JP2000306522A - 電子銃構体 - Google Patents

電子銃構体

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JP2000306522A
JP2000306522A JP11112298A JP11229899A JP2000306522A JP 2000306522 A JP2000306522 A JP 2000306522A JP 11112298 A JP11112298 A JP 11112298A JP 11229899 A JP11229899 A JP 11229899A JP 2000306522 A JP2000306522 A JP 2000306522A
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focusing electrode
potential
lens
voltage
grid
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Kazunori Sato
和則 佐藤
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的簡単な構造で、低電流供給時から高電流
供給時のすべての範囲で蛍光体スクリーン上に良好なビ
ームスポットを形成し、良好な画像を表示するカラー陰
極線管装置に適用される電子銃構体を提供することを目
的とする。 【解決手段】第8グリッドG8には、相対的に高い高位
の電圧が印加され、第3グリッドG3及び第7グリッド
G7には、相対的に中位の電圧が印加され、第5グリッ
ドG5には、相対的に低位または第3グリッドG3と略
同電位の電圧が印加され、第4グリッドG4及び第6グ
リッドG6には、第3グリッドG3の電位より高く第8
グリッドG8の電位より低い相対的に中高位の電位が印
加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子銃構体に係
り、特に、カラー陰極線管装置に適用される電子銃構体
の、電子ビーム発生部から発生された電子ビームを集束
する集束レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】電子銃構体は、電子ビームを発生する電
子ビーム発生部、および、電子ビームを蛍光体スクリー
ン上に集束する主レンズ部を有している。この主レンズ
部は、複数の電極によって形成され、この主レンズ部の
レンズ性能は、カラー陰極線管装置の性能を左右する重
要な要素となっている。
【0003】主レンズ部は、バイポテンシャル型レンズ
や、ユニポテンシャル型レンズ、あるいは、これらを組
み合わせた特公平1−18536号公報に示されている
クオードラポテンシャル型レンズや、マルチステップフ
ォーカス型レンズなどの複合型レンズ系によって構成さ
れている。
【0004】バイポテンシャル型レンズは、図5の
(a)に示したように、集束電極1および2を有するレ
ンズ系である。カソード側に位置する電極1には、相対
的に低位の電位が印加され、蛍光体スクリーン側に位置
する電極2には、相対的に高位の電位が印加されてい
る。このような構成のバイポテンシャル型レンズの軸上
電位は、図5の(b)に示したように、曲線3に示すよ
うな単調に増加するような分布となる。これら2つの電
極間の電位分布によってレンズを構成している。
【0005】しかしながら、バイポテンシャル型レンズ
で主レンズ部を構成した場合、レンズの球面収差特性が
悪い。このようなレンズを有する電子銃構体を内装した
陰極線管装置のネック部のような相当小さな空間では、
蛍光体スクリーン上の集束ビームスポットを特に高電流
ビームレベルにおいて十分に小さくすることは不可能で
あり、したがって解像度が低下するといった問題が発生
する。
【0006】ユニポテンシャル型レンズは、図6の
(a)に示したように、3個の集束電極4、5、及び6
を有するレンズ系である。カソード側に位置する電極4
及び蛍光体スクリーン側に位置する電極6には、相対的
に高位の同電位が印加され、電極4と電極6との間に位
置する電極5には、相対的に低位の電位が印加されてい
る。このような構成のユニポテンシャル型レンズの軸上
電位は、図6の(b)に示したように、曲線7に示すよ
うなほぼ鞍型をなすような分布となる。これらの電極間
の電位分布によってレンズを構成している。
【0007】しかしながら、ユニポテンシャル型レンズ
で主レンズ部を構成した場合、蛍光体スクリーン上の集
束ビームスポットを小さくすることは可能であるが、こ
のようなレンズを有する電子銃構体を内装した陰極線管
の管内において、放電を起こしやすく、耐電圧特性が劣
化するという欠点がある。
【0008】クオードラポテンシャル型レンズは、図7
の(a)に示したように、少なくとも4つの集束電極す
なわちカソードに近い方から順に配置された第1電極
8、第2電極9、第3電極10、及び第4電極11を有
するレンズ系である。第1電極8及び第3電極10に
は、相対的に中位の同電位が印加され、第2電極9に
は、相対的に低位の電位が印加され、第4電極11に
は、相対的に高位の電位が印加されている。このような
構成のクオードラポテンシャル型レンズの軸上電位は、
図7の(b)に示したように、曲線12に示すような分
布となる。
【0009】このクオードラポテンシャル型レンズで
は、第1乃至第3電極8、9、10によってユニポテン
シャル型の補助レンズ13を形成し、第3乃至第4電極
10、11によってバイポテンシャル型の主レンズ14
を形成し、全体として複合型レンズ系を構成している。
クオードラポテンシャル型のレンズ系を構成する補助レ
ンズ13は、主レンズ14に入射する電子ビームの発散
角を抑える働きがあり、その結果、電流が大きくなった
ときの蛍光体スクリーン上のスポット径を抑えられ、且
つ偏向磁界における偏向中心に入射する電子ビーム径も
抑えられるので、周辺部のフォーカスも良好である。
【0010】しかしながら、クオードラポテンシャル型
レンズ系を有する電子銃構体において、蛍光体スクリー
ン上に集束される電子ビームのスポット形状は、補助レ
ンズ13の性質により大きく影響をうける。すなわち、
補助レンズ13は、ユニポテンシャル型レンズであり、
通常、その倍率は、バイポテンシャル型レンズの倍率よ
りも大きい。したがって、補助レンズ13の作用を強く
すれば、主レンズ部として相対的にユニポテンシャル型
レンズの性質に近くなり、レンズ系全体の倍率が大きく
なるが、主レンズ14に入射する電子ビームは、小さく
なる。
【0011】一般に、電子銃構体の集束レンズによって
集束された電子ビーム径(DT)は、電子光学的に倍率
に依存した電子ビーム径(DX)と球面収差による電子
ビーム径の広がり(DSA)及び電子相互の反撥効果に
よる電子ビーム径の広がり成分(DSC)により、以下
の式で表される。
【0012】 DT=((DX+DSA)2 +DSC2 1/2 ここで、DX=M*dx DSA=1/2*M*CS*α0 3 である。すなわち、DXは、電子光学的倍率Mと仮想物
点の大きさdxとの積であり、DSAは、球面収差係数
CSと倍率Mと電子ビーム発散角α0 の3乗とに比例す
る。
【0013】一般的に、低電流供給時には、蛍光体スク
リーン上の電子ビーム径DTは、DXが支配的であり、
高電流供給時には、蛍光体スクリーン上の電子ビーム径
DTは、DSAが支配的となる。
【0014】よって、クオードラポテンシャル型レンズ
系を有した電子銃構体において、補助レンズ13の作用
を強くすると、低電流供給時には、蛍光体スクリーン上
の電子ビーム径DTは、大きくなり、高電流供給時に
は、蛍光体スクリーン上の電子ビーム径DTは、小さく
なる。
【0015】逆に、補助レンズ13の作用を弱くする
と、主レンズ部として相対的にバイポテンシャル型レン
ズの性質に近くなり、レンズ系全体の倍率は、小さくな
るが、球面収差は、大きくなる。すなわち、補助レンズ
13の作用を弱くすれば、低電流供給時には、蛍光体ス
クリーン上の電子ビーム径DTは、小さくなり、高電流
供給時には、蛍光体スクリーン上の電子ビーム径DT
は、大きくなる。
【0016】以上、クオードラポテンシャル型レンズ系
を有する電子銃構体において、高電流供給時には、補助
レンズ13の作用を強くする必要があるが、前述したよ
うに、倍率Mが大きくなる問題がある。
【0017】また、補助レンズ13は、相対的に中位の
電位が印加される第1及び第3電極8及び10と低位の
電位が印加される第2電極9によって構成されるので、
電子ビームが第1電極8を通過し、第2電極9に至るま
では減速することになり、電子ビームは、第2電極9の
中心部で主レンズ部通過中、最も遅くなる。電子ビーム
は、負電荷であるから、電子ビームは、相互に反掻する
ので、電子ビーム速度が低下すれば、主レンズ14に入
射する電子ビームの物点径は、大きくなる。物点径が大
きくなることから、クオードラポテンシャル型レンズ系
を有する電子銃構体は、電子ビーム径が劣化することに
なる。
【0018】これらのクオードラポテンシャル型レンズ
系を有した電子銃構体を改善するのに、下記の方法が提
案されている。すなわち、特公平7−99673号公報
によれば、補助電極を構成する第1電極8の軸方向に沿
った長さを第2電極9より短くして補助レンズを略ハイ
ポテンシャルレンズとし、レンズの倍率が大きくなるの
を抑えている。しかしながら、この方法では、中位の電
位が印加される電極が短くなるので、電子ビームの加速
が少なく、電子ビーム相互の反撥は、大きくなる。
【0019】電子ビーム相互の反撥を小さくする構造と
して、図8の(a)及び(b)に示したように、補助レ
ンズの中央の第2電極9’と第4電極11’とを電気的
に接続したマルチステップフォーカス型レンズ系がある
が、この場合、補助レンズの中央の第2電極9’に高電
位が印加されるので、ユニポテンシャル型レンズと同様
に耐電圧特性が劣化する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、クオ
ードラポテンシャル型レンズ系を有する電子銃構体で
は、高電流供給時には、蛍光体スクリーン上に集束され
る電子ビーム径を良好にするためには、補助レンズ13
の作用を強くする必要があるが、補助レンズ13の作用
を強くすると、レンズの倍率が大きくなる。また、補助
レンズ領域での電子ビーム速度の低下によって、電子ビ
ーム相互の反撥が大きくなる。これによって、主レンズ
に入射する電子ビームの物点径が大きくなり、蛍光体ス
クリーン上に集束された電子ビームのスポット形状が劣
化する。
【0021】従来の方法では、倍率を改善しても、電子
ビーム相互の反撥が大きくなったり、電子ビーム相互の
反撥を抑えると、耐電圧特性が劣化する問題があり、結
局、蛍光体スクリーン上に集束された電子ビームのスポ
ット形状を改善することができない。このため、蛍光体
スクリーン上に表示される表示画像の品位が劣化する。
【0022】この発明は、上記問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、比較的簡単な構造で、
低電流供給時から高電流供給時のすべての範囲で蛍光体
スクリーン上に良好なビームスポットを形成し、良好な
画像を表示するカラー陰極線管装置に適用される電子銃
構体を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の電子銃構体は、電子
ビームを発生する電子ビーム発生部と、この電子ビーム
を所定のターゲット上に集束させる主レンズ部とを備え
た電子銃構体おいて、前記主レンズ部は、前記電子ビー
ム発生部に近い方から順に配置された第1集束電極、第
2集束電極、第3集束電極、第4集束電極、第5集束電
極、及び第6集束電極を少なくとも備え、前記第6集束
電極には、相対的に高位の電圧が印加され、前記第1集
束電極及び前記第5集束電極には、相対的にほぼ同電位
の中位の電圧が印加され、前記第3電極には、相対的に
低位の電圧または前記第1集束電極とほぼ同電位の電圧
が印加され、前記2集束電極及び前記第4集束電極に
は、前記第1集束電極の電位より高く、且つ前記第6集
束電極の電位より低い相対的に中高位の電圧が印加され
ることを特徴とする。
【0024】この発明の電子銃構体によれば、上記のよ
うな構造にすると、第5集束電極及び第6集束電極によ
って構成される主レンズの電子ビーム発生部側に、第2
集束電極乃至第4集束電極で形成されるユニポテンシャ
ル型の補助レンズの他に、この補助レンズの電子ビーム
発生部側に、第1集束電極と第2集束電極との間及び第
4集束電極と第5集束電極との間の2個所にバイポテン
シャル型の補助レンズを形成することができる。
【0025】このため、ユニポテンシャル型の補助レン
ズを弱めることができ、レンズ系全体の倍率が大きくな
ることを防止できる。
【0026】また、第2集束電極及び第4集束電極に印
加される電圧は、第1集束電極に印加される電圧より高
位であるため、第2集束電極から第4集束電極で構成さ
れるユニポテンシャル型の補助レンズ領域の軸上電位を
上げることができる。これにより、電子ビーム相互の反
撥を従来より抑えることができる。
【0027】したがって、比較的簡単な構造であって
も、低電流供給時から高電流供給時のすべての範囲で蛍
光体スクリーン上に良好なビームスポットを形成するこ
とが可能となり、良好な画像を表示することが可能とな
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、この発明の電子銃構体の一
実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】図1に示すように、この電子銃構体が適用
されるカラー陰極線管装置は、水平方向Hに一列配置さ
れた3電子ビームを放出するインライン型電子銃構体を
備えた、いわゆるインライン型カラー陰極線管装置であ
る。
【0030】このインライン型カラー陰極線管装置は、
パネル101と、ネック105と、パネル101とネッ
ク105とを接続するファンネル102と、からなる外
囲器を有している。
【0031】パネル101は、水平方向Hに長軸及び垂
直方向Vに短軸を有する略矩形状に形成され、その内面
に、赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞれ発光する
ストライプ状あるいはドット状の3色蛍光体層及びメタ
ルバック層からなる蛍光体スクリーン103(ターゲッ
ト)を備えている。また、このカラー陰極線管装置は、
蛍光体スクリーン103に対向する位置に所定の間隔を
おいて装着されたシャドウマスク104を有している。
このシャドウマスク104は、その内側に、電子ビーム
を通過させるための多数のアパーチャを有している。
【0032】ネック105は、管軸に一致する中心軸を
有する略円筒状に形成され、その内径の断面形状も略円
形である。このネック105は、その内部に、同一水平
面上を通る一列配置の3電子ビーム106B、106
G、106Rを放出する電子銃構体107、いわゆるイ
ンライン型電子銃構体を備えている。
【0033】これら3電子ビーム106G、106B、
106Rは、水平方向Hに一列配置され、管軸方向Zに
平行な方向に沿って放出される。3電子ビームのうち、
センタービームとしての電子ビーム106Gは、ネック
105の中心軸に最も近接した軌道を進行する。また、
一対のサイドビームとしての電子ビーム106B、10
6Rは、センタービーム106Gの両サイドの軌道を進
行する。
【0034】この電子銃構体107は、これら3電子ビ
ーム106R、106G、106Bをそれぞれ蛍光体ス
クリーン103面上においてフォーカスすると同時に、
3電子ビームを蛍光体スクリーン103面上でコンバー
ゼンスする。
【0035】また、このカラー陰極線管装置は、ファン
ネル102の外側に装着された偏向装置108と、ファ
ンネル102の外側に形成された外部導電膜113と、
ファンネル102からネック105の一部にわたる内面
に被着形成された内部導電膜117と、を有している。
内部導電膜117は、陽極電圧を供給する陽極端子に導
通されている。
【0036】このような構造のカラー陰極線管装置で
は、電子銃構体107から放出された3電子ビーム10
6B,106G,106Rは、偏向装置108によって
発生されたピンクッション型の水平偏向磁界およびバレ
ル型の垂直偏向磁界からなる非斉一磁界により、自己集
中しながら偏向され、シャドウマスク104を介して蛍
光体スクリーン103を水平方向H及び垂直方向Vに走
査される。これにより、カラー画像が表示される。
【0037】このカラー陰極線管装置に適用される電子
銃構体107は、図2に示すように、水平方向Hに一列
配置された3個のカソードK(B、G、R)と、これら
のカソードKを各別に加熱する図示しない3個のヒータ
と、これらカソードKから蛍光体スクリーン103に向
かう管軸方向Zに順次配置された第1グリッドG1乃至
第8グリッドG8と、を備え、これらを一対の絶縁支持
体によって一体に支持している。
【0038】第1グリッドG1、及び第2グリッドG2
は、板状の電極であり、その板面に、水平方向Hに一列
配置された3個のカソードKに対応して、3個の略円形
の電子ビーム通過孔を有している。第3グリッドG3
(第1集束電極)、及び第4グリッドG4(第2集束電
極)は、筒状電極であり、その両端面に、3個のカソー
ドKに対応して3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0039】第5グリッドG5(第3集束電極)は、板
状電極であり、その板面に、3個のカソードKに対応し
て3個の電子ビームの通過孔を有している。第6グリッ
ドG6(第4集束電極)、及び第7グリッドG7(第5
集束電極)は、筒状電極であり、その両端面に、3個の
カソードKに対応して3個の電子ビーム通過孔を有して
いる。第8グリッドG8(第6集束電極)は、カップ状
電極であり、その底面に、3個のカソードKに対応して
3個の電子ビーム通過孔を有している。
【0040】この電子銃構体107では、電圧供給手段
としての電圧供給部210により、カソード及び各グリ
ッドに、以下のように電圧が印加されている。
【0041】すなわち、カソードK(B、G、R)に
は、150〜200Vの電圧が印加されている。第1グ
リッドG1は、接地されている。第2グリッドG2は、
第5グリッドに電気的に接続され、これらには、第1レ
ベルの電圧すなわち相対的に低電位の600〜1000
Vの電圧が印加される。第3グリッドG3は、第7グリ
ッドG7に電気的に接続され、これらには、第1レベル
より高い第2レベルの電圧すなわち相対的に中電位の約
7〜10kVの集束電圧が印加される。第8グリッドG
8には、第2レベルより高い相対的に最高電位の約25
〜35kVの電圧すなわち陽極電圧が印加される。
【0042】第4グリッドG4は、第6グリッドG6に
電気的に接続され、これらには、第8グリッドG8に供
給される電圧を約40%に分圧する分圧抵抗器211に
より、第3グリッドG3及び第7グリッドG7に供給さ
れる電圧より高く、第8グリッドG8に供給される電圧
より低い第3レベルの電圧すなわち相対的に中高位の約
10〜20kVの電圧が印加される。
【0043】上述したような電圧を印加することによ
り、カソードK、第1グリッドG1、及び第2グリッド
G2により、3電子ビームを発生しかつ後述する主レン
ズ部に対する仮想物点を形成する電子ビーム発生部20
0が形成される。また、第2グリッドG2、及び第3グ
リッドG3により、電子ビーム発生部200から発生し
た3電子ビームを予備集束するプリフォーカスレンズ2
01が形成される。さらに、第3グリッドG4乃至第8
グリッドG8により、プリフォーカスレンズ201によ
って予備集束された3電子ビームを蛍光体スクリーン上
に集束する主レンズ部202が形成される。
【0044】電圧供給部210が上述したような電圧を
各カソード及び第3乃至第8グリッドに供給することに
より、電子銃構体107の主レンズ部202は、図3の
(a)に示すようなレンズ系によって構成される。ま
た、この電子銃構体107の中心軸すなわち管軸Z上で
の主レンズ部202の相対的な軸上電位は、図3の
(b)に示すような分布となる。
【0045】この主レンズ部202は、1個の主レンズ
15と、3個の補助レンズ16乃至18とによって構成
される。すなわち、主レンズ部202は、第3グリッド
G3と第4グリッドG4との間に形成されるバイポテン
シャル型の第1補助レンズ16と、第4グリッドG4、
第5グリッドG5、及び第6グリッドG6によって形成
されるユニポテンシャル型の第2補助レンズ17と、第
6グリッドG6と第7グリッドG7との間に形成される
バイポテンシャル型の第3補助レンズ18と、第7グリ
ッドG7と第8グリッドG8との間に形成されるバイポ
テンシャル型の主レンズ15と、によって構成される。
【0046】このように、この電子銃構体107の主レ
ンズ部202は、図7の(a)及び(b)に示した従来
のクオードラポテンシャル型レンズ系と比較すると、ユ
ニポテンシャル型の第2補助レンズ17の前側すなわち
電子ビーム発生部側にバイポテンシャル型の第1補助レ
ンズ16と、その後ろ側すなわち蛍光体スクリーン側に
バイポテンシャル型の第3補助レンズ18とを追加して
構成している。すなわち、この主レンズ部202は、バ
イポテンシャル型の補助レンズを2個増加したので、ユ
ニポテンシャル型の第2補助レンズ17のレンズ強度を
弱めることができる。これにより、クオードラポテンシ
ャル型レンズ特有の倍率増加を抑えることができる。
【0047】また、ユニポテンシャル型の第2補助レン
ズ17を形成する第4グリッドG4及び第6グリッドG
6に供給される電位は、フォーカスグリッドに相当する
第7グリッドG7に供給されるフォーカス電位より高
い。このため、第5グリッドG5の管軸方向の長さを短
くすることにより、ユニポテンシャル型の第2補助レン
ズ17の軸上電位を、第7グリッドG7の電位すなわち
フォーカス電位以上とすることができる。
【0048】従来のクオードラポテンシャル型レンズ系
では、図7の(a)及び(b)に示すように、ユニポテ
ンシャル型の補助レンズ13を構成する第2電極9に供
給される電位は、第1電極8及び第3電極10に供給さ
れるフォーカス電位より低位であるため、この補助レン
ズ13の軸上電位の最下点は、必ずフォーカス電極であ
る第3電極10の電位より小さくなる。この補助レンズ
13のレンズ強度を強くするほど、軸上電位の最下点P
が低くなり、ついには第2電極9に供給される電位と同
電位になる。
【0049】クオードラポテンシャル型のレンズ以外の
バイポテンシャル型のレンズやユニポテンシャル型のレ
ンズで主レンズを構成した主レンズ部の軸上電位は、い
わゆるフォーカス電位(バイポテンシャル型レンズで
は、第1電極1の電位、ユニポテンシャル型レンズで
は、第2電極5の電位)より低くはならない。この点が
従来のクオードラポテンシャル型レンズを有する電子銃
構体の仮想物点が劣化している一要因になっている。
【0050】この発明の電子銃構体においては、従来の
クオードラポテンシャル型レンズとは異なり、電子ビー
ムが第1集束電極としての第3グリッドG3を通過して
からは、軸上電位がフォーカス電位と同等か、それ以上
であるため、主レンズ15を通過する電子ビームの速度
が速く、電子ビーム相互の反撥を従来より抑えることが
できる。
【0051】また、この発明では、主レンズ部202に
おける補助レンズ16、17、18の軸上電位は、図5
の(a)及び(b)に示したようなバイポテンシャル型
の主レンズのフォーカス電位以上となることから、クオ
ードラポテンシャルレンズより物点の良好なバイポテン
シャル型主レンズより更に物点の小さい電子ビームを主
レンズ部202の主レンズ15に入射することができ
る。
【0052】上述したように、この発明は、主レンズ部
を構成する補助レンズ数を増やすことにより、主レンズ
を構成するレンズ系全体の倍率を劣化させていたユニポ
テンシャル型の補助レンズのレンズ強度を弱めても、補
助レンズ効果を従来より向上することが可能になる。
【0053】また、主レンズ部を構成する補助レンズ数
を増やすことにより、補助レンズの軸上電位を上昇させ
ることが可能になったため、主レンズ部の主レンズに入
射する電子ビームの物点を小さくすることができる。
【0054】さらに、低電流供給時から高電流供給時に
およぶ全電流域において、蛍光体スクリーン上に集束さ
れる電子ビームのビームスポット形状を良好にすること
ができる。したがって、蛍光体スクリーン上に表示され
る表示画像の品位を向上することが可能となる。
【0055】以上例を挙げて説明したが、この発明は、
他の構成の電子銃構体にも適用することが可能である。
例えば、特開昭60−39741号公報によれば、図4
に示すように、主レンズ部202に含まれる主レンズを
形成する第7グリッドG7と第8グリッドG8との間に
少なくとも1個の中間電極GMを配置した構成の電子銃
構体にも、この発明を適用することは可能である。この
中間電極GMは、第8グリッドG8に供給される電位を
分圧する分圧抵抗器211により、第7グリッドG7の
電位と第8グリッドG8の電位との間の電位が供給され
ている。
【0056】このような構成の電子銃構体であっても、
上述した実施の形態と同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0057】以上述べたように、クオードラポテンシャ
ル型のレンズ系により主レンズ部202を構成した電子
銃構体107において、主レンズ部202の補助レンズ
を形成する第1集束電極G3、第3集束電極G5、及び
第5集束電極G7のそれぞれの間に、フォーカス電位以
上の電位を有する集束電極すなわち第2集束電極G2及
び第4集束電極G4を挿入するとにより、補助レンズ1
6、17、18の軸上電位が上昇し、これらの補助レン
ズを通過する電子ビームの速度を上げることができる。
これにより、電子ビーム相互の反撥を抑えることができ
る。
【0058】また、このような構造により、クオードラ
ポテンシャル型の主レンズ部の倍率成分を劣化させてい
たユニポテンシャル型の補助レンズ17のレンズ強度を
弱めても、他のハイポテンシャル型の補助レンズ16及
び18が形成されるので、主レンズ15に入射する電子
ビームの発散角は、従来と同程度となり、主レンズ部の
倍率成分を改善することができる。
【0059】したがって、蛍光体スクリーン上に集束す
る電子ビームのビームスポット形状を改善することがで
き、表示画像の品位を向上することができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、比較的簡単な構造で、低電流供給時から高電流供給
時のすべての範囲で蛍光体スクリーン上に良好なビーム
スポットを形成し、良好な画像を表示するカラー陰極線
管装置に適用される電子銃構体を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の電子銃構体が適用されるカ
ラー陰極線管装置の構成を概略的に示す水平断面図であ
る。
【図2】図2は、この発明の電子銃構体の構成を概略的
に示す水平断面図である。
【図3】図3の(a)は、図2に示した電子銃構体の主
レンズ部のレンズ構成を示す図であり、図3の(b)
は、(a)に示した主レンズ部の、最高電位を100%
としたときの相対的な軸上電位を示す図である。
【図4】図4は、この発明の他の電子銃構体の構成を概
略的に示す水平断面図である。
【図5】図5の(a)は、バイポテンシャル型レンズの
構成を示す図であり、図5の(b)は、(a)に示した
レンズ系の、最高電位を100%としたときの相対的な
軸上電位を示す図である。
【図6】図6の(a)は、ユニポテンシャル型レンズの
構成を示す図であり、図6の(b)は、(a)に示した
レンズ系の、最高電位を100%としたときの相対的な
軸上電位を示す図である。
【図7】図7の(a)は、クオードラポテンシャル型レ
ンズの構成を示す図であり、図7の(b)は、(a)に
示したレンズ系の、最高電位を100%としたときの相
対的な軸上電位を示す図である。
【図8】図8の(a)は、マルチステップフォーカス型
レンズの構成を示す図であり、図8の(b)は、(a)
に示したレンズ系の、最高電位を100%としたときの
相対的な軸上電位を示す図である。
【符号の説明】
K(R、G、B)…カソード G1…第1グリッド G2…第2グリッド G3…第3グリッド G4…第4グリッド G5…第5グリッド G6…第6グリッド G7…第7グリッド G8…第8グリッド 15…主レンズ 16…第1補助レンズ 17…第2補助レンズ 18…第3補助レンズ 107…電子銃構体 200…電子ビーム発生部 201…プリフォーカスレンズ部 202…主レンズ部 210…電圧供給部 211…分圧抵抗器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームを発生する電子ビーム発生部
    と、この電子ビームを所定のターゲット上に集束させる
    主レンズ部とを備えた電子銃構体おいて、 前記主レンズ部は、前記電子ビーム発生部に近い方から
    順に配置された第1集束電極、第2集束電極、第3集束
    電極、第4集束電極、第5集束電極、及び第6集束電極
    を少なくとも備え、 前記第6集束電極には、相対的に高位の電圧が印加さ
    れ、前記第1集束電極及び前記第5集束電極には、相対
    的にほぼ同電位の中位の電圧が印加され、前記第3電極
    には、相対的に低位の電圧または前記第1集束電極とほ
    ぼ同電位の電圧が印加され、前記2集束電極及び前記第
    4集束電極には、前記第1集束電極の電位より高く、且
    つ前記第6集束電極の電位より低い相対的に中高位の電
    圧が印加されることを特徴とする電子銃構体。
  2. 【請求項2】前記電子銃構体は、前記第6集束電極に供
    給される電圧を分圧する分圧抵抗器を有し、前記第2集
    束電極及び第4集束電極には、前記分圧抵抗器を介し
    て、前記第6集束電極に供給される電圧を分圧した電圧
    が供給されることを特徴とする請求項1に記載の電子銃
    構体。
  3. 【請求項3】前記第5集束電極と前記第6集束電極の間
    には、前記第5集束電極の電位より高く、前記第6集束
    電極の電位より低い電位の電圧を印加した少なくとも1
    個の中間電極を配置したことを特徴とする請求項1に記
    載の電子銃構体。
  4. 【請求項4】前記電子銃構体は、前記第6集束電極に供
    給される電圧を分圧する分圧抵抗器を有し、前記すべて
    の中間電極には、前記分圧抵抗器を介して、前記第6集
    束電極に供給される電圧を分圧した電圧が供給されるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の電子銃構体。
  5. 【請求項5】前記中間電極の少なくとも1個の電極に
    は、前記第2集束電極と略同電位の電圧が供給されるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の電子銃構体。
  6. 【請求項6】前記第2集束電極から前記第6集束電極に
    かけて管軸方向の軸上電位は、前記第1集束電極の電位
    より高いことを特徴とする請求項1に記載の電子銃構
    体。
  7. 【請求項7】電子ビームを発生する電子ビーム発生部
    と、この電子ビームを所定のターゲット上に集束させる
    主レンズ部とを備えた電子銃構体おいて、 前記主レンズ部は、前記電子ビーム発生部に近い方から
    順に、バイポテンシャル型の第1補助レンズと、ユニポ
    テンシャル型の第2補助レンズと、バイポテンシャル型
    の第3補助レンズと、バイポテンシャル型の主レンズと
    によって構成されたことを特徴とする電子銃構体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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