JP2000302866A - 液晶配向膜用組成物、液晶挟持基板及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶配向膜用組成物、液晶挟持基板及び液晶表示装置

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JP2000302866A
JP2000302866A JP11082696A JP8269699A JP2000302866A JP 2000302866 A JP2000302866 A JP 2000302866A JP 11082696 A JP11082696 A JP 11082696A JP 8269699 A JP8269699 A JP 8269699A JP 2000302866 A JP2000302866 A JP 2000302866A
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alignment film
crystal alignment
electrode
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Yuichi Kanetani
雄一 金谷
Naoki Okuda
直紀 奥田
Yasuo Katsuya
康夫 勝谷
Hiroyuki Umeda
啓之 梅田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液晶表示装置作製の時間を短縮、また横電界
方式液晶表示装置において、良好な表示特性、高コント
ラスト比を示す、液晶配向膜用組成物、液晶挟持基板及
び液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び/
または、脂環式テトラカルボン酸二無水物が、酸二無水
物成分の総モル数の30モル%以上90%モル以下含
み、ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前
駆体を含有してなる液晶配向膜用組成物、そこから得ら
れるポリイミド前駆体を塗布した後、乾燥、脱水閉環さ
せて、ポリイミド膜が形成されてなる液晶挟持基板、並
びに電極群は前記液晶層に対し前記基板面と概ね平行な
電界を印加するように構成され、液晶配向膜が前記液晶
配向膜用組成物で形成されており、前記電極群が前記液
晶挟持基板であることを特徴とする液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向膜用組成
物、液晶挟持基板、及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置では、対向するそれ
ぞれの基板にITO(インジウム錫酸化物)などからな
る透明電極を用いていて、ツイスティドネマチック表示
方式に代表される表示方式を採用している。この透明電
極上には、液晶配向膜が設けられ、ポリイミド系液晶配
向膜(特開昭55−10180号公報、特開昭63−2
59515号公報等参照)が使用されている。これら
は、基板上に塗布したものを230〜350℃の範囲で
乾燥、脱水閉環させてポリイミド膜を形成し、その後ラ
ビング処理を行うことによって得られる。
【0003】また視野角依存性が小さく、良好な表示特
性を示す横電界方式の液晶表示装置(特開平6−160
878号公報、特開平7−261181号公報参照)に
おいて、平坦化機能を有する有機高分子を用いた液晶表
示装置(特開平8−220518号公報参照)が提案さ
れているが、有機高分子を含む層のみで絶縁膜を形成し
た場合、高いコントラスト比が得られなかったとあり、
この原因は有機高分子層を形成する際に溶液がトランジ
スタ素子(以降TFT素子と省略する)に接するためT
FT素子の特性が悪化した、と推定している。そして、
無機絶縁膜の膜厚は0.1μm以上でかつ、その上に有
機絶縁膜が、画素電極の膜厚または共通電極の膜厚のう
ち、厚い方の膜厚の半分以上、としている。しかしなが
ら、有機絶縁膜に関してはなんら言及されていない。
【0004】視野角依存性が小さく、良好な表示特性を
示す横電界方式の液晶表示装置(特開平6−16087
8号公報、特開平7−261181号公報参照)におい
てTFT素子に対しては、SiNなどの無機絶縁膜を使
用していた。液晶パネルの大型化に従い、均一な膜厚の
無機絶縁膜を大面積に対して蒸着するためには、膜厚が
0.1μmから2μm程度必要とされ、その蒸着には時
間がかかり、液晶表示装置作製の隘路となっていた。一
方、エッチングプロセスにおいては均一性・再現性の確
保のために、できるだけ薄膜化された無機絶縁膜が望ま
れていた。また、無機絶縁膜表面には、凹凸が存在し、
加えてTFT基板表面には、櫛歯電極の凹凸も存在する
ので、ラビングによる配向処理を行ってもその凹凸部分
が充分にラビングできないため、エッジドメインが発生
しやすく、暗状態において光漏れを生じ、コントラスト
比が低下することがあった。この問題を解決するために
段差被覆性の良い、有機絶縁膜を使用することが望まれ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解決し、液晶表示装置作製の時間を短縮、ま
た横電界方式液晶表示装置において、良好な表示特性、
高コントラスト比を示す、液晶配向膜用組成物、液晶挟
持基板及び液晶表示装置を提供するものである。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明は、次の各項に関
するものである。 (1)テトラカルボン酸二無水物において、脂肪族テト
ラカルボン酸二無水物および/または、脂環式テトラカ
ルボン酸二無水物のうち、少なくとも1種を、酸二無水
物成分の総モル数の30モル%以上90モル%以下含
み、ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前
駆体を含有してなる液晶配向膜用組成物。 (2)一環の芳香族ジアミン化合物が、ジアミン成分の
総モル数の50モル%以上含み、酸二無水物成分とを反
応させて得られることを特徴とする(1)記載の樹脂組
成物。
【0007】(3)テトラカルボン酸二無水物におい
て、一般式(I)
【化3】 (式中、nは2〜20の整数を示す)で表わされるテト
ラカルボン酸二無水物及び/または一般式(II)
【化4】 (式中、nは2〜20の整数を示す)で表わされるテト
ラカルボン酸二無水物が、酸二無水物の総モル数の10
モル%以上70モル%以下であることを特徴とする
(1)又は(2)記載の液晶配向膜用組成物。 (4)膜厚0.1〜3μmにおいて、400〜800nm
の範囲で光透過率が90%以上であることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶配向膜用組成
物。
【0008】(5)少なくともトランジスタ素子が形成
されている基板にトランジスタ素子に接する絶縁層とし
て膜厚0.001μm以上0.1μm未満の無機絶縁膜
を形成した後、(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶
配向膜用組成物から得られるポリイミド前駆体を塗布し
た後、乾燥、脱水閉環させて、ポリイミド膜が形成され
てなる液晶挟持基板。 (6)表示画素が走査信号電極、映像信号電極、画素電
極、共通電極及びトランジスタ素子により基板上に構成
される電極基板において、電極及びトランジスタ素子に
接する絶縁層として、膜厚0.001μm以上0.1μ
m未満の無機絶縁膜を形成した後、(1)〜(4)のい
ずれかに記載の液晶配向膜用組成物から得られるポリイ
ミド前駆体を塗布した後、乾燥、脱水閉環させて、ポリ
イミド膜を形成されてなる液晶挟持基板。 (7)ポリイミド膜を形成した後、その膜をラビングし
て液晶用液晶配向膜としてなる(5)又は(6)記載の
液晶挟持基板。
【0009】(8)表示画素が走査信号電極、映像信号
電極、画素電極、共通電極及びトランジスタ素子により
基板上に構成され、前記基板上には液晶配向膜が絶縁層
を介して形成されており、前記基板は前記液晶配向膜を
形成した基板と対向して配置され、前記基板により液晶
層が挟持され、前記電極群は前記液晶層に対し前記基板
面と概ね平行な電界を印加するように構成され、前記電
極群は外部の制御手段と接続されており、前記液晶層の
光学特性を変化させる偏光手段を備えた液晶表示装置に
おいて、前記液晶配向膜が前記液晶配向膜用組成物で形
成されており、前記電極群が(7)記載の液晶挟持基板
であることを特徴とする液晶表示装置。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は、ポリイミ
ド前駆体を含むものである。このポリイミド前駆体は、
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを好まし
くは100℃以下、より好ましくは80℃以下で、反応
させて得られ、主にポリアミド酸からなるが、このポリ
アミド酸は一部イミド化していてもよく、これらの混合
物であってもよく、これらを総称してポリイミド樹脂前
駆体という。従って、場合により反応温度は250℃ま
で昇温してもよい。ポリイミド前駆体は液晶配向膜用組
成物の溶剤に可溶性であることが好ましい。
【0011】本発明における樹脂組成物には、脂肪族テ
トラカルボン酸二無水物または脂環式テトラカルボン酸
二無水物が含まれるため、生成されたポリイミド膜の緻
密性に優れ、電気絶縁性に良好な特性を示す。したがっ
てこれらの使用割合が30モル%未満である場合には、
電気絶縁性、電圧保持率、耐熱性、光透過性に対して劣
る場合があり、90モル%を超えると、配向性、耐ラビ
ング性に対して劣る場合がある。
【0012】本発明に用いられる脂肪族テトラカルボン
酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ヘキサテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,6,7−ヘプタテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,7,8−オクタテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,
3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水
物などが挙げられ、また脂環式テトラカルボン酸二無水
物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−シクロヘキサ
ンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビ
スシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ
(2,2,2)オクタ−7−エン−2,3,5,6−テ
トラカルボン酸二無水物などが挙げられ、これらは、単
独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0013】前記一般式(I)および一般式(II)にお
いて、それぞれ、nは6〜12が好ましい。
【0014】また、本発明で用いられる前記一般式
(I)または一般式(II)で表わされる主鎖上にメチレ
ン基を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることに
より、ポリイミドのガラス転移温度を低下させ、低温硬
化した場合でも高いイミド化率が得られるため、ラビン
グ処理によって得られる配向性の向上に効果があると考
えられる。したがってこれらの使用割合が10モル%未
満である場合には、配向性、耐ラビング性に対して劣る
場合があり、一方、70モル%を超えると配向性が低下
する傾向がある。また、耐熱性の点からは、一般式
(I)または一般式(II)で表わされる主鎖上にメチレ
ン基を有するテトラカルボン酸二無水物が少なすぎても
多すぎても低下する傾向があるためこれらの使用割合
は、テトラカルボン酸二無水物の総量に対して10〜6
0モル%が好ましく、電化保持率の観点からは20〜5
0モル%が好ましい。
【0015】一般式(I)表わされるテトラカルボン酸
二無水物としては、例えば、ジメチレンビストリメリテ
ート酸二無水物、トリメチレンビストリメリテート酸二
無水物、テトラメチレンビストリメリテート酸二無水
物、ペンタメチレンビストリメリテート酸二無水物、ヘ
キサメチレンビストリメリテート酸二無水物、オクタメ
チレンビストリメリテート酸二無水物、デカメチレンビ
ストリメリテート酸二無水物、ドデカメチレンビストリ
メリテート酸二無水物、ヘキサデカメチレンビストリメ
リテート酸二無水物などが挙げられ、これらは、単独ま
たは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0016】一般式(II)表わされるテトラカルボン酸
二無水物としては、メチレン−1,2−ビス(1,3−
ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニ
ル)ジエーテル、プロピレン−1,3−ビス(1,3−
ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニ
ル)ジエーテル、ブタン−1,4−ビス(1,3−ジヒ
ドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジ
エーテル、ヘキサン−1,6−ビス(1,3−ジヒドロ
−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエー
テル、オクタン−1,8−ビス(1,3−ジヒドロ−
1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエーテ
ル、デカン−1,10−ビス(1,3−ジヒドロ−1,
3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエーテル、
ドデカン−1,12−ビス(1,3−ジヒドロ−1,3
−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエーテル、ヘ
キサデカン−1,16−ビス(1,3−ジヒドロ−1,
3−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエーテル、
イコサン−1,20−ビス(1,3−ジヒドロ−1,3
−ジオキソ−5−イソベンゾフラニル)ジエーテルなど
が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わ
せて用いられる。
【0017】また、一般式(I)または(II)で表わさ
れる芳香族テトラカルボン酸二無水物以外の芳香族テト
ラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット
酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−テトラカルボキシフェニルエーテル二無水物、2,2
−ビス(3,4−ジカルボキシルフェニル)ヘキサフル
オロプロパン酸二無水物などを用いることができ、これ
らは2種以上を併用してもよい。
【0018】一方、本発明で用いられる一環の芳香族ジ
アミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−
フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、2,
3,5,6,−テトラメトキシ−1,4−フェニレンジ
アミン、2,3,5,6,−テトラエトキシ−1,4−
フェニレンジアミン、2,3,5,−トリメトキシ−
1,4−フェニレンジアミン、2,3,5,−トリエト
キシ−1,4−フェニレンジアミン、2,6,−ジメト
キシ−1,4−フェニレンジアミン、2,6,−ジエト
キシ−1,4−フェニレンジアミン、2,5,−ジメト
キシ−m−フェニレンジアミン、3−メトキシ−m−フ
ェニレンジアミン、イソフタロジルジヒドラジドなどが
挙げられ、これらは2種以上を併用してもよいが、これ
らの使用割合はジアミン化合物の総量に対して50モル
%未満である場合には、耐熱性、絶縁性、電圧保持率に
対して劣る場合がある。
【0019】さらに、本発明で用いられるその他のジア
ミン化合物としては、4,4′−ジアミノジフェニルス
ルフィド、3,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、
3,3′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタ
ン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロ
パンなどを挙げることができる。これらは、1種または
2種以上を組み合わせて用いられる。
【0020】本発明においては、上記のジアミン化合物
のモル数の総和と、テトラカルボン酸二無水物のモル数
の総和の比を好ましくは0.8〜1.2の範囲、より好
ましくは1.0にして反応させる。
【0021】脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式
テトラカルボン酸二無水物および必要に応じて使用する
芳香族テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物は、
不活性溶媒に溶解され反応させてポリイミド前駆体とさ
れる。
【0022】不活性溶媒としては、前記の単量体の全て
を溶解する必要はないが、生成するポリアミド酸を溶解
するものが好ましく、例えば、N−メチルー2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラク
トン、γ−バレロラクトン、ジメチルスルホキシド、
1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、N−メチルー
プロピオンアミド、ヘキサメチルホスホルトリアミドな
どの極性溶媒が挙げられる。これらは2種以上を併用し
てもよい。これらの溶媒以外に、被印刷体への濡れ性を
良くするための溶媒を、反応前または反応終了後に添加
することもできる。これらの溶媒としては例えば、エチ
ルセロソロブ、エチルセロソロブアセテート、ブチルセ
ロソロブ、ブチルセロソロブアセテート、キシレン、ト
ルエン、1−エトキシ−2−アセトキシプロパン、ジイ
ソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトンなどが挙
げられる。
【0023】上記のジアミン成分と酸二無水物成分との
反応温度は、−30℃〜100℃が好ましい。反応時間
は適宜決定されるが、通常30分〜48時間が好まし
い。反応終了後分子量調整のために、反応温度を好まし
くは60℃〜250℃、より好ましくは60℃〜200
℃、特に好ましくは120℃〜200℃にすることが好
ましい。このときの反応時間も適宜決定されるが、通常
は30分〜72時間で加熱処理を行うことが好ましい。
【0024】以上の反応で、合成反応に用いた不活性溶
媒などを含む反応液をそのまま、本発明における樹脂組
成物としてもよく、得られたポリアミド酸を一端分離し
てあらためて前記した溶媒に溶解して樹脂組成物として
もよい。
【0025】本発明の樹脂組成物は、ガラスとの密着性
を向上させるために、シランカップリング剤、チタンカ
ップリング剤等のカップリング剤を添加することができ
る。上記カッブリング剤としては例えば、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリプロポキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリブトキシシラン、γ−アミ
ノエチルトリエトキシシラン、γ−アミノエチルトリメ
トキシシラン、γ−アミノエチルトリプロポキシシラ
ン、γ−アミノエチルトリブトキシシラン、γ−アミノ
ブチルトリエトキシシラン、γ−アミノブチルトリメト
キシシラン、γ−アミノブチルトリプロポキシシラン、
γ−アミノブチルトリブトキシシランなどが挙げられ、
また上記チタンカップリング剤としては、例えば、γ−
アミノプロピルトリエトキシチタン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシチタン、γ−アミノプロピルトリブロボ
キシチタン、γ−アミノプロピルトリブトキシチタン、
γ−アミノエチルトリエトキシチタン、γ−アミノエチ
ルトリメトキシチタン、γ−アミノエチルトリプロボキ
シチタン、γ−アミノエチルトリブトキシチタン、γ−
アミノブチルトリエトキシチタン、γ−アミノブチルト
リメトキシチタン、γ−アミノブチルトリプロポキシチ
タン、γ−アミノブチルトリブトキシチタンなどが挙げ
られる。これらは2種以上を併用してもよい。これらの
使用量は、樹脂組成物中の樹脂分に対して0.5〜5重
量%が好ましい。
【0026】本発明の液晶配向膜であるポリイミド膜の
基板上への形成は、前記の樹脂組成物を液晶配向膜用樹
脂組成物として用い、これを、例えば、予めITO等の
透明電極や櫛歯電極が必要に応じて形成されたガラス基
板上やプラスチック基板に塗布した後、乾燥、脱水閉環
させてポリイミド層とすることにより行われる。
【0027】塗布方法としては、スピン塗布法、浸漬
法、吹き付け法などが挙げられるが、フォトリソグラフ
ィー工程がなくパターニング形成が容易な、印刷法によ
るポリイミド膜形成が好ましく、ワニスを保持しやすく
被印刷体への転写量も多いフレキソ印刷機によるポリイ
ミド膜製造がさらに好ましい。このとき用いられる被印
刷体としての液晶基板には、基板としては、上記のガラ
ス基板やプラスチック基板以外に、シリコンウエハなど
も用いられる。
【0028】本発明の液晶配向膜用組成物からなるポリ
アミド酸及びポリイミド前駆体は、乾燥、脱水閉環して
ポリイミド膜を形成する。その加熱温度としては、好ま
しくは100〜400℃、より好ましくは120〜25
0℃、さらに好ましくは140〜200℃の範囲で任意
に選択することができる。また加熱時間は、通常1分か
ら6時間、好ましくは1分〜3時間とされる。
【0029】本発明の液晶配向膜用組成物によれば、
0.1〜3μmの膜厚範囲で均一な膜厚を有するポリイ
ミド膜を容易に形成することができる。この時形成され
たポリイミド膜は、電気絶縁性が良好なので無機絶縁膜
を従来よりも薄膜化することが可能である。従来のポリ
イミド膜を絶縁膜として使用するときには、膜厚0.1
μm〜2μm程度の無機絶縁膜が必要であったが、本発
明の液晶配向膜用組成物を使用により、膜厚0.001
μm以上0.1μm未満、好ましくは膜厚0.005μ
m以上0.1μm未満の無機絶縁膜があれば、高い電圧
保持率を維持することができるので良好な表示特性を示
すことが可能である。また本発明による液晶用液晶配向
膜によって、金属電極や薄膜トランジスタ、無機絶縁膜
などによる基板の凹凸を平坦化できるので、基板の凹凸
に起因した光漏れを抑制することができる。したがって
液晶表示装置の特性のひとつであるコントラスト比を向
上することを可能にしたものである。
【0030】用いられる無機絶縁膜の種類としては、特
に制約はなくSiN、SiO2、Ta25、Al23
どでもよい。そして、例えば、半導体用絶縁膜、液晶用
カラーフィルター保護膜としての適用も可能である。本
発明の液晶表示装置は液晶用液晶配向膜を有する基板を
用いて公知の方法により得ることができる。
【0031】次に、図面を参照して液晶表示装置を詳細
に説明する。図1は、本発明における横電界方式TFT
用液晶表示装置の一例のセル断面図である。基板1の一
方の面上に、共通電極2、ゲート絶縁膜3、ドレイン電
極(映像信号電極)4、ソース電極(画素電極)5、ゲ
ート電極(走査信号電極)6、アモルファスシリコン
7、エッチングストッパー8及び無機絶縁膜9が形成さ
れている。なおTFT素子は、アモルファスシリコン
7、ゲート電極6、ソース電極5、ドレイン電極4から
構成されている。無機絶縁膜9の上に液晶配向膜10を
設ける。液晶配向膜10は保護膜を兼ねる。他の一枚の
基板には、TFTに対向する位置にブラックマトリクス
11を形成し、、TFT基板上の画素電極5に対向する
位置にカラーフィルタ12が形成されている。最上部に
液晶配向膜10を形成する。液晶分子は基板の間に注入
され、封止される。最後に2枚の基板の外側に偏光板1
3を形成する。液晶配向膜10は保護膜を兼ねる。
【0032】図2は、本発明に用いられるツイスティド
ネマチック方式TFT液晶表示装置の一例におけるセル
断面図を示す。基板14の一方の面上に、ゲート絶縁膜
15、ドレイン電極(映像信号電極)16、ソース電極
(画素電極)17、ゲート電極(走査信号電極)18、
アモルファスシリコン19、エッチングストッパー2
0、無機絶縁膜21及び透明電極22を形成されてい
る。なおTFT素子は、アモルファスシリコン19、ゲ
ート電極18、ソース電極17、ドレイン電極16から
構成され、透明電極22にはITOを用いている。TF
T素子による段差を平坦化するように液晶配向膜23を
設ける。他の一枚の基板には、TFTに対向する位置に
ブラックマトリクス24を、TFT基板上の透明電極に
対向する位置にカラーフィルタ25が形成されており、
その上にカラーフィルタ保護膜26及び透明電極22が
順次形成されている。そして、最上部に液晶配向膜23
を形成する。液晶分子はスペーサービーズ27と共に基
板の間に注入され、封止される。最後に2枚の基板の外
側に偏光板28を形成する。本発明における液晶配向膜
は、表面を平坦化できるので、スペーサービーズ27に
よるセルギヤップの適切な制御や衝撃に対するギャップ
維持に対して効果がある。液晶配向膜23は保護膜を兼
ねる。
【0033】本発明においては、従来の液晶配向膜とは
異なり、良好な電気絶縁特性を有するため、無機絶縁膜
の膜厚を0.001μm以上0.1μm未満に薄膜化で
きることにある。さらにこのポリイミド膜をラビングを
すること得られる液晶配向膜を使用すると、SiNなど
無機絶縁膜表面上に存在する凹凸を平坦化できるので、
基板の凹凸に起因した光漏れを抑制することができる。
したがって液晶表示装置の特性のひとつであるコントラ
スト比を向上することを可能にしたものである。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 合成例1 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、p−フェニレンジアミン5
4.071g(0.5モル)をN,N−ジメチルアセト
アミド787.1g中に溶解させ、これに1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸二無水物69.346g
(0.3モル)、デカメチレンテトラカルボン酸二無水
物52.251g(0.1モル)、オキシジフタル酸二
無水物31.022g(0.1モル)を加え、室温8時
間攪拌して反応させ、20重量%のポリアミド酸ワニス
を得た。得られたポリアミド酸ワニスに樹脂分の0.5
重量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを添加
した後、N−メチル−2−ピロリドンで12重量%まで
希釈し、粘度105mPa・s(25℃)のワニスAを得
た。
【0035】このワニスAをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚3μmのポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜を分光光度計UL−3410
((株)日立製作所製商品名)で光透過率を測定した結
果、400〜800nmで90.0%以上と良好な透過性
を示した。
【0036】合成例2 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、イソフタロイルヒドラジド5
8.258g(0.3モル)をN,N−ジメチルアセト
アミド952.9g中に溶解させ、これに1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸二無水物59.44g
(0.3モル)を加え室温30分攪拌したのち、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル40.048g
(0.2モル)、オクタメチレンテトラカルボン酸二無
水物49.446g(0.1モル)、オキシジフタル酸
二無水物31.022g(0.1モル)を加え、室温8
時間攪拌して反応させ、20重量%のポリアミド酸ワニ
スを得た。得られたポリアミド酸ワニスに樹脂分の0.
5重量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを添
加した後、N−メチル−2−ピロリドンで10重量%ま
で希釈し、粘度90mPa・s(25℃)のワニスBを得
た。
【0037】このワニスBをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚2μmのポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜の光透過率を測定した結果、40
0〜800nmで92.0%以上と良好な透過性を示し
た。
【0038】合成例3 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、m−フェニレンジアミン2
7.036g(0.25モル)をN,N−ジメチルアセ
トアミド966.5g中に溶解させ、これに1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物59.44g
(0.25モル)を加え室温30分攪拌したのち、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン49.567g(0.
25モル)、デカメチレンテトラカルボン酸二無水物6
5.313g(0.125モル)、3,3′,4,4′
−ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物40.27
7g(0.125モル)を加え、室温8時間攪拌して反
応させ、20重量%のポリアミド酸ワニスを得た。得ら
れたポリアミド酸ワニスに樹脂分の0.5重量%のγ−
アミノプロピルトリエトキシシランを添加した後、N−
メチル−2−ピロリドンで10重量%まで希釈し、粘度
80mPa・s(25℃)のワニスCを得た。
【0039】このワニスCをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚1μmのポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜の光透過率を測定した結果、40
0〜800nmで93.0%以上と良好な透過性を示し
た。
【0040】合成例4 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、2,3,5,6−テトラメチ
ル−1,4−フェニレンジアミン82.125g(0.
5モル)、をN,N−ジメチルアセトアミド1027.
6g中に溶解させ、これに3,3′,4,4′−ビスシ
クロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、122.52
5g(0.4モル)を加えデカメチレンテトラカルボン
酸二無水物52.25g(0.1モル)、を加え、室温
8時間攪拌して反応させ、20重量%のポリアミド酸ワ
ニスを得た。得られたポリアミド酸ワニスに樹脂分の
0.5重量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
を添加した後、N−メチル−2−ピロリドンで8重量%
まで希釈し、粘度70mPa・s(25℃)のワニスDを得
た。
【0041】このワニスDをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚0.7μmのポリイミド膜を形成
した。このポリイミド膜の光透過率を測定した結果、4
00〜800nmで91.0%以上と良好な透過性を示し
た。
【0042】合成例5 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン205.257g
(0.5モル)、をN,N−ジメチルアセトアミド18
37.1g中に溶解させ、これにピロメリット酸二無水
物122.525g(0.2モル)を加えテトラメチレ
ンテトラカルボン酸二無水物131.505g(0.3
モル)、を加え、室温8時間攪拌して反応させ、20重
量%のポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド
酸ワニスに樹脂分の0.5重量%のγ−アミノプロピル
トリエトキシシランを添加した後、N−メチル−2−ピ
ロリドンで8重量%まで希釈し、粘度100mPa・s(2
5℃)のワニスEを得た。
【0043】このワニスEをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚1μmのポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜の光透過率を測定した結果、40
0nmで光透過性60.0%を示した。
【0044】合成例6 温度計、攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた四つ
口セパラブルフラスコに、1,12−ドデカメチレンジ
アミン100.184g(0.5モル)、をN,N−ジ
メチルアセトアミドg中に溶解させ、これに1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物19.813
g(0.1モル)、を加え30分攪拌後、オキシジフタ
ル酸二無水物124.088g(0.4モル)にを加
え、さらに室温8時間攪拌して反応させ、20重量%の
ポリアミド酸ワニスを得た。得られたポリアミド酸ワニ
スに樹脂分の0.5重量%のγ−アミノプロピルトリエ
トキシシランを添加した後、N−メチル−2−ピロリド
ンで10重量%まで希釈し、粘度98mPa・s(25℃)
のワニスFを得た。
【0045】このワニスFをガラス基板に1000rpm
でスピン塗布し、80℃で5分間、250℃で30分間
加熱処理を行い、膜厚2μmのポリイミド膜を形成し
た。このポリイミド膜の光透過率を測定した結果、40
0〜800nmで94.0%以上の良好な透過性を示し
た。
【0046】実施例1 図3は本発明の実施例の単位画素における各種電極の構
造を示す平面図で、図4はその底面図、図5はその右側
面図である。研磨したガラス基板上にゲート絶縁膜29
となるSiNが形成され、さらにそのうえに、共通電極
30、画素電極31、映像信号電極32が形成され、さ
らに本発明に関わる液晶配向膜33を順次形成して、い
づれもストライプ状の共通電極30と平行で走査信号電
極34と交差するような構造とし、トランジスタ素子3
5と金属電極群を形成して、一方の液晶用挟持基板が形
成される。液晶配向膜33は絶縁膜である。基板上の電
極はいづれもアルミニウムからなるが電気抵抗の少ない
ものであれば、特に材料の制約はなく、クロム、銅など
でもよい。画素数は40(×3)×30で、画素ピッチ
は横方向(すなわち共通電極間)は80μm、縦方向
(すなわち走査信号電極間)は240μmである。ここ
で共通電極の幅は12μmであり、隣接する共通電極の
間隙の68μmよりも狭くし、高い開口率を確保し、電
極の高さは0.5μmとした。なお無機絶縁膜SiN
17は0.01μm形成した。無機絶縁膜の種類として
は、特に制約はなく、SiO2、Ta25、Al23
どでもよい。
【0047】他方の基板には、図1に示すように、ブラ
ックマトリクス11としてカーボン微粒子を混合したエ
ポキシ樹脂を用い、ストライプ状のR、G、B3色のカ
ラーフィルター12を備えたものである。
【0048】このようにして作成した横電界方式TFT
基板及びにカラーフィルター基板上に合成例1で作成し
たワニスAを用いてフレキソ印刷により液晶配向膜用組
成物の膜を形成した。形成された組成物膜を80℃で5
分間、200℃で1時間加熱硬化を行い、膜厚を3μm
とした。このポリイミド膜の表面をラビング処理をし
て、液晶配向膜兼絶縁膜とした。
【0049】この上下基板を組み合わせ、周りを熱硬化
性接着剤樹脂ストラクボンドXN−21−S(三井東圧
化学工業製商品名)で封止し、160℃で1時間加熱硬
化した。なお、ラビング方向は互いにほぼ平行でかつ印
加電圧方向とのなす角度を15度とした。セルギャップ
はポリマービーズを基板間に分散した挟持し、液晶封入
状態で4.5μmとした。この基板間には、ネマチック
液晶MLC−2027(メルク社製商品名)を真空含浸
法で注入した。液晶MLC−2027の相転移温度以上
である100℃で1時間熱処理をして液晶表示素子を形
成した。その後2枚の偏光板G1220DU(日東電工
製商品名)でパネルを挟み、一方の偏光板の偏光透過軸
をラビング方向にほぼ平行とし、他方をそれに直交とし
て、ノーマリクローズ特性を得た。液晶表示装置には、
駆動LSIが接続され、アクティブマトリクス駆動とし
た。
【0050】このように作製した液晶表示装置におい
て、異常ドメインは認められず、液晶配向性は良好であ
った。コントラスト比は、電圧無印加状態(暗状態)で
の光透過率及び光透過率が最大となる電圧下(明状態)
での光透過率を共通電極と画素電極の間の領域について
測定し、その光透過率の比からコントラスト比を求め
た。この液晶表示装置のコントラスト比の平均は300
だった。
【0051】また、25℃での電圧保持率は98.2%
と高い値を示した。電化保持率は図6に示す測定回路を
有する装置により測定した。ここで、ソース信号は、周
波数30Hz、振幅6V、オフセット0Vで、165msの
矩形波、ゲート信号はパルス幅35μsとして評価し
た。表1に液晶配向膜の膜厚及び液晶表示装置の配向
性、コントラスト比を併せて示す。
【0052】実施例2 前記実施例1で作製した無機絶縁膜の形成されていない
横電界方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上
に、合成例2で作製したワニスBを用いて、実施例1と
同様な条件で液晶配向膜用組成物の膜を形成した。形成
された組成物膜を80℃で5分間、200℃で1時間加
熱硬化を行い、膜厚を2μmとした。そして実施例1と
同様に液晶表示装置を作製した。表1に液晶用絶縁膜兼
配向膜の膜厚及び液晶表示装置の配向性、コントラスト
比、電圧保持率を併せて示す。
【0053】実施例3 前記実施例1で作製した無機絶縁膜の形成されていない
横電界方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上
に、合成例3で作製したワニスCを用いて、実施例1と
同様な条件で液晶配向膜を形成した。形成された膜を8
0℃で5分間、220℃で1時間加熱硬化を行い、膜厚
を1μmとした。そして実施例1と同様に液晶表示装置
を作製した。表1に液晶配向膜の膜厚及び液晶表示装置
の配向性、コントラスト比、電圧保持率を併せて示す。
【0054】実施例4 前記実施例1で作製した無機絶縁膜の形成されていない
横電界方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上
に、合成例4で作製したワニスDを用いて、実施例1と
同様な条件で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成さ
れた組成物膜を80℃で5分間、220℃で1時間加熱
硬化を行い、膜厚を0.7μmとした。そして実施例1
と同様に液晶表示装置を作製した。表1に液晶配向膜の
膜厚及び液晶表示装置の配向性、コントラスト比、電圧
保持率を併せて示す。
【0055】実施例5 前記実施例1で作製した電極基板のTFT素子上に膜厚
0.005μmの無機絶縁膜SiNを形成した。無機絶
縁膜の種類としては、特に制約はなく、SiO2、Ta2
5、Al23などでもよい。このようにして得た横電
界方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上に、合
成例1で作製したワニスAを用いて、実施例1と同様な
条件で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成された組
成物膜を80℃で5分間、200℃で1時間加熱硬化を
行い、膜厚を3μmとした。そして実施例1と同様に液
晶表示装置を作製した。表1に無機絶縁膜の膜厚、液晶
用液晶配向膜の膜厚及び液晶表示装置の配向性、コント
ラスト比、電圧保持率を併せて示す。
【0056】実施例6 実施例1で作製した電極基板のTFT素子上に、膜厚
0.005μmの無機絶縁膜SiNを形成した横電界方
式TFT基板及びにカラーフィルター基板上に、合成例
2で作製したワニスBを用いて、実施例1と同様な条件
で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成された組成物
膜を80℃で5分間、200℃で1時間加熱硬化を行
い、膜厚を2μmとした。そして実施例1と同様に液晶
表示装置を作製した。表1に無機絶縁膜の膜厚、液晶配
向膜の膜厚及び液晶表示装置の配向性、コントラスト
比、電圧保持率を併せて示す。
【0057】比較例1 前記実施例1で作製した無機絶縁膜の形成されていない
横電界方式TFT素子基板及びにカラーフィルター基板
上に、合成例5で作製したワニスEを用いて、実施例1
と同様な条件で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成
された組成物膜を80℃で5分間、200℃で1時間加
熱硬化を行い、膜厚を1.0μmとした。得られた硬化
膜は黄色みががっていた。そして実施例1と同様に液晶
表示装置を作製した。配向性は良好であったが、黄色み
ががっていた。電圧保持率が70%、また測定したコン
トラスト比は100であった。表1に液晶配向膜の膜厚
及び液晶表示装置の配向性、コントラスト比、電圧保持
率を併せて示す。
【0058】比較例2 実施例5で作製した、電極基板のTFT素子上に膜厚
0.005μmの無機絶縁膜SiNを形成した横電界方
式TFT基板及びにカラーフィルター基板上に、合成例
5で作製したワニスEを用いて、実施例1と同様な条件
で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成された組成物
膜を80℃で5分間、200℃で1時間加熱硬化を行
い、膜厚を1.0μmとした。得られた硬化膜は黄色み
ががっていた。そして実施例1と同様に液晶表示装置を
作製した。配向性は良好であったが、黄色みががってい
た。電圧保持率が70%、また測定したコントラスト比
は100であった。表1に液晶配向膜の膜厚及び液晶表
示装置の配向性、コントラスト比、電圧保持率を併せて
示す。
【0059】比較例3 前記実施例1で作製した無機絶縁膜の形成されていない
横電界方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上
に、合成例6で作製したワニスFを用いて、実施例1と
同様な条件で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成さ
れた組成物膜を80℃で5分間、200℃で1時間加熱
硬化を行い、膜厚を2.0μmとした。そして実施例1
と同様に液晶表示装置を作製した。配向性はやや配向不
良であり、電圧保持率が85%、また測定したコントラ
スト比は80であった。表1に液晶配向膜の膜厚及び液
晶表示装置の配向性、コントラスト比、電圧保持率を併
せて示す。
【0060】比較例4 前記実施例6で作製した、電極基板のTFT素子上に膜
厚0.005μmの無機絶縁膜SiNを形成した横電界
方式TFT基板及びにカラーフィルター基板上に、合成
例6で作製したワニスFを用いて、実施例1と同様な条
件で液晶配向膜用組成物膜を形成した。形成された組成
物膜を80℃で5分間、200℃で1時間加熱硬化を行
い、膜厚を2.0μmとした。そして実施例1と同様に
液晶表示装置を作製した。配向性はやや配向不良であ
り、電圧保持率が85%、また測定したコントラスト比
は80であった。表1に液晶配向膜の膜厚及び液晶表示
装置の配向性、コントラスト比、電圧保持率を併せて示
す。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示した通り、一環の芳香族ジアミン
化合物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物および/また
は脂環式からテトラカルボン酸二無水物から得られる成
分が50モル%以下である液晶配向膜の場合は、0.1
μm未満の無機絶縁膜が形成されていても、高い電圧保
持率及び高いコントラスト比は得られなかった。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、無機絶縁膜を従来より
も薄膜化することが可能であるだけでなく、膜厚を厚く
することによって、液晶用絶縁膜兼配向膜として使用で
きるので、低コスト化で高いコントラスト比を有する液
晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の横電界方式液晶表示装置におけるセル
断面図である。
【図2】本発明のツイスティドネマチック方式TFT−
液晶表示装置のセル断面図である。
【図3】基板面に垂直な方向からみた横電界方式マトリ
クス素子の正面図である。
【図4】図4のA−A線断面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】電圧保持率の測定系を示す回路図である。
【符号の説明】
1 基板 2 共通電極 3 ゲート絶縁膜 4 映像信号電極(ドレイン電極) 5 画素電極(ソース電極) 6 走査信号電極(ゲート電極) 7 アモルファスシリコン 8 エッチングストッパー 9 無機絶縁膜 10 液晶配向膜 11 ブラックマトリクス 12 カラーフィルタ 13 偏光板 14 基板 15 ゲート絶縁膜 16 ドレイン電極 17 ソース電極 18 ゲート電極 19 アモルファスシリコン 20 エッチングストッパー 21 無機絶縁膜 22 透明電極 23 液晶配向膜 24 ブラックマトリクス 25 カラーフィルタ 26 カラーフィルタ保護膜 ソース電極(画素電極) 27 スペーサビーズ ドレイン電極(信号電極) 28 偏光板 ゲート電極(走査電極) 29 ゲート絶縁膜 30 共通電極 31 画素電極 32 映像信号電極 33 無機絶縁膜 34 液晶配向膜 35 走査信号電極 36 トランジスタ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝谷 康夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 梅田 啓之 茨城県日立市大みか町7−1−1 株式会 社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 2H090 HA03 HB02X HB03X HB08Y HB10Y HC05 HD03 LA04 MB01 4J043 PA04 QB31 RA35 SA06 SA47 TA22 TB02 TB04 UA121 UA132 UA672 UB012 UB132 UB162 VA102

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸二無水物において、脂
    肪族テトラカルボン酸二無水物及び/または、脂環式テ
    トラカルボン酸二無水物が、酸二無水物成分の総モル数
    の30モル%以上90%モル以下含み、ジアミン成分と
    を反応させて得られるポリイミド前駆体を含有してなる
    液晶配向膜用組成物。
  2. 【請求項2】 一環の芳香族ジアミン化合物が、ジアミ
    ン成分の総モル数の50モル%以上含み、酸二無水物成
    分とを反応させて得られることを特徴とする請求項1記
    載の液晶配向膜用組成物。
  3. 【請求項3】 テトラカルボン酸二無水物において、一
    般式(I) 【化1】 (式中、nは2〜20の整数を示す)で表わされるテト
    ラカルボン酸二無水物及び/または一般式(II) 【化2】 (式中、nは2〜20の整数を示す)で表わされるテト
    ラカルボン酸二無水物が、テトラカルボン酸二無水物の
    総モル数の10モル%以上70モル%以下であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の液晶配向膜用組成物。
  4. 【請求項4】 膜厚0.1〜3μmにおいて、400〜
    800nmの範囲で光透過率が90%以上であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向膜用
    組成物。
  5. 【請求項5】 少なくともトランジスタ素子が形成され
    ている基板にトランジスタ素子に接する絶縁層として膜
    厚0.001μm以上0.1μm未満の無機絶縁膜を形
    成した後、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向膜
    用組成物から得られるポリイミド前駆体を塗布した後、
    乾燥、脱水閉環させて、ポリイミド膜が形成されてなる
    液晶挟持基板。
  6. 【請求項6】 表示画素が走査信号電極、映像信号電
    極、画素電極、共通電極及びトランジスタ素子により基
    板上に構成される電極基板において、電極及びトランジ
    スタ素子に接する絶縁層として、膜厚0.001μm以
    上0.1μm未満の無機絶縁膜を形成した後、請求項1
    〜4のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物から得られ
    るポリイミド前駆体を塗布した後、乾燥、脱水閉環させ
    て、ポリイミド膜を形成されてなる液晶挟持基板。
  7. 【請求項7】 ポリイミド膜を形成した後、その膜をラ
    ビングして液晶用液晶配向膜としてなる請求項5又は6
    記載の液晶挟持基板。
  8. 【請求項8】 表示画素が走査信号電極、映像信号電
    極、画素電極、共通電極及びトランジスタ素子により基
    板上に構成され、前記基板上には液晶配向膜が絶縁層を
    介して形成されており、前記基板は前記液晶配向膜を形
    成した基板と対向して配置され、前記基板により液晶層
    が挟持され、前記電極群は前記液晶層に対し前記基板面
    と概ね平行な電界を印加するように構成され、前記電極
    群は外部の制御手段と接続されており、前記液晶層の光
    学特性を変化させる偏光手段を備えた液晶表示装置にお
    いて、前記液晶配向膜が前記液晶配向膜用組成物で形成
    されており、前記電極群が請求項7記載の液晶挟持基板
    であることを特徴とする液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003040817A1 (fr) * 2001-11-09 2003-05-15 Chisso Corporation Composition pour couches d'alignement a cristaux liquides, couches d'alignement pour cristaux liquides et affichages a cristaux liquides
CN105482830A (zh) * 2014-10-02 2016-04-13 奇美实业股份有限公司 液晶配向剂、液晶配向膜以及液晶显示元件

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