JP2000301498A - プレス切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス切断機から金型の脱着作業を行うこと
なく、ガイド板を取外すことが可能なプレス切断機を提
供する。 【解決手段】 上型および下型７からなる金型を備え、
上型および下型７の一方の型に切刃を備え、下型７の上
面に沿って切断すべき材料１を供給し、材料１の上面を
ガイドするガイド板１０を下型７に設けたプレス切断機
において、ガイド板１０は下型７の上面に沿ってスライ
ド式に脱着可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はプレス切断機に関す
る。より詳しくは、材料供給の際に材料をガイドするガ
イド板を有するプレス切断機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は、プレス切断機で切断される材料
の一例であるフープ材を示す。図示したようにフープ材
３１は板厚８０μｍのリン青銅材３２と、ウールフェル
ト材３３から構成されている。リン青銅材３２は中央部
３４と、この中央部３４から左右方向に突出する突出部
３５からなるようにブランク打抜き用の金型で形成され
る。この左右両方の突出部３５には、中央部３４の長手
方向と平行になるように複数の突出部３５にまたがって
ウールフェルト材３３が両面テープによって接着され
る。このようなフープ材３１は、図中矢印Ｆの方向にプ
レス切断機内へ供給され切断部５０で、中央部３４、左
右のウールフェルト材３３の３箇所を切断されて製品単
体３６となる。

【０００３】図３は従来のプレス切断機の下型の斜視図
である。図示したように従来のプレス切断機の下型３７
は、略中央にフープ材３１を切断する切刃３８を備え、
矢印Ｆ方向に供給されたフープ材３１はこの切刃３８と
上型（図示しない）の噛合いによって製品単体３６に切
断され、孔３９に自然落下する。

【０００４】この場合、リン青銅材３２のブランク打抜
きの形状が複雑であり、ウールフェルト材３３の巻き癖
の影響も加わってフープ材３１全体にうねりが生じる。
このためプレス切断機内にフープ材３１を供給すると、
フープ材３１が浮き上がってしまい正確な位置決めが困
難であった。

【０００５】このフープ材３１の浮き上がりを防止する
ため、従来、ガイド板４０を下型３７の上面に設けてい
た。このガイド板４０は、４本のボルト４２で下型に固
定され、フープ材３１の入口は門型のアーチ状に形成さ
れ、そこからテ―パ部材４１が突出する。このテーパ部
材４１によってプレス切断機に供給されたフープ材３１
の中央部３４は強制的に押え込まれる。このようなガイ
ド板４０によって、フープ材３１の浮き上がりが防止さ
れ、安定した走行状態と正確な切断ピッチが確保されて
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプレス切断機で切断される材料であるフープ材に
は、ウールフェルト材が貼り付けられてリン青銅材と共
に打抜かれるため、プレス切断機内部にはプレスによっ
て発生する細かいウールフェルト材の粉末と、切断によ
って発生する綿埃状のゴミが堆積する。特に、ガイド板
によって覆われている切刃部分にゴミが最も堆積してい
た。

【０００７】この堆積するゴミのため、切刃の劣化が早
まり、また製品に押し跡となって現れてくる。そのため
プレス切断機を常に万全の状態に保っておくには、比較
的早い周期でのクリーニングが必要であるが、その構造
上、プレス切断機の上型と下型の隙間が小さいため、ガ
イド板を固定している４本のボルトを外すための工具の
入るスペースはない。よって、クリーニングを行うたび
に毎回プレス切断機から上型や下型である金型を外す必
要があった。

【０００８】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、プレス切断機から金型の脱着作業を行うことな
く、ガイド板を取外すことが可能なプレス切断機の提供
を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、上型および下型からなる金型を備え、
上型および下型の一方の型に切刃を備え、前記下型の上
面に沿って切断すべき材料を供給し、この材料の上面を
ガイドするガイド板をこの下型に設けたプレス切断機に
おいて、前記ガイド板は前記下型の上面に沿ってスライ
ド式に脱着可能であることを特徴とするプレス切断機を
提供する。

【００１０】この構成によれば、上型や下型の金型がプ
レス切断機にセットされている状態のままで、ガイド板
を下型の上面に沿ってスライド式に脱着可能となるた
め、容易に金型クリーニングが可能となり、クリーニン
グのために高精度に位置決めされた金型を外す必要はな
くなる。

【００１１】好ましい構成例においては、前記ガイド板
の両側縁に沿ってガイド溝が形成され、このガイド溝に
係合してガイド板をスライド可能に係止する係止部材を
前記下型上面に設けたことを特徴としている。

【００１２】この構成によれば、ガイド板側面のガイド
溝とこれに係合する係止部材によって、ガイド板を金型
内部にスライド可能に係止することができる。

【００１３】好ましい構成例においては前記ガイド板の
固定手段を前記下型の端部から外側に突出して有するこ
とを特徴としている。

【００１４】この構成によれば、ガイド板の固定手段が
下型の外側に突出するため、ガイド板着脱時の固定およ
び固定解除作業が金型の外側からでき、ガイド板の取付
け及び取外し作業時に金型をプレス切断機より外す必要
がなくなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図１は、本発明の実施の形
態の一例を示すプレス切断機の斜視図である。本発明の
プレス切断機で切断するフープ材１は従来と同様に板厚
８０μｍのリン青銅材と、ウールフェルト材から構成さ
れている。リン青銅材は中央部と、この中央部から左右
方向に突出する突出部からなるようにブランク打抜き用
の金型で形成される。この左右両方の突出部には、中央
部の長手方向と平行になるように複数の突出部にまたが
ってウールフェルト材が両面テープによって接着され
る。このようなフープ材１は、図中矢印Ｆの方向にプレ
ス切断機内へ自動供給され、中央部、左右のウールフェ
ルト材の３箇所を切断されて製品単体となる。

【００１６】本発明に係るプレス切断機の下型７は、従
来と同様に略中央にフープ材１を切断する切刃（図示し
ない）を備え、矢印Ｆ方向に自動供給されたフープ材１
は下型７の上面を走行してこの切刃と上型（図示しな
い）の噛合いによって製品単体に切断され、下型７に設
けた孔（図示しない）に自然落下する。

【００１７】前述のように、リン青銅材のブランク打抜
きの形状が複雑であり、ウールフェルト材の巻き癖の影
響も加わってフープ材１全体にうねりが生じる。このた
めプレス切断機内にフープ材１を供給すると、フープ材
１が浮き上がってしまい正確な位置決めが困難である。

【００１８】前述のように、このフープ材１の浮き上が
りを防止するため、ガイド板１０を下型７の上面に設け
ている。このガイド板１０のフープ材１の入口箇所は門
型のアーチ状に形成され、そこからテ―パ部材１１が突
出し、このテーパ部材１１によってプレス切断機に供給
されたフープ材１の中央部は強制的に押え込まれる。こ
のガイド板１０によって、フープ材１の浮き上がりは防
止され、安定した走行状態と正確な切断ピッチが確保さ
れている。

【００１９】本実施の形態においては、このガイド板１
０の金型からの脱着に関わる部分の構造は、下型７に圧
入されたガイド板１０を係止する４本の基準ピン１３
と、ガイド板１０の両側縁に沿って形成された段状のガ
イド溝１４との嵌め合いによって行われる。すなわち、
基準ピン１３の拡大頭部１３ａがガイド溝１４の段部の
上面にすなわち、基準ピン１３の拡大頭部１３ａがガイ
ド溝１４の段部の上面に摺接するように上から契合して
これをスライド可能に係止する。このとき、例えば、基
準ピン１３同士の頂点間のピッチはＡ＝５６．８ｍｍ、
ガイド板１０の溝間のピッチはＢ＝５６．７６ｍｍに設
定され、片側０．０２ｍｍのクリアランス設定となって
いる。

【００２０】下型７の上面にガイド板１０をセットする
時、このガイド溝１４と基準ピン１３により図中矢印Ｇ
方向にスライドさせてセットさせることによって上型及
び下型７に干渉することなくこれらの間の隙間から規定
の位置まで挿入される。挿入したガイド板１０の固定
と、プレス切断機稼動中の振動による位置ずれを防止す
るため、下型７の端部から外側に突出して固定板１５を
設け、固定手段１６として六角ボルトまたはノックピン
などを用いて、ガイド板１０を固定する。

【００２１】ガイド板１０を金型から取外す時は、固定
手段１６を解除することによって、ガイド板１０は容易
に金型からスライドして外すことができる。これによ
り、生産中にプレス切断機から金型を外すことなくガイ
ド板１０のみを外してクリーニングが可能となる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、上型や下型の金型がプレス切断機にセットされてい
る状態のままで、ガイド板を下型上面に沿ってスライド
式に脱着可能となるため容易にクリーニングが可能とな
り、クリーニングのために高精度に位置決めされた金型
を外す必要はなくなり、メンテナンス性が向上しクリー
ニングに要する時間が大幅に短縮される。これにより装
置稼働率が向上し、生産性が高まる。また、クリーニン
グ回数を増加させてプレス切断機の劣化を抑えることが
できる。なお、本発明はフープ材の切断に限定されず、
各種板材のプレス切断に対し適用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のプレス切断機の斜視図。

【図２】 プレス切断機で切断される材料の一例。

【図３】 従来のプレス切断機の下型の斜視図。

【符号の説明】

１：フープ材、７：下型、１０：ガイド板、１１：テー
パ部材、１３：基準ピン、１３ａ：拡大頭部、１４：ガ
イド溝、１５：固定板、１６：固定手段。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上型および下型からなる金型を備え、 上型および下型の一方の型に切刃を備え、 前記下型の上面に沿って切断すべき材料を供給し、 この材料の上面をガイドするガイド板をこの下型に設け
   たプレス切断機において、 前記ガイド板は前記下型の上面に沿ってスライド式に脱
   着可能であることを特徴とするプレス切断機。
2. 【請求項２】前記ガイド板の両側縁に沿ってガイド溝が
   形成され、このガイド溝に係合してガイド板をスライド
   可能に係止する係止部材を前記下型上面に設けたことを
   特徴とする請求項１に記載のプレス切断機。
3. 【請求項３】前記ガイド板の固定手段を前記下型の端部
   から外側に突出して有することを特徴とする請求項１に
   記載のプレス切断機。