JP2000307525A - 半導体集積回路およびそれを用いた光受信器 - Google Patents

半導体集積回路およびそれを用いた光受信器

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JP2000307525A
JP2000307525A JP11111361A JP11136199A JP2000307525A JP 2000307525 A JP2000307525 A JP 2000307525A JP 11111361 A JP11111361 A JP 11111361A JP 11136199 A JP11136199 A JP 11136199A JP 2000307525 A JP2000307525 A JP 2000307525A
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circuit
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integrated circuit
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English (en)
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Hiroaki Asano
弘明 浅野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナログ動作する増幅部と、デジタル動作す
るデジタル駆動部とをワンチップ態様に構成した光受信
用ICを提供する。 【解決手段】 増幅部102から外部駆動部104まで
の経路上に、ベースバンドデジタル信号における各1ビ
ット期間の中央が増幅部102へと入力されるタイミン
グと、外部駆動部104のスイッチング動作のタイミン
グとが互いにずれるように、その経路を伝送される信号
を積極的に遅延させる遅延回路110を設ける。これに
より、増幅部102とデジタル駆動部103とをワンチ
ップ態様に構成しても、外部駆動部104のスイッチン
グ動作による雑音がベースバンドデジタル信号の1ビッ
ト期間中央に生じることがなくなる。なお、雑音が偶然
1ビット期間中央に生じると、信号制御部106がハイ
レベル,ローレベルを取り違えて、正確な信号再生を行
えない場合がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に
関し、より特定的には、光通信に用いられ、アナログ信
号とデジタル信号を同時に扱う半導体集積回路、および
それを用いた光受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光受信器の回路構成として、”ア
イ・イー・イー・イー・ジャーナルオブライトウエーブ
テクノロジー,Vol.12,No.2,1994”の
p325〜p331に記載された例がある。この従来例
では、シリコンバイポーラプロセスを用いることによっ
て、光信号を電気信号に変換するためのプリアンプと、
識別用コンパレータと、クロック再生用回路とから構成
される光受信器を実現している。
【0003】そこでは、各構成要素は、それぞれ別パッ
ケージに封入されている。その理由は、以下の通りであ
る。上記の従来例では、特に受信感度を向上させる必要
のあるアプリケーションに対応するためには、プリアン
プでのゲインを大きく確保する必要がある。こうするこ
とで、回路として本来避けることのできない熱雑音の影
響を小さくすることができる。このとき仮に、プリアン
プと識別用コンパレータとを同一パッケージに封入した
とすると、識別用コンパレータが動作する時に発生する
雑音が、半導体集積回路の基板等を通じてプリアンプ側
に回り込み、その雑音の影響をプリアンプが受ける。そ
の結果、プリアンプ動作が不安定になることがある。こ
れを避けるために、上記従来の光受信器では、別チップ
態様が採用されていた。
【0004】また、”アイ・イー・イー・イー・ジャー
ナルオブソリッドステートサーキット,Vol.30,
No.9,1995”のp991〜997に記載された
別の例がある。この別の従来例では、CMOSプロセス
を用いることによって、プリアンプと、メインアンプと
から構成される光受信用ICを実現している。
【0005】そこでも、プリアンプとメインアンプと
は、それぞれ別パッケージに封入されている。その理由
は、以下の通りである。上記別の従来例(以下、光受信
用IC)では、メインアンプ出力として、CMOSデジ
タルレベル信号を用いており、その出力振幅は、電源レ
ベルとグランドレベルとの間の電圧(レベル差)に相当
する大きさを持つ。光受信用ICの出力端子を、信号線
を介して外部回路の入力端子に接続した場合、それら入
出力端子や信号線に付着する浮遊容量を充放電するため
に、出力信号のスイッチングのタイミングで大振幅の
(つまりスパイク状の)駆動電流が必要になる。このス
パイク状の駆動電流は、電源線、もしくはグランド線に
流れ込み、電源レベル、グランドレベルの変動を引き起
こす。こうして引き起こされた電源・グランドレベルの
変動がプリアンプ側へと回り込み、プリアンプに影響を
及ぼす。アナログ動作するプリアンプからみれば、この
電源・グランドレベルの変動は、極めて大きな雑音とな
る。特にゲインが大きく設定されたプリアンプの場合、
受ける影響が大きい。これを避けるために、上記の光受
信用ICでは、別チップ態様が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて、近年、光加入者
システムを実現する要望が高まりつつあり、低コストで
かつ小型化された機器を実現することが強く求められて
いる。そのためには、光信号を受信するICに関しても
集積度を向上させ、できるだけパッケージ数を減らして
実現することが求められてきている。しかしながら、ア
ナログ動作する高感度プリアンプと、デジタル動作する
メインアンプ,識別用コンパレータ等とをワンチップ態
様に構成した光受信用IC、より一般的には、アナログ
動作回路とデジタル動作回路とをワンチップ態様に構成
した半導体集積回路は、従来なかった。
【0007】それゆえに、本発明の目的は、アナログ動
作回路とデジタル動作回路とをワンチップ態様に構成し
た半導体集積回路、およびそれを用いた光受信器を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明は、アナログ動作する回路とデジタル動作する回路
とが単一の半導体基板内に集積された半導体集積回路で
あって、ベースバンドデジタル信号が入力され、その信
号をアナログ増幅して出力する増幅部、増幅部の出力信
号が入力され、その信号をデジタル変換して出力するデ
ジタル駆動部、デジタル駆動部の出力信号が入力され、
その信号に基づいてスイッチング動作を行うことによ
り、デジタルレベル信号を単一の半導体基板の外部へと
出力する外部駆動部、および増幅部から外部駆動部まで
の経路上に設けられ、ベースバンドデジタル信号におけ
る各1ビット期間の中央が増幅部へと入力されるタイミ
ングと、外部駆動部のスイッチング動作のタイミングと
が互いにずれるように、当該経路を伝送される信号を遅
延させる遅延部が、単一の半導体基板内に集積されてい
る。
【0009】上記第1の発明では、アナログ動作する増
幅部と、デジタル動作するデジタル駆動部およびそれに
付随する外部駆動部とを単一半導体基板内に集積して
も、外部駆動部のスイッチング動作による雑音がベース
バンドデジタル信号の1ビット期間中央に生じることが
なくなる。なお、雑音が偶然1ビット期間中央に生じる
と、ハイレベル,ローレベルを取り違えて、正確な信号
再生を行えない場合がある。これにより、集積度の高い
半導体集積回路が得られ、また、それを用いることによ
り、低コストでかつ小型化された機器が実現できる。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、遅延
部は、互いに直列的に接続された複数の差動回路を含ん
でいる。
【0011】上記第2の発明では、半導体集積回路に遅
延回路を追加しても、遅延回路自身のスイッチング動作
による雑音が新たに生じる弊害が少ない。なぜなら、差
動回路は、定電流動作をするからである。
【0012】第3の発明は、第2の発明において、遅延
部に含まれる差動回路の数と各差動回路での遅延時間と
は、増幅部、デジタル駆動部および外部駆動部で自ずか
ら生じる遅延時間と、遅延部が積極的に生じさせる遅延
時間とを総合した総合遅延時間が、ベースバンドデジタ
ル信号の1ビット期間をTとして、0から0.2*Tま
での間の任意の値、または{(n+0.8)*T}から
{(n+1.2)*T}までの間の任意の値(ただし、
nは任意の負でない整数)となるように、それぞれ選ば
れたことを特徴としている。なお、記号*は、乗算を表
す(以下同様)。
【0013】上記第3の発明では、ベースバンドデジタ
ル信号において雑音の生じる位置は、1ビット期間Tの
中央位置(すなわち、いわゆるアイパターン中心)の前
後20%の範囲の外側となり、ハイレベル,ローレベル
を取り違える可能性を十分小さくできる。
【0014】第4の発明は、アナログ動作する回路とデ
ジタル動作する回路とが単一の半導体基板内に集積され
た半導体集積回路であって、ベースバンドデジタル信号
が入力され、その信号をアナログ増幅して出力する増幅
部、増幅部の出力信号が入力され、その信号をデジタル
変換して出力するデジタル駆動部、およびデジタル駆動
部の出力信号が入力され、その信号に基づいてスイッチ
ング動作を行うことにより、デジタルレベル信号を単一
の半導体基板の外部へと出力する外部駆動部が、単一の
半導体基板内に集積され、増幅部は、互いに直列的に接
続された複数のリミッタアンプを含み、各リミッタアン
プは、ベースバンドデジタル信号における各1ビット期
間の中央が増幅部へと入力されるタイミングと、外部駆
動部のスイッチング動作のタイミングとが互いにずれる
ように、当該ベースバンドデジタル信号を遅延させるこ
とを特徴としている。
【0015】上記第4の発明では、アナログ動作する増
幅部と、デジタル動作するデジタル駆動部およびそれに
付随する外部駆動部とを単一半導体基板内に集積して
も、外部駆動部のスイッチング動作による雑音がベース
バンドデジタル信号の1ビット期間中央に生じることが
なくなる。なお、雑音が偶然1ビット期間中央に生じる
と、ハイレベル,ローレベルを取り違えて、正確な信号
再生を行えない場合がある。これにより、集積度の高い
半導体集積回路が得られ、また、それを用いることによ
り、低コストでかつ小型化された機器が実現できる。
【0016】第5の発明は、第4の発明において、増幅
部に含まれるリミッタアンプの数と各リミッタアンプで
のゲインおよび遅延時間とは、各リミッタアンプでのゲ
インの合計値が一定の条件を満たし、かつ増幅部、デジ
タル駆動部および外部駆動部で自ずから生じる遅延時間
と、各リミッタアンプが積極的に生じさせる遅延時間と
を総合した総合遅延時間が、ベースバンドデジタル信号
の1ビット期間をTとして、0から0.2*Tまでの間
の任意の値、または{(n+0.8)*T}から{(n
+1.2)*T}までの間の任意の値(ただし、nは任
意の負でない整数)となるように、それぞれ選ばれたこ
とを特徴としている。
【0017】上記第5の発明では、所望のゲインが得ら
れると共に、ベースバンドデジタル信号において雑音の
生じる位置は、1ビット期間Tの中央位置(すなわち、
いわゆるアイパターン中心)の前後20%の範囲の外側
となり、ハイレベル,ローレベルを取り違える可能性を
十分小さくできる。また、増幅部が増幅機能と遅延機能
とを併せ持つので、第1の発明と比べ、回路の集積度が
さらに高まる。
【0018】第6の発明は、アナログ動作する回路とデ
ジタル動作する回路とが単一の半導体基板内に集積され
た半導体集積回路を用いた光受信器であって、ベースバ
ンドデジタル信号が入力され、その信号をアナログ増幅
して出力する増幅部、増幅部の出力信号が入力され、そ
の信号をデジタル変換して出力するデジタル駆動部、デ
ジタル駆動部の出力信号が入力され、その信号に基づい
てスイッチング動作を行うことにより、デジタルレベル
信号を単一の半導体基板の外部へと出力する外部駆動
部、および増幅部から外部駆動部までの経路上に設けら
れ、ベースバンドデジタル信号における各1ビット期間
の中央が増幅部へと入力されるタイミングと、外部駆動
部のスイッチング動作のタイミングとが互いにずれるよ
うに、当該経路を伝送される信号を遅延させる遅延部
が、単一の半導体基板内に集積された、半導体集積回
路、および光信号が入力され、その信号を光電気変換し
て、半導体集積回路へ向けて出力する光電気変換部を備
えている。
【0019】第7の発明は、アナログ動作する回路とデ
ジタル動作する回路とが単一の半導体基板内に集積され
た半導体集積回路を用いた光受信器であって、ベースバ
ンドデジタル信号が入力され、その信号をアナログ増幅
して出力する増幅部、増幅部の出力信号が入力され、そ
の信号をデジタル変換して出力するデジタル駆動部、お
よびデジタル駆動部の出力信号が入力され、その信号に
基づいてスイッチング動作を行うことにより、デジタル
レベル信号を単一の半導体基板の外部へと出力する外部
駆動部が、単一の半導体基板内に集積された半導体集積
回路、および光信号が入力され、その信号を光電気変換
して、半導体集積回路へ向けて出力する光電気変換部を
備え、増幅部は、互いに直列的に接続された複数のリミ
ッタアンプを含み、各リミッタアンプは、ベースバンド
デジタル信号における各1ビット期間の中央が増幅部へ
と入力されるタイミングと、外部駆動部のスイッチング
動作のタイミングとが互いにずれるように、当該ベース
バンドデジタル信号を遅延させることを特徴としてい
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係る半導体集積回路の構成を示すブロック図である。図
1において、第1の実施形態に係る半導体集積回路(半
導体集積回路101)は、ベースバンドデジタル信号を
アナログ増幅する増幅部102と、増幅部102の出力
信号をデジタル変換するデジタル駆動部103と、デジ
タル駆動部103の出力信号を半導体集積回路101の
外部へと出力する外部駆動部104とを備えている。こ
こでは、半導体集積回路101の出力信号は、外部信号
線105を通じ、信号制御部106へと導かれる。
【0021】増幅部102は、プリアンプ回路107
と、メインアンプ回路108とを含む。デジタル駆動部
103は、判定回路109と、遅延回路110とを含
む。信号制御部106は、クロック信号再生回路111
と、識別回路112とを含む。
【0022】プリアンプ回路107の入力へは、ベース
バンドデジタル信号を伝送する外部信号線113が接続
される。プリアンプ回路107の出力がメインアンプ回
路108の入力に接続され、メインアンプ回路108の
出力は、判定回路109の入力に接続される。判定回路
109の出力が遅延回路110の入力に接続され、遅延
回路110の出力は、外部駆動部104に接続される。
外部駆動部104の出力は、外部信号線105を介し
て、クロック信号再生回路111の入力と、識別回路1
12の入力とに接続される。クロック信号再生回路11
1の出力は、識別回路112の入力側に接続される。識
別回路112の出力は、デジタルレベル信号を伝送する
外部信号線114に接続される。
【0023】容量115は、半導体集積回路101と信
号制御部106とを接続する外部信号線105に付く浮
遊容量と、半導体集積回路101の出力端子および信号
制御部106の入力端子(いずれも図示せず)に付く浮
遊容量とを総合した総合浮遊容量を示している。半導体
集積回路101は、電源線116に接続され、かつ、グ
ランド117に接地される。
【0024】図2は、図1の遅延回路110の内部構成
の一例を示す回路図である。図2において、遅延回路1
10は、同一構成を有する複数の差動回路201(ここ
では3つの差動回路201)を含む。複数の差動回路2
01は、互いに直列に接続されている。各差動回路20
1は、一対の負荷抵抗202,203と、ソース端子同
士が接続され、差動動作する一対のトランジスタ20
4,205と、一対のトランジスタ204,205へ電
流を供給する電流源206と、遅延時間を設定するため
の一対の容量207,208と、一対のトランジスタ2
04,205からの差動出力のインピーダンスを変換す
るための一対のソースフォロワ回路209,210とか
らなる。
【0025】図3は、図1の各回路部(プリアンプ回路
107、メインアンプ回路108、判定回路109、遅
延回路110、外部駆動部104、クロック信号再生回
路111および識別回路112)からの出力信号と、電
源線116から半導体集積回路101へと供給される電
流および半導体集積回路101からグランド117へと
流れ込む電流とについて、それぞれの波形および相互の
位相関係を示した図である。図3において、波形に関
し、波形301は、プリアンプ回路107からの出力信
号の波形を示す(これはまた、メインアンプ回路108
への入力信号の波形でもある)。波形302は、メイン
アンプ回路108からの出力信号の波形を示す。波形3
03は、判定回路109からの出力信号の波形を示す。
波形304は、遅延回路110を経由して外部駆動部1
04から出力される信号(雑音のあるデジタルレベル信
号;後述)の波形を示している。
【0026】波形305は、クロック信号再生回路11
1からの出力信号(クロック信号)の波形を示す。波形
306は、識別回路112からの出力信号(雑音のない
デジタルレベル信号)の波形を示す。波形307は、電
源線116から半導体集積回路101へと供給される電
流の波形を示し、波形308は、半導体集積回路101
からグランド117へと流れ込む電流の波形を示す。
【0027】位相に関し、図示しない時間軸は、図面左
から右へと向かっている。参照番号302〜304で示
される各信号は、参照番号301で示される信号に対し
て、メインアンプ回路108、判定回路109、遅延回
路110および外部駆動部104でそれぞれ生じる遅延
のため、順番に位相が遅れている。プリアンプ回路10
7の出力から外部駆動部104の出力までの遅延時間、
すなわち、メインアンプ回路108、判定回路109、
遅延回路110および外部駆動部104で生じる遅延を
総合した総合遅延時間が、図中に記載のt1である。
【0028】クロック信号の位相は、信号の立ち上がり
(参照番号309で示される)が、外部駆動部104の
出力信号(波形304を参照)の1ビット期間Tのちょ
うど中央(いわゆるアイパターンの中心)にくるよう
に、予め調整されている。
【0029】各波形に生じた雑音に関し、外部駆動部1
04のスイッチング動作のタイミングで、プリアンプ回
路107の出力信号(波形301を参照)に雑音が生じ
る。すなわち、例えば、外部駆動部104の出力信号
(波形304を参照)がハイレベルからローレベルにス
イッチングした瞬間(参照番号310で示される)、半
導体集積回路101からグランド117へ流れる電流
(波形308を参照)においてパルス(参照番号311
で示される)が生じる。このパルス311がプリアンプ
回路107側に回り込み、その結果、プリアンプ回路1
07の出力信号(波形301を参照)において雑音(参
照番号312で示される)が生じる。
【0030】以下では、上記のように構成された半導体
集積回路101の動作について、図3を用いて説明す
る。プリアンプ回路107は、例えば光電変換素子(図
示せず)などから外部信号線113を通じて伝送されて
くるベースバンドデジタル信号(微小電気信号)を増幅
し、出力する。プリアンプ回路107の出力信号は、図
3に記載の波形301のようになる。なお、波形301
には雑音が生じているが、それについては後述する。
【0031】プリアンプ回路107の出力信号は、その
振幅が非常に小さいため、メインアンプ回路108に入
力され、十分に振幅が大きくなるように増幅される。メ
インアンプ回路108の出力信号は、波形302のよう
になる。メインアンプ回路108の出力信号は、判定回
路109に入力され、デジタル信号に変換される。変換
は、入力される信号を、図示しない基準電圧と比較して
二値化することにより行われる。判定回路109の出力
信号は、波形303のようになる。
【0032】判定回路109の出力信号は、遅延回路1
10に入力され、遅延される。ここで補足すれば、遅延
回路110以外の回路でも、回路特性に応じた一定の遅
延が必然的に生じる。これに対し、遅延回路110は、
上記の総合遅延時間t1を調節する目的で、信号を積極
的に遅延させるための回路である。遅延回路110の動
作の詳細については、後述する。
【0033】遅延回路110の出力信号は、外部駆動部
104へと入力される。外部駆動部104は、入力され
た信号を、デジタルレベル信号の態様で外部に出力す
る。外部駆動部104の出力信号は、波形304のよう
になる。ここで、デジタルレベル信号とは、”1”すな
わちハイレベルが電源電圧レベル、”0”すなわちロー
レベルがグランドレベルであるようなデジタル信号をい
う。波形301と波形304とを比較すればわかるよう
に、外部駆動部104の出力信号は、プリアンプ回路1
07の出力信号と比較して、位相が時間t1だけ遅延し
ている。
【0034】外部駆動部104の出力信号は、外部信号
線105を通じて信号制御部106側へ伝達される。そ
して、信号制御部106内で2分岐され、クロック信号
再生回路111および識別回路112へと入力される。
クロック信号再生回路111は、入力された信号(波形
304を参照)をもとに、クロック信号を再生する。そ
して、再生したクロック信号の位相を、信号の立ち上が
り(参照番号309)が外部駆動部104の出力信号
(波形304を参照)の1ビット期間Tのちょうど中央
(いわゆるアイパターンの中心)にくるように調整す
る。クロック信号再生回路111の出力信号は、波形3
05のようになる。
【0035】一方、識別回路112へは、外部駆動部1
04からの信号に加え、クロック信号再生回路111の
出力信号(クロック信号;波形305を参照)が与えら
れる。識別回路112は、クロック信号を参照して外部
駆動部104からの信号を識別し、それによって、雑音
のないデジタルレベル信号を生成する。
【0036】上記の識別は、次のようにして行われる。
すなわち、識別回路112は、クロック信号の立ち上が
りエッジ(参照番号309で示される)をトリガーとし
て、外部駆動部104からの信号(波形304を参照)
の値(すなわちレベル)を検出する。そして、検出した
値を、次にクロック信号が立ち上がるまでの期間、保持
する。これを繰り返すことによって、外部駆動部104
からの信号を識別、つまり信号の値がハイレベルかロー
レベルかを区別できる。
【0037】ここで重要なのは、次の点である。識別回
路112が外部駆動部104からの信号の値を検出する
際、その信号の1ビット期間Tのちょうど中央に雑音が
あると、ハイレベル,ローレベルを取り違える可能性が
ある。一方、雑音が外部駆動部104の出力信号の1ビ
ット期間T内のどの位置に生じるかは、総合遅延時間t
1で決まる。そこで、半導体集積回路101では、遅延
回路110を設けて総合遅延時間t1を調節し、それに
よって、雑音の発生位置を、1ビット期間の中央から積
極的にずらすようにしている。
【0038】識別回路112の出力信号は、波形306
のようになる。この雑音のないデジタルレベル信号は、
外部信号線114を通じ、信号制御部106の外部へと
送出される。以上が、半導体集積回路101(および信
号制御部106)の動作である。
【0039】次に、信号に生じる雑音、および総合遅延
時間t1について説明する。図1において、外部駆動部
104は、デジタルレベル信号を外部へと出力する際、
併せて、容量115、すなわち外部信号線105や半導
体集積回路101の出力端子,信号制御部106の入力
端子(いずれも図示せず)等に備わる浮遊容量を充放電
する必要がある。このため、外部駆動部104のスイッ
チング動作のタイミングで、電源線116,グランド1
17間には、瞬間的に大振幅の電流が流れる。
【0040】すなわち、外部駆動部104から出力され
るデジタルレベル信号がローレベルからハイレベルへと
スイッチングするタイミングで、半導体集積回路101
からグランド117へは、スパイク状の電流が流れ込む
(波形308を参照)。一方、ハイレベルからローレベ
ルへとスイッチングするタイミングで、スパイク状の電
流が電源線116から半導体集積回路101へと供給さ
れる(波形306を参照)。
【0041】一般的には、半導体集積回路101がパッ
ケージに封入された状態で、ガラスエポキシ等で形成し
た多層基板に実装される場合、その出力端子に付く容量
は、10〜20pF程度である。このとき、電源電圧を
5V、スイッチングに要する時間を2nsecとすれ
ば、スパイク状の電流のピーク値は、容量を充放電する
分だけで25mA〜50mAとなり、これにトランジス
タを駆動する分がさらに加算される。
【0042】このようなピーク値を持つスパイク状の電
流が電源線116,グランド117間に流れると、電源
線116およびグランド117への信号線のインピーダ
ンスのために電源線116,グランド117間の電圧レ
ベルが変動し、その変動成分がプリアンプ回路107の
入力側に回り込む。回り込んだ変動成分は、ベースバン
ドデジタル信号に重畳され、プリアンプ回路107へと
入力される。そしてプリアンプ回路107において増幅
され、プリアンプ回路107の出力信号(波形301を
参照)には、雑音312が生じる。
【0043】その際、プリアンプ回路107の出力から
外部駆動部104の出力までの総合遅延時間がt1なの
で、プリアンプ回路107の出力信号には、信号の立ち
下がり位置から時間t1だけ遅れた位置、および信号の
立ち上がりからt1だけ遅れた位置に、雑音が生じる
(波形301を参照)。
【0044】雑音の生じた信号は、メインアンプ回路1
08で増幅された後、判定回路109に到達する。この
とき、雑音のレベルが基準電圧を超えていると、判定回
路109の出力信号では、二値化によって、雑音のレベ
ルが信号のハイレベル,ローレベルと等しいレベルにま
で増幅される(波形303を参照)。
【0045】判定回路109の出力信号は、遅延回路1
10を通じて外部駆動部104に達し、外部駆動回路か
らデジタルレベル信号の態様(波形304を参照)で出
力される。この雑音の生じたデジタルレベル信号は、信
号制御部106へと到達する。信号制御部106では、
到達した信号のハイ・ローを識別する処理が行われる
が、先に説明したように、識別は、到達した信号の1ビ
ット期間Tの中央を見て行われる。このため、仮に雑音
が信号の1ビット期間Tの中央ないしはその近辺に生じ
ているとすると、ハイ・ローが誤って識別される可能性
がある。
【0046】この識別エラーを防ぐには、雑音が信号の
1ビット期間Tの中央から外れて生じるように、総合遅
延時間t1が{(0.5+n)*T}(nは任意の負で
ない整数;以下同様)と一致しないようにすればよい。
遅延回路110は、総合遅延時間t1が{(0.5+
n)*T}と一致することがないように、その総合遅延
時間t1を調節するために設けられる。また、遅延回路
110は、好ましくは、それ自身による遅延時間が任意
に設定可能なように構成される。
【0047】次に、遅延回路110について、図2を用
いて説明する。図2において、遅延回路110は、差動
回路201が多数段(図では3段)接続された構成を有
する。各段の差動回路201には、一対の容量207,
208が接続されており、差動回路201の段数と、各
段の一対の容量207,208の値とを適切に選ぶこと
で、任意の遅延時間を設定することが可能となる。遅延
時間を適切に設定した遅延回路110を半導体集積回路
101に設ければ、総合遅延時間t1は、{(0.5+
n)*T}と一致することがなくなる。
【0048】なお、一般に、半導体集積回路101に遅
延回路110を追加した場合、遅延回路110自身のス
イッチング動作によって電源線116,グランド117
間電圧が変動し、雑音が新たに生じる弊害がある。しか
し、差動回路201は、定電流動作をするため、スイッ
チング動作による電源線116,グランド117間電圧
の変動は小さい。よって、差動回路201が多数段接続
された構成を有する遅延回路110を追加しても、新た
な雑音の発生は最小限に止まる。
【0049】次に、好ましい総合遅延時間t1について
説明する。総合遅延時間t1は、好ましくは、1ビット
期間Tに対して、0から0.2*Tまでの間の任意の
値、または{(n+0.8)*T}から{(n+1.
2)*T}までの間の任意の値に設定される。このよう
に設定することで、プリアンプ回路107の出力信号
(波形301を参照)において雑音の生じる位置は、1
ビット期間Tの中央位置(すなわち、いわゆるアイパタ
ーン中心)の前後20%の範囲の外側となる。これによ
って、信号制御部106では、半導体集積回路101の
出力信号(雑音の生じたデジタルレベル信号)をもと
に、雑音のないデジタルレベル信号を正しく生成するこ
とができるようになる。
【0050】以上のように、本実施形態によれば、アナ
ログ動作する増幅部102と、デジタル動作するデジタ
ル駆動部103およびそれに付随する外部駆動部104
とを単一半導体基板内に集積しても、外部駆動部104
のスイッチング動作による雑音がベースバンドデジタル
信号の1ビット期間中央に生じることがなくなる。その
ため、雑音が偶然1ビット期間中央に生じて信号制御部
106がハイレベル,ローレベルを取り違えることがな
くなり、正確な信号再生を行えるようになる。これによ
り、集積度の高い半導体集積回路101が得られ、ま
た、それを用いることにより、低コストでかつ小型化さ
れた機器が実現できる。
【0051】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態に係る半導体集積回路の構成を示すブロック
図である。図4において、第2の実施形態に係る半導体
集積回路(半導体集積回路401)は、ベースバンドデ
ジタル信号をアナログ増幅する増幅部402と、増幅部
402の出力信号をデジタル変換するデジタル駆動部4
03と、デジタル駆動部403の出力信号を半導体集積
回路401の外部へと出力する外部駆動部404とを備
えている。ここでは、半導体集積回路401の出力信号
は、外部信号線405を通じ、図示しない他の回路へと
導かれる。
【0052】増幅部402は、プリアンプ回路406
と、メインアンプ回路407とを含む。デジタル駆動部
403は、判定回路408と、遅延回路409と、クロ
ック信号再生回路410と、識別回路411とを含む。
【0053】プリアンプ回路406の入力へは、ベース
バンドデジタル信号を伝送する外部信号線412が接続
される。プリアンプ回路406の出力がメインアンプ回
路407の入力に接続され、メインアンプ回路407の
出力は、判定回路408の入力に接続される。判定回路
408の出力が遅延回路409の入力に接続され、遅延
回路409の出力は、クロック信号再生回路410の入
力と、識別回路411の入力とに接続される。クロック
信号再生回路410の出力は、識別回路411の入力側
に接続される。識別回路411の出力は、外部駆動部4
04に接続される。外部駆動部404の出力は、デジタ
ルレベル信号を伝送する外部信号線405に接続され
る。
【0054】容量413は、半導体集積回路401と上
記他の回路とを接続する外部信号線405に付く浮遊容
量と、半導体集積回路401の出力端子および上記他の
回路の入力端子(いずれも図示せず)に付く浮遊容量と
を総合した総合浮遊容量を示している。半導体集積回路
401は、電源線414に接続され、かつ、グランド4
15に接地される。
【0055】図4に示される各構成要素は、図1に示さ
れるものと同様の動作を行う。図4の遅延回路409の
内部構成は、図1の遅延回路110のそれと同様であ
り、図2の回路図に示されている。本実施形態が第1の
実施形態と異なるのは、次の3つの点である。
【0056】第1の相違は、第1の実施形態では、半導
体集積回路101の外部に信号制御部106が設けられ
ていたが、本実施形態では、半導体集積回路401の内
部に信号制御部106相当の回路(クロック信号再生回
路410および識別回路411)を設けた点である。こ
の場合、デジタル動作するクロック信号再生回路410
および識別回路411は、デジタル駆動部403に含ま
れる。
【0057】第2の相違は、半導体集積回路401の内
部にクロック信号再生回路410および識別回路411
を設けた結果、外部駆動部404が、最後段(識別回路
411の後段)に設けられる点である。この場合、当
然、外部駆動部404は、スイッチング動作を行う際
に、半導体集積回路401と上記他の回路との間の外部
信号線405等に付く浮遊容量(容量413)を充放電
する。
【0058】第3の相違は、外部駆動部404が半導体
集積回路401の最後段に設けられた結果、プリアンプ
回路406の出力から外部駆動部404の出力までの遅
延時間が、メインアンプ回路407、判定回路408、
遅延回路409、識別回路411および外部駆動部40
4で生じる遅延を総合した総合遅延時間t2となる点で
ある。なお、第1の実施形態では、プリアンプ回路10
7の出力から外部駆動部104の出力までの遅延時間
は、メインアンプ回路108、判定回路109、遅延回
路110および外部駆動部104で生じる遅延を総合し
た総合遅延時間t1であった。
【0059】従って、本実施形態では、識別回路411
での識別エラーを防ぐには、雑音が信号の1ビット期間
Tの中央から外れて生じるように、総合遅延時間t2が
{(0.5+m)*T}(mは任意の負でない整数;以
下同様)と一致しないようにすればよい。遅延回路40
9は、総合遅延時間t2が{(0.5+m)*T}と一
致することがないように、その総合遅延時間t2を調節
するために設けられる。遅延時間を適切に設定した遅延
回路409を半導体集積回路401に設ければ、総合遅
延時間t2は、{(0.5+m)*T}と一致すること
がなくなる。
【0060】総合遅延時間t2は、好ましくは、1ビッ
ト期間Tに対して、0から0.2*Tまでの間の任意の
値、または{(m+0.8)*T}から{(m+1.
2)*T}までの間の任意の値に設定される。このよう
に設定することで、プリアンプ回路406の出力信号に
おいて雑音の生じる位置は、1ビット期間Tの中央位置
(すなわち、いわゆるアイパターン中心)の前後20%
の範囲の外側となる。これによって、半導体集積回路4
01からは、雑音のないデジタルレベル信号が出力さ
れ、その信号が入力される上記他の回路では、誤動作等
が生じないようになる。
【0061】以上のように、本実施形態によれば、アナ
ログ動作する増幅部402と、デジタル動作するデジタ
ル駆動部403およびそれに付随する外部駆動部404
とを単一半導体基板内に集積しても、外部駆動部404
のスイッチング動作による雑音がベースバンドデジタル
信号の1ビット期間中央に生じることがなくなる。その
ため、雑音が偶然1ビット期間中央に生じて識別回路4
11がハイレベル,ローレベルを取り違えることがなく
なり、正確な信号再生を行えるようになる。これによ
り、集積度の高い半導体集積回路401が得られ、ま
た、それを用いることにより、低コストでかつ小型化さ
れた機器が実現できる。
【0062】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態に係る半導体集積回路の構成を示すブロック
図である。図5において、第3の実施形態に係る半導体
集積回路(半導体集積回路501)は、ベースバンドデ
ジタル信号をアナログ増幅する増幅部502と、増幅部
502の出力信号をデジタル変換するデジタル駆動部5
03と、デジタル駆動部503の出力信号を半導体集積
回路501の外部へと出力する外部駆動部504とを備
えている。ここでは、半導体集積回路501の出力信号
は、外部信号線505を通じ、図示しない他の回路へと
導かれる。
【0063】増幅部502は、プリアンプ回路506
と、メインアンプ回路507とを含む。デジタル駆動部
503は、判定回路508と、クロック信号再生回路5
09と、識別回路510とを含む。
【0064】プリアンプ回路506の入力へは、ベース
バンドデジタル信号を伝送する外部信号線511が接続
される。プリアンプ回路506の出力がメインアンプ回
路507の入力に接続され、メインアンプ回路507の
出力は、判定回路508の入力に接続される。判定回路
508の出力がクロック信号再生回路509の入力と、
識別回路510の入力とに接続される。クロック信号再
生回路509の出力は、識別回路510の入力側に接続
される。識別回路510の出力は、外部駆動部504に
接続される。外部駆動部504の出力は、デジタルレベ
ル信号を伝送する外部信号線505に接続される。
【0065】容量512は、半導体集積回路501と上
記他の回路とを接続する外部信号線505に付く浮遊容
量と、半導体集積回路501の出力端子および上記他の
回路の入力端子(いずれも図示せず)に付く浮遊容量と
を総合した総合浮遊容量を示している。半導体集積回路
501は、電源線513に接続され、かつ、グランド5
15に接地される。
【0066】つまり、図5に示される半導体集積回路5
01は、図4に示される半導体集積回路401におい
て、メインアンプ回路407および遅延回路409に代
えて、メインアンプ回路507を備えている。図5にお
いて、メインアンプ回路507は、プリアンプ回路50
6の出力信号を増幅し、かつ積極的に遅延させる。すな
わち、半導体集積回路501に備わるメインアンプ回路
507は、半導体集積回路401に備わるメインアンプ
回路407および遅延回路409の機能を兼ね備えてい
る。メインアンプ回路507以外の構成要素は、図4に
示されるものと同様の動作を行う。
【0067】上記のような機能を有するメインアンプ回
路507は、例えば、リミッタアンプを多段階構成する
ことによって実現される。図6は、図5のメインアンプ
回路507の内部構成の一例を示す回路図である。図6
において、メインアンプ回路507は、同一構成を有す
る複数のリミッタアンプ601(ここでは3つのリミッ
タアンプ601)を含む。複数のリミッタアンプ601
は、互いに直列に接続されている。各リミッタアンプ6
01は、一対の負荷抵抗602,603と、ソース端子
同士が接続され、差動動作する一対のトランジスタ60
4,605と、一対のトランジスタ604,605へ電
流を供給する一対の電流源606,607と、ゲインを
設定するための抵抗608と、一対のトランジスタ60
4,605からの出力のインピーダンスを変換するため
の一対のバッファ609,610とからなる。
【0068】上記のように構成されたメインアンプ回路
507について、以下に説明する。アンプは一般に、入
力信号を一定の増幅率で増幅して出力する。メインアン
プ回路507に用いられるリミッタアンプ601もその
点は同じであるが、出力信号のレベルがある一定の値以
下に制限される点が異なる。一方、ここで増幅しようと
する信号は、ベースバンドデジタル信号なので、振幅中
心の位相のみが保存されていればよい。よって、上記の
ような特徴を有するリミッタアンプ601を多段階構成
したメインアンプ回路507では、リミッタアンプ60
1の段数と、抵抗の値とを適切に設定することにより、
所望のゲインと遅延時間とを得ることができる。
【0069】また、本実施形態では、第2の実施形態に
おいて、メインアンプ回路407および遅延回路409
に代えて、メインアンプ回路507が設けられた結果、
プリアンプ回路506の出力から外部駆動部504の出
力までの遅延時間が、メインアンプ回路507、判定回
路508、識別回路510および外部駆動回路で生じる
遅延を総合した総合遅延時間t3となる。なお、第2の
実施形態では、プリアンプ回路406の出力から外部駆
動部404の出力までの遅延時間は、メインアンプ回路
407、判定回路408、遅延回路409、識別回路4
11および外部駆動部404で生じる遅延を総合した総
合遅延時間t2であった。
【0070】従って、本実施形態では、識別回路510
での識別エラーを防ぐには、雑音が信号の1ビット期間
Tの中央から外れて生じるように、総合遅延時間t3が
{(0.5+r)*T}(rは任意の負でない整数;以
下同様)と一致しないようにすればよい。メインアンプ
回路507は、適切に設定されたゲインを持ち、プリア
ンプ回路506の出力信号を所望のレベルまで増幅する
と共に、総合遅延時間t3が{(0.5+r)*T}と
一致することがないように、その総合遅延時間t3を調
節する。遅延時間を適切に設定したメインアンプ回路5
07を半導体集積回路501に設ければ、総合遅延時間
t3は、{(0.5+r)*T}と一致することがなく
なる。
【0071】総合遅延時間t3は、好ましくは、1ビッ
ト期間Tに対して、0から0.2*Tまでの間の任意の
値、または{(r+0.8)*T}から{(r+1.
2)*T}までの間の任意の値に設定される。このよう
に設定することで、プリアンプ回路506の出力信号に
おいて雑音の生じる位置は、1ビット期間Tの中央位置
(すなわち、いわゆるアイパターン中心)の前後20%
の範囲の外側となる。これによって、半導体集積回路5
01からは、雑音のないデジタルレベル信号が出力さ
れ、その信号が入力される上記他の回路では、誤動作等
が生じないようになる。
【0072】以上のように、本実施形態によれば、アナ
ログ動作する増幅部502と、デジタル動作するデジタ
ル駆動部503およびそれに付随する外部駆動部504
とを単一半導体基板内に集積しても、外部駆動部504
のスイッチング動作による雑音がベースバンドデジタル
信号の1ビット期間中央に生じることがなくなる。その
ため、雑音が偶然1ビット期間中央に生じて識別回路5
10がハイレベル,ローレベルを取り違えることがなく
なり、正確な信号再生を行えるようになる。これによ
り、集積度の高い半導体集積回路501が得られ、ま
た、それを用いることにより、低コストでかつ小型化さ
れた機器が実現できる。
【0073】(他の実施形態)本発明の他の実施形態
は、半導体集積回路を用いた光受信器である。図7に、
本発明の他の実施形態に係る光受信器の構成を示す。図
7に示される光受信器は、光信号を電気信号に変換する
光電気変換素子701と、その光電気変換素子701の
出力信号が入力される半導体集積回路401とを備えて
いる。図7において、半導体集積回路401は、図4に
示す半導体集積回路401(第2の実施形態を参照)と
同様のものである。
【0074】なお、上記の光受信器において、半導体集
積回路401に代えて、図1に示す半導体集積回路10
1および信号制御部106(第1の実施形態を参照)と
同様のものを備えてもよい。あるいは、図5に示す半導
体集積回路501(第3の実施形態を参照)と同様のも
のを備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体集積回路
(半導体集積回路101)の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1の遅延回路110の内部構成の一例を示す
回路図である。
【図3】図1の各回路部(プリアンプ回路107、メイ
ンアンプ回路108、判定回路109、遅延回路11
0、外部駆動部104、クロック信号再生回路111お
よび識別回路112)からの出力信号と、電源線116
から半導体集積回路101へと供給される電流および半
導体集積回路101からグランド117へと流れ込む電
流とについて、それぞれの波形および相互の位相関係を
示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体集積回路
(半導体集積回路401)の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る半導体集積回路
(半導体集積回路501)の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】図5のメインアンプ回路507の内部構成の一
例を示す回路図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る光受信器の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
101,401,501…半導体集積回路 102,402,502…増幅部 103,403,503…デジタル駆動部 104,404,504…外部駆動部 105,405,505…外部信号線 107,406,506…プリアンプ回路 108,407,507…メインアンプ回路 109,408,508…判定回路 110,409…遅延回路 115,413,512…容量 201…差動回路 410,509…クロック信号再生回路 411,510…識別回路 601…リミッタアンプ 701…光電気変換素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/04 10/06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ動作する回路とデジタル動作す
    る回路とが単一の半導体基板内に集積された半導体集積
    回路であって、 ベースバンドデジタル信号が入力され、その信号をアナ
    ログ増幅して出力する増幅部、 前記増幅部の出力信号が入力され、その信号をデジタル
    変換して出力するデジタル駆動部、 前記デジタル駆動部の出力信号が入力され、その信号に
    基づいてスイッチング動作を行うことにより、デジタル
    レベル信号を前記単一の半導体基板の外部へと出力する
    外部駆動部、および前記増幅部から前記外部駆動部まで
    の経路上に設けられ、ベースバンドデジタル信号におけ
    る各1ビット期間の中央が前記増幅部へと入力されるタ
    イミングと、前記外部駆動部のスイッチング動作のタイ
    ミングとが互いにずれるように、当該経路を伝送される
    信号を遅延させる遅延部が、前記単一の半導体基板内に
    集積された、半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 前記遅延部は、互いに直列的に接続され
    た複数の差動回路を含む、請求項1に記載の半導体集積
    回路。
  3. 【請求項3】 前記遅延部に含まれる差動回路の数と各
    差動回路での遅延時間とは、前記増幅部、前記デジタル
    駆動部および前記外部駆動部で自ずから生じる遅延時間
    と、前記遅延部が積極的に生じさせる遅延時間とを総合
    した総合遅延時間が、前記ベースバンドデジタル信号の
    1ビット期間をTとして、0から0.2*Tまでの間の
    任意の値、または{(n+0.8)*T}から{(n+
    1.2)*T}までの間の任意の値(ただし、nは任意
    の負でない整数)となるように、それぞれ選ばれたこと
    を特徴とする、請求項2に記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 アナログ動作する回路とデジタル動作す
    る回路とが単一の半導体基板内に集積された半導体集積
    回路であって、 ベースバンドデジタル信号が入力され、その信号をアナ
    ログ増幅して出力する増幅部、 前記増幅部の出力信号が入力され、その信号をデジタル
    変換して出力するデジタル駆動部、および前記デジタル
    駆動部の出力信号が入力され、その信号に基づいてスイ
    ッチング動作を行うことにより、デジタルレベル信号を
    前記単一の半導体基板の外部へと出力する外部駆動部
    が、前記単一の半導体基板内に集積され、 前記増幅部は、互いに直列的に接続された複数のリミッ
    タアンプを含み、 各前記リミッタアンプは、ベースバンドデジタル信号に
    おける各1ビット期間の中央が前記増幅部へと入力され
    るタイミングと、前記外部駆動部のスイッチング動作の
    タイミングとが互いにずれるように、当該ベースバンド
    デジタル信号を遅延させることを特徴とする、半導体集
    積回路。
  5. 【請求項5】 前記増幅部に含まれるリミッタアンプの
    数と各リミッタアンプでのゲインおよび遅延時間とは、 各前記リミッタアンプでのゲインの合計値が一定の条件
    を満たし、かつ 前記増幅部、前記デジタル駆動部および前記外部駆動部
    で自ずから生じる遅延時間と、各前記リミッタアンプが
    積極的に生じさせる遅延時間とを総合した総合遅延時間
    が、前記ベースバンドデジタル信号の1ビット期間をT
    として、0から0.2*Tまでの間の任意の値、または
    {(n+0.8)*T}から{(n+1.2)*T}ま
    での間の任意の値(ただし、nは任意の負でない整数)
    となるように、それぞれ選ばれたことを特徴とする、請
    求項4に記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 アナログ動作する回路とデジタル動作す
    る回路とが単一の半導体基板内に集積された半導体集積
    回路を用いた光受信器であって、 ベースバンドデジタル信号が入力され、その信号をアナ
    ログ増幅して出力する増幅部、 前記増幅部の出力信号が入力され、その信号をデジタル
    変換して出力するデジタル駆動部、 前記デジタル駆動部の出力信号が入力され、その信号に
    基づいてスイッチング動作を行うことにより、デジタル
    レベル信号を前記単一の半導体基板の外部へと出力する
    外部駆動部、および前記増幅部から前記外部駆動部まで
    の経路上に設けられ、ベースバンドデジタル信号におけ
    る各1ビット期間の中央が前記増幅部へと入力されるタ
    イミングと、前記外部駆動部のスイッチング動作のタイ
    ミングとが互いにずれるように、当該経路を伝送される
    信号を遅延させる遅延部が、前記単一の半導体基板内に
    集積された、半導体集積回路、および光信号が入力さ
    れ、その信号を光電気変換して、前記半導体集積回路へ
    向けて出力する光電気変換部を備える、光受信器。
  7. 【請求項7】 アナログ動作する回路とデジタル動作す
    る回路とが単一の半導体基板内に集積された半導体集積
    回路を用いた光受信器であって、 ベースバンドデジタル信号が入力され、その信号をアナ
    ログ増幅して出力する増幅部、 前記増幅部の出力信号が入力され、その信号をデジタル
    変換して出力するデジタル駆動部、および前記デジタル
    駆動部の出力信号が入力され、その信号に基づいてスイ
    ッチング動作を行うことにより、デジタルレベル信号を
    前記単一の半導体基板の外部へと出力する外部駆動部
    が、前記単一の半導体基板内に集積された半導体集積回
    路、および光信号が入力され、その信号を光電気変換し
    て、前記半導体集積回路へ向けて出力する光電気変換部
    を備え、 前記増幅部は、互いに直列的に接続された複数のリミッ
    タアンプを含み、 各前記リミッタアンプは、ベースバンドデジタル信号に
    おける各1ビット期間の中央が前記増幅部へと入力され
    るタイミングと、前記外部駆動部のスイッチング動作の
    タイミングとが互いにずれるように、当該ベースバンド
    デジタル信号を遅延させることを特徴とする、光受信
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012156700A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Ricoh Co Ltd 誤差増幅回路及びスイッチングレギュレータ

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