JP2000301307A - 連続鋳造鋳型の振動方法 - Google Patents

連続鋳造鋳型の振動方法

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JP2000301307A
JP2000301307A JP11104923A JP10492399A JP2000301307A JP 2000301307 A JP2000301307 A JP 2000301307A JP 11104923 A JP11104923 A JP 11104923A JP 10492399 A JP10492399 A JP 10492399A JP 2000301307 A JP2000301307 A JP 2000301307A
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oscillation
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Seiji Itoyama
誓司 糸山
Yasuo Kishimoto
康夫 岸本
Kenichi Tanmachi
健一 反町
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型と鋳片との焼付きを防止し、同時にオッ
シレーションマーク部の爪発生を軽減できる連続鋳造鋳
型の振動方法を提供する。 【解決手段】 鋳型に対し鋳片の引抜き方向と同一方向
に、振動数0.05〜30サイクル/min 、振動ストローク4
〜50mmの第1の波形に、さらに鋳片のオッシレーション
マークピッチが4mm以上となるような振動数、好ましく
は100 〜500 サイクル/min と振動ストローク0.5 〜4
mmを有する第2の波形を重ね合わせた振動を付与する。
なお、複合波形による鋳型の振動は鋳造速度に対しネガ
ティブストリップ時間帯のない条件とするのが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属の連続鋳
造に係り、とくに鋳片の表面性状を改善する連続鋳造鋳
型の振動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属、とくに溶鋼を鋳型内に連続的
に注入して鋳片を得る溶鋼の連続鋳造法においては、鋳
型と鋳片との間の摩耗を軽減し、焼付を防止して安定し
た鋳込を行うために、パウダー等の潤滑剤を使用すると
ともに、鋳型を鋳片の引抜き方向へ上下振動(オッシレ
ーション)させるのが通常である。
【0003】最近では、省エネルギーの観点から、連続
鋳造法により製造された鋳片を、室温まで放冷すること
なく、熱片のまま加熱炉に装入し熱間圧延するホットチ
ャージ(HCR)、あるいは熱片のまま加熱炉に装入す
ることなく熱間圧延を行う直接圧延(DHCR)が一般
的に指向されている。しかし、HCRやDHCRを安定
して実施するためには、連続鋳造法により製造された鋳
片の表面や表面直下に、非金属介在物、表面偏析、ノロ
噛み等の欠陥の発生がないことが必要となる。このた
め、連続鋳造時の鋳型振動条件や潤滑剤の最適化を図っ
たり、鋳型内の溶鋼の流動を制御するため電磁ブレーキ
設備の設置など、種々の対策が施されてきた。しかし、
実際には、これらの対策だけでは鋳片の表面欠陥を完全
に防止するまでには至っておらず、HCRやDHCRの
実施率が低いのが現状であった。鋳片に表面欠陥が発生
し表面欠陥に起因する品質不良を伴う恐れがある場合に
は、高温の鋳片をいったん冷却するか、高温のまま表面
をスカーフィングして欠陥を取り除く必要があり、鋳片
温度の低下やスカーフィング工程の追加などをもたらし
省エネルギー的には問題を残していた。
【0004】上記した連続鋳造法においては、鋳型内メ
ニスカス部における凝固シェルがオッシレーションの動
きにより曲げられ、オッシレーションマークと呼ばれる
窪みが形成される。一般に、オッシレーションマークに
は、引抜き方向断面を観察すると、オッシレーションマ
ーク直下に「爪」と称する凝固組織の不連続部が存在す
る場合がある。とくに、最近、C:0.0050wt%以下とい
う極低炭素鋼の連続鋳片では、この「爪」部に、鋳型内
の溶鋼中を浮上する過程で捕捉された非金属介在物や、
浸漬ノズルの詰り防止のためにノズル内に吹き込まれた
Arガスの気泡が残存し、最終製品で表面欠陥、内部欠陥
となることが判明している。この「爪」は、オッシレー
ションマークが深いほど深く顕著になる傾向がある。し
たがって、連続鋳片の表面性状を改善するためには、オ
ッシレーションマークの発生を軽減する必要がある。
【0005】オッシレーションマークを軽減するには、
鋳型の上下振動を高振動数・低ストロークの振動とする
のが有効であることが知られているが、高振動数・低ス
トロークの振動とした場合には、鋳型表面と鋳片の焼付
きが生じ鋳型をオッシレーションする本来の目的が達成
できなくなるという問題があった。このような問題に対
し、鋳型表面と鋳片との焼付きを防止し、同時にオッシ
レーションマークの発生を軽減する方法として、例え
ば、特開昭58-199645 号公報には、鋳型に対し鋳片の引
抜き方向と同一方向に、振動周波数70〜150 サイクル/
min 、振動ストローク5〜20mmの振動と、振動周波数20
00〜20000 サイクル/min 、振動ストローク0.1 〜0.5m
m の振動とを複合して加えることを特徴とする連続鋳造
鋳型の振動方法が開示されている。また、特開平8-1922
55号公報には、鋳型に対し鋳片の引抜き方向と同一方向
に、振動周波数200 〜500 サイクル/min 、振幅1〜5
mmの振動と、さらに振動周波数1000〜10000 サイクル/
min 、振幅0.1 〜1mmの微小振動とを複合して付与する
ことを特徴とする連続鋳造鋳型の振動方法が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
58-199645 号公報に記載された技術では、焼付き防止に
は効果があるが、振動周波数が低く振動ストロークが大
きい振動のためオッシレーションマークの軽減には十分
な効果が示されていない。一方、特開平8-192255号公報
に記載された技術では、鋳型に200 〜500 サイクル/mi
n と1000〜10000サイクル/min の2種の高い周波数の
振動を複合した振動を付与するため、振動付加手段とし
て高周波加振器とコイルバネの付設を必要とする。コイ
ルバネは、鋳型の共振による大揺れを防止するため振動
フレームや高周波加振器の振動数と異なる固有振動数を
有するものとする必要があり、さらに200 〜10000 サイ
クル/min という高い振動数で使用するため長時間操業
では耐久性が要求され、コイルバネの選択に注意を要す
ると同時に制御性にも問題が残されていた。
【0007】本発明は、上記した問題を有利に解決し、
鋳型表面と鋳片との焼付きを防止し、同時にオッシレー
ションマークの発生を軽減できる連続鋳造鋳型の振動方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するため、まず、鋳型表面と鋳片との焼付きにつ
いて鋭意検討した。その結果、鋳型表面と鋳片との焼付
きは、モールドフラックス消費量の減少ではなく、モー
ルドフラックスの不均一流入がその主因であることを見
いだした。
【0009】モールドフラックスの不均一流入は、湯面
位置においてモールドフラックス溶融層が鋳型からの冷
却により成長した、いわゆるスラグリムによりモールド
フラックスの流入が局所的に阻害されるために発生す
る。モールドフラックスの流入が阻害された部分では、
フラックスフィルム厚さが薄くなり、鋳型表面と凝固シ
ェル(鋳片)が接触する機会が増加する。鋳型表面と凝
固シェル(鋳片)が接触しても鋳型温度が低い場合には
焼付きが発生する心配は少ないが、鋳型温度が高くなる
と焼付きが発生することになる。
【0010】鋳型の振動ストロークが小さい場合には、
凝固シェルからの熱負荷が最大値を示す領域(以下、高
抜熱量域ともいう)が鋳型の狭い領域に限定されるた
め、鋳型の振動ストロークが大きい場合にくらべ鋳型温
度が高温となりやすい。またさらに、鋳型の振動ストロ
ークが小さい場合には、鋳型の上下方向への移動距離が
少ないため、湯面位置におけるスラグリムが局所的に成
長しやすく、一層モールドフラックスの不均一流入を生
じやすくなる。
【0011】このようなことから、本発明者らは、オッ
シレーションマーク深さを浅くするため高振動数・低ス
トロークだけの振動を付加する連続鋳造鋳型の振動方法
では、焼付きの危険性が高くなるものと推察し、焼付き
を防止するためには、鋳型への高抜熱量域を分散させ、
スラグリムの成長を抑制またはスラグリムを再溶解する
ことが重要であり、そのためには、従来にない超低振動
数・超高ストロークの波形の振動を鋳型に付加する必要
があるという知見を得た。
【0012】このようなことから、本発明者らは、焼付
きを防止し、同時にオッシレーションマークを軽減する
ためには、超低振動数・超高ストロークの第1の波形
に、高振動数・低ストロークの第2の波形を複合した波
形を有する振動を、さらに好ましくは鋳造速度Vc に対
しネガティブストリップ時間の存在しない条件で、鋳型
に付加するのが良いことに思い至ったのである。
【0013】本発明は、上記した知見に基づいてさらに
検討を加え完成させたものである。すなわち、本発明
は、溶融金属を鋳型内に連続的に注入して鋳片を得る連
続鋳造法において、鋳型に対し鋳片の引抜き方向と同一
方向に、振動数0.05〜30サイクル/min 、振動ストロー
ク4〜50mmの第1の波形に、さらに鋳片のオッシレーシ
ョンマークピッチが4mm以上となるような振動数と振動
ストローク0.5 〜4mmを有する第2の波形を重ね合わせ
た複合波形からなる振動を付与することを特徴とする連
続鋳造鋳型の振動方法であり、また、本発明では、前記
複合波形からなる振動は、鋳造速度Vc に対しネガティ
ブストリップ時間帯のない条件とするのが好ましく、ま
た、前記第2の波形の振動数は100 〜500 サイクル/mi
n とするのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、連続鋳造鋳型に付加
する振動は、鋳片の引抜き方向と同一方向に、超低振動
数・超高ストロークの第1の波形と、高振動数・低スト
ロークの第2の波形を複合した複合波形を有する振動と
する。本発明において、鋳型に付加する振動の波形の1
例を図1に示す。これにより、モールドフラックス消費
量を増加させないでも鋳型内潤滑を安定化して焼付きを
防止するとともに、オッシレーションマークを軽減でき
る。
【0015】第1の波形による振動は、鋳型への熱負荷
分散のため鋳型への高抜熱量域を分散させるとともに、
スラグリムの成長を抑制またはスラグリムを再溶解しモ
ールドフラックスの不均一流入を軽減して、焼付きを防
止する機能を有する。このため、第1の波形は、振動数
0.05〜30サイクル/min 、振動ストローク4〜50mmを有
するものとする。振動数が0.05サイクル/min 未満で
は、鋳型への高抜熱量域を分散させることができなくな
り、一方、振動数が30サイクル/min を超えるかあるい
は振動ストロークが4mm未満では、鋳型への高抜熱量域
を分散させることができなくなるとともに、スラグリム
の成長抑制またはスラグリムの再溶解ができなくなる。
また、振動ストロークが50mmを超えると、フラックスの
噛込み、スラグリム起因のディプレッションが発生しや
すくなる。
【0016】第2の波形による振動は、オッシレーショ
ンマークの発生を軽減し、オッシレーションマーク直下
の凝固組織の不連続部である「爪」深さを軽減する機能
を有する。このため、第2の波形は、鋳片のオッシレー
ションマークピッチが4mm以上となるような振動数と振
動ストローク0.5 〜4mmを有するものとする。振動数
が、オッシレーションマークピッチが4mm未満となる振
動数では、オッシレーションマークが鋳型の振動2〜4
回に1回の割合で形成される現象が発生しやすくなりオ
ッシレーションマークが鋳型の振動に対応して形成され
なくなり、かえって「爪」深さが深くなる。なお、オッ
シレーションマークピッチp( mm )は、理論的にp=
C / f、(ここでVC :鋳造速度(mm/min)、f:鋳
型振動数(サイクル/min))から計算でき、鋳造速度が
決まると、鋳型振動数fから決定できる値である。
【0017】また、第2の波形の振動数は、100 〜500
サイクル/min とするのが好ましい。振動数を100 サイ
クル/min 以上とすることにより、「爪」深さ低減効果
がより一層顕著になる。なお、 200サイクル/min 以上
とすると一層、「爪」深さを小さくでき、製品の表面欠
陥率が低減できるので好ましい。また振動数を500 サイ
クル/min 以下とすることにより、オッシレーションマ
ークが鋳型の振動2〜4回に1回の割合で形成される現
象を一層確実に防止できる。
【0018】第2の波形の振動ストロークが0.5 mm未満
では、フラックスの消費量の絶対値が小さくなりすぎブ
レークアウトの危険性が増加する。また、振動ストロー
クが4mmを超えると、「爪」深さが深くなる。このよう
なことから、第2の波形の振動ストロークは0.5 〜4mm
に限定した。また、本発明では、複合波形からなる振動
は、爪深さを効果的に軽減するため、鋳造速度Vc に対
しネガティブストリップ時間帯のない条件となるように
振動数、振動ストロークを調整するのが好ましい。ネガ
ティブストリップ時間帯のない条件とは、図3に示すよ
うに、例えばそれぞれの波形がサイン波の場合、複合波
形からなる振動の鋳込方向と同一方向の最大振動速度
(V1 +V2 )、π(S 1f1 +S2f2 )と、鋳込速度V
c との関係が下記(1)式を満足する条件である。
【0019】 π(S1f1 +S2f2 )<Vc ……(1) ここで、S1 は、第1の波形の振動ストローク、f1は第
1の波形の振動数、S2は、第2の波形の振動ストロー
ク、f2は第2の波形の振動数、Vc は鋳造速度である。
複合波形からなる振動の鋳込方向と同一方向の最大振動
速度、π(S1f1 +S 2f2 )が、鋳込速度Vc より大き
くなる時間帯、すなわちネガティブストリップ時間帯が
存在すると、爪深さの軽減効果が少なくなる。
【0020】また、上記したような波形の振動を鋳型に
付加する装置としては、上記した波形を有する振動が付
加できるものであればよく、また波形もサイン波に限定
されない。従来の鋳型振動付加装置のうち、振動波形制
御機構の変更を行うだけでもよい。振動波形制御機構と
しては、油圧方式の振動波形制御機構を有する装置が好
適である。
【0021】また繰り返し波形を基本としているので、
第1波形の1サイクルの中に形成される第2波形の波の
数は整数個であることが望ましく、そのためにはf1/f2
が整数となるようにf1およびf2を設定する方が望まし
い。
【0022】
【実施例】(実施例1) C:0.0010〜0.0020mass%、Si:0.01〜0.02mass%、M
n:0.03〜0.07mass%、P:0.020 〜0.030 mass%、
S:0.005 〜0.009mass %、Al:0.030 〜0.039 mass
%、Ti:0.020 〜0.030mass %、Nb:0.003 〜0.005 ma
ss%、B:0.0003〜0.0006mass%を含有する極低炭素鋼
を溶製(合計:14チャージ)し、垂直曲げ型連続鋳造設
備を用い、粘度4poise (1300℃)、凝固温度980 ℃の
モールドフラックスと、噴流吐出角度下向き25度のタン
ディッシュ浸漬ノズル(2孔)(ノズル浸漬深さ:170m
m )とを使用して、タンディッシュ溶鋼過熱度:30〜35
℃、鋳造速度Vc :1.6 〜2.0m/minの条件で連続鋳造し
て幅1000〜1560mm、厚さ220mm の連鋳鋳片とした。
【0023】連続鋳造に際し、本発明例1として、鋳型
には、第1の波形として、振動数f 1 :0.05〜30サイク
ル/min 、振動ストロークS1 :4〜50mmの波形を、第
2の波形として、オッシレーションマークピッチp:5.
3 〜19.0mm(f2 :105 〜300 サイクル/min )、
2 :0.5 〜4mmの波形を用い、第1の波形と第2の波
形を複合した振動を引抜き方向に付与した(本発明例
1、3チャージ分)。
【0024】また、本発明例2として、鋳型には、第1
の波形として、振動数f1 :0.05〜30サイクル/min 、
振動ストロークS1 :10〜50mmの波形を、第2の波形と
して、振動数f2 :200 〜400 サイクル/min 、S2
0.5 〜4mmの波形を用い、第1の波形と第2の波形を複
合した振動を引抜き方向に付与した(3チャージ分)。
【0025】また、比較例1として、連続鋳造に際し、
鋳型に、振動数f:160 サイクル/min 、振動ストロー
クS:6mmの波形を有する振動を引抜き方向に付与した
(3チャージ分)。また、比較例2として、鋳型には、
第1の波形として、本発明範囲を外れる振動数f1 :50
〜150 サイクル/min 、振動ストロークS1 :5〜20mm
の波形を、第2の波形として、振動数f2 :200 〜400
サイクル/min 、S2 :0.5 〜4mmの波形を用い、第1
の波形と第2の波形を複合した振動を引抜き方向に付与
した(3チャージ分)。
【0026】また、比較例3として、鋳型には、第1の
波形として、振動数f1 :0.03サイクル/min 、振動ス
トロークS1 :60mmの波形を、第2の波形として、振動
数f 2 :160 〜200 サイクル/min (オッシレーション
マークピッチp:4 未満〜10mm)、S2 :0.5 〜4mmの
波形を用い、第1の波形と第2の波形を複合した振動を
引抜き方向に付与した(2チャージ分)。
【0027】なお、鋳型への振動の付与は、図2に示す
油圧式鋳型振動波形制御機構付きの鋳型振動付加装置を
用いた。上記した条件で製造されたこれら連続鋳造鋳片
(本発明例1、14チャージ分)を、熱片のまま1140〜11
70℃の加熱炉に装入し、110 〜130min間在炉後、熱間圧
延するHCRを実施し熱延板とした。なお、加熱炉装入
時の鋳片表面温度は750〜850 ℃であった。これら熱延
板をさらに、冷間圧延し最終的に1.5mm 厚の冷延鋼板と
した。これら冷延鋼板について、表面欠陥(へげ、スリ
ーバー)の発生率を調査した。表面欠陥の発生率(%)
は、(欠陥発生長さ/コイル長さ)×100%で計算し
た。
【0028】また、拘束性ブレークアウト予知システム
(例えば、特公平7-71726 号公報参照)により、上記し
た本発明例1〜2、比較例1〜3の鋳型振動条件の各チ
ャージについて、拘束性ブレークアウト警報発生回数を
測定し、各チャージごとの平均発生回数で評価した。こ
れらの結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、本発明の範囲を外れる比較例で
は、表面欠陥発生率が1.42%(比較例3)、0.36%(比
較例1)、0.20%(比較例2)と高いのに対し、本発明
例は、表面欠陥の発生率が平均0.05%以下と低く、本発
明により表面欠陥の発生が抑制されていることがわか
る。また、本発明の範囲を外れる比較例では、拘束性ブ
レークアウト警報発生回数が、0回/チャージ(比較例
1)〜 2.5回/チャージ(比較例3)と高いのに比べ、
本発明例ではいずれも0回/チャージと低く、本発明に
よれば、鋳型内モールドフラックスの均一潤滑性が従来
にくらべ格段に向上していることがわかる。 (実施例2)実施例1と同じ組成範囲の極低炭素鋼を溶
製し、実施例1と同様に垂直曲げ型連続鋳造設備を用
い、粘度4poise (1300℃)、凝固温度980 ℃のモール
ドフラックスと、噴流吐出角度下向き25度のタンディッ
シュ浸漬ノズル(2孔)(ノズル浸漬深さ:170mm )と
を使用して、タンディッシュ溶鋼過熱度:30〜35℃、鋳
造速度Vc :1.6 〜2.0m/minの条件で連続鋳造して幅10
00〜1560mm、厚さ220mmの連鋳鋳片とした。
【0031】連続鋳造に際し、本発明例として、鋳型に
は、第1の波形として、振動数f1:0.1 〜25サイクル
/min 、振動ストロークS1 :4〜50mmの波形を、第2
の波形として、振動数f2 :90〜300 サイクル/min
(オッシレーションマークピッチp:5.3 〜17.8mm)、
振動ストロークS2 :1〜3mmの波形を用い、第1の波
形と第2の波形を複合した振動を引抜き方向に付与した
(各3チャージ分)。
【0032】また、比較例として、鋳型には、本発明の
範囲を外れる振動数および/または振動ストロークの第
1の波形、第2の波形を用い、第1の波形と第2の波形
を複合した振動を引抜き方向に付与した(各3チャージ
分)。また、連続鋳造に際し、鋳型に、振動数f:140
サイクル/min 、振動ストロークS:6mm の波形を有す
る振動、または振動数f:200 サイクル/min 、振動ス
トロークS:3mm の波形を有する振動をそれぞれ引抜き
方向に付与し比較例とした(各3チャージ分)。
【0033】なお、鋳型への振動の付与は、図2に示す
油圧式鋳型振動波形制御機構付きの鋳型振動付加装置を
用いた。上記した条件で製造されたこれら連続鋳造鋳片
を、熱片のまま1140〜1170℃の加熱炉に装入し、110 〜
130min間在炉後、熱間圧延するHCRを実施し熱延板と
した。なお、加熱炉装入時の鋳片表面温度は750 〜850
℃であった。これら熱延板をさらに、冷間圧延し最終的
に1.5mm 厚の冷延鋼板とした。これら冷延鋼板につい
て、表面欠陥(へげ、スリーバー)の発生率を調査し
た。表面欠陥の発生率(%)は、(欠陥発生長さ/コイ
ル長さ)×100 %で計算した。
【0034】また、拘束性ブレークアウト予知システム
(例えば、特公平7-71726 号公報参照)により、各チャ
ージについて、拘束性ブレークアウト警報発生回数を測
定し、各チャージごとの平均発生回数で評価した。これ
らの結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2から、本発明の範囲を外れる比較例で
は、表面欠陥発生率が2.33%(No.13 )〜0.50%(No.1
2 )と高いのに対し、本発明例は、表面欠陥の発生率が
0.15%以下と低く、本発明により表面欠陥の発生が抑制
されていることがわかる。なお、ネガティブストリップ
時間帯が存在する場合(No.5)には、爪深さがわずかに
深くなり、表面欠陥発生率が若干高く(0.15%)なる。
【0037】また、本発明の範囲を外れる比較例では、
拘束性ブレークアウト警報発生回数が、0回/チャージ
〜 1.3回/チャージと高いのに比べ、本発明例では0回
/チャージ〜 0.1回/チャージと低く、本発明によれ
ば、鋳型内モールドフラックスの均一潤滑性が従来にく
らべ格段に向上していることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、溶融金属を連続鋳造に
より鋳片とするにあたり、ブレークアウト警報の発生が
なく安定した鋳造を可能とし、さらに製品欠陥の原因と
なる鋳片表面欠陥を、鋳片表面手入れ工程を付加するこ
となく、安定して低減でき、産業上格段の効果を奏す
る。また、本発明によれば、モールドフラックス消費量
を増加させないで、すなわちフラックス原単位の増加を
ともなわずに鋳型内潤滑を安定させることができるとい
う効果もある。さらに、本発明において鋳型に付加す振
動波形は、従来の鋳型振動付加装置のうち、振動制御機
構のみの改造で容易に実現可能であり、しかも長時間の
操業にも十分耐える耐久性を有し、実施が容易であると
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な振動波形の1例を示す説
明図である。
【図2】本発明の実施に好適な鋳型振動付加装置の1例
を模式的に示す概略図である。
【図3】本発明の実施に好適な複合波形の振動速度と鋳
込速度の関係の1例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 鋳片 3 振動フレーム 4 振動波形制御機構 5 タンディッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 反町 健一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E004 AD00 MA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を鋳型内に連続的に注入して鋳
    片を得る連続鋳造法において、鋳型に対し鋳片の引抜き
    方向と同一方向に、振動数0.05〜30サイクル/min 、振
    動ストローク4〜50mmの第1の波形に、さらに鋳片のオ
    ッシレーションマークピッチが4mm以上となるような振
    動数と振動ストローク0.5 〜4mmを有する第2の波形を
    重ね合わせた複合波形からなる振動を付与することを特
    徴とする連続鋳造鋳型の振動方法。
  2. 【請求項2】 前記複合波形からなる振動は、鋳造速度
    Vc に対しネガティブストリップ時間帯のない条件とす
    ることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造鋳型の振
    動方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の波形の振動数が100 〜500 サ
    イクル/min であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の連続鋳造鋳型の振動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007118041A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Showa Denko Kk アルミニウム合金の連続鋳造棒、連続鋳造棒の鋳造方法、連続鋳造装置

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JP2007118041A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Showa Denko Kk アルミニウム合金の連続鋳造棒、連続鋳造棒の鋳造方法、連続鋳造装置

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