JP2000305489A - 書込装置 - Google Patents

書込装置

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JP2000305489A
JP2000305489A JP11113071A JP11307199A JP2000305489A JP 2000305489 A JP2000305489 A JP 2000305489A JP 11113071 A JP11113071 A JP 11113071A JP 11307199 A JP11307199 A JP 11307199A JP 2000305489 A JP2000305489 A JP 2000305489A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示媒体の高解像度、高コントラスト、高信
頼性、高書き込み速度を実現することができる書込装置
を提供する。 【解決手段】 書込装置1は、表面に電圧を作用させる
ことにより表面の視認状態が変化する表示媒体2に対し
て、電圧を印加することにより表示媒体2に対して画像
情報に従った表示の書込みを行うものである。書込装置
1が備える電極アレイ3と4は、各々、表示媒体2の表
面に電圧を印加するものである。この電極アレイ3と4
とは表示媒体2の表面の同一個所に対して印加する電圧
が異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電圧または電流
の作用により可逆的に視認状態を変化させうる表示媒体
に画像情報を表示可能な書き込み装置に関し、特に紙の
代替となる書換え可能な電子ぺ一パ、デジタルペーパ、
ウェッブペーパなどといった表示媒体に、電子情報から
なる画像情報を表示せしめる書込装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の書込装置50の一例を示
しており、図11は、この書込装置50で書き込む表示
媒体2の一例を示している。この表示媒体2は、書込装
置50で書き込むことができる表示媒体であり、紙のよ
うに扱える、電圧で画像情報を書き換え可能な表示媒体
の一例である。図12は、図10の書込装置50の電極
と図11の表示媒体2の表示画素との位置関係と表示状
態を示す概念図である。
【0003】図10において、符号3は電極アレイで、
基板5にスクリーン印刷等で形成された電極棒7と一体
的に搭載されたスイッチング回路9からなり、これらが
図面と垂直方向に多数並べられてアレイ化している。符
号11は電源回路で、画像信号に応じた電圧パルスをス
イッチング回路9を経て、電極棒7に供給する。符号1
3は送り機構で、この場合は表示媒体2を移動させるこ
とにより、全面に視認できる情報を表示させることがで
きる。この代わりに表示媒体2を固定して、電極アレイ
3を移動させるような機構を用いてもよい。電極アレイ
3、電源回路11、送り機構13は図示しないハウジン
グ内に納められ、書込装置50として機能する。
【0004】図11において、符号14はガラス、プラ
スチック等からなる基板で、視認側に用いる場合には透
明な材質が選ばれる。符号15は金属、ITO,Sn02,ZnO:A
l等の導電体薄膜からなる共通電極で、スパッタリング
法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で形成される。基板
14を視認側に用いる場合には共通電極15として、IT
O,Sn02,ZnO:A1等の透明な材質が選ばれる。
【0005】符号16はマイクロカプセルで、分散液1
7を内包している。符号18はアクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、エステル系等の樹脂からなるバインダ
材である。分散液17はベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ナフテン系炭化水素等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ケロシン、パラフィン系炭化水素
等の脂肪族炭化水素類、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、臭化エチ
ル等のハロゲン化炭(化水)素類等の抵抗率の高い有機溶
媒中にアントラキノン類やアゾ化合物類等の油溶性染料
あるいはカーボンブラック、酸化鉄、有機顔料等の着色
微粒子をO.01〜20wt%程度含有させたものからなる分散
媒に、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機顔料
や、ダイアリーライドイエロー、フタロシアニンブルー
等の有機顔料からなる泳動粒子を分散させたものが用い
られる。泳動粒子は分散媒と比重を合わせるため、ある
いは凝集を防いで分散性を高めるために表面に他の物質
を被覆したり、他の物質と複合化してもよい。粒径とし
ては0.01〜10μm程度が好ましい。また、泳動粒子の表
面電荷量を制御したり、分散性を高める目的で、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、チタンカ
ップリング剤等を添加してもよい。マイクロカプセル1
6の壁材としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、ゼラチン等が使用できる。マイクロカプセル16
は界面重合法、In-Situ重合法、コアセルベーション法
等で形成される。カプセル径は1〜1000μm、好ましくは
5〜200μmとされる。上記のような方法で形成されるマ
イクロカプセル16は一般に水分を含むスラリー状とな
る。これを乾燥させて粉末状にすることも可能である
が、バインダ材18として、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリル酸、尿素−ホルマリン
系、メラミン−ホルマリン系、イソブチレン−無水マレ
イン酸系等の水溶性の高分子(またはプレポリマー)材料
を使用する場合には、バインダ材18の水溶液にマイク
ロカプセルのスラリーを混合して塗布液を作製すればよ
い。これをブレードコート、スクリーン印刷、ロールコ
ート等の手法で共通電極15の上に塗布し、乾燥させれ
ばマイクロカプセル16とバインダ材18がひとつの層
をなして、共通電極15の上に強固に固定される。
【0006】図12において、符号19は分散液17に
含まれる電気泳動粒子からなる隠蔽部分であり、符号2
0は分散液17に含まれる染料を溶解した着色部分であ
り、符号7は書込装置1の電極アレイ3の先端部分(電
極棒)を示し、図12(a)は書き込む前の既に画像情報
が書き込まれている表示媒体2を示し、図12(b)は(a)
の表示媒体2に対して電極アレイ3で所定の電圧を一定
時間印加して書き込んだ表示媒体2を示す。図12にお
いて、泳動粒子が負の電荷をもつ粒子を、二酸化チタン
粒子の表面にフェノールを被覆することにより作製して
あり、また、染料には青色の染料を用いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図12を参照して、図
12(a)の状態の表示媒体2に電極先端部7に示す符号
の電位で±100Vを共通電極15に対して印加した場合、
マイクロカプセル16は本来は、左から白(図中の斜線
により示す)、青、青、白、青、白を表示したいが、実
際には、左から白、青灰色(グレーの混色した青と白の
中間色)、青灰色、白、青、白と表示され(図12
(b))、印加する電圧の符号が左右に不均一に印加させ
る箇所で、泳動粒子を適切に泳動できなくなり、結果と
して解像度、コントラスト、信頼性が低下してしまう。
これは、符号51a,51bの電気力線に示されるよう
に、異符号の電圧を隣接して電極に印加することによ
り、電気力線つまりは電界の方向が、異符号の電極間中
央付近で表示媒体2に対して水平方向になり、泳動粒子
は電界の方向に泳動するためである。
【0008】このように、異符号の電圧を印加すること
により、青と白といった表示を行う表示媒体2では、全
面が青または白という均一な状態では、泳動粒子に対し
て+または−のどちらかの符号を印加するだけでよいの
で、電界が表示媒体2と水平方向になることはなく、し
きい値電圧を利用することにより印加電圧または電流を
制御して泳動粒子を上か下に適切に配置して実用レベル
の表示に書込むことはできるが、一度画像情報を書き込
んで青と白とが混在する画像を表示している表示媒体2
に対しては、きちんと書込むことができない。さらに
は、泳動粒子の量を制御して実現する中間調表示を行う
ことは難しい。
【0009】この発明の目的は、表示媒体の高解像度、
高コントラスト、高信頼性、高書き込み速度を実現する
ことができる書込装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、表面に電圧または電流を作用させることにより前記
表面の視認状態が変化する表示媒体に対して、前記電圧
または電流を印加することにより前記表示媒体に対して
画像情報に従った表示の書込みを行う書込装置におい
て、前記表示媒体の表面に前記電圧または電流を印加す
る印加手段を複数備えていて、この各印加手段は前記表
示媒体の表面の同一個所に対して印加する前記電圧また
は電流が異なることを特徴とする書込装置である。
【0011】したがって、各印加手段で印加する電圧ま
たは電流の大きさ、符号、波形、印加時間などを異なら
せることにより、特定の表示箇所およびその周辺の表示
箇所に対して最適に電圧または電流を印加することがで
きるようになり、表示媒体に対して高解像度、高コント
ラスト、高信頼性、高書込み速度である書込装置を実現
することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の書込装置において、前記複数の印加手段のうちのひと
つは前記表示媒体の表面へのベタ画像の表示の専用であ
ることを特徴とする。
【0013】したがって、一度ベタ画像を表示させた
後、特定の表示箇所およびその周辺の表示箇所に対して
最適に電圧または電流を印加することができるようにな
り、表示媒体に対して高解像度、高コントラスト、高信
頼性、高書込み速度である書込装置を実現することがで
きる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、前記各印加手段は前記電
圧または電流を印加する電極の形状が異なることを特徴
とする。
【0015】したがって、電極形状が異なる複数の印加
手段を用いて、表示媒体に対して高解像度、高コントラ
スト、高信頼性、高書込み速度である書込装置を実現す
ることができる。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、前記複数の印加手段のう
ちの少なくともひとつはローラ状またはベルト状の構造
を有することを特徴とする。
【0017】したがって、少なくともひとつはローラ状
またはベルト状の構造を有する複数の印加手段を用い
て、表示媒体に対して高解像度、高コントラスト、高信
頼性、高書込み速度である書込装置を実現することがで
きる。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、前記複数の印加手段のう
ちの少なくともひとつは前記表示媒体の表面を電子また
はイオンで帯電せしめることを特徴とする。
【0019】したがって、少なくともひとつは前記表示
媒体の表面を電子またはイオンで帯電せしめる複数の印
加手段を用いて、表示媒体に対して高解像度、高コント
ラスト、高信頼性、高書込み速度である書込装置を実現
することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】[発明の実施の形態1]本発明の
実施の形態1を図1〜図3に基づいて以下に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1の書込装置の例を示す正
面図であり、図2は、前記書込装置で書込む表示媒体の
断面図である。図3は、書込装置の電極と表示媒体の表
示画素との位置関係と表示状態を示す概念図である。
【0021】図1に示すように、符号1は書込装置であ
る。また、図2において、符号2は表示媒体である。図
1に示すように、符号3,4は印加手段としての2つの
独立した電極アレイで、基板5,6にスクリーン印刷等
で形成された電極棒7,8と一体的に搭載されたスイッ
チング回路9,10からなり、これらが図面に対して垂
直の方向に多数並べられてアレイ化している。符号1
1,12は電源回路で、画像信号に応じた電圧パルスを
スイッチング回路9,10を経て、電極棒7,8に供給
する。符号13は送り機構で、この場合は表示媒体2を
移動させることにより、表示媒体2の全面に視認できる
情報を表示させることができる。この代わりに表示媒体
2を固定して、電極アレイ3,4を移動させるような機
構を用いてもよい。電極アレイ3,4、電源回路11,
12および送り機構13は図示しないハウジング内に納
められ、書込装置1として機能する。
【0022】図2において、符号14はガラス、プラス
チック等からなる基板で、視認側に用いる場合には透明
な材質が選ばれる。符号15は金属、ITO,SnO2,ZnO:Al
等の導電体薄膜からなる共通電極で、スパッタリング
法、真空蒸着法、CDV法、塗布法等で形成される。基板
14を視認側に用いる場合には共通電極15として、IT
O,Sn02,ZnO:A1等の透明な材質が選ばれる。符号16は
マイクロカプセルで、分散液17を内包している。符号
18はアクリル系、ウレタン系、エポキシ系、エステル
系等の樹脂からなるバインダ材である。分散液17は、
ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフテン系炭化水素等
の芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、ケロ
シン、パラフィン系炭化水素等の脂肪族炭化水素類、ト
リクロロエチレン、テトラクロロエチレン、トリクロロ
フルオロエチレン、臭化エチル等のハロゲン化炭(化水)
素類等の抵抗率の高い有機溶媒中にアントラキノン類や
アゾ化合物類等の油溶性染料あるいはカーボンブラッ
ク、酸化鉄、有機顔料等の着色微粒子をO.01〜20wt%程
度含有させたものからなる分散媒に、二酸化チタン、酸
化亜鉛、硫化亜鉛等の無機顔料や、ダイアリーライドイ
エロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料からなる泳
動粒子を分散させたものが用いられる。泳動粒子は分散
媒と比重を合わせるため、あるいは凝集を防いで分散性
を高めるために表面に他の物質を被覆したり、他の物質
と複合化してもよい。粒径としては0.01〜10μm程度が
好ましい。また、泳動粒子の表面電荷量を制御したり、
分散性を高める目的で、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ
エチレングリコール、チタンカップリング剤等を添加し
てもよい。マイクロカプセル16の壁材としては、尿素
樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ゼラチン等が使用
できる。マイクロカプセルは界面重合法、In-Situ重合
法、コアセルベーション法等で形成される。カプセル径
は1〜1000μm、好ましくは5〜200μmとされる。上記の
ような方法で形成されるマイクロカプセル16は一般に
水分を含むスラリー状となる。これを乾燥させて粉末状
にすることも可能であるが、バインダ材18として、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ル酸、尿素−ホルマリン系、メラミン−ホルマリン系、
イソブチレン−無水マレイン酸系等の水溶性の高分子
(またはプレポリマー)材料を使用する場合には、バイン
ダ材の水溶液にマイクロカプセルのスラリーを混合して
塗布液を作製すればよい。これをブレードコート、スク
リーン印刷、ロールコート等の手法で共通電極15の上
に塗布し、乾燥させればマイクロカプセル16とバイン
ダ材18がひとつの層をなして、共通電極15の上に強
固に固定される。
【0023】図3において、符号19は分散液17に含
まれる泳動粒子からなる隠蔽部分であり、符号20は分
散液17に含まれる染料を溶解した着色部分であり、符
号21は書込装置1の電極アレイ3,4の先端部分を示
し、図3(a)は書き込む前の既に画像情報が書き込まれ
ている表示媒体2を示し、図3(b)は(a)の表示媒体2に
対して電極アレイ3,4で所定の電圧を現在の表示箇所
の状態と書込む画像情報に対応して決定し、これを特定
の時間印加して書き込んだ表示媒体2を示し、図3(c)
は連続して、同一の表示箇所に対して、電極アレイ3,
4で所定の電圧を現在の表示箇所の状態と書込む画像情
報に対応して決定し、これを特定の時間印加して書き込
んだ表示媒体2を示す。
【0024】図3において、泳動粒子は負の電荷をもつ
粒子を、二酸化チタン粒子の表面にフェノールを被覆す
ることにより作製してあり、また、染料には青色の染料
を用いている。このとき、マイクロカプセル16が図3
(a)に示すように、青、白(図中の斜線により表示)、
白、青、青、青の表示をしており、これに左から白、
青、青、白、青、白を表示させるように書込装置1で書
込むとする。このとき、図3(b)に示すように、一度、
符号が正負交互になるようにラインアンドスペースの画
像を表示する状態を、電極アレイ4で電位で±100Vを共
通電極に対して印加して書込み、これに連続して別の電
極アレイ3で電位で±100Vを共通電極15に対して画像
情報に対応して書込む。これにより、表示媒体2に、図
3(c)に示すように、左から白、青、青、白、青、白を
表示させるように書込装置1で書込むとことができる。
これは、画像情報を直接に表示媒体2に書込むのではな
く、一度、ダミーの画像表示を行うための電圧または電
流を印加するか、視認状態に大きな違いはない程度にし
きい値以上で泳動粒子を所望する状態に泳動させるため
の電圧または電流を印加することを行い、その後、目的
とする画像情報を表示させるために、2度目として電圧
または電流を印加して、表示媒体2に対する書込みを行
うことにより、泳動粒子を適切に泳動させることができ
る電界強度分布を形成することができ、解像度、コント
ラスト、信頼性に優れた書き込みを行うことができる。
【0025】また、2つの電極アレイ3,4を連続して
用いるため、書込み速度も従来と同じである。これは、
最初に図3(a)から(b)という状態へ移行させるには、正
負の異符号の電圧を電極アレイ4に交互に印加した場合
に、特定のマイクロカプセル16に隣接する2つのマイ
クロカプセル16は同符号の電圧が印加されているた
め、電気力線の方向つまりは電界の方向が左右に対称と
なり、電気力線が水平方向になっていても対称のために
つりあって、近接した表示画素であるマイクロカプセル
16に対応した電極の電圧の符号に応じた泳動粒子の泳
動が生じて、左右に偏りのない泳動となり、青と白の交
互になるように書き込まれる。ただし、図示はしていな
いが、若干、マイクロカプセル16中で周辺部への泳動
が生じる場合もある。
【0026】次に、図3(b)から(c)という状態へは、本
来の画像情報に対応して、電極アレイ3に書き込む画像
情報に対応して符号を選択して電圧を印加する。このと
き、泳動させる必要のない粒子には、電圧を印加しない
でおく。これにより、距離に非対称性はあるものの、特
定のマイクロカプセル16に隣接する電圧の印加された
2つのマイクロカプセル16は同符号の電圧が印加され
ているため、電気力線の方向つまりは電界の方向が左右
にほぼ対称となり、電気力線が水平方向になっていても
対称のためにつりあって、近接した表示画素であるマイ
クロカプセル16に対応した電極の電圧の符号に応じた
泳動粒子の泳動が生じて、左右に偏りのない泳動とな
り、青と白の交互になるように書き込まれる。
【0027】また、異符号の電圧を印加されたマイクロ
カプセル16の間に挟まれた、電圧を印加されていない
マイクロカプセル16は、共通電極15との電界強度が
小さいため、泳動粒子がマイクロカプセル16の内壁か
ら離脱して泳動をするしきい値よりも小さくなり、影響
されにくい。このため、図3で符号16a,16b,1
6cの3つのマイクロカプセル中の泳動粒子が反対側に
泳動しているが、どれも反対方向に適切に泳動してお
り、結果として、左から白、青、青、白、青、白の高解
像度の高コントラスト、高信頼性の画像を書き込むこと
ができる。ただし、完全に左右対称でない符号16aの
マイクロカプセルは、若干泳動粒子が図3の右側に寄せ
られるが、上部から観察する視認状態には影響しないレ
ベルである。
【0028】さらには、この符号の変化に加えて、電圧
の大きさを表示箇所単位で2段階で印加することによ
り、中間調の表示状態も、解俊度を維持したまま書き込
みやすくなる。
【0029】もちろん、前記の内容は、従来のように単
一の電極アレイを用いて、同位置で走査を停止して2度
書きすることにより実現することもできる。この場合
は、走査速度を1/2倍にするため、書き込み速度が1/2倍
となってしまう。また、位置ずれはない利点もあるが、
電極形状が同一のため、書き込みに最適な電界強度分布
を形成することが難しくなる。しかしながら、単一の電
極アレイを用いても、上記のように、印加する電圧また
は電流を、時間を隔ててまたは連続で異なる2種類とす
ることにより、解像度、コントラスト、信頼性を向上す
ることはできる。
【0030】さらには、全面が均一の白表示または青表
示がない場合には、2つの電極アレイ3,4に同じ符号
の電圧を印加することにより、印加時間を実質的に2倍
にできることから、書き込み速度を2倍にすることがで
きる。このときは、電圧または電流が同一であっても構
わない。
【0031】また、マイクロカプセル16の大きさを解
像度のピッチに対応した大きさの1/2として、マイクロ
カプセル16と電極アレイ3,4とが相対的に位置すれ
を生じても必要な解像度を確保できる表示媒体2の場合
には、単一の電極アレイ3だけによる書き込みでは、電
極アレイ3,4の中間に位置するマイクロカプセル16
に対して水平方向に電界の方向が向いてしまうことによ
り、このマイクロカプセル16中の泳動粒子がほとんど
水平方向に泳動してしまい、中間色である青灰色を表示
して、解像度の向上に効果的でないばかりか、画像のノ
イズを増加する結果となってしまい、マイクロカプセル
16が小さくなった分だけ、絶対的な大きさや泳動粒子
や染料の濃度の増加により泳動粒子の水平方向の泳動の
影響を受けやすくなり、その劣化は通常の大きさのマイ
クロカプセル16の場合よりも大きくなる。しかしなが
ら、2つの電極アレイ3,4を用いて書込む場合には、
上記の通常の動作と同様にすることにより、高解像度、
高コントラスト、高信頼性の書き込みを行うことができ
る。
【0032】また、その電極アレイ3,4の位置を解像
度のピッチに対応した大きさの1/2分だけ横にずらして
配置することにより、最初に書き込んだ電極アレイ4の
中間に位置するマイクロカプセル16に、次に書き込む
電極アレイ3によって効果的に電圧を印加することがで
きるようになり、さらに解像度を向上することもでき
る。
【0033】また、この実施形態の2つの電極アレイ
3,4は、書き込みの電圧の符号のみを変化させている
が、2つの電極アレイ3,4において、これと対応した
電流の方向以外にも、電圧または電流の印加の大きさ、
印加時間、波形等を変化させることも効果的である。
【0034】この実施形態の表示媒体2は、液晶、エレ
クトロクロミック、電気泳動、有機EL,無機EL,LED等の
電圧または電流の作用により、その視認性を変化させう
るものであればよく、また、その表示に電圧または電流
を光、磁界、熱、圧力等と補助的に使用する場合に対し
ても同様に効果的である。
【0035】また、電界の消去後も表示された画像を保
持できる、すなわちメモリー性を有する表示媒体2が好
ましく、強誘電性液晶、メモリー性高分子分散型液晶、
双安定性コレステリック液晶、エレクトロクロミック素
子、電気泳動素子等が挙げられるが、これらに限定され
るものではなく、光、熱、磁界、圧力等を複合して用い
るものでもよい。これは、メモリー性を有しない場合に
は、表示媒体2を単独にすると同時に、消去工程を行う
ことになるので、その用途が限定される。このため、紙
と同様に使用したいときには、表示媒体2になんらかの
メモリー性を保持する電源、または構造を設ける必要が
ある。しかしながら、メモリー性を有する場合には、上
記の紙と同様に、特別な手段を設ける必要なく画像デー
タを保持することができる。
【0036】また、表示材料をマイクロカプセル16に
封入しなくても、そのまま用いたり、単体または他の材
料と共に塗工したり、平板の中に挿んだり、平板と隔壁
からなる空間に封入したりしてもよい。さらには、これ
らの書き込みは2回に限定されるものではなく、複数回
行うことにより、より解像度やコントラストを向上する
ことができる。
【0037】[発明の実施の形態2]この発明の実施の
形態2を、図4に基づいて以下に説明する。図4は、図
1の書込装置1の電極アレイ3,4と図2の表示媒体の
表示画素2との位置関係と表示状態を示す概念図であ
る。図4および以下の説明において、図1〜図3と同一
符号の部材は発明の実施の形態1の場合と同様であり、
以下では、この発明の実施の形態2が発明の実施の形態
1と相違する点を中心に説明し、共通点については詳細
な説明を省略する。
【0038】図4において、泳動粒子は,負の電荷をも
つ粒子を,二酸化チタン粒子の表面にフェノールを被覆
することにより作製してあり、また、染料には青色の染
料を用いている。このとき、図4(a)に示すように、マ
イクロカプセル16が、図の左から青、白(図中の斜線
により示している)、白、青、青、青の表示をしてお
り、これに左から白、青、青、自、青、白を表示させる
ように書込装置1で書込むとする。このとき、図4(b)
に示すように、一度、符号がすべて負になるように青ベ
タ画像を表示する状態を、電極アレイ4で電位で−100V
を共通電極15に対して印加して書き込み、これに連続
して別の電極アレイ3で電位で+100Vを共通電極15に
対して画像情報に対応して書き込む。これにより、表示
媒体2に、左から青、青、自、青、自、青を表示させる
ように書き込み装置で書き込むとことができる。これ
は、画像情報を直接に表示媒体2に書き込むのではな
く、1度、ダミーのベタ画像表示を行うための電圧また
は電流を印加することを行い、その後、目的とする画像
情報を表示させるために、2度めとして電圧または亀流
を印加して、表示媒体2に対する書き込みを行うことに
より、泳動粒子を適切に泳動させることができる電界強
度分布を形成することができ、解像度、コントラスト、
信頼性に優れた書き込みを行うことができる。
【0039】これは、最初に図4(a)から(b)という状態
からすべての負の電圧を電極アレイ4に印加した場合
に、すべてのマイクロカプセル16が青を表示して、結
果として青ベタ画像を書き込んだことになる。この場
合、すべてのマイクロカプセル16中の泳動粒子が共通
電極15面に泳動しており、均一な状態にある。さら
に、次に図4(b)から(c)という状態へは、本来の画像情
報に対応して、電極アレイ3に書き込む画像情報に対応
して正の符号の電圧を印加する。このとき、泳動させる
必要のない粒子には、電圧を印加しないでおく。これに
より、泳動させる必要のあるマイクロカプセル16のみ
正の同じ符号の電圧を印加するだけでよいので、隣接す
る電極同士が異符号の電位をもって大きい強度を持つ電
界を形成することはないので、正の電圧を印加した電極
に対して適切に泳動粒子を泳動することにより、白を表
示することができる。また、電圧を印加されていないマ
イクロカプセル16は、隣接したマイクロカプセル16
に電圧が印加されていても、共通電極15との電界強度
が小さいため、泳動粒子がマイクロカプセル16の内壁
から離脱して泳動をするしきい値よりも小さくなり、影
響されにくい。
【0040】これは、一度、符号がすべて正になるよう
に白ベタ画像を表示する状態を、電極アレイ4で電位で
+100Vを共通電極15に対して印加して書き込み、これ
に連続して別の電極アレイ3で電位で−100Vを共通電極
15に対して画像情報に対応して書き込む場合にも、同
様に効果的である。
【0041】また、ベタ画像を書き込む場合には、全面
が均一であればよいので、特定の表示箇所のマイクロカ
プセル16と隣接したマイクロカプセル16のしきい値
を考慮する必要がないため、印加電圧を通常より大きく
したり、また印加時間を通常より長くすることは、マイ
クロカプセル16の本来の光学濃度までは反射率にベタ
画像の特性を向上させたり、高速にベタ画像を書き込む
ためには非常に効果的である。
【0042】[発明の実施の形態3]本発明の実施の形
態3を、図5に基づいて以下に説明する。図5は、書込
装置1の電極アレイ3,4の先端を表示媒体2側から見
た場合の概念図である。図5および以下の説明におい
て、図1〜図3と同一符号の部材は発明の実施の形態1
の場合と同様であり、以下では、この発明の実施の形態
3が発明の実施の形態1と相違する点を中心に説明し、
共通点については詳細な説明を省略する。
【0043】符号21は最初に書き込む電極アレイ4の
先端であり、符号22は2度目に書き込む電極アレイ3
の先端であり、21a〜21f、22a〜22fは個々
の電極アレイ3,4の露出面であり、これらはスタイラ
スヘッド構造をとると同時にヘッド側面をシールド処理
してある。
【0044】図5において、電極アレイ3の先端22に
ついて、図2で示す表示媒体2に対して、すべての電極
に負の電圧を印加する場合には通常の2倍の時間、電圧
を印加することができるため、確実にベタ画像を形成で
きるようになる。これは、通常と同様のステップ走査速
度で表示媒体2を搬送しても、電極の長さが2倍である
ために、2回分の電圧印加が行われることによる。
【0045】また、電極の長さ以外にも、幅、形状その
もの、シールド部材の配置や形状、表示媒体2との距離
を2つの電極アレイ3,4で異ならせることも同様に効
果的である。
【0046】さらには、最初にベタ画像を書き込むので
はなく、ラインアンドスペースの画像を書き込む場合に
は、表示画素をアレイ方向に2ヶ周期で形状を変化させ
たりすることも効果的である。また、泳動粒子を部分的
に泳動する場合のときには、電極の露出面積を通常より
も小さくしたり、オフセットにしたりすることも効果的
である。また、電極アレイの数を変えたり、ピッチを変
化させたりすることも効果的である。
【0047】[発明の実施の形態4]本発明の実施の形
態4を、図6に基づいて以下に説明する。図6は、書込
装置1の電極アレイ3,4の先端を表示媒体2側から見
た場合の概念図である。図6および以下の説明におい
て、図1〜図3、図5と同一符号の部材は発明の実施の
形態3の場合と同様であり、以下では、この発明の実施
の形態4が発明の実施の形態3と相違する点を中心に説
明し、共通点については詳細な説明を省略する。
【0048】符号21は最初に書き込む電極アレイ4の
先端であり、符号22は2度目に書き込む電極アレイ3
の先端である。符号21a〜21fは個々の電極アレイ
4の露出面であり、符号22gは電極アレイ3の露出面
であり、これらはスタイラスヘッド構造をとると同時に
ヘッド側面をシールド処理してある。
【0049】図6において、図2で示す表示媒体2に対
して、すべての電極に負の電圧を印加する場合には、露
出面22a〜22fのように(図5)、個別のアレイと
しなくても構わないため、電極アレイ3の露出面22g
は、走査方向と垂直の方向につながった共通の幅広電極
構造とすることにより、通常の2倍の時間で電圧を印加
することができると同時に、電極アレイ3,4同士の隙
間の部分の表示媒体2にも電圧を直接に印加できるよう
になり、かつ電界の方向を理想的にな垂直かつ電気力線
を平行にできるので、確実にベタ画像を形成できるよう
になる。これは、1つの共通電極15ではなくとも、複
数に分割して異なる電圧を印加して分布を均一にするこ
とも効果的である。また、走査方向に分割して、異なる
電圧を印加することも効果的である。
【0050】[発明の実施の形態5]この発明の実施の
形態5を、図7に基づいて以下に説明する。図7は、こ
の発明の実施の形態5にかかる書込装置1の正面図であ
る。図7および以下の説明において、図1〜図3と同一
符号の部材は発明の実施の形態1の場合と同様であり、
以下では、この発明の実施の形態5が発明の実施の形態
1と相違する点を中心に説明し、共通点については詳細
な説明を省略する。
【0051】符号2は表示媒体で例えば図2に示す構造
のものが使用される。符号3は電極アレイで、これは図
1の電極アレイ3と全く同様の構成であり、基板5にス
クリーン印刷等で形成された電極棒7と一体的に搭載さ
れたスイッチング回路9からなり、これらが図面上に対
して垂直方向に多数並べられてアレイ化している。符号
11は電源回路で、画像信号に応じた電圧パルスをスイ
ッチング回路9を経て、電極棒7に供給する。符号12
は符号11とは別の電源回路であり、これは画像信号に
応じた電圧パルスをスイッチングする回路を内蔵してお
り、印加手段である符号23の導伝体からなる電極ロ一
ラに供給する。符号13は送り機構で、この場合は表示
媒体2を移動させることにより、全面に視認できる情報
を表示させることができる。この代わりに表示媒体2を
固定して、電極アレイ3、電極ローラ23を移動させる
ような機構を用いてもよい。電極アレイ3、電極ローラ
23、電源回路11,12は図示しないハウジング内に
納められ、書込装置1として機能する。
【0052】図2で示す表示媒体2に対し、すべての電
極に負の電圧を印加する場合には、個別のアレイとしな
くても構わないため、図7に示すように電極ローラ23
全体に負の電圧を印加することにより、表示媒体2に密
着させながらかつ表示媒体2面を擦ることなく電圧を確
実に印加することができ、また、発明の実施の形態1に
おける電極アレイ3,4同士の隙間の部分の表示媒体2
にも電圧を直接に印加できるようになり、かつ電界の方
向を理想的な垂直にかつ電気力線を平行にできるので、
確実にべタ画像を形成できるようになる。このとき、電
極ローラ23のカーボンとゴムとからなる弾性体を用い
た場合には、その接触面積を大きくすることにより、電
圧を印加する時間を増大することもできる。また、ロ一
ラ以外にもベルト、シームレスベルト等を用いても同様
に効果的である。
【0053】[発明の実施の形態6]この発明の実施の
形態6を、図8に基づいて以下に説明する。図8は、こ
の発明の実施の形態6にかかる書込装置1の正面図であ
る。図8および以下の説明において、図1〜図3と同一
符号の部材は発明の実施の形態1の場合と同様であり、
以下では、この発明の実施の形態6が発明の実施の形態
1と相違する点を中心に説明し、共通点については詳細
な説明を省略する。
【0054】図8において、符号2は表示媒体で、例え
ば図2に示す構造のものが使用される。符号24は印加
手段であるイオン銃アレイで、コロナワイヤ25、放電
フレーム26、制御電極27a,27bからなり、これ
らが紙面と垂直方向に多数並べられてアレイ化してい
る。符号28はコロナイオン発生用高圧電源、符号29
はイオン流制御用電源である。符号13は送り機構で、
この場合は表示媒体2を移動させることにより、全面に
視認できる情報を表示させることができる。この代わり
に表示媒体2を固定して、イオン銃アレイ24、電極ア
レイ3を移動させるような機構を用いてもよい。
【0055】以下にイオン銃アレイ24による泳動粒子
の動作の例を説明する。まず、表示媒体2中の泳動粒子
の表面電荷と逆の極性の電圧(例えば泳動粒子が酸化チ
タンのみで正電荷をもつ場合には負電圧)をコロナワイ
ヤ25に印加して、表示媒体2の表面に負電荷を供給す
る。すると、この電荷と共通電極15との間に形成され
る電界によって、泳動粒子が表面に移動し、泳動粒子の
色が観測される。次に正電圧をコロナワイヤ25に印加
して、画像信号に応じて制御電極27aに印加する電圧
の極性および大きさを変える。すなわち、正電圧を印加
した場合にはイオン流がアパーチャ30を通過して、表
示媒体2の表面に正電荷が供給されるため、泳動粒子は
共通電極15側に移動し、表面からは分散媒の色が観測
される。負電圧を印加した場合にはイオン流がアパーチ
ャ30を通過できないため、表示媒体2の表面には電荷
が供給されず、泳動粒子の移動が起こらず、表面からは
泳動粒子の色が観測される。イオン銃アレイ24は図示
しないハウジング内に納められ、書込装置1として機能
する。
【0056】また、図8において、符号3は電極アレイ
で、これは図1の電極アレイ3と全く同様の構成であ
り、基板5にスクリーン印刷等で形成された電極棒7と
一体的に搭載されたスイッチング回路9からなり、これ
らが紙面と垂直方向に多数並べられてアレイ化してい
る。符号11は電源回路で、画像信号に応じた電圧パル
スをスイッチング回路9を経て、電極棒7に供給する。
符号13は共通の送り機構で、この場合は表示媒体2を
移動させることにより、全面に視認できる情報を表示さ
せることができる。この代わりに表示媒体2を固定し
て、電極アレイ3、イオン銃アレイ24を移動させるよ
うな機構を用いてもよい。電極アレイ3、電源回路11
などは図示しないハウジング内に納められ、書込装置1
として機能する。
【0057】図8において、イオン銃アレイ24と電極
アレイ3のどちらを最初に書き込む電極として用いても
構わない。最初にベタ画像を均一にきれいに書き込むた
めにイオン銃アレイ24を用いた場合には、電荷が表示
媒体表面に保持されるので、電圧を印加する実効的な時
間を長くすることができ、かつ複雑な制御がいらない点
では非常に効果的である。また、2回目にイオン銃アレ
イ24で書き込む場合には、これもまた電荷が電荷が表
示媒体2表面に保持されるので、書き込み速度を大きく
することが可能である。この場合には、最初に書き込む
電極の長さを長くしたり電圧を大きくしたり、またはロ
ーラ構造と組み合わせることにより、2つの書き込みヘ
ッドとも高速の書き込みに調整することが効果的であ
る。また、電極アレイ3の代わりにイオン銃アレイ24
を用いてもよい(つまり、イオン銃アレイ24を2列配
してもよい)。この場合、1回目、2回目ともにイオン
銃アレイ24で書込むことにより、単純な操作で高速の
書込みが可能となる。さらには、イオン銃アレイ24以
外にも、単純なコロナ放電のみや、ローラ帯電、ブラシ
帯電等を用いても電荷を長時間保持することができるの
で同様に効果的である。
【0058】
【実施例】以下、具体的な実施例について説明する。
【0059】(実施例1)可逆的に書き換え可能な表示媒
体2は以下のように作製した。分散媒としてテトラクロ
ロエチレンに0.5wt%の青色染料(マクロレックスブルー
RR:バイエル社)を溶解したものを用い、泳動粒子と
して、表面をAlで処理した平均粒径O.21μmmの二酸化
チタン(CR60:石原産業(株))を用いた。この粒子とオレ
イン酸を分散媒に各々10wt%と0.5wt%混合して、分散液
17とした。
【0060】この分散液17を内包するマイクロカプセ
ル16を以下のように作製した。すなわち、ゼラチン水
溶液とアラビアゴム水溶液を混合して、50℃に昇温し水
酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整する。この
中に分散液17を加え、攪拌して乳化する。さらにpHを
4まで除々に下げて分散液17の界面にゼラチン/アラビ
アゴムの濃厚液を析出させた後、温度を下げて皮膜をゲ
ル化し、グルタールアルデヒド水溶液を加えて硬化し
た。このようにしてゼラチンを壁材とするマイクロカプ
セル16のスラリーを得た。カプセル径は平均60μmと
なるように乳化条件を制御した。
【0061】基板14として100μm厚のPETを用い、ITO
薄膜をスパッタリング法により形成して共通電極15と
した。この上に、ポリビニルアルコール10%水溶液に等
重量の上記マイクロカプセル16のスラリーを加えたも
のをブレードコーターで塗布し、乾燥することによりマ
イクロカプセル16とポリビニルアルコールがひとつの
層をなして、共通電極15に固定された。
【0062】ここで、この表示媒体2に図1に示す2つ
の電極アレイ3,4を具備する書込装置1で書き込みを
行った。電極アレイ3,4は125μmピッチで各400個の
電極棒7,8を配列したものを用いた。画像信号に応じ
た電圧パルスをスイッチング回路9,10を経て、電極
棒7,8に供給した。表示媒体2の表面が青表示となる
電圧を−150V、白表示となる電圧を+150Vとし、パルス
幅を100msとした。送り機構13によって表示媒体2を
移動させることにより、表示媒体2の全面に画像を表示
することができた。送り速度は1.25mm/secとした。
【0063】書き換え特性を測定するために、図3
(a)、(c)のように書き換え時の解像度が劣化やすい画像
情報をチェックパターンA、チェンクパターンBとして決
定し、あらかじめ電極棒7のみを使用して、まず何も書
き込んだことのない全面青表示の表示媒体2に対して、
チェックパターンAを書き込んでチェックシートとし
た。このチェックシートに対して、電極棒8,7の順
に、図11(a)、(b)、図3(b)、(c)のように符号を決定
して電圧を印加してチェックパターンBを最終的に書き
込んだ、チェックシートのチェックパターンBの評価と
しては、解像度は、あらかじめチェックパターンBに
縦、横、斜めラインアンドスペース(L&S)や格子や画数
の多い漢字を取り入れ、レーザプリンタ(リコー製NS50
0)で出力した各種の画像とを目視比較して総合的に解像
度を決定した。コントラスト評価のためにベタ画像等の
光学濃度を光学濃度測定装置(東京電飾DENSITOMETER TC
-6MC)で測定した。ただし、ベタ画像等のコントラスト
よりは、画像のエッジのコントラストが実際の目視の見
易さに大きく影響するが、これは解像度の目視評価によ
り評価することができる。
【0064】(比較例1)実施例1と同じチェックシート
を用いて、同じ書込装置1によって、電極棒7のみで図
11(b)のように符号を決定して電圧を印加してチェッ
クパターンBを1回のみで書き込んだ。評価は、実施例1
と同様である。
【0065】(実施例2)実施例1と同じチェックシート
を用いて、同じ書込装置1によって、電極棒8,7の順
に、図4(b)、(c)のように符号を決定して電圧を印加し
てチェックパターンBを最終的に書き込んだ。評価は、
実施例1と同様である。
【0066】(実施例3)実施例1の書込装置1の2つの
電極アレイ3,4のうちの電極棒8に対応する片方の電
極アレイ4を、アレイではなく共通電極として書き込み
を行った。他は、実施例2と同様に行った。
【0067】(実施例4)実施例1の書込装置1の2つの
電極アレイ3,4のうちの電極棒8に対応する片方の電
極アレイ4を、金属ローラ23とし、表示媒体2を、こ
の金属ローラ23とシリコンゴムローラを挿む構造の共
通電極15として書き込みを行った。他は、実施例2と
同様に行った。
【0068】(実施例5)実施例1の書込装置1の2つの
電極アレイ3,4のうちの電極棒8に対応する片方の電
極アレイ4を、図8に示すイオン銃アレイ24とした書
込装置1で書き込みを行った。実際には、グリッド電極
を設けずに、コロナワイヤ25に+5kVの電圧を印加し
て、表示媒体2の全面を青表示とした。その後、残った
電極アレイ3で、図4(c)のように符号を決定して電圧
を印加してチェックパターンBを最終的に書き込んだ。
評価は、実施例1と同様である。
【0069】図9は、前記各実施例、比較例における、
表示媒体2への書込画像の評価を示すもので、チェック
シートの解像度(dpi)および光学濃度(反射率%表示)の
表である。ただし、この表において、◎は極めて良好、
○は良好、△は普通、×は悪い、という水準での目視評
価である。
【0070】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、各印加手段で
印加する電圧または電流の大きさ、符号、波形、印加時
間などを異ならせることにより、特定の表示箇所および
その周辺の表示箇所に対して最適に電圧または電流を印
加することができるようになり、表示媒体に対して高解
像度、高コントラスト、高信頼性、高書込み速度である
書込装置を実現することができる。
【0071】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の書込装置において、一度ベタ画像を表示させた後、特
定の表示箇所およびその周辺の表示箇所に対して最適に
電圧または電流を印加することができるようになり、表
示媒体に対して高解像度、高コントラスト、高信頼性、
高書込み速度である書込装置を実現することができる。
【0072】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、電極形状が異なる複数の
印加手段を用いて、表示媒体に対して高解像度、高コン
トラスト、高信頼性、高書込み速度である書込装置を実
現することができる。
【0073】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、少なくともひとつはロー
ラ状またはベルト状の構造を有する複数の印加手段を用
いて、表示媒体に対して高解像度、高コントラスト、高
信頼性、高書込み速度である書込装置を実現することが
できる。
【0074】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載の書込装置において、少なくともひとつは前記
表示媒体の表面を電子またはイオンで帯電せしめる複数
の印加手段を用いて、表示媒体に対して高解像度、高コ
ントラスト、高信頼性、高書込み速度である書込装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である書込装置の正面
図である。
【図2】前記書込装置で書込みを行う表示媒体の縦断面
図である。
【図3】前記書込装置の電極アレイと前記表示媒体の表
示画素との位置関係と表示状態を示す概念図である。
【図4】この発明の実施の形態2における書込装置の電
極アレイと表示媒体の表示画素との位置関係と表示状態
を示す概念図である。
【図5】この発明の実施の形態3における書込装置の電
極アレイの先端を表示媒体側から見た場合の概念図であ
る。
【図6】この発明の実施の形態4における書込装置の電
極アレイの先端を表示媒体側から見た場合の概念図であ
る。
【図7】この発明の実施の形態5にかかる書込装置の正
面図である。
【図8】この発明の実施の形態6にかかる書込装置の正
面図である。
【図9】この発明の実施例、比較例における、表示媒体
への書込画像の評価を示す、チェックシートの解像度お
よび光学濃度の表である。
【図10】従来の書込装置の正面図である。
【図11】従来の表示媒体の縦断面図である。
【図12】従来の書込装置の電極アレイと表示媒体の表
示画素との位置関係と表示状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 書込装置 3 印加手段 4 印加手段 23 印加手段 24 印加手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電圧または電流を作用させること
    により前記表面の視認状態が変化する表示媒体に対し
    て、前記電圧または電流を印加することにより前記表示
    媒体に対して画像情報に従った表示の書込みを行う書込
    装置において、 前記表示媒体の表面に前記電圧または電流を印加する印
    加手段を複数備えていて、この各印加手段は前記表示媒
    体の表面の同一個所に対して印加する前記電圧または電
    流が異なることを特徴とする書込装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の印加手段のうちのひとつは前
    記表示媒体の表面へのベタ画像の表示の専用であること
    を特徴とする請求項1に記載の書込装置。
  3. 【請求項3】 前記各印加手段は前記電圧または電流を
    印加する電極の形状が異なることを特徴とする請求項1
    または2に記載の書込装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の印加手段のうちの少なくとも
    ひとつはローラ状またはベルト状の構造を有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の書込装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の印加手段のうちの少なくとも
    ひとつは前記表示媒体の表面を電子またはイオンで帯電
    せしめることを特徴とする請求項1または2に記載の書
    込装置。
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