JP2000310704A - コレステリック液晶性フィルムの製造方法 - Google Patents

コレステリック液晶性フィルムの製造方法

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JP2000310704A
JP2000310704A JP11118769A JP11876999A JP2000310704A JP 2000310704 A JP2000310704 A JP 2000310704A JP 11118769 A JP11118769 A JP 11118769A JP 11876999 A JP11876999 A JP 11876999A JP 2000310704 A JP2000310704 A JP 2000310704A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折光自体が円偏光や直線偏光のような特定
の偏光を生じうる新たな液晶性フィルムの製造方法を提
供する。 【解決手段】 コレステリック配向フィルムに温度40
〜300℃、圧力0.05〜80MPaの加温加圧条件
下において回折素子基板の回折パターンを転写し、フィ
ルムの一部に回折能を示す領域を形成するコレステリッ
ク液晶性フィルムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光性を有する回
折光を生じることができる新たなコレステリック液晶性
フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回折素子は、分光光学などの分野で光の
分光や光束の分割を行う目的で広く用いられている汎用
光学素子である。回折素子は、その形状からいくつかの
種類に分類され、光が透過する部分と透過しない部分を
周期的に配置した振幅型回折素子、透過性の高い材料に
周期的な溝を形成した位相型回折素子などに通常分類さ
れる。また、回折光の生じる方向に応じて透過型回折素
子、反射型回折素子と分類される場合もある。
【0003】上記の如き従来の回折素子では、自然光
(非偏光)を入射した際に得られる回折光は非偏光しか
得ることができない。分光光学などの分野で頻繁に用い
られるエリプソメーターのような偏光光学機器では、回
折光として非偏光しか得ることができないため、光源よ
り発した自然光を回折素子により分光し、さらにこれに
含まれる特定の偏光成分だけを利用するために、回折光
を偏光子を通して用いる方法が一般的に行われている。
この方法では、得られた回折光のうちの約50%以上が
偏光子に吸収されるために光量が半減するという問題が
あった。またそのために感度の高い検出器や光量の大き
な光源を用意する必要もあり、回折光自体が円偏光や直
線偏光のような特定の偏光となる回折素子の開発が求め
られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するものであり、特定の加温加圧条件下において回
折パターンをコレステリック配向フィルムに転写するこ
とにより、フィルムの一部に回折能を有する領域を形成
することに成功し、これまでにない新たなコレステリッ
ク液晶性フィルムを製造する方法を開発した。さらに詳
しくは、コレステリック液晶に特有な選択反射特性およ
び円偏光特性に併せて回折能という新たな特性を付与し
たコレステリック液晶性フィルムの製造方法を発明する
に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、コレ
ステリック配向フィルムに温度40〜300℃、圧力
0.05〜80MPaの加温加圧条件下において回折素
子基板の回折パターンを転写し、フィルムの一部に回折
能を示す領域を形成するコレステリック液晶性フィルム
の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においてコレステリック配向フィルムに回
折パターンを転写する際に用いられる回折素子基板の材
質としては、金属や樹脂のような材料であっても良く、
あるいはフィルム表面に回折機能を付与したもの、ある
いはフィルムに回折機能を有する薄膜を転写したもの
等、およそ回折機能を有するものであれば如何なる材質
であっても良い。なかでも取り扱いの容易さや量産性を
考えた場合、回折機能を有するフィルムまたはフィルム
積層体がより望ましい。
【0007】またここでいう回折素子とは、平面型ホロ
グラムの原版等の回折光を生じる回折素子全てをその定
義として含む。またその種類については、表面形状に由
来する回折素子、いわゆる膜厚変調ホログラムのタイプ
であってもよいし、表面形状に因らない、または表面形
状を屈折率分布に変換した位相素子、いわゆる屈折率変
調ホログラムのタイプであっても良い。本発明において
は、回折素子の回折パターン情報をより容易に液晶に付
与することができる点から、膜厚変調ホログラムのタイ
プがより好適に用いられる。また屈折率変調のタイプで
あっても、表面形状に回折を生じる起伏を有したもので
あれば本発明に好適に用いることができる。
【0008】回折パターンをコレステリック配向フィル
ムに転写する際の加温加圧条件は、通常、温度40〜3
00℃、好ましくは70〜180℃、圧力0.05〜8
0MPa、好ましくは0.1〜20MPaの条件下で行
う。温度が40℃未満の場合、室温で十分安定な配向状
態を有するコレステリック液晶層においては回折パター
ンの転写が不十分となる恐れがある。また300℃を越
えるとコレステリック液晶層の分解や劣化が起こり恐れ
がある。また圧力が0.05MPaより低い場合、回折
パターンの転写が不十分となる恐れがある。さらに80
MPaより高い場合には、コレステリック液晶層や他の
基材の破壊等が見られる恐れがある。
【0009】また転写に要する時間は、コレステリック
液晶層を形成している液晶材料の種類、フィルム形態、
回折パターン型の材質などにより異なるため一概には言
えないが、通常0.01秒以上、好ましくは0.05秒
〜1分である。処理時間が0.01秒より短い場合、回
折パターンの転写が不十分となる恐れがある。また1分
を越えるような処理時間は生産性の観点から望ましいと
は言えない。
【0010】具体的な転写方法としては、上記諸条件を
満足する例えば一般の圧縮成型機、圧延機、カレンダー
ローラー、ヒートローラー、ラミネーター、ホットスタ
ンプ、電熱板、サーマルヘッド等を用い、コレステリッ
ク配向フィルムの液晶面と回折パターン面が接するよう
にした状態で成型機等に供することにより、回折素子基
板の回折パターンをコレステリック配向フィルムに転写
することができる。また回折パターンの転写は、コレス
テリック配向フィルムの片面のみに限られるものではな
く、同様の方法により、コレステリック配向フィルム両
面に回折パターンを転写することもできる。
【0011】本発明の製造方法によって得られるコレス
テリック液晶性フィルムは、コレステリック配向フィル
ムに回折パターンを転写することにより、フィルムの一
部に回折能を示す領域を形成することができる。ここで
回折能を示す領域とは、その領域を透過した光またはそ
の領域で反射された光が、幾何学的には影になる部分に
回り込むような効果を生じる領域を意味する。また回折
能を有する領域の有無は、例えばレーザー光等を前記領
域に入射し、直線的に透過または反射する光(0次光)
以外に、ある角度をもって出射する光(高次光)の有無
により確認することができる。また別法としては、原子
間力顕微鏡や透過型電子顕微鏡などで液晶層の表面形状
や断面形状を観察することにより回折能を示す領域が形
成されているか否か確認することができる。また回折能
を示す領域は、フィルム表面および/またはフィルム内
部のいずれの領域であってもよく、例えばフィルム表面
の一部(フィルム表面領域)、フィルム内部の一部(フ
ィルム内部領域)に形成することができる。また当該領
域は、コレステリック液晶性フィルムの複数領域、例え
ばフィルム表裏面領域、複数のフィルム内部領域にそれ
ぞれに形成することもできる。なお本発明で言うフィル
ム表面とは、コレステリック液晶性フィルム単体におい
て外部に接する部分を、またフィルム内部とは、外部に
接する以外の部分をそれぞれ意味する。
【0012】またコレステリック液晶性フィルムの一部
に形成された回折能を示す領域は、例えばフィルム表面
や内部に均一な厚さを持った層状態として形成されてい
ることは必ずしも必要とせず、フィルム表面やフィルム
内部の少なくとも一部に回折能を示す領域が形成されて
いればよい。例えば回折能を示す領域が、所望の図形、
絵文字、数字等の型を象るように有したものであっても
よい。さらに回折能を示す領域を複数有する場合、全て
の前記領域が同じ回折能を示す必要性はなく、それぞれ
の領域において異なった回折能を示すものであってもよ
い。
【0013】また回折能を示す領域が層状態として形成
されている場合、回折能を示す層(領域)の厚みとして
は、コレステリック液晶性フィルムの膜厚に対して通常
50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは
10%以下の厚みを有する層状態で形成されていること
が望ましい。回折能を示す層(領域)の厚さが50%を
超えると、コレステリック液晶相に起因する選択反射特
性、円偏光特性等の効果が低下し、本発明の効果を得る
ことができない恐れがある。
【0014】さらに本発明の製造方法によって得られる
コレステリック液晶性フィルムにおける回折能を示す領
域の配向状態は、螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で
はないコレステリック配向、好ましくは螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行でなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方向
に一様に等間隔ではないコレステリック配向を形成して
いることが望ましい。またそれ以外の領域においては、
通常のコレステリック配向と同様の配向状態、すなわち
螺旋軸方位が膜厚方向に一様に平行で、かつ螺旋ピッチ
が膜厚方向に一様に等間隔な螺旋構造を形成しているこ
とが望ましい。
【0015】また本発明のコレステリック液晶性フィル
ムにおいて、回折能を示す領域が一方のフィルム表面領
域に有する際、そのフィルムの表裏、すなわち回折能を
示す領域を有するフィルム面とその面とは反対のフィル
ム面とは多少異なった光学効果、呈色効果等を示すもの
である。したがって用途や目的とする機能等に応じ、本
発明のコレステリック液晶性フィルムのフィルム面の配
置位置等を選択することが望ましい。
【0016】本発明の製造方法に供されるコレステリッ
ク配向フィルムは、高分子液晶および/または低分子液
晶をフィルム材料として、均一でモノドメインなコレス
テリック配向が固定化されたフィルム状物、シート状
物、板状物等であり、コレステリック配向フィルム自体
の製法等には何ら限定されるものではない。
【0017】コレステリック配向フィルムの膜厚は、通
常0.3〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、さ
らに好ましくは7〜3μmである。この範囲を外れた場
合には本発明の効果を発現できない恐れがある。
【0018】コレステリック配向フィルムのフィルム材
料となる高分子液晶としては、コレステリック配向が固
定化できるものであれば特に制限はなく、主鎖型、側鎖
型高分子液晶等いずれでも使用することができる。具体
的にはポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、
ポリエステルイミドなどの主鎖型液晶ポリマー、あるい
はポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリマロネ
ート、ポリシロキサンなどの側鎖型液晶ポリマーなどが
挙げられる。なかでもコレステリック配向を形成する上
で配向性が良く、合成も比較的容易である液晶性ポリエ
ステルが望ましい。ポリマーの構成単位としては、例え
ば芳香族あるいは脂肪族ジオール単位、芳香族あるいは
脂肪族ジカルボン酸単位、芳香族あるいは脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸単位を好適な例として挙げられる。
【0019】またコレステリック配向フィルムのフィル
ム材料となる低分子液晶としては、例えばアクリロイル
基、ビニル基やエポキシ基等の官能基を導入したビフェ
ニル誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、スチルベン
誘導体などを基本骨格としたものが挙げられる。また低
分子液晶としては、ライオトロピック性、サーモトロピ
ック性のどちらも用いることができるが、サーモトロピ
ック性を示すものが作業性、プロセス等の観点からより
好適である。
【0020】コレステリック配向を固定化する方法は公
知の方法、例えば高分子液晶を用いる場合には、配向基
板上に高分子液晶を配した後、熱処理等によってコレス
テリック液晶相を発現させ、その状態から急冷してコレ
ステリック配向を固定化する方法を用いることができ
る。また低分子液晶を用いる場合には、配向基板上に低
分子液晶を配した後、熱処理等によってコレステリック
液晶相を発現させ、その状態を維持したまま光、熱また
は電子線等により架橋させてコレステリック配向を固定
化する方法等を適宜採用することができる。
【0021】また最終的に得られるコレステリック液晶
性フィルムの耐熱性等を向上させるために、フィルム材
料中にコレステリック相の発現を妨げない範囲におい
て、例えばビスアジド化合物やグリシジルメタクリレー
ト等の架橋剤を添加することもでき、これら架橋剤を添
加することによりコレステリック相を発現させた状態で
架橋させることもできる。さらにフィルム材料には、コ
レステリック液晶相の発現を妨げない範囲において二色
性色素、染料や顔料等を適宜添加することもできる。
【0022】上記の如きフィルム材料、製法等によって
得られるコレステリック配向フィルムを本発明に供する
ことができる。
【0023】本発明の製造方法によって得られるコレス
テリック液晶性フィルムは、必要に応じてコレステリッ
ク配向フィルム形成の際に用いた支持基板から他の基板
へ転写してもよい。転写方法としては、例えばコレステ
リック液晶性フィルムに接着剤等を塗布し、他の基板を
ラミネートした後に接着剤を硬化し、コレステリック液
晶性フィルムから支持基板を剥離する方法等が挙げられ
る。この転写方法を適宜採用することにより、各種用途
に適した形態、例えば種々の支持基板、接着剤層、コレ
ステリック液晶性フィルムの順に積層された光学積層体
等を得ることができる。また用途によって、コレステリ
ック液晶性フィルムの回折パターンが転写されたフィル
ム面または反対のフィルム面を接着剤層を介して支持基
板に積層する等適宜選択することができる。
【0024】転写に用いられる支持基板としては、シー
ト状物、フィルム状物、板状物等の形状を有するもので
あれば特に限定されるものではなく、例えばポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポ
リビニルアルコール、ポリアセタール、ポリアリレー
ト、セルロース系プラスチックス、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂等のシート、フィルムあるいは基板、または
紙、合成紙等の紙類、金属箔、ガラス板等から適宜選択
して用いることができる。また支持基板としては、その
表面に凹凸が施されているものであってもよい。
【0025】また転写の際に用いられる接着剤として
は、特に限定されるものではなく、従来公知の様々な粘
・接着剤、ホットメルト型接着剤、熱、光または電子線
硬化型の反応性接着剤等を適宜用いることができる。中
でも光または電子線硬化型の反応性接着剤が好ましく用
いられる。反応性接着剤としては、光または電子線重合
性を有するプレポリマーおよび/またはモノマーに必要
に応じて他の単官能、多官能性モノマー、各種ポリマ
ー、安定剤、光重合開始剤、増感剤等を配合したものを
用いることができる。
【0026】光または電子線重合性を有するプレポリマ
ーとしては、具体的にはポリエステルアクリレート、ポ
リエステルメタクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリウレタンメタクリレート、エポキシアクリレー
ト、エポキシメタクリレート、ポリオールアクリレー
ト、ポリオールメタクリレート等を例示することができ
る。また光または電子線重合性を有するモノマーとして
は、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、2官
能アクリレート、2官能メタクリレート、3官能以上の
多官能アクリレート、多官能メタクリレート等が例示で
きる。またこれらは市販品を用いることもでき、例えば
アロニックス(アクリル系特殊モノマー、オリゴマー;
東亞合成(株)製)、ライトエステル(共栄社化学
(株)製)、ビスコート(大阪有機化学工業(株)製)
等を用いることができる。
【0027】また光重合開始剤としては、例えばベンゾ
フェノン誘導体類、アセトフェノン誘導体類、ベンゾイ
ン誘導体類、チオキサントン類、ミヒラーケトン、ベン
ジル誘導体類、トリアジン誘導体類、アシルホスフィン
オキシド類、アゾ化合物等を用いることができる。
【0028】光または電子線硬化型の反応性接着剤の粘
度は、接着剤の加工温度等により適宜選択するものであ
り一概にはいえないが、通常25℃で10〜2000m
Pa・s、好ましくは50〜1000mPa・s、さらに
好ましくは100〜500mPa・sである。粘度が1
0mPa・sより低い場合、所望の厚さが得られ難くく
なる。また2000mPa・sより高い場合には、作業
性が低下する恐れがあり望ましくない。粘度が上記範囲
から外れている場合には、適宜、溶剤やモノマー割合を
調整し所望の粘度にすることが好ましい。
【0029】また光硬化型の反応性接着剤を用いた場
合、その接着剤の硬化方法としては公知の硬化手段、例
えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ等を使用することができ
る。また露光量は、用いる反応性接着剤の種類により異
なるため一概にはいえないが、通常50〜2000mJ
/cm2、好ましくは100〜1000mJ/cm2であ
る。
【0030】また電子線硬化型の反応性接着剤を用いた
場合、その接着剤の硬化方法としては、電子線の透過力
や硬化力により適宜選定されるものであり一概にはいえ
ないが、通常、加速電圧が50〜1000kV、好まし
くは100〜500kVの条件で照射して硬化すること
ができる。
【0031】また接着剤としてホットメルト型接着剤を
用いる場合、当該接着剤も特に制限はないが、ホットメ
ルトの作業温度が250℃以下、好ましくは60〜20
0℃程度のものが作業性等の観点から望ましく用いられ
る。具体的には、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、熱可塑性ゴム系、ポリアクリル系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、石油系樹脂、テル
ペン系樹脂、ロジン系樹脂等をベース樹脂として製造さ
れているものが挙げられる。
【0032】さらに接着剤として粘着剤を用いる場合も
特に制限されるものではなく、例えばゴム系、アクリル
系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系粘着剤などを
用いることができる。接着剤の厚さは、用いられる用途
やその作業性等により異なるため一概にはいえないが、
通常0.5〜50μm、好ましくは1〜10μmであ
る。
【0033】また接着剤の形成方法としては、特に限定
されるものではないが、例えばロールコート法、ダイコ
ート法、バーコート法、カーテンコート法、エクストル
ージョンコート法、グラビアロールコート法、スプレー
コート法、スピンコート法等の公知の方法を用いて支持
基板上等に形成することができる。
【0034】また本発明のコレステリック液晶性フィル
ムには、耐摩耗性、耐光性を向上させるためにフィルム
表面に保護層を設けることができる。保護層としては、
1層のハードコート層を設けても良いし、接着層を介し
て各種ポリマーフィルムやハードコート層を設けるとい
った2層以上からなる積層物を保護層としても良い。ハ
ードコート層としては、先に説明した反応性接着剤の硬
化物やグラビアインキ用ビヒクル樹脂等が好ましく使用
することができる。
【0035】保護層として用いられるグラビアインキ用
ビヒクル樹脂としては、例えばニトロセルロース、エチ
ルセルロース、ポリアミド樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合体、ポリビニルブチラール、塩化ゴム、環化ゴ
ム、塩素化ポリオレフィン、アクリル樹脂、ポリウレタ
ン、ポリエステル等が挙げられる。また前記樹脂中に接
着性向上や皮膜強度向上のためにエステルガム、ダンマ
ルガム、マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂、フェノール
樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、テルペン樹脂、石油
樹脂等のハードレジンを加えてもよい。
【0036】また保護層として用いられるポリマーフィ
ルムとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ(4−メチルーペンテンー1)、ポリスチレン、ア
イオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリス
ルフォン、シロキサン系樹脂,エポキシ系樹脂,セルロ
ース系樹脂等のフィルムが挙げられる。
【0037】また保護層を形成する接着剤としては特に
限定されるものではないが、先に説明した反応性接着剤
硬化物などを使用することができる。
【0038】なお必要に応じ、保護層を構成するハード
コート層、接着剤層、ポリマーフィルムに例えば紫外線
吸収剤、染料、顔料、界面活性剤、微細なシリカ、ジル
コニア、アルミナ等、各種添加剤、充填剤等を適宜含有
することもできる。
【0039】以上、本発明のコレステリック液晶性フィ
ルムは、回折光が円偏光性を有するという、従来の光学
部材には無い特異な効果を有する。この効果により、例
えばエリプソメーターのような偏光を必要とする分光光
学機器に用いることにより、光の利用効率を極めて高く
することが可能となる。従来の偏光を必要とする分光光
学機器では、光源より発した光を回折格子やプリズム等
の分光素子を用いて波長ごとに分光した後に偏光子を透
過させる、または偏光子を透過させた後に分光する必要
があり偏光子が必須であった。この偏光子は、入射した
光の約50%を吸収してしまい、また界面での反射が生
じるために光の利用効率が極めて悪いといった問題があ
ったが、本発明のコレステリック液晶性フィルムを用い
ることにより光の利用効率を極めて高く、理論的には約
100%利用することが可能となる。また本発明のコレ
ステリック液晶性フィルムは、通常の偏光板を用いるこ
とによって容易に回折光の透過および遮断をコントロー
ルすることが可能である。通常、偏光性を有していない
回折光では、どのような偏光板と組み合わせても完全に
遮断することはできない。すなわち本発明のコレステリ
ック液晶性フィルムでは、例えば右偏光性を有する回折
光は、左円偏光板を用いた時にのみ完全に遮断すること
ができ、それ以外の偏光板を用いても完全な遮断を実現
することができないものである。このような効果を有す
ることから、例えば観察者が偏光板越しに回折像を観察
する環境において、偏光板の状態を変化させることによ
って、回折像を暗視野から突然浮かび上がらせたり、ま
た突然消失させたりすることが可能となる。
【0040】上記のように本発明の製造方法によって得
られるコレステリック液晶性フィルムは、新たな回折機
能素子として応用範囲は極めて広く、種々の光学用素子
や光エレクトロニクス素子、装飾用部材、偽造防止用素
子等として使用することができる。
【0041】具体的に光学用素子や光エレクトロニクス
素子としては、例えば本発明のコレステリック液晶性フ
ィルム単体、または支持基板として透明かつ等方なフィ
ルム、例えばフジタック(富士写真フィルム(株)
製)、コニカタック(コニカ(株)製)などのトリアセ
チルセルロースフィルム、TPXフィルム(三井化学
(株)製)、アートンフィルム(日本合成ゴム(株)
製)、ゼオネックスフィルム(日本ゼオン(株)製)、
アクリプレンフィルム(三菱レーヨン(株)製)等にコ
レステリック液晶性フィルムを積層した光学積層体をT
N(twisted nematic)−LCD(Li
quid Crystal Display)、STN
(Super Twisted Nematic)−L
CD、ECB(Electrically Contr
olled Birefringence)−LCD、
OMI(Optical Mode Interfer
ence)−LCD、OCB(Optically C
ompensated Birefringence)
−LCD、HAN(Hybrid Aligned N
ematic)−LCD、IPS(In Plane
Switching)−LCD等の液晶ディスプレーに
備えることによって色補償および/または視野角改良さ
れた各種LCDを得ることができる。またコレステリッ
ク液晶性フィルムまたは該フィルムを有する光学積層体
を、上記したように分光された偏光を必要とする分光光
学機器、回折現象により特定の波長を得る偏光光学素
子、光学フィルター、円偏光板、光拡散板等として用い
ることも可能であり、さらに1/4波長板と組み合わせ
ることによって直線偏光板を得ることもできる等、光学
用素子や光エレクトロニクス素子として従来にない光学
効果を発現しうる様々な光学部材を提供することができ
る。
【0042】装飾用部材としては、回折能による虹色呈
色効果とコレステリック液晶による色鮮やかな呈色効果
等を併せ持った新たな意匠性フィルムをはじめ様々な意
匠性成形材料を得ることができる。また薄膜化できるこ
とから既存製品等に添付する、一体化する等の方法によ
って、他の類似製品との差別化にも大きく貢献すること
が期待できる。例えば、意匠性のある回折パターンを組
み込んだ本発明のコレステリック液晶性フィルムをガラ
ス窓等に張り付けると、外部からはその視角によって前
記回折パターンを伴ったコレステリック液晶特有の選択
反射が異なった色に見え、ファッション性に優れるもの
となる。また明るい外部からは内部が見え難く、それに
もかかわらず内部からは外部の視認性がよい窓とするこ
とができる。
【0043】偽造防止用素子としては、回折素子および
コレステリック液晶のそれぞれの偽造防止効果を併せ持
った新たな偽造防止フィルム、シール、ラベル等として
用いることができる。具体的には本発明の製造方法によ
って得られるコレステリック液晶性フィルムを、例えば
自動車運転免許証、身分証明証、パスポート、クレジッ
トカード、プリペイドカード、各種金券、ギフトカー
ド、有価証券等のカード基板、台紙等と一体化するまた
は一部に設ける、具体的には貼り付ける、埋め込む、紙
類に織り込むことができる。また本発明のコレステリッ
ク液晶性フィルムは、回折能を示す領域をコレステリッ
ク液晶層の一部に有し、またコレステリック液晶の波長
選択反射性、円偏光選択反射性、色の視角依存性、コレ
ステリックカラーの美しい色を呈する効果を併せ持った
ものである。したがって本発明のコレステリック液晶性
フィルムのように、回折能を一部に有したコレステリッ
ク液晶性フィルムの偽造は極めて困難であるといえる。
また偽造防止効果とあわせて、回折素子の虹色呈色効
果、コレステリック液晶の色鮮やかな呈色効果を有する
ことから意匠性にも優れたものである。これらのことか
ら本発明のコレステリック液晶性フィルムは偽造防止用
素子として非常に有用である。
【0044】これらの用途はほんの一例であり、本発明
のコレステリック液晶性フィルムは、従来、回折素子単
体、コレステリック液晶性フィルム単体が使用されてい
る各種用途や、新たな光学的効果を発現することが可能
であること等から前記用途以外の様々な用途にも応用展
開が可能である。
【0045】
【実施例】以下に実施例について述べるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0046】(参考例1)フェノール/テトラクロロエ
タン(重量比60/40)混合溶媒、濃度0.5g/d
l、温度30℃での対数粘度が0.144、ガラス転移
温度(Tg)85℃の液晶性ポリエステルのN−メチル
−2−ピロリドン溶液を調製した(溶液濃度20重量
%)。この溶液をラビング処理したポリフェニレンスル
フィド上にスピンコート法で製膜し、200℃で5分間
熱処理したところ、金色の鏡面反射を呈するフィルムが
得られた。得られたフィルムを日本分光(株)製紫外可
視近赤外分光光度計V−570にて透過スペクトルを測
定したところ、中心波長約600nm、選択反射波長帯
域幅約100nmの選択反射を示すコレステリック配向
フィルムが形成されていることが確認された。
【0047】(実施例1)エドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面と参考例1で得たコレステリック配
向フィルムの液晶面が向き合うように重ね、伸栄産業社
製26トンプレスのプレート上に乗せ、95℃、5MP
aの条件で加熱加圧し1分間保持した。保持した後、プ
レスから取り出し、刻線式回折格子フィルムを取り除い
た。
【0048】回折格子フィルムが重ねられていたコレス
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
【0049】これらのことよりコレステリック配向フィ
ルムには、回折能を示す領域がフィルム表面領域に形成
され、またその回折光が右円偏光であることが確認され
た。
【0050】(実施例2)エドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−
350のラミネートロールに巻き付け固定し、120
℃、0.3MPa、ロール接触時間1秒の条件下、回折
格子フィルムの回折面と参考例1で得たコレステリック
配向フィルムの液晶面が接する向きで加熱加圧した。
【0051】回折格子フィルムが重ねられていたコレス
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
【0052】これらのことよりコレステリック配向フィ
ルムには、回折能を示す領域がフィルム表面領域に形成
され、またその回折光が右円偏光であることが確認され
た。このことより、回折能を示す領域をフィルム表面領
域に有したコレステリック液晶性フィルムが得られたこ
とが確認できた。
【0053】次いで得られたコレステリック液晶性フィ
ルムのコレステリック液晶面に、バーコーターを使用し
て市販の光硬化型アクリル系オリゴマーからなる接着剤
を厚さ5μmとなるように塗布した。次に塗布面にトリ
アセチルセルロースフィルムを卓上ラミネーターを用い
て貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させた。
接着剤を硬化させた後、コレステリック配向フィルムを
得る際に配向基板として用いたポリフェニレンスルフィ
ドフィルム(配向基板)の端部を手で持ち、180°方
向にポリフェニレンスルフィドフィルムを当該フィルム
とコレステリック液晶層との界面で剥離させた。以上の
工程により、コレステリック液晶性フィルムに回折パタ
ーンを転写された面が、接着剤層を介して支持基板であ
るトリアセチルセルロース側に向かい合う形で積層され
たトリアセチルセルロース(支持基板)/接着剤層/コ
レステリック液晶性フィルムの積層体が得られた。
【0054】(実施例3)参考例1で得られたコレステ
リック配向フィルムの液晶面にバーコーターを使用して
光硬化型アクリル系オリゴマーからなる接着剤を厚さ5
μmとなるように塗布した。次に塗布面にトリアセチル
セルロースフィルム(支持基板)を卓上ラミネーターを
用いて貼り合わせ、紫外線を照射し、接着剤を硬化させ
た。接着剤を硬化させた後、ポリフェニレンスルフィド
フィルム(配向基板)の端部を手で持ち、180°方向
にポリフェニレンスルフィドフィルムを当該フィルムと
コレステリック配向フィルムとの界面で剥離させた。以
上の工程により、トリアセチルセルロース/接着剤層/
コレステリック配向フィルムの積層体が得られた。
【0055】次いでエドモンド・サイエンティフィック
・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900本/m
m)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−350
のラミネートロールに巻き付け固定し、120℃、0.
3MPa、ロール接触時間1秒の条件下、回折格子フィ
ルムの回折面と当該積層体の液晶面が接する向きで加熱
加圧した。
【0056】回折格子フィルムが重ねられていたコレス
テリック配向フィルム面を観察したところ、回折パター
ンに起因する虹色とコレステリック液晶に特有の選択反
射とが明瞭に認められた。また回折格子フィルムを取り
除いたコレステリック配向フィルム面の配向状態を偏光
顕微鏡観察および液晶層断面の透過型電子顕微鏡観察を
したところ、コレステリック相における螺旋軸方位が膜
厚方向に一様に平行ではなく、かつ螺旋ピッチが膜厚方
向に一様に等間隔ではないコレステリック配向が液晶層
の表面領域に形成されていることが確認された。またそ
れ以外の領域においては、螺旋軸方位が膜厚方向に一様
に平行で、かつ螺旋ピッチが膜厚方向に一様に等間隔な
コレステリック配向が形成していることが確認された。
またコレステリック配向フィルム面内に垂直にHe−N
eレーザー(波長632.8nm)を入射したところ、
0゜および約±35゜の出射角にレーザー光が観察され
た。さらに偏光特性を確認するために、通常の室内照明
下に得られた積層体をおき、右円偏光板(右円偏光のみ
透過)を介して観察したところ、虹色の反射回折光が観
察され、偏光板なしで観察した場合の明るさとほぼ同じ
であった。これに対し左円偏光板(左円偏光のみ透過)
を介して観察したところ、暗視野となり、虹色の反射回
折光は観察されなかった。
【0057】これらのことよりコレステリック配向フィ
ルムには、回折能を示す領域がフィルム表面領域に形成
され、またその回折光が右円偏光であることが確認され
た。このことより、回折能を示す領域をフィルム表面領
域に有したコレステリック液晶性フィルムが得られたこ
とが確認できた。
【0058】以上の方法によってコレステリック液晶性
フィルムの回折パターンを転写された面の反対面が、接
着剤層を介して支持基板であるトリアセチルセルロース
側に向かい合う形で積層されたトリアセチルセルロース
(支持基板)/接着剤層/液晶性フィルムの積層体が得
られた。
【0059】(比較例1)エドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面と参考例1で得たコレステリック配
向フィルムの液晶面が向き合うように重ね、伸栄産業社
製26トンプレスのプレート上に乗せ、30℃、30M
Paの条件で加熱加圧し、1分間保持した。
【0060】プレスから取り出し刻線式回折格子フィル
ムを取り除いて、コレステリック配向フィルム面を観察
したところ、回折パターンに起因する虹色を呈していな
かった。
【0061】(比較例2)エドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)を東京ラミネックス社製ラミネーターDX−
350のラミネートロールに巻き付け固定し、130
℃、0.02MPa、ロール接触時間0.5秒の条件
下、回折格子フィルムの回折面と参考例1で得たコレス
テリック配向フィルムの液晶面が接するようにして加熱
加圧した。
【0062】加熱加圧後のコレステリック配向フィルム
は、僅かな回折光を呈していたが、実用上十分な回折光
を有する回折パターンは転写されてなかった。
【0063】(比較例3)参考例1で得たコレステリッ
ク配向フィルムの液晶面とエドモンド・サイエンティフ
ィック・ジャパン社製刻線式回折格子フィルム(900
本/mm)の回折面とが向き合うように重ね、水圧プレ
スのプレート上に乗せ、130℃、100MPaの条件
で加熱加圧し、30秒間保持した。
【0064】プレスから取り出し、刻線式回折格子フィ
ルムを取り除いたところ、コレステリック液晶層に割れ
が発生し、配向の乱れが生じていた。
【0065】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られる液晶性フィ
ルムは、回折光が円偏光性を有するという、従来の液晶
性フィルムには無い特異な特徴を有することから、新た
な回折機能素子として応用範囲は極めて広く、例えば偏
光板を始めとする種々の光学用素子、光エレクトロニク
ス素子、装飾用材料、偽造防止用素子等として有用であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コレステリック配向フィルムに温度4
    0〜300℃、圧力0.05〜80MPaの加温加圧条
    件下において回折素子基板の回折パターンを転写し、フ
    ィルムの一部に回折能を示す領域を形成するコレステリ
    ック液晶性フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113684612A (zh) * 2021-07-23 2021-11-23 佛山科学技术学院 一种液晶态复合纤维膜及其制备与应用
WO2023074278A1 (ja) * 2021-11-01 2023-05-04 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶素子及び液晶素子の製造方法

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