JP2000306240A - 情報記録方法並びにこの情報記録方法を用いた情報記録媒体及び情報再生装置 - Google Patents

情報記録方法並びにこの情報記録方法を用いた情報記録媒体及び情報再生装置

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JP2000306240A
JP2000306240A JP11111959A JP11195999A JP2000306240A JP 2000306240 A JP2000306240 A JP 2000306240A JP 11111959 A JP11111959 A JP 11111959A JP 11195999 A JP11195999 A JP 11195999A JP 2000306240 A JP2000306240 A JP 2000306240A
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Hisao Osawa
日佐雄 大澤
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ROM等情報記録媒体の情報記録密度を倍
増させる。 【解決手段】 被記録媒体に波長λの光を照射し、その
透過光又は反射光の光の強度変化を利用して情報の記録
及び再生を行う情報記録方法に於いて、情報の記録単位
であるピットに幅a<λなるスリット又はグレーティン
グをピット毎に異なる直交方向に形成して情報記録媒体
を構成する。また、情報再生装置の照明光学系はピット
に形成されたスリット等に平行又は垂直方向の直線偏光
の光を照射し、あるいは前記2種のスリット等に対して
45度の角度を成して直線偏光の光を照射し、検出光学系
はピットに形成されたスリット等の形成方向がいずれの
方向であるかを検出する。従って、従来のピットの有無
(2値)に加えて更に2種のピット情報を検出させること
ができ、情報記録密度を倍増させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル・ビデオ
・ディスク(DVD)やデジタル・オーディオ・ディスク
(DAD)、レーザメモリーなどの様に光を利用して情報
を記録再生する情報記録に関し、特に透過光又は反射光
の光強度変化を利用して情報を再生する情報記録方法並
びにこの方法を利用した情報記録媒体及び情報再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光を用いて情報を再生するデジタル・ビ
デオ・ディスク(以下「DVD」と表記する。)やデジ
タル・オーディオ・ディスク(いわゆるコンパクト・デ
ィスクをいい、以下「CD」と表記する。)などの光R
OMは、その記録密度の高さや情報検索等の情報処理速
度の速さ、非接触再生であることによる長期信頼性の高
さ、量産効率が高いことなどから、映像信号や音声信号
のみならず文字や図形等の情報記録媒体として広く用い
られている。
【0003】上記DVDやCDに記録された情報の再生
方式は、ディスクのトラックに沿ってレーザ光を収束照
射し、このトラック上に形成された平面視楕円形の凸状
突起又は凹状溝形状の単位記録領域(以降「ピット」と
いう。)の有無、ピット間隔、ピット長さ等を、反射さ
れ又は透過するレーザ光の光量変化により検出し、これ
をデジタル信号に復調(デコード)することにより再生
する。
【0004】ここで、前記ピットの突起高さ、あるいは
溝の深さは、レーザ光の干渉効果が最大となる寸法であ
り、波長λのレーザ光がピットに到達するまでの基板の
屈折率環境に於いて、反射形の場合にはλ/4(透過形
の場合にはλ/2)となるよう形成される。そして、反
射形では上記ピットを含む基板全体にアルミ等金属の反
射膜が蒸着形成され裏面側に保護膜が形成されて情報記
録面の一面が構成される。
【0005】この様にして構成された情報記録面に集光
照射されるレーザ光のうち、ピットのない領域に集光照
射されたレーザ光は反射膜で全反射され、一方このピッ
トを含む領域に集光照射されたレーザ光はピット周辺で
反射されたレーザ光とピット部分で反射したレーザ光と
の位相差(透過形ではピット部を透過するレーザ光とピ
ット周辺部を透過するレーザ光の位相差)がλ/2とな
り、互いにうち消しあって反射強度を低下させる。従っ
て、この様な反射光又は透過光の強度変化を検出するこ
とによりピットの有無(2値)を検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この様な方式で記録再
生される光ROMに於いて、記録密度を高め記録媒体と
しての記録容量を増大させるためには、単純には上記記
録単位であるピットの大きさを空間的に小さく構成して
やればよいわけであるが、この方法で記録密度を増大さ
せるためには、ピット情報を検出するレーザ光のスポッ
トサイズを小さくする必要が生じる。
【0007】ここで、光の集光スポットサイズ(ビーム
ウェスト径)ωは、用いるレーザ光の波長をλ、レンズ
の開口数をNAとしたときにω∝λ/NAなる関係にあ
ることから、ωを小さくするためには、再生に用いるレ
ーザ光の波長λを小さくするか、又はレンズ系の開口数
NAを大きくすることが必要となる。
【0008】しかし、再生光の波長λについては、レー
ザディスクに用いられているHe-Neレーザ(気体レー
ザ)の発振波長λ=630nmより短波長領域の小型半導体レ
ーザは、発振寿命や雑音特性などの信頼性の問題、生産
歩留まりなどの点から未だ民生機器に広範に使用できる
状態になく、また非線形光学結晶の2次高調波発生を利
用して短波長化する方法も、使用可能なレンズ材質等が
限定されてくることや生産コスト等の面から直ちに使用
できる状態ではない。
【0009】また、レンズ系の開口数NAは、その値が
大きいほどスポットサイズωを小さくできるが、一方で
スポット位置の焦点深度DfはDf=λ/NA2で表され
ることから、NA値を大きくした場合にはスポットサイ
ズを微小化できる反面、同時に焦点深度が浅くなってし
まうことを意味する。このため通常はこれら両者の兼ね
合いから0.5〜0.6程度が適当とされており、現在の光デ
ィスク光学系のNA値は既に0.6程度であることから、
開口数NAを大きくすることによって記録密度を大幅に
増大させることは困難である。
【0010】従って、光ROMの記録密度を現在より高
め記録媒体としての記録容量を増大させるために、単純
にピットの空間的大きさを小さくするという方法は現実
的に困難であり、ピットの大きさを変化させることなく
記録密度を向上させることができる情報記録・再生方法
の開発が求められていた。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みて成されたもの
であり、情報記録を行う記録単位であるピットの大きさ
を変化させることなく情報記録密度を倍増させる方法を
提案するとともに、この方法を用いて情報量を倍増させ
た情報記録媒体と、これを再生する情報再生装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、被記録媒体に波長λの光を照射し、そ
の透過光又は反射光の光の強度変化を利用して情報の記
録及び再生を行う情報記録方法に於いて、情報の記録単
位である単位記録領域(例えば実施形態に於けるピット
P)に波長λより小さな幅a(すなわち、a<λ)のス
リット又はグレーティング(例えば実施形態に於けるス
リット又はグレーティング10)を形成することにより
情報記録を行い、また、この様な単位記録領域を有して
情報記録媒体(例えば実施形態に於ける光ROMディス
ク6)を構成する。
【0013】なお、単位記録領域に形成されるスリット
又はグレーティングの形成方向は、スリット等の形成さ
れる一部の単位記録領域毎に異なる複数の方向に形成す
ること、例えば互いに直交する2方向であることが好ま
しい。
【0014】そして、上記記録された情報記録媒体を再
生する情報再生装置は、情報記録媒体の情報記録単位で
ある単位記録領域に光を照射する照射光学系(例えば実
施形態に於ける半導体レーザ1、コリメートレンズ系
2、集光光学系5等)と、照射された単位記録領域から
の透過光又は反射光の光強度を検出する検出光学系(例
えば実施形態に於ける偏光ビームスプリッタ9、ディテ
クタ7a,7b等)と、記録媒体の単位記録領域をトレー
スするための駆動光学系(例えば実施形態に於ける駆動
系4、集光光学系5)とを備え、透過光又は反射光の強
度変化を検出することにより単位記録領域に記録された
情報の再生を行う情報再生装置に於いて、前記照明光学
系は単位記録領域に形成されたスリット又はグレーティ
ングのいずれかの形成方向に対して平行又は垂直方向の
直線偏光の光を照射し、前記検出光学系は記録媒体の一
部の単位記録領域に形成されたスリット又はグレーティ
ングの方向が前記照射された直線偏光の光に対して平行
であるか垂直であるかを検出するよう構成する。
【0015】また、上記同様の情報再生装置に於いて、
前記照明光学系は、一部の単位記録領域毎に互いに直交
する2方向のいずれか1方向に形成されたスリット又は
グレーティングの形成方向に対して各々45度の角度を
成して入射する直線偏光の光を照射し、前記検出光学系
は、前記直交する2つの方向についてそれぞれの偏光成
分を分離して検出することにより、記録媒体の一部の単
位記録領域に形成されたスリット又はグレーティングの
方向を検出することにより情報再生装置を構成する。
【0016】すなわち、上記手段は情報記録を行い再生
する情報記録媒体の単位記録領域に波長λより小さい幅
a(すなわち、a<λ)のスリット又はグレーティング
(以下「スリット等」という。)を形成し、この情報記
録媒体を再生するときにスリット等に対して所定方向の
直線偏光の光を照射してその透過光若しくは反射光の光
強度の変化を光検出器で捉えることによりスリット等の
有無及びスリット等の方向を検出し、これにより多値の
記録再生を行う。従って、単位記録領域の空間的大きさ
を変化させることなく単位記録領域当たりの記録密度を
増加させることができるものである。以下この原理につ
いて説明する。
【0017】一定方向に電界の波面を持つ直線偏光の光
が金属で形成された狭いスリットに入射するとき、透過
する光はスリットの向きとそのスリット幅とによって変
化することが知られている。今、スリット幅をa、光の
波長をλ、スリットから観測点までの距離をrとしたと
き、スリットに平行な偏波面を持つ入射光の透過光強度
とスリットに垂直な偏波面を持つ入射光の透過光強
度Iとは著しく異なった波長依存性を示し、次式で示
される(ゾンマーフェルト 理論物理学講座 第4巻・光
学§39.27)。
【0018】
【数1】
【0019】上記式は、入射波長λに対して充分高い反
射率を有する材質で、幅a<λなるスリットを形成した
ときに、スリットに平行な偏光面を持つ光の方が垂直な
偏光面を持つ光よりも透過光強度が低い(反射光強度が
高い)ことを示しており、従って、この様なスリットを
形成することによりスリットを透過し、又は反射する直
線偏光の光を偏光方向に応じて分離可能であることがわ
かる。また、このことから、スリットの形成方向に特定
角度を成す直線偏光の光を入射させ、その透過光強度又
は反射光強度を検出することにより、スリットの形成方
向を検知可能であることが理解される。
【0020】上記現象は、スリットに変えてグレーティ
ング状の構造であっても光学的に等価に取り扱うことが
可能であり、情報記録媒体の単位記録領域であるピット
表面にスリット又はグレーティング状の構造を設けるこ
とにより、ピットに入射するレーザ光の一つの偏光状態
に対して3段階の反射率を設けることができる。すなわ
ち3値の多値記録が可能となるわけである。
【0021】従って、上記構成のみで情報の記録密度は
従来の2値記録と比較してlog3/log2=1.6倍に増加させ
ることが可能であるが、再生するレーザ光の偏光方向を
複数方向とすることによって更に増加させることができ
る。例えば、直交する2方向の直線偏光を利用し、ある
いは直線偏光を45度入射させて透過光又は反射光を2方
向成分に分離して検出することにより、4値の多値記録
が可能となり、従来の2倍の記録密度を達成することが
できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以降、本発明にかかる情報記録媒
体及び情報再生装置の好ましい実施の形態について図面
を参酌して説明を行う。なお以降の実施例では情報記録
媒体の一例として円盤状の光ROMディスクを反射形で
構成する場合を主要例として説明する。
【0023】まず、従来の光ROMはピットの有無の2
値を基本としているのに対し、本発明の光ROMでは上
記2値に加え、新たに2種類(2方向)のグレーティング
を形成したピットを付加し、前記解決手段の項で説明し
た原理を利用してこの2種類のピットを検出判断するこ
とにより、合計4値の記録・再生を行っている。
【0024】そして、この新たな2種類のピットとは、
再生するレーザ波長λ(例えば630nmや780nm)に対して幅
a<λ(例えばλ/4以下)なるグレーティングを、直交
する方向に形成したものである。本実施例では、この直
交する2つの方向を円盤状光ROMディスクの回転方向
に平行な方向と回転方向に垂直な方向の2方向として設
定し、記録面上に形成している。以降、光ROMディス
ク及び情報再生装置の構成について説明する。
【0025】情報記録媒体の記録原盤(マスター盤)への
記録方法は、例えば図2に示す周知の光ROMマスター
製造工程により製作することができる。本工程につき簡
単に説明すれば、硬質ガラス基板上にレジストを塗布し
(i)、この基板を実時間で回転させながらグレーティン
グを含むピット情報をArレーザやHe-Cdレーザによ
り露光して必要な情報記録を行い(ii)、現像・エッチン
グしてパターンを形成した後(iii),(iv)、レジスト膜を
除去してマスター盤とする。
【0026】そして、上記製作されたマスター盤を用い
て、図3(a)(b)に示す周知の量産工程により光ROMを
製作する。本工程は、マスター盤をスタンパーに取り付
けてプレス成形により記録パターンをメタクリル樹脂
(PMMA)基板やポリカーボネート(PC)基板等に転写
し(i)、転写面にアルミニウムや銀等の反射膜を蒸着形
成し(ii)、余分な反射面を研磨除去した後(iii)、裏面
に保護膜若しくは透明な薄板を接着形成(iv-1)して透過
形又は反射形光ROMディスク6とする(図3(a))。
あるいは、上記(iii)の研磨工程を行わずに裏面に保護
膜を形成し若しくは薄板を接着(iv-2)して反射形光RO
Mディスクとする(図3(b))。
【0027】また、上記一般の光ROM製造工程より更
に信号のS/N比を向上させ、あるいは再生に用いるレ
ーザ波長をより短波長化して更に高密度記録を行うとき
には、図4及び図5(a)(b)に示す半導体製造工程を利用
してマスター盤及び光ROMの製作を行う。
【0028】まず、図4に示すマスター盤の製造工程
は、石英基板やシリコンのSi(111)基板面上にレジスト
を塗布し(i)、ピットとなる記録窓部分を露光・現像・
エッチング・レジスト除去したのち(ii)〜(v)、底面側
にレジスト膜を形成し(vi)、この基板を回転させながら
グレーティングを含むピット情報を前記同様のArレー
ザ等や必要に応じて更に短波長のArFエキシマレー
ザ、KrFエキシマレーザ等を用いて露光して必要な情
報記録を行い(vii)、これを現像・エッチングしてパタ
ーンを形成した後(viii),(ix)、レジスト膜を除去して
マスター盤(マスク若しくはレチクル)とする(x)。
【0029】上記マスター盤を用いて光ROMを製造す
るときには、図5に示す様にPMMA基板やPC基板に
レジストを塗布し(i)、マスター盤(マスク若しくはレチ
クル)を用いて露光装置により1:1投影又は縮小投影によ
り露光する(ii)。なお、露光に用いる光源は、例えばA
rFエキシマレーザやKrFエキシマレーザ等を用いる
ことができるが、再生波長を短波長化して更に微細なグ
レーティングパターンを形成するときにはX線若しくは
電子線露光により露光し形成することが可能である。そ
して、露光基板を現像・エッチングしてパターンを形成
後(iii),(iv)、アルミニウムや銀等の再生レーザ波長に
対して高い反射率を有する金属反射膜を蒸着形成し(v-
1)、レジストを除去し(vi)、裏面に保護膜を形成し若し
くは透明な薄板を接着(vii-1)して透過形又は反射形光
ROMディスク6とする(図5(a))。あるいは、上記
エッチング(iv)後にレジストを除去してアルミニウム等
の反射膜を蒸着形成し(v-2)、裏面に保護膜若しくは薄
板を形成(vii-2)して反射形光ROMディスクとする
(図5(b))。
【0030】さて、以上のようにして製作された光RO
Mの記録面上には前記4値の情報が記録されている。す
なわち従来のピット無し、ピット有りに加え、回転方向
と平行な方向にスリットがあるピットと、回転方向と直
交する方向にスリットがあるピットとの4種である。
【0031】次に、本発明に係る情報再生装置について
図1を用いて説明する。本図1は、本発明に係る情報再
生装置100の主要構成を模式的に示したものであり、
再生用光源である半導体レーザ1、半導体レーザ1の出
力光を平行光束にコリメートするコリメータレンズ系
2、直線偏光方向を規定し直線偏光率を高めるポラライ
ザ8、入射光と反射光とを合成分離するハーフミラー
3、駆動及び集光光学系4,5、反射光をP成分とS成
分とに分離する偏光ビームスプリッタ9、分離された各
々の成分の光強度を検出するディテクタ7a,7b、及
びその他図示しないディスクの駆動系などから構成され
ている。
【0032】半導体レーザ1は、例えば情報記録媒体を
コンピュータ用外部メモリーとして用いるときには、R
OMディスクの国際規格に従い発振波長780nmのAlGs
As系の半導体レーザを用いる。半導体レーザ1からの
出力光はレーザ共振器の非対称構造性により図中y-z
平面内に楕円形状で、各軸方向に異なった発散角を有す
るビームとなる。そこでコリメートレンズ系2を用いて
円形のコリメートビームにビーム成形した後ポラライザ
8に入射させる。
【0033】ポラライザ8は、直線偏光方向を規定し出
力光の直線偏光率を高めるために用いる。半導体レーザ
1は電場の振動方向が一方向に偏っているため、発振ビ
ームそのままでも直線偏光率が高く、ポラライザ8を用
いずに構成することもできるが、再生信号のクロストー
クを低減して更にS/N比を向上させるためにはポララ
イザ8を用いて偏光方向を規定しておくことが好まし
い。なお、半導体レーザ1及びポラライザ8の配設方向
は、直線偏光の偏光面が図中のy-z平面に於いて斜め4
5度となるように配設する。
【0034】ハーフミラー3の入射面にはARコートが施
されており、これを透過したレーザビームは駆動系及び
集光光学系4,5により光ROMディスク6に向けて折
り返され、ディスクのトラック上をトレースする。この
ときレーザビームの偏光面は図中x-y平面に折り返さ
れ、この平面内に於いて斜め45度で入射する。なお、駆
動系4には例えばリニアモータとリニアスケールを用
い、更にガルバノミラーにより微妙なトラッキング補正
を行える公知の駆動系を用い、又集光光学系(光ピック
アップ)は非球面ガラスレンズやプラスティックレンズ
等を用いて構成する。
【0035】光ROMディスク6のトラック上からの反
射光は同一光路を戻り、ハーフミラー3で90度折り返さ
れて偏光ビームスプリッタ9に入射する。ここで偏光ビ
ームスプリッタ9に入射する光は図中紙面に平行なx方
向に偏波面を持つP成分の光と紙面に垂直なz方向に偏
波面を持つS成分の光との2つの偏光成分に分離され各
々ディテクタ7a,7bに入射してその光強度が検出され
る。
【0036】次に、前記のようにして構成された光RO
Mディスク6を、上記再生装置100を用いて再生する
ときの作用について説明する。なお、光ROMディスク
6は、前記図3(a)又は図5(a)の工程により製作された
タイプのものを用いる場合について説明する。
【0037】まず、光ROMディスク6に記録された4
値の記録情報0,1,2,3を、例えばコーディングの一
例として下表1の様に定義しておく。
【0038】
【表1】0:ピット無し 1:ディスク回転方向に垂直(x方向)にグレーティング
を形成したピット 2:ディスク回転方向に平行(y方向)にグレーティング
を形成したピット 3:グレーティングを形成しないピット
【0039】情報再生装置100では、再生時にトラッ
ク上に並ぶ上記各ピット等からの反射情報を読み出す
が、このとき上記各ピット等に入射する集光ビームの偏
光方向は上記x方向及びy方向のグレーティングに対し
てそれぞれ45度の角度を持って入射する。
【0040】そして、上記ピット等で反射された信号ビ
ームは偏光ビームスプリッタ9で紙面に平行なx方向
(P成分)の偏光成分の光と、紙面に垂直なz方向(S成
分)の光とに分離され各々ディテクタ7a,7bで検出され
る。
【0041】ここで、ピットからの反射光は、前記解決
手段の項で説明した原理によってグレーティング(スリ
ット)10の形成方向によって直線偏光の反射率が異な
る。すなわち、グレーティングに平行な方向の偏光成分
の反射光強度が高く、グレーティングに垂直な方向の偏
光成分の反射光強度が低くなる。
【0042】その結果、記録ピットPに形成されている
スリット10の形成方向がx方向(ディスク回転方向に
垂直方向)であるか、y方向(ディスク回転方向に平行方
向)であるかによって、前記2つのディテクタ7a,7bで
検出される光強度に差異が現れる。例えば、スリット1
0の形成方向がx方向である場合には、ディスクからの
反射光はx方向の偏光成分光強度Ixがy方向の偏光成
分光強度Iyよりも強くなる。
【0043】このx方向の光は駆動系の反射鏡とハーフ
ミラー3とによって2回反射されることにより偏光ビー
ムスプリッタ9に入射する時には図中z方向に変換さ
れ、ビームスプリッタ9に対してはS偏光成分の光Is
となるため、ここで反射され7bのディテクタで検出さ
れる。従って、この場合にはディテクタ7bの検出強度
の方が7aの検出強度よりも強く検出されることとな
る。
【0044】同様にして、スリット形成方向がy方向で
ある場合には、偏光ビームスプリッタ入射時には図中x
方向に変換され、偏光ビームスプリッタ9にとってP偏
光成分Ipとなるためこれを透過して7aのディテクタで
検出される。従って、この場合には、ディテクタ7aの
検出強度の方が7bの検出強度よりも強く検出されるこ
ととなる。
【0045】また、スリットが形成されていないピット
ではx方向、y方向ともに全反射するため7aと7bの検
出強度はともに強くその検出強度に差異が無く、ピット
が無い場合には照射された光がディスクを透過して反射
しないため7aと7bの検出強度はともに弱くなる。そし
て、これ等を上記各ピットについてまとめると表2のよ
うになる。
【0046】
【表2】 Ix(7b):Iy(7a) ピット無し 弱 : 弱 x方向にグレーティングを形成したピット 強 : 弱 y方向にグレーティングを形成したピット 弱 : 強 グレーティングを形成しないピット 強 : 強
【0047】ここで、上記弱信号と強信号の平均を取っ
て信号処理上のしきい値とし、この値を用いたしきい値
回路に上記信号を通して2値化すると、次表3のように
符号化され、従って再生値の第0ビットX0をIx、第1
ビットX1をIyとすることにより、記録された情報を簡
単な処理回路で容易に再生することができる。
【0048】
【表3】 Ix(7b):Iy(7a) 再生値 ピット無し 0 : 0 0 x方向にグレーティングを形成したピット 1 : 0 1 y方向にグレーティングを形成したピット 0 : 1 2 グレーティングを形成しないピット 1 : 1 3
【0049】従って、上記の様にして記録再生する方法
では、従来の記録ピットの大きさを変更する必要がな
く、且つ上記4値の情報は光ROMディスク上の全ての
ピットについて構成することが可能であるため、従来の
2値記録に比較して2倍の記録密度を達成することがで
きる。
【0050】なお、本実施例では、光ROMディスク6
として前記図3(a)または図5(a)の工程により製作され
たタイプのディスクを反射形として用いた場合について
説明したが、前記作動原理から明らかなように、このデ
ィスクを透過形として用いたときには上記各表の信号値
が全て逆となるだけで、同様の4値記録が可能であるこ
とは明白である。
【0051】また、前記図3(b)及び図5(b)の工程によ
り製作されたタイプのディスクを反射形として用いた場
合には、前記各表中のピット無しと、グレーティングを
形成しないピットとの信号値が逆となるだけであり、や
はり同様に4値記録を行うことが可能である。そして、
これ等の様な場合には、例えば光ROMディスクに設け
られたリードイントラック領域を利用して、ディスクタ
イプがいずれであるかを予め規定しておくことにより、
これ等のディスクタイプを判別し、ディスクタイプに合
わせたデコーディングを行うことにより、同一の信号に
再生することも可能である。
【0052】なお、記録・再生する4値のエンコード・
デコード法は上記例に限定されるものではなく、他のエ
ンコーディングあるいはデコーディングを行うものであ
っても良いことは言うまでもない。
【0053】また、上記実施例では直線偏光のレーザ光
をグレーティング(スリット)10に対して45度入射させ
て、その反射光を直交する2成分に分割して2つのディ
テクタ7a,7bで検出する場合について説明したが、例
えば半導体レーザから発振されるレーザ光を2分割して
その一方の偏光面をλ/2板等により90度回転させ、こ
れを再び合成することにより、入射光として予め直交す
る2方向の偏光成分を持つ光として入射させることも可
能である。
【0054】更に、上記の様にして複数の偏光方向を持
つレーザビームを用い、グレーティングの方向をこの偏
光面に合わせて複数規定するとともに、反射光を分割し
て各々の偏光角に合わせた偏光ビームスプリッタや検光
子等を用いて前記同様の検出を行うことにより、更に多
くの多値記録を行うことも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被記録媒体に波長λの光を照射し、その透過光又は反射
光の光の強度変化を利用して情報の記録及び再生を行う
情報記録方法に於いて、情報の記録単位である単位記録
領域に幅a<λなるスリット又はグレーティングを異な
る複数の方向(例えば互いに直交する2方向)に形成す
ることにより情報記録を行い、また、この様な単位記録
領域を有して情報記録媒体を構成する。
【0056】そして、上記記録された情報記録媒体を再
生する情報再生装置の照明光学系は単位記録領域に形成
されたスリット又はグレーティングのいずれかの形成方
向に対して平行又は垂直方向の直線偏光の光を照射し、
検出光学系は記録媒体の一部の単位記録領域に形成され
たスリット又はグレーティングの方向が照射された直線
偏光の光に対して平行であるか垂直であるかを検出する
よう構成する。
【0057】あるいは、前記照明光学系は、一部の単位
記録領域毎に互いに直交する2方向のいずれか1方向に
形成されたスリット又はグレーティングの形成方向に対
して各々45度の角度を成して入射する直線偏光の光を
照射し、前記検出光学系は、前記直交する2つの方向に
ついてそれぞれの偏光成分を分離して検出することによ
り、記録媒体の一部の単位記録領域に形成されたスリッ
ト又はグレーティングの方向を検出することにより情報
再生装置を構成する。
【0058】従って、一方向について上記グレーティン
グまたはスリットを形成し、またこれを検出する構成の
みで情報の記録密度は従来の2値記録と比較して1.6倍
に増加させることが可能であり、更に、再生するレーザ
光の偏光方向をグレーティング等の配向方向と合わせて
2方向の直線偏光として照射・検出し、あるいは直線偏
光をグレーティング等に対して斜め45度入射させて透過
光又は反射光を2方向成分に分離して検出することによ
り、従来の2倍の記録密度を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録装置の構成を示す模式図
である。
【図2】本発明に係る情報記録媒体のマスター盤の製造
工程を説明する説明図である。
【図3】上記マスター盤から情報記録媒体を複製する製
造工程を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る情報記録媒体の他のマスター盤
(マスク又はレチクル)の製造工程を説明する説明図で
ある。
【図5】上記マスター盤(マスク又はレチクル)から情
報記録媒体を複製する製造工程を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
P ピット(単位記録領域) 1 半導体レーザ(照射光学系) 2 コリメートレンズ系(照射光学系) 3 ハーフミラー(照射光学系、検出光学系) 4 駆動系(駆動光学系) 5 集光光学系(照射光学系、駆動光学系) 6 情報記録媒体(光ROMディスク) 7a,7b ディテクタ(検出光学系) 8 ポラライザ(照射光学系) 9 偏光ビームスプリッタ(検出光学系) 10 グレーティング(又はスリット) 100 情報再生装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体に波長λの光を照射し、その
    透過光又は反射光の光の強度変化を利用して情報の記録
    及び再生を行う情報記録方法に於いて、 前記情報の記録単位である単位記録領域に前記波長λよ
    り小さな幅a(すなわち、a<λ)のスリット又はグレ
    ーティングを形成することを特徴とする情報記録方法。
  2. 【請求項2】 被記録媒体に波長λの光を照射し、その
    透過光又は反射光の強度変化を利用して情報の記録及び
    再生を行う情報記録媒体に於いて、 前記情報の記録単位である単位記録領域に前記波長λよ
    り小さな幅a(すなわち、a<λ)のスリット又はグレ
    ーティングを形成したことを特徴とする情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 情報記録媒体の情報記録単位である単位
    記録領域に光を照射する照射光学系と、前記照射された
    単位記録領域からの透過光又は反射光の光強度を検出す
    る検出光学系と、前記記録媒体の単位記録領域をトレー
    スするための駆動光学系とを備え、前記透過光又は反射
    光の強度変化を検出することにより前記単位記録領域に
    記録された情報の再生を行う情報再生装置に於いて、 前記照明光学系は、前記単位記録領域に形成されたスリ
    ット又はグレーティングのいずれかの形成方向に対して
    平行又は垂直方向の直線偏光の光を照射し、 前記検出光学系は、前記記録媒体の一部の単位記録領域
    に形成されたスリット又はグレーティングの方向が前記
    照射された直線偏光の光に対して平行であるか垂直であ
    るかを検出することを特徴とする情報再生装置。
  4. 【請求項4】 情報記録媒体の情報記録単位である単位
    記録領域に光を照射する照射光学系と、前記照射された
    単位記録領域からの透過光又は反射光の光強度を検出す
    る検出光学系と、前記記録媒体の単位記録領域をトレー
    スするための駆動光学系とを備え、前記透過光又は反射
    光の強度変化を検出することにより前記単位記録領域に
    記録された情報の再生を行う情報再生装置に於いて、 前記照明光学系は、前記一部の単位記録領域毎に互いに
    直交する2方向のいずれか1方向に形成されたスリット
    又はグレーティングの形成方向に対して各々45度の角
    度を成して入射する直線偏光の光を照射し、 前記検出光学系は、前記直交する2つの方向についてそ
    れぞれの偏光成分を分離して検出することにより、前記
    記録媒体の一部の単位記録領域に形成されたスリット又
    はグレーティングの方向を検出することを特徴とする情
    報再生装置。
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