JP2000312498A - 定数測定設定機能付きpmモータ制御装置 - Google Patents

定数測定設定機能付きpmモータ制御装置

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JP2000312498A JP11117724A JP11772499A JP2000312498A JP 2000312498 A JP2000312498 A JP 2000312498A JP 11117724 A JP11117724 A JP 11117724A JP 11772499 A JP11772499 A JP 11772499A JP 2000312498 A JP2000312498 A JP 2000312498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PMモータ制御装置に電気的定数を自動的に
計測し設定する機能を設けることにある。 【解決手段】 巻線抵抗Rを求める直流試験手段と,永
久磁石の方向のインダクタンスLdを求め,同様に永久
磁石に対して垂直の方向のインダクタンスLqを求める
交流試験手段と,永久磁石の磁束φを求める回転試験手
段と,PMモータ制御装置内のメモリに記憶する設定記
憶手段とを具備するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,永久磁石型同期電
動機を駆動するインバータ装置に係わり,電動機の電気
的定数を自動的に計測し設定するPMモータ制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石型同期電動機(以下PMモー
タ)を高性能に制御するには,PMモータの電気的定数
の正確な把握が必要である。しかし,それらの定数は,
PMモータには記載されておらず,何らかの方法で計測
し,PMモータ制御装置に設定しなければならない。例
えば巻線抵抗Rを計測する場合は,直流電源を用意して
PMモータに直流電圧を印加して電流計や電圧計で電流
と電圧を計測して,巻線抵抗を計算してPMモータ制御
装置に手動で設定しなければならない。また位置センサ
付きのPMモータの場合は,永久磁石の方向と位置セン
サの出力との関係が分からないと,位置センサの情報を
使ってのPMモータの制御ができない。上記関係を得る
ために,例えば無負荷状態のPMモータのV相とW相を
短絡してU相からV,W相に直流電流を流す。すると永
久磁石の方向がU相の方向と一致するように回転子が回
転して停止するので,この時の位置センサの値を読み取
ることで永久磁石の方向と位置センサとの関係が判明す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術でも述べた
ように,PMモータを高性能に制御するためにはPMモ
ータの正確な電気的定数が必要であるが,それらの値を
得るためには多大な手間と時間と各種電源及び計測器が
必要となる。本発明は,PMモータ制御装置に前記電気
的定数を自動的に計測し設定する機能を設けることで,
上記問題点を解決するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに,前記永久磁石型同期電動機に直流電流を流してそ
の時の入力電圧と入力電流から前記永久磁石型同期電動
機の巻線抵抗Rを求める直流試験手段と,前記永久磁石
型同期電動機の停止した任意の方向のa軸に直流成分を
含む交流電流を流すと同時に前記a軸に対して垂直方向
のb軸に前記交流電流と位相が90度異なる交流電流を
流して,前記a軸の入力電流と入力電圧を検出して前記
永久磁石型同期電動機の永久磁石の方向のインダクタン
スLdを求め,同様に前記b軸の入力電流と入力電圧を
検出して前記永久磁石型同期電動機の永久磁石に対して
垂直の方向のインダクタンスLqを求める交流試験手段
と,前記永久磁石型同期電動機の任意のa軸に所定の大
きさの直流電流を流し前記a軸と直交するb軸の電流は
0として,前記a軸とb軸から成る座標を回転させ,該
回転の周波数を0から徐々に所定の値frまで増加させ
て前記永久磁石型同期電動機を所定の回転速度まで上昇
させた状態で,前記a軸の入力電流Iaと入力電圧Va
および前記b軸の入力電流Ibと入力電圧Vbを検出し
て,前記交流試験手段の出力のインダクタンスLdを用
いて,
【数1】 により前記永久磁石型同期電動機の永久磁石の磁束φを
求める回転試験手段と,前記直流試験手段の出力の巻線
抵抗Rと前記交流試験手段の出力のインダクタンスLd
およびLqと前記回転試験手段の出力の磁束φとを入力
して前記PMモータ制御装置内のメモリに記憶する設定
記憶手段とを具備する。
【0005】また前記交流試験手段を,前記永久磁石型
同期電動機の停止した任意の方向のa軸に直流成分を含
む交流電流を流すと同時に前記a軸に対して垂直方向の
b軸に前記交流電流と位相が90度異なる交流電流を流
して,前記a軸の入力電流と入力電圧を基本波でフーリ
エ変換することで基本波の位相差とそれぞれの大きさを
検出して前記永久磁石型同期電動機の永久磁石の方向の
インダクタンスLdを求め,同様に前記b軸の入力電流
と入力電圧の基本波の位相差とそれぞれの大きさを検出
して前記永久磁石型同期電動機の永久磁石に対して垂直
の方向のインダクタンスLqを求める交流試験手段とす
る。
【0006】また前記回転試験手段を,前記永久磁石型
同期電動機の任意のa軸に所定の大きさの直流電流を流
し前記a軸と直交するb軸の電流は0として,前記a軸
とb軸から成る座標を回転させ,該回転の周波数を0か
ら徐々に所定の値frまで増加させて前記永久磁石型同
期電動機を所定の回転速度まで上昇させた状態で,前記
a軸の入力電流Iaと入力電圧Vaおよび前記b軸の入
力電流Ibと入力電圧Vbを検出して,前記直流試験手
段の出力の巻線抵抗Rと前記交流試験手段の出力のイン
ダクタンスLdおよびLqを用いて,
【数2】 により前記永久磁石型同期電動機の永久磁石の磁束φを
求める回転試験手段とする。
【0007】請求項4では,前記永久磁石型同期電動機
の回転子の位置検出手段と,前記直流試験手段の実行時
または前記交流試験手段の実行時に前記位置検出手段の
出力をメモリに記憶する設定記憶手段とを具備する。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明の実施例を示し,こ
の図に基づいて説明する。スイッチング信号選択器10
は,通常運転においてPMモータ制御器1の出力のスイ
ッチング信号を選択して電力変換器2に出力する。操作
人がPMモータ5の電気的定数を設定記憶手段12へ記
憶させたい場合,PMモータ制御装置は通常運転でない
自動計測運転へ手動で切り換えられる。するとスイッチ
ング信号選択器10は,自動的に直流試験手段7と交流
試験手段8と回転試験手段9の出力のスイッチング信号
を順番に切り換えて電力変換器2へ出力する。
【0009】スイッチング信号選択器10が直流試験手
段7の出力のスイッチング信号を選択してる時,直流試
験手段7の出力のスイッチング信号によって電力変換器
2がPMモータ5に出力する印加電圧を制御し,PMモ
ータ5の入力電流が直流となるようにする。また直流試
験手段7は,PMモータ5の入力電流を検出する入力電
流検出器3とPMモータ5の入力電圧を検出する入力電
圧検出器4との出力を入力して,PMモータ5の巻線抵
抗Rを求めて設定記憶手段12へ出力する。
【0010】スイッチング信号選択器10が交流試験手
段8の出力のスイッチング信号を選択してる時,交流試
験手段8の出力のスイッチング信号によって電力変換器
2がPMモータ5に出力する印加電圧を制御し,例えば
PMモータのU相と同じ方向をa軸とした場合,a軸に
直流成分を含む交流電流を流す。同時にa軸に対して垂
直方向のb軸に前記交流電流と位相が90度異なる交流
電流を流す。また交流試験手段8は,入力電流検出器3
と入力電圧検出器4との出力の入力電流と入力電圧を入
力して,それらをそれぞれa軸成分とb軸成分に分け
て,a軸成分の入力電流と入力電圧を基本波でフーリエ
変換して,a軸成分の入力電流の基本波の大きさIa0
と,a軸成分の入力電圧の基本波の大きさVa0と,a
軸成分の入力電流と入力電圧との基本波の位相差θaを
求め,a軸方向のインダクタンスLaを La=Va0・sin(θa)/(Ia0・2・π・f0) で求める。ここでf0は,前記交流電流の周波数であ
る。同様にb軸方向のインダクタンスLbを Lb=Vb0・sin(θb)/(Ib0・2・π・f0) で求める。ここでVb0は,b軸成分の入力電圧の基本
波の大きさであり,Ib0はb軸成分の入力電流の基本
波の大きさであり,θbはb軸成分の入力電流と入力電
圧との基本波の位相差である。
【0011】前述したようにa軸には直流成分の電流が
含まれているために,PMモータ5の回転子には永久磁
石が付いているので,a軸と前記永久磁石の方向が異な
っているとトルクを発生して,a軸と前記永久磁石の方
向が一致するように前記回転子が回転する。よってa軸
と前記永久磁石の方向は一致するので,前記Laは永久
磁石の方向のインダクタンスLdであり,前記Lbは永
久磁石に対して垂直の方向のインダクタンスLqとなの
で,交流試験手段8はLaをLdとしてLbをLqとし
て出力する。
【0012】スイッチング信号選択器10が交流試験手
段8の出力のスイッチング信号を選択してる時,スイッ
チ11は位置検出手段6の出力を設定記憶手段12へ出
力し,設定記憶手段12は位置検出手段6の出力を記憶
する。
【0013】スイッチング信号選択器10が回転試験手
段9の出力のスイッチング信号を選択してる時,回転試
験手段9の出力のスイッチング信号によって電力変換器
2がPMモータ5に出力する印加電圧を制御し,PMモ
ータ5の任意のa軸に所定の大きさの直流電流を流し,
前記a軸と直交するb軸の電流は0とする。前記a軸と
b軸から成る座標を回転させ,該回転の周波数を0から
徐々に所定の値frまで増加させることで,静止座標か
ら見たPMモータ5の入力電流を回転させることができ
るので,PMモータ5をfrに相当する速度で回転させ
ることができる。また回転試験手段9は,その回転状態
での,入力電流検出器3と入力電圧検出器4との出力の
入力電流と入力電圧を入力して,それらをそれぞれ回転
しているa軸成分とb軸成分に分けて,前記a軸の入力
電流Iaと入力電圧Vaおよび前記b軸の入力電流Ib
と入力電圧Vbを得る。これらIa,Va,Ib,Vb
は直流量となる。またIb=0のはずである。
【0014】ところで,PMモータの特性方程式は, Vd=(R+Ld・p)・id−ω・Lq・iq Vq=ω・Ld・id+(R+Lq・p)・iq+ω・φ T=φ・iq+(Ld−Lq)・id・iq で表される。ここで,Vdは永久磁石の方向の入力電圧
成分であり,Vqはそれと直交する入力電圧成分であ
る。同様にidは永久磁石の方向の入力電流成分であ
り,iqはそれと直交する入力電流成分である。ωは永
久磁石の回転角周波数であり,φは永久磁石の磁束であ
り,Tは出力トルクであり,pは時間での微分演算子を
意味する。
【0015】回転試験手段9において,PMモータ5が
無負荷の状態であれば,トルクT=0なので式よりi
q=0となる。するとid=Iaとなる。ω=2・π・
frなので式をφで解いた
【数1】 により永久磁石の磁束φを求めて出力する。
【0016】もしPMモータが無負荷状態とは限らない
ならば, id=Ia・cos(θ)−Ib・sin(θ) iq=Ia・sin(θ)+Ib・cos(θ) と表すことができる。ここでθは,永久磁石の方向と回
転試験手段9におけるa軸との位相差である。,式
を,式に代入して,θを削除してφで解くと
【数2】 が得られ,この式で永久磁石の磁束φを求める事もでき
る。この式の方が負荷状態に関係なく磁束φを求めるこ
とができる。なおIb=0のはずなので,Ibが係る項
を削除した式を用いてもよい。
【0017】設定記憶手段12は,直流試験手段7出力
の巻線抵抗Rと交流試験手段8出力のインダクタンスL
dおよびLqと回転試験手段9出力の磁束φとスイッチ
11出力の位置P0を入力して記憶する。
【0018】通常運転の場合,PMモータ制御器は,設
定記憶手段12の出力の巻線抵抗RとインダクタンスL
dおよびLqと磁束φと位置P0と位置検出手段6の出
力の回転位置Pを用いて,PMモータ5が所望の動作を
するようなスイッチング信号を出力して,電力変換器2
を介してPMモータ5に印加する電圧を制御する。ここ
で回転位置Pと位置P0からPMモータ5の永久磁石の
方向を得て,制御に用いている。
【0019】
【発明の効果】本発明により,PMモータを高性能に制
御するために必要なPMモータの電気的定数の正確な設
定が,操作人がPMモータ制御装置を自動計測運転へ切
り換えるだけで自動的に行えることになり,従来の技術
での電気的定数の設定のための多大な手間と時間と各種
電源及び計測器が不必要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を表す定数測定設定機能付きP
Mモータ制御装置のブロック線図である。
【符号の説明】
1・・PMモータ制御器 2・・電力変換器 3・・入力電流検出器 4・・入力電圧検出器 5・・PMモータ 6・・位置検出手段 7・・直流試験手段 8・・交流試験手段 9・・回転試験手段 10・・スイッチング信号選択器 11・・スイッチ 12・・設定記憶手段
フロントページの続き Fターム(参考) 5H007 AA12 BB06 CA01 DA05 DC02 DC04 DC05 DC07 5H570 BB10 BB20 DD04 DD08 FF03 FF05 HA07 HB07 JJ17 LL02 LL03 LL09 LL13 LL15 LL40 5H576 BB07 BB10 DD02 DD07 EE01 FF03 FF05 HB01 JJ06 JJ17 LL22 LL24 LL34 LL39 LL40 LL41

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石型同期電動機の入力電流を該永
    久磁石型同期電動機の永久磁石に平行な方向と垂直な方
    向に分けて制御するPMモータ制御装置において,前記
    永久磁石型同期電動機に直流電流を流してその時の入力
    電圧と入力電流から前記永久磁石型同期電動機の巻線抵
    抗Rを求める直流試験手段と,前記永久磁石型同期電動
    機の停止した任意の方向のa軸に直流成分を含む交流電
    流を流すと同時に前記a軸に対して垂直方向のb軸に前
    記交流電流と位相が90度異なる交流電流を流して,前
    記a軸の入力電流と入力電圧を検出して前記永久磁石型
    同期電動機の永久磁石の方向のインダクタンスLdを求
    め,同様に前記b軸の入力電流と入力電圧を検出して前
    記永久磁石型同期電動機の永久磁石に対して垂直の方向
    のインダクタンスLqを求める交流試験手段と,前記永
    久磁石型同期電動機の任意のa軸に所定の大きさの直流
    電流を流し前記a軸と直交するb軸の電流は0として,
    前記a軸とb軸から成る座標を回転させ,該回転の周波
    数を0から徐々に所定の値frまで増加させて前記永久
    磁石型同期電動機を所定の回転速度まで上昇させた状態
    で,前記a軸の入力電流Iaと入力電圧Vaおよび前記
    b軸の入力電流Ibと入力電圧Vbを検出して,前記交
    流試験手段の出力のインダクタンスLdを用いて, 【数1】 により前記永久磁石型同期電動機の永久磁石の磁束φを
    求める回転試験手段と,前記直流試験手段の出力の巻線
    抵抗Rと前記交流試験手段の出力のインダクタンスLd
    およびLqと前記回転試験手段の出力の磁束φとを入力
    して前記PMモータ制御装置内のメモリに記憶する設定
    記憶手段とを具備することを特徴とする定数測定設定機
    能付きPMモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石型同期電動機の停止した任
    意の方向のa軸に直流成分を含む交流電流を流すと同時
    に前記a軸に対して垂直方向のb軸に前記交流電流と位
    相が90度異なる交流電流を流して,前記a軸の入力電
    流と入力電圧を基本波でフーリエ変換することで基本波
    の位相差とそれぞれの大きさを検出して前記永久磁石型
    同期電動機の永久磁石の方向のインダクタンスLdを求
    め,同様に前記b軸の入力電流と入力電圧の基本波の位
    相差とそれぞれの大きさを検出して前記永久磁石型同期
    電動機の永久磁石に対して垂直の方向のインダクタンス
    Lqを求める交流試験手段を具備することを特徴とする
    請求項1記載の定数測定設定機能付きPMモータ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石型同期電動機の任意のa軸
    に所定の大きさの直流電流を流し前記a軸と直交するb
    軸の電流は0として,前記a軸とb軸から成る座標を回
    転させ,該回転の周波数を0から徐々に所定の値frま
    で増加させて前記永久磁石型同期電動機を所定の回転速
    度まで上昇させた状態で,前記a軸の入力電流Iaと入
    力電圧Vaおよび前記b軸の入力電流Ibと入力電圧V
    bを検出して,前記直流試験手段の出力の巻線抵抗Rと
    前記交流試験手段の出力のインダクタンスLdおよびL
    qを用いて, 【数2】 により前記永久磁石型同期電動機の永久磁石の磁束φを
    求める回転試験手段を具備することを特徴とする請求項
    1記載の定数測定設定機能付きPMモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石型同期電動機の回転子の位
    置を検出する位置検出手段と,前記直流試験手段の実行
    時または前記交流試験手段の実行時に前記位置検出手段
    の出力をメモリに記憶する設定記憶手段とを具備するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項3記載の定数測定
    設定機能付きPMモータ制御装置。
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