JP2000313110A - レジ用インクジェットプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字対象用紙にインクジェット印字へッドを
利用して各種の印字対象情報を高画質で高速印字できる
低騒音かつ用紙セッティング作用の容易なレジ用インク
ジェットプリンタを提供する。 【解決手段】 レシート用紙１１０を用紙搬送装置５０
に搬送可能状態に挿入する際にインクジェット印字ヘッ
ド４０を第１のガイド位置Ｐｒに停止可能かつ伝票１２
０を伝票搬送装置６０に搬送可能状態に挿入する際にイ
ンクジェット印字ヘッド４０を第２のガイド位置Ｐｓに
停止可能に形成し、第１のガイド位置Ｐｒ（第２のガイ
ド位置Ｐｓ）においてはキャリア３２の下部３３側が当
該レシート用紙１１０（伝票１２０）の上方に存在可能
かつ当該インクジェット印字ヘッド４０が当該レシート
用紙（伝票）から左右方向に外れた位置で停止可能に形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ本体に、
左右方向に伸びるガイドロッドと，このガイドロッドに
左右方向に移動可能に装着されたキャリアと，このキャ
リアに装着されたインクジェット印字ヘッドとを設け、
かつ連続紙であるレシート用紙を用紙搬送方向に搬送可
能な用紙搬送装置および非連続紙である伝票を伝票搬送
方向に搬送する伝票搬送装置を設けレジ用インクジェッ
トプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】独立的に使用しあるいはＰＯＳシステム
のターミナルとして使用される例えば電子キャッシュレ
ジスタ型の商品販売データ処理装置（この明細書では、
以下、単に“レジ”と略称する。）では、顧客買上商品
について商品登録し、１取引終了宣言の締め操作を条件
として会計処理を行う。登録商品情報および会計処理情
報等を含むレシート印字情報は編集されかつレジ用プリ
ンタを駆動制御してレシート用紙に印字される。そし
て、カットされたレシートを発行し当該顧客に手渡され
る。

【０００３】従来、レジ用プリンタは、サーマルプリン
タを採用すると消耗品であるレシート用紙（感熱用紙）
が高価であることから、ニードルを用いたドットインパ
クト方式の印字ヘッドを採用したプリンタが多用されて
いる。

【０００４】また、レジでは、支払い方法の多様化等か
ら、各種伝票に当該各種伝票情報を印字する場合が増大
している。伝票には店内事務処理等のためのものも含ま
れる。また、伝票情報には、レシート印字情報の全部ま
たは一部、さらには当該各伝票に固有的な情報が含まれ
る。

【０００５】しかし、レシートと伝票とでは、平面的形
態や印字態様が異なるので、レシート用プリンタと伝票
用プリンタとを別個に設けているが、当然にコスト高お
よび装置全体の大型化を招く。

【０００６】そこで、レシート用紙と伝票とを１台のレ
ジ用プリンタで印字可能に構築したものが提案・利用さ
れている。つまり、レシートと伝票とを同一のプリンタ
で印字・発行するのが得策である。また、業務能率の点
から印字後のレシートおよび伝票を同一方向（キャッシ
ャーの立っている方向）に排出（発行）するのが好まし
い。

【０００７】すなわち、印字後のレシートと伝票とは同
一方向（例えば、本体の手前）つまりキャッシャーの手
元で排出させたい。すると、レシート用紙（レシート）
の幅寸法よりも伝票の横幅の方が長いので、伝票はレシ
ート用紙の搬送方向（例えば、奥行側→手前側）と逆の
方向（手前側→奥行側）から挿入しかつ印字後に逆搬送
（奥行側→手前側）して排出させなければならない。

【０００８】かくして、レシートと伝票との上記相異か
ら、用紙および伝票の搬送方向を変更しかつインパクト
印字のために例えば印字ヘッドおよび印字ガイド面（印
字領域）を平面内で位置ずれさせたりしなければならな
いので、構造複雑で印字ヘッドの往復移動時間が長くな
る。つまり、印字処理時間が長くなる。条件によっては
別個の印字ヘッドを用いなければならないので、装置小
型化および装置低コスト化を十分に達成できているとは
言い難いとの指摘がある。また、巻癖のあるレシート用
紙や横幅の大きな伝票の当該搬送装置へのセッティング
作業が煩わしいとの指摘もある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】さらに近年、レシート
の利用性が高まっている。例えば、顧客がレシートから
レシート印字情報を黙読して自宅パソコンに当該レシー
ト印字情報をキー入力し、あるいはＯＣＲを用いて読取
り入力して、家計簿を管理する等である。伝票の場合も
同様である。したがって、レシート印字情報・伝票情報
のレシート・伝票への鮮明・高画質印字が強く望まれつ
つある。

【００１０】一方において、キャッシャーおよび顧客と
もに、ドットインパクトプリンタによる印字時の騒音が
大きく耳障りである。つまり、使用環境上の改善が望ま
れている。また、用紙搬送機構等を含むプリンタをレジ
本体内に組込む従来構造では、レジ自体としては電子化
による小型化ができ得るのに、プリンタが大きなスペー
スを占有するので、結果としてレジ全体の小型化を阻止
する要因となっている。一方、小型化は特に巻癖あるレ
シート用紙のセッティングを一段と煩雑にしている。

【００１１】さらに、各顧客に手渡しされるレシートを
当該店舗等の宣伝媒体に有効利用（使用）したいとの要
請が一段と強まっている。印字機能の高度化により、例
えば、特売商品や新規入荷商品を高密度の文字情報やモ
ノクロ・カラー画像情報としてアピールする等である。
同様に、伝票印字機能を利用して例えば伝票類似形態の
割引券等を発行したいとの要請も多い。

【００１２】本発明の目的は、印字対象用紙にインクジ
ェット印字へッドを利用して各種の印字対象情報を高画
質で高速印字できる低騒音かつ用紙セッティング作用の
容易なレジ用インクジェットプリンタを提供することに
ある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】従来は、レシート用紙お
よび伝票の双方を印字しなければならずかつ伝票を可逆
搬送しなければならないことから、印字ヘッドは慣行的
に上記のドットインパクト方式が採用されている。

【００１４】これに対してインクジェット印字ヘッドを
採択すれば、レシート用紙および伝票の双方にそれぞれ
非接触印字ができることから、同一のインクジェット印
字ヘッドを用いかつ同一の印字領域においてレシート用
紙および伝票の印字処理高速化を達成できかつ小型化を
図れるとともに、高画質印字かつ低騒音印字ができる筈
である。

【００１５】ここに、本発明は、インクジェット印字ヘ
ッドを用いたプリンタでは印字対象媒体（伝票）を印字
後にインク汚れ防止の観点から逆搬送するという技術的
観念がないのに対して、これを打破する新規な発想に基
づき、インクジェット印字ヘッドを採択してその利益を
発揮可能とするとともに、その採択による欠点（インク
ジェット印字ヘッドの保護と用紙セッティング作業困難
性等）を巧みに解消できるように構成したものである。

【００１６】すなわち、請求項１の発明は、プリンタ本
体に、左右方向に伸びるガイドロッドと，このガイドロ
ッドに左右方向に移動可能に装着されたキャリアと，こ
のキャリアに装着されたインクジェット印字ヘッドとを
設け、かつ連続紙であるレシート用紙を用紙搬送方向に
搬送可能な用紙搬送装置および非連続紙である伝票を伝
票搬送方向に搬送する伝票搬送装置を設け、レシート用
紙を用紙搬送装置に搬送可能状態に挿入する際にインク
ジェット印字ヘッドを第１のガイド位置に停止可能かつ
伝票を伝票搬送装置に搬送可能状態に挿入する際にイン
クジェット印字ヘッドを第２のガイド位置に停止可能に
形成し、第１のガイド位置においてはキャリアの下部側
が当該レシート用紙の上方に存在可能かつ当該インクジ
ェット印字ヘッドが当該レシート用紙から左右方向に外
れた位置で停止可能に形成されるとともに、第２のガイ
ド位置においてはキャリアの下部側が当該伝票の上方に
存在可能かつ当該インクジェット印字ヘッドが当該伝票
から左右方向に外れた位置で停止可能に形成されている
レジ用インクジェットプリンタである。

【００１７】かかる発明では、プリンタ本体の左右方向
に伸びるガイドロッドに沿って移動可能なキャリアに装
着されたインクジェット印字ヘッドを駆動して、用紙搬
送装置によって用紙搬送方向に搬送される連続紙たるレ
シート用紙にレシート印字情報を印字する。また、伝票
搬送装置によって用紙搬送方向に搬送される非連続紙た
る伝票に伝票情報を印字することができる。

【００１８】これら印字運転をするための前提条件、つ
まり最初にレシート用紙の先端を用紙搬送装置に搬送可
能状態に挿入する際に、インクジェット印字ヘッドは、
キャリアの下部側が当該レシート用紙の上方に存在しか
つ当該インクジェット印字ヘッドが当該レシート用紙か
ら左右方向に外れた位置である第１のガイド位置に停止
される。したがって、その先端がインクジェット印字ヘ
ッドの一番弱いヘズル先端に摺れることがないばかり
か、当該先端を印字ガイド面とキャリア下部との間に差
し込まれるから確実な挿入ができる。

【００１９】同様に、毎回の伝票の先端を伝票搬送装置
に搬送可能状態に挿入する際に、インクジェット印字ヘ
ッドは、キャリアの下部側が当該伝票の上方に存在しか
つ当該インクジェット印字ヘッドが当該伝票から左右方
向に外れた位置である第２のガイド位置に停止される。
したがって、その先端がインクジェット印字ヘッドの一
番弱いヘズル先端に摺れることがないばかりか、当該先
端を印字ガイド面とキャリア下部との間に差し込まれる
から確実な挿入ができる。

【００２０】したがって、インクジェット印字ヘッドの
保護を確実化するとともに、レシート用紙および伝票の
当該各搬送装置への各セッティング作業を迅速かつ簡単
に行え、取扱いが容易である。

【００２１】また、請求項２の発明は、前記キャリアに
装着された前記インクジェット印字ヘッドが、左右方向
において当該キャリアの左側に位置するように形成され
たレジ用インクジェットプリンタである。

【００２２】かかる発明では、インクジェット印字ヘッ
ドが、左右方向において当該キャリアの左側に位置する
ものとしてキャリアに装着されているので、第１および
第２のガイド位置においてインクジェット印字ヘッドは
プリンタ本体の左方側に位置して停止されるとともにイ
ンクジェット印字ヘッドの印字運転中における左方向の
移動距離を拡大できる。

【００２３】したがって、請求項１の発明の場合と同様
な作用効果を奏することができることに加え、さらにレ
シート用紙および伝票に対する印字可能領域を拡大する
ことができる。

【００２４】また、請求項３の発明は、前記キャリアに
装着された前記インクジェット印字ヘッドが、左右方向
において当該キャリアの右側に位置するように形成され
たレジ用インクジェットプリンタである。

【００２５】かかる発明では、インクジェット印字ヘッ
ドが、左右方向において当該キャリアの右側に位置する
ものとしてキャリアに装着されているので、第１および
第２のガイド位置においてインクジェット印字ヘッドは
プリンタ本体の右方側位置で停止されるとともに、イン
クジェット印字ヘッドの印字運転中における右方向の移
動距離を縮小できる。

【００２６】したがって、請求項１の発明の場合と同様
な作用効果を奏することができることに加え、さらにプ
リンタ本体の右方側にヘッドメンテナンス手段を配置し
易くなりかつ印字領域を外れた直後にメンテナンスを行
える。また、特に、プリンタ本体を片持梁構造とする場
合の自由端の下向き撓み変形を軽減できる。

【００２７】さらに、請求項４の発明は、前記下部側で
かつ前記キャリアの前記インクジェット印字ヘッドの装
着位置を除く下部に、当該各搬送装置に挿入される前記
レシート用紙および前記伝票の先端部を下方の印字ガイ
ド面に向けてガイドするガイド部材が設けられているレ
ジ用インクンジェットプリンタである。

【００２８】かかる発明では、挿入されるレシート用紙
先端および伝票先端は、キャリアのインクジェット印字
ヘッドの装着位置を除く下部に設けられたガイド部材に
よって、下方の印字ガイド面に向けてガイドされる。し
たがって、請求項１から請求項３の各発明の場合と同様
な作用効果を奏することができることに加え、さらに当
該各搬送装置にレシート用紙および伝票を一段と正確か
つ迅速にセッティングすることができる。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。本レジ用インクンジェットプ
リンタ２０は、図１〜図７に示す如く、プリンタ本体２
１にガイドロッド３１とキャリア３２とインクジェット
印字ヘッド４０とを設け、かつ連続紙であるレシート用
紙１１０を用紙搬送方向Ｘｒに搬送可能な用紙搬送装置
５０および非連続紙である伝票１２０を伝票搬送方向
（Ｘｓ１，Ｘｓ２）に搬送する伝票搬送装置６０を設
け、レシート用紙１１０を用紙搬送装置５０に搬送可能
状態に挿入する際にインクジェット印字ヘッド４０を第
１のガイド位置Ｐｒに停止可能かつ伝票１２０を伝票搬
送装置６０に搬送可能状態に挿入する際にインクジェッ
ト印字ヘッド４０を第２のガイド位置Ｐｓに停止可能に
形成し、第１のガイド位置Ｐｒにおいてはキャリア３２
の下部３３側が当該レシート用紙１１０の上方に存在可
能かつ当該インクジェット印字ヘッド４０が当該レシー
ト用紙１１０から左右方向に外れた位置で停止可能に形
成されるとともに、第２のガイド位置Ｐｓにおいてはキ
ャリア３２の下部３３側が当該伝票１２０の上方に存在
可能かつ当該インクジェット印字ヘッド４０が当該伝票
１２０から左右方向に外れた位置で停止可能に形成され
ている。

【００３０】本プリンタ２０は、図１に示す電子キャッ
シュレジスタ（レジ）１０にケーブル１０Ｃを介して接
続され、商品登録および会計処理に伴うレシート印字情
報をレシート（１１０）に印字しかつ伝票１２０に伝票
情報を印字するために使用される。

【００３１】この電子キャッシュレジスタ１０は、図１
の本体１０Ｂ内に格納された図１１に示す制御部（ＣＰ
Ｕ１１，ＲＯＭ１２，ＲＡＭ１３）に、ＨＤＤ１８，Ｆ
ＤＤ（図示省略），キーボード（ＫＢ）１４，スキャナ
（ＳＣＮ）１５，図１に示すキャッシャー用表示器１６
Ａおよび顧客用表示器１６Ｂからなる表示器（ＩＮＤ）
１６および自動解放型のドロワ（ＤＲＷ）１７を接続し
た構成とされている。１９はプリンタドライバである。

【００３２】また、本プリンタ２０の駆動制御部８０
は、ＭＰＵ等を含む制御部８１に、メモリ８２，表示部
（ＩＮＤ）８３，ボタン（スイッチ）部（ＳＷ）８４，
モータ駆動部（ＤＲＶ）８５，センサー部８６，カッタ
ー部３８およびインターフェイス（Ｉ／Ｆ）８８を含
み、電子キャッシュレジスタ１０から受信したレシート
印字情報等を含む印字要求信号に基づきインクジェット
印字ヘッド４０を駆動制御して、当該各情報を当該用紙
（１１０，１２０）に印字する。制御部８１は、キャリ
ア３２の往復移動・停止制御に関しては、図１２，図１
３に示す動作をする。

【００３３】すなわち、用紙のセッティング作業指令が
ある（図１２のＳＴ１０でＹＥＳ）と、当該用紙がレシ
ート用紙１１０である場合（ＳＴ１１のＮＯ）には、キ
ャリア３２を移動させてインクジェット印字ヘッド４０
（キャリア３２）を図２，図１４に示す第１のガイド位
置Ｐｒに停止させる（ＳＴ１２）。

【００３４】伝票１２０の場合（ＳＴ１１のＹＥＳ）に
は、図２，図１５に示す第２のガイド位置Ｐｓに停止
（ＳＴ１３）させる。いずれの場合にも、セッティング
終了（ＳＴ１４のＹＥＳ）でホームポジションＨＰに戻
す（ＳＴ１５）。

【００３５】また、メンテナンス指令（図１３のＳＴ１
９でＹＥＳ）があると、ヘッド４０（キャリア３２）を
図２のメンテナンスポジションＭＰに移動・停止させる
（ＳＴ２０）。この終了（ＳＴ２１のＹＥＳ）で、再び
ホームポジションＨＰに戻す（図１２のＳＴ１５）。

【００３６】印字運転の場合（ＳＴ１６のＹＥＳ）は、
インクジェット印字ヘッド４０を図２で左右方向（行方
向）に往復移動（ＳＴ１７）する。印字終了（ＳＴ１８
のＹＥＳ）でホームポジションＨＰに戻す（図１２のＳ
Ｔ１５）。なお、インクカセット４５の交換時には、イ
ンクカセット交換位置ＣＰに停止させる。

【００３７】モータ駆動部８５は、キャリア３２を往復
移動させるためのキャリア用モータ８５ＭＣ，レシート
用紙１１０を搬送するためのレシート用モータ８５Ｍ
Ｒ，伝票１２０を可逆搬送するための伝票用モータ８５
ＭＳを、回転駆動することができる。なお、カッター部
３８および図２のヘッドメンテナンス手段１００は、い
ずれかのモータを流用して駆動される。

【００３８】ここに、プリンタ２０は、図１に示すよう
に、プリンタ本体２１（上体２３，下体２５）の後方側
（奥行側）にロール用紙収容部２７を設け、前方側（手
前側）に伝票挿入部（伝票排出部）２５Ｓおよびレシー
ト発行部２５Ｒを設けた外観とされている。

【００３９】そして、伝票１２０は伝票挿入部２５Ｓか
ら上体２３と下体２５との間の隙間２５Ｈを通して正搬
送方向Ｘｓ１へ挿入され、伝票情報が印字されつつロー
ル用紙収容部２７の開口部を覆う上蓋２４上にその先端
側（一部）が一時保留されかつ印字終了後に伝票排出部
２５Ｓから排出される。つまり、キャッシャーは、レシ
ート（１１０）と伝票１２０とをその場（手前側）で取
り扱える。

【００４０】図２〜図４において、プリンタ本体２１
は、左右方向の一方側ＲＴ（図２で右側）で上体２３が
下体２５に連結されかつその他方側ＦＴ（左側）で当該
上体２３が当該下体２５に非連結とされた片持梁構造に
形成されている。

【００４１】上体２３側に装着されたインクジェット印
字ヘッド４０は、キャリア移動機構３０（左右方向に伸
びるガイドロッド３１，このガイドロッド３１に移動可
能に装着されたキャリア３２）によってかつガイドロッ
ド３１に沿って左右方向に往復移動可能である。

【００４２】キャリア３２には、インクジェット印字ヘ
ッド４０にインクを供給するためのインクカセット４５
が着脱自在に設けられている。このインクジェット印字
ヘッド４０は、図８（Ａ）および図９（Ａ）並びに図１
０（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）に示す如く、左右方向におい
てキャリア３２の右側に位置するように形成されてい
る。

【００４３】また、下部３３側でかつキャリア３２のイ
ンクジェット印字ヘッド４０の装着位置を除く下部に、
当該各搬送装置５０，６０に挿入されるレシート用紙１
１０および伝票１２０の先端部を下方の印字ガイド面２
９に向けてガイドするガイド部材３４が設けられてい
る。

【００４４】この実施形態では、図１０（Ｃ）に示す前
方側のガイド部材３４Ｆと後方側のガイド部材３４Ｂと
からなり、また図１０（Ａ）に示すようにキャリア３２
のインクジェット印字ヘッド４０の取付位置（右側）と
反対の位置（左側）に設けてある。いずれのガイド部材
３４Ｆ，３４Ｂも薄板材の円弧形状とされている。

【００４５】すなわち、レシート用紙１１０を用紙搬送
装置５０に搬送可能状態に挿入する際に、インクジェッ
ト印字ヘッド４０を図１４に示すように第１のガイド位
置Ｐｒに停止し、キャリア３２の下部３３側のガイド部
材３４Ｂ，３４Ｆを当該レシート用紙１１０の上方に存
在させかつ当該インクジェット印字ヘッド４０を当該レ
シート用紙１１０から左右方向に外れた位置に停止させ
ることができる。

【００４６】また、伝票１２０を伝票搬送装置６０に搬
送可能状態に挿入する際に、インクジェット印字ヘッド
４０を図１５に示す如く第２のガイド位置Ｐｓに停止
し、キャリア３２の下部３３側のガイド部材３４Ｆ，３
４Ｂを当該伝票１２０の上方に存在させかつ当該インク
ジェット印字ヘッド４０を当該伝票１２０から左右方向
に外れた位置で停止させることができる。

【００４７】かくして、用紙（１１０，１２０）をセッ
ティングする際に、当該各用紙の先端は下向きにガイド
されて円滑な当該各搬送装置５０，６０への挿入ができ
るとともに、用紙先端がインクジェット印字ヘッド４０
の下面（ノズル先端）に直接接触したり、突ついたりし
て、破損させてしまうことを防止することができる。

【００４８】また、プリンタ本体２１の右方側にヘッド
メンテナンス手段１００を配置し易くなりかつ印字領域
を外れた直後にメンテナンスを行える。特に、プリンタ
本体２１（２３）を片持梁構造としたので、自由端ＦＴ
の下向き撓み変形を軽減できる。

【００４９】このヘッドメンテナンス手段１００は、イ
ンクジェット印字ヘッド４０からインクを強制吐出させ
て当該ヘッド（ノズル）をメンテナンスするものであ
り、この実施形態ではインク吸引口，インク吸引ポンプ
等を含むインク吸引式とされている。メンテナンス時の
インクジェット印字ヘッド４０に掛かる下向き外力（吸
引力）による上体２３の下向き撓み変形に及ぼす影響を
大幅に軽減できる。

【００５０】つまり、キャリア３２を図２に示すメンテ
ナンスポジションＭＰに位置付けした場合（図１３のＳ
Ｔ１９でＹＥＳ，ＳＴ２０）に、インクジェット印字ヘ
ッド４０が吸引口に対応かつカバーされ、インクポンプ
を駆動することにより、メンテナンスすることができ
る。

【００５１】また、インクジェット印字ヘッド４０およ
びインクカセット４５は、個々（一体としてもよい。）
にキャリア３２から着脱できる。すなわち、インクカセ
ット４５を図２に示すプリンタ本体２１の一方側ＲＴの
カセット交換位置ＣＰに停止させて、インクカセット４
５（または、インクジェット印字ヘッド４０と一体的な
インクカセット４５）を交換することができる。

【００５２】したがって、例えば、図２でカッコ書きし
た中央のカセット交換位置ＣＰの場合に比較して、カセ
ット交換時にキャリア３２に加わる下向き外力に起因す
る上体２３の下向き撓み変形および一方側（固定端側）
ＲＴに与えるモーメントを軽減することができるので、
片持梁構造への下向き荷重の軽減により上体２３の簡素
化ができる。

【００５３】次に、印字対象用紙（１１０，１２０）を
前後方向に搬送するための搬送装置５０（６０）は、上
体２３側に設けた左右方向に伸びる上搬送ローラー［用
紙搬送用ローラー５２Ｕ・５２Ｄ（伝票搬送ローラー６
２Ｕ・６２Ｄ）］と，下体２５側に設けた左右方向に伸
びる下搬送ローラー［用紙搬送用ローラー５５Ｕ・５５
Ｄ（伝票搬送ローラー６５Ｕ・６５Ｄ）］と，下側の各
搬送用ローラー５５Ｕ・５５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）側を
当該上側の各搬送用ローラー５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・
６２Ｄ）側に付勢する付勢手段７０とを有し、上体２３
の一方側ＲＴから他方側ＦＴに向けて増大する撓み変形
の影響を除去しつつ下側の各搬送用ローラー５５Ｕ・５
５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）と，上側の各搬送用ローラー５
２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）とで搬送される用紙
（レシート用紙１１０，伝票１２０）の上面とインクジ
ェット印字ヘッド４０との上下方向間隔（Ｃｈｓ，Ｃｈ
ｓ＋伝票厚さ分＋Ｃｓｒ）を一定範囲内に保持可能に形
成されている。

【００５４】かくして、非連結の上体２３と下体２５と
の他方側の隙間２５Ｈを通して非連続紙である伝票１２
０を挿入できる。しかし、上体２３にはインクジェット
印字ヘッド４０が装着されかつ左右方向に伸びるガイド
ロッド３１に左右方向に移動可能に装着されたキャリア
３２が設けられているので、上体２３の一方側から他方
側に向けて増大する撓み変形する虞が強いが、図２〜図
４に示す付勢手段７０（バネ７０Ｌ，７０Ｒ）が下側の
各搬送ローラー５５Ｕ・５５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）を上
体２３側に設けられた左右方向に伸びる上側の各搬送用
ローラー５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）側へ常に押
し上げるので、その撓み変形の影響を除去できる。

【００５５】つまり、ともに上体２３側に設けられたキ
ャリア３２のガイドロッド３１と上側の各搬送ローラー
５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）［回転軸５１Ｕ，５
１Ｄ（６１Ｕ，６１Ｄ）］とは左右方向に渡って上下方
向の相対位置が一定であるが、上体２３が他方側に行く
にしたがって下方への撓みが増大する虞がある。

【００５６】しかし、下側の各搬送用ローラー５５Ｕ・
５５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）が当該上側の各搬送用ローラ
ー５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）側に付勢されてい
るので、上側の各搬送用ローラー５２Ｕ・５２Ｄ（６２
Ｕ・６２Ｄ）の下側接触位置と当該下側の各搬送用ロー
ラー５５Ｕ・５５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）の上側接触位置
とは左右方向の何処でも密接している。

【００５７】すなわち、各接触位置は、ガイドロッド３
１を左右方向に往復移動（例えば、摺動）するインクジ
ェット印字ヘッド４０との上下方向相対位置が一定であ
る。したがって、連続紙たるレシート用紙１１０や他方
側の隙間２５Ｈを通した非連続紙たる伝票１２０を前後
方向に搬送しつつ高密度な文字列や図形を高品質で静か
に印字することができる。

【００５８】なお、図２〜図４では、伝票搬送装置６０
の上流側でかつ下側の搬送用ローラー６５Ｕを構成する
２つのローラー要素６５ＥＵＬ，６５ＥＵＲを付勢手段
７０（２つのバネ７０Ｌ，７０Ｒ）で付勢した状態を示
している。また、図４のバネ７０ＲＵは一方側で上流
側、バネ７０ＲＤは一方側で下流側に配設されたもので
ある。

【００５９】かくして、印字対象媒体であるレシート用
紙１１０や伝票１２０に接触する面積を小さくすること
ができる。つまり、下側の各搬送用ローラー５５Ｕ・５
５Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）が印字面を擦る度合いを大幅に
軽減することができるとともに、付勢手段７０（バネ７
０Ｌ，７０Ｒ、バネ７０Ｌ，７０Ｒ）が下側の各搬送用
ローラー５５Ｕ・５５Ｄ，６５Ｕ・６５Ｄ用の各回転軸
５３，６３を左右方向の複数（２）点で付勢するので、
上体２３の一方側ＲＴの付勢力を小さくかつ他方側ＦＴ
の付勢力を大きくすることが容易になる。すなわち、搬
送装置５０（６０）で前後方向に搬送される印字対象媒
体［１１０（１２０）］の左右方向（幅方向）における
各部位とインクジェット印字ヘッド４０との間隔（Ｃｈ
ｓ，Ｃｈｓ＋伝票厚さ分＋Ｃｓｒ）を一段と均一にでき
るから、印字品質を一層高められる。

【００６０】しかも、上搬送ローラー５２Ｕ・５２Ｄ
（６２Ｕ・６２Ｄ）および下搬送ローラー５５Ｕ・５５
Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）が、左右方向に伸びる各回転軸５
１Ｕ・５１Ｄ（６１Ｕ・６１Ｄ）および５３Ｕ・５３Ｄ
（６３Ｕ・６３Ｄ）に離隔する複数の上搬送ローラー要
素（詳細は後記する。）および下搬送ローラー要素（詳
細は後記する。）から形成されているので、印字対象媒
体であるレシート用紙１１０や伝票１２０に接触する面
積を小さくすることができる。つまり、各上搬送ローラ
ー５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）が当該各印字面を
擦る度合いを大幅に軽減することができる。

【００６１】また、付勢手段７０（７０Ｌ，７０Ｒ）の
付勢力を一方側（バネ７０Ｒ）が弱くかつ他方側（バネ
７０Ｌ）が強いものと選択してある。つまり、上体２３
の撓みが大きい他方側の付勢力が強くかつ撓みの小さい
一方側の付勢力が小さいから、上体２３の片持梁構造の
簡素化を図れる。

【００６２】しかも、伝票１２０を、下体２５と上体２
３との隙間２５Ｈを通して図１に示す当該伝票１２０の
一部１２１がプリンタ本体２１内に挿入されかつその残
部１２２がプリンタ本体２１外に突出する状態で前後方
向（Ｘｓ１，Ｘｓ２）に搬送可能に形成し、伝票１２０
の平面的大きさに関する適応性が広い。

【００６３】さらに、搬送装置の２組（５０，６０）を
上下方向に配設し、上方側の搬送装置６０が伝票１２０
を搬送可能でかつ下方側の搬送装置５０がレシート用紙
１１０を搬送可能に形成し、つまり、連続紙（１１０）
を下方側で搬送可能な状態を保持しつつ、その上方で非
連続紙（１２０）を適宜に挿入して印字させることがで
きるとともに、上下関係にあるのでレシート用紙１１０
上の印字面（上面）に伝票１２０の非印字面（下面）が
直接に触れることがないから、レシート用紙１１０およ
び伝票１２０の搬送を一段と円滑に行えかつ印字品質を
一段と向上できる。

【００６４】以下、図５〜図７を参照して、用紙搬送装
置５０および伝票搬送装置６０を詳細に説明する。図５
〜図７において、レシート用紙１１０を用紙搬送方向Ｘ
ｒに搬送する用紙搬送装置５０は、図６に示す印字領域
Ａｐの上流側（図６で上方側、図５で右側）に配設され
た用紙搬送用ローラー５２Ｕ・５５Ｕと、その下流側
（図６で下方側、図５で左側）に配設された用紙搬送用
ローラー５２Ｄ・５５Ｄと、左右の方向転換ローラー５
８Ｌ，５８Ｒから構成されている。

【００６５】上流側の用紙搬送用ローラー５２Ｕ・５５
Ｕは、レシート用紙１１０の印字面（上面）に接触しな
いので、当該回転軸５１Ｕ・５３Ｕの左右方向の中央に
設けた各１つのローラー要素（５２Ｕ・５５Ｕ）から形
成されている。なお、各回転軸５１Ｕ・５３Ｕに複数
（２以上）のローラー要素を配設した構造としてもよ
い。

【００６６】下流側の用紙搬送用ローラー５２Ｄ・５５
Ｄは、レシート用紙１１０の印字面（上面）に接触し得
るので、当該回転軸５１Ｄ・５３Ｄの左右方向に振り分
け配設した図６に示す各２つのローラー要素５２ＥＤＬ
・５５ＥＤＬ，５２ＥＤＲ・５５ＥＤＲとから形成され
ている。

【００６７】すなわち、配置上の余裕，レシート用紙１
１０およびインクの性状や搬送速度の関係で、レシート
印字情報に含まれる文字列（文字情報）のインク乾きは
早いが、インクドット密度が高くレシート用紙１１０の
中央に印字される画像つまりロゴマークのインク乾きが
遅くなる虞を考慮して、各用紙搬送用ローラー５２Ｄ・
５５Ｄのレシート用紙幅（１１０Ｗ）方向に離隔された
内側２つのローラー要素５２ＥＤＬ・５５ＥＤＬ，５２
ＥＤＲ・５５ＥＤＲの図６に示す内側間隔Ｗｒを、レシ
ート用紙１１０に印字されたレシート印字情報中のロゴ
マーク幅を超えるものとして当該回転軸５１Ｄ・５３Ｄ
上に配設してある。

【００６８】なお、例えば搬送速度が非常に高い場合に
は、内側２つのローラー要素５２ＥＤＬ・５５ＥＤＬ，
５２ＥＤＲ・５５ＥＤＲの内側間隔Ｗｒを、レシート用
紙１１０に印字されたレシート印字情報中の文字列を超
えるものとして当該回転軸５１Ｄ・５３Ｄ上に配設し、
さらに用紙搬送方向Ｘｒに３以上の用紙搬送用ローラー
を設けてもよい。

【００６９】また、各用紙搬送用ローラー５２Ｕ・５５
Ｕ，５２Ｄ・５５Ｄ（５２ＥＤＬ・５５ＥＤＬ，５２Ｅ
ＤＲ・５５ＥＤＲ）を、レシート用紙１１０の非印字面
（下面）１１１がインクジェット印字ヘッド４０に対向
しかつ図７に示す印字ガイド面２９に接触可能として配
設してある。印字ガイド面２９は、図５に示した左右方
向の寸法よりも実際には左右方向に長く、レシート用紙
１１０の挿入時の用紙ガイドにも利用する。この意味
で、用紙挿入ガイド面といえる。

【００７０】また、上流側用紙搬送用ローラー５２Ｕ・
５５Ｕと下流側用紙搬送用ローラー５２Ｄ・５５Ｄ（５
２ＥＤＬ・５５ＥＤＬ，５２ＥＤＲ・５５ＥＤＲ）と
が、レシート用紙１１０に用紙搬送方向Ｘｒの張力を加
えつつ搬送可能に形成されている。

【００７１】つまり、下流側用紙搬送用ローラー５２Ｄ
・５５Ｄの周速度の方が上流側用紙搬送用ローラー５２
Ｕ・５５Ｕの周速度よりも、僅かに高速となっている。
また、下流側用紙搬送用ローラー５２Ｄ・５５Ｄは、張
力が一定範囲外になった場合には図示しないワンウェイ
クラッチの滑り作用により一定範囲内の張力に戻すこと
ができる。したがって、レシート用紙１１０を弛みや凹
凸が無く搬送できるから、非接触印字のインクジェット
印字ヘッド４０でも鮮明な印字ができる。

【００７２】一方、伝票１２０を搬送する伝票搬送装置
６０は、図６に示す印字領域Ａｐの下流側（レシート用
紙１１０では上流側である。）に配設された伝票搬送用
ローラー６２Ｕ・６５Ｕと、その上流側（レシート用紙
１１０では下流側である。）に配設された伝票搬送用ロ
ーラー６２Ｄ・６５Ｄとから構成されている。

【００７３】これら各伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６５
Ｕ，６２Ｄ・６５Ｄは、用紙搬送装置５０を構成する各
用紙搬送用ローラー５２Ｕ・５５Ｕ，５２Ｄ・５５Ｄ
（５２ＥＵＬ・５５ＥＵＬ，５２ＥＤＲ・５５ＥＤＲ）
間内に配設されている。レシート用紙１１０の剛性より
も剛性が強い場合が多い非連続紙（伝票１２０）を、よ
り確実かつ安定して搬送できるようにするためである。

【００７４】上流側の伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５
Ｄは、レシート用紙１１０の印字面（上面）との接触を
防止するために、当該回転軸６１Ｄ・６３Ｄの左右方向
に図６に示す内側間隔Ｗｓをとって振り分け配設された
各２つのローラー要素６２ＥＤＬ・６５ＥＤＬ，６２Ｅ
ＤＲ・６５ＥＤＲから形成されている。

【００７５】同様に、下流側の伝票搬送用ローラー６２
Ｕ・６５Ｕは、剛性の大きな伝票１２０の確実な搬送を
期するためおよびレシート用紙１１０の印字面（上面）
との接触を防止するために、当該回転軸６１Ｕ・６３Ｕ
の左右方向に内側間隔Ｗｓをとって離隔配設（左右方向
に振り分け配設）された各２つのローラー要素６２ＥＵ
Ｌ・６５ＥＵＬ，６２ＥＵＲ・６５ＥＵＲから形成され
ている。

【００７６】また、下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ・
６５Ｕ（６２ＥＵＬ・６５ＥＵＬ，６２ＥＵＲ・６５Ｅ
ＵＲ）と上流側伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ（６
２ＥＤＬ・６５ＥＤＬ，６２ＥＤＲ・６５ＥＤＲ）と
が、伝票１２０に伝票搬送方向（Ｘｓ１，Ｘｓ２）の張
力を加えつつ、搬送可能に形成されている。伝票１２０
に伝票情報を印字する正搬送方向Ｘｓ１に搬送する場合
に張力を与える。

【００７７】つまり、下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ
・６５Ｕの周速度の方が上流側伝票搬送用ローラー６２
Ｄ・６５Ｄの周速度よりも、僅かに高速となっている。
なお、各搬送ローラー（ローラー要素）に付したＵ（上
流側）およびＤ（下流側）なる符号は、上記の通り、レ
シート用紙１１０の搬送方向Ｘｒに対して定義した。し
たがって、伝票１２０の場合には、Ｄ（上流側）および
Ｕ（下流側）なる符号を付してある。

【００７８】そして、下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ
・６５Ｕは、伝票１２０に加わる張力が一定範囲外にな
った場合には図７に示すワンウェイクラッチ（スプリン
グクラッチ）６９の滑り作用により一定範囲内の張力に
戻す（張力を一定範囲内に保持する。）ことができる。
したがって、レシート用紙１１０に比較して高剛性の伝
票１２０でも弛みや凹凸が無く搬送できるから、インク
ジェット印字ヘッド４０に非接触でも、高品質かつ鮮明
な印字ができる。

【００７９】また、各伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６５
Ｕ，６２Ｄ・６２Ｄの図６に示すレシート用紙幅方向１
１０Ｗに離隔された内側２つのローラー要素６２ＥＵＬ
・６５ＥＵＬ，６２ＥＵＲ・６５ＥＵＲ、６２ＥＤＬ・
６５ＥＤＬ，６２ＥＤＲ・６５ＥＤＲの図６に示す内側
間隔Ｗｓが、レシート用紙幅１１０Ｗを超えるものとし
て当該回転軸６１Ｕ・６３Ｕ，６１Ｄ・６３Ｄ上に配設
されている。したがって、各ローラー要素の最内側２つ
がレシート用紙１１０に直接接触することがない。つま
り、印字されたレシート印字情報（半乾き状態のイン
ク）に触れない。

【００８０】なお、“最内側２つ”とは、各１回転軸に
対する各ローラー要素が例えば各４つ以上の場合でも、
その内の左右方向の各一番内側になる各１つを意味す
る。

【００８１】ここに、各用紙搬送用ローラー５２Ｕ・５
５Ｕ，５２Ｄ・５５Ｄと各伝票搬送用ローラー６２Ｕ・
６５Ｕ，６２Ｄ・６５Ｄとの上下位置関係を、図５に示
すように、用紙搬送方向Ｘｒに搬送可能な状態にあるレ
シート用紙１１０の上方でかつ当該レシート用紙１１０
の上面と一定のクリアランスＣｓｒを保持しつつ伝票１
２０を搬送可能に選択してある。

【００８２】すなわち、図６に示す平面的離隔に先立
ち、図５に示す上下方向離隔（Ｃｓｒ）を確立すること
により、各伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ
・６５Ｕと各用紙搬送用ローラー５２Ｄ・５５Ｄ，５２
Ｕ・５５Ｕとの干渉を上下方向においても確実に回避で
きる。

【００８３】かくして、レシート用紙１１０の印字面
（上面）を汚すことがないばかりか、同一の印字領域Ａ
ｐに２種類の用紙（１１０，１２０）を取り込めかつ伝
票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕをレ
シート用紙搬送領域（１１０Ｗ）から外側に外れた位置
に配設でき、しかも伝票１２０の可逆搬送時に各伝票搬
送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕがレシー
ト用紙１１０を搬送してしまうことがないわけである。

【００８４】これとの関係で、インクジェット印字ヘッ
ド４０のインクジェット特性は、図５に示すインクジェ
ット印字ヘッド４０の先端（下面）と伝票１２０の上面
（印字面）とのクリアランスＣｈｓ（例えば、１．０ｍ
ｍ）を確保した上で、少なくとも伝票厚さ１２０ｔ（例
えば、０．０９ｍｍ）相当の上下方向距離内で印字品質
を一定に維持可能に選択すればよいが、この実施形態で
は、クリアランスＣｓｒをとったので、伝票厚さ１２０
ｔ相当にクリアランスＣｓｒ（例えば、０．４２ｍｍ）
を加えた上下方向距離内で印字品質を一定に維持可能に
選択されている。なお、レシート用紙１１０の厚さ１１
０ｔは、例えば０．０８ｍｍである。

【００８５】つまり、レシート用紙１１０の上面（印字
面）と伝票１２０の下面（非印字面）とを確実に非接触
に保持できかつクリアランスＣｓｒを挟んでも伝票１２
０とレシート用紙１１０との印字品質を一定に維持でき
るから、レシート用紙１１０の印字面が伝票１２０で摺
られることがなく、高画質印字のレシート（１１０）お
よび伝票１２０を発行・排出できる。

【００８６】さらに、伝票搬送装置６０を構成する各伝
票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕを、
逆搬送可能に形成してある。すなわち、伝票１２０を、
用紙搬送方向Ｘｒと逆の正搬送方向Ｘｓ１に正搬送でき
かつ印字後に用紙搬送方向Ｘｒと同じ逆搬送方向Ｘｓ２
に逆搬送することができる。

【００８７】詳しくは、正搬送における下流側（レシー
ト搬送方向Ｘｒで上流側）の伝票搬送用ローラー６２Ｕ
・６５Ｕの周速度が上流側（レシート搬送方向Ｘｒで下
流側）の伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄの周速度よ
りも早くかつ下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６５Ｕ
が伝票紙送り方向（Ｘｓ１，Ｘｓ２）の張力を一定範囲
内に保持可能であるとともに、下流側伝票搬送用ローラ
ー６２Ｕ・６５Ｕが逆搬送時に図９に示す駆動源たるギ
ヤ６７（遊星歯車６８）から切離し可能に形成されてい
る。

【００８８】この実施形態では、下流側伝票搬送用ロー
ラー６２Ｕ・６５Ｕが、図７に示す滑り機構を含むワン
ウェイクラッチ（スプリングクラッチ）６９を介して伝
票１２０に加わる伝票紙送り方向の張力が一定範囲を超
える場合にその滑り作用により空回りする。ワンウェイ
クラッチ６９は、下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６
５Ｕ内に組込んでもよい。

【００８９】図７において、遊星歯車機構６６は、支軸
６７Ｓを中心に回転可能な駆動源たるギヤ６７と，この
ギヤ６７との摩擦係合によって支軸６７Ｓを中心に回動
可能なレバー６８Ａと，このレバー６８Ａの上部側に装
着された遊星歯車６８とからなり、ギヤ６７をＡ方向に
回転させると遊星歯車６８がａ方向に移動して伝票搬送
用ローラー６５Ｕに結合する。反対に、ギヤ６７をＢ方
向に回転させると遊星歯車６８がｂ方向に移動して伝票
搬送用ローラー６５Ｕから分離させることができる。

【００９０】すなわち、下流側伝票搬送ローラー６２Ｕ
・６５Ｕと遊星歯車６８が係合された状態では、下・上
流側伝票搬送ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕ
による正搬送時の伝票１２０に加えられる張力は、空回
り可能な下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６５Ｕ側の
ワンウェイクラッチ６９の滑り作用により一定範囲内に
保持される。

【００９１】また、逆搬送時の印字後伝票１２０の先端
側が上流側伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄに係合し
ている場合には、下流側伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６
５Ｕは遊星歯車６８から分離されて回転自在となる。し
たがって、遊星歯車６８の係合・分離動作であるから、
下流側伝票搬送ローラー６２Ｕ・６５Ｕの正逆回転およ
び回転自在の切換を迅速かつ簡単に行え、切換制御も容
易に行える。

【００９２】つまり、伝票１２０が上流側および下流側
の各伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５
Ｕに係合している期間中は、下流側伝票搬送用ローラー
６２Ｕ・６５Ｕの周速度が上流側伝票搬送用ローラー６
２Ｄ・６５Ｄの周速度よりも速いので伝票１２０に伝票
紙送り方向の張力を加えられかつ下流側伝票搬送用ロー
ラー６２Ｕ・６５Ｕがその張力を一定範囲内に保持す
る。したがって、一定張力による弛みや凹凸のない状態
で印字できるから一段と印字品質を向上できる。

【００９３】また、逆搬送時には、下流側伝票搬送用ロ
ーラー６２Ｕ・６５Ｕが駆動源（６７）から切離され回
転自在となるので、周速度差が伝票１２０に悪影響を与
えることはない。したがって、レシート（１１０）の発
行部２５Ｒと伝票挿入部（伝票排出部）２５Ｓとを同一
方向に揃えられるから、取扱が非常に容易で業務能率を
向上できる。

【００９４】かかる実施形態のレジ用インクジェットプ
リンタ２０では、図１に示す上蓋２４を開放してからロ
ール用紙収容部２７に図５に示すレール用紙１１０Ｒを
収容させる。そして、ロール用紙１１０Ｒからレシート
用紙１１０を巻癖あるまま引出しつつ、その先端を下向
きとして用紙搬送装置５０の上流側用紙搬送用ローラー
５２Ｕ，５５Ｕ間に通し、さらに押込む。

【００９５】これに先立ち、セッティング作業指令を発
すると、キャリア３２（ヘッド４０）が図２，図１４に
示す第１のガイド位置Ｐｒに位置決めされる（図１２の
ＳＴ１２）。つまり、インクジェット印字ヘッド４０
は、キャリア３２の下部３３側が当該レシート用紙１１
０の上方に存在しかつ当該インクジェット印字ヘッド４
０が当該レシート用紙４０から右方向に外れた位置であ
る第１のガイド位置Ｐｒに停止されるので、その先端が
インクジェット印字ヘッド４０の一番弱いヘズル先端に
摺れることがないばかりか、当該先端を印字ガイド面２
９とキャリア下部３３との間に差し込まれるから確実な
挿入ができる。

【００９６】しかも、キャリア３２のインクジェット印
字ヘッド４０の装着位置を除く下部３３にレシート用紙
１２０の先端部を下方の印字ガイド面２９に向けて円弧
形状のガイドするガイド部材３４Ｂ，３４Ｆが設けられ
ているので、当該搬送装置５０にレシート用紙１１０を
正確かつ迅速にセッティングすることができる。

【００９７】さらに、キャリア３２に装着されたインク
ジェット印字ヘッド４０がキャリア３２の右側に位置す
るので、プリンタ本体２１の上体２３（片持梁構造）の
自由端（ＦＴ）の下向き撓み変形を軽減できる。

【００９８】なお、伝票１２０の先端を伝票搬送装置６
０に搬送可能状態に挿入する際にも、インクジェット印
字ヘッド４０が図１５に示す如くキャリア３２の下部３
３側が当該伝票１２０の上方に存在しかつ当該インクジ
ェット印字ヘッド４０が当該伝票１２０から右方向に外
れた位置である第２のガイド位置Ｐｓに停止（ＳＴ１
３）され、かつガイド部材３４Ｆ，３４Ｂが働くので、
その先端がインクジェット印字ヘッド４０の一番弱いヘ
ズル先端に摺れることがないばかりか、当該先端を印字
ガイド面とキャリア下部３３との間に差し込まれるから
確実な挿入ができる。

【００９９】戻り、レシート用紙１１０の先端は下向き
のまま印字ガイド面（用紙挿入ガイド面）２９上を滑
り、方向転換ローラー５８Ｌ，５８Ｒ上を通過して下方
に配設された下流側用紙搬送用ローラー５２Ｄ（５２Ｅ
ＤＬ・５２ＥＤＲ），５５Ｄ（５５ＤＥＬ・５５ＥＤ
Ｒ）間を通り、図１のレシート発行部２５Ｒから外に出
る。外に出た部分は、カッター部３８で切断して取除
く。その後に上蓋２４を閉じる。

【０１００】したがって、インクジェット印字ヘッド４
０の保護を確実化するとともに、レシート用紙１２０
（および伝票１２０）の搬送用セッティング作業を迅速
かつ簡単に行え、取扱いが容易である。

【０１０１】ここに、図２に示す付勢手段７０（バネ７
０Ｌ，７０Ｒ）が、下側の各搬送ローラー５５Ｕ・５５
Ｄ（６５Ｕ・６５Ｄ）を上体２３側に設けられた左右方
向に伸びる上側の各搬送用ローラー５２Ｕ・５２Ｄ（６
２Ｕ・６２Ｄ）側へ常に押し上げるので、上体２３の撓
み変形の影響を除去できる。

【０１０２】つまり、ともに上体２３側に設けられたキ
ャリア３２のガイドロッド３１と上側の各搬送ローラー
５２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）［回転軸５１Ｕ，５
１Ｄ（６１Ｕ，６１Ｄ）］とは左右方向に渡って上下方
向の相対位置が一定であり、上側の各搬送用ローラー５
２Ｕ・５２Ｄ（６２Ｕ・６２Ｄ）の下側接触位置と当該
下側の各搬送用ローラー５５Ｕ・５５Ｄ（６５Ｕ・６５
Ｄ）の上側接触位置とは左右方向の何処でも密接してい
る。すなわち、各接触位置は、ガイドロッド３１を左右
方向に摺動（往復移動）するインクジェット印字ヘッド
４０との上下方向相対位置が一定である。

【０１０３】かくして、連続紙であるレシート用紙１１
０を、上流側（例えば、奥行側）の用紙搬送用ローラー
５２Ｕ・５５Ｕと下流側（手前側）の用紙搬送用ローラ
ー５２Ｄ・５５Ｄとで用紙搬送方向Ｘｒのインクジェッ
ト印字ヘッド４０側へ搬送できる。レシート用紙１１０
に張力を加えつつ搬送する。その下面が印字ガイド面２
９上に接触されるので、弛みや凹凸が無く搬送すること
ができる。

【０１０４】したがって、電子キャッシュレジスタ１０
から登録商品データ等を含むレシート印字情報を受信す
ると、制御部８１が図２に示すホームポジションＨＰか
ら図６の印字領域Ａｐに位置付けされたインクジェット
印字ヘッド４０を駆動制御して、当該レシート印字情報
を印字する。

【０１０５】キャリア３２は、図１３のＳＴ１７で左右
方向に往復移動される。印字された後に、当該レシート
用紙１１０は下流側に搬送され、カットされてレシート
となる。キャリア３２は、ホームポジションＨＰに戻さ
れる（図１２のＳＴ１５）。

【０１０６】このレシート用紙１１０の搬送中において
も、各伝票搬送用ローラー６２Ｕ・６５Ｕおよび６２Ｄ
・６５Ｄがレシート用紙幅１１０Ｗ方向に離隔された各
２つのローラー要素６２ＥＵＬ，６２ＥＵＲ・６５ＥＵ
Ｌ，６５ＥＵＲおよび６２ＥＤＬ，６２ＥＤＲ・６５Ｅ
ＤＬ，６５ＥＤＲを同一回転軸６１・６３上に配設した
構造であるから、各伝票搬送用ローラー６２Ｕ（６２Ｅ
ＵＬ，６２ＥＵＲ）・６５Ｕ（６５ＥＵＬ，６５ＥＵ
Ｒ）および６２Ｄ（６２ＥＤＬ，６２ＥＤＲ）・６５Ｄ
（６５ＥＤＬ，６５ＥＤＲ）と、各用紙搬送用ローラー
５２Ｕ・５５Ｕおよび５２Ｄ（５２ＥＤＬ，５２ＥＤ
Ｒ）・５５Ｄ（５５ＥＤＬ，５５ＥＤＲ）との平面的な
干渉を回避できる。

【０１０７】つまり、同一の印字領域Ａｐに２種類の用
紙（１１０，１２０）を取り込めかつ伝票搬送用ローラ
ー６２Ｕ（６２ＥＵＬ，６２ＥＵＲ）・６５Ｕ（６５Ｅ
ＵＬ，６５ＥＵＲ）および６２Ｄ（６２ＥＤＬ，６２Ｅ
ＤＲ）・６５Ｄ（６５ＥＤＬ，６５ＥＤＲ）をレシート
用紙搬送領域（１１０Ｗ）から外れた位置に配設でき、
しかも各伝票搬送用ローラー６２Ｕ（６２ＥＵＬ，６２
ＥＵＲ）・６５Ｕ（６５ＥＵＬ，６５ＥＵＲ）および６
２Ｄ（６２ＥＤＬ，６２ＥＤＲ）・６５Ｄ（６５ＥＤ
Ｌ，６５ＥＤＲ）が伝票搬送時に下方のレシート用紙１
１０を搬送してしまうことがない。

【０１０８】一方、非連続紙である伝票１２０に伝票情
報を印字させるには、当該伝票１２０を図１に示す伝票
挿入部２５Ｓを平面ガイドとしつつ上体２３と下体２５
との隙間２５Ｈを通して伝票搬送方向（正搬送方向Ｘｓ
１）へ押込む。当該伝票１２０の図１で左側（残部１２
１）は、プリンタ本体２１の左方へ突出したままでよ
い。

【０１０９】すると、制御部８１が、伝票１２０の先端
が確認（検出）されたことを条件に、図７に示す遊星歯
車機構６６を駆動して遊星歯車６８を下流側伝票搬送用
ローラー６２Ｕ・６５Ｕに係合させて当該下流側伝票搬
送用ローラー６２Ｕ・６５Ｕを回転駆動可能状態としか
つ上流側伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄとともに正
転させる。これにより、挿入された伝票１２０をインク
ジェット印字ヘッド４０側（正搬送方向Ｘｓ１）へ正搬
送することができる。

【０１１０】伝票１２０の先端側が下流側伝票搬送用ロ
ーラー６２Ｕ・６５Ｕに係合されると、当該伝票１２０
に伝票搬送方向（Ｘｓ１）の張力が加わる。この段階で
インクジェット印字ヘッド４０が駆動されて、伝票情報
が印字される。当該伝票１２０は、印字中も行送りさ
れ、正搬送方向へ搬送されその先端部側が図１の上蓋２
４（２４Ｆ）上に一時保留される。

【０１１１】印字が終了すると、一旦停止された各伝票
搬送用ローラー６２Ｕ・６５Ｕ，６２Ｄ・６５Ｄは逆転
される。印字後伝票１２０を逆搬送方向Ｘｓ２へ逆搬送
することができる。搬送中の伝票１２０の下面は下方の
レシート用紙１１０の上面に接触することはない。

【０１１２】そして、逆搬送中には、下流側伝票搬送用
ローラー６２Ｕ・６５Ｕの回転を停止して空回りさせ、
上流側伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄとの周速度差
によるジャムの発生を防止する。

【０１１３】したがって、これ以降は、上流側伝票搬送
用ローラー６２Ｄ・６５Ｄのみによって伝票１２０は逆
搬送方向Ｘｓ２へ逆搬送されて伝票情報が印刷された伝
票１２０を伝票排出部２５Ｓ（元の位置）に排出させ
る。排出が終了すると、各ローラーは停止される。

【０１１４】このレシート用紙１１０および伝票１２０
の印字が進み、一定時間が経過するとメンテナンス要求
が発生する（図１３のＳＴ１９のＹＥＳ）。すると、制
御部８１は、キャリア３２を図２に示すメンテナンスポ
ジョンＭＰに移動かつ停止させ（ＳＴ２０）、図２に示
すヘッドメンテナンス手段１００を駆動してメンテナン
スを行う。

【０１１５】メンテナンスが終了（ＳＴ２１のＹＥＳ）
すると、ヘッドメンテナンス手段１００が停止され、キ
ャリア３２はメンテナンスポジョンＭＰに移動かつ停止
される（図１２のＳＴ１５）。

【０１１６】また、カセット交換要求がなされると、制
御部８１はキャリア３２を図２に示すカセット交換位置
ＣＰに移動・停止させる。これによりインクカセット４
５を交換することができる。交換終了宣言で、キャリア
３２はメンテナンスポジョンＭＰに戻される（ＳＴ１
５）。

【０１１７】しかして、この実施形態によれば、プリン
タ本体２１にガイドロッド３１とキャリア３２とインク
ジェット印字ヘッド４０とを設け、かつ用紙搬送装置５
０および伝票搬送装置６０を設け、レシート用紙１１０
を用紙搬送装置５０に搬送可能状態に挿入する際にイン
クジェット印字ヘッド４０を第１のガイド位置Ｐｒに停
止可能かつ伝票１２０を伝票搬送装置６０に搬送可能状
態に挿入する際にインクジェット印字ヘッド４０を第２
のガイド位置Ｐｓに停止可能に形成し、第１のガイド位
置Ｐｒおよび第２のガイド位置Ｐｓのそれぞれにおいて
キャリア３２の下部３３側が当該用紙（１１０，１２
０）の上方に存在可能かつ当該インクジェット印字ヘッ
ド４０が当該用紙（１１０，１２０）から右方向に外れ
た位置で停止可能に形成されているので、インクジェッ
ト印字ヘッド４０の保護を確実化するとともに、レシー
ト用紙１１０および伝票１２０の搬送用セッティング作
業を迅速かつ簡単に行え、取扱いが容易である。

【０１１８】また、キャリア３２に装着されたインクジ
ェット印字ヘッド４０が左右方向において当該キャリア
３２の右側に位置するように形成されているので、プリ
ンタ本体２１の右方側にヘッドメンテナンス手段１００
を配置し易くなりかつ印字領域を外れた直後にメンテナ
ンスを行える。また、特に、プリンタ本体２１を片持梁
構造（上体２３）の自由端Ｆｔの下向き撓み変形を軽減
できる。

【０１１９】さらに、キャリア３２のインクジェット印
字ヘッド４０の装着位置を除く下部に、当該各搬送装置
５０，６０に挿入されるレシート用紙１１０および伝票
１２０の先端部を下方の印字ガイド面に向けてガイドす
るガイド部材３４Ｆ，３４Ｂが設けられているので、当
該各搬送装置５０，６０にレシート用紙１１０，伝票１
２０を正確かつ迅速にセッティングすることができる。

【０１２０】さらに、プリンタ本体２１の一方側にイン
クジェット印字ヘッド４０のメンテナンスを行うヘッド
メンテナンス手段１００を配設し、印字対象用紙（１１
０，１２０）を前後方向に搬送するための搬送装置（５
０，６０）を、上体２３側に設けた左右方向に伸びる上
搬送ローラー（５２，６２）と，下体２５側に設けた左
右方向に伸びる下搬送ローラー（５５，６５）と，下搬
送ローラー（５５，６５）側を上搬送ローラー（５２，
６２）側に付勢する付勢手段７０とから形成し、上体２
３の一方側から他方側に向けて増大する撓み変形の影響
を除去しつつ下搬送ローラー（５５，６５）と上搬送ロ
ーラー（５２，６２）とで搬送される用紙（１１０，１
２０）の印字面とインクジェット印字ヘッド４０との上
下方向間隔を一定範囲内に保持可能に形成されているの
で、連続紙たるレシート用紙１１０や他方側の隙間２５
Ｈを通した非連続紙たる伝票１２０を前後方向に搬送し
つつ高密度な文字列や図形を高品質で静かに印字するこ
とができる。

【０１２１】さらに、各用紙搬送用ローラー５２，５５
および各伝票搬送用ローラー６２，６５が、当該各回転
軸５１，５３、６１，６３に離隔する複数（２つ）のロ
ーラー要素から形成され、かつ付勢手段７０が各下側の
搬送用ローラーの回転軸を左右方向の２点（７０Ｌ，７
０Ｒ）で付勢可能に形成されているので、搬送装置５
０，６０で前後方向に搬送される印字対象媒体１１０，
１２０の左右方向（幅方向）における各部位とインクジ
ェット印字ヘッド４０との間隔を一段と均一にできるか
ら、印字品質を一層高められる。しかも、付勢手段７０
の付勢力が、一方側（７０Ｒ）が弱くかつ他方側（７０
Ｌ）が強いものとされているので、上体２１の構造簡素
化を図れる。

【０１２２】さらに、搬送装置６０が非連結とされた下
体２５と上体２３との隙間２５Ｈを通して一部１２１が
プリンタ本体２１内に挿入されかつその残部１２２がプ
リンタ本体２１外に突出する伝票１２０を当該一部１２
１と接触して前後方向に搬送可能に形成されているの
で、伝票１２０の平面的大きさに関する適応性が広い。

【０１２３】さらに、インクカセット４５がキャリア３
２に着脱可能に形成されかつインクカセット４５をプリ
ンタ本体２１の一方側のカセット交換位置ＣＰにおいて
交換可能であるから、インクカセット４５の交換時にキ
ャリア３２に加わる下向き外力に起因する上体２３の下
向き撓み変形および一方側（固定端側）ＲＴに与えるモ
ーメントを軽減することができるので、片持梁構造への
下向き荷重の軽減により上体２３の簡素化ができる。

【０１２４】さらにまた、上流側用紙搬送用ローラー５
２Ｕ・５５Ｕと下流側用紙搬送用ローラー５２Ｄ・５５
Ｄとは、レシート用紙１１０に用紙搬送方向Ｘｒの張力
を加えつつ、かつ当該レシート用紙１１０の非印字面１
１１をインクジェット印字ヘッド４０に対向配設された
印字ガイド面２９に接触させつつ、上流側から下流側へ
搬送することができるので、インクジェット印字ヘッド
４０とレシート用紙１１０の印字面との間隔（Ｃｈｓ＋
伝票厚さ分＋Ｃｓｒ）を一定に保持できかつレシート用
紙１１０に弛みがないから、印字品質を一段と高めるこ
とができる。

【０１２５】さらにまた、両伝票搬送用ローラー６２Ｄ
・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕが両用紙搬送用ローラー５２
Ｄ・５５Ｄ，５２Ｕ・５５Ｕ間内に配設してあるので、
両伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕ
間の距離を短縮化できる。また、伝票１２０への印字
は、当該伝票１２０が両伝票搬送用ローラー６２Ｄ・６
５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕに接触（係合）している場合に実
行されるので、伝票１２０上の印字不可能領域（余白
部）を小さくすることができる。しかも、レジ（１０）
全体の小型化にも有効である。

【０１２６】さらにまた、各伝票搬送用ローラー６２Ｄ
・６５Ｄ，６２Ｕ・６５Ｕのレシート用紙幅方向に離隔
された内側２つのローラー要素６２ＥＤＬ，６２ＥＤＲ
・６５ＥＤＬ，６５ＥＤＲおよび６２ＥＵＬ，６２ＥＵ
Ｒ・６５ＥＵＬ，６５ＥＵＲの内側間隔Ｗｓが、レシー
ト用紙幅１１０Ｗを超える。つまり、回転軸６１，６３
上に配設されたローラー要素の最内側２つがレシート用
紙に触れることがない。したがって、レシート用紙１１
０上に印字されたレシート印字情報の品質を確実に維持
できる。

【０１２７】（第２の実施形態）この第２の実施形態
は、基本的構成が第１の実施形態の場合［図１〜図７、
図１１〜図１３］と同様とされているが、キャリア３２
に対するインクジェット印字ヘッド４０の取り付け位置
を、図１６に示す如くキャリア３２の左側としている。

【０１２８】すなわち、インクジェット印字ヘッド４０
が、左右方向において当該キャリア３２の左側に位置す
るものとしてキャリア３２に装着されているので、第１
および第２のガイド位置Ｐｒ，Ｐｓにおいてインクジェ
ット印字ヘッド４０はプリンタ本体２１の左方側に位置
（用紙に対する位置が図１４，図１５に示す場合と反対
位置である。）して停止されるとともに、インクジェッ
ト印字ヘッド４０の印字運転中における左方向の移動距
離を拡大できる。

【０１２９】したがって、キャリア３２のホームポジシ
ョンＨＰが図２に示すようにプリンタ本体２１の一方側
ＲＴに選択されかつヘッドメンテナンス手段１００を配
設した一方側ＲＴから他方側ＦＴへのインクジェット印
字ヘッド４０の移動との関係から、用紙（１１０，１２
０）に対する印字有効領域を拡大することができる。

【０１３０】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、プリンタ本体
にガイドロッドとキャリアとインクジェット印字ヘッド
とを設け、連続紙であるレシート用紙を用紙搬送装置に
搬送可能状態に挿入する際にインクジェット印字ヘッド
を第１のガイド位置に停止可能かつ非連続紙である伝票
を伝票搬送装置に搬送可能状態に挿入する際にインクジ
ェット印字ヘッドを第２のガイド位置に停止可能に形成
し、第１のガイド位置および第２のガイド位置において
はキャリアの下部側が各セッティング時に当該各用紙を
挿入容易化ガイド可能に形成されたレジ用インクジェッ
トプリンタであるから、インクジェット印字ヘッドの保
護を確実化するとともに、レシート用紙および伝票の当
該搬送装置へのセッティング作業を迅速かつ簡単に行
え、取扱が容易である。

【０１３１】また、請求項２の発明によれば、キャリア
に装着されたインクジェット印字ヘッドが左右方向にお
いて当該キャリアの左側に位置するように形成されてい
るので、請求項１の発明の場合と同様な効果を奏するこ
とができることに加え、さらにレシート用紙および伝票
に対する印字可能領域を拡大することができる。

【０１３２】また、請求項３の発明によれば、キャリア
に装着されたインクジェット印字ヘッドが左右方向にお
いて当該キャリアの右側に位置するように形成されてい
るので、請求項１の発明の場合と同様な効果を奏するこ
とができることに加え、さらにプリンタ本体の右方側に
ヘッドメンテナンス手段を配置し易くなりかつ印字領域
を外れた後に直ちにメンテナンスを行える。特に、プリ
ンタ本体を片持梁構造とする場合の自由端の下向き撓み
変形を軽減できる。

【０１３３】さらに、請求項４の発明によれば、キャリ
アの下部側でインクジェット印字ヘッドの装着位置を除
く下部に、当該各搬送装置に挿入されるレシート用紙お
よび伝票の先端部を下方の印字ガイド面に向けてガイド
するガイド部材が設けられているので、請求項１から請
求項３の各発明の場合と同様な効果を奏することができ
ることに加え、さらに当該各搬送装置にレシート用紙お
よび伝票を一段と正確かつ迅速にセッティングすること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示す外観斜視図であ
る。

【図２】同じく、プリンタ内部を説明するための正面図
である。

【図３】同じく、プリンタ内部を説明するための外観斜
視図である。

【図４】同じく、プリンタ内部を説明するための側面図
である。

【図５】同じく、用紙搬送装置および伝票搬送装置を説
明するための側面図である。

【図６】同じく、用紙搬送装置および伝票搬送装置を説
明するための平面図である。

【図７】同じく、伝票搬送装置の切換動作を説明するた
めの側面図である。

【図８】同じく、第２の実施形態との関係においてキャ
リアに対するインクジェット印字ヘッドの装着位置を説
明するための正面図である。

【図９】同じく、第２の実施形態との関係においてキャ
リアに対するインクジェット印字ヘッドの装着位置を説
明するための平面図である。

【図１０】同じく、キャリアに対するガイド部材等も取
付位置を説明するための外観斜視図である。

【図１１】同じく、レジおよびプリンタの主に制御系を
説明するためのブロックである。

【図１２】同じく、キャリアの移動動作を説明するため
のフローチャート（１）である。

【図１３】同じく、キャリアの移動動作を説明するため
のフローチャート（２）である。

【図１４】同じく、インクジェット印字ヘッドの第１の
ガイド位置への停止態様例を説明するための平面図であ
る。

【図１５】同じく、インクジェット印字ヘッドの第２の
ガイド位置への停止態様例を説明するための平面図であ
る。

【図１６】本発明の第２の実施形態に係るキャリアに対
するガイド部材等も取付位置を説明するための外観斜視
図である。

【符号の説明】

１０ 電子キャッシュレジスタ（レジ） １０Ｃ ケーブル ２０ レジ用インクジェットプリンタ ２１ プリンタ本体 ２３ 上体 ２５ 下体 ２６Ｒ レシート発行部 ２５Ｓ 伝票挿入部（伝票排出部） ２７ ロール用紙収容部 ２９ 印字ガイド面 ３０ キャリア移動機構 ３１ ガイドロッド ３２ キャリア ３３ 下部側 ３４ ガイド部材 ４０ インクジェット印字ヘッド ４５ インクカセット ５０ 用紙搬送装置 ５１ 回転軸 ５２ 用紙搬送用ローラー ５２Ｅ ローラー要素 ５５ 用紙搬送用ローラー ５５Ｅ ローラー要素 ６０ 伝票搬送装置 ６１ 回転軸 ６２ 伝票搬送用ローラー ６２Ｅ ローラー要素 ６５ 伝票搬送用ローラー ６５Ｅ ローラー要素 ６６ 遊星歯車機構 ７０ 付勢手段（搬送装置） ７０Ｌ，７０Ｒ バネ １００ ヘッドメンテナンス手段 １１０Ｒ ロール用紙 １１０ レシート用紙 １２０ 伝票 Ｐｒ 第１のガイド位置 Ｐｓ 第２のガイド位置 ＨＰ ホームポジション ＭＰ メンテナンスポジション

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 公夫 静岡県田方郡大仁町大仁570番地 東芝テ ック株式会社大仁事業所内 (72)発明者 小田切 昌之 静岡県田方郡大仁町大仁570番地 東芝テ ック株式会社大仁事業所内 (72)発明者 小谷 和己 静岡県田方郡大仁町大仁570番地 東芝テ ック株式会社大仁事業所内 Ｆターム(参考） 2C056 EA01 EA04 EC11 EC34 FA10 HA29 2C087 AA05 AC07 CB11 3E042 BA07 CC09 CE01 9A001 HH34 JJ57 KK42 KK57

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリンタ本体に、左右方向に伸びるガイ
   ドロッドと，このガイドロッドに左右方向に移動可能に
   装着されたキャリアと，このキャリアに装着されたイン
   クジェット印字ヘッドとを設け、かつ連続紙であるレシ
   ート用紙を用紙搬送方向に搬送可能な用紙搬送装置およ
   び非連続紙である伝票を伝票搬送方向に搬送する伝票搬
   送装置を設け、 レシート用紙を用紙搬送装置に搬送可能状態に挿入する
   際にインクジェット印字ヘッドを第１のガイド位置に停
   止可能かつ伝票を伝票搬送装置に搬送可能状態に挿入す
   る際にインクジェット印字ヘッドを第２のガイド位置に
   停止可能に形成し、 第１のガイド位置においてはキャリアの下部側が当該レ
   シート用紙の上方に存在可能かつ当該インクジェット印
   字ヘッドが当該レシート用紙から左右方向に外れた位置
   で停止可能に形成されるとともに、第２のガイド位置に
   おいてはキャリアの下部側が当該伝票の上方に存在可能
   かつ当該インクジェット印字ヘッドが当該伝票から左右
   方向に外れた位置で停止可能に形成されているレジ用イ
   ンクジェットプリンタ。
2. 【請求項２】 前記キャリアに装着された前記インクジ
   ェット印字ヘッドが、左右方向において当該キャリアの
   左側に位置するように形成されている請求項１記載のレ
   ジ用インクジェットプリンタ。
3. 【請求項３】 前記キャリアに装着された前記インクジ
   ェット印字ヘッドが、左右方向において当該キャリアの
   右側に位置するように形成されている請求項１記載のレ
   ジ用インクジェットプリンタ。
4. 【請求項４】 前記下部側でかつ前記キャリアの前記イ
   ンクジェット印字ヘッドの装着位置を除く下部に、当該
   各搬送装置に挿入される前記レシート用紙および前記伝
   票の先端部を下方の印字ガイド面に向けてガイドするガ
   イド部材が設けられている請求項１から請求項３までの
   いずれか１項に記載されたレジ用インクンジェットプリ
   ンタ。