JP2000311619A - イオン発生方法およびイオン照射方法 - Google Patents
イオン発生方法およびイオン照射方法Info
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Abstract
の固体を使用する。このInIをオーブン27で加熱し
て、InIの蒸気を生成する。この蒸気を放電させ、I
nイオンを発生させる。
Description
よびイオン照射方法に係わり、特に浅い拡散層の形成に
有効なイオン発生方法およびイオン照射方法に関する。
体基板に硼素(B)、燐(P)、砒素(As)等の不純
物を導入してpn接合を形成する方法として、広く用い
られている。イオン注入法によれば、目的とする場所に
不純物の濃度と深さを精密にコントロールして導入する
ことができる。
小化されるに伴い、浅いpn接合の形成はその重要性を
増してきている。上述のイオン注入法は半導体装置プロ
セスにおいて幅広く用いられるドーピング技術の一つで
あり、従来より後工程の熱処理(アニール)との組合せ
により接合形成が行われている。
用いる浅いpn接合の形成は、以下に説明するように困
難な点が多い。まず、軽元素であるBはイオン注人時の
チャネリングテイルが顕著であるため、Bを浅く導人す
るための加速電圧の低エネルギー化は、反射・スパッタ
リングなどの影響による実効注入量の低下を招いたり、
あるいは装置性能によっては電圧が低すぎるためにイオ
ンを引き出せないなどの問題がある。また、Bはシリコ
ン中での拡散係数が大きいために、例えばpMOSトラ
ンジスタの短チャネル効果の原因ともなる。
Ga(ガリウム)やIn(インジウム)といった重元素
を使用するプロセスが注目されている。上述したような
イオン注入法(イオン照射法)を実施するイオン照射装
置(イオン発生装置)は、一般的には、ガスをアークチ
ャンバに導入するか、または固体もしくは液体を昇華さ
せてその蒸気をアークチャンバに導入し、Inのイオン
化を行っている。
て塩化物(InCl3 )が知られているが、本発明者は
この種の固体を用いたp型ドーパントのイオン注入法に
は、以下のような問題があることを突き止めている。す
なわち、塩化物の場合には、塩素によって装置の金属系
の部材を腐食してしまう。
チャンバ内でのエッチング反応が強い。したがって、熱
電子を放出させるためのフィラメントをも腐食してしま
い、Inのイオン化を安定に行うことができず、長時間
の作業は極めて困難であるという問題がある。具体的に
は、1時間〜4時問程度の短い時間の作業しか行うこと
ができず、実用的ではない。
ンジウム(TMI)やトリエチルインジウム(TEI)
などの有機ガスソースが知られている。トリメチルイン
ジウムは常温で蒸気圧が得られることから、この蒸気を
利用してArなどのサポートガスによるイオン化により
Inのイオンビームを取り出してきた。
スソースを用いたp型ドーパントのイオン注入法には、
以下のような問題があることを突き止めている。すなわ
ち、有機系ガスは、酸素および水分と劇的に反応を起こ
し非常に危険である。真空装置とはいえ、真空リーク等
による大気の巻き込み、丁MI/TEIの充填、TMI
/TEI使用後のイオンソースメンテナンス等を考慮す
ると、イオン照射装置のイオン源として使用するにはあ
まりにも危険である。
題があるBの代わりに、Bと同じp型ドーパントである
Inを用いたイオン注入が注目されている。Inのイオ
ンソースとしては、InCl3 (固体ソース)や、TM
I/TEI(ガスソース)が知られている。
Clによる装置の腐食が起こり、Inのイオン化を安定
に行えないという問題がある。一方、TMI/TEIを
用いた場合、これらの有機系ガスが酸素・水分と劇的に
反応するため、イオンソースとして使用するには非常に
危険であるという問題がある。
ので、その目的とするところは、Inのイオン化を安定
かつ安全に行えるイオン発生方法およびイオン照射方法
を提供することにある。
するために、本発明に係るイオン発生方法は、発生させ
るべき所望のイオンの元素とヨウ素との化合物からなる
イオン源材料を加熱することによって、前記化合物の蒸
気を生成する工程と、前記蒸気を放電させることによっ
て、前記イオンを発生させる工程とを有する。
l、Ga、In、Ti(以上3族元素)、N、P、A
s、SbおよびBi(以上5族元素)からなる元素群か
ら選ばれた少なくとも1つの元素のイオンである。ま
た、化合物は、例えばInIである。この場合、InI
を300℃以上(InIが蒸気になる温度以上)380
℃以下の温度で加熱し、InIの蒸気を生成することが
好ましい。
記イオン発生方法により、所望のイオンと、ヨウ素イオ
ンとを発生させる工程と、前記所望のイオンを選択的に
試料に照射する工程とを有する。
るべきイオンの元素を含むヨウ素化合物は、腐食性が無
く、イオン化を安定に行えることが分かった。さらに、
この種のヨウ素化合物は酸素や水分とはほとんど反応せ
ず、安全であることが分かった。したがって、本発明の
ように、発生するべきイオンの元素を含むヨウ素化合物
をイオン源材料として用いれば、上記元素のイオン化を
安定かつ安全に行えるイオン発生方法およびイオン照射
方法を実現できるようになる。
の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
要を説明する。なお、本発明は、後述するようにイオン
発生装置となるイオン源チャンバ1に導入する物質(イ
オン原材料)にその大きな特徴があり、図1に示したそ
の他の構成は従来のイオン照射装置の構成と同様であ
る。
オン源チャンバ1でイオンが生成され(その詳細につい
ては後述する。)、このイオンが引き出し電極2によっ
て引き出され、分離電磁石3によって質量分離される。
望のイオンが、加速器5によって最終エネルギーまで加
速または減速された後、イオンビームが四極レンズ6に
よって試料12(例えば半導体基板)の表面に集収束点
を持つように収束される。
で注入量が一様に分布されるように走査される。そし
て、残留ガスとの衝突で生じる中性子粒子を除去するた
めに偏向電極9によりイオンビームが曲げられ、マスク
10を通して試料12の表面にイオンビームが照射され
る。なお、図中、11はアースを示している。
チャンバ1の断面構造を示す図である。図2にはバーナ
ス型のイオン源チャンバ1が示されているが、フリーマ
ン型であっても良い。同図(a)はイオン源チャンバの
上面に平行な断面を、同図(b)はイオン源チャンバの
横方向の側面に平行な断面を、それぞれ示したものであ
る。
型のイオン源チャンバの構成と同様である。すなわち、
タングステンを主成分として構成されたアークチャンバ
21の一方の端面には絶緑支持部22およびタングステ
ンを主成分に構成されたリフレクタ23(スペーサ)を
介して、タングステンフィラメント24が設けられてお
り、アークチャンバ21の他方の端面には絶縁支持部2
2を介してタングステンを主成分とした対向電極25が
設けられている。
ばArガスが供給される。これと同時に、オーブン27
内に粒径2mmから5mmのInl(ヨウ化インジウ
ム)を充墳し、オーブン27によってInIを加熱し
て、Inlの蒸気を得る。オーブン27から導出される
蒸気を、第2のガス導入口(オープンノズル)29から
アークチャンバ21内に導入し、イオン化を行い、フロ
ントプレートに設けたイオン引き出し口28からイオン
が取り出される。
の粒径は、アークチャンバ21につながる第2のガス導
入口29(本実施形態では直径1mmを使用)よりも大
きい方が良い。第2のガス導入口29よりもInlの粒
径が小さいと、イオンソースを真空に引いたときに、I
nlがオーブン27から、アークチャンバ21内に飛散
するために、安定なイオン化が困難になってしまう。し
たがって、オーブン27に充墳するInlの粒径は、オ
ーブンノズル29の直径よりも大きくすることが重要で
ある。
したInlの加熱温度(オーブン温度)とイオンビーム
電流量(収量)との関係を示す。
115の同位体が存在する。表1には質量数113、質
量数115の両方を載せている。この表におけるInI
のイオン化は、アーク電圧90V、アーク電流2A、ソ
ースマグネット40A、引き出し電圧−2.13kV、
加遠電圧30keVと固定した場合のイオンビーム電流
量を示している。この値は最大ビーム電流量ではない。
また、図1における引き出し電極2での印加電圧を30
keVとしてイオンビームを引き出している。
℃としている。表1から、この温度においてIn(イン
ジウム)およびI(ヨウ素)のイオンビームはほとんど
得られておらず、InIの蒸気が生成されていないこと
が分かる。
度が275℃以下ではほとんどイオンビーム電流量は得
られず、300℃近辺からイオンビーム電流量が増大し
ていることが分かる。
は、イオンビーム電流量は得られるものの、イオンビー
ムの安定性は極めて不安定であることが分かる。
合について、オーブン27の冷却後にオーブン27中に
残存しているInlの状態観察を行ったところ、2〜5
mmの粒径であったInlが完全に溶解していることが
確認された。
より、オーブン27内のInlが煮沸し、安定な蒸気が
得られなかったことを示している。すなわち、安定なI
nイオンビームを得るためには、粒状のままInlを維
持する必要があり、好ましくは275℃以上、370℃
以下の範囲でオーブン温度を制御し、InIの蒸気を得
るのが最適である。
〜380℃の範囲においては、オーブン温度の上昇とと
もに、イオンビーム電流値も増大しているが、350℃
から380℃の範囲内ではあまり変化が見られないこと
から、この350℃から380℃の範囲が最も安定した
InIのイオン化が行える温度範囲であることが分か
る。
て、最大ビーム電流量を調べてみたところ、約12mA
のイオンビーム電流量が得られた。この350℃のオー
ブン温度で、10時間イオン化を行い、イオンビームの
変動量を調べてみた。ここでは、最大ビーム電流の80
%として約10mAのイオンビーム電流量で、そのイオ
ンビーム電流量の安定性を調べた。その結果、イオンビ
ーム変動量は±5%以内と、極めて安定なInIのイオ
ン化が行われていることが確認された。
いるInCI3 (塩化インジウム)を図2におけるオー
ブン27に充填し、350℃でイオン化を行った。この
ときに得られたビーム電流は約16mAと、Inl(ヨ
ウ化インジウム)よりも高い電流量であった。
として約12mAで10時間のイオン化を行ったとこ
ろ、4時間を経過した時点でイオン化が不安定となり、
約6時問でイオン化を行うことが不可能となってしまっ
た。
ろ、タングステンアークチャンバ21がエッチング反応
により表面荒れを起こし、アークチャンバ21内に大量
の反応生成物が確認された。また、タングステンフィラ
メントも消耗が激しく、本来絶縁される部位に反応生成
物が付着し、ショートしていることが確認された。これ
は、InCl3 のイオン化に伴い発生する塩素イオンや
ラジカルタングステン等と上記部位とが劇的に反応して
しまうために、長時問安定したイオン化が困難であるこ
とを示している。
することにより、イオン源チャンバ1を腐食することな
く、安定なイオン化が可能となる。ヨウ素は、水や酸素
に対して安定であり、塩化物のような腐食性も無く、さ
らにトリメチルインジウム(TMI)やトリエチルイン
ジウム(TEI)とは異なり、爆発的に水や酸素と燃焼
反応するなどの危険性は無く、安全性からもイオン源材
料として適した材料であるといえる。
れているため、InCl3 を用いると、オーブン27の
内部が塩素蒸気で腐食され、In2+ と同じ質量数(1
12、113)のFe+ が発生する。In2+とFe+ は
分離電磁石3で分離できないので、試料にはFe+も注
入されることになる。その結果、ドーズ量が変化した
り、リーク電流が増加するという問題が生じる。
7をエッチングするようなイオンは発生しないので、ド
ーズ量の変化、リーク電流の増加という問題は起こらな
い。
したInl3 の加熱温度(オーブン温度)とイオンビー
ム電流量(収量)との関係を示す。
の脱離が激しく、InIに比べて、lnのイオン化が困
難である。InI3 の融点は、Inlよりも低く、約2
10℃であるが、200℃に加熱して蒸気を得ようとす
ると、ヨウ素とInIに分離して蒸気圧が得られる。
イオン源チャンバ1内の真空度が劣化し、イオン化が困
難となるために、Inのイオンビーム電流量が著しく低
下してしまう。
nI3 を使用する場合には、一旦InI3 を加熱し、ヨ
ウ素を脱離させた後に冷却し、オープン27中に残存し
たInI(ヨウ素の方が蒸気圧が高いため、Inlが残
りやすい)を再加熱し、イオン化を行ことが好ましい。
るものではない。例えば、上記実施形態では、ヨウ素化
合物がInlの場合について説明したが、その他に、例
えばB、Al、Ga、Tiの3族元素(n型ドーパン
ト)のヨウ素化合物も使用することが可能である。具体
的には、Gaの場合であれば、GaI3 (融点222
℃)、GaIがあげられる。
について説明したが、本発明はn型ドーパントのイオン
注入にも適用できる。この場合には、例えば、N、P、
As、Sb、Biの5族元素のヨウ素化合物を使用す
る。例えば砒素・燐のイオン注入の場合には、固体砒素
・固体燐を使用すると良い。さらには上述した元素から
選ばれた2つ以上の元素のヨウ素化合物でも良い。
注入は、イオン源材料が異なるだけで、これらのイオン
注入は同じ装置で行える。しかも、その装置も従来と同
じものを使用でき、専用の装置を製造せずに済むので、
コストを招くという問題もない。
用いた具体的な半導体プロセスは説明しなかったが、例
えば256メガ以降のDRAMプロセス、すなわちメモ
リセルのMOSトランジスタのソース拡散層、ドレイン
拡散層を形成するためのイオン注入工程があげられる。
また、本発明はイオンビームミキシングにも適用可能で
ある。
21はタングステンを主成分としたものであったが、他
の金属を主成分としたものであっても良い。ただし、ヨ
ウ素と反応する金属、例えばAlは使用しないことが好
ましい。
で、種々変形して実施できる。
生するべきイオンの元素を含むヨウ素化合物をイオン源
材料として用いることによって、上記元素のイオン化を
安定かつ安全に行えるイオン発生方法およびイオン照射
方法を実現できるようになる。
施するために使用するイオン照射装置を示す模式図
面構造を示す図
Claims (5)
- 【請求項1】発生させるべき所望のイオンの元素とヨウ
素との化合物からなるイオン源材料を加熱することによ
って、前記化合物の蒸気を生成する工程と、 前記蒸気を放電させることによって、前記イオンを発生
させる工程とを有することを特徴とするイオン発生方
法。 - 【請求項2】前記所望のイオンは、B、Al、Ga、I
n、Ti、N、P、As、SbおよびBiからなる元素
群から選ばれた少なくとも1つの元素のイオンであるこ
とを特徴とする請求項1に記載のイオン発生方法。 - 【請求項3】前記化合物は、InIであることを特徴と
する請求項1に記載のイオン発生方法。 - 【請求項4】前記InIを300℃以上380℃以下の
温度で加熱し、前記InIの蒸気を生成することを特徴
とする請求項3に記載のイオン発生方法 - 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
記載のイオン発生方法により、所望のイオンと、ヨウ素
イオンとを発生させる工程と、 前記所望のイオンを選択的に試料に照射する工程とを有
することを特徴とするイオン照射方法。
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1999
- 1999-04-28 JP JP12169299A patent/JP3655491B2/ja not_active Expired - Fee Related
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