JP2000306241A - 記録方法及び記録再生装置 - Google Patents

記録方法及び記録再生装置

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JP2000306241A
JP2000306241A JP11115414A JP11541499A JP2000306241A JP 2000306241 A JP2000306241 A JP 2000306241A JP 11115414 A JP11115414 A JP 11115414A JP 11541499 A JP11541499 A JP 11541499A JP 2000306241 A JP2000306241 A JP 2000306241A
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Japan
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recording
power
recording medium
irradiation
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JP11115414A
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Yoshihiro Akimoto
義浩 秋元
Fuminori Takase
史則 高瀬
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射率の異なる各種光記録媒体に対しても、
OPCによる最適記録パワー値が精度よく決定できる。 【解決手段】 本発明の記録方法は、最適記録パワー値
を求めるための記録パワー校正領域を有する書き換え可
能な光学記録媒体に、当該光記録媒体を所定の線速度で
回転させながらレーザ光を照射してデータの記録を行う
際に、照射パワーを変化させながら、所定時間Tごとに
レーザ光の発光と消灯とを繰り返すことにより断続的に
上記光学記録媒体にレーザ光を照射し、光学記録媒体に
照射されたレーザ光の反射率を測定し、レーザ光の照射
パワーの変化に対して反射率の変化率が最大となるとき
の照射パワーを検出し、当該照射パワー値に所定の係数
を乗じたパワー値を最適記録パワー値として上記データ
の記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体への
記録方法及び記録再生装置に関する。詳しくは、記録パ
ワー校正領域に照射されたレーザ光に対する反射率を測
定することで、最適記録パワーを決定する、光学記録媒
体の記録方法及び記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、データ記録の分野において、光学
記録方式に関する研究が進められている。この光学記録
方式は、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度
を有するとともに、再生専用型、追記型、書換可能型の
それぞれのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を
有する。このように、光記録方式は、安価な大容量ファ
イルの実現を可能とする記録方式として、産業用から民
生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】上述したような光学記録方式のうち、書き
換え可能型のメモリー形態に対応したものとしては、光
磁気ディスクや、相変化型光ディスク等が挙げられる。
光磁気ディスクでは、磁性材料からなる記録層に高パワ
ーなレーザを照射し、記録層を部分的にキュリー点また
は温度補償点以上に昇温させることによって記録層の保
磁力を小さくし、外部から記録磁界を印加することによ
って記録層の磁化方向を変化させて情報信号が記録さ
れ、また、磁気的に情報信号の読みだしが行われる。一
方、相変化型光ディスクでは、結晶状態と非結晶状態と
の間の相変化が可逆的に生じる相変化材料からなる記録
層を備え、レーザ光等の照射により記録層を昇温させ、
記録層に相変化を生じさせて情報が記録消去され、ま
た、光学的に情報信号の読み出しが行われる。
【0004】このような書き換え可能な光ディスクに情
報を記録及び/又は再生する際には、高品位な信号を記
録するため、実際の信号を記録する前に試し書きを行
い、その後試し書きの部分を再生し、信号品位を調べる
ことにより最適な記録パワーを決定する必要がある。
【0005】この試し書きをする領域を記録パワー校正
領域と呼び、この記録パワー校正領域は、MOやCD−
RW等の各フォーマット毎にディスク上に設けられてい
る。そして、この最適記録パワーを決定する一連の作業
を、オプティマムパワーコントロール(OPC:Optimu
m Power Control)という。
【0006】通常、OPCは以下のような手順で行われ
る。まず、レーザーパワーを数段階に変化させながら、
記録パワー校正領域にテスト用の信号を書き込む。次
に、上記テスト用の信号を再生し、その再生信号のう
ち、記録信号が最も高品位に再生された領域を記録した
パワーを求め、そのときのパワーを最適記録パワーとす
る。
【0007】再生信号の品質評価方法は各種あるが、そ
の一例として、RF信号の最大値と最小値とから算出さ
れる変調度を用いて行う方法について説明する。
【0008】まず、記録パワー校正領域に各記録パワー
で記録されたテスト用信号を再生して、その最大値I
maxと最小値Iminとから、次式により変調度mを算出す
る。
【0009】m=(Imax−Imin)/Imax 次に、求められた変調度mとそのときの記録パワーPと
から、次式によりγを算出する。
【0010】γ=(dm/dP)×(P/m) すると、変調度mとγとは記録パワーに対して図6のよ
うに変化する。そして、図6から、γ=γtargetになる
ときの記録パワーPtargetを求める。そして、この記録
パワーPtargetに係数kをかけた値が最適記録パワー値
optとして決定される。
【0011】Popt=k×Ptarget このようにして決定された最適記録パワー値Poptを用
いて、ユーザー領域に実記録を行うことにより、良好な
再生信号品位を得ることができる。
【0012】つぎに、アシンメトリを用いた方法につい
て述べる。変調度を用いた場合と同様に、記録パワー校
正領域に各記録パワーPで記録されたテスト用信号を再
生して、その信号中の最大出力レベルをIhmax、最小出
力レベルをIhmin、最小振幅信号(最短信号の出力)の
最大出力レベルをIlmax、最小出力レベルをIlminとし
て、次式で表されるアシンメトリαを求める。
【0013】α={(Ihmax+Ilmax)/2−(Ihmin
+Ilmin)/2}/(Ihmax−Ilm in) このように求めたアシンメトリαは、記録パワーに対し
て図7に示すような変化をする。ここでα=αtarget
なる記録パワーP=Ptargetを求めて、これに係数kを
かけて次式のように最適記録パワーPoptが決定され
る。
【0014】Popt=k×Ptarget このようにして決定された最適記録パワー値Poptを用
いて、ユーザー領域に実記録を行うことにより、良好な
再生信号品位を得ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような、変調度の変化から最適記録パワーを決定する
方法でOPCを行う従来の記録再生装置では、記録がで
き始める低い記録パワー領域においてOPCを行ってい
る。そのため、従来の記録再生装置では、スキューやデ
フォーカス等の影響で、変調度の変化に周内で大きなム
ラが生じる場合があり、最適記録パワー値の精度が低下
するという問題があった。
【0016】そこで、最近では、特開平4−21272
1号公報等で報告されているように、連続照射パワーで
記録膜の溶融ポイントを測定するOPCが提案されてい
る。
【0017】この方法は、複数の異なるパワー値で連続
的な光照射を行い、この後、記録膜の反射率を測定し、
前記パワー値の変化に対して前記測定結果の変化が最大
になるパワー値を基準パワー値とし、この基準パワー値
に一定の値を乗ずることにより最適な記録パワー値とす
るものである。
【0018】上述の公報に記載されているOPCでは、
反射率が下がりきった状態が連続する領域に、反射率測
定時にフォーカスやトラッキングのサーボをかける必要
があり、反射率の異なる各種光記録媒体でこの動作を確
実に行うことが非常に困難であった。
【0019】本発明はこのような従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、反射率の異なる各種光記録媒体に
対しても、OPCによる最適記録パワー値が精度よく決
定できる記録方法及び記録再生装置を提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の記録方法は、最
適記録パワー値を求めるための記録パワー校正領域を有
する書き換え可能な光学記録媒体に、当該光記録媒体を
所定の線速度で回転させながらレーザ光を照射してデー
タの記録を行う際に、照射パワーを変化させながら、所
定時間Tごとにレーザ光の発光と消灯とを繰り返すこと
により断続的に上記光学記録媒体にレーザ光を照射し、
上記光学記録媒体に照射された上記レーザ光の反射率を
測定し、上記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記
反射率の変化率が最大となるときの照射パワーを検出
し、当該照射パワー値に所定の係数を乗じたパワー値を
最適記録パワー値として上記データの記録を行うことを
特徴とする。
【0021】上述したような本発明に係る記録方法で
は、反射率の変化率が最大となるときの照射パワー値を
基準としているので、反射率の異なる各種光記録媒体に
対しても、OPCによる最適記録パワー値が精度よく決
定される。
【0022】また、本発明の記録方法は、最適記録パワ
ー値を求めるための記録パワー校正領域を有する書き換
え可能な光学記録媒体に、当該光記録媒体を所定の線速
度で回転させながらレーザ光を照射してデータの記録を
行う際に、照射パワーを変化させながら、所定時間Tご
とにレーザ光の発光と消灯とを繰り返すことにより断続
的に上記光学記録媒体にレーザ光を照射し、上記光学記
録媒体に照射された上記レーザ光の反射率を測定し、上
記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記反射率が飽
和するときの照射パワーを検出し、当該照射パワー値に
所定の係数を乗じたパワー値を最適記録パワー値として
上記データの記録を行うことを特徴とする。
【0023】上述したような本発明に係る記録方法で
は、反射率が飽和するときの照射パワー値を基準として
いるので、反射率の異なる各種光記録媒体に対しても、
OPCによる最適記録パワー値が精度よく決定される。
【0024】また、本発明の記録再生装置は、最適記録
パワー値を求めるための記録パワー校正領域を有する書
き換え可能な光学記録媒体に、当該光記録媒体を所定の
線速度で回転させながらレーザ光を照射してデータの記
録及び/又は再生を行う記録再生装置にであって、レー
ザ光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子を有し上
記光学記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照射手段
と、上記レーザ光照射手段で上記光学記録媒体に照射さ
れたレーザ光の反射率を測定する反射率測定手段とを備
える。そして、本発明の記録再生装置は、上記レーザ光
照射手段で、照射パワーを変化させながら、所定時間T
ごとにレーザ光の発光と消灯とを繰り返すことにより断
続的に上記光学記録媒体にレーザ光を照射し、上記反射
率測定手段で、上記光学記録媒体に照射された上記レー
ザ光の反射率を測定し、上記レーザ光の照射パワーの変
化に対して上記反射率の変化率が最大となるときの照射
パワーを検出し、当該照射パワー値に所定の係数を乗じ
たパワー値を最適記録パワー値として上記データの記録
を行うことを特徴とする。
【0025】上述したような本発明に係る記録再生装置
では、反射率の変化率が最大となるときの照射パワー値
を基準としているので、反射率の異なる各種光記録媒体
に対しても、OPCによる最適記録パワー値が精度よく
決定される。
【0026】また、本発明の記録再生装置は、最適記録
パワー値を求めるための記録パワー校正領域を有する書
き換え可能な光学記録媒体に、当該光記録媒体を所定の
線速度で回転させながらレーザ光を照射してデータの記
録及び/又は再生を行う記録再生装置であって、レーザ
光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子を備え、上
記光学記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照射手段
と、上記レーザ光照射手段で上記光学記録媒体に照射さ
れたレーザ光の反射率を測定する反射率測定手段とを備
える。そして、本発明の記録再生装置は、上記レーザ光
照射手段で、照射パワーを変化させながら、所定時間T
ごとにレーザ光の発光と消灯とを繰り返すことにより断
続的に上記光学記録媒体にレーザ光を照射し、上記反射
率測定手段で、上記光学記録媒体に照射された上記レー
ザ光の反射率を測定し、上記レーザ光の照射パワーの変
化に対して上記反射率が飽和するときの照射パワーを検
出し、当該照射パワー値に所定の係数を乗じたパワー値
を最適記録パワー値として上記データの記録を行うこと
を特徴とする。
【0027】上述したような本発明に係る記録再生装置
では、反射率が飽和するときの照射パワー値を基準とし
ているので、反射率の異なる各種光記録媒体に対して
も、OPCによる最適記録パワー値が精度よく決定され
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。なお、本実施の形態においては、
光記録媒体として、相変化型光ディスクであって、情報
信号部を有する支持体上に形成されている光透過層にレ
ーザ光を照射して信号の記録あるいは読みとりを行う光
ディスクを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定
されるものではないことは言うまでもない。
【0029】図1は、本実施の形態に係る記録再生装置
の一構成例を示すブロック図である。この記録再生装置
1は、光ディスク10を回転駆動させるモータ2と、光
ディスク10への信号の書き込み又は読み出しを行う光
ピックアップ3と、光ピックアップ3の位置を制御する
サーボ信号処理系4と、光ピックアップ3で光ディスク
10から読み出された情報信号を処理するRF信号処理
系5とを備える。
【0030】光ピックアップ3から出力された信号はサ
ーボ信号処理系4とRF信号処理系5とに入力される。
サーボ信号処理系4に入力された信号S1は、光ピック
アップ3の位置制御のための演算が行われる。そして、
サーボ信号処理系4で演算された信号S2は光ピックア
ップ3の位置制御のため、光ピックアップ3に再び入力
される。そして、この信号S2に基づいて、光ピックア
ップ3のサーボ制御が行われる。一方、RF信号処理系
5に入力された信号S3は、読み出されたデータのデコ
ードやエンコードが行われる。
【0031】そして、図2に示すように、このRF信号
処理系5は、反射率を測定する反射率測定系20と、そ
の他の処理を行う処理系21とに大きく分けられる。こ
こでは、反射率測定系20について説明する。この反射
率測定系20は、反射率測定部22と、溶融パワー検出
部23と、記録パワー設定部24とから構成される。
【0032】反射率測定部22は、光ディスク10の記
録パワー校正領域に照射されたレーザ光の戻り光から光
ディスク10の反射率を測定する。反射率測定部22で
検出された反射率についての情報信号S4は、溶融パワ
ー検出部23へと送られる。
【0033】溶融パワー検出部23は、反射率測定部2
2で検出された反射率の導関数から、反射率の変化率が
最大となるときの照射パワーを検出し、この照射パワー
を、光ディスク10の記録膜の溶融パワーPtergetとす
る。溶融パワー検出部23で検出された溶融パワーP
tergetについての情報信号S5は、記録パワー設定部2
4へと送られる。
【0034】記録パワー設定部24は、溶融パワー検出
部23で検出された溶融パワーPte rgetから最適記録パ
ワーPoptを設定する。具体的には、記録パワー設定部
24は、溶融パワーPtergetに記録パワー係数kを乗ず
ることにより最適記録パワーPopt=k×Ptergetを設
定する。この記録パワー係数kは、記録再生装置や光記
録媒体の規格等により決定される。
【0035】記録パワー設定部24で設定された最適記
録パワーPoptについての情報信号S6は光ピックアッ
プ3に送られ、この記録パワーPoptで光ディスク10
への信号の書き込みが行われる。
【0036】つぎに、光ディスク10の反射率の変化を
用いたOPCにより、光ディスク10の最適記録パワー
optを決定した実験例について説明する。なお、ここ
では、光ピックアップの波長λ=655[nm]、光ピ
ックアップ3のレンズ開口数NA=0.60、フォーカ
スサーボのカットオフ周波数Ffo=2.0[kHz]、
トラッキングサーボのカットオフ周波数Fto=2.4
[kHz]、線速度v=4.90m/sの条件を用い
た。
【0037】まず、レーザ光の照射パワーを変化させな
がら、時間Tごとに当該レーザ光の発光と消灯とを繰り
返すことにより断続的にレーザ光を光ディスク10に照
射し、さらに、光ディスク10の反射率を測定し、照射
パワーと光ディスク10の反射率との関係を調べた。
【0038】図3に、照射パワーと光ディスク10の反
射率との関係を示す。図3から、照射パワーが増加する
に伴って、反射率が低下していることがわかる。このと
き、反射率の導関数すなわち変化率が最大になる照射パ
ワーPtergetを光ディスク10の溶融パワーとする。こ
の溶融パワーをもとにして、記録パワー係数kを用いて
最適記録パワーPopt=k×Ptergetを算出することに
なる。
【0039】そして、図3に示される、照射パワーと光
ディスク10の反射率との関係において、反射率の変化
率が最大になる溶融パワーは、Pterget=7.2[m
W]と求められた。そして、このPtergetに記録パワー
係数k=1.69を乗ずることにより、最適記録パワー
が、Popt=7.2×1.69=12.1[mW]と求
められた。
【0040】ここで、Ffo又はFtoのそれぞれの周波数
帯域から考えて、1/(2×Ffo)又は1/(2×
to)以上の長い反射率低下領域が存在すると、レーザ
スポット中に反射率の高い部分が存在しない場合が生じ
ることとなり、安定したサーボ特性を得ることが困難と
なる。従って、安定したサーボ特性を確保できる連続照
射時間Tの上限は、1/(2×Ffo)又は1/(2×F
to)の短いほうの時間ということになる。
【0041】具体的には、上記の測定例で用いたピック
アップのカットオフ周波数は、Ffo=2.0[kH
z]、Fto=2.4[kHz]である。従って、フォー
カスサーボについては、1/(2[kHz]×2)=2
50[μsec]以上の長い反射率低下領域が存在する
と、安定したサーボ特性を得ることが困難となる。ま
た、トラッキングサーボについては、1/(2.4[k
Hz])=208[μsec]以上の長い反射率低下領
域が存在すると、安定したサーボ特性を得ることが困難
となる。
【0042】従って、安定したサーボ特性を確保できる
連続照射時間Tの上限は、250[μsec]と208
[μsec]の短いほうの時間をとって208[μse
c]となる。なお、実際の連続照射時間の上限は、20
0[μsec]程度とすればよい。
【0043】また、ピックアップの光学パラメータから
考えると、記録膜上に形成されるビームスポット径は、
λ/NAで表される。光ディスク10の記録膜におい
て、溶融する領域の長さがビームスポット径以上、すな
わちλ/NA以上であれば、ビームスポットの全径に亘
って記録膜の溶融する領域が存在することとなり、感度
よく溶融パワーを検出することができるとともに、再生
時の信号振幅を最大にとることが可能となる。
【0044】溶融する領域の長さがビームスポット径よ
りも短いと、ビームスポット内に記録膜の溶融する領域
と溶融しない領域とが並存することとなる。溶融パワー
の検出は、ビームスポット内の全体として行われるた
め、ビームスポット内に、記録膜の溶融する領域と溶融
しない領域とが並存すると、求められる溶融パワーは平
均化された値となり、正しい値を検出することができな
い。
【0045】従って、感度よく溶融パワーを検出するこ
とができる連続照射時間の下限は、レーザ光がビームス
ポット径と略等しい長さを通過する時間、すなわち、線
速度をvとしたときにλ/NA/vということになる。
【0046】具体的に、上記の測定例では、記録膜上の
ビームスポットサイズは、λ/NA=655[nm]/
0.60=1.09[μm]となり、溶融する領域の長
さが1.09[μm]以上であれば、再生時の信号振幅
を最大にとることが可能となる。そして、感度よく溶融
パワーを検出することができる連続照射時間Tの下限
は、v=4.90m/sから、λ/NA/v=1.09
[μm]/4.90[m/s]=0.22[μsec]
となる。
【0047】以上述べたように、OPC時の線速をvと
それぞれすると、以下のような時間T毎に照射レーザ光
の発光と消灯とを繰り返すことで、十分なサーボ特性を
確保できるとともに、感度よく溶融パワーを検出するこ
とが可能となる。なお、下記式中、Fは、FfoとFto
うち、大きいほうを示す。
【0048】1/(2×F)≧T≧λ/NA/v 具体的に、上記の測定例においては、連続照射時間T
を、0.22[μsec]≧T≧200[μsec]の
範囲とするときに、十分なサーボ特性を確保できるとと
もに、感度よく溶融パワーを検出することができること
となる。
【0049】そして、光ディスク10について、記録パ
ワーとジッターとの関係を測定した結果を図4に示す。
図4より、ジッターは、記録パワーに対応して変化し、
12[mW]付近で最小値をとっていることがわかる。
上述したOPCにより求められた最適記録パワーPopt
は12.1[mW]であることから、求められたPopt
付近でジッターが最小となり、良好な記録ができること
が確認された。
【0050】なお、上述した実施の形態では、反射率の
変化率が最大となる照射パワーをPtergetとしてPopt
を算出する場合を例に挙げて説明したが、図5に示すよ
うに、反射率が飽和、すなわち、照射パワーを変化させ
ても、それ以上反射率の変化がみられない照射パワーを
tergetとしてPoptを算出してもよい。ここで、図5
では、光ディスク10の反射率が飽和する照射パワーP
tergetは9.0[mW]となる。そして、この照射パワ
ーPtergetに記録パワー係数kを乗ずることにより最適
記録パワーPopt=k×Ptergetが設定される。
【0051】また、上述した実施の形態では、記録膜が
溶融することで、反射率が低下する場合を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、記
録膜が溶融することで、反射率が増加する場合にも同様
に適用可能である。
【0052】
【発明の効果】本発明では、反射率の変化率からP
tergetとして最適記録パワー値Poptを求めているの
で、反射率の異なる各種光記録媒体に対しても、OPC
による最適記録パワー値を精度よく決定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る記録再生装置の一構成例を示すブ
ロック図である。
【図2】図1のRF信号処理系の中に設けられた反射率
測定系の一構成例を示すブロック図である。
【図3】照射パワーと反射率との関係を示す図である。
【図4】照射パワーとジッター値との関係を示す図であ
る。
【図5】照射パワーと反射率との関係を示す図である。
【図6】従来のOPCにおいて、記録パワーと、変調度
m及びγとの関係を示した図である。
【図7】従来のOPCにおいて、記録パワーと、アシン
メトリαとの関係を示した図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置、 2 モータ、 3 光ピックアッ
プ、 4 サーボ信号処理系、 5 RF信号処理系、
10 光ディスク、 20 反射率測定系、22 反
射率測定部、 23 溶融パワー検出部、 24 記録
パワー設定部
フロントページの続き Fターム(参考) 5D090 BB04 CC01 CC05 CC18 DD03 DD05 HH01 HH03 KK05 5D119 AA23 BB03 DA09 EC21 HA17 HA36

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最適記録パワー値を求めるための記録パ
    ワー校正領域を有する書き換え可能な光学記録媒体に、
    当該光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザ
    光を照射してデータの記録を行う際に、 照射パワーを変化させながら、所定時間Tごとにレーザ
    光の発光と消灯とを繰り返すことにより断続的に上記光
    学記録媒体にレーザ光を照射し、 上記光学記録媒体に照射された上記レーザ光の反射率を
    測定し、 上記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記反射率の
    変化率が最大となるときの照射パワーを検出し、当該照
    射パワー値に所定の係数を乗じたパワー値を最適記録パ
    ワー値として上記データの記録を行うことを特徴とする
    記録方法。
  2. 【請求項2】 上記レーザ光の波長をλとし、当該レー
    ザ光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子の開口数
    をNAとし、フォーカスサーボのカットオフ周波数とト
    ラッキングサーボのカットオフ周波数のうち大きいほう
    のカットオフ周波数をFとし、及び線速度をvとすると
    き、上記所定時間Tを、以下に示す範囲とすること 1/(2×F)≧T≧λ/NA/v を特徴とする請求項1記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 最適記録パワー値を求めるための記録パ
    ワー校正領域を有する書き換え可能な光学記録媒体に、
    当該光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザ
    光を照射してデータの記録を行う際に、 照射パワーを変化させながら、所定時間Tごとにレーザ
    光の発光と消灯とを繰り返すことにより断続的に上記光
    学記録媒体にレーザ光を照射し、 上記光学記録媒体に照射された上記レーザ光の反射率を
    測定し、 上記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記反射率が
    飽和するときの照射パワーを検出し、当該照射パワー値
    に所定の係数を乗じたパワー値を最適記録パワー値とし
    て上記データの記録を行うことを特徴とする記録方法。
  4. 【請求項4】 上記レーザ光の波長をλとし、当該レー
    ザ光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子の開口数
    をNAとし、フォーカスサーボのカットオフ周波数とト
    ラッキングサーボのカットオフ周波数のうち大きいほう
    のカットオフ周波数をFとし、及び線速度をvとすると
    き、上記所定時間Tを、以下に示す範囲とすること 1/(2×F)≧T≧λ/NA/v を特徴とする請求項3記載の記録方法。
  5. 【請求項5】 最適記録パワー値を求めるための記録パ
    ワー校正領域を有する書き換え可能な光学記録媒体に、
    当該光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザ
    光を照射してデータの記録及び/又は再生を行う記録再
    生装置において、 レーザ光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子を備
    え、上記光学記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照
    射手段と、 上記レーザ光照射手段で上記光学記録媒体に照射された
    レーザ光の反射率を測定する反射率測定手段とを備え、 上記レーザ光照射手段で、照射パワーを変化させなが
    ら、所定時間Tごとにレーザ光の発光と消灯とを繰り返
    すことにより断続的に上記光学記録媒体にレーザ光を照
    射し、 上記反射率測定手段で、上記光学記録媒体に照射された
    上記レーザ光の反射率を測定し、 上記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記反射率の
    変化率が最大となるときの照射パワーを検出し、当該照
    射パワー値に所定の係数を乗じたパワー値を最適記録パ
    ワー値として上記データの記録を行うことを特徴とする
    記録再生装置。
  6. 【請求項6】 上記レーザ光の波長をλとし、上記光学
    素子の開口数をNAとし、フォーカスサーボのカットオ
    フ周波数とトラッキングサーボのカットオフ周波数のう
    ち大きいほうのカットオフ周波数をFとし、及び線速度
    をvとするとき、上記所定時間Tは、以下に示す範囲で
    あること 1/(2×F)≧T≧λ/NA/v を特徴とする請求項5記載の記録再生装置。
  7. 【請求項7】 最適記録パワー値を求めるための記録パ
    ワー校正領域を有する書き換え可能な光学記録媒体に、
    当該光記録媒体を所定の線速度で回転させながらレーザ
    光を照射してデータの記録及び/又は再生を行う記録再
    生装置において、 レーザ光を上記光学記録媒体上に集光する光学素子を備
    え、上記光学記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照
    射手段と、 上記レーザ光照射手段で上記光学記録媒体に照射された
    レーザ光の反射率を測定する反射率測定手段とを備え、 上記レーザ光照射手段で、照射パワーを変化させなが
    ら、所定時間Tごとにレーザ光の発光と消灯とを繰り返
    すことにより断続的に上記光学記録媒体にレーザ光を照
    射し、 上記反射率測定手段で、上記光学記録媒体に照射された
    上記レーザ光の反射率を測定し、 上記レーザ光の照射パワーの変化に対して上記反射率が
    飽和するときの照射パワーを検出し、当該照射パワー値
    に所定の係数を乗じたパワー値を最適記録パワー値とし
    て上記データの記録を行うことを特徴とする記録再生装
    置。
  8. 【請求項8】 上記レーザ光の波長をλとし、上記光学
    素子の開口数をNAとし、フォーカスサーボのカットオ
    フ周波数とトラッキングサーボのカットオフ周波数のう
    ち大きいほうのカットオフ周波数をFとし、及び線速度
    をvとするとき、上記所定時間Tは、以下に示す範囲で
    あること 1/(2×F)≧T≧λ/NA/v を特徴とする請求項7記載の記録再生装置。
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