JP2000304076A - 電動ディスクブレーキ - Google Patents

電動ディスクブレーキ

Info

Publication number
JP2000304076A
JP2000304076A JP11114247A JP11424799A JP2000304076A JP 2000304076 A JP2000304076 A JP 2000304076A JP 11114247 A JP11114247 A JP 11114247A JP 11424799 A JP11424799 A JP 11424799A JP 2000304076 A JP2000304076 A JP 2000304076A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
disk
electric motor
piston
brake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11114247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000304076A5 (ja
JP4051650B2 (ja
Inventor
Takuya Usui
拓也 臼井
Yukio Otani
行雄 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP11424799A priority Critical patent/JP4051650B2/ja
Priority to US09/539,316 priority patent/US6374958B1/en
Priority to DE10016162A priority patent/DE10016162B4/de
Publication of JP2000304076A publication Critical patent/JP2000304076A/ja
Publication of JP2000304076A5 publication Critical patent/JP2000304076A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4051650B2 publication Critical patent/JP4051650B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動ディスクブレーキにおいて、推力伝達経
路の剛性を高めるとともに、ボールランプ機構の組付性
を向上させる。 【解決手段】 ディスクロータ2をまたぐ略C字形の爪
部4のフランジ部10の内側にボールランプ機構27を取付
け、外側に電動モータ12を取付け、ボールランプ機構27
の可動ディスク33と電動モータ12のロータ15とをスプラ
イン結合する。ロータ15の回転をボールランプ機構27で
直線運動に変換し、ピストン28を移動させて、ブレーキ
パッド6,7をディスクロータ2に押圧する。略C字形
の爪部4によってボールランプ機構27の推力をブレーキ
パッド6,7に直接伝達するので、推力伝達経路の剛性
を高めることができる。ボールランプ機構27の固定ディ
スク32、可動ディスク33およびボール34をケース54によ
って一体化してボールランプユニット14としたので、こ
れらをキャリパ本体3に容易に組付ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータの回転
力によって制動力を発生させる電動ディスクブレーキ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車等の車両の制動装置とし
て、ブレーキ液を使用せず、電動モータの出力によって
制動力を発生させるようにした所謂「ドライブレーキ」
装置が知られている。
【0003】ドライブレーキ装置としては、例えば特開
昭60−206766号公報に開示されているように、電動モー
タの回転運動をボールねじ機構によってピストンの進退
動に変換し、ピストンによってブレーキパッドをディス
クロータに押圧させることにより、制動力を発生させる
ようにした電動ディスクブレーキ装置がある。この種の
電動ディスクブレーキ装置は、運転者によるブレーキペ
ダル踏力(または変位量)をセンサによって検出し、コ
ントローラによって、この検出に応じて電動モータの回
転を制御して、所望の制動力を得るようにしている。
【0004】また、上記のような電動ディスクブレーキ
装置においては、各種センサを用いて、各車輪の回転速
度、車両速度、車両加速度、操舵角、車両横加速度等の
車両状態を検出し、コントローラによってこれらの検出
に基づいて電動モータの回転を制御することにより、倍
力制御、アンチロック制御、トラクション制御および車
両安定化制御等を比較的簡単に組み込むことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、上記のよう
な電動ディスクブレーキでは、ボールねじ機構、モータ
等の設置スペース上の制約から、一方のブレーキパッド
をディスクロータに押圧させ、その反力によってキャリ
パを移動させて他方のブレーキパッドをディスクロータ
に押圧させるキャリパ浮動型の構造がとられている。こ
のため、推力発生機構から爪部への推力の伝達経路の剛
性を高める必要がある。また、キャリパ本体に、ボール
ねじ機構等の伝動機構および電動モータを組込むため、
これらの組付性を充分に考慮する必要がある。
【0006】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、推力伝達経路の剛性を高めることができ、か
つ、組付性に優れた電動ディスクブレーキを提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、ディスクロータの両側に配置
される一対のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパ
ッドの一方に対向させてキャリパ本体に設けられたピス
トンと、前記キャリパ本体に固定され、前記ディスクロ
ータをまたいで前記一対のブレーキパッドの他方に対向
する爪部と、前記キャリパ本体に設けられた電動モータ
と、該電動モータのロータの回転運動を直線運動に変換
して前記ピストンを進退動させるボールランプ機構とを
備えた電動ディスクブレーキであって、前記ボールラン
プ機構の前記キャリパ本体に固定される固定ディスク
と、前記ピストンに連結される可動ディスクと、これら
の間に介装されるボールとを前記固定ディスクおよび前
記可動ディスクの外周部を覆うケースに収容して一体と
したボールランプユニットを前記キャリパ本体に組付け
たことを特徴とする。
【0008】このように構成したことにより、電動モー
タによってロータを回転させると、ボールランプ機構の
可動ディスクがピストンを移動させ、一方のブレーキパ
ッドをディスクロータに押圧させ、その反力によって爪
部が他方のブレーキパッドをディスクロータに押圧させ
て制動力を発生させる。また、ボールランプ機構の固定
ディスク、可動ディスクおよびボールをケースに収容し
て一体とし、ボールランプユニットとしたので、これら
を容易にキャリパ本体に組付けることができる。
【0009】請求項2の電動ディスクブレーキは、上記
請求項1の構成に加えて、前記ボールランプユニットに
は、パッド摩耗補償機構が一体に設けられていることを
特徴とする。
【0010】このように構成したことにより、ボールラ
ンプ機構とともにパッド摩耗補償機構をキャリパ本体に
組付けることができる。
【0011】また、請求項3の発明は、ディスクロータ
の両側に配置される一対のブレーキパッドと、前記一対
のブレーキパッドの一方に対向させてキャリパ本体に設
けられたピストンと、前記キャリパ本体に固定され、前
記ディスクロータをまたいで前記一対のブレーキパッド
の他方に対向する爪部と、前記キャリパ本体に設けられ
た電動モータと、該電動モータのロータの回転運動を直
線運動に変換して前記ピストンを進退動させる伝動機構
とを備えた電動ディスクブレーキであって、前記伝動機
構をサブアセンブリし、一体として、前記爪部の内側に
取付け、該爪部の外側に前記電動モータを取付け、前記
爪部を通して前記電動モータのロータと前記伝動機構と
を連結したことを特徴とする。
【0012】このように構成したことにより、電動モー
タによってロータを回転させると、伝動機構がピストン
を移動させ、一方のブレーキパッドをディスクロータに
押圧させ、その反力によって爪部が他方のブレーキパッ
ドをディスクロータに押圧させて制動力を発生させる。
伝動機構を一体にサブアセンブリすることにより、キャ
リパ本体に容易に組付けることができる。また、伝動機
構を爪部の内側に取付けることにより、その推力を爪部
を介して両方のブレーキパッドに直接伝達することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1ないし図4に示すように、本実施形態
の電動ディスクブレーキ1は、車輪(図示せず)ととも
に回転するディスクロータ2の一側(通常は車体に対し
て内側)にキャリパ本体3が配置されており、キャリパ
本体3には、略C字形に形成されてディスクロータ2を
跨いで反対側へ延びる爪部4がボルト5によって一体的
に結合されている。ディスクロータ2の両側、すなわ
ち、ディスクロータ2とキャリパ本体3との間および爪
部4の先端部との間に、それぞれブレーキパッド6,7
が設けられている。ブレーキパッド6,7は、車体側に
固定されるキャリヤ8によってディスクロータ2の軸方
向に沿って移動可能に支持されて、制動トルクをキャリ
ヤ8で受けるようになっており、また、キャリパ本体3
は、キャリヤ8に取付けられたスライドピン9によって
ディスクロータ2の軸方向に沿って摺動可能に案内され
ている。
【0015】爪部4の基部に形成された環状のフランジ
部10が結合されたキャリパ本体3の略円筒状のケース11
内には、電動モータ12および回転検出器13が設けられ、
ボールランプユニット14が爪部4の環状のフランジ部10
側から電動モータ12のロータ15内に挿入されている。ケ
ース11の後端部には、カバー16がボルト17によって取付
けられている。
【0016】電動モータ12は、ケース11の内周部に固定
されたステータ18と、ステータ18の内周部に対向させて
ケース11に滑り軸受19,20によって回転可能、かつ、軸
方向に移動可能に支持されたロータ15とを備えている。
回転検出器13は、ケース11にボルト21によって取付けら
れたレゾルバケース22に固定されたレゾルバステータ23
と、レゾルバステータ23に対向させてロータ15に固定さ
れたレゾルバロータ24とを備え、これらの相対回転に基
づいてロータ15の回転位置を検出するものである。
【0017】カバー16には、電動モータ12および回転検
出器13に接続されるコネクタ25およびケーブル26が取付
けられており、電動モータ12は、コントローラ(図示せ
ず)からの制御信号(電気信号)に応答してロータ15を
所望トルクで所望角度だけ回転させられるようになって
いる。コネクタ25およびケーブル26は、当該車両のサス
ペンション装置のアーム、リンク、ナックル、ストラッ
ト等の部材との干渉を避けるため、ディスクロータ2の
軸方向に対して傾斜されて、その径方向外側へ延ばされ
ている。
【0018】ボールランプユニット14は、電動モータ12
のロータ15の回転運動を直線運動に変換するボールラン
プ機構27(伝動機構)と、ブレーキパッド6を押圧する
ピストン28と、これらの間に介装される調整ナット29
と、ボールランプ機構27の回転を調整ナット29に伝達す
るリミッタ機構30(パッド摩耗補償機構)とを備えてい
る。
【0019】ボールランプ機構27は、爪部4のフランジ
部10に当接し、ピン31によって回転しないように固定さ
れた環状の固定ディスク32と、固定ディスク32に対向さ
せて配置された可動ディスク33と、これらの間に介装さ
れたボール34(鋼球)とから構成されている。可動ディ
スク33には、固定ディスク32に挿通されてケース11の内
部まで延びる円筒部35が一体に形成されている。円筒部
35は、ロータ15の内周部にスプライン結合されており、
これらのスプライン結合部36は、軸方向の摺動性、寸法
公差および組付性を考慮して回転方向および径方向に適
度な遊びが設けられている。
【0020】固定ディスク32および可動ディスク33の互
いの対向面には、それぞれ円周方向に沿って円弧状に延
びる3つのボール溝37,38が形成されている。これらの
ボール溝37,38は、それぞれ等しい中心角(例えば90
°)の範囲で延ばされて等間隔に配置されている。ボー
ル溝37および38は、それぞれ同方向に傾斜されており、
ボール溝37,38間にボール34が装入されて、固定ディス
ク32に対する可動ディスク33の回転によって、3つのボ
ール34がボール溝37,38内を転動して、その回転角度に
応じて可動ディスク33が固定ディスク32から離間する方
向に軸方向に移動するようになっている。
【0021】調整ナット29は、円筒部39a およびその一
端部の外側に形成されたフランジ部39b からなり、円筒
部39a が可動ディスク33の円筒部35に挿通され、滑り軸
受40によって回転可能に支持され、フランジ部39b が可
動ディスク33の一端部に当接してスラスト軸受41によっ
て回転可能に支持されている。調整ナット29の円筒部39
a は、ケース11内のロータ15の内部まで延ばされ、その
先端部外周にリミッタ機構30が装着されている。
【0022】リミッタ機構30は、調整ナット29の円筒部
39a の先端部外周にリミッタ42およびスプリングホルダ
43が回転可能に外嵌され、これらがコイルスプリング44
によって互いに連結されている。リミッタ42とスプリン
グホルダ43とは、所定の範囲で相対回転できるように互
いに係合され、コイルスプリング44によって回転方向に
対して所定のセット荷重が付与されており、リミッタ42
をスプリングホルダ43に対して、コイルスプリング44の
セット荷重に抗して時計回り(図1の左方から見て時計
回り、以下同じ)に回転できるようになっている。リミ
ッタ42に形成された係合凹部45が可動ディスク33の円筒
部35の端部に形成された係合凸部46に係合されており、
リミッタ42は、円筒部35に対して所定の範囲で相対回転
できるようになっている。また、調整ナット29の円筒部
の先端部外周には、クラッチスプリング47(コイルスプ
リング)巻装され、その一端部がスプリングホルダ43に
結合されており、クラッチスプリング47は、捩じりによ
る拡径および縮径によって一方向クラッチとして作用
し、スプリングホルダ43の時計回りの回転のみを調整ナ
ット29の円筒部39a に伝達するようになっている。
【0023】ピストン28は、調整ナット29の内周部に形
成されたねじ部48(パッド摩耗補償機構)に螺合され
て、調整ナット29がピストン28に対して時計回りに回転
するとブレーキパッド6側へ向かって前進するようにな
っている。調整ナット29の円筒部39a 内には、一端がナ
ット49によってレゾルバケース22に固定された回り止め
ロッド50が挿入され、回り止めロッド50の他端側は、ピ
ストン28に軸方向に摺動可能に挿入され、かつ、回転を
規制するように係合されている。ピストン28の後端部に
は、二面取部28A を形成する溝28B を有する小径部28C
が形成されている(図8および図9参照)。小径部28C
には、溝28B に係合する爪部28a を有する回り止めキャ
ップ28b (図10および図11参照)が、小径部28C の側部
から爪部28a を溝28B に沿って嵌合されて取付けられて
いる。そして、この回り止めキャップ28b に形成された
ピストン28の内径と同径の二面取孔28c に、回り止めロ
ッド50の他端部に形成された二面取部50a が挿通、嵌合
されて、回り止めロッド50とピストン28との相対回転を
規制するとともに軸方の相対移動を可能としている。回
り止めロッド50の中間部(二面取部50a の基端部)に形
成されたフランジ部51と調整ナット29の円筒部39a 内に
形成されたフランジ部52との間に、複数の皿ばね53が介
装されており、そのばね力によって調整ナット29が図13
中の右方へ付勢されている。そして、ナット49によって
回り止めロッド50の軸方向位置を移動させることによ
り、調整ナット29への付勢力(皿ばね53のセット荷重)
を調整できるようになっている。
【0024】ボールランプ機構27の固定ディスク32、可
動ディスク33および調整ナット29には、これらのフラン
ジ部の外周を覆うように略円筒状のケース54が取付けら
れている。ケース54は、テーパ状の先端部の内側にフラ
ンジ部55が形成され、円筒状の後端部の内側に切欠を有
する係合爪56が形成されている。そして、固定ディスク
32を係合爪56に係合させ、フランジ部55と調整ナット29
のフランジ部39b との間にウェーブワッシャ57が介装さ
れて、固定ディスク32、可動ディスク33およびボール34
を一体的に保持し、ウェーブワッシャ57の弾性によっ
て、可動ディスクおよび調整ナット29の軸方向の移動を
許容するとともに、調整ナットの回転に対して適度な抵
抗を付与するようになっている。フランジ部55に取付け
られたピストンブーツ58の先端部が、調整ナット29に装
着されたピストン28の先端外周部に結合されている。ケ
ース54の円筒部は、爪部4に嵌合され、その間がOリン
グ59によってシールされている。なお、図中60は、ピン
ブーツである。
【0025】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0026】制動時には、コントローラ(図示せず)か
らの信号に応じて電動モータ12のロータ15が所定のトル
クで時計回りに回転すると、スプライン結合部を36を介
してボールランプ機構27の可動ディスク33が回転し、ボ
ール34がボール溝37,38に沿って転動して可動ディスク
33を軸方向に沿ってブレーキパッド6側へ前進させる。
この推力がスラスト軸受41を介して調整ナット29に伝達
され、さらに、ねじ部48を介してピストン28に伝達され
て、一方のブレーキパッド6をディスクロータ2に押圧
させ、その反力によってキャリパ本体3がキャリヤ8の
スライドピン9に沿って移動して、爪部4が他方のブレ
ーキパッド7をディスクロータ2に押圧させ、電動モー
タ12のトルクに応じて制動力が発生する。
【0027】このとき、ボールランプ機構27のボール溝
37,38の傾斜を小さくすることにより、回転変位に対す
るリードを充分小さく設定することができるので、倍力
比が大きくすることができ、電動モータ12の出力が小さ
くてすみ、消費電力の低減およびモータの小型化を図る
ことができる。また、固定ディスク32および可動ディス
ク33のそれぞれに3つのボール溝37,38を円周方向に沿
って等間隔に配置したことにより、これらの間で均等に
推力が伝達されるので、モーメント荷重が発生すること
がなく、ブレーキパッド6,7を均等に押圧することが
でき、安定した制動力を得ることができる。これによ
り、固定ディスク32および可動ディスク78の支持部に作
用するモーメント荷重を軽減することができ、必要な強
度が小さくてすむので、各部の小型化および軽量化を図
ることができる。
【0028】また、ディスクロータ2の両側のブレーキ
パット5,6を駆動するためのボールランプ機構27をデ
ィスクロータ2に隣接して配置して略C字形の爪部4の
内側に固定し、その外側に電動モータ12を配置したこと
により、ボールランプ機構27とブレーキパッド5,6と
の距離を充分近づけることができ、爪部4によって推力
を直接伝達することができる。これにより、電動モータ
12のケース11が制動時の荷重を直接受けることがないの
で、ケース11の薄肉化や軽量材料の使用が可能となり、
軽量化および電動モータ12の放熱性を促進することがで
きる。また、制動時の反力がロータ15の軸受部に直接作
用しないので、電動モータ12の軸受部の構造を簡略化す
ることができる。
【0029】制動解除時には、電動モータ12を逆回転さ
せ、可動ディスク33を反時計回りに元の位置まで回転さ
せると、皿ばね53のばね力によって可動ディスク33、調
整ナット29およびピストン28が後退し、キャリパ本体3
がスライドピン9に沿って移動して、ディスクロータ2
からブレーキパッド6,7が離間して制動が解除され
る。
【0030】次に、ブレーキパッド6,7の摩耗の補償
について図5および図6を参照して説明する。なお、ピ
ストン28とブレーキパッド6および爪部4とブレーキパ
ッド7の相対位置関係は同様であるから、図5および図
6には、ピストン28とブレーキパッド6との関係のみを
示す。
【0031】ブレーキパッド6の摩耗がない場合、また
は、後述する摩耗の調整が行われた後には、図5に示す
ように、制動時に、ロータ15の回転によってピストン28
が非制動位置(A)から設定したパッドクリアランスC
だけ前進してブレーキパッド6がディスクロータ2に当
接する制動開始位置(B)へ移動すると、可動ディスク
33の円筒部35の係合凸部46がリミッタ42の係合凹部45に
沿って回転して係合凹部45の一端部から他端部へ移動す
る。さらに、ピストン28がブレーキパッド6をディスク
ロータ2に押圧して制動位置(D)へ移動すると、係合
凸部46がリミッタ42を時計回りに回転させ、その回転力
がコイルスプリング44およびクラッチスプリング47を介
して調整ナット29に伝達される。このとき、ピストン28
がブレーキパッド5を押圧しており、ピストン28と調整
ナット29との間のねじ部48に大きな摩擦力が生じている
ため、コイルスプリング44が撓んで調整ナット29は回転
しない。そして、制動解除時に、可動ディスク33の逆回
転によってピストン28が非制動位置(A)まで後退する
際、係合凸部46が係合凹部45の一端部に当接してリミッ
タ62およびスプリングホルダ43を反時計回りに回転させ
るが、クラッチスプリング47が拡径して空転するため、
ピストン28は回転しない。このようにして、パッドの摩
耗は調整されず、一定のパッドクリアランスが維持され
る。
【0032】ブレーキパッド6が摩耗した場合、図6に
示すように、制動時に、ロータ15の時計回りの回転によ
ってブレーキパッド6が非制動位置(A)から上記設定
したパッドクリアランスCの分だけ位置(B)まで移動
し、係合凸部46が係合凹部45の一端部から他端部へ移動
しても、摩耗分Wによってピストン28はブレーキパッド
6を押圧しない。ロータ15がさらに回転すると、可動デ
ィスク33および調整ナット29がディスクロータ2側へ位
置(D)まで前進してピストン28がブレーキパッド6を
ディスクロータ2に当接させる。このとき、係合凸部46
がリミッタ42を時計回りに回転させ、その回転力がコイ
ルスプリング44およびクラッチスプリング47を介して調
整ナット29に伝達されるが、ピストン28がブレーキパッ
ド6を押圧しておらず、ピストン28と調整ナット29との
間のねじ部48に大きな摩擦力が生じていないため、調整
ナット29が時計回りに回転してピストン28をブレーキパ
ッド6側へさらに前進させてパッドの摩耗を調整する。
そして、ピストン28がブレーキパッド6をディスクロー
タ2に押圧させる位置(E)まで移動する際には、ピス
トン28と調整ナット29との間のねじ部48に大きな摩擦力
が生じ、コイルスプリング44に撓みが生じて調整ナット
29の回転が停止する。そして、制動解除時に、ロータ15
の反時計回りの回転よってピストン28が非制動位置
(A)まで後退すると、係合凸部46が係合凹部45の一端
部に当接してリミッタ42を反時計回りに回転させるが、
クラッチスプリング47が拡径して空転するため、調整ナ
ット29は回転しない。このようにして、摩耗によって生
じた非制動位置におけるブレーキパッド6とピストン28
との隙間WはW′に減じるこちになり、ブレーキパッド
6の摩耗分の内の一定の割合だけ1回の動作でピストン
28を調整ナット29からブレーキパッド6側へ前進させる
ことができ、これを繰り返すことにより、ブレーキパッ
ド6,7の摩耗調整を行うことができる。
【0033】次に、電動ディスクブレーキ1の組立につ
いて、図7を参照して説明する。
【0034】図7(a)に示すように、ボールランプ機
構27、調整ナット29、ピストン28、回り止めロッド50、
皿ばね53、ウェーブワッシャ57,ピストンブーツ58をケ
ース54によって一体に組み付け、調整ナット29の円筒部
39a にリミッタ機構30を組み付けて、ボールランプユニ
ット14をサブアセンブリし、このボールランプユニット
14を爪部4のフランジ部40に挿入して開閉機構部61(図
7(b)参照)を構成する。図7(b)に示すように、
ケース11およびカバー16に、電動モータ12および回転検
出機構13を組み付けて、モータ機構部62を構成し、可動
ディスク33の円筒部35と電動モータ12のロータ15のスプ
ライン結合部36を結合させ、回り止めロッド50にナット
49を螺着させて、開閉機構部61とモータ機構部62とを組
み付けて、電動キャリパ63(図7(c)参照)を構成す
る。そして、電動キャリパ63をブレーキパッド6,7を
支持するキャリヤ8に装着することによって電動ディス
クブレーキ1を組立てることができる。
【0035】このようにして、サブアセンブリした開閉
機構部61(ボールランプユニット14、爪部4)とモータ
機構部62とを結合させることによって電動ディスクブレ
ーキ1を容易に組み立てることができる。このとき、可
動ディスク33と電動モータ12のロータ15とのスプライン
結合部36に適度な遊びが設けられているので、寸法公差
を吸収することができ、これらの組立および分解を容易
に行うことができる。また、スプライン結合部36の遊び
によって、可動ディスク33の振れを吸収することがで
き、ロータ15の滑り軸受19,20の負担を軽減することが
できる。さらに、ケース54をOリング59を介して弾性的
に支持することにより、ブレーキパッド6,7からの衝
撃をOリング59によって吸収することができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の電動デ
ィスクブレーキによれば、ボールランプ機構の固定ディ
スク、可動ディスクおよびボールをケースに収容して一
体とし、ボールランプユニットとしたので、これらを容
易にキャリパ本体に組付けることができ、電動ディスク
ブレーキの組立性を向上させることができる。
【0037】請求項2の電動ディスクブレーキによれ
ば、ボールランプ機構とともにパッド摩耗補償機構をキ
ャリパ本体に組付けることができる。
【0038】また、請求項3の電動ディスクブレーキに
よれば、伝動機構を一体にサブアセンブリしたことによ
り、キャリパ本体に容易に組付けることができ、電動デ
ィスクブレーキの組立性を向上させることができる。ま
た、伝動機構を爪部の内側に取付けたことにより、その
推力を爪部を介して両方のブレーキパッドに直接伝達す
ることができるので、推力伝達経路の剛性を高めること
ができ、ケースの薄肉化や軽量材料の使用が可能となっ
て軽量化および電動モータの放熱性を促進することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の電動ディスクブレーキの
縦断面図である。
【図2】図1の装置を一部破断して示す側面図である。
【図3】図1の装置を一部破断して示す平面図である。
【図4】図1の装置を一部破断して示す正面図である。
【図5】図1の装置のパッド摩耗補償機構のパッドが摩
耗がない場合の作動を示す説明図である。
【図6】図1の装置のパッド摩耗補償機構のパッドが摩
耗した場合の作動を示す説明図である。
【図7】図1の装置の組立工程を示す説明図である。
【図8】図1の装置のピストンの後端部の縦断面図であ
る。
【図9】図8のA−A線による縦断面図である。
【図10】図1の装置の回り止めキャップの側面図であ
る。
【図11】図1の装置の回り止めキャップの正面図であ
る。
【符号の説明】
1 電動ディスクブレーキ 2 ディスクロータ 3 キャリパ本体 4 爪部 6,7 ブレーキパッド 12 電動モータ 14 ボールランプユニット 15 ロータ 27 ボールランプ機構(伝動機構) 28 ピストン 30 リミッタ機構(パッド摩耗補償機構) 32 固定ディスク 33 可動ディスク 34 ボール 48 ねじ部(パッド摩耗補償機構) 54 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J058 AA43 AA48 AA53 AA63 AA73 AA78 AA87 BA02 BA37 BA63 BA64 BA68 CC15 CC25 CC35 CC56 DA04 DA12 DA13 DB02 DB23 FA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの両側に配置される一対
    のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドの一方
    に対向させてキャリパ本体に設けられたピストンと、前
    記キャリパ本体に固定され、前記ディスクロータをまた
    いで前記一対のブレーキパッドの他方に対向する爪部
    と、前記キャリパ本体に設けられた電動モータと、該電
    動モータのロータの回転運動を直線運動に変換して前記
    ピストンを進退動させるボールランプ機構とを備えた電
    動ディスクブレーキであって、 前記ボールランプ機構の前記キャリパ本体に固定される
    固定ディスクと、前記ピストンに連結される可動ディス
    クと、これらの間に介装されるボールとを前記固定ディ
    スクおよび前記可動ディスクの外周部を覆うケースに収
    容して一体としたボールランプユニットを前記キャリパ
    本体に組付けたことを特徴とする電動ディスクブレー
    キ。
  2. 【請求項2】 前記ボールランプユニットには、パッド
    摩耗補償機構が一体に設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載の電動ディスクブレーキ。
  3. 【請求項3】 ディスクロータの両側に配置される一対
    のブレーキパッドと、前記一対のブレーキパッドの一方
    に対向させてキャリパ本体に設けられたピストンと、前
    記キャリパ本体に固定され、前記ディスクロータをまた
    いで前記一対のブレーキパッドの他方に対向するの爪部
    と、前記キャリパ本体に設けられた電動モータと、該電
    動モータのロータの回転運動を直線運動に変換して前記
    ピストンを進退動させる伝動機構とを備えた電動ディス
    クブレーキであって、 前記伝動機構をサブアセンブリし、一体として、前記爪
    部の内側に取付け、該爪部の外側に前記電動モータを取
    付け、前記爪部を通して前記電動モータのロータと前記
    伝動機構とを連結したことを特徴とする電動ディスクブ
    レーキ。
JP11424799A 1999-03-31 1999-04-21 電動ディスクブレーキ Expired - Fee Related JP4051650B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11424799A JP4051650B2 (ja) 1999-04-21 1999-04-21 電動ディスクブレーキ
US09/539,316 US6374958B1 (en) 1999-03-31 2000-03-30 Motor-driven disk brake
DE10016162A DE10016162B4 (de) 1999-03-31 2000-03-31 Motorgetriebene Scheibenbremse

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11424799A JP4051650B2 (ja) 1999-04-21 1999-04-21 電動ディスクブレーキ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000304076A true JP2000304076A (ja) 2000-10-31
JP2000304076A5 JP2000304076A5 (ja) 2006-04-06
JP4051650B2 JP4051650B2 (ja) 2008-02-27

Family

ID=14632990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11424799A Expired - Fee Related JP4051650B2 (ja) 1999-03-31 1999-04-21 電動ディスクブレーキ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4051650B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002086345A1 (en) * 2001-04-23 2002-10-31 Pbr Australia Pty Ltd Actuator
JP2011089646A (ja) * 2010-12-28 2011-05-06 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ディスクブレーキ
US7950503B2 (en) 2006-03-31 2011-05-31 Hitachi, Ltd. Electric disk brake, caliper for the electric disk brake, motor/controller unit for the electric disk brake, and method for assembling the caliper for the electric disk brake
JP2011141041A (ja) * 2011-04-21 2011-07-21 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ディスクブレーキ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002086345A1 (en) * 2001-04-23 2002-10-31 Pbr Australia Pty Ltd Actuator
US7950503B2 (en) 2006-03-31 2011-05-31 Hitachi, Ltd. Electric disk brake, caliper for the electric disk brake, motor/controller unit for the electric disk brake, and method for assembling the caliper for the electric disk brake
JP2011089646A (ja) * 2010-12-28 2011-05-06 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ディスクブレーキ
JP2011141041A (ja) * 2011-04-21 2011-07-21 Hitachi Automotive Systems Ltd 電動ディスクブレーキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4051650B2 (ja) 2008-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6374958B1 (en) Motor-driven disk brake
US6325182B1 (en) Motor-driven brake system
US6367593B1 (en) Electric caliper having splined ball screw
US6571921B2 (en) Motor-driven disk brake
US20220307562A1 (en) Disk brake
JP4304418B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP4756230B2 (ja) 電動ブレーキ装置
JP4556153B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP4055037B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP5077604B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2003287069A (ja) 車両用電動ブレーキ装置
JP3928149B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP4051650B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2008115880A (ja) 電動ディスクブレーキ
JPH11257389A (ja) 電動式ブレーキ装置
JP4432004B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2021004646A (ja) ディスクブレーキ
JP4623316B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2007056917A (ja) 電動式ディスクブレーキ
JP4706860B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP4706809B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP5257636B2 (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2002013562A (ja) 電動ディスクブレーキ
JP2001159436A (ja) 電動ディスクブレーキのパッドクリアランス初期調整方法および装置
JP2001099203A (ja) 電動ディスクブレーキ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121214

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees