JP3254164B2 - イメージングマイクロストリップガスチャンバー - Google Patents
イメージングマイクロストリップガスチャンバーInfo
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- JP3254164B2 JP3254164B2 JP11262897A JP11262897A JP3254164B2 JP 3254164 B2 JP3254164 B2 JP 3254164B2 JP 11262897 A JP11262897 A JP 11262897A JP 11262897 A JP11262897 A JP 11262897A JP 3254164 B2 JP3254164 B2 JP 3254164B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチチップモジ
ュール(MCM)技術に基づく、2次元のマイクロスト
リップガスチャンバー(MSGC)に関するものであ
る。
ュール(MCM)技術に基づく、2次元のマイクロスト
リップガスチャンバー(MSGC)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】マイクロストリップガスチャンバーは、
優れた位置分解能を備えた新しいタイプのガス比例検出
器として、1988年に提案された。そしてまもなく、
ガス計数検出器とシリコンストリップ検出器の両方の長
所を備えた、すなわち、ガス増幅と高い位置分解能とい
う特性を持つものとして着目された。
優れた位置分解能を備えた新しいタイプのガス比例検出
器として、1988年に提案された。そしてまもなく、
ガス計数検出器とシリコンストリップ検出器の両方の長
所を備えた、すなわち、ガス増幅と高い位置分解能とい
う特性を持つものとして着目された。
【0003】今日では、この新しい検出器が今後10年
において、トラッキング検出器として要求されるほぼ全
ての要件、すなわち、(1)大強度の放射線照射条件に
おいても安定動作する。(2)数十μmという高い位置
分解能を有する。(3)放射線の耐性が強い。
において、トラッキング検出器として要求されるほぼ全
ての要件、すなわち、(1)大強度の放射線照射条件に
おいても安定動作する。(2)数十μmという高い位置
分解能を有する。(3)放射線の耐性が強い。
【0004】という条件を満たすものであることは周知
の通りである。
の通りである。
【0005】これらの要件は、新しいイメージングX線
検出器が、大強度の放射線照射環境において動作するた
めにも、また重要である。
検出器が、大強度の放射線照射環境において動作するた
めにも、また重要である。
【0006】MSGCは、通常、マイクロエレクトロニ
クス技術を用いて製造される。この技術を用いて、絶縁
基板上に数百μmのピッチで薄い陽極と陰極が交互に連
なって並べられる。電極が接近していることと構造が単
純であることが、これらの要件を達成するための重要な
要素として考えられている。
クス技術を用いて製造される。この技術を用いて、絶縁
基板上に数百μmのピッチで薄い陽極と陰極が交互に連
なって並べられる。電極が接近していることと構造が単
純であることが、これらの要件を達成するための重要な
要素として考えられている。
【0007】近年、MSGCは、次の高エネルギーハド
ロン衝突型加速器のための粒子検出器を実現するため
の、最も信頼性のあるトラッキングデバイスの1つとし
て考えられるようになってきた。ただ、大部分のMSG
Cは、これまでガラスや石英基板上で作製されている。
つまり、厚さ数百μmのガラスをサブストレートに用い
た1次元MSGCの開発が中心となっている。
ロン衝突型加速器のための粒子検出器を実現するため
の、最も信頼性のあるトラッキングデバイスの1つとし
て考えられるようになってきた。ただ、大部分のMSG
Cは、これまでガラスや石英基板上で作製されている。
つまり、厚さ数百μmのガラスをサブストレートに用い
た1次元MSGCの開発が中心となっている。
【0008】しかしながら、1次元MSGCでは、イメ
ージングがとれないので、2次元MSGCが随所で検討
された。しかし、石英などの硬い基板を用いると、熱膨
張の違いによる破損を生じるので、大面積化が困難であ
った。
ージングがとれないので、2次元MSGCが随所で検討
された。しかし、石英などの硬い基板を用いると、熱膨
張の違いによる破損を生じるので、大面積化が困難であ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、厚さ
数百μmのガラスを基板とした1次元MSGCでは、例
えば、X線結晶解析の際に要求されるような、ほぼ10
0cm2 より大きい検出領域をもつ、平らで一様に拡が
る基板を形成することはできなかった。
数百μmのガラスを基板とした1次元MSGCでは、例
えば、X線結晶解析の際に要求されるような、ほぼ10
0cm2 より大きい検出領域をもつ、平らで一様に拡が
る基板を形成することはできなかった。
【0010】本発明は、上記問題点を除去し、基板(サ
ブストレート)として、弾性を有する有機薄膜を用い
て、この有機薄膜の下層に位置するバックストリップに
誘起される信号を使って2次元読み出しを可能にし、大
面積で、形状柔軟性を有するとともに、2次元座標の同
時計測を可能にするイメージングマイクロストリップガ
スチャンバーを提供することを目的とする。
ブストレート)として、弾性を有する有機薄膜を用い
て、この有機薄膜の下層に位置するバックストリップに
誘起される信号を使って2次元読み出しを可能にし、大
面積で、形状柔軟性を有するとともに、2次元座標の同
時計測を可能にするイメージングマイクロストリップガ
スチャンバーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 〔1〕イメージングマイクロストリップガスチャンバー
において、弾性を有する有機薄膜からなる基板と、この
基板上に形成され、交互に平行に配置される陽極ストリ
ップと陰極ストリップと、この陽極ストリップと陰極ス
トリップ間に接続される高電圧印加手段と、前記基板の
下面に形成され、前記陽極ストリップと陰極ストリップ
に交差するバックストリップと、所定の間隔を隔てて上
方に配置され、外部からのX線又は粒子線が照射される
ドリフト板と、前記基板の表面と前記ドリフト板間に流
通するガスとを備え、このガスの電子増幅を起こしてX
線又は粒子線の信号を取り出し、2次元座標の同時計測
を行うようにしたものである。
成するために、 〔1〕イメージングマイクロストリップガスチャンバー
において、弾性を有する有機薄膜からなる基板と、この
基板上に形成され、交互に平行に配置される陽極ストリ
ップと陰極ストリップと、この陽極ストリップと陰極ス
トリップ間に接続される高電圧印加手段と、前記基板の
下面に形成され、前記陽極ストリップと陰極ストリップ
に交差するバックストリップと、所定の間隔を隔てて上
方に配置され、外部からのX線又は粒子線が照射される
ドリフト板と、前記基板の表面と前記ドリフト板間に流
通するガスとを備え、このガスの電子増幅を起こしてX
線又は粒子線の信号を取り出し、2次元座標の同時計測
を行うようにしたものである。
【0012】〔2〕上記〔1〕記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記陰極スト
リップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆する
ようにしたものである。
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記陰極スト
リップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆する
ようにしたものである。
【0013】〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載のイメー
ジングマイクロストリップガスチャンバーにおいて、前
記弾性を有する有機薄膜としてポリイミド膜を用いるよ
うにしたものである。
ジングマイクロストリップガスチャンバーにおいて、前
記弾性を有する有機薄膜としてポリイミド膜を用いるよ
うにしたものである。
【0014】〔4〕上記〔1〕記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記基板の表
面に有機チタニウムをコーティングし、表面抵抗を制御
するようにしたものである。
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記基板の表
面に有機チタニウムをコーティングし、表面抵抗を制御
するようにしたものである。
【0015】〔5〕上記〔1〕記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記バックス
トリップの下方にICパッケージを設け、このICパッ
ケージをLSI高密度パッケージとするようにしたもの
である。
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記バックス
トリップの下方にICパッケージを設け、このICパッ
ケージをLSI高密度パッケージとするようにしたもの
である。
【0016】〔6〕上記〔5〕記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記バックス
トリップを微小スルーホールを介して、前記基板の上面
の第1のボンディングパッドに接続し、前記ICパッケ
ージの端部を立ち上げて壁部を設け、この壁部の上面に
第2のボンディングパッドを形成し、この第2のボンデ
ィングパッドと前記第1のボンディングパッドとをボン
ディングワイヤで接続するようにしたものである。
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記バックス
トリップを微小スルーホールを介して、前記基板の上面
の第1のボンディングパッドに接続し、前記ICパッケ
ージの端部を立ち上げて壁部を設け、この壁部の上面に
第2のボンディングパッドを形成し、この第2のボンデ
ィングパッドと前記第1のボンディングパッドとをボン
ディングワイヤで接続するようにしたものである。
【0017】〔7〕上記〔1〕記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記陽極スト
リップ、陰極ストリップ及びバックストリップから出力
される信号を処理する2次元読み出し回路を設けるよう
にしたものである。
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記陽極スト
リップ、陰極ストリップ及びバックストリップから出力
される信号を処理する2次元読み出し回路を設けるよう
にしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の実施例を示すMSGCの分
解斜視図、図2はそのMSGCの陰極ストリップのエッ
ジの被覆状態を示す図であり、図2(a)はその部分平
面図、図2(b)は図2(a)のA部拡大図である。
解斜視図、図2はそのMSGCの陰極ストリップのエッ
ジの被覆状態を示す図であり、図2(a)はその部分平
面図、図2(b)は図2(a)のA部拡大図である。
【0020】なお、この図に示される各部の寸法は一例
に過ぎず、適宜変更可能である。
に過ぎず、適宜変更可能である。
【0021】この図において、MSGC2次元イメージ
素子は5cm×5cmの有効面積を持ち、1は基板(サ
ブストレート)であり、厚さ略17μmのポリイミド薄
膜を用いる。2はその基板1上に形成される陽極ストリ
ップであり、1μm厚のAu,Tiからなり、その幅D
2 が略10μmの形状を有する。3は陰極ストリップで
あり、1μm厚のAu,Tiからなり、その幅D3 が略
100μmの形状を有する。その陽極ストリップと陰極
ストリップとは、交互に配置されて、陽極ストリップ2
のピッチD4 は略200μmである。
素子は5cm×5cmの有効面積を持ち、1は基板(サ
ブストレート)であり、厚さ略17μmのポリイミド薄
膜を用いる。2はその基板1上に形成される陽極ストリ
ップであり、1μm厚のAu,Tiからなり、その幅D
2 が略10μmの形状を有する。3は陰極ストリップで
あり、1μm厚のAu,Tiからなり、その幅D3 が略
100μmの形状を有する。その陽極ストリップと陰極
ストリップとは、交互に配置されて、陽極ストリップ2
のピッチD4 は略200μmである。
【0022】また、4はセラミックからなるベース基
板、5はそのベース基板4上に形成されるとともに基板
1の下層に位置するバックストリップであり、1μm厚
のAu,Tiからなり、その幅D5 が略180μmの形
状を有する。
板、5はそのベース基板4上に形成されるとともに基板
1の下層に位置するバックストリップであり、1μm厚
のAu,Tiからなり、その幅D5 が略180μmの形
状を有する。
【0023】更に、このようにして形成される素子上に
ほぼ1cmの間隔D1 を隔ててドリフト板6が配置さ
れ、例えば、アルゴンとエタンからなるガスが流通する
チャンバーが形成される。なお、一般的には、ここで用
いられるガスは、原子量の大きい希ガスが使用され、こ
れに放電を抑えるガス、例えば、メタン、エタン、炭酸
ガス等を混合して用いることができる。
ほぼ1cmの間隔D1 を隔ててドリフト板6が配置さ
れ、例えば、アルゴンとエタンからなるガスが流通する
チャンバーが形成される。なお、一般的には、ここで用
いられるガスは、原子量の大きい希ガスが使用され、こ
れに放電を抑えるガス、例えば、メタン、エタン、炭酸
ガス等を混合して用いることができる。
【0024】このように、基板1として厚さが略約17
μmのポリイミド薄膜を用いて、このポリイミド薄膜の
下層にあり、セラミックからなるベース板4上のバック
ストリップ5に誘起される信号を使って2次元読み出し
を可能にしている。つまり、ポリイミド薄膜を基板1に
用いて、2次元座標の同時計測を可能にしている。
μmのポリイミド薄膜を用いて、このポリイミド薄膜の
下層にあり、セラミックからなるベース板4上のバック
ストリップ5に誘起される信号を使って2次元読み出し
を可能にしている。つまり、ポリイミド薄膜を基板1に
用いて、2次元座標の同時計測を可能にしている。
【0025】ポリイミドは柔軟性、弾性を持つので、完
全に平らで滑らかな表面を持つ、広くて一様な基板の中
に、容易に作製できる。
全に平らで滑らかな表面を持つ、広くて一様な基板の中
に、容易に作製できる。
【0026】さらにポリイミドは、MCM技術を用い
て、ミクロのスケールで所望の形状に形成することがで
きる。すなわち、このMSGCでは陽極ストリップを防
御するガーディングマスクとスルーホールは、この技術
により形成されている。それゆえ、基本的に、2次元M
SGCのサイズは20cm×20cm以上の大きさに拡
張することができる。
て、ミクロのスケールで所望の形状に形成することがで
きる。すなわち、このMSGCでは陽極ストリップを防
御するガーディングマスクとスルーホールは、この技術
により形成されている。それゆえ、基本的に、2次元M
SGCのサイズは20cm×20cm以上の大きさに拡
張することができる。
【0027】なお、上記実施例では基板としてポリイミ
ドを用いた場合について述べたが、ポリイミド以外であ
っても、弾性を有する有機膜であれば本発明のMSGC
を構成可能であり、その際の弾性を有する有機膜として
は、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポ
リカーボネイト等が挙げられる。なかでも、ポリイミド
がより望ましい。この際、弾性を有する有機膜の膜厚
は、5μm〜100μmであれば、使用可能であるが、
10〜30μmがより望ましい。
ドを用いた場合について述べたが、ポリイミド以外であ
っても、弾性を有する有機膜であれば本発明のMSGC
を構成可能であり、その際の弾性を有する有機膜として
は、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポ
リカーボネイト等が挙げられる。なかでも、ポリイミド
がより望ましい。この際、弾性を有する有機膜の膜厚
は、5μm〜100μmであれば、使用可能であるが、
10〜30μmがより望ましい。
【0028】また、ガスの電子増幅を起こして放射線の
信号を取り出すためには、陽極ストリップと陰極ストリ
ップとの間の約50μm間に500Vの電圧を印加する
必要がある。その時、当然、陽極ストリップ2と陰極ス
トリップ3の間での放電が起き易くなる。この放電は電
極を破壊し、MSGCにダメージを与えることになるの
で、これを抑えるために、図2に示すように、放電が起
こる陰極ストリップ3の両エッジ3Aを、厚さ数μmの
ポリイミド薄膜8で幅7μm程度被覆することによって
放電を抑えるようにしている。
信号を取り出すためには、陽極ストリップと陰極ストリ
ップとの間の約50μm間に500Vの電圧を印加する
必要がある。その時、当然、陽極ストリップ2と陰極ス
トリップ3の間での放電が起き易くなる。この放電は電
極を破壊し、MSGCにダメージを与えることになるの
で、これを抑えるために、図2に示すように、放電が起
こる陰極ストリップ3の両エッジ3Aを、厚さ数μmの
ポリイミド薄膜8で幅7μm程度被覆することによって
放電を抑えるようにしている。
【0029】MSGCのような基板を持つ構造の場合、
陰極ストリップ2近傍で起こる増幅作用で作られる正イ
オンが基板上に付着し、その空間電荷効果でゲインの低
下を引き起こしてしまうことがある。そのため、現在、
ポリイミド薄膜からなる基板の適切な抵抗値を見出すよ
うにしており、ポリイミド薄膜の表面に有機チタニュー
ムをコーティングし、表面抵抗を制御するようにしてい
る。
陰極ストリップ2近傍で起こる増幅作用で作られる正イ
オンが基板上に付着し、その空間電荷効果でゲインの低
下を引き起こしてしまうことがある。そのため、現在、
ポリイミド薄膜からなる基板の適切な抵抗値を見出すよ
うにしており、ポリイミド薄膜の表面に有機チタニュー
ムをコーティングし、表面抵抗を制御するようにしてい
る。
【0030】MSGCは、100μm以下の高い位置分
解能を得るために、200μmピッチという微小間隔で
X,Y両方向から信号を取り出している。そのため、5
cm□MSGCの場合、500本以上の信号線と増幅器
7の接続が必要になる。
解能を得るために、200μmピッチという微小間隔で
X,Y両方向から信号を取り出している。そのため、5
cm□MSGCの場合、500本以上の信号線と増幅器
7の接続が必要になる。
【0031】そこで、本発明では、LSI高密度パッケ
ージに実装し、MSGCと回路基板との接合を改善する
ように構成している。
ージに実装し、MSGCと回路基板との接合を改善する
ように構成している。
【0032】X線、粒子線の位置を測定するのに必要な
座標は、バックストリップと陽極ストリップからの信号
を用い、粒子のMSGCガス中でのエネルギー損失を測
定するために陰極ストリップを使用している。陰極スト
リップは読み出しチャンネルを減らすために十本程度を
グループ化して、読み出すようになっている。信号はI
Cパッケージ11(図4参照)から取り出せるようにな
っている。
座標は、バックストリップと陽極ストリップからの信号
を用い、粒子のMSGCガス中でのエネルギー損失を測
定するために陰極ストリップを使用している。陰極スト
リップは読み出しチャンネルを減らすために十本程度を
グループ化して、読み出すようになっている。信号はI
Cパッケージ11(図4参照)から取り出せるようにな
っている。
【0033】次に、このMSGCの読み出しエレクトロ
ニクスのシステムについて説明する。
ニクスのシステムについて説明する。
【0034】図3は、本発明の実施例を示す5cm×5
cmの2次元MSGCが搭載されたPGAパッケージの
構造を示す図であり、図3(a)は上面を示す斜視図、
図3(b)は下面図である。
cmの2次元MSGCが搭載されたPGAパッケージの
構造を示す図であり、図3(a)は上面を示す斜視図、
図3(b)は下面図である。
【0035】ここで、ICパッケージ11は、8cm×
8cmサイズのセラミックで作製され、裏側面に0.1
インチのピッチで541本を有する。254の陽極と2
55のバックストリップと17グループの陰極すべて
が、セラミックパッケージ上に金のワイヤボンディング
により接続され、裏面のピン12に送られているので、
MSGCのプレートに直接取り付けなければならないワ
イヤは存在しない。
8cmサイズのセラミックで作製され、裏側面に0.1
インチのピッチで541本を有する。254の陽極と2
55のバックストリップと17グループの陰極すべて
が、セラミックパッケージ上に金のワイヤボンディング
により接続され、裏面のピン12に送られているので、
MSGCのプレートに直接取り付けなければならないワ
イヤは存在しない。
【0036】図4は本発明の実施例を示す2次元MSG
Cが搭載されたICパッケージの部分断面図である。な
お、図1と同じ部分については、同じ符号を付してその
説明は省略する。
Cが搭載されたICパッケージの部分断面図である。な
お、図1と同じ部分については、同じ符号を付してその
説明は省略する。
【0037】この図において、10はポリイミド薄膜か
らなる基板1の表面に形成され、微小スルホール1Aを
介してバックストリップ5に接続される第1のボンディ
ングパッド、11はICパッケージ、このICパッケー
ジ11は、その端部を立ち上げて壁部11Aを設け、こ
の壁部11Aの上面に第2のボンディングパッド13を
形成する。
らなる基板1の表面に形成され、微小スルホール1Aを
介してバックストリップ5に接続される第1のボンディ
ングパッド、11はICパッケージ、このICパッケー
ジ11は、その端部を立ち上げて壁部11Aを設け、こ
の壁部11Aの上面に第2のボンディングパッド13を
形成する。
【0038】そこで、第2のボンディングパッド13と
第1のボンディングパッド10とをボンディングワイヤ
14で接続する。
第1のボンディングパッド10とをボンディングワイヤ
14で接続する。
【0039】図4に概略的に示すように、ポリイミド薄
膜からなる基板1の下に配置されるセラミックからなる
ベース板4からの信号が、MCM技術を用いて微小スル
ーホール1Aを介して、第1のボンディングパッド10
から第2のボンディングパッド13へと導出されるこ
と、及びMSGC上の全ての電極から出た全ての第1の
ボンディングパッド10が同一の基板面に配置されると
いうことは、特に注目に値する。これにより、MSGC
とICパッケージ11との接続が大いに簡単になる。
膜からなる基板1の下に配置されるセラミックからなる
ベース板4からの信号が、MCM技術を用いて微小スル
ーホール1Aを介して、第1のボンディングパッド10
から第2のボンディングパッド13へと導出されるこ
と、及びMSGC上の全ての電極から出た全ての第1の
ボンディングパッド10が同一の基板面に配置されると
いうことは、特に注目に値する。これにより、MSGC
とICパッケージ11との接続が大いに簡単になる。
【0040】隣合うストリップ間のクロストークを測定
した結果、ほぼ5%であり、本発明のMSGCでのデジ
タル読み出しに関しては問題とはならない。
した結果、ほぼ5%であり、本発明のMSGCでのデジ
タル読み出しに関しては問題とはならない。
【0041】図5は本発明の実施例を示すMSGCの読
み出しシステムのブロック図である。
み出しシステムのブロック図である。
【0042】この図において、100はMSGC、10
1は陽極からの信号を増幅する前置増幅器、102はバ
ックストリップからの信号を増幅する前置増幅器、10
3は陰極からの信号を増幅する前置増幅器、104は前
置増幅器101と102に接続される主増幅器と波高弁
別器、105は波形整形器、106は波形整形器に接続
される弁別器、107は弁別器106に接続されるCA
MACマルチヒットTDC〔LeCroy2277〕、
108は波形整形器105に接続されるCAMAC A
DC〔HOSHIN C009〕、109はバス、11
0はCPU(中央処理装置)である。
1は陽極からの信号を増幅する前置増幅器、102はバ
ックストリップからの信号を増幅する前置増幅器、10
3は陰極からの信号を増幅する前置増幅器、104は前
置増幅器101と102に接続される主増幅器と波高弁
別器、105は波形整形器、106は波形整形器に接続
される弁別器、107は弁別器106に接続されるCA
MACマルチヒットTDC〔LeCroy2277〕、
108は波形整形器105に接続されるCAMAC A
DC〔HOSHIN C009〕、109はバス、11
0はCPU(中央処理装置)である。
【0043】この図に示すように、前置増幅器101〜
103は、500nsの時定数を持ち、LeCroy
TRA100のモノリシック増幅器のチップを用いるよ
うに設計した。主増幅器と波高弁別器104のシステム
としては、高エネルギー加速器研究機構で開発されたシ
ステムを、高速電流の増幅器と弁別器をもつドリフトチ
ャンバー読み出しシステムの1部分として用いた。弁別
されたパルスはCAMACマルチヒットTDC107へ
送られる。
103は、500nsの時定数を持ち、LeCroy
TRA100のモノリシック増幅器のチップを用いるよ
うに設計した。主増幅器と波高弁別器104のシステム
としては、高エネルギー加速器研究機構で開発されたシ
ステムを、高速電流の増幅器と弁別器をもつドリフトチ
ャンバー読み出しシステムの1部分として用いた。弁別
されたパルスはCAMACマルチヒットTDC107へ
送られる。
【0044】次に、本発明の実施例を示すMSGCのイ
メージングの性能について説明する。
メージングの性能について説明する。
【0045】MSGCをX線イメージングデバイスとし
て用いるために、陽極ストリップの他にもう1つ別の電
極が必要である。MSGCの場合、陽極ストリップに加
えてさらに3電極がある。すなわち、陰極ストリップ、
ドリフト板、バックストリップである。陰極ストリップ
は確かに大きな誘導信号を持つが、ほぼ200nsとい
う立ち上がり時間というのはかなり遅く、陰極ストリッ
プの電極列は、陽極ストリップの電極列と平行に走って
いる。
て用いるために、陽極ストリップの他にもう1つ別の電
極が必要である。MSGCの場合、陽極ストリップに加
えてさらに3電極がある。すなわち、陰極ストリップ、
ドリフト板、バックストリップである。陰極ストリップ
は確かに大きな誘導信号を持つが、ほぼ200nsとい
う立ち上がり時間というのはかなり遅く、陰極ストリッ
プの電極列は、陽極ストリップの電極列と平行に走って
いる。
【0046】電子なだれで生成したイオンのうちのある
部分は、ドリフト面に向かって流れ、ドリフト面上に信
号を誘導する。しかしながらこれは、ほぼ10μsと大
変遅い。バックプレーンにおいても、あるタイプのMS
GCでは誘導信号が観察された。パルス高とパルス形状
は、各MSGCのもつ電極の幾何学的構造、基板の厚さ
や材料に依存しているものの、高速信号は、明らかにバ
ックストリップから獲得されている。
部分は、ドリフト面に向かって流れ、ドリフト面上に信
号を誘導する。しかしながらこれは、ほぼ10μsと大
変遅い。バックプレーンにおいても、あるタイプのMS
GCでは誘導信号が観察された。パルス高とパルス形状
は、各MSGCのもつ電極の幾何学的構造、基板の厚さ
や材料に依存しているものの、高速信号は、明らかにバ
ックストリップから獲得されている。
【0047】図6は本発明にかかる同じX線事象におけ
る、陽極ストリップから得たパルス形状、陰極ストリッ
プのグループから得たパルス形状、バックストリップか
ら得たパルス形状を示す。パルスの降下時間は、前置増
幅器のもつ時定数による(500ns)。バックストリ
ップの立ち上がり時間は、数nsという大変な速さで、
その形状は、陽極パルスから、立ち上がり時間がほぼ2
00nsと考えられる陰極パルスを差し引いた残差であ
ると思われる。
る、陽極ストリップから得たパルス形状、陰極ストリッ
プのグループから得たパルス形状、バックストリップか
ら得たパルス形状を示す。パルスの降下時間は、前置増
幅器のもつ時定数による(500ns)。バックストリ
ップの立ち上がり時間は、数nsという大変な速さで、
その形状は、陽極パルスから、立ち上がり時間がほぼ2
00nsと考えられる陰極パルスを差し引いた残差であ
ると思われる。
【0048】イメージング測定では、陽極ストリップと
陰極ストリップとの間の電位を減じるために、陰極スト
リップの幅を、同じ200μmピッチで、100μmに
変更した。増幅率は、この改善後も300に固定したま
まであり、陽極ストリップと陰極ストリップ間の電位が
減少する以外、MSGCの全ての性能は63μm幅の場
合と同様にした。X線へのトリガーは、一般に、検出器
自身から得られる信号を用いて生成される。ここでは、
陰極ストリップグループからの信号をトリガー信号とし
て用いた。各グループからの信号は、前置増幅器、波形
整形増幅器、弁別器で構成される、独立したトリガー回
路へ送られる。全てのトリガー回路から弁別された信号
は、1つに結合され、メイントリガーとして利用され
る。メイントリガーは、TDCsに対する共通のストッ
プ信号として、また、データ収集システムを起動させる
のに利用される。ヒット位置は、単に、ヒット電極の平
均位置として得た。X線カラーイメージを得るために、
陰極ストリップの各グループからの整形信号も、ADC
(A/Dコンバータ:CAMAC)へ送られた。
陰極ストリップとの間の電位を減じるために、陰極スト
リップの幅を、同じ200μmピッチで、100μmに
変更した。増幅率は、この改善後も300に固定したま
まであり、陽極ストリップと陰極ストリップ間の電位が
減少する以外、MSGCの全ての性能は63μm幅の場
合と同様にした。X線へのトリガーは、一般に、検出器
自身から得られる信号を用いて生成される。ここでは、
陰極ストリップグループからの信号をトリガー信号とし
て用いた。各グループからの信号は、前置増幅器、波形
整形増幅器、弁別器で構成される、独立したトリガー回
路へ送られる。全てのトリガー回路から弁別された信号
は、1つに結合され、メイントリガーとして利用され
る。メイントリガーは、TDCsに対する共通のストッ
プ信号として、また、データ収集システムを起動させる
のに利用される。ヒット位置は、単に、ヒット電極の平
均位置として得た。X線カラーイメージを得るために、
陰極ストリップの各グループからの整形信号も、ADC
(A/Dコンバータ:CAMAC)へ送られた。
【0049】このようにして、MSGCは、各事象のエ
ネルギー情報を用いて、いくつかのマルチ−バンドイメ
ージを同時に提供する。
ネルギー情報を用いて、いくつかのマルチ−バンドイメ
ージを同時に提供する。
【0050】図7は本発明にかかるMSGCから得られ
た小さな金属ペンダントの明瞭な像(イメージ)を示
す。ペンダントはMSGCの丁度前面に配置した。図7
は、X線ジェネレーターの放射(Cu特性のX線)で得
られたものである。
た小さな金属ペンダントの明瞭な像(イメージ)を示
す。ペンダントはMSGCの丁度前面に配置した。図7
は、X線ジェネレーターの放射(Cu特性のX線)で得
られたものである。
【0051】ガス中のドリフト電子による多重散乱効果
を避けるために、6〜8keVの低エネルギーX線を用
いて、図7を得た。単純な読み出し法を用いて、RMS
位置分解能は、ほぼ60μmであると概算した。ヒット
したX線の数の密度をグレースケールにより示す。ここ
で、濃いグレーは、対数スケールにおいて、数の密度が
より高いことを示す。像(イメージ)の密度が一様であ
ること、及び境界がはっきりしていることは、領域全体
にわたり、検出効率が十分に一様であることを示してい
る。
を避けるために、6〜8keVの低エネルギーX線を用
いて、図7を得た。単純な読み出し法を用いて、RMS
位置分解能は、ほぼ60μmであると概算した。ヒット
したX線の数の密度をグレースケールにより示す。ここ
で、濃いグレーは、対数スケールにおいて、数の密度が
より高いことを示す。像(イメージ)の密度が一様であ
ること、及び境界がはっきりしていることは、領域全体
にわたり、検出効率が十分に一様であることを示してい
る。
【0052】X線イメージの好適な他の例を図8に示
す。
す。
【0053】図8は本発明にかかる300μm径、60
0μmピッチの非常に微細なスルーホールが形成される
高密度回路ボードのX線透視図である。
0μmピッチの非常に微細なスルーホールが形成される
高密度回路ボードのX線透視図である。
【0054】この図から明らかなように、高密度の信号
ラインを前置増幅器へ伝達するために、白い点として、
ライン状に形成された、300μm径、600μmピッ
チの非常に微細なスルーホールが、互いにはっきりと識
別された。
ラインを前置増幅器へ伝達するために、白い点として、
ライン状に形成された、300μm径、600μmピッ
チの非常に微細なスルーホールが、互いにはっきりと識
別された。
【0055】これは、MSGCにおけるX線のデジタル
イメージから、材料の濃度の小さな変化が測定可能であ
ることを意味している。このイメージの統計がまだ十分
でないのは、前記したデータ収集システムのイメージ処
理速度がそんなに速くないためである。イメージの統計
量がより高度になれば、より小さな密度変化をさらに見
分けることが可能となる。
イメージから、材料の濃度の小さな変化が測定可能であ
ることを意味している。このイメージの統計がまだ十分
でないのは、前記したデータ収集システムのイメージ処
理速度がそんなに速くないためである。イメージの統計
量がより高度になれば、より小さな密度変化をさらに見
分けることが可能となる。
【0056】イメージがシャープであることは、イメー
ジのぼやけが、ほぼ100μm未満であることが要求さ
れるX線結晶解析にとって、もっとも重要な要件であ
る。
ジのぼやけが、ほぼ100μm未満であることが要求さ
れるX線結晶解析にとって、もっとも重要な要件であ
る。
【0057】ここで、MSGCをテストする際、こうし
た改善に伴い、X線光源として高強度のX線ジェネレー
ターを用いた。その上で、高い計数率での動作に対する
MSGCの能力を調べた。
た改善に伴い、X線光源として高強度のX線ジェネレー
ターを用いた。その上で、高い計数率での動作に対する
MSGCの能力を調べた。
【0058】まず、最初に、陽極電流の直線性を、ほぼ
200までの増幅率において、計数率ほぼ2×107 H
z/mm2 まで調べた。この測定では、パイルアップ効
果を減じるために、LeCroyで開発された高速増幅
器MQS104(γほぼ20ns)を用いた。また、こ
の増幅器のもつ増幅率が高いために、MSGCの増幅率
をほぼ200にまで下げた。
200までの増幅率において、計数率ほぼ2×107 H
z/mm2 まで調べた。この測定では、パイルアップ効
果を減じるために、LeCroyで開発された高速増幅
器MQS104(γほぼ20ns)を用いた。また、こ
の増幅器のもつ増幅率が高いために、MSGCの増幅率
をほぼ200にまで下げた。
【0059】図9は本発明にかかるX線入射粒子数と陽
極電流との関係を示す特性図であり、横軸に単位面積
(mm2 )当りの陽極電流(nA)、縦軸に単位時間
(秒)単位面積(mm2 )当りのX線入射粒子数(×1
016個)を示している。
極電流との関係を示す特性図であり、横軸に単位面積
(mm2 )当りの陽極電流(nA)、縦軸に単位時間
(秒)単位面積(mm2 )当りのX線入射粒子数(×1
016個)を示している。
【0060】この図に示すように、2×107 Hz/m
m2 というもっとも高い計数率においてさえ、直線性を
保つことがわかった。
m2 というもっとも高い計数率においてさえ、直線性を
保つことがわかった。
【0061】図10は本発明にかかる大強度X線照射時
の1陽極から発する出力信号のデジタル−オシロスコー
プのイメージを示す。各パルスは、大変高い計数率にお
いてさえ、はっきりと識別される。こうした高い計数率
のもとでどのようにしてX線の座標を引き出すかを考え
る場合、このことは大変重要なことである。
の1陽極から発する出力信号のデジタル−オシロスコー
プのイメージを示す。各パルスは、大変高い計数率にお
いてさえ、はっきりと識別される。こうした高い計数率
のもとでどのようにしてX線の座標を引き出すかを考え
る場合、このことは大変重要なことである。
【0062】このように、本発明は、大面積化を図るこ
とができる2次元MSGCを提供するものである。
とができる2次元MSGCを提供するものである。
【0063】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0064】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果を奏することができる。
よれば、以下のような効果を奏することができる。
【0065】(1)請求項1記載の発明によれば、基板
(サブストレート)として、弾性を有する有機薄膜を用
いて、この有機薄膜の下層に位置するバックストリップ
に誘起される信号を使って2次元読み出しを可能にし、
大面積で、形状柔軟性を有するとともに、そのガスの電
子増幅を起こしてX線又は粒子線の信号を取り出し、2
次元座標の同時計測を行うことができる2次元イメージ
ングMSGCを提供することができる。
(サブストレート)として、弾性を有する有機薄膜を用
いて、この有機薄膜の下層に位置するバックストリップ
に誘起される信号を使って2次元読み出しを可能にし、
大面積で、形状柔軟性を有するとともに、そのガスの電
子増幅を起こしてX線又は粒子線の信号を取り出し、2
次元座標の同時計測を行うことができる2次元イメージ
ングMSGCを提供することができる。
【0066】(2)請求項2記載の発明によれば、陰極
ストリップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆
するようにしたので、電極の破壊を有効に防止すること
ができる。
ストリップの両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆
するようにしたので、電極の破壊を有効に防止すること
ができる。
【0067】(3)請求項3記載の発明によれば、弾性
を有する有機薄膜としてポリイミド膜を用いるようにし
たので、大面積化が可能で、形状が柔軟性を有する面上
に、均一な像を描くことができる。
を有する有機薄膜としてポリイミド膜を用いるようにし
たので、大面積化が可能で、形状が柔軟性を有する面上
に、均一な像を描くことができる。
【0068】(4)請求項4記載の発明によれば、基板
の表面に有機チタニウムをコーティングするようにした
ので、その基板表面上の抵抗値を制御し、基板表面チャ
ージングを抑制することができる。
の表面に有機チタニウムをコーティングするようにした
ので、その基板表面上の抵抗値を制御し、基板表面チャ
ージングを抑制することができる。
【0069】(5)請求項5記載の発明によれば、バッ
クストリップの下方にICパッケージを設け、このIC
パッケージをLSI高密度パッケージとするようにした
ので、コンパクトで高密度に集積された2次元MSGC
を提供することができる。
クストリップの下方にICパッケージを設け、このIC
パッケージをLSI高密度パッケージとするようにした
ので、コンパクトで高密度に集積された2次元MSGC
を提供することができる。
【0070】大面積、例えば、10cm×10cmの有
効面積をもつ大きな2次元MSGCを設計することがで
きる。この2次元MSGCはほぼ1000のチャネルを
有し、回路ボードに直接載置し、その上に増幅器を設け
ることができる。
効面積をもつ大きな2次元MSGCを設計することがで
きる。この2次元MSGCはほぼ1000のチャネルを
有し、回路ボードに直接載置し、その上に増幅器を設け
ることができる。
【0071】(6)請求項6記載の発明によれば、バッ
クストリップを微小スルーホールを介して、基板の上面
の第1のボンディングパッドに接続し、ICパッケージ
の端部を立ち上げて壁部を設け、この壁部の上面に第2
のボンディングパッドを形成し、この第2のボンディン
グパッドと第1のボンディングパッドとをボンディング
ワイヤで接続するようにしたので、高密度化が可能で、
しかも配線を容易に行うことができる。
クストリップを微小スルーホールを介して、基板の上面
の第1のボンディングパッドに接続し、ICパッケージ
の端部を立ち上げて壁部を設け、この壁部の上面に第2
のボンディングパッドを形成し、この第2のボンディン
グパッドと第1のボンディングパッドとをボンディング
ワイヤで接続するようにしたので、高密度化が可能で、
しかも配線を容易に行うことができる。
【0072】また、一般的に、半導体分野で利用されて
いる、スルーホール、マイクロレジスターやキャパシタ
ーの形成などの多岐にわたるマイクロエレクトロニクス
技術を用いることが可能である。
いる、スルーホール、マイクロレジスターやキャパシタ
ーの形成などの多岐にわたるマイクロエレクトロニクス
技術を用いることが可能である。
【0073】(7)さらに、本発明によれば、大X線強
度照射において安定した動作を行うX線イメージング検
出器を得ることができる。
度照射において安定した動作を行うX線イメージング検
出器を得ることができる。
【0074】X線照射で2×107 Hz/mm2 レベル
の高い計数条件における良好な動作が可能である。同時
に100μm以下の高い位置分解能の非常に鮮明な像を
得ることができる。
の高い計数条件における良好な動作が可能である。同時
に100μm以下の高い位置分解能の非常に鮮明な像を
得ることができる。
【0075】(8)請求項7記載の発明によれば、陽極
ストリップ、陰極ストリップ及びバックストリップから
出力される信号を処理する2次元読み出し回路を設ける
ようにしたので、2次元座標の同時計測を可能にするこ
とができる。
ストリップ、陰極ストリップ及びバックストリップから
出力される信号を処理する2次元読み出し回路を設ける
ようにしたので、2次元座標の同時計測を可能にするこ
とができる。
【図1】本発明の実施例を示すMSGCの分解斜視図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施例を示すMSGCの陰極ストリッ
プのエッジの被覆状態を示す図である。
プのエッジの被覆状態を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す5cm×5cmの2次元
MSGCが搭載されたPGAパッケージの構造を示す図
である。
MSGCが搭載されたPGAパッケージの構造を示す図
である。
【図4】本発明の実施例を示す2次元MSGCが搭載さ
れたICパッケージの部分断面図である。
れたICパッケージの部分断面図である。
【図5】本発明の実施例を示すMSGCの読み出しシス
テムのブロック図である。
テムのブロック図である。
【図6】本発明の実施例を示す同じX線事象における、
陽極ストリップから得たパルス形状、陰極ストリップか
ら得たパルス形状、バックストリップから得たパルス形
状を示す図である。
陽極ストリップから得たパルス形状、陰極ストリップか
ら得たパルス形状、バックストリップから得たパルス形
状を示す図である。
【図7】本発明にかかるMSGCから得られた小さな金
属ペンダントの明瞭な像(イメージ)を示す図である。
属ペンダントの明瞭な像(イメージ)を示す図である。
【図8】本発明にかかる高密度の回路ボードのボンディ
ング部分のX線透視図である。
ング部分のX線透視図である。
【図9】本発明にかかる1mm厚さの鉛プレートで、ほ
ぼ500μm径をもつピンホールを通過するX線の、2
次元でのエネルギー別強度分布を示す図である。
ぼ500μm径をもつピンホールを通過するX線の、2
次元でのエネルギー別強度分布を示す図である。
【図10】本発明にかかる大強度X線照射時の1陽極か
ら発する出力信号のデジタル−オシロスコープのイメー
ジを示す図である。
ら発する出力信号のデジタル−オシロスコープのイメー
ジを示す図である。
1 基板(サブストレート) 1A 微小スルホール 2 陽極ストリップ 3 陰極ストリップ 3A 両エッジ 4 セラミックからなるベース基板 5 バックストリップ 6 ドリフト板 7 増幅器 8 ポリイミド薄膜 10 第1のボンディングパッド 11 ICパッケージ 11A 壁部 12 ピン 13 第2のボンディングパッド 14 ボンディングワイヤ 100 MSGC 101,102,103 前置増幅器 104 主増幅器と波高弁別器 105 波形整形器 106 弁別器 107 TDC(デジタル・タイミング・コンバー
タ) 108 ADC(A/Dコンバータ) 109 バス 110 CPU(中央処理装置)
タ) 108 ADC(A/Dコンバータ) 109 バス 110 CPU(中央処理装置)
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)弾性を有する有機薄膜からなる平板型の基板と、 (b)該基板上に形成され、交互に平行に配置される陽
極ストリップと陰極ストリップと、 (c)前記陽極ストリップと陰極ストリップ間に接続さ
れる高電圧印加手段と、 (d)前記基板の下面に形成され、前記陽極ストリップ
と陰極ストリップに交差するバックストリップと、 (e)所定の間隔を隔てて上方に配置され、外部からの
X線又は粒子線が照射されるドリフト板と、 (f)前記基板の表面と前記ドリフト板間に流通するガ
スとを備え、 (g)前記ガスの電子増幅を起こしてX線又は粒子線の
信号を取り出し、2次元座標の同時計測を行うことを特
徴とするイメージングマイクロストリップガスチャンバ
ー。 - 【請求項2】 請求項1記載のイメージングマイクロス
トリップガスチャンバーにおいて、前記陰極ストリップ
の両エッジ部を弾性を有する有機薄膜で被覆することを
特徴とするイメージングマイクロストリップガスチャン
バー。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のイメージングマイ
クロストリップガスチャンバーにおいて、前記弾性を有
する有機薄膜はポリイミド膜であることを特徴とするイ
メージングマイクロストリップガスチャンバー。 - 【請求項4】 請求項1記載のイメージングマイクロス
トリップガスチャンバーにおいて、前記基板の表面に有
機チタニウムをコーティングし、表面抵抗を制御するこ
とを特徴とするイメージングマイクロストリップガスチ
ャンバー。 - 【請求項5】 請求項1記載のイメージングマイクロス
トリップガスチャンバーにおいて、前記バックストリッ
プの下方にICパッケージを設け、該ICパッケージを
LSI高密度パッケージとしたことを特徴とするイメー
ジングマイクロストリップガスチャンバー。 - 【請求項6】 請求項5記載のイメージングマイクロス
トリップガスチャンバーにおいて、前記バックストリッ
プを微小スルーホールを介して、前記基板の上面の第1
のボンディングパッドに接続し、前記ICパッケージの
端部を立ち上げて壁部を設け、該壁部の上面に第2のボ
ンディングパッドを形成し、該第2のボンディングパッ
ドと前記第1のボンディングパッドとをボンディングワ
イヤで接続することを特徴とするイメージングマイクロ
ストリップガスチャンバー。 - 【請求項7】 請求項1記載のイメージングマイクロス
トリップガスチャンバーにおいて、前記陽極ストリッ
プ、陰極ストリップ及びバックストリップから出力され
る信号を処理する2次元読み出し回路を具備することを
特徴とするイメージングマイクロストリップガスチャン
バー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11262897A JP3254164B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | イメージングマイクロストリップガスチャンバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11262897A JP3254164B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | イメージングマイクロストリップガスチャンバー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300856A JPH10300856A (ja) | 1998-11-13 |
JP3254164B2 true JP3254164B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=14591497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11262897A Expired - Fee Related JP3254164B2 (ja) | 1997-04-30 | 1997-04-30 | イメージングマイクロストリップガスチャンバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254164B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3479230B2 (ja) * | 1999-01-19 | 2003-12-15 | 科学技術振興事業団 | 導電型キャピラリープレートによるガス放射線検出器 |
JP3535045B2 (ja) * | 1999-07-01 | 2004-06-07 | 独立行政法人 科学技術振興機構 | MSGCによる反跳電子の軌跡映像からのγ線入射方向決定装置 |
GB9920711D0 (en) * | 1999-09-03 | 1999-11-03 | Hd Technologies Limited | High dynamic range mass spectrometer |
JP3354551B2 (ja) | 2000-06-27 | 2002-12-09 | 科学技術振興事業団 | ピクセル型電極によるガス増幅を用いた粒子線画像検出器 |
GB0411926D0 (en) * | 2004-05-27 | 2004-06-30 | Isis Innovation | Direct electron detector |
JP4365844B2 (ja) * | 2006-09-08 | 2009-11-18 | 三菱電機株式会社 | 荷電粒子線の線量分布測定装置 |
JP2011099813A (ja) * | 2009-11-09 | 2011-05-19 | Nagasaki Institute Of Applied Science | 2次元読み出し回路 |
JP5604751B2 (ja) * | 2010-05-23 | 2014-10-15 | 国立大学法人神戸大学 | 高抵抗電極を用いたピクセル型電極による粒子線画像検出器 |
-
1997
- 1997-04-30 JP JP11262897A patent/JP3254164B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10300856A (ja) | 1998-11-13 |
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