JP2000309666A - ポリオレフィン系成形体及びその成形材料並びにその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系成形体及びその成形材料並びにその製造方法

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JP2000309666A
JP2000309666A JP11753999A JP11753999A JP2000309666A JP 2000309666 A JP2000309666 A JP 2000309666A JP 11753999 A JP11753999 A JP 11753999A JP 11753999 A JP11753999 A JP 11753999A JP 2000309666 A JP2000309666 A JP 2000309666A
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Koichi Iwata
宏一 瀬
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Takiron Co Ltd
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補強繊維が短く折損することなく均一に分散
され、樹脂との密着性が良好で、樹脂劣化が生じにく
い、優れた強度(特に衝撃強度)を有するポリオレフィ
ン系成形体と、その成形材料と、その製造方法を提供す
る。 【解決手段】 100重量部のポリオレフィンのマトリ
クス中に、カップリング剤と結合可能な官能基を有する
1〜5重量部の変性ポリプロピレンと、カップリング剤
を含んだ表面処理剤で表面処理された15〜80重量部
のチョップドストランドの分散された補強繊維が含有さ
れている成形体であって、補強繊維が変性ポリプロピレ
ンの相に包まれ、その表面処理剤に含まれるカップリン
グ剤と変性ポリプロピレンの官能基が結合した状態で、
ポリオレフィンのマトリクス中に分散している構成とす
る。ポリオレフィンの粒状物に変性ポリプロピレンをそ
の融点以上、該融点より5℃高い温度以下の温度で混合
し、表面処理されたチョップドストランドを混合して成
形材料を調製する。これをポリオレフィンの融点以上、
変性ポリプロピレンの分解温度以下の温度で押出成形し
て成形体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度、特に衝撃強
度に優れたポリオレフィン系成形体と、その成形材料
と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂成形体の強度を向上させ
る一手段として、繊維を含有させて補強することは周知
である。このように繊維を含有させる場合は、繊維を
短く折損しないように如何に均一に混合、分散させる
か、繊維と樹脂との密着性をいかに高めるか、が重要
である。繊維の分散が不均一であると、成形体の全体的
な強度が低下したり部分的な強度ムラが生じたりする
し、また、繊維が短く折損したり密着性が不充分である
と、満足な補強効果を発揮させることはできない。
【0003】そこで、熱可塑性樹脂に繊維を均一に混合
して押出す技術として、特開平3−93510号の押出
方法が提案されている。この押出方法は、樹脂押出機と
配合用押出機を二段に組合わせた押出装置を用いて、熱
可塑性樹脂を樹脂押出機から配合用押出機へ送り込むと
共に、所定の長さの補強用繊維を配合用押出機に投入し
て熱可塑性樹脂と混合し、この混合物を成形装置へ押出
すものである。
【0004】また、繊維と樹脂との密着性を高める配合
手法として、特開平7−232324号の溶融成形用混
合物の手法が提案されている。これは、カップリング剤
を含有する表面処理剤で表面処理されたガラス繊維束
(ロービング)を、該カップリング剤と化学結合できる
官能基を備えた変性ポリプロピレンの溶融含浸浴槽中に
引抜いて、ガラス繊維束に変性ポリプロピレンを含浸さ
せた後、2〜50mmに切断して得られるマスターバッ
チのペレットと、これを希釈するためのポリプロピレン
とから成る混合物である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−93510号の押出方法では、熱可塑性樹脂が樹脂
押出機と配合用押出機の双方を通過するため、押出機内
での滞溜時間が倍増して熱可塑性樹脂が熱劣化しやす
く、強度低下に繋がりやすいという問題があった。ま
た、双方の押出機はいずれも単軸押出機であるため、押
出し中に樹脂に大きい剪断力や圧縮力が働いて、補強用
繊維が短く折損しやすいという問題があり、しかも、熱
可塑性樹脂と補強用繊維との密着性が何ら改善されない
ので、強度、とりわけ、衝撃強度の大きい成形体を得る
ことが困難であった。
【0006】一方、特開平7−232324号のよう
に、ガラス繊維束(ロービング)に変性ポリプロピレン
を含浸させたのち切断してマスターバッチのペレットを
作製すると、繊維本数が数千ないし数万本のガラス繊維
束の内部まで変性ポリプロピレンが充分に浸透し難く、
空気を噛みやすいため、ガラス繊維の表面処理剤に含ま
れるカップリング剤と変性ポリプロピレンの官能基との
反応率が低下して、ガラス繊維と変性ポリプロピレンと
の密着性を充分に向上させにくいという問題があった。
しかも、このマスターバッチのペレットと希釈用のポリ
プロピレンを溶融混合して成形体を得る際には、該ペレ
ットがガラス繊維束に変性ポリプロピレンを含浸させた
のち切断して作製したものであるから、このガラス繊維
束のガラス繊維を均一に分散させるために押出成形機の
スクリュー回転や押出温度をかなり上げる必要があり、
押出成形機中でガラス繊維に剪断応力がかかるため、ガ
ラス繊維が短く折損したり、剪断発熱による変性ポリプ
ロピレンなどの樹脂劣化が生じたりして、成形体の衝撃
強度を向上させることが難しくなるという問題があっ
た。また、この特開平7−232324号の成形用混合
物は、具体的な実施例では、変性ポリプロピレンとポリ
プロピレンホモポリマーとの混合物を220℃で溶融混
練して280℃の含浸浴槽に流し込み、この浴槽内でガ
ラス繊維束を引抜いて樹脂を含浸させた後、切断してマ
スターバッチのペレットを作製しているため、この高温
の熱履歴によって含浸樹脂の劣化が生じるという問題も
あった。
【0007】本発明は上記の問題を解決すべくなされた
もので、補強繊維が短く折損することなく均一に分散さ
れ、樹脂との密着性が良好で、樹脂劣化が生じにくい、
優れた強度(特に衝撃強度)を有するポリオレフィン系
成形体と、その成形材料と、その製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るポリオレフィン系成形体
は、100重量部のポリオレフィンのマトリクス中に、
カップリング剤と結合可能な官能基を有する1〜5重量
部の変性ポリプロピレンと、カップリング剤を含んだ表
面処理剤で表面処理された15〜80重量部のチョップ
ドストランドの分散された補強繊維が含有されている成
形体であって、該補強繊維は変性ポリプロピレンの相に
包まれ、その表面処理剤に含まれるカップリング剤と変
性ポリプロピレンの官能基が結合した状態で、ポリオレ
フィンのマトリクス中に分散していることを特徴とする
ものである。
【0009】このポリオレフィン系成形体は、チョップ
ドストランドの分散された補強繊維が変性ポリプロピレ
ンの相に包まれ、その表面処理剤に含まれるカップリン
グ剤と変性ポリプロピレンの官能基が結合した状態で、
ポリオレフィンのマトリクス中に分散しているため、補
強繊維と変性ポリプロピレンの密着性、結合性が強く、
しかも、変性ポリプロピレンの相とポリオレフィンのマ
トリクスは相溶性が良く一体化するため、後述の実施例
のデータによって証明されるように優れた衝撃強度等を
有する。
【0010】変性ポリプロピレンの含有量はポリオレフ
ィン100重量部に対して1〜5重量部の範囲とする必
要があり、この範囲より少なくすると、補強繊維の結合
性や密着性が低下するため、成形体の衝撃強度等を充分
に向上させることが難しくなり、逆に、この範囲より多
くしても、補強繊維と樹脂の密着性の更なる向上は期待
できず、変性ポリプロピレンによって成形体の物性変化
が生じるようになる。
【0011】また、補強繊維のチョップドストランドの
含有量はポリオレフィン100重量部に対して15〜8
0重量部の範囲とする必要があり、この範囲より少なく
すると、成形体の衝撃強度等を顕著に向上させることが
難しくなり、逆に、この範囲より多くすると、成形性が
低下して表面外観の良い成形体を得ることが困難にな
る。
【0012】ポリオレフィンとしては、請求項2に記載
したように100〜5000Pa・sの複素溶融粘度
(180℃、1分、歪み1〜40%、角周波数1rad
/sec)を有するものが好適であり、変性ポリプロピ
レンとしては、5〜300Pa・sの複素溶融粘度(融
点より5℃高い温度、1分、歪み1〜40%、角周波数
100rad/sec)を有するものが好適である。上
記より低い複素溶融粘度を有するポリオレフィンや変性
ポリプロピレンを用いると、ポリオレフィンや変性ポリ
プロピレンの分子量が低くなるため、所望の衝撃強度を
有する成形体が得られにくいという不都合があり、上記
より高い複素溶融粘度を有するポリオレフィンや変性ポ
リプロピレンを用いると、押出成形機中の混練において
補強繊維の折損が顕著となり、所望の衝撃強度等を有す
る成形体が得られにくいという不都合がある。
【0013】また、チョップドストランドの分散された
補強繊維としては、請求項3に記載したように4〜10
mmの範囲の平均繊維長を有するガラス繊維、カーボン
繊維、アラミド繊維のいずれかのチョップドストランド
の分散された補強繊維が好適である。成形体中に分散さ
れた平均繊維長が4mm未満の補強繊維は、補強効果の
点で充分とは言い難いものである。一方、平均繊維長の
上限は限定されるわけではないが、押出成形機中での樹
脂と補強繊維の混練過程から、補強繊維の平均繊維長は
10mm程度までとなるのが通常である。
【0014】次に、本発明の請求項4に係るポリオレフ
ィン系成形材料は、100重量部のポリオレフィンの粒
状物にカップリング剤と結合可能な官能基を有する1〜
5重量部の変性ポリプロピレンが軟化もしくは溶融状態
で混合された樹脂混合物と、カップリング剤を含んだ表
面処理剤で表面処理され、100重量部のポリオレフィ
ンに対して15〜80重量部の割合となるように上記の
樹脂混合物に混合される補強繊維のチョップドストラン
ドとから成ることを特徴とするものである。
【0015】このようなポリオレフィン系成形材料は、
樹脂混合物と補強繊維のチョップドストランドを混合し
て押出成形機に投入し、ポリオレフィンの融点以上、分
解温度以下の温度で所定の形状に押出成形すると、ポリ
オレフィンの粒状物が溶融したマトリクス中に、押出成
形機中で分散されたチョップドストランドの補強繊維が
変性ポリプロピレンの相に包まれて分散し、補強繊維の
表面処理剤に含まれるカップリング剤と変性ポリプロピ
レンの官能基が結合した、衝撃強度等の大きい前記請求
項1のポリオレフィン系成形体を得ることができる。
【0016】好ましいポリオレフィンや変性ポリプロピ
レンはそれぞれ前記と同様の複素溶融粘度を有するもの
であり、また、好ましい補強繊維のチョップドストラン
ドは、請求項6に記載したように、樹脂混合物に混合す
る前の繊維長が8〜25mmのガラス繊維、カーボン繊
維、アラミド繊維のいずれかの補強繊維からなるチョッ
プドストランドである。繊維長が8mmより短い補強繊
維のチョップドストランドを混合すると、最終的に得ら
れるポリオレフィン系成形体中の補強繊維の平均繊維長
が4mmより短くなって衝撃強度等が不充分になる恐れ
があり、逆に、25mmより長い補強繊維のチョップド
ストランドを混合すると、押出成形機の投入口でチョッ
プドストランドと樹脂混合物とがブリッジ状に引っかか
り、押出成形機内への安定供給が難しくなる。
【0017】次に、本発明の請求項7に係るポリオレフ
ィン系成形体の製造方法は、100重量部のポリオレフ
ィンの粒状物に、カップリング剤と結合可能な官能基を
有する1〜5重量部の変性ポリプロピレンを、該変性ポ
リプロピレンの融点以上、該融点より5℃高い温度以下
の温度で混合した後、この樹脂混合物に、カップリング
剤を含んだ表面処理剤で表面処理された補強繊維のチョ
ップドストランドを、ポリオレフィン100重量部に対
して15〜80重量部の割合となるように混合してポリ
オレフィン系成形材料を調製し、このポリオレフィン系
成形材料を押出成形機に投入してポリオレフィンの融点
以上、変性ポリプロピレンの分解温度以下の温度で所定
の形状に押出成形することを特徴とするものである。
【0018】上記のようにポリオレフィンの粒状物に変
性ポリプロピレンをその融点以上、該融点より5℃高い
温度以下の温度で混合すると、軟化もしくは溶融状態の
変性ポリプロピレンがポリオレフィンの粒状物の表面に
付着した樹脂混合物となり、この樹脂混合物に補強繊維
のチョップドストランドを混合してポリオレフィン系成
形材料を調製すると、補強繊維のチョップドストランド
がポリオレフィンの粒状物の隙間に分散して、粒状物表
面の軟化もしくは溶融状態の変性ポリプロピレンに包ま
れる。そして、このポリオレフィン系成形材料を押出成
形機に投入してポリオレフィンの融点以上、変性ポリプ
ロピレンの分解温度以下の温度で所定の形状に押出成形
すると、ポリオレフィンの粒状物が溶融したマトリクス
中に、押出成形機中で撹拌、混練されて分散されたチョ
ップドストランドの補強繊維が変性ポリプロピレンの相
に包まれて分散し、その表面処理剤に含まれるカップリ
ング剤と変性ポリプロピレンの官能基が結合した、衝撃
強度等の大きい前記請求項1のポリオレフィン系成形体
を製造することができる。
【0019】尚、この製造方法においても、前記と同様
の複素溶融粘度を有するポリオレフィンや変性ポリプロ
ピレンが好適に使用され、また、前記と同じ8〜25m
mの繊維長を有する補強繊維のチョップドストランドが
好適に使用される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のポリオレフィン系成形体
の製造方法についての具体的な実施形態から説明する。
【0021】まず、使用するポリオレフィン、変性ポリ
オレフィン、補強繊維のチョップドストランドを選定す
る。
【0022】ポリオレフィンとしては、その複素溶融粘
度(180℃、1分、歪み1〜40%、角周波数1ra
d/sec)が100〜5000Pa・sの範囲にある
もの、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体(ランダム又はブロック共重合
体)などが選定される。これらのポリオレフィンは、1
〜5mm程度の平均粒径をもつ粒状物が好適に使用され
る。ポリオレフィンの粒状物の形状は特に限定されない
が、例えばペレット状、粉末状のものが好適に用いられ
る。
【0023】上記の複素溶融粘度は、チャンバー内にパ
ラレルプレート(平行円盤)を備えた動的粘弾性装置を
用いて、チャンバーの雰囲気を180℃の測定温度に設
定し、下側のパラレルプレートにセットしたポリオレフ
ィンの粒状物が180℃に昇温すると、上下のパラレル
プレートで溶融したポリオレフィンを挟み、この溶融ポ
リオレフィンに1〜40%(線形領域内)の歪みのいず
れかの歪みを1rad/secの角周波数で1分間、振
幅を繰り返し加えることができる回転を上下いずれか一
方のパラレルプレートに与えたときに測定される複素溶
融粘度を意味する。この複素溶融粘度が100Pa・s
より小さいポリオレフィンは、分子量が極めて低くなる
ため所望の衝撃強度等を有する成形体が得られにくいと
いう不都合があり、また、5000Pa・sより大きい
ポリオレフィンは、押出成形機中での混練において補強
繊維の折損が顕著となるため、所望の衝撃強度等を有す
る成形体が得られにくいという不都合があるので、いず
れも好ましくない。
【0024】一方、変性ポリプロピレンとしては、後述
する補強繊維の表面処理剤に含まれるカップリング剤と
結合可能な官能基を有し、上記のポリオレフィンよりも
融点が低く、その複素溶融粘度(融点より5℃高い温
度、1分、歪み1〜40%(線形領域内)、角周波数1
00rad/sec)が5〜300Pa・sであるもの
が選定される。特に、融点が100〜160℃の範囲内
で、ポリオレフィンとの融点温度差が10℃以上となる
組合わせの変性ポリプロピレンが好ましく選定される。
【0025】この変性ポリプロピレンの複素溶融粘度
は、前記と同様の動的粘弾性装置を用いて、チャンバー
の雰囲気を該変性ポリプロピレンの融点より5℃高い測
定温度に設定し、下側のパラレルプレートにセットした
変性ポリプロピレンが測定温度に昇温すると、上下のパ
ラレルプレートで溶融した変性ポリプロピレンを挟み、
この変性ポリプロピレンに1〜40%の歪みのいずれか
の歪みを100rad/secの角周波数で1分間、振
幅を繰り返し加えることができる回転を上下いずれか一
方のパラレルプレートに与えたときに測定される複素溶
融粘度であって、温度条件である「融点より5℃高い温
度」とは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点よ
り5℃高い温度を意味するものである。この複素溶融粘
度が5Pa・sより小さい変性ポリプロピレンは、分子
量が極めて低くなるため、所望の衝撃強度等を有する成
形体が得られにくいという不都合があり、また、300
Pa・sより大きい変性ポリプロピレンは、上記ポリオ
レフィンとの相溶性が悪くなるため、ポリオレフィン系
成形体中の樹脂と補強繊維との密着性が悪くなるという
不都合があるので、いずれも好ましくない。なお、本発
明で示される融点の値はいずれも示差走査熱量計(DS
C)で測定されたものである。
【0026】上記の変性ポリプロピレンの具体例として
は、カップリング剤と結合可能な官能基を有する変性用
モノマーで変性した融点が100〜160℃程度の変性
ポリプロピレン、例えば、マレイン酸やフタル酸などの
カルボン酸で変性したカルボン酸変性ポリプロピレン、
無水マレイン酸や無水フタル酸などの酸無水物で変性し
た酸無水物変性ポリプロピレン、或は、エポキシ変性ポ
リプロピレンなどが挙げられる。
【0027】これらの変性ポリプロピレンにおいて官能
基の占める割合は、変性用モノマーに換算して1〜20
重量%の範囲にあることが好ましく、官能基がこれより
少なくなると、補強繊維の表面処理剤に含まれるカップ
リング剤との結合が減少するため、チョップドストラン
ドの補強繊維と変性ポリプロピレンとの密着性が不充分
となり、優れた衝撃強度等を有するポリオレフィン系成
形体を得ることが困難となる。一方、官能基の占める割
合が上記より多くなると、成形体の耐熱性や強度などの
諸物性が低下する傾向が見られるようになる。
【0028】また、補強繊維のチョップドストランドと
しては、カップリング剤を含む表面処理剤で表面処理さ
れた8〜25mmの繊維長を有するガラス繊維、カーボ
ン繊維、アラミド繊維のいずれかの補強繊維からなるチ
ョップドストランドが好適に使用される。表面処理が施
されていない繊維は、変性ポリプロピレンとの濡れ性が
悪く、官能基との結合もないので、強度の改善が期待で
きない。また、繊維長が8mmより短いチョップドスト
ランドを用いると、得られるポリオレフィン系成形体中
に分散されたチョップドストランドの補強繊維の平均繊
維長が4mmより短くなって衝撃強度等が不充分になる
恐れがあり、他方、25mmより長い補強繊維のチョッ
プドストランドを用いると、押出成形の際、押出成形機
の投入口でチョップドストランドと樹脂混合物とがブリ
ッジ状に引っかかり、押出成形機内への安定的供給が難
しくなる。尚、繊維径は限定されないが、3〜40μm
程度のものが好適である。
【0029】表面処理剤に含まれるカップリング剤とし
ては、アミノシラン、エポキシシラン、アミドシラン、
アクリルシランなどのシランカップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、これらの混合物などが使用され、
特に、アミノシランカップリング剤が最適である。尚、
表面処理剤には、カップリング剤以外に潤滑剤や収束剤
が含まれていてもよい。
【0030】このような表面処理剤は、チョップドスト
ランドの補強繊維中に0.01〜5.0重量%、好まし
くは0.5〜2.0重量%の割合で適用して表面処理す
ることが望ましい。
【0031】ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、補
強繊維のチョップドストランドの選定が終わると、ポリ
オレフィン系成形材料を調製する。このポリオレフィン
系成形材料は、100重量部のポリオレフィンの粒状物
に、融点が100〜160℃の範囲内で選定される1〜
5重量部の変性ポリプロピレンを、該変性ポリプロピレ
ンの融点以上、該融点より5℃高い温度以下の範囲の温
度で混合し、この樹脂混合物に表面処理された補強繊維
のチョップドストランドを、ポリオレフィン100重量
部に対して15〜80重量部の割合となるように混合す
ることによって調製される。樹脂混合物と補強繊維のチ
ョップドストランドとの混合は、室温から165℃の範
囲内で適宜選定された温度、好ましくは、100〜16
0℃の範囲内で選定された温度で行うのがよい。尚、混
合機としては、ニーダやミキサーなどが使用される。
【0032】上記のように融点が100〜160℃の範
囲にある変性ポリプロピレンを、その融点以上、該融点
より5℃高い温度以下の温度でポリオレフィンに混合す
ると、軟化もしくは溶融状態の変性ポリプロピレンが非
溶融状態のポリオレフィン粒状物の表面に被膜状に付着
した樹脂混合物となり、更に、この樹脂混合物に補強繊
維のチョップドストランドを、室温から165℃の範囲
内で選定された温度で混合してポリオレフィン系成形材
料を調製すると、表面処理された補強繊維のチョップド
ストランドがポリオレフィンの粒状物の隙間に分散す
る。
【0033】ポリオレフィン系成形材料の調製が終わる
と、該ポリオレフィン系成形材料を押出成形機に投入し
てポリオレフィンの融点以上、変性ポリプロピレンの分
解温度以下の温度で所定の形状に押出成形する。する
と、ポリオレフィンの粒状物が溶融し、分散されたチョ
ップドストランドの補強繊維が変性ポリプロピレンの相
に包まれると共に、補強繊維の表面処理剤に含まれるカ
ップリング剤と変性ポリプロピレンの官能基との結合に
よって補強繊維が変性ポリプロピレンと密着してポリオ
レフィンのマトリクス中に分散した衝撃強度等の大きい
ポリオレフィン系成形体が製造される。
【0034】変性ポリプロピレンはポリオレフィン10
0重量部に対して1〜5重量部の割合で混合する必要が
あり、1重量部未満では、補強繊維の密着性が不充分と
なるため衝撃強度等に優れた成形体を得ることが難しく
なる。一方、5重量部より多く混合しても、補強繊維の
密着性の更なる向上は期待できず、多量の変性ポリプロ
ピレンによって、製造される成形体の耐熱性や強度等の
諸物性が低下する恐れが生じる。
【0035】また、補強繊維のチョップドストランド
は、ポリオレフィン100重量部に対して15〜80重
量部の割合で樹脂混合物に混合する必要があり、15重
量部未満では、製造される成形体の衝撃強度等を顕著に
向上させることが難しく、80重量部を越えると、成形
性の低下により表面外観の良い成形体を製造することが
困難になる。
【0036】ポリオレフィンの粒状物に変性ポリプロピ
レンを混合する温度は、変性ポリプロピレンの融点以
上、該融点より5℃高い温度以下の範囲内とする必要が
ある。なお、前述の如く、ポリオレフィンの融点より低
い融点の変性ポリプロピレンの組合わせ選択がなされる
ものであり、また、ポリオレフィンとの融点温度差が1
0℃以上の変性ポリプロピレンが好ましく選択される。
具体的には、選択される変性ポリプロピレンの融点が既
述したように100〜160℃程度であるから、100
〜165℃の樹脂温度範囲内で混合が行われる。これよ
り低温では変性ポリプロピレンが軟化しにくいため、混
合が不充分となって変性ポリプロピレンが非溶融状態の
ポリオレフィン粒状物の表面に被膜状に付着した樹脂混
合物となり難くなる。一方、上記165℃を越える温度
範囲においても、選定されたポリオレフィンによっては
軟化ないしは溶融温度域の樹脂温度に近づき、ポリオレ
フィンの粒状物形態が保てず、粒状物が一体となった塊
状物となり、押出成形機中への供給が難しくなりやすい
ためである。
【0037】次に、上記の樹脂混合物に補強繊維のチョ
ップドストランドを混合してポリオレフィン系成形材料
を調製する温度は、既述したように室温から165℃の
範囲内で適宜選定される温度であるが、100〜160
℃の範囲内で選定される混合温度が、後述する押出成形
に際して、ポリオレフィン系成形材料を押出成形機へ投
入後の熱エネルギー損失を一層少なくでき、エネルギー
の効率的活用面から好ましく選択される。
【0038】ポリオレフィン系成形材料を押出成形する
温度は、ポリオレフィンの融点以上、変性ポリプロピレ
ンの分解温度以下であればよく、具体的には、樹脂温度
170〜230℃程度の温度で押出成形される。ポリオ
レフィンや変性ポリプロピレンは、成形温度が高くなる
ほど分子量が低下するので、好ましくは180〜210
℃程度の温度で押出成形するのが良い。
【0039】本発明は、押出成形機として単軸押出成形
機よりも二軸押出成形機の方が好ましく使用される。こ
のような二軸押出成形機は、樹脂と繊維の混合・分散能
力が高く、また、樹脂とバレル内壁との剪断応力が小さ
いので、剪断発熱も単軸に比べて少ないものであり、短
い区間で混合撹拌が可能なことと相まって、繊維の切断
や樹脂の熱劣化が少ないという長所を有する。特に、ス
クリューのL/Dを25以下とし、スクリュー溝を深く
した二軸押出成形機は、樹脂の圧縮が緩やかで摩擦力が
小さく、混合撹拌区間を短くできるので、極めて好まし
く使用される。
【0040】かかる二軸押出成形機によってポリオレフ
ィン系成形材料を混合撹拌しながら所望の形状に押出す
と、最初8〜25mmの繊維長を有していた補強繊維の
チョップドストランドがある程度折損して4〜10mm
程度の平均繊維長の補強繊維となり、この押出成形機中
で混練、分散されたチョップドストランドの補強繊維に
よって優れた衝撃強度等が成形体に付与される。チョッ
プドストランドの分散された補強繊維の平均繊維長が4
mmより短くなると、成形体の衝撃強度等が不充分にな
る恐れがある。一方、平均繊維長の上限は限定されるわ
けではないが、押出成形機中での樹脂と補強繊維の混練
過程から、補強繊維の平均繊維長は10mm程度までと
なるのが通常である。
【0041】以上のような製造方法によって得られる本
発明のポリオレフィン系成形体は、100重量部のポリ
オレフィンのマトリクス中に、4〜10mmの平均繊維
長を有する15〜80重量部のチョップドストランドの
分散された補強繊維が1〜5重量部の変性ポリプロピレ
ンの相に包まれて均一に分散し、この補強繊維の表面処
理剤に含まれるカップリング剤と変性ポリプロピレンの
官能基が結合したミクロ的な構造を有する。従って、チ
ョップドストランドの補強繊維と変性ポリプロピレンの
密着性が高く、補強繊維の折損が少なく、補強繊維の分
散性が良く、変性ポリプロピレン相とポリオレフィンマ
トリクスの相溶性が良いため、このポリオレフィン系成
形体は強度、特に衝撃強度に優れており、表面外観も良
く、二次成形性も良好なものが得られる。上記の製造方
法によって得られる成形品は、シート状体、板状体、棒
状体、異型成形体等である。更に、シート状や板状の成
形体は、フロー成形、スタンピング成形や折り曲げ成形
等の二次成形により、土木部材であるU字溝、軌道部材
や自動車部材等の成形品として好適に用いられる。
【0042】次に、本発明の更に具体的な実施例と比較
例を説明する。
【0043】[実施例]動的粘弾性装置であるレオメー
ター(レオメトリックスサイエンティフィック、エフ、
イー社製のRDA−II)を用いて測定した複素溶融粘度
(180℃、1分、歪み1〜40%、角周波数1rad
/sec)が549Pa・sであるポリプロピレンの粒
状物100重量部と、上記レオメーターで測定した複素
溶融粘度(160℃、1分、歪み1〜40%、角周波数
100rad/sec)が10.5Pa・sであるマレ
イン酸変性ポリプロピレン(マレイン酸の変性率:5重
量%)をミキサーに投入し、155℃で15分間撹拌し
て樹脂混合物を得た。
【0044】そして、チョップドストランドのガラス繊
維中にアミノシランカップリング剤を含んだ0.6重量
%の表面処理剤で表面処理した繊維長12mmのガラス
繊維のチョップドストランド(繊維径:11μm)を上
記ミキサーに投入し、150℃で10分間、上記樹脂混
合物と均一に混合して、ポリオレフィン系成形材料を調
製した。
【0045】このポリオレフィン系成形材料を二軸押出
成形機(回転方向は同一)に投入して、185℃で混練
撹拌しながら板状に押出成形し、幅100mm、厚さ4
mmのポリオレフィン系板状成形体を製造した。
【0046】この板状成形体について、曲げ強度、曲げ
弾性率、アイゾット衝撃強度を測定すると共に、該成形
体に含まれているガラス繊維の平均繊維長を調べた。そ
の結果を下記の表1に示す。更に、この板状成形体を二
次成形(プレス成形)するときの二次成形の容易性を示
すプレス流動性も調べ、その結果を下記の表1に示し
た。
【0047】尚、曲げ強度はJIS K 7203、曲
げ弾性率はJIS K 7203、アイゾット衝撃強度
はJIS K 7110の試験方法に基づいて測定した
ものであり、平均繊維長は、板状成形体を650℃のマ
ッフル炉中で2時間灰化後、100本のガラス繊維の長
さを顕微鏡で測定して平均したものであり、プレス流動
性は、200℃で加熱後、直ちに100kg/cm2
圧力でプレスして流動性の良否を肉眼で観察したもので
ある。
【0048】[比較例1,2]比較のために、特開平3
−93510号に記載された押出方法に基づいて、ポリ
プロピレン(複素溶融粘度不明)100重量部とガラス
繊維(平均繊維長不明)60重量部を二段の単軸押出機
で混合しながら押出して成形した厚さ4mmの板状成形
体(比較例1)の市販のものについて、実施例と同様に
曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、含まれて
いるガラス繊維の平均繊維長、プレス流動性を調べた。
その結果を下記の表1に示す。
【0049】また、特開平7−232324号に基づい
て、マレイン酸変性ポリプロピレン(複素溶融粘度不
明)をガラス繊維束(ロービング)に含浸させて長さ8
mmに切断した市販の樹脂ぺレットと、ポリプロピレン
(複素溶融粘度不明)を二軸押出成形機で混練しながら
押出して成形した幅100mm、厚さ4mmの比較例2
の板状成形体(ポリプロピレン:100重量部、ガラス
繊維:43重量部、変性ポリプロピレン:配合量不明)
について、実施例と同様に曲げ強度、曲げ弾性率、アイ
ゾット衝撃強度、含まれているガラス繊維の平均繊維
長、プレス流動性を調べた。その結果を下記の表1に示
す。
【0050】
【表1】
【0051】この表1を見ると、本発明の実施例の成形
体は、比較例1の成形体に比べてガラス繊維の含有量が
約2/3と相当少ないにも拘らず、曲げ強度、曲げ弾性
率、アイゾット衝撃強度がいずれも比較例1の成形体よ
り大きく、機械的特性に優れており、特に、アイゾット
衝撃強度は比較例1の約2倍と顕著に向上していること
が判る。本発明の成形体の機械的強度、特に衝撃強度が
上記のように顕著に向上するのは、ガラス繊維の表面処
理剤に含まれるカップリング剤と変性ポリプロピレンの
官能基との結合によって、ガラス繊維が変性ポリプロピ
レンに密着固定し、優れた補強作用を発揮するからであ
る。また、本発明の実施例の成形体は、二次成形(プレ
ス成形)時のプレス流動性が良好であるが、比較例1の
成形体はプレス流動性に劣っていることも判る。
【0052】一方、比較例2の成形体は、本発明の実施
例の成形体と同様に変性ポリプロピレンを含有している
にも拘らず、本発明の成形体に比べて、曲げ強度、曲げ
弾性率、アイゾット衝撃強度がいずれも小さく、特に、
曲げ弾性率とアイゾット衝撃強度が大幅に劣っている。
これは、マスターバッチのペレットを作製するときに、
変性ポリプロピレンが本発明のチョップドストランドの
補強繊維の周囲を取巻くようにはガラス繊維束(ロービ
ング)の内部まで充分に浸透し難く、空気を噛みやすい
ため、ガラス繊維の表面処理剤に含まれるカップリング
剤と変性ポリプロピレンの官能基との結合が減少して、
ガラス繊維と変性ポリプロピレンとの密着性を充分に向
上させにくいこと、及び、このマスターバッチのペレッ
トと希釈用のポリプロピレンを溶融混合して成形体を得
るときに、押出機のスクリュー回転や押出温度をかなり
上げてガラス繊維を均一に分散させる必要があるため、
ガラス繊維が3.2mmの平均繊維長(本発明の実施例
における平均繊維長の約1/2である)となるまで短く
折損すること、また、前述の如く、押出成形機で押出す
以前に、マスターバッチのペレットを作製するまでの過
程で含浸した樹脂に高温の熱履歴が生じるため樹脂が劣
化すること等の原因によるものと思われる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明及び実施例のデーターから明
らかなように、本発明のポリオレフィン系成形体は、機
械的強度、特に衝撃強度が優れており、表面外観が良
く、二次成形性も良好であり、本発明の製造方法に基づ
いて本発明のポリオレフィン系成形材料を調製し、それ
を押出成形することによって、設備工程が比較的簡素
で、製造過程中の熱エネルギー使用に無駄を少なくし
て、効率良く量産できるといった顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:26) B29K 105:12 309:08 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA08 AB06 AB09 AB10 AB14 AC06 AC08 AD04 AF21 AK16 AL02 AL17 4J002 BB031 BB121 BB151 BB202 BB212 BP021 CL063 DA016 DL006 FA043 FA046 FB103 FB106 FB133 FB136 FB143 FB146 FB163 FB166 GL00 GN00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】100重量部のポリオレフィンのマトリク
    ス中に、カップリング剤と結合可能な官能基を有する1
    〜5重量部の変性ポリプロピレンと、カップリング剤を
    含んだ表面処理剤で表面処理された15〜80重量部の
    チョップドストランドの分散された補強繊維が含有され
    ている成形体であって、該補強繊維は変性ポリプロピレ
    ンの相に包まれ、その表面処理剤に含まれるカップリン
    グ剤と変性ポリプロピレンの官能基が結合した状態で、
    ポリオレフィンのマトリクス中に分散していることを特
    徴とするポリオレフィン系成形体。
  2. 【請求項2】ポリオレフィンが100〜5000Pa・
    sの複素溶融粘度(180℃、1分、歪み1〜40%、
    角周波数1rad/sec)を有するものであり、変性
    ポリプロピレンが5〜300Pa・sの複素溶融粘度
    (融点より5℃高い温度、1分、歪み1〜40%、角周
    波数100rad/sec)を有するものである請求項
    1に記載のポリオレフィン系成形体。
  3. 【請求項3】チョップドストランドの分散された補強繊
    維が、4〜10mmの範囲内の平均繊維長を有するガラ
    ス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維のいずれかのチョ
    ップドストランドの分散された補強繊維からなる請求項
    1又は請求項2に記載のポリオレフィン系成形体。
  4. 【請求項4】100重量部のポリオレフィンの粒状物に
    カップリング剤と結合可能な官能基を有する1〜5重量
    部の変性ポリプロピレンが軟化もしくは溶融状態で混合
    された樹脂混合物と、カップリング剤を含んだ表面処理
    剤で表面処理され、100重量部のポリオレフィンに対
    して15〜80重量部の割合となるように上記の樹脂混
    合物に混合される補強繊維のチョップドストランドとか
    ら成ることを特徴とするポリオレフィン系成形材料。
  5. 【請求項5】ポリオレフィンが100〜5000Pa・
    sの複素溶融粘度(180℃、1分、歪み1〜40%、
    角周波数1rad/sec)を有するものであり、変性
    ポリプロピレンが5〜300Pa・sの複素溶融粘度
    (融点より5℃高い温度、1分、歪み1〜40%、角周
    波数100rad/sec)を有するものである請求項
    4に記載のポリオレフィン系成形材料。
  6. 【請求項6】補強繊維のチョップドストランドが、樹脂
    混合物に混合する前に8〜25mmの範囲で選択された
    繊維長を有するガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊
    維のいずれかのチョップドストランドからなる請求項4
    又は請求項5に記載のポリオレフィン系成形材料。
  7. 【請求項7】100重量部のポリオレフィンの粒状物
    に、カップリング剤と結合可能な官能基を有する1〜5
    重量部の変性ポリプロピレンを、該変性ポリプロピレン
    の融点以上、該融点より5℃高い温度以下の温度で混合
    した後、この樹脂混合物に、カップリング剤を含んだ表
    面処理剤で表面処理された補強繊維のチョップドストラ
    ンドを、ポリオレフィン100重量部に対して15〜8
    0重量部の割合となるように混合してポリオレフィン系
    成形材料を調製し、このポリオレフィン系成形材料を押
    出成形機に投入してポリオレフィンの融点以上、変性ポ
    リプロピレンの分解温度以下の温度で所定の形状に押出
    成形することを特徴とするポリオレフィン系成形体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】ポリオレフィンが100〜5000Pa・
    sの複素溶融粘度(180℃、1分、歪み1〜40%、
    角周波数1rad/sec)を有するものであり、変性
    ポリプロピレンが5〜300Pa・sの複素溶融粘度
    (融点より5℃高い温度、1分、歪み1〜40%、角周
    波数100rad/sec)を有するものである請求項
    7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】補強繊維のチョップドストランドが、樹脂
    混合物に混合する前に8〜25mmの範囲で選択された
    繊維長を有するガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊
    維のいずれかのチョップドストランドからなる請求項7
    又は請求項8に記載の製造方法。
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