JP2000309705A - 振動溶着用樹脂組成物 - Google Patents

振動溶着用樹脂組成物

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JP2000309705A
JP2000309705A JP12078299A JP12078299A JP2000309705A JP 2000309705 A JP2000309705 A JP 2000309705A JP 12078299 A JP12078299 A JP 12078299A JP 12078299 A JP12078299 A JP 12078299A JP 2000309705 A JP2000309705 A JP 2000309705A
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copolymer
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Atsushi Ishio
敦 石王
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐熱性、成形品表面外観、寸法安定
性、振動溶着性が均衡して優れた振動溶着用樹脂組成物
に関し、更には溶融成形時に、同時または順次に2つ以
上の成形品を振動溶着して得られる中空成形体などに適
したポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物に関するも
のである。 【解決手段】(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂50
〜98重量%および(b)オレフィン系(共)重合体5
0〜2重量%((a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と
(b)オレフィン系(共)重合体の合計を100重量%
とする)及び(c)ガラス繊維10〜200重量部
((a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)オレフ
ィン系(共)重合体の合計100重量部に対する量とす
る)を配合してなる振動溶着用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、成形品表
面外観、寸法安定性、振動溶着性が均衡して優れた振動
溶着用樹脂組成物に関し、更には2つ以上の成形品を振
動溶着して得られる中空成形体などに適したポリフェニ
レンスルフィド系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す)は優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬
品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラ
スチックとしては好適な性質を有しており、射出成形用
を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動
車部品などに使用されている。
【0003】上記分野でのPPS樹脂の開発経緯は基本
的には金属材料からの代替が主体であり、軽量化、防錆
化などの利点の多い部品から実用化が進んできた。更に
最近はPPS樹脂材料の高性能化および成形加工技術の
進展に伴って、大型且つ複雑形状で、従来技術では樹脂
化が困難とされてきた部品へのPPS樹脂の適用が検討
されるようになっている。このような難度の高い部品を
樹脂化するためには単純な射出成形や押出成形、ブロー
成形などの成形技術だけでは不十分であり、例えば、2
つの成形体を溶着するなどして大型部材を得るなど、加
工技術が必要となってきている。しかし、従来のPPS
樹脂材料の設計はかかる溶着加工への適用性までを必ず
しも考慮したものとは言えず、たとえば2つ以上のパー
ツからなるガラス繊維強化PPS樹脂成形品を振動溶着
法などによって溶着して用いる場合には、溶着部分の強
度低下などのために使用が制限される場合がしばしば見
受けられるのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は振動溶着性に
優れたPPS樹脂組成物の取得を課題とし、更に成形
性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐熱水
性、成形品表面平滑性などの特性にも均衡して優れた振
動溶着に適した樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは上記
の課題を解決すべく検討した結果、(a)PPS樹脂に
(b)オレフィン系(共)重合体を配合した樹脂組成物
が成形性、耐熱性、強靱性、耐オイル・ガソリン性、耐
熱水性、成形品表面平滑性などの特性に均衡して優れる
とともに、高い振動溶着性を示すことを見出し本発明に
到達した。
【0006】すなわち本発明は以下の各項から構成され
るものである。 1.(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂50〜98重
量%および(b)オレフィン系(共)重合体50〜2重
量%((a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)オ
レフィン系(共)重合体の合計を100重量%とする)
及び(c)ガラス繊維10〜200重量部((a)ポリ
フェニレンスルフィド樹脂と(b)オレフィン系(共)
重合体の合計100重量部に対する量とする)を配合し
てなる振動溶着用樹脂組成物。 2.振動溶着用樹脂組成物の加熱時重量減少率(320
℃、2時間)が2.0重量%以下であることを特徴とす
る上記1記載の振動溶着用樹脂組成物。 3.振動溶着用樹脂組成物の降温結晶化温度が225℃
以下であることを特徴とする上記1〜2いずれか記載の
振動溶着用樹脂組成物。 4.(b)オレフィン系(共)重合体が、(b−1)エ
ポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩から
選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレフィン
系重合体または共重合体である上記1〜3いずれか記載
の振動溶着用樹脂組成物。 5.(b)オレフィン系(共)重合体として、(b−
1)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びその
塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくとも1種
の官能基を含有するオレフィン系重合体または共重合体
と(b−2)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基
及びその塩、カルボン酸エステル基のいずれの官能基も
含有しないオレフィン系重合体または共重合体とを併用
することを特徴とする上記1〜4いずれか記載の振動溶
着用樹脂組成物。 6.(b−1)官能基含有オレフィン系(共)重合体
が、エポキシ基含有オレフィン系共重合体であって、そ
のエポキシ基がα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
モノマーに由来するものである上記4〜5いずれか記載
の振動溶着用樹脂組成物。 7.上記1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組成物の成形
品を振動溶着することを特徴とする振動溶着成形体の製
造方法。 8.上記1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組成物の成形
品を振動溶着した振動溶着成形体。 9.上記1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組成物の成形
品を振動溶着した振動溶着中空成形体。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において「重量」とは「質量」を意味す
る。
【0008】本発明で使用する(a)ポリフェニレンス
ルフィド樹脂とは、下記構造式で示される繰り返し単位
【0009】
【化1】 70モル%以上、より好ましくは90モル%以上を含む
重合体であり、上記繰り返し単位が70モル%未満で
は、耐熱性が損なわれるので好ましくない。またPPS
樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構
造式を有する繰り返し単位等で構成することが可能であ
る。
【0010】
【化2】 本発明で用いられる(a)PPS樹脂の溶融粘度は、溶
融混練が可能であれば特に制限はないが、通常5〜2,
000Pa・s(310℃、剪断速度1,000/秒)
のものが使用され、10〜300Pa・sの範囲がより
好ましい。
【0011】かかるPPS樹脂は通常公知の方法即ち特
公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の
小さな重合体を得る方法或は特公昭52−12240号
公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的
分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造でき
る。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂を空
気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱
水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソ
シアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能
基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で
使用することももちろん可能である。
【0012】PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器
中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるま
で加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、
170〜280℃が選択され、好ましくは200〜27
0℃であり、時間は通常の0.5〜100時間が選択さ
れ、好ましくは2〜50時間であるが、この両者をコン
トロールすることにより目標とする粘度レベルを得るこ
とができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもま
た回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよい
が、効率よくしかもより均一に処理する場合は回転式あ
るいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0013】PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法として
は、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の
装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼
付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均
一に処理する場合は回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置
を用いるのがより好ましい。
【0014】PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、
洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する
作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例
えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・ス
ルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、
トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタ
ン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲ
ン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレ
ングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メ
チルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機
溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPP
S樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適
宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でP
PS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限は
なく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。
洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向がある
が、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得ら
れる。また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は残留し
ている有機溶媒を除去するため、水または温水で数回洗
浄することが好ましい。
【0015】PPS樹脂を熱水で処理する場合の具体的
方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗
浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現
するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であ
ることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の
水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容
器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂
と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水
1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選
択される。
【0016】PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法
としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または
酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があ
り、必要により適宜撹拌または加熱することも可能であ
る。用いられる酸はPPSを分解する作用を有しないも
のであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢
酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン
酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカ
ルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル
酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪
酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢
酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施された
PPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するた
め、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また
洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい
化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水、脱イオン
水であることが好ましい。
【0017】上記例示の後処理のいくつかを用いて製造
されるPPSの内、特に灰分量0.4重量%以下のPP
Sを用いることが、優れた振動溶着性を得る上で好まし
い。なお、全灰分量は150℃で1時間乾燥した樹脂5
gをるつぼに入れ、540℃、6時間燃焼させた残渣重
量を測定し、乾燥後の樹脂(5g)に対する残渣重量の
割合を算出したものである。
【0018】次に本発明におけるもう一つの必須成分で
ある(b)オレフィン系(共)重合体について説明す
る。
【0019】本発明における好ましい(b)オレフィン
系(共)重合体の例として、(b−1)エポキシ基、酸
無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エス
テル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する
オレフィン系(共)重合体(以下官能基含有オレフィン
系(共)重合体と称する)をまず例示できる。
【0020】(b−1)官能基含有オレフィン系(共)
重合体の一つである、エポキシ基含有オレフィン系
(共)重合体としては、側鎖にグリシジルエステル、グ
リシジルエーテルなどを有するオレフィン系共重合体
や、二重結合を有するオレフィン系共重合体の二重結合
部分を、エポキシ酸化したものなどが挙げられる。
【0021】かかるエポキシ基含有オレフィン系(共)
重合体のより具体的な態様としては、エポキシ基を有す
るモノマーが共重合されたオレフィン系共重合体が挙げ
られ、特に少なくとも1種のα−オレフィンおよび少な
くとも1種のα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを
共重合してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体が
好適に用いられる。
【0022】かかるα−オレフィンの具体例としては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、デセン−1、オクテン−1など
が挙げられ、中でもエチレンが好ましく用いられる。ま
たこれらは2種以上を同時に使用することもできる。
【0023】一方、α,β−不飽和酸のグリシジルエス
テルとは、一般式
【0024】
【化3】 (ここでRは水素原子または低級アルキル基を示す)で
示される化合物であり、具体的にはアクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル
などが挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが好ま
しく用いられる。
【0025】かかるα−オレフィンおよびα,β−不飽
和酸のグリシジルエステルを共重合してなるオレフィン
系共重合体は、上記α−オレフィンとα,β−不飽和酸
のグリシジルエステルとのランダム、交互、ブロック、
グラフト共重合体いずれの共重合様式であっても良い。
【0026】α−オレフィンおよびα,β−不飽和酸の
グリシジルエステルを共重合してなるオレフィン系共重
合体におけるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルの
共重合量は、目的とする効果への影響、重合性、ゲル
化、耐熱性、流動性、強度への影響などの観点から、
0.5〜40重量%、特に3〜30重量%が好ましい。
【0027】本発明においてエポキシ基含有オレフィン
系共重合体として、α−オレフィン(1)とα,β−不
飽和酸のグリシジルエステル(2)に加え、更に下記一
般式で示される単量体(3)を必須成分とするエポキシ
基含有オレフィン系共重合体もまた好適に用いられる。
【0028】
【化4】 (ここで、R1 は水素または低級アルキル基を示し、X
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた基。またR2 は炭素数1〜10のアルキル基を示
す) かかるオレフィン系共重合体に用いられるα−オレフィ
ン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
(2)の詳細は上記と同様である。
【0029】一方単量体(3)の具体例としては、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロ
ピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸
イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチ
レン、芳香環がアルキル基で置換されたスチレン、アク
リロニトリル−スチレン共重合体、などが挙げられ、こ
れらは2種以上を同時に使用することもできる。
【0030】かかるオレフィン系共重合体は、α−オレ
フィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステル
(2)と単量体(3)のランダム、交互、ブロック、グ
ラフトいずれの共重合様式であっても良く、例えばα−
オレフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエス
テル(2)のランダム共重合体に対し単量体(3)がグ
ラフト共重合したような、2種以上の共重合様式が組み
合わされた共重合体であっても良い。
【0031】オレフィン系共重合体の共重合割合は、目
的とする効果への影響、重合性、ゲル化、耐熱性、流動
性、強度への影響などの観点から、α−オレフィン
(1)/α,β−不飽和酸のグリシジルエステル(2)
=60〜99重量%/40〜1重量%の範囲が好ましく
選択される。また単量体(3)の共重合割合は、α−オ
レフィン(1)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステ
ル(2)の合計量95〜40重量%に対し、単量体
(3)5〜60重量%の範囲(ただし(1)、(2)お
よび(3)の合計を100重量%とする)が好ましく選
択される。
【0032】また本発明におけるエポキシ基含有オレフ
ィン系(共)重合体のもう一つの好ましい態様として、
エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が挙げられる。
【0033】かかるエポキシ化ジエン系ブロック共重合
体とは、ブロック共重合体、部分水添ブロック共重合体
の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化し
たものであり、その基体となるブロック共重合体とは、
少なくとも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合
体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックBとから成るブロック共重合
体であり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−
A、(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構
造を有する芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体である。また部分水添ブロック共重合体と
は、該ブロック共重合体を水素添加して得られるもので
ある。以下に該ブロック共重合体、部分水添ブロック共
重合体に関してさらに詳細に述べる。
【0034】このブロック共重合体は、芳香族ビニル化
合物を5重量%以上95重量%未満、好ましくは10〜
60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%含み、
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックAが、
芳香族ビニル化合物のホモ重合体ブロック、または芳香
族ビニル化合物を50重量%を超え好ましくは70重量
%以上含有する芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物
との共重合体ブロックの構造を有しており、さらに共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBが、共役ジ
エン化合物のホモ重合体ブロック、または共役ジエン化
合物を50重量%を超え好ましくは70重量%以上含有
する共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合
体ブロックの構造を有するものである。また、これらの
芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックA、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBは、それ
ぞれの重合体ブロックにおける分子鎖中の共役ジエン化
合物または芳香族ビニル化合物の分布がランダム、テー
パード(分子鎖中に沿ってモノマー成分が増加または減
少するもの)、一部ブロック状またはこれらの任意の組
み合わせで成っていてもよく、該芳香族ビニル化合物を
主体とする重合体ブロックおよび該共役ジエン化合物を
主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
よく、異なる構造であってもよい。
【0035】ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル
化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1
−ジフェニルエチレン等のうちから1種または2種以上
が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また共役ジエ
ン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、中
でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせ
が好ましい。そして、共役ジエン化合物を主体とする重
合体ブロックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任
意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックに
おいては1,2−ビニル結合構造が5〜65%の範囲が
好ましく、特に好ましくは10〜50%の範囲である。
【0036】上記した構造を有するブロック共重合体の
数平均分子量は、通常、5,000〜1,000,00
0、好ましくは10,000〜800,000、さらに
好ましくは30,000〜500,000の範囲であ
り、分子量分布〔重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比(Mw/Mn)〕は10以下である。
さらにブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐
状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせの何れで
あってもよい。
【0037】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては、上記した構造を有するものであればどのような製
造方法で得られるものであってもかまわない。例えば、
特公昭40−23798号公報に記載された方法によ
り、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で芳香族ビニル
化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成する
ことができる。
【0038】また、部分水添ブロック共重合体とは、上
記のかかる芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロ
ック共重合体を水素添加することによって得られるもの
であり、この水添ブロック共重合体の製造方法として
は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−
6636号公報に記載された方法を採用することもでき
るが、特に得られる水添ブロック共重合体の耐候性、耐
熱劣化性に優れた性能を発揮するチタン系水添触媒を用
いて合成された水添ブロック共重合体が最も好ましく、
例えば、特開昭59−133203号公報、特開昭60
−79005号公報に記載された方法により、不活性溶
媒中でチタン系水添触媒の存在下に、上記した構造を有
するブロック共重合体を水素添加して水添ブロック共重
合体を合成することができる。その際、芳香族ビニル化
合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン
化合物に基づく脂肪族二重結合は0〜99%を水素添加
せしめ、好ましくは0〜70%を水素添加させたもので
ある。なお、これらのブロック共重合体および部分水添
ブロック共重合体は上市されており、容易に入手するこ
とができる。
【0039】次に、本発明の(b)成分の一つとして用
い得るエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、上記し
た構造を有するブロック共重合体、部分水添ブロック共
重合体にエポキシ化剤を反応させ、共役ジエン化合物に
基づく脂肪族二重結合をエポキシ化したものである。本
発明に用いるエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は上
記のブロック共重合体または部分水添ブロック共重合体
を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類な
どのエポキシ化剤と反応させることにより得ることがで
きる。過酸類としては過ギ酸、過酢酸、過安息香酸の混
合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、
あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチ
ルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効果を得るこ
とができる。また、エポキシ化剤の最適量は、使用する
個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用す
る個々のブロック共重合体などのような可変要因によっ
て決めることができる。なお、得られたエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶
媒で沈澱させる方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入
し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法などで行うこ
とができる。
【0040】かかるエポキシ化ジエン系ブロック共重合
体のエポキシ化の程度に特に規定はないが、オキシラン
酸素濃度0.1重量%以上7重量%以下であることが好
ましく、特に1.0重量%以上5重量%以下であること
が好ましい。オキシラン酸素濃度が上記範囲であるとP
PS樹脂組成物の衝撃強化、および外観特性が良好で、
層剥離が抑制され、安定した耐熱性が得られる点で好ま
しい。
【0041】また本発明において(b)官能基含有オレ
フィン系(共)重合体成分として用い得るカルボキシル
基及びその塩、カルボン酸エステル基、酸無水物基を含
有するオレフィン系(共)重合体の例としては、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エ
チレン−ヘキセン共重合体などのエチレンとα−オレフ
ィンの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテ
ン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリイソ
プレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレン−エチ
レン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)および上記(B)記載のエチ
レン・α−オレフィン系共重合体などのポリオレフィン
系(共)重合体にマレイン酸無水物、琥珀酸無水物、フ
マル酸無水物などの酸無水物、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニルなどのカルボン酸及びそのNa、Zn、
K、Ca、Mgなどの塩、アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチルなどのカルボン酸エステ
ルが共重合されたオレフィン系共重合体などが挙げら
れ、より具体的にはエチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−
アクリル酸n−プロピル共重合体、エチレン−アクリル
酸イソプロピル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブ
チル共重合体、エチレン−アクリル酸t−ブチル共重合
体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−プロ
ピル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソプロピル共
重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、
エチレン−メタクリル酸t−ブチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸イソブチル共重合体などのオレフィン−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸メチ
ル−アクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸メチル
−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸プロピル−ア
クリロニトリル共重合体、メタアクリル酸プロピル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロ
ニトリル共重合体、メタアクリル酸ブチル−アクリロニ
トリル共重合体などの、(メタ)アクリル酸エステル−
アクリロニトリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体およびそのNa、Zn、K、Ca、Mgな
どの金属塩、エチレン−マレイン酸無水物共重合体、エ
チレン−ブテン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン
−プロピレンーマレイン酸無水物共重合体、エチレン−
ヘキセン−マレイン酸無水物共重合体、エチレン−オク
テン−マレイン酸無水物共重合体、プロピレン−マレイ
ン酸無水物共重合体あるいは無水マレイン酸変性のSB
S、SIS、SEBS、SEPS、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体などが例示できる。
【0042】かかるオレフィン系(共)重合体の共重合
様式には特に制限はなく、ランダム共重合体、グラフト
共重合体、ブロック共重合体などいずれの共重合体様式
であっても良い。
【0043】本発明において上記(b−1)エポキシ
基、酸無水物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン
酸エステル基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含
有するオレフィン系(共)重合体を用いる際に、2種以
上の上記官能基含有オレフィン系共重合体を併用して用
いることももちろん可能である。
【0044】本発明において(b)オレフィン系(共)
重合体として、(b−2)エポキシ基、酸無水物基、カ
ルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基のいず
れの官能基も含有しないオレフィン系(共)重合体を用
いることも、特に優れた流動特性、靱性を得る上で有効
であるが、その場合には(b−1)エポキシ基、酸無水
物基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル
基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオレ
フィン系(共)重合体を併用して用いることが望まし
い。
【0045】かかる(b−2)エポキシ基、酸無水物
基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基
のいずれの官能基も含有しないオレフィン系(共)重合
体の具体例として、まずエチレン・α−オレフィン系共
重合体が例示でき、かかるα−オレフィンの具体例とし
てはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサ
デセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノ
ナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、
3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキ
セン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメ
チル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−
エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11
−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデ
センおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】また本発明でエチレン・α−オレフィン系
共重合体を用いる場合において、密度が0.880g/
cm3以下のものが好ましく、より好ましくは0.83
0〜0.880g/cm3の範囲、さらに好ましくは
0.850〜0.875g/cm3の範囲のエチレン・
α−オレフィン系共重合体が優れた振動溶着特性を得る
上で特に好ましい。
【0047】また上記エチレン・α−オレフィン系共重
合体の好ましい共重合量としては、α−オレフィン含量
が好ましくは4〜25モル%、より好ましくは7〜25
モル%、更に好ましくは12〜22モル%の範囲が挙げ
られる。上記の範囲にα−オレフィン含量があるエチレ
ン・α−オレフィン系共重合体を用いることにより、振
動溶着性および靱性により優れた樹脂組成物を得ること
ができる。
【0048】かかるエチレン・α−オレフィン系共重合
体としては、メタロセン系触媒を用いて重合されたもの
も用いることが可能である。メタロセン系触媒は、チタ
ン、ジルコニウム等のIV族金属のシクロペンタジエニ
ル誘導体と助触媒とで構成されている。メタロセン系触
媒は高活性であり、チーグラー系触媒に代表される従来
の触媒に比べ、得られる重合体の分子量分布が狭く、共
重合体のコモノマー成分であるα−オレフィンの分布が
均一であるために柔軟性、耐衝撃性に優れるという特長
を有する。
【0049】また(b−2)エポキシ基、酸無水物基、
カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基のい
ずれの官能基も含有しないオレフィン系(共)重合体と
して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リスチレン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、ポリ
ブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
ポリイソプレン、ブテン−イソプレン共重合体、スチレ
ン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体
(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチ
レンブロック共重合体(SEPS)などのポリオレフィ
ン系(共)重合体にもまた好適に用い得る。
【0050】上記(b)オレフィン系(共)重合体の配
合量は、優れた振動溶着性、耐衝撃性、成形加工性など
の観点から、(a)PPS樹脂50〜98重量%、
(b)オレフィン系(共)重合体50〜2重量%の範囲
が上げられ((a)PPS樹脂と(b)オレフィン系
(共)重合体の合計100重量%)、好ましくは(a)
PPS樹脂75〜98重量%、(b)オレフィン系
(共)重合体25〜2重量%の範囲が選択され、特に
(a)PPS樹脂85〜98重量%、(b)オレフィン
系(共)重合体15〜2重量%の範囲がより好ましく選
択される。
【0051】かかる(b)オレフィン系(共)重合体の
配合量が少なすぎると、目的とする振動溶着性改良効果
が不十分であり、一方多すぎると成形加工性が損なわれ
る傾向にある。
【0052】また(b−2)エポキシ基、酸無水物基、
カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基のい
ずれの官能基も含有しないオレフィン系(共)重合体を
適用する場合には、(b−1)エポキシ基、酸無水物
基、カルボキシル基及びその塩、カルボン酸エステル基
から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する官能基
含有オレフィン系(共)重合体と併用することが望まし
い。その際の併用比率としては、(b−1)/(b−
2)=5/95重量比〜95/5重量比が例示でき、
(b−1)/(b−2)=10/90重量比〜60/4
0重量比の範囲がより好ましい。
【0053】本発明においては(c)成分として用いる
ガラス繊維は、その平均繊維径が5〜15μmの範囲が
好ましく、9〜14μmの範囲がより好ましい。また
(c)成分として用い得るガラス繊維は、その強熱減量
(JIS R 3420)が、0.7重量%以下である
ことがより優れた溶着強度を得る上で好ましく、0.5
重量%以下であることがより好ましい。さらに溶融混練
前のガラス繊維の繊維長は特に制限はないが、10μm
〜10mmの範囲が例示でき、特に1mm〜5mmの範
囲が好ましく用いられる。
【0054】また平均繊維長はマトリクス樹脂との溶融
混練後の状態、特に1回の溶融混練を受けた状態で重量
平均繊維長100〜400μm、且つ繊維長60μm以
下のガラス繊維の割合が全ガラス繊維中10〜50重量
%の範囲に制御されていることが好ましい。なぜならば
繊維長60μm以下のガラス繊維が特定量存在すること
により樹脂組成物の成形品を振動溶着させた場合に高い
溶着強度が得られるからである。この理由は必ずしも明
確ではないが、摩擦熱で溶融した樹脂層中のガラス繊維
の振動による配向挙動に影響を与えることが一因と考え
られる。ガラス繊維の好ましい重量平均繊維長および6
0μm以下のガラス繊維の割合は各々120〜300μ
mおよび15〜40重量%の範囲である。ガラス繊維の
重量平均繊維長が上記の範囲より短いと樹脂組成物の強
度が低下する傾向があり、一方上記範囲より長いと成形
品外観、振動溶着性が低下する傾向があり、また、60
μm以下のガラス繊維の割合が上記範囲より少ないと振
動溶着性の低下を招く傾向がある。逆に上記範囲より多
いと機械強度への悪影響が出るの傾向がある。かかる繊
維長分布を有するガラス繊維強化樹脂組成物を1回の溶
融混練工程で得ることが生産効率上好ましく、それを実
現するための効率的な方法の一例としてストランド長1
mm以上のガラス繊維と繊維長20〜500μmのガラ
ス繊維を適正な割合の混合物として原料に使用する方法
を挙げることができる。また、ストランド長の異なるガ
ラス繊維を2種以上併用する際には、用いるガラス繊維
の平均径が2μm以上異なる種類のものを使用すること
も好ましい方法である。
【0055】本発明の樹脂組成物中の全ガラス繊維の含
有量は(a)PPS樹脂と(b)オレフィン系(共)重
合体の合計100重量部に対して10〜200重量部の
範囲であり、20〜80重量部の範囲が更に好ましい。
【0056】本発明の振動溶着用樹脂組成物において、
本発明の効果を損なわない範囲において、ガラス繊維以
外の充填材を配合することももちろん可能である。
【0057】かかる充填材の形状は繊維状、非繊維状の
いずれでもよく、併用してもよい。ガラス繊維以外の充
填材の具体例としては、炭素繊維、チタン酸カリウィス
カ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド
繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、
アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充
填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイ
カ、タルク、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベ
ントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪
酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭
酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビー
ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、グラファイト、カーボンブ
ラックおよびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、
これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を
2種類以上併用することも可能である。また、これら充
填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、
有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキ
シ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用する
ことは、より優れた機械的強度を得る意味において好ま
しい。中でも繊維状充填材が好ましい。
【0058】かかる充填材を配合する場合の配合量は
(a)PPS樹脂と(b)オレフィン系(共)重合体の
合計100重量部に対し、1〜400重量部((c)ガ
ラス繊維を除く)の範囲が例示でき、20〜250重量
部の範囲がより好適な範囲として例示できる。
【0059】また本発明の振動溶着用樹脂組成物にエポ
キシ基、アミノ基、イソシアネート基、水酸基、メルカ
プト基、ウレイド基の中から選ばれた少なくとも1種の
官能基を有するアルコキシシランの添加は、機械的強
度、靱性などの向上に有効である。かかる化合物の具体
例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラ
ン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの
メルカプト基含有アルコキシシラン化合物、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピル
トリメトキシシシラン、γ−(2−ウレイドエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシランなどのウレイド基含有
アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルト
リエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメト
キシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシ
ラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラ
ン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシランなどの
イソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランな
どのアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロ
ピルトリエトキシシランなどの水酸基含有アルコキシシ
ラン化合物などなどが挙げられる。
【0060】本発明の振動溶着用樹脂組成物において、
本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレ
ンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合
物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、
タルク、カオリン、有機リン化合物などの結晶核剤、ポ
リオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪
族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの
離型剤、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードア
ミン系化合物などの酸化防止剤、熱安定剤、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸リチウムなどの滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃
剤、発泡剤などの通常の添加剤を添加することができ
る。
【0061】また、本発明の振動溶着用樹脂組成物にお
いて、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリスルホン、四フッ化ポリエチレ
ン、ポリエ−テルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリエ
−テルケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエ−テル
エ−テルケトン、エポキシ樹脂、フェノ−ル樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン1
1、ナイロン12、芳香族ナイロン、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクリ
ヘキシルジメチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリ
アミドエラストマ、ポリエステルエラストマ、ポリアル
キレンオキサイド等の他の樹脂を含んでも良い。
【0062】本発明の振動溶着用樹脂組成物の調製方法
は特に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸
の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシ
ングロールなど通常公知の溶融混合機に供給して280
〜380℃の温度で混練する方法などを代表例として挙
げることができる。原料の混合順序にも特に制限はな
く、全ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練す
る方法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混
練し更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、ある
いは一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機に
より溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材
料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
また、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方
法などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成
形に供することももちろん可能である。
【0063】本発明の振動溶着用樹脂組成物は、より優
れた振動溶着強度を得る意味において、その加熱時重量
減少率(320℃、2時間)が2.0重量%以下である
ことが好ましく、1.5重量%以下の範囲が特に好まし
い。加熱時重量減少率の測定方法については、実施例中
に詳細を記した。
【0064】また本発明の振動溶着用樹脂組成物は、よ
り優れた振動溶着強度を得る意味において、その降温結
晶化温度が225℃以下、更には210℃以下であるこ
とが好ましい。降温結晶化温度の測定方法については、
実施例中に詳細を記した。
【0065】このようにして得られた本発明の樹脂組成
物を成形品とし、それを振動溶着することにより、耐熱
性、成形製品表面外観、寸法安定性、振動溶着性が均衡
して優れた溶着成形体が得られる。特に射出成形や押し
出し成形、ブロー成形で得られた成形品を振動溶着法な
どによって溶着して用いる場合に特に有用であり、この
利点を生かしてたとえば自動車のインテークマニホール
ドなどの吸気系部品ウォーターインレット、ウォーター
アウトレットなどの冷却系部品、フューエルインジェク
ション、フューエルデリバリーパイプなどの燃料系部
品、オイルタンクなどの容器類、内部に熱水の流れる給
湯器や風呂用の中空部品などといった中空形状部品用な
どに好適に用いることができる。
【0066】またその他用途としては、例えばセンサ
ー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リ
レーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、
バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子
板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピ
ーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モータ
ー、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液
晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラ
ッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関
連部品等に代表される電気・電子部品;VTR部品、テ
レビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、
電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディ
スク・コンパクトディスク等の音声機器部品、照明部
品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、
ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気
製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関
連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄
用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなど
に代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、
時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;水道
蛇口コマ、混合水栓、ポンプ部品、パイプジョイント、
水量調節弁、逃がし弁、湯温センサー、水量センサー、
水道メーターハウジングなどの水廻り部品;バルブオル
タネーターターミナル、オルタネーターコネクター,I
Cレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメータ
ーベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・
排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルス
ノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エン
ジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、
キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水セ
ンサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサ
ー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフト
ポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキ
パッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベー
ス、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーター
モーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプイン
ペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、
デュストリビューター、スタータースイッチ、スタータ
ーリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウ
ィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基
板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ
ー、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモー
ターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、
ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビ
ン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、車速
センサー、ケーブルライナー等の自動車・車両関連部
品、その他各種用途が例示できる。
【0067】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定される
ものではない。また、実施例及び比較例中に示された配
合割合は全て重量%である。
【0068】また、以下の実施例において加熱時重量減
少率、降温結晶化温度、材料強度、流動性、成形品表面
平滑性、溶着強度の評価は、次の方法により行った。
【0069】[加熱時重量減少率]予め350℃で3時
間以上焼成し、デシケーター中で室温まで冷却しておい
たアルミカップ(上部径73mm、下部径47mm、深
さ54mm)に樹脂組成物ペレット約20gを秤量し
た。次に付着水分の影響を排除するため、130℃で3
時間予備乾燥を行い、一旦デシケーター中で室温まで冷
却後、基準となる重量を測定した。次に320℃で2時
間本処理し(空気雰囲気)、デシケーター中で室温まで
冷却後、重量測定を行い、130℃予備乾燥後の重量を
基準にして、320℃、2時間処理による重量減少率
(%)を計算した。
【0070】[降温結晶化温度]測定にはパーキンエル
マー社製DSC7型を用いた。130℃で3時間乾燥し
た樹脂組成物ペレットをサンプルとした。サンプル重量
は約15mgである。50℃から昇温速度20℃/分で
340℃まで昇温し、340℃で1分間ホールドした。
次に20℃/分の速度で降温し、その際に出現する結晶
化ピークのピーク温度を降温結晶化温度とした。
【0071】[材料強度] 引張強度 :ASTM D638。 曲げ強度 :ASTM D790。
【0072】[表面平滑性]80x80x3mmの角板
を射出成形し、得られた成形品表面で蛍光灯の反射像の
鮮明度を肉眼観察し、平滑性の指標とした。 ◎:蛍光灯の反射像が明瞭に観察される。 ○:蛍光灯の反射像が不明瞭ながらも観察される。 △:蛍光灯の反射像が観察できない。
【0073】[振動溶着強度測定]図1に示す表面形状
で厚さ10mmの試験片を射出成形で成形し、この成形
片2つをブランソン社製2850型振動溶着装置を用い
て以下の条件で溶着した後引っ張り試験(引張速度5m
m/分)を行い、溶着部分の強度を測定した。 振動数 : 240Hz 加圧力 : 70kgf 振幅 : 1.5mm 溶着代 : 1.5mm。
【0074】(a)PPS樹脂 a1:直鎖状PPS、溶融粘度600ポイズ(310
℃、せん断速度1000/秒)、灰分量0.08重量
%、降温結晶化温度238℃ a2:直鎖状PPS、溶融粘度2000ポイズ(310
℃、せん断速度1000/秒)、灰分量0.25重量
%、降温結晶化温度189℃。
【0075】(b)オレフィン系(共)重合体 b1:エチレン/グリシジルメタクリレ−ト=88/1
2(重量%)共重合体。 b2:エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタク
リレ−ト=64/30/6(重量%)共重合体。 b3:エチレン/グリシジルメタクリレ−ト(E/GM
A)=85/15(重量%)を主骨格とし、アクリロニ
トリル/スチレン(AS)=30/70(重量%)をグ
ラフト共重合した重合体であって、(E/GMA)/
(AS)=70/30(重量%)共重合体。 b4:部分水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体
(スチレン/ブタジエン重量比=3/7、水添率80
%)を過酢酸を用いてエポキシ化した。オキシラン酸素
濃度3.04重量%であった。 b5:無水マレイン酸(0.5wt%)グラフト変性エ
チレン/ブテン(80/20モル%)共重合体。 b6:エチレン/1−ブテン(80/20モル%)共重
合体、メルトフローレイト=0.5g/10分。
【0076】(c)ガラス繊維 Eガラス、繊維系10μm、繊維長3mm、強熱減量
0.44重量%を使用した。
【0077】実施例1 PPS樹脂、オレフィン系(共)重合体およびガラス繊
維の溶融混練は日本製鋼所製TEX30型2軸押し出し
機を用いて行った。
【0078】PPS(a1)90重量部、オレフィン系
(共)重合体(b1)10重量部をドライブレンドして
シリンダー温度310℃、スクリュー回転数150rp
mの条件で運転中の押し出し機のフィーダーに供給し、
ついで押し出し機先端部のサイドフィーダーから繊維径
10μm、繊維長3mmのガラス繊維を43重量部を供
給して溶融混練を行い、押し出しガットを冷却後ペレタ
イザーでペレット化した。
【0079】ここで得られた樹脂組成物を種々の試験片
に射出成形して表面平滑性、材料強度、溶着強度などを
測定した結果は表1に示すとおりであった。
【0080】
【表1】 比較例1 オレフィン系(共)重合体を用いないこと以外は実施例
1と同様にして溶融混練、評価を行った。結果を表1に
示す。オレフィン系(共)重合体を用いた本実施例1に
比較し、溶着強度1、2共に劣る結果となった。
【0081】実施例2〜6 表1に示すPPS樹脂、オレフィン系(共)重合体およ
びガラス繊維を表1に示す割合で、実施例1と同様に溶
融混練、ペレタイズ、評価を行った。結果を表1に示
す。
【0082】実施例7 PPS樹脂、オレフィン系(共)重合体およびガラス繊
維の溶融混練は日本製鋼所製TEX30型2軸押し出し
機を用いて行った。
【0083】PPS(a1)90重量部、オレフィン系
(共)重合体(b1)5重量部をドライブレンドしてシ
リンダー温度310℃、スクリュー回転数150rpm
の条件で運転中の押し出し機のフィーダーに供給し、つ
いで押し出し機先端部のサイドフィーダーから、オレフ
ィン系共重合体(b5)5重量部及び繊維径10μm、
繊維長3mmのガラス繊維43重量部を供給して溶融混
練を行い、押し出しガットを冷却後ペレタイザーでペレ
ット化した。
【0084】ここで得られた樹脂組成物を種々の試験片
に射出成形して表面平滑性、材料強度、溶着強度などを
測定した結果は表1に示すとおりであった。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂組成
物から振動溶着により得られる成形体は、耐熱性、成形
製品表面外観、寸法安定性、溶着性が均衡して優れたも
のであり、射出成形や押し出し成形、ブロー成形で得ら
れた成形品を振動溶着法によって溶着して成形体、特に
中空成形体を製造する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した溶着強度測定用試験片の形状
を示す平面図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 81:00 B29L 22:00 Fターム(参考) 4F211 AA03E AA34 AD04 AD16 AG06 AG07 AH17 AH33 TA01 TN20 4J002 AC033 AC063 AC073 AC112 BB002 BB033 BB042 BB053 BB072 BB082 BB092 BB112 BB123 BB153 BB162 BB173 BB183 BB212 BB252 BC033 BC042 BC053 BC062 BC082 BC092 BE042 BG042 BG052 BG102 BN032 BP013 BP032 BP033 CD182 CD192 CD202 CN011 CN031 DL006 FA046 FD010 FD016 GM00 GN00 GQ00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂50
    〜98重量%および(b)オレフィン系(共)重合体5
    0〜2重量%((a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と
    (b)オレフィン系(共)重合体の合計を100重量%
    とする)及び(c)ガラス繊維10〜200重量部
    ((a)ポリフェニレンスルフィド樹脂と(b)オレフ
    ィン系(共)重合体の合計100重量部に対する量とす
    る)を配合してなる振動溶着用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】振動溶着用樹脂組成物の加熱時重量減少率
    (320℃、2時間)が2.0重量%以下であることを
    特徴とする請求項1記載の振動溶着用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】振動溶着用樹脂組成物の降温結晶化温度が
    225℃以下であることを特徴とする請求項1〜2いず
    れか記載の振動溶着用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(b)オレフィン系(共)重合体が、(b
    −1)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及びそ
    の塩から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有するオ
    レフィン系重合体または共重合体である請求項1〜3い
    ずれか記載の振動溶着用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(b)オレフィン系(共)重合体として、
    (b−1)エポキシ基、酸無水物基、カルボキシル基及
    びその塩、カルボン酸エステル基から選ばれる少なくと
    も1種の官能基を含有するオレフィン系重合体または共
    重合体と(b−2)エポキシ基、酸無水物基、カルボキ
    シル基及びその塩、カルボン酸エステル基のいずれの官
    能基も含有しないオレフィン系重合体または共重合体と
    を併用することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載
    の振動溶着用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(b−1)官能基含有オレフィン系(共)
    重合体が、エポキシ基含有オレフィン系共重合体であっ
    て、そのエポキシ基がα,β−不飽和酸のグリシジルエ
    ステルモノマーに由来するものである請求項4〜5いず
    れか記載の振動溶着用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組
    成物の成形品を振動溶着することを特徴とする振動溶着
    成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組
    成物の成形品を振動溶着した振動溶着成形体。
  9. 【請求項9】請求項1〜6いずれかの振動溶着用樹脂組
    成物の成形品を振動溶着した振動溶着中空成形体。
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