JP2000306901A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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JP2000306901A
JP2000306901A JP2000071069A JP2000071069A JP2000306901A JP 2000306901 A JP2000306901 A JP 2000306901A JP 2000071069 A JP2000071069 A JP 2000071069A JP 2000071069 A JP2000071069 A JP 2000071069A JP 2000306901 A JP2000306901 A JP 2000306901A
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plasma
plasma generation
chamber
generation chamber
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JP2000071069A
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Satoshi Ichimura
智 市村
Tadashi Sato
忠 佐藤
Takashi Iga
尚 伊賀
Kenichi Natsui
健一 夏井
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 永久磁石の小形にして大形化に伴う問題を解
消すること。 【構成】 永久磁石3が電子加熱空間室部1において誘
電体6のマイクロ波導出部6aで電子サイクロトロン共
鳴磁場を越える大きさの磁場を形成すると共に、そこか
ら電子加熱空間室部1とプラズマ生成空間室部2との境
界付近の点14で0の磁場となるので、永久磁石3によ
る磁場強度分布が急峻に減衰し、そのため、電子サイク
ロトロン共鳴層12の位置12a〜12cでは、マイク
ロ波のほとんどを電子に吸収させて電子を加熱すること
ができる結果、高エネルギー電子にさせることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波を伝送
してプラズマを発生させ、該プラズマ中のイオンを対象
物に照射して対象物の表面を所望形状に処理するプラズ
マ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のマイクロ波プラズマ生成装置の
従来技術としては、例えば、「ジャーナル オブ バキ
ューム サイエンス アンド テクノロジー(J.Va
c.Sci.Technol.B9(1),Jan/F
eb 1991」の第26頁〜第28頁において報告さ
れてたものがある。これには、同誌第29〜第33頁に
記載され、かつ第一の静磁場発生手段として使用されて
いるソレノイドコイルが形成する磁場と同様な磁場を、
永久磁石によって実現できることが記載されている。こ
の例では、ソレノイドコイル磁場に置き換えるため、永
久磁石が巨大なものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術で
は、第一の静磁場発生手段としての永久磁石が巨大なも
のとなっているので、以下に述べる問題点がある。
【0004】即ち、まず、永久磁石の製造コストがそれ
だけ高くなる問題がある。また永久磁石から離れた位置
の磁場の減衰割合が小さく、被処理物上で大きな磁場が
残留することとなり、そのため、磁場に敏感な物質とし
て、例えば磁性膜の加工等には不向きとなる問題があ
る。さらに、巨大な永久磁石では磁場強度の減衰が小さ
く、空間における磁場勾配がなだらかなため、マイクロ
波の伝搬,吸収の空間的変動が大きく、放電が不安定に
なると云う問題もある。そして、イオン源として利用し
た場合、イオン引き出し電極付近に磁場が残留するた
め、イオンの軌道が曲げられる結果、イオンビームが発
散すると云う問題がある。しかも、イオンビームを被処
理物に照射する際、被処理部が帯電しないように同量の
電子で中和する必要があるが、電子は磁場を横断するこ
とが難しいため、イオンビームの外周から電子を供給し
ようとすると、ビームの中心部まで十分に電子を供給す
ることができない問題がある。
【0005】一般に、プラズマの質という点では、プラ
ズマを大面積で均一にするため、第一の静磁場発生手段
による強磁場中で生成されたプラズマを、第二の静磁場
発生手段による表面磁場に囲まれた弱磁場領域に拡散さ
せているので、大多数の生成イオンが磁場を横切ること
になり、プラズマ電位の勾配で加速されたイオンが熱化
されるため、イオンは高い。また、磁場中でのサイクロ
トロン半径の相違から、イオン種の分離が生じ、これに
加え、プラズマ処理装置とした場合には、プラズマと同
時に生成されるラジカルが、電磁場によって一様化され
ないため、プラズマ処理が不均一になると云う問題もあ
る。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑み、永久磁石を小形化して安価でかつ磁性膜の加工用
途にも確実に利用することができ、広範囲で均一なプラ
ズマを安定して生成することができるプラズマ処理装置
及びプラズマ処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、内部にプラ
ズマが生成されるプラズマ生成室と、該プラズマ生成室
にプラズマを生成するためのマイクロ波を導入する導波
管と、該導波管の周囲に設けられ、前記マイクロ波との
相互作用によりプラズマを生成するための電子サイクロ
トロン共鳴磁場強度を有する第1の磁場発生手段と、前
記プラズマ生成室の周囲に互いに極性を順次違えて配置
され、カスプ状磁場を形成して前記プラズマを閉じ込め
る第2の磁場発生手段とを備え、前記マイクロ波と第1
の磁場発生手段の磁場により生成されたプラズマを、前
記第2の磁場発生手段のカスプ状磁場の領域に沿って前
記プラズマ生成室内に拡散させると共に、前記カスプ状
磁場によりプラズマ生成室内に閉じ込めること、で達成
される。
【0008】また、上記目的は、前記プラズマ生成室の
側壁に前記導波管を設け、前記マイクロ波を前記プラズ
マ生成室の軸線と直交する方向から導入すると共に、生
成されたプラズマを前記第2の磁場発生手段によるカス
プ状磁場により前記プラズマ生成室内に閉じ込めるこ
と、で達成される。
【0009】本発明では、導波管から導入されたマイク
ロ波と導波管の周囲に配置された第1の磁場発生手段に
よる電子サイクロトロン共鳴磁場との相互作用によりプ
ラズマ生成室内に均一なプラズマを生成し、このプラズ
マを、プラズマ生成室の周囲に互いに極性を順次違えて
配置された第2の磁場発生手段によるカスプ状磁場の領
域に沿って前記プラズマ生成室内に拡散させると共に、
拡散させたプラズマを前記カスプ状磁場により前記プラ
ズマ生成室内に効率的に閉じ込めることができ、これに
より均一で高密度のプラズマを安定的に形成することが
でき、プラズマ処理ができる。
【0010】また、導波管からプラズマ生成室の軸線と
直交する方向から導入されたマイクロ波と、導波管の周
囲に配置された第1の磁場発生手段による電子サイクロ
トロン共鳴磁場との相互作用によりプラズマ生成室内に
均一なプラズマを生成し、このプラズマを、プラズマ生
成室の周囲に互いに極性を順次違えて配置された第2の
磁場発生手段によるカスプ状磁場の領域に沿って前記プ
ラズマ生成室内に拡散させると共に、拡散させたプラズ
マを前記カスプ状磁場により前記プラズマ生成室内に効
率的に閉じ込めることができ、これにより均一で高密度
のプラズマを安定的に形成することができ、プラズマ処
理ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1乃至
図14により説明する。図1乃至図4は本発明の第一の
実施例を示している。
【0012】実施例のプラズマ処理装置は、図4に示す
ように、導波管5と、該導波管5の下流側に連結された
放電室100と、該放電室の下流側に連結された処理室
23とを有している。
【0013】そして、放電室100及び処理室23の双
方を図示しない排気系により真空引きした後、放電室1
00にガス導入手段7からアルゴンガスのような特定ガ
スを導入して放電室内をそのガス雰囲気中にしておき、
ガス雰囲気中で導波管5によりマイクロ波を導入し、放
電室内でマイクロ波放電を起こしてプラズマを生成する
と、生成したプラズマ中から、放電室100と処理室2
3との境界部に設けられたビーム引き出し電極11によ
り、イオンをビームとして引き出し、引き出されたイオ
ンビームが基板20に照射されることにより、基板の表
面を所望形状に形成する。
【0014】導波管5は、ステンレスのような非磁性材
により形成されて横幅の小さい矩形状(横幅27mm,
奥行き96mm)をなしており、途中位置に放電室10
0の気密を保持し得るように誘電体6が設置され、図示
しない上端側から一般的に使用される周波数2.45G
Hzのマイクロ波が導入されると、基本モード(TE10
モード)のマイクロ波のみをその下端側に伝送するよう
になっている。誘電体6は通常では、石英やアルミナ等
のセラミックスからなっている。
【0015】実施例では、前記放電室100として、導
波管5の一部を利用したものであって、電子加熱空間室
部1とプラズマ生成空間室部2とを有して形成されてい
る。電子加熱空間室部1は、図2及び図3に示すよう
に、導波管5内において誘電体6より下流側の位置に形
成された小断面積形状のものであって、導波管5にマイ
クロ波を導入したとき、導波管5内に形成された小断面
形状となることによって電子加熱空間室部を通るマイク
ロ波を強電界にさせるようにしており、前述の如き矩形
をなす導波管5において、軸方向に約30mm程度の長
さをなしている。
【0016】プラズマ生成空間室部2は、ステンレス等
の非磁性材により円形の上壁8aとその周壁8bとを有
して中空に形成され、加熱空間室部より遙かに大きい空
間(内径400mm,高さ200mm)を有して、その
中心軸が加熱空間室部1及び導波管5の中心軸心と一致
している。また電子加熱空間室部1の外周には、第一の
静磁場発生手段としての永久磁石3が配設されている。
該永久磁石3は、残留磁束密度の大きい(約11000
G)サマリウム・コバルト等からなっており、図3に示
すように、導波管5の外周を取り囲むように複数配列さ
れると共に、図2に示すように導波管5の外周において
誘導体6側からその下流端まで軸方向の長さに沿って設
けられ、図1及び図2に網線にて示す如く、マイクロ波
の伝送方向に沿う磁場を形成するようにしている。
【0017】その際、磁場は電子加熱空間室部1内で
は、図2(a)及び(c)に示すように、誘電体6のマ
イクロ波導出部6aにおいて、電子サイクロトロン共鳴
磁場強度(875G)を越える大きさの磁場(本例では
約950G)となり、かつそこから下流側に向かって急
峻に弱くなると共に、電子加熱空間室部1の末端側とプ
ラズマ生成空間室部2との境界付近の点14で0とな
り、さらにプラズマ生成空間室部2に至るそれより下流
側においては磁場の向きが反転するカプス状磁場を形成
し得るように構成されている。
【0018】また、磁場強度が誘電体6のマイクロ波導
出部6aから電子加熱空間室部とプラズマ生成空間室部
との境界付近の点14に立ち下がるまでの距離は、導波
管5に供給されるマイクロ波の波長の長さより小さいこ
とが好ましい。このような磁場を形成する永久磁石3
は、本例では厚み6mm,磁化方向長さ50mm,周長
約300mmの大きさである。
【0019】また、プラズマ生成空間室部2の外周には
第二の静磁場発生手段としての永久磁石4が複数配列さ
れている。これら複数の永久磁石4は、第一の静磁場発
生手段としての永久磁石3と同様の材質からなり、プラ
ズマ生成空間室部2の上壁8aにおいては図3に示すよ
うに、所定の間隔を隔てると共にプラズマ生成空間室部
2の周囲に沿って夫々設けられる第一永久磁石部4a
と、プラズマ生成空間室部2の周壁8bにおいても所定
の間隔をもってかつその周壁8bに沿って夫々設けられ
た第二永久磁石4b部とからなっている。そして、これ
ら永久磁石4の夫々が互いに磁極を反対向きにして配置
されている。
【0020】即ち、上壁8aにおいては図1及び図3に
示すように、第一永久磁石部4aの一番目が永久磁石3
の磁極と逆向きとなるように上部をS極にすると共に下
部をN極とし、第一永久磁石部4aの二番目が前記一番
目の第一永久磁石部4aと逆向きとなるように上部をN
極にすると共に下部をS極とし、また周壁8bにおいて
もそれと同様となるように磁極を違えて第二永久磁石部
4bを順次配列し、これよってプラズマ生成空間室部2
内に多極磁場を形成しつつ、空間の広い範囲を弱磁場領
域としている。
【0021】参考までに述べると、本例ではプラズマ生
成空間室部2の中心部では20G程度、ビーム引き出し
電極11の位置では10G以下となっている。
【0022】なお図1において、符号9は複数の永久磁
石4によって形成される磁力線を表している。
【0023】実施例のプラズマ処理装置は、上記の如き
構成よりなるので、次にその作用について説明する。
【0024】電子加熱空間室部1とプラズマ生成空間室
部2とからなる放電室100がガス雰囲気中にあると
き、導波管5に周波数2.45GHzのマイクロ波を供
給すると、導波管5が基本モードのみを伝送する。この
マイクロ波伝送モードにおける電界方向は導波管5の幅
方向と一致している。
【0025】上記マイクロ波の伝送時、導波管5内にお
いて誘電体6より下流側に電子加熱空間室部1が形成さ
れ、該空間室部1が小断面積となることにより、該電子
加熱空間室部1に強電界のマイクロ波を安定して導入す
ることができる。このような電子加熱空間室部1が小断
面積であると、その周囲に配設された第一の静磁場発生
手段としての永久磁石3を小さい形状にすることがで
き、そのため、従来技術のように大形の永久磁石を用い
ることが不要になる。
【0026】なお、本実施例では、幅27mm,奥行き
96mmからなる導波管5及び長さ約30mmの電子加
熱空間1を用いた場合、マイクロ波入射電力400Wに
対し、マイクロ波電界強度の導波管断面内平均値として
約80V/cmを実現できた。
【0027】そして、永久磁石3は、電子加熱空間室部
1において誘電体6のマイクロ波導出部6aで電子サイ
クロトロン共鳴磁場を越える大きさの磁場を形成すると
共に、そこから電子加熱空間室部1とプラズマ生成空間
室部2との境界付近の点14で磁場強度が0となり、永
久磁石3による磁場強度分布が急峻に減衰することとな
る。そのため、電子サイクロトロン共鳴層12の厚みが
薄く、マイクロ波電界強度当たりの電子加熱能力が小さ
いものとなるものの、電界強度自体を十分強電界にして
いるためにその電子サイクロトロン共鳴層12の位置1
2a〜12cで、マイクロ波のほとんどを電子に吸収さ
せて電子を加熱することができる結果、高エネルギー電
子にさせることができる。
【0028】なお、ここで云う高エネルギー電子と呼ぶ
のは、ガスを電離することが可能でかつ約10eV以上
のエネルギーをもった電子であり、ガスを電離し得ない
程度の電子とは当然異なる。
【0029】また永久磁石3による磁場強度分布曲線
は、図2(c)に示す如く、電子加熱空間室部1におい
て誘電体6のマイクロ波導出部6aとプラズマ生成空間
室部2の境界付近の点14との間で急峻に立ち下がり、
その変化長がマイクロ波波長の長さより小さくなるよう
にしているので、マイクロ波の伝搬,吸収に関わる不安
定要素を極力なくすことができ、高電界のマイクロ波を
確実にかつ安定して得ることができる。
【0030】一般に、電子は強磁場となるところではほ
ぼ磁力線に沿って移動するのであるが、磁場が弱い領域
では磁力線を横断することが容易にできる。そのため、
電子加熱空間室部1においてその末端側では、即ち、電
子加熱空間室部1とプラズマ生成空間室部2との境界付
近の点14に存在する電子は、カスプ状磁場を往来する
ことが可能となる。その場合、電子が電子サイクルトロ
ン共鳴層12のうち、位置12aまたは位置12bの部
分を通過すると、加熱されて高エネルギー化するので、
該高エネルギー化した電子は、上記カスプ状磁場の領域
に沿って拡散し、しかもその領域を動きまわる間に中性
粒子と衝突して電離し、プラズマを生成する。そして、
このとき生成された低エネルギー電子は、多極カスプ状
磁場の領域を移動しているうちに電子加熱空間室部1内
に入り込み、また電子サイクロトロン共鳴層12の位置
12a,12bを通過することによって加熱され、高エ
ネルギー電子となって電離を担うようになるのである。
【0031】その際、永久磁石3が電子加熱空間室部1
とプラズマ生成空間室部2との境界付近の点14で磁場
強度が0となる部分からさらに下流側では図2(a)及
び(c)に示す如く、磁場方向が反転するカスプ状磁場
を形成するので、電子加熱空室部1からプラズマ生成空
間室部2に向かう高エネルギー電子の電流密度は、同図
(b)に示すように電子加熱空間室部1の中心軸状にピ
ークをもったものとなり、そのため、電子加熱空間室部
1から遠ざかる領域、即ちプラズマ生成空間室部2内の
弱磁場領域でのプラズマ生成を促進させることができ
る。
【0032】実験によれば、放電室100のアルゴンガ
ス圧1.0×10-4Torr、マイクロ波投入電力40
0Wの条件で、ビーム引き出し電極位置に350mmの
金属プレートを置いたとき、その金属プレートで捕集さ
れたイオン電流量が3Aとなり、この値は、電子加熱空
間室部1に前記ガス雰囲気中で流れ込む中性ガスの全て
が一価電離されたと仮定したときの電子加熱空間室部で
のイオンの生成量(0.15A)の20倍にもなること
が確認された。
【0033】一般に、高真空(1×10-5〜1×10-3
Torr)下では、電子が中性粒子を電離するのに要す
る平均自由行程が数mから数十mにおよび、高エネルギ
ー電子が中性粒子を電離するまでにプラズマ生成空間室
部2の多極カスプ状磁場に何度も反射されながら弱磁場
領域をランダムに動きまわる。このため、弱磁場領域で
はプラズマが均一に生成される。しかも、プラズマ生成
空間室2の周囲には第二の静磁場発生手段としての永久
磁石が複数配列されると共に、該夫々の隣接する永久磁
石が互いに磁極を違えて配置されることにより、多極カ
スプ状磁場を形成しているので、拡散された高エネルギ
ー電子のみならず、該高エネルギー電子によって生成さ
れたプラズマを効率的に生成空間室部2内に閉じ込めて
おくことができ、高密度のプラズマを確実に形成するこ
とができる。このような弱磁場領域で生成されたプラズ
マは、磁場に影響されることが少なく、イオン種分布が
均一でかつイオン温度の低い良好なものとなる。
【0034】ところで、プラズマ生成空間室部2におけ
る高エネルギー電子及びプラズマの閉じ込め量としては
磁石近傍の磁場が強いほど効率がよいことから、永久磁
石4の間近の部分で電子サイクロトロン共鳴磁場強度以
上に磁場が設定される場合がある。
【0035】しかし本実施例では、上述の如く、導波管
5の誘電体6より下流側に形成された電子加熱空間室部
1とこれの下流側に形成されたプラズマ生成空間室部2
とで放電室100が形成され、電子加熱空間室部1の外
周に配設された永久磁石3により、電子加熱空間室部1
の上流側で強磁場を形成し、そこから下流側に至るに従
い磁場を急峻に立ち下げてカスプ状磁場を形成している
ので、導波管5によってマイクロ波が供給されても、そ
のマイクロ波のほとんどが電子加熱空間室部1で吸収さ
れてしまうことにより、またプラズマ生成空間室部2に
漏れてきたマイクロ波があっても、プラズマ生成空間室
部2内の断面積が遙かに大きく、電界強度が非常に弱い
ものとなることにより、プラズマ生成空間室部2内にお
いて永久磁石4の間近に形成される電子サイクロトロン
共鳴層12での電子加熱はほとんど起きない。
【0036】上述の如く生成されたプラズマ中から図4
に示す如く、ビーム引き出し電極11によってイオンを
引き出し、そのイオンビームを処理室23内の基板20
に照射すると、ビーム引き出し電極位置で磁場の影響が
ほとんどないので、従来技術に比較し、ビーム引き出し
の際に問題となる磁場に起因した絶縁破壊やビームの発
散を防止することができる。また磁場のほとんどない領
域で生成されたプラズマ中のイオンは温度が低く、指向
性の高いブロードイオンビームを得ることができるの
で、図4に示す如きイオンビーム分布形状、即ち広範囲
に渡って均一な分布形状のイオンビームとなる。この結
果、直径300mmの基板20上では、イオンビーム電
流量のばらつきを±5%以下に抑えることができ、極め
て品質の高い処理を施すことができる。
【0037】またさらに、ビーム引き出し電極11位置
では磁場の影響がほとんどないため、イオンビームの外
周から電子を供給する方法で行うことにより、イオンビ
ームの中和が可能となる。
【0038】図5は本発明の第二の実施例を示してい
る。
【0039】本実施例では、第一の磁場発生手段として
永久磁石3のみならず、該永久磁石3の周囲に配設され
たソレノイドコイル13の双方によって構成されてい
る。即ち、この場合の永久磁石3は、前述した第一の実
施例と同形状のものであり、また磁場強度が第一の実施
例のものに比較し、電子加熱空間室部1の軸方向におい
て図5(b)に示す如く、全体的に1割5分程度減少さ
せ、永久磁石3単体では誘電体6のマイクロ波導出部6
aで電子サイクロトロン共鳴磁場強度より若干低くなる
ように構成されている。
【0040】一方、ソレノイドコイル13は、図5
(b)に示す如き磁場成分を有し、この磁場成分を、永
久磁石3による磁場成分に畳重することにより、同図に
太線にて示す如く、誘電体6のマイクロ波導出部6aに
て電子サイクロトロン共鳴磁場強度を越える磁場となる
ように構成されている。従って、永久磁石3とソレノイ
ドコイル13との双方により、電子加熱空間室部1にお
いて誘電体6のマイクロ波導出部6aでは電子サイクロ
トロン共鳴磁場強度以上となる強磁場を形成し、そこか
ら下流側となる電子加熱空間室部1とプラズマ生成空間
室部2との境界付近の点14では急峻に立ち下がって磁
場強度が0となり、さらに下流側では強磁場と方向が異
なるカプス状磁場を形成するようにしている。なお、第
一の静磁場発生手段以外の部分については第一の実施例
と同様の構成であるので、ここではその説明を省略す
る。
【0041】上述の如く、永久磁石3とソレノイドコイ
ル13との双方によって形成される磁場は、永久磁石の
みで第一の静磁場発生手段を構成する第一の実施例に比
較すると、誘電体6のマイクロ波導出部6aでは共に同
様の強磁場となるものの、プラズマ生成空間室部2にお
ける磁場(カスプ状磁場)を第一の実施例よりいっそう
弱い磁場にすることができる。その理由としては、永久
磁石3の残留磁束密度そのものが第一の実施例のそれに
比較して若干小さいものであって、その永久磁石3から
距離的に遠ざかるにつれて磁場が小さくなること、また
永久磁石3の外周位置にソレノイドコイル13を配置す
ることにより、ソレノイドコイル13による磁場と永久
磁石3による磁場がプラズマ生成空間室部2において互
いに打ち消し合うことで磁場を確実に小さくできること
に起因する。そのため、プラズマ生成空間室部2におい
て弱磁場の領域が占める割合をいっそう大きくさせるこ
とができので、プラズマをより均一に生成することがで
きる。
【0042】なお、実施例では、ソレノイドコイル13
が断面寸法50×20mmの銅巻線製のものであって、
単位断面積当たり約2A/mm2の電流を通電させて、
誘電体マイクロ波導出部6aで150G程度の磁場を発
生させるように構成され、比較的小さいもので容易に磁
場を形成することができる。
【0043】図6は本発明の第三の実施例を示してい
る。
【0044】この実施例では、導波管5に設置された誘
電体6の形状に工夫をこらしたものである。即ち、誘電
体6のマイクロ波導出部6aの一部を、マイクロ波の導
出方向に沿ってかつ電子加熱空間室部1に向かって突出
する突起部6bが形成されている。この突起部6bは、
第一の実施例における際電子加熱空間室部1において、
加熱されて高エネルギー化した電子がプラズマ生成空間
室部2に向かうことがないような位置に相当する場所1
cに配置されている。従って、換言すれば、突起部6b
は、プラズマ生成空間室部2に向かって拡散せず、プラ
ズマ生成に寄与しない部分を塞いでいる。
【0045】前記のように、誘電体6の一部として突起
部6aを設けたことで、電子サイクロトロン共鳴層12
の位置12aと12bでの電子の加熱をより有効なもの
とすることができる。実際、1.0×10-4Torrの
アルゴンガス雰囲気中で、マイクロ波投入電力400W
の条件下では、ビーム引き出し電極位置に直径350m
mの金属プレートを置いた場合、該金属プレートから捕
集されたイオン電流量が4.5Aとなることが確認され
た。これは、同一条件のもとでイオン電流量3Aが得ら
れた第一の実施例に比較すると、1.5倍の値であり、
従って、加熱空間室部1ではより高エネルギー化した電
子を得ていると云える。
【0046】なお、突起部6bは電子がプラズマ生成空
間室部2に向かうことがない位置1bをほぼ全面的に塞
いでいるが、図示の如く、プラズマ生成空間室部2に向
かうことがない若干の領域1cを残すと、該領域1cの
存在によってプラズマの点火を容易にしてプラズマ放電
を安定化させることができ、より安定化した高エネルギ
ー電子を得ることができる。なおこの場合、上記領域1
cによりマイクロ波の吸収割合としては、全マイクロ波
電力の1〜2割程度と推定される。
【0047】図7は本発明の第四の実施例を示してい
る。
【0048】この実施例では、第一の実施例における電
子加熱空間室部1において電子がプラズマ生成空間室部
2に向かうことのない位置に相当する場所1cに、導波
管5の内壁の一部を膨出させて突起部5bを形成したも
のである。即ち、この突起部5bは、逆台形形状に形成
された誘電体6の形状に対応し、下流側に沿って次第に
膨出すると共に、その膨出端からそのままの大きさで若
干軸方向に沿う形状をなし、さらにその下流側に至るに
従い電子加熱空間室部1の空間断面積を拡開させた形状
をなしている。このように導波管5の一部によって突起
部5bを形成しても、マイクロ波電力当たりのプラズマ
生成効率を確実に向上させることができ、ビーム引き出
し電極11に直径350mmの金属プレートを置いた場
合、イオン電流量5Aを得ることが確認された。
【0049】但し、第三及び第四の実施例中、放電の安
定化と云う点に関しては第三の実施例の方が良好となっ
た。また、処理室23内における基板20の表面が導電
性材料であって、これをイオンビームエッチング処理し
た場合、その基板表面から導電性の粒子が飛来し、その
飛来した粒子が誘電体6のマイクロ波導出部6aに付着
する結果、マイクロ波の導入が困難となる場合が生じる
が、この飛来粒子の付着抑制効果に関しては、図7に示
す第四の実施例の如く、突起部5bを設けた電子加熱空
間室部2の形状の方がより効果的であった。このような
放電の安定化及び飛来粒子抑制効果は突起部6bと5b
との形状の相違によって異なるものであり、その用途に
応じ選択的に選定すればよい。
【0050】図8及び図9は本発明の第五の実施例を示
している。
【0051】この実施例では、二つの導波管5を用い、
それら二つの導波管5において誘電体6より下流側に夫
々設置された二つの電子加熱空間室部1と、夫々の電子
加熱空間室部1の下流側に共通的に連結された一つのプ
ラズマ生成空間室部2とを有して放電室100を形成し
たものである。なお、その電子加熱空間室部1は第一の
実施例のものと同様の形状であるので、ここではその説
明を省略する。
【0052】一方、前記プラズマ生成空間室部2は、第
一の実施例と異なり、ステンレス等の非磁性材により縦
500mm,横700mm,奥行き200mmの箱型形
状をなしている。そして、プラズマ生成空間室部2の上
壁8aには、二つの電子加熱空間室部1が約300mm
の間隔をおいて夫々設置され、夫々の加熱空間室部1の
外側寸法が互いに同一となっている。また、プラズマ生
成空間室2の上壁8aには、第二の静磁場発生手段とし
ての複数の永久磁石4が、第一の静磁場発生手段として
の永久磁石3の周囲に対し所定間隔をもって、しかも互
いに磁極が反対向きとなるように配列され、またプラズ
マ生成空間室部2の周壁8bにも同様にして複数の永久
磁石が配列され、プラズマ生成空間室部2に磁力線9に
て示す如き弱い多極磁場を形成している。
【0053】この場合、永久磁石4は、永久磁石3と同
様のサマリウム・コバルト製(残留磁束密度約1100
0G)であり、厚みが6mmで磁化方向の長さが20m
mであり、互いに隣接する間隔が30〜80mmであ
る。
【0054】実施例の如き構成では、夫々の電子加熱空
間室部1によって高エネルギー電子が発生し、その高エ
ネルギー電子がプラズマ生成空間室部2に向かって拡散
すると、高エネルギー電子は、その多極磁場の領域を動
きまわる課程において、ガス導入手段7によって供給さ
れているガスと衝突しかつ電離するので、断面積の大き
いプラズマ生成空間室部2であっても、均一かつ高密度
で低イオン温度のプラズマを安定的に生成することがで
きる。従って、本実施例によれば、断面積の大きいプラ
ズマ生成空間室2であっても、プラズマの生成を安定化
することができるので、処理室23が広くかつ大形の基
板20でも確実に処理することができる。
【0055】図10及び図11は本発明による第六の実
施例を示している。
【0056】この場合は、前述した第五の実施例と同様
に複数の電子加熱空間室部1を用いて均一なプラズマ生
成を実施したものである。そして、本実施例において第
五の実施例と異なるのは、周囲が真四角の立方体に形成
されたプラズマ生成空間室部2が形成され、その外周を
構成する各側壁の中央部に電子加熱空間室部1を有する
導波管5が連結されている。プラズマ生成空間室部2
は、例えば幅700mm,高さ250mmの大きさであ
り、これまでの実施例と同様に非磁性材である。電子加
熱空間室部1を有する導波管5は、プラズマ生成空間室
部2の各側壁に対応する4個からなり、何れの軸線とも
プラズマ生成空間室部2の中心軸線に対し直交するよう
に連結されている。なお、導波管5の電子加熱空間室部
1及び永久磁石3は第一の実施例と同様のものである。
【0057】この実施例では、処理室23内の基板20
にイオンビームを照射したとき、処理室23から粒子が
飛来してくるが、その際、各々の導波管5及び電子加熱
空間室部1がプラズマ生成空間室部2に対し直交するよ
うに連結されているので、飛来粒子が導波管5の誘電体
6に付着するのを極力防ぐことができる。その結果、導
電性の基板であっても、イオンビームエッチング加工を
長時間行うことが可能となる。また、プラズマ生成空間
室部2が方形に形成された例を示したが、円形のもので
も同様の効果を得ることができるのは云うまでもない。
【0058】図12及び図13は本発明の第七の実施例
を示している。
【0059】この場合は、導波管5とプラズマ生成空間
室部2とが同一中心軸線上に配置されている。この実施
例では、プラズマ生成空間室部2内に電子を拡散させる
ためのバッフル15が設けられたことを特徴とするもの
である。このバッフル15は導電性のアングル材(一辺
30mm,長さ120mm)からなり、絶縁物製の支持
部材16により、プラズマ生成空間室部2内において電
子加熱空間室部1の中心軸上の中間部に取付けられ、頂
部が図12に示す如く電子加熱空間室部方向を向くよう
に配置されている。そして、バッフル15には負のバイ
アスを印加する手段17が接続されている。該手段17
により0〜100V、好ましくは15〜60Vの負バイ
アスを印加し、電子加熱空間室部1からの高エネルギー
電子がプラズマ生成空間室部2内のバッフル15に当た
ると、図12に示す矢印e−の如く跳ね返ることによ
り、高エネルギー電子をプラズマ生成空間室部2内に広
範囲に渡り拡散させることができるようにしている。
【0060】この実施例によれば、高エネルギー電子を
バッフル15によりプラズマ生成空間室部2内で広範囲
に渡り拡散させることができる。一方、導電性の粒子が
導波管5の誘電体6に付着するのを大幅に抑えることが
できる。このようにバッフル15による電子の拡散効果
は、導電性のバッフルに負のバイアスを印加すればかな
り有効なものとなるが、バッフルを絶縁材で形成して負
バイアスを印加しない場合でもそれなりの効果を有する
ことができる。
【0061】図14は本発明の他の実施例を示してい
る。
【0062】この場合は、プラズマ処理装置に適用した
ものであって、処理に際し、排気系により排気した後、
ガス導入手段によって特定ガスを導入し、所定のガス雰
囲気中としたところで、導波管5によりマイクロ波を導
入することにより、プラズマ生成空間室部2にプラズマ
を発生させ、このプラズマ及びこれに付随して生成され
たラジカルにより、支持台21で無バイアスのまま(或
いは交流または直流バイアスが印加される)、基板20
をプラズマ処理する。該プラズマ処理装置は、一般に、
同一規模のイオン源と比較した場合、より多くのガス流
量を必要とする。
【0063】そこで、本実施例では、プラズマ生成空間
室部2内に多極磁場を形成する永久磁石4a,4bのう
ち、永久磁石4aをこれまでの実施例と同様に上壁8a
に配列する他、永久磁石4bをプラズマ生成空間室部2
の内部に配列する。この場合、永久磁石4bは基板20
を汚染することがなくしかも永久磁石4bが熱影響を受
けることのない断熱シールド材24でシールドされ、図
示しない支持手段によって配列される。そして、永久磁
石4bの間からプラズマ生成空間室部2の排気通路8c
を経てガスを排気することにより、プラズマ生成空間室
部2の排気コンダクタンスを大きくすることができ、大
流量のガスを導入しても高真空とすることができる。こ
のような永久磁石4bはソレノイドコイルを用いた場合
に比較し、コンパクトでかつ自己発熱がないので、前記
支持手段によってプラズマ生成空間室部2内に容易に設
置することができる。このようにして、プラズマ生成空
間室部2には排気通路8cが形成されている。
【0064】プラズマ生成空間室部2の内部に基板20
を設置するが、その際、基板20の位置としてはこれま
で前述した実施例のビーム引き出し電極11の位置に相
当し、電子加熱第一の静磁場発生手段としての永久磁石
3の磁場強度は基本的には第一の実施例或いは第二の実
施例のものと同様であり、また、電子加熱空間室部1の
内部構造は第三,第四の実施例と同様に突起部を設けて
もよい。
【0065】また、これまで前述した実施例において
は、ビームとして引き出したイオン電流量と同量の電子
をプラズマ生成空間室部2のビーム引き出し電極11に
集めなければならないので、該電極11を導電性の材料
で製作する必要があるばかりでなく、プラズマ生成空間
室部2とは別個に処理室23を設ける必要がある。これ
に対し、本実施例ではその必要がなくなり、導波管5,
プラズマ生成空間室2の真空壁,永久磁石4b、支持手
段等のようなプラズマと接する部品全てを、石英等の絶
縁物で覆い、基板20に対する金属汚染を防止すること
が可能となるように構成すれば、プラズマ生成空間室部
2内に基板20をそのまま設置してプラズマ処理するこ
とができる。なお、これら永久磁石4a,4bは隣接す
るものの磁極が互いに反対となるように配列されるのは
勿論である。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、導
波管内に強電界のマイクロ波を安定して導入できるよう
に電子加熱空間室部を設け、該電子加熱空間室部の外周
に配設された第一の静磁場発生手段としての永久磁石
が、誘電体のマイクロ波導出部おいて電子サイクロトロ
ン共鳴磁場強度を越える磁場を形成すると共に、誘電体
のマイクロ波導出部から電子加熱空間室部とプラズマ生
成空間室部との境界部分との間で急峻に磁場が立ち下が
り、さらに電子加熱空間室部とプラズマ生成空間室部と
の境界部分からプラズマ生成空間室部方向に向かうに従
い前記磁場と方向が反転するカスプ状磁場を形成するよ
うに構成したので、永久磁石を小さい形状に形成するこ
とができると共にそれだけ安価になり、加えて、プラズ
マ生成空間室部の周囲には第二の静磁場発生手段とし
て、互いに隣接する永久磁石の磁極が反対となるように
永久磁石が複数配列されているので、プラズマ生成空間
室部で広範囲に渡り均一でかつ高密度のプラズマを確実
に形成でき、磁性膜の加工用途にも確実に利用すること
ができる結果、品質の良好な大面積の処理物を安定的に
得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマ処理装置の第一の実施例
を示す説明用断面図。
【図2】本発明の要部を示す拡大図(a),電子電流密
度とプラズマ生成空間室部との関係を示す説明図
(b),電子加熱空間室部及びプラズマ生成空間室部の
各々の位置における磁場強度分布曲線図(c)。
【図3】プラズマ処理装置の平面図。
【図4】プラズマ処理装置を示す全体概略図。
【図5】本発明によるプラズマ処理装置の第二の実施例
を示す要部の説明図(a),電子加熱空間室部及びプラ
ズマ生成空間室部の各々の位置における磁場強度分布曲
線図(b)。
【図6】本発明によるプラズマ処理装置の第三の実施例
を示す要部の説明図。
【図7】本発明によるプラズマ処理装置の第四の実施例
を示す要部の説明図。
【図8】本発明によるプラズマ処理装置の第五の実施例
を示す説明用断面図。
【図9】図8に示すプラズマ処理装置の平面図。
【図10】本発明によるプラズマ処理装置の第六の実施
例を示す一部破断の説明用正面図。
【図11】図10に示すプラズマ処理装置の平面図。
【図12】本発明によるプラズマ処理装置の第七の実施
例を示す説明用断面図。
【図13】図12のI−I線断面図。
【図14】本発明によるプラズマ処理装置の他の実施例
を示す説明用断面図。
【符号の説明】
1…電子加熱空間室部、1c…電子がプラズマ生成空間
室部に向かうことのない位置、2…プラズマ生成空間室
部、3…第一の静磁場発生手段としての永久磁石、4,
4a,4b…第二の静磁場発生手段としての永久磁石、
5…導波管、5b…導波管の突起部、6…誘電体、6a
…マイクロ波導出部、6b…誘電体の突起部、9…磁力
線、12,12a,12b…電子サイクロトロン共鳴
層、13…ソレノイドコイル、14…電子加熱空間室部
とプラズマ生成空間室部との境界部分、15…バッフ
ル、24…断熱シールド材、20…基板、23…処理
室、100…放電室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊賀 尚 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 夏井 健一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にプラズマが生成されるプラズマ生
    成室と、該プラズマ生成室にプラズマを生成するための
    マイクロ波を導入する導波管と、該導波管の周囲に設け
    られ、前記マイクロ波との相互作用によりプラズマを生
    成するための電子サイクロトロン共鳴磁場強度を有する
    第1の磁場発生手段と、前記プラズマ生成室の周囲に互
    いに極性を順次違えて配置され、カスプ状磁場を形成し
    て前記プラズマを閉じ込める第2の磁場発生手段とを備
    え、 前記マイクロ波と第1の磁場発生手段の磁場により生成
    されたプラズマを、前記第2の磁場発生手段のカスプ状
    磁場の領域に沿って前記プラズマ生成室内に拡散させる
    と共に、前記カスプ状磁場によりプラズマ生成室内に閉
    じ込めることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 内部にプラズマが生成されるプラズマ生
    成室と、該プラズマ生成室にプラズマを生成するための
    マイクロ波を導入する導波管と、該導波管の周囲に設け
    られ、前記マイクロ波との相互作用によりプラズマを生
    成するための電子サイクロトロン共鳴磁場強度を有する
    第1の磁場発生手段と、前記プラズマ生成室の周囲に互
    いに極性を順次違えて配置され、カスプ状磁場を形成し
    て前記プラズマを閉じ込める第2の磁場発生手段とを備
    え、 前記プラズマ生成室の側壁に前記導波管を設け、前記マ
    イクロ波を前記プラズマ生成室の軸線と直交する方向か
    ら導入すると共に、生成されたプラズマを前記第2の磁
    場発生手段によるカスプ状磁場により前記プラズマ生成
    室内に閉じ込めることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 導波管から導入されたマイクロ波と導波
    管の周囲に配置された第1の磁場発生手段による電子サ
    イクロトロン共鳴磁場との相互作用によりプラズマ生成
    室内にプラズマを生成し、このプラズマを、プラズマ生
    成室の周囲に互いに極性を順次違えて配置された第2の
    磁場発生手段によるカスプ状磁場の領域に沿って前記プ
    ラズマ生成室内に拡散させると共に、前記カスプ状磁場
    により前記プラズマ生成室内に閉じ込めることを特徴と
    するプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 導波管からプラズマ生成室の軸線と直交
    する方向から導入されたマイクロ波と、導波管の周囲に
    配置された第1の磁場発生手段による電子サイクロトロ
    ン共鳴磁場との相互作用によりプラズマ生成室内にプラ
    ズマを生成し、このプラズマを、プラズマ生成室の周囲
    に互いに極性を順次違えて配置された第2の磁場発生手
    段によるカスプ状磁場の領域に沿って前記プラズマ生成
    室内に拡散させると共に、前記カスプ状磁場により前記
    プラズマ生成室内に閉じ込めることを特徴とするプラズ
    マ処理方法。
  5. 【請求項5】 被処理基板が配置された放電室内にマイ
    クロ波を導入し、電子を加熱して拡散させて前記被処理
    基板上部のプラズマ生成空間部にプラズマを発生させて
    被処理基板をプラズマ処理する方法において、 前記マイクロ波を、前記被処理基板とプラズマ生成空間
    部との方向に対し直交する方向から導入することを特徴
    とするプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 被処理基板が配置された放電室内にガス
    を導入し、前記放電室内に前記被処理基板の主表面に沿
    った方向からマイクロ波を導入することによってプラズ
    マを発生させ、該プラズマ及びこれに付随して生成され
    たラジカルにより前記被処理基板をプラズマ処理するこ
    とを特徴とするプラズマ処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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