前記アクチュエータhを、ラッ
ク軸に摺動フリクションを付加するようにラックケース
の両端部の位置に設置し、前記操舵力検出手段gを、前
記アクチュエータhとステアリングピニオンギヤとの間
のラック軸上の位置に左右それぞれ1つ以上設けたこと
を特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の車
両の操舵装置において、前記操舵力検出手段gを、ラッ
ク軸に設けられた左右の軸力センサにより検出された軸
力センサ値の差値により操舵力を検出する手段としたこ
とを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1ないし請
求項3記載の車両の操舵装置において、前記アクチュエ
ータhによる摺動フリクションの除去時に操舵力伝達部
材に作用するフリクションを、ギヤ歯打ち異音発生限界
まで下げたレベルに設定したことを特徴とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1ないし請
求項4記載の車両の操舵装置において、前記アクチュエ
ータhによる摺動フリクションの付加時に操舵力伝達部
材に作用するフリクションを、シミー発生時のサスペン
ションへの入力と車両片流れ時のサスペンションへの入
力の大きい方の値よりも大きな必要最小限の値に設定し
たことを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1ないし請
求項5記載の車両の操舵装置において、前記摺動フリク
ション制御手段iを、操舵力の絶対値が設定値以下の時
と、操舵力の絶対値が設定値を超えていて、かつ、車速
が設定範囲内で、かつ、操舵角が設定角度以下で、か
つ、操舵力の時間に関する1階微分の絶対値が設定値以
下の時に、摺動フリクションを付加する制御を行う手段
としたことを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項6記載の車
両の操舵装置において、前記摺動フリクション制御手段
iで設定される車速範囲を、車速下限値がシミー発生車
速以下で、車速上限値がシミー発生車速以上である範囲
設定としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】請求項1記載の発明にあって
は、車両運転時、摺動フリクション制御手段iにおい
て、車速検出手段e及び舵角検出手段fからの走行状態
情報と操舵力検出手段gからの操舵力情報に基づき、操
舵力伝達部材へ摺動フリクションを付加するアクチュエ
ータhの作動が制御される。
【0017】すなわち、ドライバの操舵意志を最もダイ
レクトに反映し、外乱の影響を受け難い操舵力を制御す
る際のセンシングのパラメータとすることができる。つ
まり、操舵意志はステアリング回転角加速度からも検知
することが可能であるが、ステアリング慣性モーメント
等の諸パラメータの影響が大きいため、例えば、ステア
リングを交換されてしまうと制御の設定値を変える必要
があり、センシングパラメータとしては不適当である。
【0018】よって、操舵力伝達部材への摺動フリクシ
ョンの付加は、例えば、バネ反力で摩擦材をラック軸に
押し付けること等で付加することができ、簡単な構造で
低コストのアクチュエータhを用いることができる。ま
た、摺動フリクション制御は摺動フリクションの付加を
ON,OFFで制御する簡単な制御とすることができ
る。さらに、操舵力情報により基本的に操舵時に摺動フ
リクション除去とし非操舵時に摺動フリクション付加と
することで、操舵時には操舵抵抗が軽減され操舵感(ス
テアリング応答性,ステアリング戻り性能)を高いレベ
ルに保つことができ、非操舵時にはシミーの発生やタイ
ヤ側からの入力によりタイヤが切れることでの車両片流
れを確実に抑制することができる。加えて、緩やかな曲
線路を保舵しながら走行する状態でもシミーが問題とな
るが、この場合は、操舵力情報に走行状態情報を加味
し、シミーが問題となる条件を満足する時に摺動フリク
ションを付加することでシミーの発生を抑制することが
できる。
【0019】請求項2記載の発明にあっては、操舵力検
出手段gもアクチュエータhも共にラック軸に設定さ
れ、しかも、ラック軸に作用する操舵力を検出する操舵
力検出手段gが、摺動フリクションを付加するアクチュ
エータhの部位よりもステアリングピニオンギヤ側に設
置される。
【0020】よって、ステアリングホイールaから操舵
力検出手段gまでにアクチュエータhが存在しないこと
により、摺動フリクションの付加時においても操舵力検
出手段gによってドライバの操舵意志を検出することが
できる。
【0021】請求項3記載の発明にあっては、操舵力検
出手段gにおいて、ラック軸に設けられた左右の軸力セ
ンサにより検出された軸力センサ値の差値により操舵力
が検出される。
【0022】この操舵力の検出に関しては、ステアリン
グシャフト上の2か所の捩じれの回転角変位差を磁気で
検知する等して捩じりトルクを測定して操舵力を検出す
ることができるが、この場合、静止部材に対するシャフ
ト捩じれ角を検知する必要があり、操舵輪やエンジン等
からの振動入力で相対振れが発生する車両のステアリン
グ系では、精度の良い操舵力検出を望めない。
【0023】これに対し、操舵力測定に軸そのものの歪
みを測定するタイプの軸力センサを用いているため、操
舵力を精度良く時間遅れ無く検出することができる。
【0024】請求項4記載の発明にあっては、アクチュ
エータhによる摺動フリクションの除去時、操舵力伝達
部材に作用するフリクションは、ギヤ歯打ち異音発生限
界まで下げたレベルに設定される。
【0025】よって、摺動フリクションが除去される操
舵時、ギヤ歯打ち異音発生を抑えた最小レベルの操舵力
により、ステアリング切り始めの応答性やステアリング
戻り性の操舵感を大幅に向上させることができる。
【0026】請求項5記載の発明にあっては、アクチュ
エータhによる摺動フリクションの付加時、操舵力伝達
部材に作用するフリクションは、シミー発生時のサスペ
ンションへの入力と車両片流れ時のサスペンションへの
入力の大きい方の値よりも大きな必要最小限の値に設定
される。
【0027】よって、摺動フリクションが付加される時
には、操舵輪からのサスペンション入力より摺動フリク
ションによる抵抗力が上回り、シミーと車両片流れとい
う両現象に対する確実な効果が保証される。また、摺動
フリクションをバネ力により付加する場合、サスペンシ
ョン入力を考慮してバネ力を少しでも小さく設定するこ
とで、アクチュエータhの小型化と応答性の向上を図る
ことができる。
【0028】請求項6記載の発明にあっては、摺動フリ
クション制御手段iにおいて、操舵力の絶対値が設定値
以下の時と、操舵力の絶対値が設定値を超えていて、か
つ、車速が設定範囲内で、かつ、操舵角が設定角度以下
で、かつ、操舵力の時間に関する1階微分の絶対値が設
定値以下の時に、摺動フリクションを付加する制御が行
なわれる。
【0029】よって、まず、操舵力の絶対値が設定値以
下の時は、ドライバの操舵意志が無いと判断し、摺動フ
リクションは操舵力伝達部材に付加された状態になって
いる。つまり、操舵輪側からの入力によりステアリング
が振動したり、操舵輪が切れて車両が片流れしてしまう
ことが起きない。また、操舵力の絶対値が設定値を超え
ている操舵時には、車速と舵角と保舵の条件を共に満足
する時にのみ摺動フリクションが操舵力伝達部材に付加
される。つまり、保舵状態からステアリングを切り増す
時やドライバがステアリングから手を離してステアリン
グ復元力を期待するような時には摺動フリクションを無
くして操舵性が優先される。しかし、直線状態ばかりで
無く、緩やかな曲線路を保舵しながら走行している時に
発生する可能性のあるシミーに対しては、車速と舵角と
保舵のシミー発生条件を共に満足する時に限り摺動フリ
クションを付加することでシミーの発生が防止される。
【0030】請求項7記載の発明にあっては、摺動フリ
クション制御手段iで設定される車速範囲が、車速下限
値をシミー発生車速以下とし、車速上限値をシミー発生
車速以上とする範囲設定とされる。
【0031】よって、緩やかな曲線路を保舵しながら走
行している時、必要以上に摺動フリクションが付加され
ることが無く、シミー発生が問題となる車速域に限って
有効に摺動フリクションを付加し、シミー発生を抑える
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1〜7に記載の発明に対応する車両の操舵装置で
ある。まず、構成を説明する。
【0033】図2は実施の形態1における車両の操舵装
置を示す全体システム図で、図3は実施の形態1におけ
る車両の操舵装置のアクチュエータを示す図2のA−A
線断面図である。図2及び図3おいて、1はラック軸
(操舵力伝達部材)、2はピニオンギヤ(ステアリング
ギヤ機構)、3はラックケース、4は軸力センサ(操舵
力検出手段)、5a,5bは摩擦材、6は皿バネ、7は
磁性体、8は電磁石、9はステアリングコントローラ
(摺動フリクション制御手段)、10は電源、11は車
速センサ(車速検出手段)、12はステアリング舵角セ
ンサ(舵角検出手段)、13はアクチュエータである。
【0034】車両の操舵装置は、図外のステアリングホ
イールからの操舵力を、ピニオンギヤ2を含むステアリ
ングギヤ機構を介して図外の操舵輪に入力して操舵を行
うようにした装置である。
【0035】前記車速センサ11は、車速を検出し、車
速信号をステアリングコントローラ9に入力する。
【0036】前記ステアリング舵角センサ12は、図外
のステアリングホイールの回転角を検出し、ステアリン
グ舵角信号をステアリングコントローラ9に入力する。
【0037】前記軸力センサ4,4は、ラック軸1の軸
歪みを測定するタイプのセンサで、アクチュエータ1
3,13とピニオンギヤ2との間のラック軸1上の位置
に左右それぞれ1つ設けられ、ラック軸1に作用するラ
ック軸力を、軸力センサ値の差値により検出する。
【0038】前記アクチュエータ13,13は、図1及
び図2に示すように、摩擦材5a,5bと皿バネ6と磁
性体7と電磁石8により構成され、ラックケース3の両
端部の位置に設置することでラック軸1へ摺動フリクシ
ョンを付加する部材である。前記摩擦材5aは、摩擦材
5aと一体となった磁性体7を介して皿バネ6によりラ
ック軸1に押し付けられている。摩擦材5aのラック軸
1を挟んだ反対側には摩擦材5bが設置されている。つ
まり、電磁石8を非通電とするとラック軸1は皿バネ6
によるバネ力が作用する摩擦材5a,5bに挟まれて摺
動フリクションを発生する。電磁石8に通電されると磁
性体7は皿バネ6の復元力とは反対方向に引かれるの
で、摩擦材5aによる押し付け力が解除され、アクチュ
エータ13,13により付加される摺動フリクションが
除去されることになる。ここで、アクチュエータ13,
13による摺動フリクションの除去時は、ラック軸1に
作用するフリクションを、ギヤ歯打ち異音発生限界まで
下げたレベルに設定されている。また、アクチュエータ
13,13による摺動フリクションの付加時は、ラック
軸1に作用する摺動フリクションによる抵抗力を、シミ
ー発生時のサスペンションへの入力と車両片流れ時のサ
スペンションへの入力の大きい方の値よりも大きな必要
最小限の値に設定されている。この摺動フリクションの
設定は、皿バネ6によるバネ力の設定によりなされる。
【0039】前記ステアリングコントローラ9は、車速
センサ11及びステアリング舵角センサ12からの走行
状態情報と軸力センサ4,4からのラック軸力情報(ド
ライバの操舵意志情報)に基づき、前記アクチュエータ
13,13の作動を電源10への通電判断により制御す
る摺動フリクション制御手段である。
【0040】次に、作用を説明する。
【0041】[摺動フリクション制御作動の流れ]図4
はステアリングコントローラ9で行われる摺動フリクシ
ョン制御作動の流れを示すフローチャートで、以下、各
ステップについて説明する。
【0042】ステップ40では、制御開始時とステップ
41でNOと判断された時とステップ44でNOと判断
された時、電磁石8がOFFとされ、アクチュエータ1
3,13により摺動フリクションが付加される。
【0043】ステップ41では、軸力センサ値の差値に
より得られたラック軸力の絶対値が設定値F(kgf )
を越えているかどうかが判断される。
【0044】ステップ42では、車速センサ11により
検出された車速がシミー発生車速域(V <車速<V
km/h)かどうかが判断される。
【0045】ステップ43では、ステアリング操舵角が
設定角度Θrad 未満かどうかが判断される。
【0046】ステップ44では、ラック軸力の時間に関
する1階微分の絶対値が設定値F(kgf/s )を超えて
いるかどうかが判断される。
【0047】ステップ45では、ステップ42またはス
テップ43でNOと判断された時とステップ44でYE
Sと判断された時、電磁石8がONとされ、アクチュエ
ータ13,13による摺動フリクションが除去され、ス
テップ41の判断に戻る。
【0048】[摺動フリクション制御作用]図4に基づ
いて摺動フリクション制御作用を説明する。
【0049】まず、イグニッションをONにしただけの
状況では、ステップ40→ステップ41の流れを繰り返
し、アクチュエータ13,13の電磁石8,8はOFF
になっているので、摺動フリクションはアクチュエータ
13,13の皿バネ6,6の反力により付加された状態
となっている。
【0050】次に、走り出してから曲がろうとしてドラ
イバが操舵すると、その操舵力を軸力センサ4,4が検
知して、その値がFkgf を超えていれば、ステップ4
1からステップ42へ進み、車速の判断がなされる。ス
テップ42で車速がシミー発生車速域になければ、ステ
ップ42からステップ45へ進み、電磁石8,8をON
にしてラック軸1に付加されていた摺動フリクションが
除去される。そして、この摺動フリクションは、車速が
シミー発生車速域でない限り中立位置に戻りきるまで除
去されたままとなる。もしも、車速がシミー発生車速域
である場合、ステップ41→ステップ42→ステップ4
3→ステップ44へと進み、ステップ43ではステアリ
ング舵角が判断され、ステップ44では緩曲線道路を保
舵状態で走行しているか同かが判断される。ステアリン
グ舵角が中立から設定角度(Θrad )以上である場合に
は、ステップ43からステップ45へ進み、シミー発生
車速であっても、サスペンションジオメトリーやシミー
発生周期の関係からシミーが現象として問題になりにく
いと判断し、摺動フリクションは付加しない。また、ス
テアリング舵角で設定角度未満で小さい場合は直進走行
に近いのでシミーが問題になり易い。そこで、ラック軸
力の時間微分値と予め設定された設定された設定値F
(kgf/s )を比較することで、ドライバの操舵意志を判
別し、ステアリングを切り足す或は戻そうとする場合以
外は摺動フリクションを与えるようにしてシミーの発生
を抑制している。
【0051】このような制御ロジックにし、操舵意志の
無い状態では摺動フリクションを付加して車両片流れを
阻止しているので、車両の片流れ性能に左右されずにラ
ック全体の摺動フリクションを限界まで下げることがで
き、操舵感を大幅に向上させることができる。
【0052】次に、効果を説明する。
【0053】(1) 車両運転時、車速センサ11及びステ
アリング舵角センサ12からの走行状態情報と軸力セン
サ4,4からのラック軸力情報に基づき、ラック軸1へ
摺動フリクションを付加するアクチュエータ13,13
の作動を制御するサスペンションコントローラ9を設け
たため、低コストで、簡単な制御としながら、操舵感を
高いレベルに保ちつつ、シミーの発生や車両片流れを確
実に抑制することができる。
【0054】すなわち、ラック軸1への摺動フリクショ
ンの付加は、バネ反力で摩擦材5a,5bをラック軸1
に押し付けること等で付加することができ、簡単な構造
で低コストのアクチュエータ13,13を用いることが
できる。
【0055】また、摺動フリクション制御は摺動フリク
ションの付加を電磁石8,8へのON,OFFで制御す
る簡単な制御とすることができる。
【0056】さらに、ドライバの操舵意志を最もダイレ
クトに反映し、外乱の影響を受け難い操舵力情報を制御
の際にセンシングのパラメータとし、基本的に操舵時に
摺動フリクション除去とし非操舵時に摺動フリクション
付加とすることで、操舵時には操舵抵抗が軽減され操舵
感(ステアリング応答性,ステアリング戻り性能)を高
いレベルに保つことができ、非操舵時にはシミーの発生
やタイヤ側からの入力によりタイヤが切れることでの車
両片流れを確実に抑制することができる。加えて、緩や
かな曲線路を保舵しながら走行する状態でもシミーが問
題となるが、この場合は、操舵力情報に走行状態情報を
加味し、シミーが問題となる条件を満足する時に摺動フ
リクションを付加することでシミーの発生を抑制するこ
とができる。
【0057】(2) 軸力センサ4,4もアクチュエータ1
3,13も共にラック軸1に設定され、しかも、ラック
軸力を検出する軸力センサ4,4が、摺動フリクション
を付加するアクチュエータ13,13の部位よりもピニ
オンギヤ2側に設置されているため、ステアリングホイ
ールから軸力センサ4,4までにアクチュエータ13,
13が存在しないことにより、摺動フリクションの付加
時においても軸力センサ4,4によってドライバの操舵
意志を検出することができる。
【0058】(3) 軸の歪みを測定するタイプの軸力セン
サ4,4を用い、ラック軸1に設けられた左右の軸力セ
ンサ4,4により検出された軸力センサ値の差値により
操舵力が検出されるため、ラック軸力で代表される操舵
力を精度良く時間遅れ無く検出することができる。
【0059】(4) アクチュエータ13,13による摺動
フリクションの除去時、ラック軸1に作用するフリクシ
ョンは、ギヤ歯打ち異音発生限界まで下げたレベルに設
定されるため、ギヤ歯打ち異音発生を抑えつつ、ステア
リング切り始めの応答性やステアリング戻り性の操舵感
を大幅に向上させることができる。
【0060】(5) アクチュエータ13,13による摺動
フリクションの付加時、ラック軸1に作用するフリクシ
ョンは、シミー発生時のサスペンションへの入力と車両
片流れ時のサスペンションへの入力の大きい方の値より
も大きな必要最小限の値に設定されるため、シミーと車
両片流れという両現象に対する確実な効果が保証される
と共に、アクチュエータ13,13の小型化,省電力化
と応答性の向上を図ることができる。
【0061】(6) 摺動フリクション制御において、ラッ
ク軸力の絶対値が設定値F 以下の時と、ラック軸力
の絶対値が設定値Fを超えていて、かつ、車速が設定
範囲内で、かつ、ステアリング舵角が設定角度Θ未満
で、かつ、ラック軸力の時間に関する1階微分の絶対値
が設定値F以下の時に、摺動フリクションを付加する
制御が行なわれるため、直進走行時にはシミーや車両片
流れを抑制することができ、旋回走行時には摺動フリク
ションを無くした高い操舵性を確保しながら、緩やかな
曲線路を保舵しながら走行している時に発生する可能性
のあるシミーを防止することができる。
【0062】(7) 摺動フリクション制御において車速条
件で設定される車速範囲がシミー発生車速域の設定とさ
れているため、シミー発生が問題となる車速域に限って
有効に摺動フリクションを付加し、シミー発生を抑える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の操舵装置を示すクレーム対応図
である。
【図2】実施の形態1における車両の操舵装置を示す全
体システム図である。
【図3】実施の形態1における車両の操舵装置のアクチ
ュエータを示す図2のA−A線断面図である。
【図4】実施の形態1における車両の操舵装置のステア
リングコントローラで行われる摺動フリクション制御作
動の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
a ステアリングホイール b ステアリングギヤ機構 c,d 操舵輪 e 車速検出手段 f 舵角検出手段 g 操舵力検出手段 h アクチュエータ i 摺動フリクション制御手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールからの操舵力を、
    ステアリングギヤ機構を介して操舵輪に入力して操舵を
    行うようにした車両の操舵装置において、 車速検出手段と、 前記ステアリングホイールの回転角を検出する舵角検出
    手段と、 操舵力伝達部材に作用する操舵力を検出する操舵力検出
    手段と、 操舵力伝達部材へ摺動フリクションを付加するアクチュ
    エータと、 前記車速検出手段及び舵角検出手段からの走行状態情報
    と操舵力検出手段からの操舵力情報に基づき前記アクチ
    ュエータの作動を制御する摺動フリクション制御手段
    と、 を備えていることを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両の操舵装置におい
    て、 前記アクチュエータを、ラック軸に摺動フリクションを
    付加するようにラックケースの両端部の位置に設置し、 前記操舵力検出手段を、前記アクチュエータとステアリ
    ングピニオンギヤとの間のラック軸上の位置に左右それ
    ぞれ1つ以上設けたことを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両の操舵装置におい
    て、 前記操舵力検出手段を、ラック軸に設けられた左右の軸
    力センサにより検出された軸力センサ値の差値により操
    舵力を検出する手段としたことを特徴とする車両の操舵
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の車両の操
    舵装置において、 前記アクチュエータによる摺動フリクションの除去時に
    操舵力伝達部材に作用するフリクションを、ギヤ歯打ち
    異音発生限界まで下げたレベルに設定したことを特徴と
    する車両の操舵装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載の車両の操
    舵装置において、 前記アクチュエータによる摺動フリクションの付加時に
    操舵力伝達部材に作用するフリクションを、シミー発生
    時のサスペンションへの入力と車両片流れ時のサスペン
    ションへの入力の大きい方の値よりも大きな必要最小限
    の値に設定したことを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5記載の車両の操
    舵装置において、 前記摺動フリクション制御手段を、操舵力の絶対値が設
    定値以下の時と、操舵力の絶対値が設定値を超えてい
    て、かつ、車速が設定範囲内で、かつ、操舵角が設定角
    度以下で、かつ、操舵力の時間に関する1階微分の絶対
    値が設定値以下の時に、摺動フリクションを付加する制
    御を行う手段としたことを特徴とする車両の操舵装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の車両の操舵装置におい
    て、 前記摺動フリクション制御手段で設定される車速範囲
    を、車速下限値がシミー発生車速以下で、車速上限値が
    シミー発生車速以上である範囲設定としたことを特徴と
    する車両の操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016155418A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 富士重工業株式会社 ステアリング装置

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