JP2000304618A - 映像化装置 - Google Patents

映像化装置

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JP2000304618A
JP2000304618A JP11236164A JP23616499A JP2000304618A JP 2000304618 A JP2000304618 A JP 2000304618A JP 11236164 A JP11236164 A JP 11236164A JP 23616499 A JP23616499 A JP 23616499A JP 2000304618 A JP2000304618 A JP 2000304618A
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light
displacement
radiation
readout
temperature
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JP11236164A
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English (en)
Inventor
Toru Ishizuya
徹 石津谷
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱型変位素子における初期的な位置のずれに
よる不都合を解消し、装置固有の特性を可変にする。 【解決手段】 基板1上の各反射部5の傾きは、熱源3
1からの赤外線を吸収する赤外線吸収部で発生した熱に
応じて、変化する。光源10からの読み出し光が、レン
ズ系11を介して略平行光線束52となって各反射部5
に斜めから照射される。その反射光線束53は、レンズ
系11を通過し、その通過後の光線束54のうち所望の
光線束のみが選択的に光線束制限部12を通過する。そ
の通過光線束55はレンズ系13を介して反射部5と共
役に配置されたCCD20の受光面上に到達し、各反射
部5の像からなる光学像が形成される。各反射部5の像
の光量は当該反射部5の傾きに応じて異なる。基板1の
温度が温度設定器111で設定され、読み出し光が光量
設定器14で設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の範囲内に到
達する放射を光学像や画像信号に変換する映像化装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、1次元又は2次元状に配列さ
れた複数の熱型変位素子を有する変換手段を備えた映像
化装置が提供されている。この熱型変位素子は、赤外線
等の放射を受けて熱を発生し、当該熱に応じた変位を発
生し、前記変位に応じた所定の変化を発生するものであ
る。いわゆる静電容量型の熱型変位素子では、変位に応
じた所定の変化として静電容量の変化を発生する(特開
平8−193888号公報、米国特許第3,896,3
09号公報等)。いわゆる光読み出し型の熱型変位素子
では、変位に応じた所定の変化として、受光した読み出
し光に変化を与える(特開平10−253447号公
報、特開平10−260080号公報)。
【0003】このような熱型変位素子を有する変換手段
を備えた映像化装置では、周囲温度の影響を避けるた
め、変換手段を容器内に入れ、ペルチェ素子等の温度調
節器を用いて、変換手段の温度を室温に近い常に同じ一
定の温度に保つように制御することが提案されている
(特開平10−260080号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱型変
位素子を有する変換手段を用いた従来の映像化装置で
は、製造上、熱型変位素子における変位部の初期的な位
置を常に一定にすることが困難であり、チップ間にばら
つきが生じていた。これに起因して、従来の映像化装置
では種々の不都合が生じていた。例えば、従来の静電容
量型の映像化装置では、同じ入射赤外線量に対して得ら
れる静電容量信号が装置ごとにばらついてしまうなどの
不都合が生じていた。また、従来の光読み出し型の映像
化装置では、同じ入射赤外線量に対して得られる読み出
し光の変化量が装置ごとにばらついたり、そのばらつき
を防止するために組立時に光学部品等厳密な位置合わせ
が必要となるなどの不都合が生じていた。
【0005】また、従来の映像化装置では、装置固有の
特性を適宜変えるようなことはできなかった。例えば、
従来の光読み出し型の映像化装置では、観察可能な放射
の量の範囲をシフトさせたり、観察可能な放射の量の範
囲を変えたり、入射放射量の変化に対する読み出し光の
変化を大きくして観察分解能を高めたりすることはでき
なかった。また、従来の静電容量型の映像化装置におい
ても、観察可能な放射の量の範囲をシフトさせたりする
ようなことはできなかった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、熱型変位素子における変位部の初期的な位置
を常に一定にすることが製造上困難であることに起因し
て従来発生していた不都合を解消することができる、映
像化装置を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、装置固有の特性を適宜変
えることができる映像化装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による映像化装置は、所定の範
囲内に到達する放射を光学像又は画像信号に変換する映
像化装置であって、1次元又は2次元状に配列された複
数の熱型変位素子を有する変換手段を備え、前記各熱型
変位素子が、放射を受けて熱を発生し、当該熱に応じた
変位を発生し、前記変位に応じた所定の変化を発生す
る、映像化装置において、前記変換手段を収容する密封
された容器であって、前記放射を透過させる窓を有する
容器と、前記変換手段の所定部分の温度を調節する温度
調節器と、前記変換手段の前記所定部分の温度を直接的
又は間接的に検出する温度センサと、前記温度センサか
らの温度検出信号及び入力された可変の設定信号に基づ
いて、前記変換手段の前記所定部分の温度が、前記設定
信号に応じた温度に実質的に保たれるように、前記温度
調節器を制御する制御手段とを備えたものである。
【0009】なお、第1の態様による映像化装置は、静
電容量型の映像化装置であってもよいし、光読み出し型
の映像化装置などであってもよい。
【0010】この第1の態様によれば、温度センサから
の温度検出信号及び入力された可変の設定信号に基づい
て、変換手段の所定部分の温度が制御手段により制御さ
れて、前記設定信号に応じた温度に実質的に保たれる。
したがって、前記設定信号を変えるだけで、変換手段の
所定の部分を一定に保つ温度を変えることができる。変
換手段を一定に保つ温度を変えれば、それに応じたオフ
セットが熱型変位素子の変位部の変位に与えられること
になる。
【0011】したがって、熱型変位素子における変位部
の初期的な位置がばらついていても、前記設定温度を変
えるだけで、変位部の初期的な位置を所望の位置に調整
することができ、熱型変位素子における変位部の初期的
な位置を常に一定にすることが製造上困難であることに
起因して従来発生していた不都合を解消することができ
る。また、熱型変位素子の変位部の変位に所望のオフセ
ットを与えることができるので、装置固有の特性を適宜
変えるようなことができる。例えば、観察可能な放射の
量の範囲をシフトさせたりすることができる。
【0012】本発明の第2の態様による映像化装置は、
各々の素子が、放射を受けて熱を発生し、当該熱に応じ
た変位を発生し、受光した読み出し光に前記変位に応じ
た変化を与えて出射させる、1次元又は2次元状に配列
された複数の素子を有する光読み出し型放射−変位変換
手段と、前記各素子に前記読み出し光を照射し、前記各
素子から出射された前記変化した読み出し光に基づいて
前記各素子の前記変位に応じた光学像を形成する読み出
し光学系と、前記光読み出し型放射−変位変換手段を収
容する密封された容器であって、前記放射を透過させる
窓及び前記読み出し光を透過させる窓を有する容器と、
前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の温度
を調節する温度調節器と、前記光読み出し型放射−変位
変換手段の前記所定部分の温度を直接的又は間接的に検
出する温度センサと、前記温度センサからの温度検出信
号及び入力された可変の設定信号に基づいて、前記光読
み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の温度が、
前記設定信号に応じた温度に実質的に保たれるように、
前記温度調節器を制御する制御手段とを備えたものであ
る。
【0013】この第2の態様は、前記第1の態様を光読
み出し型の映像化装置に適用した例であり、前記第1の
態様と同様の利点が得られる。
【0014】本発明の第3の態様による映像化装置は、
所定の範囲内に到達する放射を光学像に変換する映像化
装置であって、光読み出し型放射−変位変換手段と、読
み出し光学系と、前記光読み出し型放射−変位変換手段
を収容する密封された容器であって、前記放射を透過さ
せる窓及び前記読み出し光を透過させる窓を有する容器
と、前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の
温度を調節する温度調節器と、前記光読み出し型放射−
変位変換手段の前記所定部分の温度を直接的又は間接的
に検出する温度センサと、前記温度センサからの温度検
出信号及び入力された可変の設定信号に基づいて、前記
光読み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の温度
が、前記設定信号に応じた温度に実質的に保たれるよう
に、前記温度調節器を制御する制御手段とを備えたもの
である。前記光読み出し型放射−変位変換手段は、前記
所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複数箇
所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放射吸
収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を前記
複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する複数
の変位部と、該複数の変位部の変位に従ってそれぞれ傾
きが変化する複数の反射部とを含む。前記読み出し光学
系は、読み出し光を供給するための読み出し光供給手段
と、前記読み出し光を前記光読み出し型放射−変位変換
手段の複数の反射部へ導く第1レンズ系と、該第1レン
ズ系を通過した後に前記複数の反射部にて反射された読
み出し光の光線束のうち所望の光線束のみを選択的に通
過させる光線束制限手段と、前記第1レンズ系と協働し
て前記複数の反射部と共役な位置を形成し且つ該共役な
位置に前記光線束制限手段を通過した光線束を導く第2
レンズ系とを有する。前記読み出し光供給手段は、前記
第1レンズ系の光軸に関して一方の側の領域を前記読み
出し光が通過するように前記読み出し光を供給する。前
記光線束制限手段は、前記所望の光線束のみを選択的に
通過させる部位が前記第1レンズ系の光軸に関して他方
の側の領域に配置されるように構成される。なお、前述
したように光線束制限手段が所望の光線束のみを選択的
に通過させるが、この通過とは、透過及び反射を含む表
現である(後述する第8の態様についても同様。)。
【0015】この第3の態様によれば、所定の範囲に到
達する赤外線、X線、紫外線等の放射が複数の放射吸収
部に照射され、当該放射が複数の放射吸収部により複数
箇所にてそれぞれ吸収されて熱に変換される。複数の放
射吸収部にて変換された各熱が、複数の変位部によって
前記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換され
る。そして、複数の反射部の傾きが、複数の変位部の変
位に従ってそれぞれ変化する。すなわち、各放射吸収部
に入射した放射が、その量に応じた各反射部の傾きに変
換される。一方、可視光やその他の光による読み出し光
が、読み出し光供給手段から第1レンズ系を介して複数
の反射部に照射される。したがって、各放射吸収部に照
射された放射が、各反射部により反射された読み出し光
の方向(反射方向)に変換されることになる。複数の反
射部にて反射された読み出し光の光線束は第1レンズ系
を通過し、その通過後の光線束のうち所望の光線束のみ
が選択的に光線束制限手段を通過する。光線束制限手段
を通過した光線束は、第1レンズ系及び第2レンズ系に
より形成された前記複数の反射部と共役な位置に、第2
レンズ系により導かれる。したがって、読み出し光によ
る前記複数の反射部の像がこの共役な位置に形成され
る。そして、各反射部の像を形成する個々の光線束は、
各反射部による反射方向に応じた量だけ光線束制限手段
により制限されるので、前記共役な位置に形成される各
反射部の個々の像の光量は、各反射部の傾きに応じて、
すなわち、対応する放射吸収部に入射した放射の量に応
じて異なる。このようにして、所定の範囲に到達する放
射の像が読み出し光による光学像に変換され、この光学
像が前記共役な位置に形成される。
【0016】前記第3の態様では、このような原理に従
って放射の像が読み出し光による光学像に変換されるの
で、所定の状態(例えば、放射が入射していない状態)
において、光読み出し型放射−変位変換手段の各反射部
の向きと光線束制限手段における光線束を通過させる部
位との位置合わせを行う必要がある。この位置合わせ
を、組立時に光読み出し型放射−変位変換手段と光線束
制限手段との位置合わせのみによって行うとすれば、そ
の組立時の位置合わせに著しく手数を要することにな
る。そして、前記変位部の初期的な変位(ひいては、反
射部の初期的な傾き)を常に一定にすることは製造上困
難であることから、その組立時の位置合わせが一段と困
難となってしまう。これに対し、前記第3の態様では、
前記第1及び第2の態様と同様に、前記設定信号を変え
るだけで、光読み出し型放射−変位変換手段の所定の部
分を一定に保つ温度を変えることができ、その一定に保
つ温度を変えれば、それに応じたオフセットが光読み出
し型放射−変位変換手段の変位部の変位に与えられるこ
とになる。したがって、その一定に保つ温度を変えるこ
とにより、反射部の初期的な傾きを調節することができ
るので、組立時における光読み出し型放射−変位変換手
段と光線束制限手段との位置合わせが容易となる。
【0017】また、前記第3の態様では、前述した原理
に従って放射の像が読み出し光による光学像に変換され
るので、前記設定信号を変えて、それに応じたオフセッ
トを光読み出し型放射−変位変換手段の変位部の変位に
与えれば、入射する放射の量と光学像の光量との関係を
変えることができ、映像化装置固有の特性を変えること
ができる。例えば、観察可能な放射の量の範囲をシフト
させたり、得られる光学像の明暗の状況を反転させたり
することができる。
【0018】本発明の第4の態様による映像化装置は、
所定の範囲内に到達する放射を光学像に変換する映像化
装置であって、光読み出し型放射−変位変換手段と、読
み出し光学系と、前記光読み出し型放射−変位変換手段
を収容する密封された容器であって、前記放射を透過さ
せる窓及び前記読み出し光を透過させる窓を有する容器
と、前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の
温度を調節する温度調節器と、前記光読み出し型放射−
変位変換手段の前記所定部分の温度を直接的又は間接的
に検出する温度センサと、前記温度センサからの温度検
出信号及び入力された可変の設定信号に基づいて、前記
光読み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の温度
が、前記設定信号に応じた温度に実質的に保たれるよう
に、前記温度調節器を制御する制御手段と、を備えたも
のである。前記光読み出し型放射−変位変換手段は、前
記所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複数
箇所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放射
吸収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を前
記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する複
数の変位部と、受光した読み出し光を前記複数の変位部
の変位にそれぞれ応じた干渉状態を有する干渉光にそれ
ぞれ変えて出射させる複数の干渉部とを含む。前記読み
出し光学系は、前記光読み出し型放射−変位変換手段の
前記複数の干渉部にそれぞれ前記読み出し光を照射し、
前記複数の干渉部から出射された前記干渉光に基づいて
前記光学像を形成する。
【0019】この第4の態様では、干渉を利用している
ので、干渉の性質に従って変位部の初期的な変位を定め
る必要がある。例えば、変位部の変位と干渉光の強度と
の関係が単調増加又は単調減少となるべきであるのに、
変位部の初期的な位置によっては、例えば、変位部の変
位が増加するにつれて干渉光の強度が一旦増加した後に
減少してしまうという現象が生じてしまう。ところが、
製造上、変位部の初期的な位置を常に一定にすることが
困難であるため、製造した光読み出し型放射−変位変換
手段をそのまま用いるとすれば、変位部の初期的な位置
を所望の位置に設定することが困難である。これに対
し、前記第4の態様では、前記第1及び第2の態様と同
様に、前記設定信号を変えるだけで、光読み出し型放射
−変位変換手段の所定の部分を一定に保つ温度を変える
ことができ、その一定に保つ温度を変えれば、それに応
じたオフセットが光読み出し型放射−変位変換手段の変
位部の変位に与えられることになる。したがって、その
一定に保つ温度を変えることにより、変位部の初期的な
位置を適切に設定することができる。
【0020】また、前記第4の態様では、干渉を利用し
て放射の像が読み出し光による光学像に変換されるの
で、前記設定信号を変えて、それに応じたオフセットを
光読み出し型放射−変位変換手段の変位部の変位に与え
れば、入射する放射の量と光学像の光量との関係を変え
ることができ、映像化装置固有の特性を変えることがで
きる。例えば、観察可能な放射の量の範囲をシフトさせ
たり、得られる光学像の明暗の状況を反転させたりする
ことができる。
【0021】前記第1乃至第4のいずれかの態様による
映像化装置において、操作に応じた信号を出力する設定
手段を備え、該設定手段からの信号を前記設定信号とし
てもよい。この場合、後述するように、前記設定手段
は、使用者等が操作する第1の設定操作部及び製造者又
は保守者等が操作する第2の設定操作部の両方を有して
いてもよいし、そのいずれか一方のみを有していてもよ
い。
【0022】このように設定手段を備えていれば、製造
者等が組立時に位置合わせ等を行うために用いたり、使
用者等が前述した映像化装置固有の特性を変えて観察し
たりするのに、便利である。もっとも、本発明では、こ
のような設定手段は必ずしも必要ではない。
【0023】本発明の第5の態様による映像化装置は、
前記第1乃至第4のいずれかの態様による映像化装置に
おいて、当該映像化装置の使用者により操作される設定
操作部を含み該設定操作部による設定状態に応じた信号
を出力する設定手段を備え、該設定手段からの信号を前
記設定信号とするものである。前記設定操作部は、使用
者が操作し易い箇所、例えば、当該映像化装置の外部露
出箇所に配置することが好ましい。
【0024】この第5の態様によれば、当該映像化装置
の使用者が設定操作部を操作してその設定状態を変える
ことにより、熱型変位素子の変位部の変位に与えられる
オフセットを変えることができるので、使用者は当該映
像化装置の装置固有の特性を適宜変えて観察することが
できる。
【0025】前記設定手段は、当該映像化装置の製造者
又は保守者等が操作する第2の設定操作部も含み、前記
設定操作部による設定状態のみならず前記第2の設定操
作部による設定状態にも応じた信号を出力するものであ
ってもよい。この第2の設定操作部は、当該映像化装置
の内部、例えば、装置内部に搭載した回路基板上に設け
ておけばよい。この場合、使用者が前記設定操作部を操
作して装置固有の特性を変えて観察することができるの
みならず、製造者や保守者等は前記第2の設定操作部を
操作することにより組立時等に位置合わせ等を行うこと
ができる。
【0026】ところで、前記第1乃至第4のいずれかの
態様による映像化装置において、当該映像化装置の製造
者又は保守者等により操作される設定操作部を含み該設
定操作部による設定状態に応じた信号を出力する設定手
段を設け、該設定手段からの信号を前記設定信号として
もよい。この場合には、少なくとも、製造者や保守者等
は当該設定操作部を操作することにより組立時等に位置
合わせ等を行うことができる。
【0027】本発明の第6の態様による映像化装置は、
各々の素子が、放射を受けて熱を発生し、当該熱に応じ
た変位を発生し、受光した読み出し光に前記変位に応じ
た変化を与えて出射させる、1次元又は2次元状に配列
された複数の素子を有する光読み出し型放射−変位変換
手段と、前記各素子に前記読み出し光を照射し、前記各
素子から出射された前記変化した読み出し光に基づいて
前記各素子の前記変位に応じた光学像を形成する読み出
し光学系と、前記読み出し光の光量を、入力された設定
信号に応じた光量に調節する光量調節手段と、を備えた
ものである。
【0028】光読み出し型の映像化装置では、読み出し
光によって光学像を形成しているので、読み出し光とし
て可視光を用いれば、放射の像に相当する当該光学像を
肉眼により観察することができる。また、後述する第1
0の態様のように、前記光学像を撮像する撮像手段を設
けてもよく、その場合には、放射による像を撮像するこ
とができる。肉眼や撮像手段には光量の飽和レベルがあ
ることから、読み出し光の光量を変えることによって、
読み出し光の光量が飽和レベルに達する入射放射量を変
えることができる。
【0029】このため、前記第6の態様のように、光量
調節手段を設けておけば、観察可能な放射の量の範囲を
変えたり、入射放射量の変化に対する読み出し光の変化
を大きくして観察分解能を高めたりすることができる。
【0030】本発明の第7の態様による映像化装置は、
所定の範囲内に到達する放射を光学像に変換する映像化
装置であって、光読み出し型放射−変位変換手段と、読
み出し光学系と、光量調節手段とを備えたものである。
前記光読み出し型放射−変位変換手段は、前記所定の範
囲内に位置する複数箇所に配列されて該複数箇所にて受
けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放射吸収部と、
該複数の放射吸収部にて変換された各熱を前記複数箇所
に対応した位置でそれぞれ変位に変換する複数の変位部
と、該複数の変位部の変位に従ってそれぞれ傾きが変化
する複数の反射部とを含む。前記読み出し光学系は、読
み出し光を供給するための読み出し光供給手段と、前記
読み出し光を前記光読み出し型放射−変位変換手段の複
数の反射部へ導く第1レンズ系と、該第1レンズ系を通
過した後に前記複数の反射部にて反射された読み出し光
の光線束のうち所望の光線束のみを選択的に通過させる
光線束制限手段と、前記第1レンズ系と協働して前記複
数の反射部と共役な位置を形成し且つ該共役な位置に前
記光線束制限手段を通過した光線束を導く第2レンズ系
とを有する。前記光量調節手段は、前記読み出し光の光
量を、入力された設定信号に応じた光量に調節する。
【0031】この第7の態様は、前記第6の態様を前記
第3の態様と同様の原理に従う映像化装置に適用した例
であり、前記第6の態様と同様の利点が得られる。
【0032】本発明の第8の態様による映像化装置は、
前記第3又は第7の態様による映像化装置において、前
記複数の反射部の各々は、当該反射部より熱伝導率の低
い材料からなる接続部を介して、前記複数の変位部のう
ち当該反射部に対応する変位部に機械的に接続されたも
のである。
【0033】反射部に入射した読み出し光の大部分は当
該反射部で反射されるが、その一部は反射部に吸収され
てしまい熱となって反射部の温度を上昇させる。反射部
は、反射率を高めるため、通常、アルミニウム等の金属
材料で構成される。このため、反射部を変位部に機械的
に接続する接続部を反射部と同じ材料で構成すると、読
み出し光の一部を吸収することにより反射部で発生した
熱が、変位部に伝導され、その熱によっても変位部が変
位してしまい、ひいては、放射検出のS/Nが低下して
しまう。これに対し、前記第8の態様によれば、反射部
を変位部に機械的に接続する接続部が、当該反射部より
熱伝導率の低い材料で構成されているので、読み出し光
の一部を吸収することにより反射部に生じた熱が変位部
に伝わり難くなり、放射検出のS/Nが向上する。
【0034】この第8の態様と同様の理由で、次のよう
な光読み出し型放射−変位変換装置及びこれを用いた映
像化装置は、有用である。すなわち、1次元又は2次元
状に配列された複数の素子を有する光読み出し型放射−
変位変換装置であって、前記複数の素子の各々が、放射
を受けて熱を発生する放射吸収部と、該放射吸収部にて
発生した熱に応じた変位を生ずる変位部と、読み出し光
を受光し、受光した読み出し光を前記変位部の変位に応
じて反射させる反射部と、を有する、光読み出し型放射
−変位変換装置において、前記各素子の反射部が、当該
反射部より熱伝導率の低い材料からなる接続部を介し
て、当該素子の変位部に機械的に接続された光読み出し
型放射−変位変換装置は、有用である。また、この光読
み出し型放射−変位変換装置と、前記各素子に前記読み
出し光を照射し、前記各素子から出射された前記変化し
た読み出し光に基づいて前記各素子の前記変位に応じた
光学像を形成する読み出し光学系と、を備えた映像化装
置は、有用である。
【0035】本発明の第9の態様による映像化装置は、
所定の範囲内に到達する放射を光学像に変換する映像化
装置であって、光読み出し型放射−変位変換手段と、読
み出し光学系と、光量調節手段とを備えたものである。
前記光読み出し型放射−変位変換手段は、前記所定の範
囲内に位置する複数箇所に配列されて該複数箇所にて受
けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放射吸収部と、
該複数の放射吸収部にて変換された各熱を前記複数箇所
に対応した位置でそれぞれ変位に変換する複数の変位部
と、受光した読み出し光を前記複数の変位部の変位にそ
れぞれ応じた干渉状態を有する干渉光にそれぞれ変えて
出射させる複数の干渉部とを含む。前記読み出し光学系
は、前記光読み出し型放射−変位変換手段の前記複数の
干渉部にそれぞれ前記読み出し光を照射し、前記複数の
干渉部から出射された前記干渉光に基づいて前記光学像
を形成する。前記光量調節手段は、前記読み出し光の光
量を、入力された設定信号に応じた光量に調節する。
【0036】この第9の態様は、前記第6の態様を前記
第4の態様と同様の干渉の原理に従う映像化装置に適用
した例であり、前記第6の態様と同様の利点が得られ
る。
【0037】前記第6、第7及び第9のいずれかの態様
による映像化装置において、操作に応じた信号を出力す
る設定手段を備え、該設定手段からの信号を前記設定信
号としてもよい。例えば、前記第6、第7及び第9のい
ずれかの態様による映像化装置において、当該映像化装
置の使用者により操作される設定操作部を含み該設定操
作部による設定状態に応じた信号を出力する設定手段を
設け、該設定手段からの信号を前記設定信号としてもよ
い。前記設定操作部は、使用者が操作し易い箇所、例え
ば、当該映像化装置の外部露出箇所に配置することが好
ましい。
【0038】このように設定手段を備えていれば、使用
者等が前述した映像化装置固有の特性を変えて観察した
りするのに、便利である。もっとも、本発明では、この
ような設定手段は必ずしも必要ではない。
【0039】本発明の第10の態様による映像化装置
は、前記第1乃至第9のいずれかの態様による映像化装
置において、前記光学像を撮像する撮像手段を備えたも
のである。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明による映像化装置に
ついて、図面を参照して説明する。以下の説明では、放
射を赤外線とし読み出し光を可視光とした例について説
明するが、本発明では、放射を赤外線以外のX線や紫外
線やその他の種々の放射としてもよいし、また、読み出
し光を可視光以外の他の光としてもよい。
【0041】[第1の実施の形態]
【0042】図1は、本発明の第1の実施の形態による
映像化装置を示す概略構成図である。図2は、本実施の
形態において用いられている光読み出し型放射−変位変
換装置100を示す図であり、図2(a)はその単位画
素(単位素子)の赤外線iが入射していない状態の断面
を模式的に示す図、図2(b)は単位画素の赤外線iが
入射している状態の断面を模式的に示す図である。図3
は、光読み出し型放射−変位変換装置100の単位画素
の他の例を示す概略断面図である。図4は、光読み出し
型放射−変位変換装置100を容器に収容した状態を拡
大して示す概略断面図である。
【0043】本実施の形態による映像化装置は、図1に
示すように、光読み出し型放射−変位変換装置100を
備えている。この変換装置100は、図2に示すよう
に、赤外線iを透過させるシリコン基板等の基板1と、
脚部2を介して基板1上に間隔6をあけて浮いた状態に
支持された被支持部3とを備えている。被支持部3は、
互いに重なった2つの膜4,5を有している。下側の膜
4は、赤外線iを受けて熱に変換する赤外線吸収部とな
っている。膜4,5は、その一端が脚部2を介して支持
されることにより、カンチレバーを構成している。膜4
及び膜5は、互いに異なる膨張係数を有する異なる物質
で構成されており、いわゆる熱バイモルフ構造(bi-mat
erial elementともいう。)を構成している。したがっ
て、本実施の形態では、膜4,5は、赤外線吸収部とし
ての膜4にて発生した熱に応じて基板1に対して変位す
る変位部を構成している。下側の膜4の膨張係数が上側
の膜5の膨張係数より大きい場合には、前記熱により図
2(b)に示すように上方に湾曲して傾斜する。上側の
膜5は、上方からの読み出し光(可視光等)jを反射す
る反射部を構成している。このため、反射部としての膜
5は、読み出し光jを受光し、受光した読み出し光を膜
4,5の変位に応じた反射方向に反射させる。なお、本
実施の形態では、赤外線iを受けていない状態におい
て、膜5は基板1の面と平行になっている。もっとも、
赤外線iを受けていない状態において、膜4,5を予め
傾斜させておいてもよい。
【0044】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、膜4が変位部の一部及び赤外線吸収部を兼用
し、膜5が変位部の他の一部及び読み出し光反射部を兼
用している。もっとも、これらはそれぞれ別々の膜で構
成することもできる。
【0045】本実施の形態では、膜4,5及び脚部2を
単位画素(単位素子)として、当該画素が基板1上に2
次元状に配置されている。各画素において脚部2から被
支持部3が延びる方向は、全て同一である。
【0046】変換装置100の単位画素の構成は、図2
に示す構成に限定されるものではなく、例えば、図3に
示すように構成してもよい。図3において、図2中の要
素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その説
明は省略する。図3では、膜4は赤外線吸収部となって
おらず、膜4の下面に赤外線吸収部としての膜7が形成
されている。また、図3では、膜5は光反射部となって
おらず、一部分が膜5の先端部に固定されるとともに、
残りの部分が膜5から上方に空間を隔てて配置された光
反射部としての反射板9が、ほぼ単位画素の全体をカバ
ーするように形成されている。
【0047】また、変換装置100の単位画素は、例え
ば、図12に示すように構成してもよい。図12におい
て、図2及び図3中の要素と同一又は対応する要素には
同一符号を付し、その説明は省略する。図12に示す例
では、基本的に図3に示す例と同様に構成されている。
図12に示す例が図3に示す例と異なる所は、図12に
示す例では、反射板9が、当該反射板9より熱伝導率の
低い材料からなる接続部400を介して、変位部の一部
を構成する膜5に機械的に接続されている点である。反
射板9は、反射率を高めるため、例えば、アルミニウム
等の金属材料で構成することが好ましい。接続部400
は、例えば、SiN、SiO、SiON、SiC等で構
成することが好ましい。図12に示す例では、反射板9
を変位部に機械的に接続する接続部400が、当該反射
板9より熱伝導率の低い材料で構成されているので、断
熱材として作用する。このため、読み出し光jの一部を
吸収することにより反射部に生じた熱が変位部に伝わり
難くなり、赤外線検出のS/Nが向上する。
【0048】なお、図2、図3及び図12にそれぞれに
示すような単位画素を有する変換装置100は、膜の形
成及びパターニング、犠牲層の形成及び除去などの半導
体製造技術を利用して、製造することができる(後述す
る変換装置300,600も同様。)。
【0049】本実施の形態による映像化装置では、図1
及び図4に示すように、変換装置100は、密封された
容器102内に収容されている。該容器102は、赤外
線iの入射側には赤外線iを透過させる赤外線透過フィ
ルタ等からなる窓102aを有し、読み出し光jの入射
側には読み出し光jを透過させる窓102bを有してい
る。図4中、103は容器102の組立直後に容器10
2内の空間104を真空引きするための排気管であり、
該排気管103は空間104が真空に引かれた後に封止
され、空間104は真空に保たれる。もっとも、空間1
04を1気圧以下に保ってもよいし、空間104内に不
活性ガス等を封入してもよい。容器102内には、ゲタ
ー・シリカゲル等の気体分子吸着剤108が設けられて
いる。
【0050】また、図4に示すように、容器102内に
は、変換装置100の基板1の温度を調節するペルチェ
素子等の温度調節器105、及び、基板1の温度を検出
する温度センサ107が収容されている。なお、図1で
は、図の表記の便宜上、温度調節器105及び温度セン
サ107を容器102外に記載している。温度調節器1
05は、伝熱板106を介して基板1と熱的に結合され
ている。また、変換装置100への不要な熱エネルギー
の伝達を軽減させる熱シールド110が、容器102内
に設けられ、伝熱板106を介して温度調節器105に
熱的に結合されている。
【0051】再び図1を参照すると、本実施の形態によ
る映像化装置は、操作に応じた可変の設定信号を出力す
る温度設定器111と、温度センサ107からの検出信
号及び温度設定器111からの設定信号に基づいて、変
換装置100の基板1の温度が、前記設定信号に応じた
温度に実質的に保たれるように、温度調節器105を制
御する温度制御器112とを備えている。
【0052】また、本実施の形態による映像化装置は、
読み出し光学系と、撮像手段としての2次元CCD20
と、観察対象としての熱源31からの赤外線を集光して
変換装置100の赤外線吸収部としての膜4が分布して
いる面上に熱源31の赤外線画像を結像させる赤外線用
の結像レンズ30とを備えている。
【0053】本実施の形態では、前記読み出し光学系
は、読み出し光を供給するための読み出し光供給手段と
してのLD(レーザーダイオード)10と、LD10か
らの読み出し光を変換装置100の複数の反射部5(膜
5)へ導く第1レンズ系11と、第1レンズ系11を通
過した後に複数の反射部5にて反射された読み出し光の
光線束のうち所望の光線束のみを選択的に通過させる光
線束制限部12と、第1レンズ系11と協働して複数の
反射部5と共役な位置を形成し且つ該共役な位置に光線
束制限部12を通過した光線束を導く第2レンズ系13
とから構成されている。前記共役な位置にはCCD20
の受光面が配置されており、レンズ系11,13によっ
て複数の反射部5とCCD20の複数の受光素子とが光
学的に共役な関係となっている。なお、本実施の形態で
は、変換装置100の反射部5が第1レンズ系11の結
像レンズ30側の焦点面付近に配置されているが、必ず
しもこのような配置に限定されるものではない。
【0054】LD10は、第1レンズ系11の光軸Oに
関して一方の側(図1中の上側)に配置されており、当
該一方の側の領域を読み出し光が通過するように読み出
し光を供給する。本実施の形態では、LD10が第1レ
ンズ系11の第2レンズ系13側の焦点面付近に配置さ
れて、第1レンズ系11を通過した読み出し光が略平行
光束となって複数の反射部5を照射するようになってい
る。本実施の形態では、変換装置100は、その基板1
の面(本実施の形態では、赤外線が入射しない場合の反
射部5の面と平行)が光軸Oと直交するように配置され
ている。もっとも、このような配置に限定されるもので
はない。
【0055】光線束制限部12は、前記所望の光線束の
みを選択的に通過させる部位が第1レンズ系11の光軸
Oに関して他方の側(図1中の下側)の領域に配置され
るように構成されている。この光線束制限部12は、開
口12aを有する遮光板からなり、開口絞りとして構成
されている。例えば、本実施の形態では、いずれの反射
部5に対応する赤外線吸収部にも目標物体からの赤外線
が入射していなくて全ての反射部5の面が基板1の面と
平行である場合に、全ての反射部5で反射した光線束
(各反射部5で反射した個別光線束の束)が第1レンズ
系11によって集光する集光点の位置と開口12aの位
置とがほぼ一致するように、光線束制限部12が配置さ
れている。また、開口12aの大きさは、この光線束の
前記集光点での断面の大きさとほぼ一致するように定め
られている。もっとも、このような配置や大きさに限定
されるものではない。
【0056】さらに、本実施の形態による映像化装置
は、操作に応じた設定信号を出力する光量設定器14
と、LD10から発する読み出し光の光量を光量設定器
14からの設定信号に応じた光量に調節する光量調節器
15とを備えている。
【0057】本実施の形態によれば、LD10から出射
した読み出し光の光線束51は、第1レンズ系11に入
射し、略平行化された光線束52となる。次にこの略平
行化された光線束52は、変換装置100の全ての反射
部5に、基板1の法線に対してある角度をもって入射す
る。
【0058】一方、結像レンズ30によって、熱源31
からの赤外線が集光され、変換装置100の赤外線吸収
部としての膜4が分布している面上に、熱源31の赤外
線画像が結像される。これにより、変換装置100の各
画素の被支持部3の赤外線吸収部としての膜4に赤外線
が入射する。この入射赤外線は、赤外線吸収部としての
膜4により吸収されて熱に変換される。膜4にて発生し
た熱に応じてカンチレバーを構成している変位部として
の膜4,5が上方に湾曲して傾斜する。このため、各反
射部5は、当該反射部5に対応する赤外線吸収部4に入
射した赤外線の量に応じた量だけ基板1の面に対して傾
くこととなる。
【0059】今、全ての赤外線吸収部4には目標物体か
らの赤外線が入射しておらず、全ての反射部5が基板1
と平行であるものとする。複数の反射部5に入射した光
線束52は複数の反射部5にて反射されて光線束53と
なり、再び第1レンズ系11に今度はLD10の側とは
反対の側から入射して集光光束54となり、例えば、こ
の集光光束54の集光点の位置に配置された光線束制限
部12の開口12aの部位に集光する。その結果、集光
光束54は、開口12aを透過して発散光束55となっ
て第2レンズ系13に入射する。なお、光線束制限部1
2上の集光光束54の集光点は、個々の反射部5で反射
されて第1レンズ系11を通過した個別光線束による集
光点とそれぞれ一致しており、略円形で所定の大きさ
(断面積)を有している。第2レンズ系13に入射した
発散光束55は、第2レンズ系13により例えば略平行
光束56となってCCD20の受光面に入射する。ここ
で、複数の反射部5とCCD20の受光面とはレンズ系
11,13によって共役な関係にあるので、CCD20
の受光面上の対応する各部位にそれぞれ各反射部5の像
が形成され、全体として、複数の反射部5の分布像であ
る光学像が形成される。
【0060】今、ある反射部5に対応する赤外線吸収部
4にある量の赤外線が入射して、その入射量に応じた量
だけ当該反射部5が基板1の面に対して傾いたものとす
る。光線束52のうち当該傾いた反射部5に入射する個
別光線束は、当該反射部5によってその傾き量だけ異な
る方向に反射されるので、第1レンズ系11を通過した
後、その傾き量に応じた量だけ前記集光点の位置からず
れた位置に集光し、その傾き量に応じた量だけ光線束制
限部12により遮られることになる。したがって、CC
D20上に形成された全体としての光学像のうち当該反
射部5の像の光量は、当該反射部5の傾き量に応じた量
だけ低下することになる。
【0061】したがって、CCD20の受光面上に形成
された読み出し光による光学像は、変換装置100に入
射した赤外線像を反映したものとなる。この光学像は、
CCD20により撮像される。なお、変換装置100の
各画素の反射部5とCCD20の各画素とは対応してい
ることが好ましい。なお、CCD20を用いずに、接眼
レンズ等を用いて前記光学像を肉眼で観察してもよい
(後述する各実施の形態についても同様。)。
【0062】ところで、個々の反射部5で反射した個別
光線束による光線束制限部12上の集光点(この集光点
は、全ての反射部5がそれぞれ互いに基板1の面に対し
て平行である場合における前記光線束54の集光点と等
しい。)の直径φは、前記読み出し光の波長をλ、変換
装置100の反射部5が正方形であるとしてその一辺の
長さをd、第1レンズ系11の焦点距離をfとすると、
次の数1で表される。
【0063】
【数1】φ≒2.44・f・λ/d
【0064】また、個々の反射部5で反射した個別光線
束による光線束制限部12上の集光点の移動量mは、当
該反射部5の基板1に対する傾斜角度をθ、第1レンズ
系11の焦点距離をfとすると、次の数2で表される。
【0065】
【数2】m=f・tan2θ
【0066】傾斜角度θは当該反射部5に対応する赤外
線吸収部4への入射赤外線量のみに依存するので、数2
からわかるように、個々の反射部5で反射した個別光線
束による光線束制限部12上の集光点の移動量mは、当
該入射赤外線量のみに依存する。
【0067】図5は、光線束制限部12の開口12a
(本実施の形態では、開口12aの部位が、前記所望の
光線束のみを選択的に通過させる部位である。)と反射
部5で反射した個別光線束による光線束制限部12上で
の集光点Sの、光線束制限部12上の様子の一例を示す
図である。集光点Sは、入射赤外線量が増加すると図5
中の左方向へ移動し、入射赤外線量が減少すると図5中
の右方向へ移動するものとする(後述する図7及び図8
についても同様。)。図中の左右方向の位置をX1,X
2で示している(後述する図7及び図8中のX1〜X5
についても同様。)。また、図5に示す例では、開口1
2aの形状は集光点Sと同じく略円形とされ、両者の大
きさも同じとされている(後述する図7及び図8につい
ても同様。)。
【0068】なお、図7及び図8は、開口12aと集光
点Sの光線束制限部12上の様子の他の例をそれぞれ示
す図である。
【0069】今、図5(a)(b)に示すように、光線
束制限部12における開口12aが位置X1に形成され
ているものとする。そして、集光点Sが位置X1にあっ
て開口12aとちょうど重なる図5(a)に示す状態か
ら、反射部5が傾いて集光点Sが図中の左方向へ移動
し、集光点Sが位置X2に至って開口12aとちょうど
接する図5(b)に示す状態まで変化するものとする。
図6は、この時の、反射部5で反射して開口12aを通
過する個別光線束の光量の一例を示す特性図である。図
6において、縦軸はこの光量の相対強度(最大強度を1
で規格化した強度)を示し、横軸は反射部5の基板1に
対する傾斜角度を示している。図6の例では、反射部5
の傾斜角度が0゜から1.1゜まで変化すると、通過光
量の相対強度が1から0まで変化している。
【0070】本実施の形態によれば、図6に示すような
特性に従って、前述したように、変換装置100に入射
した赤外線像がCCD20の受光面上の読み出し光によ
る光学像に変換されるのである。
【0071】したがって、所定の状態(例えば、目標物
体からの赤外線が入射していない状態)において、変換
装置100の反射部5の向き(すなわち、集光点Sの位
置)と開口12aとの位置合わせを行う必要がある。例
えば、図7(a)(b)に示すように光線束制限部12
の開口12aが位置X1に形成されており、温度設定器
111による設定温度が室温付近の所定温度である場合
に、変換装置100に目標物体からの赤外線が入射して
いない状態において図7(a)に示すように集光点Sが
位置X3にあるとすると、変換装置100に赤外線が入
射して集光点Sが位置X4まで移動しても、反射部5で
反射した個別光線束は開口12aを全く通過し得ず、通
過光量は全く変化せず、赤外線像を光学像に変換するこ
とができない。このような状況は、例えば、変換装置1
00に目標物体からの赤外線が入射していない状態にお
いて、全ての反射部5が基板1に対して同じ角度だけ傾
いている場合(変換装置100の製造上、室温において
反射部5を基板1に対して傾いていない状態にすること
は実際には困難である。)や、変換装置100の基板1
が光軸Oに対して直交していない状態で取り付けられて
いる場合などに、起こり得る。この場合には、温度設定
器111を操作して変換装置100を一定に保つ温度を
変えて、図7(c)(d)に示すように、集光点Sの位
置にオフセットを与えればよい。これにより、図5
(a)(b)と同様の状態が実現され、適切に赤外線像
を光学像に変換することができる。
【0072】このように、反射部5の初期的な傾きがば
らついていても、温度設定器111による設定温度を変
えるだけで、反射部5の初期的な傾きを所望の傾きに調
整して集光点Sを開口12aに対して位置合わせするこ
とができる。このため、組立時における変換装置100
と光線束制限部12との位置合わせが容易となる。
【0073】ところで、図5に示すように、開口12a
の位置X1に対して、集光点Sの移動範囲(前述した説
明からわかるように、この範囲は、ゼロから所定量まで
の目標物体からの入射赤外線量の範囲に対応してい
る。)が位置X1から位置X2までの範囲に適切に位置
合わせされていても、熱源31の温度が全体的にかなり
高くて、この範囲を超える位置X3から位置X4までの
集光点Sの範囲に対応する範囲の赤外線量が変換装置1
00に入射すると、やはり、図7(a)(b)と同様の
状況となる。このため、熱源31の温度が全体的にかな
り高い場合には、そのままでは熱源31を観察すること
ができない。このような場合には、温度設定器111を
操作して変換装置100を一定に保つ温度を変えて、図
7(c)(d)に示すように、集光点Sの位置にオフセ
ットを与えればよい。これにより、位置X3から位置X
4までの集光点Sの範囲が与えられたオフセットによっ
て位置X1から位置X2までの範囲にシフトするので、
オフセットを与える前の位置X3から位置X4までに対
応する範囲の赤外線量を読み出し光による開口12aの
通過光量に変換することができ、熱源31の温度が全体
的にかなり高い場合であっても、その観察ができる。こ
のように、温度設定器111による設定温度を変えるこ
とによって、観察可能な赤外線量の範囲をシフトさせる
ことができ、その結果、一度に観察可能な赤外線量の範
囲が広がるわけではないが、全体として、観察可能な赤
外線量の範囲を広げることができる。
【0074】また、図5では集光点Sの移動範囲が位置
X1から位置X2までの範囲であったのに対し、図8に
示すように、集光点Sの位置にオフセットを与えて集光
点の移動範囲を位置X5から位置X1までの範囲に変え
ると、CCD20の受光面上の読み出し光による光学像
の明暗の状況を反転させることができる。したがって、
本実施の形態によれば、温度設定器111を操作して温
度制御器112への設定信号を変えるだけで、CCD2
0の受光面上の光学像の明暗の状況を反転させることが
できる。
【0075】ここで、光量設定器14を操作して読み出
し光の光量を変えることによる効果について、再び図6
及び図8を参照して説明する。
【0076】今、温度設定器111による設定温度をあ
る温度とした場合に、目標物体からの赤外線が変換装置
100に入射していない状態で集光点Sと開口12aと
の位置関係が図8(a)に示すように調節され、入射赤
外線量が増加するに従って集光点Sが図中の左方向へ移
動していき、集光点Sが図8(b)に示す状態まで変化
するものとする。ここでは、図6は、この時の、反射部
5で反射して開口12aを通過する個別光線束の光量を
示すものとする。ただし、ここで想定している状況に
は、図6中の横軸の反射部5の傾斜角度の数値は適合し
ない。図8(a)の状態が図6中のA点に相当し、図8
(b)の状態が図6中のB点に相当することになる。
【0077】この時、光量設定器14を操作して、例え
ば、通過光量が図6中のとなった時にCCD20が飽
和レベルとなるように、読み出し光の光量を設定すれ
ば、CCD20では、図6中のΔθ1の範囲(反射部5
の傾斜角度の範囲)に相当する入射赤外線量の範囲を観
察することができることとなる。また、例えば、通過光
量が図6中のとなった時にCCD20が飽和レベルと
なるように、読み出し光の光量を設定すれば、CCD2
0では、図6中のΔθ2の範囲(反射部5の傾斜角度の
範囲)に相当する入射赤外線量の範囲を観察することが
できることとなる。勿論、読み出し光の光量の設定によ
っては、図6中のA点からB点までの反射部の傾斜角度
の範囲に相当する入射赤外線量の範囲を観察することも
できる。ここでは、CCD20で光学像を撮像する場合
について述べたが、肉眼で光学像を観察する場合も同様
である。
【0078】このように、本実施の形態によれば、光量
調節器15が設けられているので、観察可能な赤外線量
の範囲を変えることができる。また、観察可能な赤外線
量の範囲を広げることは逆に観察分解能を低下させるこ
とになり、観察可能な赤外線量を狭めることは逆に観察
分解能を高めることとなるので、本実施の形態では、観
察分解能も変えることができることとなる。
【0079】なお、開口絞りとして構成された光線束制
限部12に代えて、開口12aに相当する位置に遮光膜
を形成した透明板や、開口12aに相当する位置に反射
膜を形成した透明板や、開口12aに相当する位置に開
口を有する反射板を用いてもよい。反射膜を形成した透
明板や開口を有する反射板を用いる場合には、これらを
光軸Oに対して傾けて配置し、そこで反射された反射光
がレンズ系13及びCCD20へ向かうように、レンズ
系13及びCCD20の配置を変更すればよい。
【0080】ここで、温度設定器111の具体例につい
て、図13及び図14を参照して説明する。図13は温
度設定器111の一具体例を示す概略ブロック図、図1
4は操作パネル500における設定つまみ501の付近
を示す概略正面図である。
【0081】本例では、温度設定器111は、当該映像
化装置の使用者により操作される設定操作部としての設
定つまみ501と、設定つまみ501に連動して抵抗値
が増減する可変抵抗器502と、可変抵抗器502と直
列接続された可変抵抗器503と、可変抵抗器501,
502の合成抵抗値に応じた設定信号を出力する設定信
号発生回路504とを備えている。なお、設定信号発生
回路504は、温度制御器112を構成する回路と適宜
兼用することも可能である。
【0082】設定つまみ501は、図14に示すよう
に、当該映像化装置の外部露出箇所に設けられた操作パ
ネル500上に配設されている。設定つまみ501には
その回転位置を示すマーク501aが付されている。設
定つまみ501は、マーク501aが設定つまみ501
の周囲に付された目盛505aと正対する位置から目盛
505bと正対する位置まで回転可能となっており、設
定つまみ500の回転位置に応じて可変抵抗器502の
抵抗値が増減するようになっている。また、可変抵抗器
503は、図面には示していないが、当該映像化装置の
内部に搭載した回路基板上に設けられ、当該映像化装置
の製造者や保守者等がドライバー等を用いて可変抵抗器
503の抵抗値を調節することができるようになってい
る。すなわち、本例では、可変抵抗器503は、製造者
又は保守者等が操作する設定操作部を構成している。
【0083】前述したように組立時等における変換装置
100と光線束制限部12との位置合わせを行う場合に
は、製造者等は、例えば、そのマーク501aが目盛5
05cと正対するように設定つまみ501を回転させ、
この状態において可変抵抗器503の抵抗値を調整すれ
ばよい。また、前述したように観察可能な赤外線量の範
囲をシフトさせたりする場合には、使用者は、設定つま
み501を所望の位置まで回転させればよい。
【0084】なお、本発明では、温度設定器111の構
成は前述した構成に限定されるものではないことは言う
までもない。また、温度設定器111は、設定つまみ5
01及び可変抵抗器502を取り除き、設定信号発生回
路504が可変抵抗器503の抵抗値のみに応じた設定
信号を出力するように、構成してもよい。また、温度設
定器111は、可変抵抗器503を取り除き、設定信号
発生回路504が可変抵抗器502の抵抗値のみに応じ
た設定信号を出力するように、構成してもよい。さら
に、いわゆる手動観察ではなく自動観察を行うような場
合には、温度設定器111を取り除いて、外部から、温
度設定器111による設定信号に相当する設定信号を、
その観察条件に応じて温度制御器112に与えるように
してもよい。以上の点は、後述する各実施の形態につい
ても同様である。
【0085】なお、図面には示していないが、光量設定
器14は、温度設定器111と同様に構成することがで
きる。ただし、光量設定器14では、製造者等が調整す
る可変抵抗器503に相当する可変抵抗器は必ずしも必
要ではない。また、いわゆる手動観察ではなく自動観察
を行うような場合には、光量設定器14を取り除いて、
外部から、光量設定器14による設定信号に相当する設
定信号を、その観察条件に応じて光量調節器15に与え
るようにしてもよい。
【0086】[第2の実施の形態]
【0087】図9は、本発明の第2の実施の形態による
映像化装置を示す概略構成図である。図9において、図
1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付
し、その重複する説明は省略する。
【0088】本実施の形態が前記第1の実施の形態と異
なる所は、読み出し光供給手段を、LD10に代えて、
キセノンランプ60、コンデンサーレンズ61、反射ミ
ラー62及び照明光絞り63で構成した点のみである。
照明光絞り63は、光線束制限部12を構成する遮光板
12bが延在して、その延在した部分において図1中の
LD10の読み出し光出射位置に対応する位置に開口6
3aを設けることにより、構成されている。もっとも、
照明光絞り63は、光線束制限部12と独立した構成と
してもよい。
【0089】キセノンランプ60から出射した光線束5
7は、コンデンサーレンズ61にて集光され反射ミラー
62にて反射された後、開口63a上に集光する。開口
63aから出射した発散光束51は、第1レンズ系11
に入射し、略平行化される。この後の動作については前
記第1の実施の形態と同様である。
【0090】本実施の形態によっても前記第1の実施の
形態と同様の利点が得られる。照明光絞り63は必ずし
も設ける必要がないが、CCD20上の光学像のコント
ラストを高めるため、照明光絞り63を設けることが好
ましい。なお、前記第1の実施の形態においても、LD
10の前部に読み出し光絞りを設けてもよい。
【0091】[第3の実施の形態]
【0092】図10は、本発明の第3の実施の形態によ
る映像化装置を示す概略構成図である。図10におい
て、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号
を付し、その重複する説明は省略する。図11は、本実
施の形態において用いられている光読み出し型放射−変
位変換装置300を示す概略断面図である。
【0093】本実施の形態が前記第1の実施の形態と異
なる所は、光読み出し型放射−変位変換装置100に代
えて図11に示す変換装置300が用いられている点
と、読み出し光学系の構成のみである。
【0094】変換装置300は、図11に示すように、
基体としての基板201と、脚部202を介して基板2
01上に浮いた状態に支持された被支持部203とを備
えている。被支持部203は、互いに重なった2つの膜
204,205を有している。膜204,205は、互
いに異なる膨張係数を有する異なる物質で構成されてお
り、いわゆる熱バイモルフ構造(bi-material element
ともいう。)を構成している。本実施の形態では、膜2
04,205が、赤外線吸収膜207にて発生した熱に
応じて基板201に対して変位する変位部206を構成
している。下側の膜204の下面には、赤外線吸収膜2
07が形成されている。被支持部203は、その一端が
脚部202を介して基板201に支持されることによ
り、カンチレバーを構成している。
【0095】被支持部203は、読み出し光jの一部
のみを反射させるハーフミラー部208も有している。
該ハーフミラー部208は、変位部206の自由端側に
固定されており、変位部206の変位に従って変位する
ようになっている。基板201上におけるハーフミラー
部208と対向する領域には、ハーフミラー部208を
透過した読み出し光を反射させる反射部としての全反射
ミラー209が形成されている。
【0096】図11に示すように、読み出し光jがハ
ーフミラー部208に入射すると、当該読み出し光j
の一部がハーフミラー部208で反射されて反射光j
となり、ハーフミラー部208に入射した読み出し光j
の残りはハーフミラー部208を透過して全反射ミラ
ー209で反射されて再度ハーフミラー部208に下面
から入射する。下面からハーフミラー部208に再度入
射した読み出し光のうちの一部がハーフミラー部208
を透過し透過光jとなる。この透過光jと前記反射
光jとの間には、ハーフミラー部208と全反射ミラ
ー209との間の間隔d1の2倍に対応する光路長差が
ある。よって、反射光jと透過光jとの間でこの光
路長差に応じた干渉が起こり、反射光j及び透過光j
がこの光路長差に応じた(したがって、変位部206
の変位に応じた)干渉強度を有する干渉光となってハー
フミラー部208から出射されることになる。
【0097】以上の説明からわかるように、本実施の形
態では、ハーフミラー部208及び全反射ミラー209
が、読み出し光jを受光し、受光した読み出し光j
を変位部206の変位に応じた干渉状態を有する干渉光
に変えて出射させる干渉部を構成している。
【0098】本実施の形態では、変位部206、赤外線
吸収膜207、ハーフミラー部208、全反射ミラー2
09及び脚部202を単位画素(単位素子)として、当
該画素が基板201上に2次元状に配置されている。各
画素において脚部202から被支持部203が延びる方
向は、全て同一である。
【0099】なお、図11中、211は、照射される読
み出し光jのうちのハーフミラー部208から出射す
る干渉光以外の光をマスクするマスクである。
【0100】本実施の形態では、読み出し光学系は、変
換装置300の各素子(画素)のハーフミラー部208
にそれぞれ前記読み出し光jを照射し、前記各素子の
ハーフミラー部208から出射された干渉光に基づいて
前記各素子の変位部206の変位に応じた光学像を形成
するように構成されており、具体的には、図10に示す
ように、光源241、絞り242、ビームスプリッタ2
43、レンズ244,245により構成されている。
【0101】本実施の形態では、結像レンズ30によ
り、赤外線iが集光されて変換装置300の赤外線吸収
膜207が分布している面上に赤外線画像が結像され
る。その結果、変換装置300の各画素の赤外線吸収膜
207に対する入射赤外線の量に応じて、各画素の変位
部206が変位する。
【0102】一方、光源241から発した光は、ビーム
スプリッタ243にて反射され、レンズ244を経て読
み出し光jとして変換装置300に入射される。その
結果、各素子(画素)の変位部206の変位に応じた干
渉強度を有する干渉光が各素子のハーフミラー部208
からレンズ244へ向けて出射され、この干渉光が、レ
ンズ244、ビームスプリッタ243及びレンズ245
を経由し、干渉光による光学像がCCD20上に形成さ
れ、入射赤外線画像が光学像に変換される。この光学像
は、CCD20により撮像される。
【0103】本実施の形態では、干渉を利用しているの
で、干渉の性質に従って変位部206の初期的な変位
(すなわち、間隔d1)を定める必要がある。例えば、
変位部206の変位と干渉光の強度との関係が単調増加
又は単調減少となるべきであるのに、変位部の初期的な
変位によっては、例えば、変位部206の傾きが増加す
るにつれて干渉光の強度が一旦増加した後に減少してし
まうという現象が生じてしまう。ところが、製造上、変
位部206の初期的な変位を常に一定にすることが困難
であるため、製造した変換装置300をそのまま用いる
とすれば、変位部206の初期的な変位を所望の位置に
設定することが困難である。これに対し、本実施の形態
では、前記第1及び第2の態様と同様に温度調節器10
5、温度センサ107、温度制御器112及び温度設定
器111を備えているので、温度設定器111により設
定温度を変えるだけで、間隔d1の初期的な値を適切に
設定することができる。
【0104】また、本実施の形態では、干渉を利用して
赤外線像が読み出し光による光学像に変換されるので、
温度設定器111により設定温度を変えて、それに応じ
たオフセットを変位部206の変位に与えれば、入射す
る放射の量と光学像の光量との関係を変えることがで
き、例えば、観察可能な放射の量の範囲をシフトさせた
り、得られる光学像の明暗の状況を反転させたりするこ
とができる。
【0105】さらにまた、本実施の形態によれば、光量
設定器14及び光量調節器15を備えているので、前記
第1及び第2の実施の形態と同様に、観察可能な赤外線
量の範囲及び観察分解能を変えることができる。
【0106】[第4の実施の形態]
【0107】図15は、本発明の第4の実施の形態によ
る映像化装置を示す概略構成図である。図15におい
て、図1乃至図4中の要素と同一又は対応する要素には
同一符号を付し、その重複する説明は省略する。図16
は、本実施の形態において用いられている静電容量型放
射−変位変換装置600の単位画素(単位素子)の要部
断面を模式的に示す図である。図17は、変換装置60
0の電気的な概略構成を示す電気回路図である。
【0108】本実施の形態による映像化装置が前述した
第1の実施の形態による映像化装置と異なる所は、主と
して、光読み出し型の変換装置100に代えて静電容量
型の変換装置600が用いられている点と、これに伴
い、図1中の光量設定器14、光量調節器15及び読み
出し光学系が取り除かれてその代わりに駆動回路650
が追加されている点である。
【0109】本実施の形態で用いられている変換装置6
00は、基体としてのSi基板601と、脚部602を
介して基板601に支持された変位部604であって、
赤外線iを吸収する赤外線吸収部605を有し赤外線吸
収部605にて発生した熱に応じて基板601に対して
変位する変位部604と、を備えている。脚部602
は、断熱性の高い材料として、例えば、SiO膜で構成
されている。
【0110】変位部604は、互いに重なった2つの膜
606,607を有している。膜606,607は、そ
の一端が脚部602を介して支持されることにより、カ
ンチレバーを構成している。膜606,607は、互い
に異なる膨張係数を有する異なる物質で構成されてお
り、いわゆる熱バイモルフ構造(bi-material element
ともいう。)を構成し、変位発生部分を構成している。
変位部604は、膜606,607の先端部に形成され
た金属膜からなる可動電極部608も有している。膜6
07は可動電極部608の配線を兼ねるべく金属膜で構
成されている。可動電極部608は、変位部604に生
じた変位に応じた静電容量の変化を得るために用いられ
る変位読み出し部材を構成している。赤外線吸収部60
5は、金黒等の膜で構成され、可動電極部608上に形
成されている。
【0111】基板601には、可動電極部608と対向
するように、金属膜からなる固定電極部609が設けら
れている。固定電極部609の上面は、必要に応じて誘
電体膜で覆ってもよい。また、基板601には、この固
定電極部609の下側にこの固定電極部609と電気的
に接続された拡散層610が形成されるとともに、脚部
602の基板601とのコンタクト部602a付近の下
側に拡散層611が形成されている。脚部602上に
は、膜607と拡散層611との間(ひいては、可動電
極部608と拡散層611との間)を電気的に接続する
配線層612が形成されている。脚部602のコンタク
ト部602aには開口が形成され、この開口を介して配
線層612が拡散層611と電気的に接続されるように
なっている。
【0112】この変換装置600によれば、上方から赤
外線iが入射すると、赤外線吸収部605が赤外線iを
吸収して熱を発生する。この熱が変位発生部分(膜60
6,607)に伝わり、この熱に応じて変位発生部分が
下方又は上方に湾曲して傾斜する。このため、可動電極
部608と固定電極部609との間の間隔L1が変化す
る。これにより、電極部608,609間の静電容量C
の値が変化し、入射赤外線量を拡散層610,611間
から静電容量Cの変化として検出することができる。拡
散層610,611はその静電容量Cを読み出す後述す
る図17中の読み出し回路に接続されている。
【0113】なお、図16に示す変位部604、脚部6
02及び固定電極部609は、単位画素の一部として、
基板601上に1次元状又は2次元状に配置されてい
る。
【0114】ここでは、4個の単位画素が2次元状に配
置されているものとして、変換装置600の電気的な構
成について、図17を参照して説明する。図17に示す
ように、各単位画素は、前記静電容量Cの他に、リセッ
トトランジスタT1、読み出しトランジスタT2、行選
択トランジスタT3及び負荷抵抗R1を備え、これらが
図17に示すように電気的に接続されている。各単位画
素中の容量Csは寄生容量である。また、図17におい
て、701は垂直走査回路、702は水平走査回路、7
03,704は列選択トランジスタであり、これらが図
17に示すように各画素に対して電気的に接続されてい
る。図面には示していないが、以上の回路は、基板60
1に形成されている。端子706にはリセットパルスφ
Rが、端子707にはバイアス電圧Vが、それぞれ図
15中の駆動回路650から入力される。また、端子7
08,709間には、駆動回路650から電圧振幅が0
〜Vのパルス(もしくは交流)が供給される。図17
中、710は前記画像信号を出力する出力端子であり、
ここから得られる画像信号は駆動回路650を介して外
部に出力されるようになっている。
【0115】この変換装置600では、まず、水平帰線
期間もしくは垂直帰線期間にリセット動作を行う。リセ
ットパルスφRによりリセットトランジスタT1がオン
され、全ての画素の図17中のA点の電圧がVにリセ
ットされる。その後、リセットパルスφRにより、リセ
ットトランジスタT1がオフする。
【0116】リセットトランジスタT1がオフしたとき
の端子708の電圧が0Vであり、端子708のパルス
の振幅が0〜Vであるとする。すると、リセットトラ
ンジスタT1オフ後のA点の電圧は、端子708の電圧
が0Vの時はVとなり、端子708の電圧がVの時
はV+V・C/(C+Cs)となる。
【0117】逆に、リセットトランジスタT1がオフし
たときの端子708の電圧がVであり、端子708の
パルスの振幅が0〜Vであるとする。すると、リセッ
トトランジスタT1オフ後のA点の電圧は、端子708
の電圧がVの時はVとなり、端子708の電圧が0
Vの時はV−V・C/(C+Cs)となる。
【0118】いずれの場合も、A点の電圧のパルス振幅
(すなわち、A点の電圧のバイアス電圧Vに対する変
動幅。以下、「A点の電圧振幅」という。)Vaは、V
・C/(C+Cs)となる。したがって、この電圧振
幅Vaは、静電容量C、すなわち、前記電極部608,
609間の間隔L1に依存して定まる。このため、A点
の電圧振幅Vaの変化を信号として用いることで静電容
量Cの変化を検出できる。
【0119】ここで、電極部608,609間の間隔L
1と静電容量Cとの関係の一例を図18(a)に示す。
また、Vを5Vとした場合における、間隔L1とA点
の電圧振幅Va(出力電圧に対応)との関係の一例を図
18(b)示す。図18(a)(b)からわかるよう
に、静電容量Cも電圧振幅Vaも、間隔L1に対して直
線的でない変化を示している。
【0120】そして、垂直走査回路からの行選択信号φ
V1,φV2及び水平走査回路からの列選択信号φH
1,φH2により選択された画素のトランジスタT3及
び関連するトランジスタ703又は704がオンされ、
これらを介して当該画素のA点の電圧に応じたレベルの
電圧が、当該画素のトランジスタT2から出力端子71
0に出力される。したがって、出力端子710から出力
された電圧は、当該画素のA点の電圧振幅Vaに応じた
パルス振幅を有することになる。つまり、当該画素の静
電容量Cに応じた(すなわち、当該画素への入射赤外線
量に応じた)パルス振幅を有する電圧が出力端子710
から出力される。このような信号読み出し動作が、各画
素について順次行われる。
【0121】全ての画素について信号読み出し動作が完
了すると、リセットトランジスタT1がオンされ、以上
の動作が繰り返される。なお、図15中の駆動回路65
0において、出力端子710から出力された信号から前
記パルス振幅に応じた信号がフィルタ回路等により抽出
される。
【0122】なお、読み出し回路の構成が図17に示す
例に限定されるものではないことは、言うまでもない。
【0123】再び図15を参照すると、本実施の形態で
は、前述した第1の実施の形態と同様に、変換装置60
0が容器102内に収容されている。容器102に関し
て本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、
窓102bが取り除かれている点、基板601がセラミ
ック板630上に搭載されている点、IC等と同様のピ
ン端子631(図17中の端子706〜710等に相
当)が容器102に固定されている点、基板601の所
定箇所がボンデイングワイヤ632,633及びセラミ
ック板630の中継配線パターン(図示せず)を介して
ピン端子631に電気的に接続されている点、セラミッ
ク板630の下側全体にペルチェ素子等の温度調節器1
05が設けられている点である。
【0124】なお、温度設定器111及び温度制御器1
12等については、本実施の形態においても前記第1の
実施の形態と同様である。
【0125】本実施の形態によれば、前記第1の実施の
形態と同様に、温度調節器105が温度制御器112に
より制御されることによって、変換装置600の基板6
01の温度が、温度設定器111からの設定信号に応じ
た温度に保たれる。
【0126】変換装置600の製造上、各変換装置60
0ごとに電極部608,609間の間隔L1がばらつ
く。このため、温度設定器111を操作しないとすれ
ば、各映像化装置ごとに、同じ入射赤外線量に対して得
られる画像信号のレベルがばらついてしまい、好ましく
ない。この点、本実施の形態によれば、温度設定器11
1を操作して変換装置600を一定に保つ温度を変え
て、電極部608,609間の初期的な間隔にオフセッ
トを与えることができ、これにより、各映像化装置ごと
の画像信号のレベルのばらつきをなくすことができる。
この場合、当該映像化装置の製造者等が温度設定器11
1の可変抵抗器503(図13参照)を調整しておけば
よい。
【0127】ところで、前述したように、電極部60
8,609間の静電容量Cもそれによる前記電圧振幅V
a(出力電圧に対応)も、間隔L1に対して直線的でな
い変化を示している(図18)。このため、本実施の形
態によれば、温度設定器111を操作して変換装置60
0を一定に保つ温度を変えて、間隔L1にオフセットを
与えることによって、観察対象としての熱源31の温度
に応じて感度を変えることができ、ひいては良好な画質
を得ることができる。この場合、当該映像化装置の使用
者が温度設定器111の設定つまみ501(図13及び
図14参照)を調整すればよい。
【0128】この点について、図18(b)を参照して
具体的に説明する。今、変換装置600の基板601の
温度が一定の温度T1に保たれた状態で、ある範囲の入
射赤外線量の変化に応じて電極部608,609間の間
隔L1が約1.5μmを中心として範囲aだけ変化する
場合を考える。この場合、図18(b)に示すように、
前記電圧振幅VaはΔV1の範囲で変化する。一方、温
度設定器111を操作して、変換装置600の基板60
1の温度を一定の温度T2に保つと、例えば、同じ範囲
の入射赤外線量の変化に応じて間隔L1が約0.5μm
を中心として範囲bだけ変化するようになる。この場
合、図18(b)に示すように、前記電圧振幅VaはΔ
V2の範囲で変化する。図18(b)に示す特性が直線
的でないことから、ΔV2>ΔV1となる。
【0129】つまり、本実施の形態では、同じ範囲の入
射赤外線量の変化に対して、異なる幅を持つ電圧振幅V
aの範囲(ΔV1とΔV2)(ひいては、各画素の出力
電圧の範囲)が得られることとなる。すなわち、温度設
定器111を操作して変換装置600の温度を変えるだ
けで、変換装置600の感度を変えることができる。言
い換えれば、本実施の形態によれば、例えば、観察対象
としての熱源31の温度が極端に低いかあるいは高いた
めに、間隔L1が例えば2μm以上の大きな値となり、
その結果、各画素の出力電圧が極めて狭い電圧範囲内に
入ってしまうような場合においても、変換装置600の
設定温度を変えて間隔L1が0.5μm〜1μm程度と
なるようにすることによって、各画素の出力電圧の電圧
範囲を広げることができる。このため、変換装置600
の見かけ上の感度を高くすることができ、明暗の差の大
きい良好な画質の画像を得ることができるのである。
【0130】このように、本実施の形態によれば、観察
対象としての熱源31の温度が広範囲に渡っていても良
好な画質を得ることができ、いわば、ダイナミックレン
ジの広い映像化装置を提供することができ、幅広い用途
で使用可能な映像化装置を提供することができる。
【0131】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるもの
ではない。
【0132】前述した各実施の形態は、光読み出し型又
は静電容量型の映像化装置の例であったが、本発明は、
熱型変位素子を有する変換装置を用いた他の種々の映像
化装置にも適用することができる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱型変位素子における変位部の初期的な位置を常に一定
にすることが製造上困難であることに起因して従来発生
していた不都合を解消することができる。
【0134】また、本発明によれば、装置固有の特性を
適宜変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【図2】前記第1の実施の形態において用いられる光読
み出し型放射−変位変換装置を示す図である。
【図3】前記第1の実施の形態において用いられる光読
み出し型放射−変位変換装置の他の例を示す図である。
【図4】前記第1の実施の形態において用いられる光読
み出し型放射−変位変換装置を容器に収容した状態を拡
大して示す概略断面図である。
【図5】光線束制限部上の様子の一例を示す図である。
【図6】光線束制限部を通過する光線束の光量の一例を
示す特性図である。
【図7】光線束制限部上の様子の他の例を示す図であ
る。
【図8】光線束制限部上の様子の更に他の例を示す図で
ある。
【図9】本発明の第2の実施の形態による映像化装置を
示す概略構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による映像化装置
を示す概略構成図である。
【図11】前記第3の実施の形態において用いられる光
読み出し型放射−変位変換装置のを示す図である。
【図12】前記第1の実施の形態において用いられる光
読み出し型放射−変位変換装置の更に他の例を示す図で
ある。
【図13】温度設定器111の一具体例を示す概略ブロ
ック図である。
【図14】操作パネルにおける設定つまみの付近を示す
概略正面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態による映像化装置
を示す概略構成図である。
【図16】図15に示す映像化装置において用いられて
いる静電容量型放射−変位変換装置の単位画素の要部断
面を模式的に示す図である。
【図17】図16に示す変換装置の電気的な概略構成を
示す電気回路図である。
【図18】電極部間の間隔に対する、静電容量及びこれ
に基づいて得られる電圧を示す特性図である。
【符号の説明】
1,201,601 基板 4 変位部の一部と赤外線吸収部とを兼ねる膜 5 変位部の一部と反射部とを兼ねる膜 10,60,241 光源 11 第1レンズ系 12 光線束制限部 13 第2レンズ系 14 光量設定器 15 光量調節器 20 2次元CCD 30 赤外線用の結像レンズ 61 コンデンサーレンズ 62 反射ミラー 63 読み出し光絞り 100,300 光読み出し型放射−変位変換装置 105 温度調節器 107 温度センサ 111 温度設定器 112 温度制御器 206,604 変位部 207,605 赤外線吸収膜 208 ハーフミラー部 209 全反射ミラー 242 絞り 243 ビームスプリッタ 244,245 レンズ 400 接続部 600 静電容量型放射−変位変換装置 608 可動電極部 609 固定電極部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の範囲内に到達する放射を光学像又
    は画像信号に変換する映像化装置であって、1次元又は
    2次元状に配列された複数の熱型変位素子を有する変換
    手段を備え、前記各熱型変位素子が、放射を受けて熱を
    発生し、当該熱に応じた変位を発生し、前記変位に応じ
    た所定の変化を発生する、映像化装置において、 前記変換手段を収容する密封された容器であって、前記
    放射を透過させる窓を有する容器と、 前記変換手段の所定部分の温度を調節する温度調節器
    と、 前記変換手段の前記所定部分の温度を直接的又は間接的
    に検出する温度センサと、 前記温度センサからの温度検出信号及び入力された可変
    の設定信号に基づいて、前記変換手段の前記所定部分の
    温度が、前記設定信号に応じた温度に実質的に保たれる
    ように、前記温度調節器を制御する制御手段とを備えた
    ことを特徴とする映像化装置。
  2. 【請求項2】 各々の素子が、放射を受けて熱を発生
    し、当該熱に応じた変位を発生し、受光した読み出し光
    に前記変位に応じた変化を与えて出射させる、1次元又
    は2次元状に配列された複数の素子を有する光読み出し
    型放射−変位変換手段と、 前記各素子に前記読み出し光を照射し、前記各素子から
    出射された前記変化した読み出し光に基づいて前記各素
    子の前記変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系
    と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段を収容する密封さ
    れた容器であって、前記放射を透過させる窓及び前記読
    み出し光を透過させる窓を有する容器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の温度
    を調節する温度調節器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の
    温度を直接的又は間接的に検出する温度センサと、 前記温度センサからの温度検出信号及び入力された可変
    の設定信号に基づいて、前記光読み出し型放射−変位変
    換手段の前記所定部分の温度が、前記設定信号に応じた
    温度に実質的に保たれるように、前記温度調節器を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする映像化装置。
  3. 【請求項3】 所定の範囲内に到達する放射を光学像に
    変換する映像化装置であって、 前記所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複
    数箇所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放
    射吸収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を
    前記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する
    複数の変位部と、該複数の変位部の変位に従ってそれぞ
    れ傾きが変化する複数の反射部とを含む光読み出し型放
    射−変位変換手段と;読み出し光を供給するための読み
    出し光供給手段と、前記読み出し光を前記光読み出し型
    放射−変位変換手段の複数の反射部へ導く第1レンズ系
    と、該第1レンズ系を通過した後に前記複数の反射部に
    て反射された読み出し光の光線束のうち所望の光線束の
    みを選択的に通過させる光線束制限手段と、前記第1レ
    ンズ系と協働して前記複数の反射部と共役な位置を形成
    し且つ該共役な位置に前記光線束制限手段を通過した光
    線束を導く第2レンズ系とを有する読み出し光学系と;
    を備え、 前記読み出し光供給手段は、前記第1レンズ系の光軸に
    関して一方の側の領域を前記読み出し光が通過するよう
    に前記読み出し光を供給し、 前記光線束制限手段は、前記所望の光線束のみを選択的
    に通過させる部位が前記第1レンズ系の光軸に関して他
    方の側の領域に配置されるように構成され、 前記光読み出し型放射−変位変換手段を収容する密封さ
    れた容器であって、前記放射を透過させる窓及び前記読
    み出し光を透過させる窓を有する容器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の温度
    を調節する温度調節器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の
    温度を直接的又は間接的に検出する温度センサと、 前記温度センサからの温度検出信号及び入力された可変
    の設定信号に基づいて、前記光読み出し型放射−変位変
    換手段の前記所定部分の温度が、前記設定信号に応じた
    温度に実質的に保たれるように、前記温度調節器を制御
    する制御手段と、 を更に備えたことを特徴とする映像化装置。
  4. 【請求項4】 所定の範囲内に到達する放射を光学像に
    変換する映像化装置であって、 前記所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複
    数箇所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放
    射吸収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を
    前記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する
    複数の変位部と、受光した読み出し光を前記複数の変位
    部の変位にそれぞれ応じた干渉状態を有する干渉光にそ
    れぞれ変えて出射させる複数の干渉部とを含む光読み出
    し型放射−変位変換手段と;前記光読み出し型放射−変
    位変換手段の前記複数の干渉部にそれぞれ前記読み出し
    光を照射し、前記複数の干渉部から出射された前記干渉
    光に基づいて前記光学像を形成する読み出し光学系と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段を収容する密封さ
    れた容器であって、前記放射を透過させる窓及び前記読
    み出し光を透過させる窓を有する容器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の所定部分の温度
    を調節する温度調節器と、 前記光読み出し型放射−変位変換手段の前記所定部分の
    温度を直接的又は間接的に検出する温度センサと、 前記温度センサからの温度検出信号及び入力された可変
    の設定信号に基づいて、前記光読み出し型放射−変位変
    換手段の前記所定部分の温度が、前記設定信号に応じた
    温度に実質的に保たれるように、前記温度調節器を制御
    する制御手段と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  5. 【請求項5】 当該映像化装置の使用者により操作され
    る設定操作部を含み該設定操作部による設定状態に応じ
    た信号を出力する設定手段を備え、該設定手段からの信
    号を前記設定信号とすることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の映像化装置。
  6. 【請求項6】 各々の素子が、放射を受けて熱を発生
    し、当該熱に応じた変位を発生し、受光した読み出し光
    に前記変位に応じた変化を与えて出射させる、1次元又
    は2次元状に配列された複数の素子を有する光読み出し
    型放射−変位変換手段と、 前記各素子に前記読み出し光を照射し、前記各素子から
    出射された前記変化した読み出し光に基づいて前記各素
    子の前記変位に応じた光学像を形成する読み出し光学系
    と、 前記読み出し光の光量を、入力された設定信号に応じた
    光量に調節する光量調節手段と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  7. 【請求項7】 所定の範囲内に到達する放射を光学像に
    変換する映像化装置であって、 前記所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複
    数箇所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放
    射吸収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を
    前記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する
    複数の変位部と、該複数の変位部の変位に従ってそれぞ
    れ傾きが変化する複数の反射部とを含む光読み出し型放
    射−変位変換手段と;読み出し光を供給するための読み
    出し光供給手段と、前記読み出し光を前記光読み出し型
    放射−変位変換手段の複数の反射部へ導く第1レンズ系
    と、該第1レンズ系を通過した後に前記複数の反射部に
    て反射された読み出し光の光線束のうち所望の光線束の
    みを選択的に通過させる光線束制限手段と、前記第1レ
    ンズ系と協働して前記複数の反射部と共役な位置を形成
    し且つ該共役な位置に前記光線束制限手段を通過した光
    線束を導く第2レンズ系とを有する読み出し光学系と;
    前記読み出し光の光量を、入力された設定信号に応じた
    光量に調節する光量調節手段と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の反射部の各々は、当該反射部
    より熱伝導率の低い材料からなる接続部を介して、前記
    複数の変位部のうち当該反射部に対応する変位部に機械
    的に接続されたことを特徴とする請求項3又は7記載の
    映像化装置。
  9. 【請求項9】 所定の範囲内に到達する放射を光学像に
    変換する映像化装置であって、 前記所定の範囲内に位置する複数箇所に配列されて該複
    数箇所にて受けた放射をそれぞれ熱に変換する複数の放
    射吸収部と、該複数の放射吸収部にて変換された各熱を
    前記複数箇所に対応した位置でそれぞれ変位に変換する
    複数の変位部と、受光した読み出し光を前記複数の変位
    部の変位にそれぞれ応じた干渉状態を有する干渉光にそ
    れぞれ変えて出射させる複数の干渉部とを含む光読み出
    し型放射−変位変換手段と;前記光読み出し型放射−変
    位変換手段の前記複数の干渉部にそれぞれ前記読み出し
    光を照射し、前記複数の干渉部から出射された前記干渉
    光に基づいて前記光学像を形成する読み出し光学系と、 前記読み出し光の光量を、入力された設定信号に応じた
    光量に調節する光量調節手段と、 を備えたことを特徴とする映像化装置。
  10. 【請求項10】 前記光学像を撮像する撮像手段を備え
    たことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    映像化装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102169018A (zh) * 2010-12-17 2011-08-31 中国科学院光电技术研究所 一种红外成像光学读出系统的照明装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102169018A (zh) * 2010-12-17 2011-08-31 中国科学院光电技术研究所 一种红外成像光学读出系统的照明装置

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