JP2000302210A - 自動倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 自動倉庫の棚をステーションに近接した短期
ゾーンと、これから離れた長中期ゾーンとに区分けす
る。棚卸し時に、入庫時期の古いパレットから棚卸し
し、短期ゾーンに必要数量のパレットが、入庫時期の古
いものを優先して保管されるように、再入庫する。 【効果】 棚卸しを利用して、物品を翌日等の出荷に備
えた短期ゾーンと、長中期の保管用の長中期ゾーンとに
整理でき、また入庫時期に従って整理できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の利用分野】この発明は自動倉庫に関し、特に棚
卸しを利用した物品の再配列に関する。

【０００２】

【従来技術】自動倉庫は、スタッカークレーン等の搬送
手段を用いて、ステーションと棚との間で物品を搬送
し、棚に物品を保管する。物品の保管状況は棚ファイル
や在庫ファイルに記録され、これらと現物との一致／不
一致を確認するため、棚卸しが行われる。しかし従来の
棚卸しは在庫内容の確認を行うにとどまり、自動倉庫内
での在庫位置を整理して、以降の出庫を容易にするなど
の目的を持ったものではなかった。

【０００３】

【発明の課題】この発明の基本的課題は、棚卸しを利用
して、以降の出庫作業が容易になるように、自動倉庫内
の物品を整理することにある（請求項１〜３）。請求項
２の発明での追加の課題は、棚卸しを利用して、入庫時
期の古い物品をステーションの近くに集め、先入れ先出
しでの出庫が容易になるようにすることにある。請求項
３の発明での追加の課題は、棚卸しを利用して、短期ゾ
ーン内に必要数の物品が在庫されるようにすることにあ
る。

【０００４】

【発明の構成】この発明の自動倉庫は、棚と搬送手段と
ステーションと、これらを管理する制御部とを備えて、
棚卸しを行うものにおいて、棚卸し出庫後の物品の再入
庫先を、所定のルールに従って物品を棚内に再配置する
ように決定するための、棚卸し制御手段を設けたことを
特徴とする。なお再入庫先が原則として元の棚番地であ
るようなルールは、この発明には含まれない。

【０００５】好ましくは、前記棚卸し制御手段は、入庫
時期の古いものから棚卸し出庫しかつステーションに近
い側に再入庫先を決定する。また好ましくは、棚をステ
ーションに近い短期ゾーンと他のゾーンとに分け、短期
ゾーンでの目標在庫数を品番毎に設定する手段を設け、
かつ前記棚卸し手段を、棚卸し後の再入庫先を短期ゾー
ンでの在庫数を目標在庫数と比較して決定するようにす
る。

【０００６】

【発明の作用と効果】請求項１の発明では、棚卸しを利
用して、物品を棚内で再配置できる。このため、以降の
出庫が容易になる。特に請求項２の発明では、棚卸しを
利用して入庫時期の古い物品をステーションの近くに集
め、古い物品から優先して出庫しやすくできる。請求項
３の発明では、棚卸しを利用して、ステーション近くの
短期ゾーンに必要数の物品が保管されるようにし、以降
の出庫の準備ができる。

【０００７】

【実施例】図１〜図９に実施例を示す。図１に自動倉庫
の棚２の構成を示すと、４は短期ゾーンで、棚２の残る
ゾーンが長中期ゾーン６で、棚２はこれらの２種類等に
区分けされている。８は搬送手段としてのスタッカーク
レーン、１０はステーションで、入庫ステーション、出
庫ステーション、棚卸しステーションなどのように、用
途毎に別に設けても良いが、実施例ではこれらをまとめ
て単一のステーション１０として示す。なおステーショ
ン１０が多数箇所、別々の場所にある場合、短期ゾーン
４は出庫ステーションに近い側に設ける。短期ゾーン４
は例えば翌日１日などの短期間に出荷する分の物品を保
管するゾーンで、長中期ゾーンはこれ以外のゾーンであ
る。そして短期ゾーンに対して、各品番毎の目標在庫数
（安全在庫数）が定められ、同一品番の範囲では入庫時
期が古いものを短期ゾーン４に、入庫時期が新しいもの
を長中期ゾーン６に在庫する。また実施例ではパレット
単位で物品を保管するので、入出庫や棚卸しなどもパレ
ット単位で説明する。

【０００８】図２に実施例の自動倉庫の制御系を示す
と、１２は上位コンピュータの物流コンピュータで、Ｌ
ＡＮ等で倉庫コンピュータ１４と接続されている。倉庫
コンピュータ１４は自動倉庫の制御手段の例である。倉
庫コンピュータ１４は、複数の自動倉庫ユニットを制御
する場合が多いが、実施例では簡単のため、一対の棚か
らなる１ユニットを管理するものとして説明する。自動
倉庫のユニットが複数ある場合、各ユニットにほぼ同数
ずつ同じ品番の物品を収容し、各棚にそれぞれ短期ゾー
ンを設定すればよい。

【０００９】倉庫コンピュータ１４には、ステーション
１０の付近等に端末を設け、各種の設定作業はこの端末
で対話的に行う。倉庫コンピュータ１４には多数のファ
イルがあり、主なファイルは在庫ファイル１５、棚ファ
イル１６、安全在庫数ファイル１７，出庫実績ファイル
１８等である。またこれ以外に、入庫実績ファイルや出
庫予約ファイル等が存在するが、説明を省略する。

【００１０】図３に、在庫ファイル１５の構成を示す。
在庫ファイルは、品番等を検索キーとして構成され、各
品番に対して品名と在庫数量、並びに出庫予約数量、安
全在庫パレット数の設定値、短期ゾーンに保管されてい
るパレット数の現実の値、長中期ゾーンに保管されてい
るパレット数の現実の値、等が記憶されている。図３で
見出しに斜線を付した項目が、棚卸しの影響を受ける項
目である。

【００１１】図４に棚ファイル１６の構成を示す。棚フ
ァイル１６には、棚２の各番地毎に構成され、在棚／空
棚の区分、入庫や出庫などに引き当て済みか否かの区
分、在棚の場合には品番並びに品名と、入庫時期（秒単
位）、並びに数量、出庫数等が記録されている。棚卸し
では、棚ファイル１６の１棚番地分の記録の全項目が影
響を受ける。

【００１２】図２に戻り、安全在庫数ファイル１７は、
短期ゾーン４での品番毎の目標在庫数（安全在庫数と呼
び、実施例ではパレット単位）を記憶する。出庫実績フ
ァイル１８は、棚２からの出庫実績を品番毎に記録し、
安全在庫数の設定を容易にするため、品番毎に、今日の
出庫実績、並びに過去１週間の１日ごとの出庫実績、さ
らに過去の週別の日平均出庫実績、また過去の月別の日
平均出庫実績等を記憶する。この記憶は品番毎に行い、
安全在庫数を設定する際の参照データとなる。出庫実績
ファイル１８は、出庫実績の特徴を別の形で示すため、
過去の曜日毎の日平均出庫実績、月の初旬、中旬、下旬
等の時期毎の日平均出庫実績などを記憶しても良い。

【００１３】２０はゾーン管理部で、そのサブシステム
にゾーン設定処理部３０と安全在庫数設定処理部３１が
あり、ゾーン設定処理部３０は棚２のどの範囲を短期ゾ
ーン４に割り当てるかの設定を処理する。この設定は、
オペレーターが端末から行う。３１は安全在庫数設定処
理部で、端末を通じてオペレーターが品番毎の安全在庫
数を設定する際の処理を行う。図５に、安全在庫数設定
処理部３１を用いた、安全在庫数の設定画面を示し、実
施例ではパレット単位で設定する。この画面で品番（例
えば「ＡＢＣ１２３」）などを指定すると、品名が表示
され、現在の安全在庫数（３１）が表示される。出庫実
績ファイル１８には、該当物品について本日の出庫パレ
ット数、前日の出庫数等の過去１週間の範囲での１日毎
の出庫数や、週別の１日当たりの平均出庫数や、月別の
１日当たりの平均出庫数等が記憶されている。そしてこ
れらの統計データが画面に表示され、ユーザーはこれを
参照して安全在庫数を設定できる。過去の出庫実績が表
示されれば、翌日あるいは翌々日等の出庫実績を予測す
ることは容易で、正確な安全在庫数を設定できる。安全
在庫数の設定は、過去の出庫実績を元に、安全在庫数設
定処理部が、オペレーターの設定を支援するものが好ま
しい。

【００１４】入出庫制御部２１は入庫や出庫の処理を行
う。入出庫制御部２１は、物品の入庫時に短期ゾーン４
に安全在庫数分の当該物品が保管されているかどうかを
チェックし、保管されていない場合には短期ゾーン内の
空きエリアに入庫棚番地を指定する。また短期ゾーンに
安全在庫数分の物品が保管されている場合、長中期ゾー
ンから入庫棚番地を指定する。入出庫制御部２１は、出
庫時に短期ゾーン４内での該当物品の有無を検索し、短
期ゾーンに在庫が存在する場合、その中で最も入庫日時
が古いものを出庫に引き当てる。また短期ゾーン４に該
当する物品が存在しない場合、長中期ゾーン６内での該
当物品で最も入庫日時が古いものを出庫に引き当てる。
入出庫制御部２１はこれ以外に、夜間や昼休み等の期間
を利用し、棚２内でのパレットの入れ替えを制御する。
この基準は、短期ゾーン４内に、安全在庫数分のパレッ
トが入庫時期の古いものを優先して在庫されるようにす
ることである。

【００１５】２２は棚卸し制御部で、棚卸しの制御と、
棚卸しを利用した棚２内でのパレットの入れ替え（再入
庫先の決定）を処理する。棚卸し制御部２２のサブシス
テムには、全棚卸し制御部３２と部分棚卸し制御部３３
とがあり、全棚卸し制御部３２は全パレット（全棚番
地）の棚卸しを制御して、再入庫先等を決定する。部分
棚卸し制御部３３は入庫時期、品番などの条件による部
分的な棚卸しを制御して、再入庫先を決定する。

【００１６】図６〜図９に棚卸しの制御を示す。棚卸し
設定画面の例を図６に示す。棚卸しの範囲を入庫時期の
範囲で指定させ、十分古い入庫時期から最新の入庫時期
までが指定されると、全棚卸しの処理に移り、入庫時期
の範囲を絞って指定すると、部分棚卸しに移行する。全
棚卸しか部分棚卸しかは他の手法で指定させても良く、
部分棚卸しの範囲も品番や品名などで指定させても良
い。棚卸し範囲の指定に対して、設定画面に棚卸しパレ
ット数が表示され、確定アイコンをクリックした後に、
設定ＯＫが表示されれば、指定範囲の棚卸しが出庫予約
される。

【００１７】指定範囲内で、入庫時期の古いものからス
テーション１０へ棚卸し出庫し、これに伴って、在庫フ
ァイル１５や棚ファイル１６から出庫分を修正し、例え
ば在庫位置をステーション１０とする。そして図９の棚
卸し確認設定画面が端末に表示され、品番、品名、数量
などが表示され、現物と一致すれば、確定再入アイコン
をクリックした後、設定ＯＫが表示されれば、再入庫が
される。不一致ならばキーボードなどから該当項目を修
正し、確定再入アイコンをクリックし、再入庫する。

【００１８】再入庫先は、全棚卸しか部分棚卸しかで異
なる。部分棚卸しの場合、元のゾーン内で、ステーショ
ン１０に近い空き棚を選んで再入庫する。部分棚卸し
は、棚２全体の整理よりも、ある入庫時期やある品番な
どの物品に異常がある可能性がある場合などに、これを
チェックする目的でなされる。しかし部分棚卸しでも、
ゾーン内で入庫時期の古いパレットを、ステーション１
０に近い側に再入庫するとの目的は達成されている。

【００１９】全棚卸しの場合、短期ゾーンの在庫数が安
全在庫数未満なら短期ゾーン４へ再入庫し、安全在庫数
以上ならば、長中期ゾーンへ再入庫する。そして各ゾー
ンで、ステーション１０に近い空き棚へ再入庫する。棚
卸しは、入庫時期の古いものから行うので、以上の処理
により、1) 短期ゾーン４に安全在庫数分の在庫を持た
せる、2) 入庫時期の古い物品を各ゾーン内でステーシ
ョン１０に近い側に再入庫する、の２つの目的が達成さ
れる。部分棚卸しも全棚卸しも、再入庫後に在庫ファイ
ル１５や棚ファイル１６を修正する。

【００２０】図７に、全棚卸しでの物品の動きを示す。
各パレットはステーション１０に出庫され、安全在庫数
の在庫を短期ゾーンに持たせるように再入庫される。そ
して、入庫時期の古いものから出庫し、各ゾーン内でス
テーション１０に近い側に再入庫する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例での自動倉庫の棚構成を示す図

【図２】 実施例での自動倉庫の制御系を示す図

【図３】 実施例での在庫ファイルを示す図

【図４】 実施例での棚ファイルを示す図

【図５】 実施例での安全パレット数の設定画面を示す
図

【図６】 実施例での棚卸しの設定画面を示す図

【図７】 実施例での棚卸し時のパレット移動を示す図

【図８】 実施例での棚卸しのアルゴリズムを示すフロ
ーチャート

【図９】 実施例での棚卸し確認画面を示す図

【符号の説明】

２ 棚 ４ 短期ゾーン ６ 長中期ゾーン ８ スタッカークレーン １０ ステーション １２ 物流コンピュータ １４ 倉庫コンピュータ １５〜１８ ファイル ２０ ゾーン管理部 ２１ 入出庫制御部 ２２ 棚卸し制御部 ３０ ゾーン設定処理部 ３１ 安全在庫数設定処理部 ３２ 全棚卸し制御部 ３３ 部分棚卸し制御部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 棚と搬送手段とステーションと、これら
   を管理する制御部とを備えて、棚卸しを行う自動倉庫に
   おいて、棚卸し出庫後の物品の再入庫先を、所定のルー
   ルに従って物品を棚内に再配置するように決定するため
   の、棚卸し制御手段を設けたことを特徴とする、自動倉
   庫。
2. 【請求項２】 前記棚卸し制御手段は、入庫時期の古い
   ものから棚卸し出庫しかつステーションに近い側に再入
   庫先を決定することを特徴とする、請求項１の自動倉
   庫。
3. 【請求項３】 棚をステーションに近い短期ゾーンと他
   のゾーンとに分け、短期ゾーンでの目標在庫数を品番毎
   に設定する手段を設け、かつ前記棚卸し手段を、棚卸し
   後の再入庫先を短期ゾーンでの在庫数を目標在庫数と比
   較して決定するようにしたことを特徴とする、請求項１
   または２の自動倉庫。