JP2000305753A - 物理乱数生成装置 - Google Patents

物理乱数生成装置

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JP2000305753A
JP2000305753A JP14536299A JP14536299A JP2000305753A JP 2000305753 A JP2000305753 A JP 2000305753A JP 14536299 A JP14536299 A JP 14536299A JP 14536299 A JP14536299 A JP 14536299A JP 2000305753 A JP2000305753 A JP 2000305753A
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威 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光放射ダイオード(LED)光源を使用し
て、真の物理乱数を画期的な低コストで、容易に提供で
きるようにする。 【解決手段】 光子光放射ダイオードの光源3から、ラ
ンダムに連続して放射される光子の集団である光子塊
を、フォトダイオード4を用いて独立した各電気の塊と
して検出し、この各電気の塊をパルス整形器9でパルス
に変換して、ランダムなパルスを生成する。光放射ダイ
オードの光源3と前記フォトダイオード4とを3mm×
3mm×0.6mm以下の薄板状に一体形成するととも
に各種の情報処理回路21を備えたICカード30やI
Cチップに封入し、この情報処理回路21に前記ランダ
ムなパルスを乱数として供給する物理乱数生成生成装置
1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ランダムな光を検
出して作るランダムパルス生成素子とこれを用いた超小
型の物理乱数生成装置に関し、計算機通信や通信販売に
おける本人認証や暗号化処理、および不正や予測を不可
能にする遊戯用、特にパチンコ遊技機に使用される新し
い物理乱数生成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の物理乱数生成方式としては、原子
核の崩壊というランダムな事象を検出して作る本願発明
者による特願平9−32439号、特願平9−3638
9号がある。得られた乱数は、計算機通信での暗号化処
理、通信販売やカード取引での本人認証、遊戯用乱数生
成器などセキュリテイを必要とする多くに分野に利用さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらは大量生産のゲ
ーム機に同一の確率値を設定する場合には不可欠である
が、微弱な放射線源を使用するため、製作過程が複雑で
コストが高くなる欠点や、放射線管理上の規制が多いと
いう問題があった。この発明は、光放射ダイオード(L
ED)光源がランダムに放射する光子の集団を検出して
物理乱数を生成し、真の物理乱数を、画期的な低コスト
で、容易に提供できるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、光放射
ダイオードの光源から、ランダムに連続して放射される
光子の集団である光子塊を、フォトダイオードを用いて
独立した各電気の塊として検出し、この各電気の塊をパ
ルス整形器でパルスに変換して、ランダムなパルスを生
成する物理乱数生成装置において、前記光放射ダイオー
ドの光源と前記フォトダイオードとを3mm×3mm×
0.6mm以下の薄板状に一体形成するとともに各種の
情報処理回路を備えたICカードやICチップに封入
し、この情報処理回路に前記ランダムなパルスを乱数と
して供給する。
【0005】第2の発明では、光放射ダイオードの光源
から、ランダムに連続して放射される光子の集団である
子塊を、フォトダイオードを用いて独立した各電気の塊
として検出し、この各電気の塊をパルス整形器でパルス
に変換して、ランダムなパルスを生成する物理乱数生成
装置において、連続して生成するランダムパルス間の時
間間隔を時計クロックのパルス数で測定し、この計測値
を乱数として使用するとともに、この時計クロックの周
波数Fと、毎秒当りのランダムパルスの数nとの比F/
nの値を10,000以上にすることにより、一様な出
現頻度でもって物理乱数を生成する。
【0006】第3の発明では、光放射ダイオードの光源
から、ランダムに連続して放射される光子の集団である
光子塊を、シリコンフォトダイオードを用いて独立した
各電気の塊として検出し、この各電気の塊をパルス整形
器でパルスに変換して、ランダムなパルスを生成する物
理乱数生成装置において、連続して生成するランダムパ
ルス間の時間間隔を時計クロックのパルス数で測定し、
この計測値を乱数として使用するとともに、この時計ク
ロックの周波数Fと、毎秒当りのランダムパルスの数n
との比F/nの値を数2,000以下にするとともに、
時間間隔tの計測において複数ビットカウンターを使用
し、時間カウントを1、2、3…256、…ビット対応
数へと順方向に計数する方法と、ビット対応数から…2
56、255、…1と逆方向に計測する方法とを交互に
用いることにより、一様な乱数を生成する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に従っ
て詳細に説明する。乱数生成器の全体の構成を図1に示
す。物理乱数生成装置1は、光源(LED)3とシリコ
ンダイオード4とが一体となったランダムパルス生成素
子2と、前置増幅器5、直列な2台の主増幅器6と主増
幅器7、波高弁別器8、波形整形器9、時間計測器1
0、時計パルス生成器11、一様乱数生成器12、乱数
貯蔵器を内蔵するコントローラー13で構成されてい
る。光源(LED)3は光放射ダイオードであり通電に
より発光し、この光はランダムに連続して放射される光
子の集団であり、この光子塊をシリコンダイオード4が
受光し、各電気の塊として検出する。シリコンダイオー
ド4は市販のPNフォトダイオードである。
【0008】図2に、LED光源3とシリコンダイオー
ド4を積層に一体化にしたランダムパルス生成素子2を
ICカード30に封入した構造を示す。図2の上図では
ランダムパルス生成素子2が厚さ0.5mm以下である
ことを示す。光放射ダイオード等のLED光源3とフォ
トダイオード4とを3mm×3mm×0.6mm以下の
薄板状に既存の集積技術により一体形成する。ランダム
パルス生成素子2をアナログ回路系26の前置増幅器
5、2台の主増幅器6と主増幅器7、波高弁別器8、波
形整形器9と、デジタル回路系27の時間計測器10、
時計パルス生成器11、一様乱数生成器12、乱数貯蔵
器を内蔵するコントローラー13と、および各種の情報
処理回路21とともにプリント基板25上に配置して、
全体回路を形成する。図2の下図ではランダムパルス生
成素子2が縦横3mmX3mm以下であることを示す。
【0009】基板と全体回路とをアルミ書箔22でシー
ルドして外部にプラスチック等のカバー23を被せる。
このようにしてランダムパルス生成素子2等をICカー
ドやICチップ内に封入する。この情報処理回路21に
前記ランダムなパルスを乱数として供給する。ランダム
パルス生成素子2とその他の電子回路系の情報処理回路
21等は厚さ0.8mm以下ありで、ICカードやIC
チップ内に封入できる大きさになっている。
【0010】光源3からの光(光子塊)はシリコンダイ
オード検出器4に入射し、微小電流となり、前置増幅器
5で増幅される。前置増幅器5で増幅された電流は、ま
だ0.5ミリアンペアという微小電流であるので、主増
幅器6と主増幅器7の2段を用いてさらに1,000倍
以上増幅して、検出が容易な数ボルトの電圧信号とな
る。主増幅器7からの電圧信号は波高弁別器8でノイズ
と分離され、波形整形器9で矩形のパルス信号とされ
る。
【0011】図3は、LED光源2からの光子塊を、容
易に入手可能な市販の最も安価なPNフォトダイオード
4で検出した波高分布である。波高弁別器8以降の波形
整形器9の出力を一般的な測定器の波高分析装置50で
計測した結果である。200チャンネル当たりにピーク
があり、LED光源2からの光子の放射が光子塊として
放射されていることがわかる。
【0012】図3に示すように、低いチャンネル域では
シグナルとノイズとの分離は良くないが、本発明の特徴
のひとつは、安価なダイオードでも光子塊が検出できる
という発見にある。図3の中で矢印で示すように、電子
回路系のノイズと十分に弁別したところ300チャンネ
ル当たりに、波高弁別器7の閾値を設定するとよいこと
が理解できる。必要とする毎秒当りのパルス数は、波高
弁別器5の閾値を変えることで、自由に作ることができ
る。例えば、図3で矢印の波高値に閾値を設定した場合
は、毎秒10,000カウントのパルス信号を得ること
ができる。
【0013】波形整形器9から連続して出力されるパル
ス信号と、次にくるパルス信号との間の時間間隔tを、
時計パルス生成器11からのクロックパルスを使用し
て、時間計測器10でパルス数により計測する。LED
光子塊のカウント数が毎秒700個の場合の、時間間隔
tの頻度分布の実験結果を図4に示す。
【0014】図4の実験分布は、指数分布、exp(−
t/To)で表すことができる。ここでToは時間間隔
tの平均値で、To=(1/n)=(1/700)=
1.42ミリ秒である。光子塊の放射の時間間隔の頻度
分布が指数分布であることは、LED光源2からの光子
塊の放射がランダムな現象であることを示しており、光
子塊の放出時間間隔を乱数に利用する正当性を示してい
る。
【0015】時間計測用の時計パルス生成器11のクロ
ックパルス周波数をFヘルツ(Hz)とすると、時間単
位は(1/F)秒である。すなわち時間間隔tを(1/
F)のカウント数でもって表す。カウントには例えば8
ビット(1−256)のカウンターを使用し、カウント
数が256を超えた場合即ち時間間隔t>(256/
F)の場合は、256のカウントを繰り返して、残余の
カウント数で表す。例えば、時間間隔が2,000カウ
ントの場合は、2,000=256×7+208である
から、カウント数は208となる。
【0016】光子塊放出の時間間隔の分布は図4に示す
ように右肩下がりの指数分布である。指数分布のこの右
肩下がりが無視できるように、光子塊の毎秒カウント数
n(=1/T0)に比べて十分に高速の周波数Fでもっ
て、即ち大きな(F/n)の値でもって時間間隔を計測
する。
【0017】図5に、光子塊の毎秒500カウント(n
=500cps)の時の(F/n)の値と8ビット乱数
の一様性との関係を示す。図5に上から順に示されてい
るように、(F/n)の値が3,470での非一様性は
大きく肉眼でも右肩下がりが認識でき、(F/n)の値
が14,000(F=7MHz)での非一様性は肉眼で
は右肩下がりが認識できないが0.9%となる。(F/
n)の値が27,800での非一様性は肉眼では右肩下
がりが全く認識できない、更に(F/n)=110,0
00(F=50MHz)での非一様性は0.13%であ
る。
【0018】図6の下図は、(F/n)の値が図5の上
図の3,470より小さく、(F/n)=1,600で
の非一様性が大きくて、肉眼でも右肩下がりがはっきり
認識できる乱数の頻度分布である。図6に示すようにF
/nの値が数1,000以下場合は、一様乱数でないこ
とは明白になる。このように、時計周波数Fの値は限界
があるのでnの値が大きくてF/nの値が大きく取れな
い場合には、時間間隔tの計測において、時間カウント
を1、2、3、…256(8ビットカウンターを使用す
る場合)と順方向に計数する方法と、256、255、
…2,1と逆方向に計測する方法とを交互にカウントす
るとよい。
【0019】図6の中央図の黒三角は、順方向にカウン
トした場合の指数分布、白三角は逆方向にカウントした
場合の指数分布である。この順方向と逆方向のカウント
を交互行った場合を、図6の上図に示す。図6の上図に
示すように、理論上完全に一様な乱数を生成することが
できる。極小型の物理乱数生成装置を、計算機やカード
リーダーやその他の機器の回路基板に取り付け、計算機
通信の暗号化処理、通信販売や各種ICカードを介在し
た取引における本人の認証などに使用する。
【0020】
【発明の効果】ランダムパルス生成装置とその他の回路
系を集積化して、ICチップやICカードに組入れて、
計算機通信における暗号化処理、通信販売やプリペイカ
ードや電子マネーカードなどの本人認証に使用すること
ができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である物理乱数生成装置の全体の構成を
示すブロック回路図である。
【図2】実施の形態の超薄型ランダムパルス生成素子の
構造を示す図である。
【図3】実施の形態におけるシリコンPNダイオードに
よる検出で光放射ダイオード(LED)からの光子塊放
射の波高分布図の実験グラフである。
【図4】実施の形態におけるシリコンPNダイオードに
よる検出で光放射ダイオード(LED)からの光子塊放
射の観測時間を変化させた場合の到来頻度の実験グラフ
である。
【図5】ランダムパルスの強度n(カウント/秒)と時
間間隔を計測する時計周波数F(Hz)との比F/nを
次第に大きくすることにより一様な乱数が生成できるこ
とを示す実験グラフである。
【図6】強度n(カウント/秒)と時計周波数F(H
z)との比F/nを一定にして順方向のカウントと逆方
向のカウントを交互に行うことにより一様な乱数が生成
できることを示す実験グラフである。
【符号の説明】
1 物理乱数生成装置 2 ランダムパルス生成素子 3 光源(LED) 4 シリコンフォトダイオード 5 前置増幅器 6、7 主増幅器 8 波高弁別器 9 波形整形器 10 時間計測器 11 時計パルス生成器 12 一様乱数生成器 13 乱数貯蔵器とコントローラー 21 情報処理回路 22 アルミ箔 23 外カバー 25 プリント基板 26 アナログ回路系 27 デジタル回路系 30 ICカード 50 波高分析装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光放射ダイオードの光源から、ランダム
    に連続して放射される光子の集団である光子塊を、フォ
    トダイオードを用いて独立した各電気の塊として検出
    し、この各電気の塊をパルス整形器でパルスに変換し
    て、ランダムなパルスを生成する物理乱数生成装置にお
    いて、 前記光放射ダイオードの光源と前記フォトダイオードと
    を3mm×3mm×0.6mm以下の薄板状に一体形成
    するとともに各種の情報処理回路を備えたICカードや
    ICチップに封入し、この情報処理回路に前記ランダム
    なパルスを乱数として供給することを特徴とする物理乱
    数生成装置。
  2. 【請求項2】 光放射ダイオードの光源から、ランダム
    に連続して放射される光子の集団である光子塊を、フォ
    トダイオードを用いて独立した各電気の塊として検出
    し、この各電気の塊をパルス整形器でパルスに変換し
    て、ランダムなパルスを生成する物理乱数生成装置にお
    いて、 連続して生成するランダムパルス間の時間間隔を時計ク
    ロックのパルス数で測定し、この計測値を乱数として使
    用するとともに、この時計クロックの周波数Fと、毎秒
    当りのランダムパルスの数nとの比F/nの値を10,
    000以上にすることにより、一様な出現頻度でもって
    物理乱数を生成することを特徴とする物理乱数生成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記光放射ダイオードの光源と前記フォ
    トダイオードとを3mm×3mm×0.6mm以下の薄
    板状に一体形成するとともに各種の情報処理回路を備え
    たICカードやICチップに封入し、この情報処理回路
    に前記ランダムなパルスを乱数として供給することを特
    徴とする請求項2に記載の物理乱数生成生成装置。
  4. 【請求項4】光放射ダイオードの光源から、ランダムに
    連続して放射される光子の集団である光子塊を、シリコ
    ンフォトダイオードを用いて独立した各電気の塊として
    検出し、この各電気の塊をパルス整形器でパルスに変換
    して、ランダムなパルスを生成する物理乱数生成装置に
    おいて、 連続して生成するランダムパルス間の時間間隔を時計ク
    ロックのパルス数で測定し、この計測値を乱数として使
    用するとともに、この時計クロックの周波数Fと、毎秒
    当りのランダムパルスの数nとの比F/nの値を数2,
    000以下にするとともに、時間間隔tの計測において
    複数ビットカウンターを使用し、時間カウントを1、
    2、3、…256、…ビット対応数へと順方向に計数す
    る方法と、ビット対応数から…256、255、…1と
    逆方向に計測する方法とを交互に用いることにより、一
    様な乱数を生成することを特徴とする物理乱数生成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光放射ダイオードの光源と前記フォ
    トダイオードとを3mm×3mm×0.6mm以下の薄
    板状に一体形成するとともに各種の情報処理回路を備え
    たICカードやICチップに封入し、この情報処理回路
    に前記ランダムなパルスを乱数として供給することを特
    徴とする請求項4に記載の物理乱数生成装置。
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