JP2000303441A - 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置 - Google Patents

脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置

Info

Publication number
JP2000303441A
JP2000303441A JP11120735A JP12073599A JP2000303441A JP 2000303441 A JP2000303441 A JP 2000303441A JP 11120735 A JP11120735 A JP 11120735A JP 12073599 A JP12073599 A JP 12073599A JP 2000303441 A JP2000303441 A JP 2000303441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drain member
dewatering
driving device
layer
drain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11120735A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Yamada
誠之 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYOHA MINING
Original Assignee
TOYOHA MINING
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYOHA MINING filed Critical TOYOHA MINING
Priority to JP11120735A priority Critical patent/JP2000303441A/ja
Publication of JP2000303441A publication Critical patent/JP2000303441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で効率良く行なうと共に鉱山の廃さい堆
積場のみならず、土木の地質改良工事や港湾・湖沼等の
改良工事にも応用可能な脱水圧密化堆積工法及び脱水圧
密化堆積工法に使用するドレイン材打ち込み装置を提供
する。 【解決手段】 脱水圧密化堆積工法は堆積層に複数の垂
直ドレイン部材30と複数の水平ドレイン部材10を布
設して連結し、その上に新規堆積物を次々と堆積させて
下層側堆積層から水分を排水させて圧密化すると共に、
さらに前記堆積物を次々と堆積させて新規堆積層をも圧
密化するものであり、ドレイン材打ち込み装置は外周面
が互いに近接するように対向させて配置されると共に、
駆動装置により駆動される2つの駆動ホイル21a、2
1bと、その2つの駆動ホイル21a、21b外周面と
の間に形成される間隙に挿し通されるクイルロッド15
と、クイルロッド15を垂直方向へ移動可能に案内する
ガイドレール13と、ガイドレール13を支持するフレ
ーム11とを含み構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱水圧密化堆積工
法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち
込み装置に関し、さらに詳しくは、鉱山で大量に発生す
る廃さいを含む鉱液を廃棄する堆積場等における脱水圧
密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイ
ン部材打ち込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】採掘した鉱石を選鉱する浮遊選鉱工程で
大量に発生する廃さいを含む廃液は図6に示されている
ように、サイクロン3で分級し、所定粒径以上の廃さい
を堤体2の上方に供給して堤体を成長させ、一方、所定
粒径以下の廃さいを含む鉱液を堤体によって形成された
ダム州域4及び/又はダム貯水域6に廃棄していた。
【0003】堤体2のサイクロン3により分級される廃
さいは、具体的には、約45%の粗粒が堤体築堤用サン
ドとして用いられ、残り約55%が細粒として堤内に堆
積される。粗粒の粒径は約2.000mm〜0.075
mmであり、細粒の粒径は0.075mm〜0.001
mmあるいはそれ以下の粒径を有し、平均粒径は約0.
004mmである。また、廃さいの主な化学的成分とし
ては、SiOが30〜36%、Feが33〜4
3%、Alが4〜10%含まれている。
【0004】かかる廃さいを含む鉱液の堆積場では、ダ
ム州域4の地中水位以下の部分及びダム貯水域6の堆積
部において、堆積物の間隙に水分が密に入り込んで上方
からの荷重を支えている。従って、堆積物は圧縮される
ことなく存在し続けるため、その上方に堆積し得る廃さ
いの量は限られたものとなる。
【0005】従って、堆積物の間隙に入り込んだ水を排
水すれば堆積物の体積が減少し圧縮される、すなわち圧
密化されることとなる。ここで、「圧密」について概説
する。土は基本的に、土粒子が構成する固相、土粒子間
の間隙の一部又は前部を満す土中水である液相、及び間
隙のうち水で占められていない空間である気相から構成
されている。そして圧密は土粒子の間隙の体積が減少す
ることにより生じる。例えば、今回の鉱山の堆積場のよ
うに間隙が水で飽和している土が圧密するときには体積
減少分と等量の間隙水が排出される。既に堆積している
堆積物中に過剰間隙水圧が発生している箇所には、間隙
水の排出力が大きいことを利用して、垂直ドレイン部材
を布設し排水すると次第に静水圧に落ち着く。また、新
規に堆積する堆積物の間隙水は、水平ドレイン部材を布
設し、排水距離を短くすることにより排水をスムーズに
して静水圧に落ち着かせる。同時に、新規堆積物の自重
を既堆積物に上載することによって既堆積物に更なる過
剰間隙水圧を発生させ、連続して垂直ドレイン部材から
の排水を行なう。従って、土の圧密速度は間隙水の排出
力を大きくすること及び間隙水の排水をスムーズにする
ことがポイントとなる。
【0006】実際に、ある堆積場内の堆積物上の水面か
ら堆積物の底の地盤まで約50mのボーリングを行ない
標準貫入試験、間隙水圧等を測定した。また、シンウォ
ールチューブサンプラーで採取した不撹乱資料で圧密試
験を始めとする室内土質試験を行なった。その土質試験
の結果を表1に示す。堆積物の粒度はシルト50%、粘
土分約50%の均一な飽和度100%の土質であった。
またN値がほぼゼロであることから、堆積物の締まり状
態は深度5mレベルから深度20mまでは非常に緩く、
深度30mでも緩い状態で堆積していることがわかっ
た。一方、深度30mから45mの範囲では締まった状
態であった。
【表1】
【0007】また、室内圧密試験結果を表2に示す。深
度5mの泥面レベルから深度30mまでの区間は未圧密
状態であり、深さ約35m付近では正規圧密状態、それ
以深では過圧密状態となっている。この未圧密状態の範
囲は過剰間隙水圧の発生している範囲と一致しており、
圧密促進等の対策をとることによって圧密効果が期待で
きると判断される。
【表2】
【0008】図8は表1に示す深度ごとの間隙水圧実測
値及び計算で求めた静水圧の分布を実際の堆積場の断面
図と対応させて示したものである。堆積場内の現在の泥
面レベルから深さ約30mまでの区間の間隙水圧は静水
圧を上回っている。これは飽和した堆積物の間隙水がス
ムーズに排水されず逐次堆積される廃さいの上載荷重を
支えるために発生する水圧であり、過剰間隙水圧といわ
れる。本来この水圧は、深さ30mから45m(底)ま
での区間の排水がスムーズであれば発生しない水圧であ
るが、堆積物の長年の堆積により自然圧密が進行し堆積
物が締まった状態となり必要な排水が出来ていないため
に発生するものである。
【0009】このため、出願人は、堆積物内部に所定間
隔で水平ドレイン部材10や垂直ドレイン部材30を布
設し、堆積物の自重により堆積物に含まれる水分を垂直
ドレイン部30材内に押し出し、垂直ドレイン部材30
内を通って水平ドレイン部材10近傍まで押し上げ、そ
して押し上げられた水を排水することにより堆積物の圧
縮を行ない、堆積物の堆積速度を従来の方法より格段に
小さくして、廃さいの総量を飛躍的に増大させると共
に、平地の少ない山間部に有効利用可能な大面積の平地
を供給することができる脱水圧密化堆積工法を開発し特
許出願をした(特願平10−82404号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鉱山の廃さい
堆積場では採掘した鉱石を選鉱する浮遊選鉱工程で大量
に発生する廃さいを含む廃液が廃棄されるので堆積層の
上面の一部には水が溜まり水相部となっていると共に、
圧密化する堆積層の上に次々と新たな廃さいが廃棄され
るので新規堆積層についても順次圧密化する必要があ
る。また、ダム貯水域6で行なう垂直ドレイン部材の打
ち込み作業には作業船、例えば、港湾作業で使用するよ
うな打ち込み装置付きの大型台船、を準備する必要があ
るが、鉱山のような内陸、山間部で作業するにはかかる
大型台船を現場まで運搬しなければならない。港湾作業
の場合であれば、大型台船を牽引して現場に据え付け、
その上に打ち込み装置を設置して作業すればよいが、当
該地のような場所では運搬コストが莫大となるため現実
的ではない。
【0011】また、垂直ドレイン部材を打ち込む際、垂
直ドレイン部材を傷めないように、まず、保護用のケー
シングパイプを打ち込み、その中に垂直ドレイン部材を
挿入することも考えられるが、この場合にはケーシング
パイプの分だけ台船への積載重量が重くなるため、台船
の転倒防止を図る必要から浮力を増加させるための固定
支持枠及び台船架台の構造が大きくなるという欠点があ
る。
【0012】さらに、脱水圧密化堆積工法の施行中にも
堆積物の沈下が平行して起こるので、排水効率を良くす
るための垂直ドレイン部材と水平ドレイン部材とを水面
近くで結合する作業を早期に行なう必要があり、短期間
に作業を終了させることも必要となる。
【0013】そこで、本発明はこれらの問題点を解決
し、堆積物が次々と堆積すると共に堆積層の上面の一部
には水が溜まり水相部となっている堆積場で既堆積物及
び新たに堆積した新規堆積物を圧密化する脱水圧密化堆
積工法を提供することを目的とする。本発明の目的は、
脱水圧密化堆積工法の施工を安価で効率良く行なうため
の脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン材打ち込み装
置を提供することを目的とする。本発明の目的は、ま
た、垂直ドレイン部材を保護するためのケーシングパイ
プを用いることなく垂直ドレイン部材を打ち込むことに
より、台船全体の構造を簡易・軽量化することが可能な
脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン材打ち込み装置
を提供することを目的とする。本発明は、さらに、使用
中又は休廃止している鉱山の廃さい堆積場のみならず、
土木の地質改良工事や港湾・湖沼等の改良工事にも応用
可能な脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン材打ち込
み装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1に記載の本発明は、水分を含む堆積層のうち
上層部の一部が水相部となっている部分に所定間隔で複
数の垂直ドレイン部材を布設し、堆積層の上層部全面に
は複数の水平ドレイン部材を布設して、垂直ドレイン部
材の上端側と水平ドレイン部材とを連結し、そして、堆
積層の上に水分を含む新規堆積物を次々と堆積させて垂
直ドレイン部材を布設した下層側堆積層から水分を排水
させることにより該下層側堆積層を圧密化すると共に、
さらに堆積物を次々と堆積させて下層側堆積層の上に堆
積された新規堆積層から水分を排水させることにより新
規堆積層をも圧密化することを特徴とする。
【0015】上記課題を解決するために請求項2に記載
の本発明は、水分を含む堆積層に所定間隔で複数の垂直
ドレイン部材を布設するためのドレイン部材打ち込み装
置であって、外周面が互いに近接するように対向させて
配置されると共に、駆動装置により駆動される2つの駆
動ホイルを有する打設機と、2つの駆動ホイルの外周面
との間に形成される間隙に挿し通されドレイン部材を堆
積層深部に引き込むクイルロッドと、クイルロッドを垂
直方向へ移動可能に案内するガイドレールと、ガイドレ
ールを支持するフレームと、を含み構成されることを特
徴とする。
【0016】上記課題を解決するために請求項3に記載
の本発明は、請求項2に記載の脱水圧密化堆積工法に使
用するドレイン部材打ち込み装置において、クイルロッ
ドは、内部が中空状とされ、上部側にはポンプにより送
られてくる水をフレキシブルホースを介して注水するた
めのカップリングを有し、堆積層に没入される先端部側
はドレイン部材を係留させて堆積層深部に引き込むため
に二股に別れた形状とされると共にポンプから送られて
くる水を排出するための孔が設けられていることを特徴
とする。
【0017】上記課題を解決するために請求項4に記載
の本発明は、請求項2又は3に記載の脱水圧密化堆積工
法に使用するドレイン部材打ち込み装置において、打設
機の2つの駆動ホイルのうち一方の駆動ホイルは金属製
でその外周面はクイルロッドの表面に密接するような凹
部が形成されており、他方の駆動ホイルはゴムタイヤが
用いられると共にクイルロッドを圧着する圧力が調整可
能とされていることを特徴とする。
【0018】上記課題を解決するために請求項5に記載
の本発明は、請求項2から4のいずれか1項に記載の脱
水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置
において、該ドレイン部材打ち込み装置を2以上連設す
ることにより、複数の垂直ドレイン材の堆積物深部への
布設を短期間で行なうことを可能としたことを特徴とす
る。
【0019】上記課題を解決するために請求項6に記載
の本発明は、請求項2から5のいずれか1項に記載の脱
水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置
において、該ドレイン部材打ち込み装置が水面に浮かぶ
台船上に配置されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る脱水圧密化堆積工法
に使用するドレイン部材打ち込み装置について図面に基
づいて説明する。図1は本発明に係る脱水圧密化堆積工
法に使用するドレイン部材打ち込み装置の一実施例の正
面図、図2は図1のドレイン部材打ち込み装置の側面図
である。
【0021】まず、本発明に係る脱水圧密化堆積工法に
使用するドレイン部材打ち込み装置1は概略として、打
設機20と、クイルロッド15と、ガイドレール13と
フレーム11とにより構成されている。初めに、クイル
ロッド15は、垂直ドレイン部材を堆積層内部に引き込
むために用いられるものである。垂直ドレイン部材を堆
積層の内部約20m程の深さまで打ち込む必要があるた
めクイルロッド15の長さもそれとほぼ同じ長さが必要
となり約20m程の長さを有している。クイルロッド1
5の内部は図示しないポンプにより水を通すことができ
るように中空状とされている。本実施例においては円筒
状のパイプとされているが内部が中空状であれば特に限
定されるものではない。また材質は、強度、耐久性等の
面から金属製であることが好ましいがこれに限定される
ものではなく、塩化ビニル等の合成樹脂製であってもよ
い。
【0022】図4に示すように、クイルロッド15の上
部側端部はフレキシブルホース15aと接続されるよう
なワンタッチカップリング15bが取り付けられてい
る。これにより図示しないポンプにより水をフレキシブ
ルホース15aを介してクイルロッド15内に注水する
ことが可能となる。本実施例ではクイルロッド15の上
部側端部を略コの字形状に屈曲させ下側からフレキシブ
ルホース15aを取り付けている。
【0023】一方、図5(a)に示すように、クイルロ
ッド15の堆積層内に没入される先端部側は二股に別れ
て左右に広がった形状とされ、左右の各先端部15c、
15cはやや尖った形とされている。また、クイルロッ
ド15の打ち込み時にクイルロッド15の回転を抑制す
るためにクイルロッド15の先端部近傍の側面と左右に
別れて形成された先端部に三角形部15d、15dが設
けられている。また、二股に別れた先端部の中央部付近
には上部側端部から注水された水を排出するための図示
しない孔が設けられている。さらに、クイルロッド15
を打ち込み又は引き抜く際に垂直方向の移動を案内する
と共に、クイルロッド15が作業中に倒れないようにす
るためにクイルロッド15はガイドレール13の内部に
挿入されている。
【0024】ガイドレール13は断面が略C字形状をし
た金属製の柱部材である。側面の一部が開口されている
のは略コの字形状に屈曲させクイルロッド15の上部側
端部がクイルロッド15の打ち込み作業の進展に伴って
次第に下方向へ移動するのでその動きを阻害しないよう
にするためである。ガイドレール13の長さはクイルロ
ッド15の上部側端部が打ち込み時に移動する範囲以上
の高さが必要である。本実施例ではガイドレール13の
長さはクイルロッド15とほぼ同様の20mとされてい
る。
【0025】ガイドレール13はフレーム11により支
持固定されている。フレーム11は軽量化を図るために
L型又はH型等の鉄製素材で鉄塔のように櫓状に組み立
てられたトラス形状をしており、先端部はワイヤ11a
により各部に固着されている。本実施例では3台のドレ
イン部材打ち込み装置1が台船上に連設されている。
【0026】フレーム11に固着されたガイドレール1
3に案内されるクイルロッド15は打設機20の2つの
駆動ホイル21a、21bが形成する間隙に挿し通さ
れ、この駆動ホイルにより堆積層内部へ打ち込まれる。
2つの駆動ホイル21a、21bはチェーン25aを介
してモータ25により駆動される。本実施例では2つの
駆動ホイル21a、21bのうち、一方の駆動ホイル2
1aは金属製であり、その外周面はクイルロッド15の
外表面と密接するような凹部が形成されている。そし
て、他方の駆動ホイル21bはゴム製のタイヤが用いら
れている。また、駆動ホイル21bはクイルロッド15
に圧着する圧力が加圧スプリング23により調整可能と
されている。すなわち、図示しない油圧シリンダにより
加圧スプリングを作動させ、加圧から開放までの調整が
できるようになっている。
【0027】2つの駆動ホイル21a、21bはその外
周面同士が近接するように対向させて配置され、2つの
駆動ホイル21a、21bの外周面との間に形成される
間隙にクイルロッド15が挿し通される。そして、加圧
スプリング23を開放状態とすればクイルロッド15は
自重で堆積層内部に打ち込まれ、必要があれば加圧スプ
リング23を調節して駆動ホイル21bを加圧状態とし
てクイルロッド15に圧着させモータ25を駆動すれば
動力打ち込みができる。一方、クイルロッド15を引き
抜くときは加圧状態でモータ25を逆回転すればクイル
ロッド15が上昇し引き抜きが行なわれることになる。
【0028】垂直ドレイン部材30は、図7に示されて
いるように、多数の凹凸状のエンボス34a、34bが
形成された長尺で合成樹脂製のコア板材34の周囲を合
成繊維又は合成樹脂からなる水透過性の帯状表面部材3
2で被覆した形状を有している。そして、多数の凹凸状
のエンボス34a、34bと帯状表面部材32により形
成された隙間が水を通過させるための水路34cとなっ
ている。この垂直ドレイン部材30は幅約10cm、長
さ約250mでロール状に巻かれ、ドレインホルダ30
aに装着されて用いられる。ドレインホルダ30aは2
つの駆動ホイル21a、21bの近傍に配置される。
【0029】次に、本発明に係る脱水圧密化堆積工法及
び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み
装置の動作について説明する。尚、本実施例においては
ドレイン部材打ち込み装置1が台船上に3台連設されて
いるが各装置の動作は同じなので1のドレイン部材打ち
込み装置1の動作について説明する。まず、本発明に係
る脱水圧密化堆積工法は、ダム貯水域4にドレイン部材
打ち込み装置1を用いて垂直ドレイン部材30を約3.
5m間隔で約20mの深さで打設する(ステップ1)。
一方、主としてこれから既堆積物の上に堆積される新規
堆積物の圧密促進を図るために堆積場のほぼ全面に水平
ドレイン部材10を約3.5m間隔で布設する(ステッ
プ2)。水平ドレイン部材10はダム貯水域4において
はボートを浮かべて人力で布設し、そして排水口付近に
は水平ドレイン部材から排水される水が通過する際のフ
ィルター層としての堤を設置する。そして水平ドレイン
部材10に打設の終わった全ての垂直ドレイン部材30
の上端を接続する(ステップ3)。そして、新規堆積物
を次々と堤内に投入し、既堆積物及び新規堆積物の脱水
圧密化を図る(ステップ4)。
【0030】垂直ドレイン部材30の打設はドレイン部
材打ち込み装置1により行なう。すなわち、所定の長さ
に巻き取られた垂直ドレイン部材30をドレインホルダ
30aに装着する。そして、図5(b)に示すように、
垂直ドレイン部材30の先端部折り返し、強固にホッチ
キス等の固定手段30bによりリング状に固定する。次
に、形成されたリングの内側に外れ止めピン17を挿入
し、垂直に立設されたクイルロッド15の左右の各先端
部15c、15cに引っかけて係留する。
【0031】そして、図示しないポンプを作動させ、ク
イルロッド15の上部側端部に接続されているフレキシ
ブルホース15aを介してクイルロッド15の内部に水
を送り込みクイルロッド15の没入側先端部から徐々に
排水する。
【0032】次に、加圧スプリング23を開放状態と
し、クイルロッド15を自重で堆積層内部に打ち込む。
このクイルロッド15の堆積層内部への没入に伴って外
れ止めピン17に係留された垂直ドレイン部材30が一
緒に堆積層内部へ引き込まれていく。必要があれば加圧
スプリング23の圧力を調節して駆動ホイル21bを加
圧状態にしてクイルロッド15に圧着させる。そして、
モータ25を駆動すればクイルロッド15は動力打ち込
みされる。もちろん、堆積物の状態に応じて当初から動
力打ち込みとしても良い。そして、目標とする打設深度
に達したら加圧スプリング23を加圧状態とし、モータ
25を打ち込みの場合とは逆方向に回転させて駆動ホイ
ル21bを駆動させクイルロッド15を引き抜く。この
とき、クイルロッド15の没入側先端部からの排水によ
り垂直ドレイン部材30とクイルロッド15がスムーズ
に分離するのでクイルロッド15の引き抜きと同時に垂
直ドレイン部材30も浮上してしまうという共上がり現
象を防ぐことができる。
【0033】垂直ドレイン部材30の没入側先端部が浮
上していないことを確認した後、垂直ドレイン部材30
を必要な長さを残してカッター等の切断器で切断し、注
水のポンプを停止する。そして切断された垂直ドレイン
部材30の端部を水平方向に設置された水平ドレイン部
材の周りを一周させた後、ホッチキス等の固定手段によ
りリング状に固定する。そして、次の打ち込み位置まで
台船を移動させ、以下同様の作業を繰り返す。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る脱水圧密化堆積工法によれ
ば、堆積物が次々と堆積すると共に堆積層の上面の一部
には水が溜まり水相部となっている堆積場で既堆積物及
び新たに堆積した新規堆積物を圧密化することが可能と
なるという効果がある。本発明に係る脱水圧密化堆積工
法に使用するドレイン部材打ち込み装置によれば、垂直
ドレイン部材を保護するためのケーシングパイプを用い
ることなく垂直ドレイン部材を直接打ち込むこととした
ので、大型の台船を準備する必要がなくなり、台船全体
の構造を簡易・軽量化が可となる効果がある。また、大
型台船が不要であるため脱水圧密化堆積工法の施行を安
価で効率良く行なうことができ、本発明に係る打ち込み
装置を複数台連設すれば短期間で布設が完了するという
効果がある。さらに、使用中又は休廃止している鉱山の
廃さい堆積場のみならず、土木の地質改良工事や港湾・
湖沼等の改良工事にも応用可能な脱水圧密化堆積工法に
も使用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱水圧密化堆積工法に使用するド
レイン部材打ち込み装置の一実施例の正面図である。
【図2】図2は図1のドレイン部材打ち込み装置の側面
図である。
【図3】図1に示した実施例に使用される打設機の斜視
図である。
【図4】クイルロッドの上部側端部とガイドレールの関
係を示した斜視図である。
【図5】(a)はクイルロッド15の堆積層に没入され
る側の端部を示す斜視図、(b)はリング状に固定した
垂直ドレイン部材の先端部の斜視図、(c)はクイルロ
ッド垂直ドレイン部材の係留の状態を示した斜視図であ
る。
【図6】鉱液を廃棄する堆積場を示す概略断面図であ
る。
【図7】垂直ドレイン部材の概略斜視図である。
【図8】深度ごとの間隙水圧実測値及び計算で求めた静
水圧の分布を実際の堆積場の断面図と対応させて示した
説明図である。
【図9】本発明に係る脱水圧密化堆積工法のフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 ドレイン部材打ち込み装置 2 堤体 3 サイクロン 4 ダム州域 6 ダム貯水域 10 水平ドレイン部材 11 フレーム 11aワイヤ 13 ガイドレール 15 クイルロッド 15aフレキシブルホース 15bワンタッチカップリング 17 外れ止めピン 20 打設機 21a、21b駆動ホイル 23 加圧スプリング 25 モータ 25a 30 垂直ドレイン部材 30aドレインホルダ 32 帯状表面部材 34 コア板材34 34a、34bエンボス 34c水路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分を含む堆積層のうち上層部の一部が
    水相部となっている部分に所定間隔で複数の垂直ドレイ
    ン部材を布設し、前記堆積層の上層部全面には複数の水
    平ドレイン部材を布設して、前記垂直ドレイン部材の上
    端側と前記水平ドレイン部材とを連結し、そして、前記
    堆積層の上に水分を含む新規堆積物を次々と堆積させて
    前記垂直ドレイン部材を布設した下層側堆積層から水分
    を排水させることにより該下層側堆積層を圧密化すると
    共に、さらに前記堆積物を次々と堆積させて前記下層側
    堆積層の上に堆積された新規堆積層から水分を排水させ
    ることにより新規堆積層をも圧密化することを特徴とす
    る脱水圧密化堆積工法。
  2. 【請求項2】 水分を含む堆積層に所定間隔で複数の垂
    直ドレイン部材を布設するためのドレイン部材打ち込み
    装置であって、 外周面が互いに近接するように対向させて配置されると
    共に、駆動装置により駆動される2つの駆動ホイルを有
    する打設機と、 前記2つの駆動ホイルの外周面との間に形成される間隙
    に挿し通されドレイン部材を堆積層深部に引き込むクイ
    ルロッドと、 前記クイルロッドを垂直方向へ移動可能に案内するガイ
    ドレールと、 前記ガイドレールを支持するフレームと、 を含み構成されることを特徴とする脱水圧密化堆積工法
    に使用するドレイン部材打ち込み装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の脱水圧密化堆積工法に
    使用するドレイン部材打ち込み装置において、 前記クイルロッドは、内部が中空状とされ、上部側には
    ポンプにより送られてくる水をフレキシブルホースを介
    して注水するためのカップリングを有し、堆積層に没入
    される先端部側は前記ドレイン部材を係留させて堆積層
    深部に引き込むために二股に別れた形状とされると共に
    前記ポンプから送られてくる水を排出するための孔が設
    けられていることを特徴とする脱水圧密化堆積工法に使
    用するドレイン部材打ち込み装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の脱水圧密化堆積
    工法に使用するドレイン部材打ち込み装置において、 前記打設機の2つの駆動ホイルのうち一方の駆動ホイル
    は金属製でその外周面は前記クイルロッドの表面に密接
    するような凹部が形成されており、他方の駆動ホイルは
    ゴムタイヤが用いられると共に前記クイルロッドを圧着
    する圧力が調整可能とされていることを特徴とする脱水
    圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれか1項に記載の
    脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装
    置において、 該ドレイン部材打ち込み装置を2以上連設することによ
    り、複数の垂直ドレイン材の堆積物深部への布設を短期
    間で行なうことを可能としたことを特徴とする脱水圧密
    化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置。
  6. 【請求項6】 請求項2から5のいずれか1項に記載の
    脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装
    置において、 該ドレイン部材打ち込み装置が水面に浮かぶ台船上に配
    置されていることを特徴とする脱水圧密化堆積工法に使
    用するドレイン部材打ち込み装置。
JP11120735A 1999-02-19 1999-04-27 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置 Pending JP2000303441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11120735A JP2000303441A (ja) 1999-02-19 1999-04-27 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4162999 1999-02-19
JP11-41629 1999-02-19
JP11120735A JP2000303441A (ja) 1999-02-19 1999-04-27 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000303441A true JP2000303441A (ja) 2000-10-31

Family

ID=26381272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11120735A Pending JP2000303441A (ja) 1999-02-19 1999-04-27 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000303441A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115420348A (zh) * 2022-11-04 2022-12-02 青岛地质工程勘察院(青岛地质勘查开发局) 一种水文地质勘探用具有防护功能的地下水位监测装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115420348A (zh) * 2022-11-04 2022-12-02 青岛地质工程勘察院(青岛地质勘查开发局) 一种水文地质勘探用具有防护功能的地下水位监测装置
CN115420348B (zh) * 2022-11-04 2023-01-31 青岛地质工程勘察院(青岛地质勘查开发局) 一种水文地质勘探用具有防护功能的地下水位监测装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102900089B (zh) 带有遇水膨胀橡胶防水锁口的组合钢桩围堰
CN101225656B (zh) 超软弱土浅表层快速加固方法
EP0810327B1 (en) Method and device for laying underground continuous walls
CN113957913A (zh) 一种膜袋充砂结合钢板桩围堰施工方法
CN113174958A (zh) 一种劣质地况下临近道路基坑施工方法
CN212316948U (zh) 一种高地下水位区域排水管道回填结构
CN111501730A (zh) 铀尾矿泥真空预压排水固结方法
CN109812271B (zh) 一种盾构过侵限箱涵的施工方法
CN108797759B (zh) 沉管下方悬空软基水下抛石压浆加固方法
CN109989392A (zh) 砂土地下连续墙施工成槽工艺
CN109235474A (zh) 基于海洋环境下的超大围堰的结构及其施工工艺
JP2000303441A (ja) 脱水圧密化堆積工法及び脱水圧密化堆積工法に使用するドレイン部材打ち込み装置
KR940002457B1 (ko) 연약지반의 지내력 증강 및 차단벽 형성방법 및 장치
CN201580547U (zh) 适用于水面挖掘作业的浮箱
CN112854117B (zh) 一种l型码头施工方法
CN212001021U (zh) 一种吹填土区域软土地基加固结构
CN111335290B (zh) 适用于淤泥质地基的海上人工岛结构及施工方法
CN212248171U (zh) 适用于淤泥质地基的海上人工岛结构
KR100429370B1 (ko) 토목섬유를 이용한 호안 제체 축조를 위한 수중과 지상단위 재하재 및 이를 이용한 축조방법
CN219011277U (zh) 基于液压抓斗成槽及垂直铺塑防渗的围堰施工系统
CN112523272A (zh) 用于强风化岩层的抗浮盲沟及其施工方法
RU2029013C1 (ru) Способ ремонта оголенного участка подводного трубопровода
CN218911003U (zh) 一种直接用于河床上的沿河吹填筑路
KR200316779Y1 (ko) 해안의 연약지반에 준설토와 모래를 이용하여 지지력이강화된 매립지
CN218373953U (zh) 一种充泥管袋-膜袋混凝土结合钢板桩的组合围堰结构