JP2000301262A - 金型寿命の予測方法及びそれを用いた金型材の最適物性値の予測方法 - Google Patents

金型寿命の予測方法及びそれを用いた金型材の最適物性値の予測方法

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JP2000301262A
JP2000301262A JP11111650A JP11165099A JP2000301262A JP 2000301262 A JP2000301262 A JP 2000301262A JP 11111650 A JP11111650 A JP 11111650A JP 11165099 A JP11165099 A JP 11165099A JP 2000301262 A JP2000301262 A JP 2000301262A
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Kunichika Kubota
邦親 久保田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確に金型の寿命を予測する方法、及びそれ
に基づく最適物性値の予測方法を提供する。 【解決手段】 (1)金型の少なくとも応力集中部分の応
力分布を求め、(2)予想される亀裂進展経路上における
塑性変形応力振幅Δσeq及び最大主応力振幅Δσの分
布を応力分布よりそれぞれ求め、(3)金型材の物性値に
関する所定の条件下でΔσeqから求めた亀裂進展速度
を関数Iとし、(4)同じ条件下でΔσから求めた亀裂進展
速度を関数IIとし、(5)関数Iに関数IIを加えた関数を亀
裂の深さに対して所定の亀裂深さまで積分することによ
り、所定の亀裂深さに達するのに要する加圧回数を求
め、(6)物性値を変化させて加圧回数の計算を繰り返す
ことにより、物性値と加圧回数との関係を求め、(7)関
係から金型の長寿命化に最適な物性値を求める方法であ
って、関数Iと関数IIの両方またはいずれか一方をニュ
ーラルネットワークを含んだアルゴリズムで形成するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金型寿命を予測する
方法、及び寿命予測を利用して最適な金型材の物性値を
予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間鍛造、冷間鍛造やプレス成形等の成
形加工用の金型は常時高い応力領域で使用されるので、
クラックや破損が起こりやすい。そのため、できるだけ
長寿命化することが望まれ、金型の形状及び材質の観点
から種々の研究が行われている。特に最近ではプレス製
品の軽量化やプレス時間の短縮を図る上で、高強度材が
利用されるようになり、金型プレスの負荷が益々大きく
なってきた。
【0003】金型の寿命に影響を与える因子は非常に多
く、最適条件を実験的に求めるには非常な時間及びコス
トがかかるのが実情である。そのため金型の寿命を予測
する試みが幾つか提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば、宮原光雄氏等
が65,000KNのメカニカルプレスで直列4気筒クランク
軸を成形するのに使用する金型の寿命解析方法を提案し
ている(住友金属,Vol.48,No.2(1996),pp76〜8
5)。しかし、この解析方法では、50HRC以上の高
硬度な鉄鋼材料では、計測困難な塑性歪みを測定しなけ
ればならない。また、この解析方法では、高サイクル疲
労の予測はできないという欠点がある。
【0005】一般的な金属材料の破壊寿命のモデルとし
て、Coffin氏が提案した図7に示すモデルがある(Amer
ican Soc. Metals,Fatigue in Machines and St
ructures-Power Generation,pp.7(1978))。このモデ
ルでは、破壊寿命を亀裂発生寿命と亀裂伸展寿命に分解
して、亀裂発生寿命は回転曲げ疲労試験で、亀裂進展寿
命は亀裂進展試験、破壊靭性値(KIC)試験のような
予亀裂を入れて行う試験法でそれぞれ測定することがで
きる。従って、上記測定値から亀裂発生の寿命関数と亀
裂進展の寿命関数を求め、これらの寿命関数を用いてそ
れぞれの寿命を求めて合計することにより、金型の寿命
予測を行っている。
【0006】亀裂発生寿命は、基本的にはCoffin氏が提
案した次式(以後Coffin則と呼ぶ) Ni1=C(ε/ε−1.66・・・(1) (ただし、Ni1は亀裂発生型寿命であり、Cは定数
であり、εは塑性歪み振幅であり、εは真破断歪み
量である。)で表すことができる。
【0007】しかし、(1)式では、延性を代表するパ
ラメーターとしてεが含まれているが、材料の強度及
び欠陥という二つの要素の亀裂発生寿命への依存性が十
分示されていない。また、Coffin則は材料の破断延性と
相関の深い低サイクル疲労の場合には実測データと良く
一致するものの、材質の欠陥依存性の高い高サイクル疲
労の場合には適用できない。
【0008】高サイクル疲労を表す関数として、田中氏
が提案した次式: σ=σw0{L/(L+L)}0.5, L=(ΔKth/σw0/π ・・・(2) (ただし、σは10回での疲労強度、σw0は欠陥
のない場合の疲労強度、ΔKthは亀裂進展下限界応力
拡大係数、Lは欠陥長さである。)が有効である(K.Ta
naka et al,Int.J.Fract,3,5(1981)519)。この式
を「田中則」と呼ぶ。しかし、この式は疲労強度を予測
する式であり、寿命予測ができないという問題点があ
る。
【0009】亀裂進展寿命は応力分布により決まる。亀
裂進展寿命については、Paris氏が次式(3): da/dN=CΔK・・・(3) (ただし、式中aは亀裂深さであり、Nは亀裂進展寿
命を表す加圧回数であり、Cは定数であり、ΔKは応
力拡大係数の振幅であり、nは定数(Paris値)であ
る。)を提案している。しかし、この式は寿命の大部分
を担う微小亀裂の生成を考慮していないため、この式の
みでは正確な寿命を予測することはできない。
【0010】また、疲労寿命は従来負荷応力の最大主応
力振幅Δσを用いて予測されているが、実験結果との広
範囲の一致が見られず、最大主応力振幅Δσの代わりに
より疲労寿命に寄与する応力値が求められている。
【0011】従って、本発明の目的は、金型の物性値を
考慮に入れ、正確に金型の寿命を予測する方法、及びそ
れに基づく最適物性値の予測方法を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、疲労寿命に寄与する応力として塑
性変形応力振幅Δσeqと最大主応力振幅Δσの両者を
用い、寿命関数に適切な材質項を代入すること、さらに
はこれら過程にニューラルネットワーク法を導入するこ
とにより、金型の寿命をより正確に予測できることを発
見し、本発明に想到した。
【0013】すなわち、本発明の金型寿命の予測方法
は、(1)金型の少なくとも応力集中部分の応力分布を
求め、(2)予想される亀裂進展経路上における塑性変
形応力振幅Δσeq及び最大主応力振幅Δσの分布を前
記応力分布よりそれぞれ求め、(3)前記塑性変形応力
振幅Δσeqから求めた亀裂進展速度(加圧回数の増加
に対する亀裂深さの増分の比により表される。)を関数
Iとし、(4)前記最大主応力振幅Δσから求めた亀裂
進展速度を関数IIとし、(5)前記関数Iに前記関数II
を加えた関数を亀裂の深さに対して所定の亀裂深さまで
積分することにより、前記所定の亀裂深さに達するのに
要する加圧回数を求め、これを金型の寿命とする、金型
の寿命を予測する方法であって、関数Iと関数IIの両方
またはいずれか一方をニューラルネットワークを含んだ
アルゴリズムで形成するものである。
【0014】そして上記の本発明について、前記塑性変
形応力振幅Δσeqを下記式: Δσeq={(σ−σ+(σ−σ
(σ−σ}/√2 (ただし、σ、σ及びσはそれぞれ直交する1、
2、3方向の主応力を表す。)により求める金型寿命の
予測方法、あるいは、前記応力分布を有限要素法により
求める金型寿命の予測方法である。
【0015】また、本発明の金型材の最適物性値の予測
方法は、(1)金型の少なくとも応力集中部分の応力分
布を求め、(2)予想される亀裂進展経路上における塑
性変形応力振幅Δσeq及び最大主応力振幅Δσの分布
を前記応力分布よりそれぞれ求め、(3)金型材の物性
値に関する所定の条件下で前記塑性変形応力振幅Δσ
eqから求めた亀裂進展速度(加圧回数の増加に対する
亀裂深さの増分の比により表される。)を関数Iとし、
(4)同じ条件下で前記最大主応力振幅Δσから求めた
亀裂進展速度を関数IIとし、(5)前記関数Iに前記関
数IIを加えた関数を亀裂の深さに対して所定の亀裂深さ
まで積分することにより、前記所定の亀裂深さに達する
のに要する加圧回数を求め、(6)前記物性値を変化さ
せて前記加圧回数の計算を繰り返すことにより、前記物
性値と前記加圧回数との関係を求め、(7)前記関係か
ら最適な物性値を求める、金型の長寿命化に最適な物性
値を予測する方法であって、関数Iと関数IIの両方また
はいずれか一方をニューラルネットワークを含んだアル
ゴリズムで形成するものである。
【0016】そして上記の本発明について、前記塑性変
形応力振幅Δσeqを下記式: Δσeq={(σ−σ+(σ−σ
(σ−σ}/√2 (ただし、σ、σ及びσはそれぞれ直交する1、
2、3方向の主応力を表す。)により求める金型材の最
適物性値の予測方法、あるいは、前記応力分布を有限要
素法により求める金型材の最適物性値の予測方法、ある
いは、前記物性値として金型材の硬度を使用する金型材
の最適物性値の予測方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例による金型寿命
の予測方法の全工程を図1に示す。以下各工程について
詳細に説明する。
【0018】(a)金型内の応力分布を求める(工程
A) まず、亀裂が入っていない時の金型内部の少なくとも所
望の一部の応力分布を公知の方法で求める。応力分布の
計算の前提として所定の金型物性値を用い、それを変化
させることにより金型物性値と寿命との関係を求める
が、その物性値として本実施例では硬さを用いる。な
お、応力分布の計算には例えば有限要素法に代表される
離散数学を原理とした計算機による計算を使用すること
ができる。
【0019】まず金型全体をメッシュ分割する。簡単化
のために図2は応力集中部を2次元的に示すが、無論3
次元的に解析することもできる。
【0020】次に荷重条件及び固定条件を設定する。境
界条件である負荷面圧は、例えば以下の方法で設定する
ことができる。 (1)被加工材の変形を剛塑性有限要素法で計算し、そ
の発生面圧負荷面圧とする方法; (2)荷重/被鍛材投影面積による静水圧近似法; (3)破面からの逆解析(静水圧近似)。
【0021】そして、各要素の応力解析を行い、計算結
果から応力分布図を作成する。図2には求めた応力分布
図の一例を示す。曲線4は応力の等値線を表す。
【0022】(b)予想される亀裂進展経路上のΔσ
eqとΔσ分布を求める(工程B) 上記圧力分布図(図2)上で亀裂進展経路3を予想す
る。一般的には最も応力の集中する位置及び方向を選
ぶ。亀裂進展経路3は通常最大主応力方向と直交し、最
大主応力発生点を起点とした直線とする。次に、その経
路上における塑性変形応力振幅Δσeqと最大主応力振
幅Δσの分布をそれぞれ求める。Δσeqは次式: Δσeq={(σ−σ+(σ−σ+(σ−σ}/√2 ・・・(4) (ただし、σ、σ及びσはそれぞれ直交する1、
2、3方向の主応力を表す。)で表される。計算結果の
一例を図3に示す。
【0023】(c)亀裂発生型の亀裂進展速度を求める
(工程C) 亀裂発生型寿命は、低サイクル寿命(金型の材質等によ
って異なるが、一般に10〜10回である。)と高
サイクル寿命に分けずに求める。これは、疲労試験で出
た寿命を出力値、応力・材質要因を入力値としてニュー
ラルネットワークとしてあらかじめ形成することで可能
となる(工程G)。その関数は、Neuro()と表記して
以下既述するが、実際は関数として表現できないプログ
ラムサブルーチンである。
【0024】ここで本発明に導入されるニューラルネッ
トワーク法について説明しておく。ニューラルネットワ
ーク法は優れた非線形近似法で、生物の神経回路のモデ
ル的動作をコンピュータアルゴリズムとして定着させた
ものである。これは、関数の形態が未知な場合でも、あ
らかじめ分かっている入力値と出力値がデータ群として
存在している場合、ほぼ自由に関数を構築することが出
来るところに利点を有する。
【0025】疲労現象においては、最近、超高サイクル
疲労というものが明らかにされつつある。つまり、それ
以上の応力振幅では低下しないとされてきた10回以
上でも疲労強度の低下が起こる場合があるというもので
あり、これは表面起点型のS-N曲線と内部起点型のS-N曲
線が重なって現れたものであると「金材技研強度データ
シートN0.9,(1995)」では述べられている。また、同
文献では、ここで対象とする工具鋼のような高硬度材料
について『欠陥が敏感に亀裂として成長し易い。そのた
め、内部起点型のS-N曲線に短寿命側へのずれが生じ、
10回以下でも疲労強度低下が観察される』としてい
る。
【0026】以上のように、工具鋼レベルでは単純にCo
ffin則が使えず、2本のS-N曲線で寿命を説明しなけれ
ばならないが、その定量的モデルは現状明らかでないた
め、寿命予測を困難なものにしている。このように破壊
法則は既知な部分と未知な部分がある。そこで、未知な
部分も既知データ群があれば関数化出来ると言うのがこ
のニューラルネットワークの特徴である。破壊法則は必
ずしも線形法則でないので、ニューラルネットワークの
非線形近似能力の高さが有効に働くのである。
【0027】すなわち、本発明は、以下説明する前記関
数Iあるいは関数IIの両方またはいずれか一方につい
て、その破壊法則が明らかでない部分にはニューラルネ
ットワーク法を用い、実際の寿命結果を教師データとし
てあらかじめ構築したものを使用することを特徴として
いる。具体的には、最初に関数IあるいはIIについて、
そのニューラルネットで低サイクル疲労域から高サイク
ル疲労域まで含めて解析したものをあらかじめプログラ
ム内に準備することである。以下、工程Cについて述べ
ていく。
【0028】疲労試験の寿命は(5)式: N=Neuro(Δσeq,HRC,C1,C2,P)・・・(5) (ただし、Δσeqは塑性変形応力振幅、HRCは硬さ、
C1は固溶炭素量、C2は添加炭素量、Pは製造因子で
ある。)にて、これら5つの入力変数により疲労寿命関
数として算出され、一材質の低サイクルから高サイクル
域の寿命データが連続的に生成できる。
【0029】前述の式(3)に上記式(5)の寿命関数
を用いて次式: da/dN={π(C・Δσeq 2/m・N(Δσeq)}−(m−2 )/m ・・・(6) (ただし、N(Δσeq)は寿命関数(加圧回数で表
す)であり、mは定数(Paris値)である。)を求め
る。
【0030】式(6)は、加圧回数の増加に対する亀裂
深さの増分の比(da/dN)を表し、これを亀裂進展
速度(関数I)とする。式(6)と図3の塑性変形応力
振幅Δσeq分布図を用い、da/dNと亀裂深さaと
の関係を求めることができる。
【0031】(d)亀裂進展型の亀裂進展速度を求める
(工程D) 亀裂進展型の亀裂進展速度(関数II)としては式(3)
のParis則を用いる。関数IIも金型材の硬度を変数とす
る関数である。境界条件である亀裂進展下限値K
th(図4を参照)は実測値から求める。
【0032】(e)亀裂進展速度を積分して金型の寿命
を求める(工程E) 上記工程C及びDで得た亀裂進展速度を表す関数Iと関
数IIを合計して、合計亀裂進展速度と深さとの関係を得
る。その例を図4に示す。
【0033】次に、金型の寿命となる亀裂深さαを設定
する。亀裂進展下限値Kthから求めたαと亀裂深さ
αとの関係に応じて、以下の二つの場合に分けられる。
α<αの場合(図4)、主として亀裂発生型のみで
寿命になる。α≧αの場合、主として亀裂進展型で
寿命になる。
【0034】図4に示す関数(亀裂進展速度da/d
N)は次式: da/dN=F(a)・・・(7) で表わすことができる。式(7)を変形して亀裂深さa
で積分すると、 N=∫(da/F(a))・・・(8) となる。式(8)の積分値を亀裂深さa=0〜αの範囲
で求めると、金型寿命の予測値を求めることができる。
【0035】(f)最適な物性値の予測(工程F) 金型材の物性値の1つとしての硬さを変化させて、加圧
回数により定まる金型寿命の計算を繰り返す。これによ
り、種々の硬さにおける金型寿命が求められる。図5に
上記方法で得た硬さと金型寿命との関係を示す。図5に
示す関係が得られた時点で金型寿命の計算を終了する。
【0036】金型寿命は硬さが増大するにつれて長くな
るが、ある硬さにおいて極大値を示し、それより硬くな
ると次第に短くなる傾向を示す。従って、この関係から
金型寿命が最大となる硬さを求めることができる。図5
の例では硬さHのとき最大寿命Nmaxとなるが、寿
命以外の要因で硬さをH以外のレベルに設定する必要
がある場合(例えばH〜Hの範囲にする場合)、寿
命はN以上であると予測できる。
【0037】また種々の金型材の硬さに関する既存のデ
ータを利用すれば、特定の金型形状において所望の寿命
を得るのに要する金型材を選定することができる。本発
明の方法を利用すれば、金型を試作して試験を繰り返さ
なくても、最高の寿命が得られる材質を効率よく特定す
ることができる。
【0038】添付図面を参照して硬さをパラメーターと
した本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに
限定されず、種々の変更をすることができる。例えば、
同様の方法により、引張強さσ、真破断歪み量ε
疲労強度σ等の物性値と寿命との関係、あるいは鍛造
力、コーナ部の曲率半径等の使用条件と寿命との関係を
求めることもできる。
【0039】
【実施例】図6は代表的工具鋼SKD11を60.7H
RCに調質し、JIS Z2274に記載の方法で疲労試験を行
った結果と、本発明で予測した結果および、有限要素法
を用いて、Coffin則で計算した比較例を併記したS-N曲
線である。この材料は高硬度でかつ炭化物の存在によ
り、Coffin則では予測できない領域の疲労データであ
る。この領域において、本発明の手法を用いることで、
実測データとの乖離がない予測となっていることがわか
る。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、本発明の金型寿命の予測方
法によると、各種材質の金型の寿命を正確に予測するこ
とができるので、金型の更新と補充を計画的に行うこと
ができる。また金型の寿命が最大となるように、実機試
験無しに最適な材質を効率良く選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型寿命の予測方法の一例として、そ
の全工程を示すフローチャートである。
【図2】金型を有限要素法でメッシュ分割した概略部分
断面図である。
【図3】金型の予想した亀裂進展経路上における塑性変
形応力振幅と最大主応力振幅の分布を示すグラフであ
る。
【図4】金型の予想した亀裂進展経路上における亀裂進
展速度を示すグラフである。
【図5】金型寿命と金型材の硬度との関係を示すグラフ
である。
【図6】本発明例と比較予測例および実測データを示し
たS-N曲線である。
【図7】金型材の破壊寿命のモデルを示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1.金型、2.分割要素、3.予想される亀裂進展経
路、4.応力等値線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G05B 13/02 G05B 13/02 L

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)金型の少なくとも応力集中部分の
    応力分布を求め、(2)予想される亀裂進展経路上にお
    ける塑性変形応力振幅Δσeq及び最大主応力振幅Δσ
    の分布を前記応力分布よりそれぞれ求め、(3)前記塑
    性変形応力振幅Δσeqから求めた亀裂進展速度(加圧
    回数の増加に対する亀裂深さの増分の比により表され
    る。)を関数Iとし、(4)前記最大主応力振幅Δσか
    ら求めた亀裂進展速度を関数IIとし、(5)前記関数I
    に前記関数IIを加えた関数を亀裂の深さに対して所定の
    亀裂深さまで積分することにより、前記所定の亀裂深さ
    に達するのに要する加圧回数を求め、これを金型の寿命
    とする、金型の寿命を予測する方法であって、関数Iと
    関数IIの両方またはいずれか一方をニューラルネットワ
    ークを含んだアルゴリズムで形成することを特徴とする
    金型寿命の予測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の金型寿命の予測方法に
    おいて、前記塑性変形応力振幅Δσeqを下記式: Δσeq={(σ−σ+(σ−σ
    (σ−σ}/√2 (ただし、σ、σ及びσはそれぞれ直交する1、
    2、3方向の主応力を表す。)により求めることを特徴
    とする金型寿命の予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の金型寿命の予測
    方法において、前記応力分布を有限要素法により求める
    ことを特徴とする金型寿命の予測方法。
  4. 【請求項4】 (1)金型の少なくとも応力集中部分の
    応力分布を求め、(2)予想される亀裂進展経路上にお
    ける塑性変形応力振幅Δσeq及び最大主応力振幅Δσ
    の分布を前記応力分布よりそれぞれ求め、(3)金型材
    の物性値に関する所定の条件下で前記塑性変形応力振幅
    Δσeqから求めた亀裂進展速度(加圧回数の増加に対
    する亀裂深さの増分の比により表される。)を関数Iと
    し、(4)同じ条件下で前記最大主応力振幅Δσから求
    めた亀裂進展速度を関数IIとし、(5)前記関数Iに前
    記関数IIを加えた関数を亀裂の深さに対して所定の亀裂
    深さまで積分することにより、前記所定の亀裂深さに達
    するのに要する加圧回数を求め、(6)前記物性値を変
    化させて前記加圧回数の計算を繰り返すことにより、前
    記物性値と前記加圧回数との関係を求め、(7)前記関
    係から最適な物性値を求める、金型の長寿命化に最適な
    物性値を予測する方法であって、関数Iと関数IIの両方
    またはいずれか一方をニューラルネットワークを含んだ
    アルゴリズムで形成することを特徴とする金型材の最適
    物性値の予測方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の金型材の最適物性値の
    予測方法において、前記塑性変形応力振幅Δσeqを下
    記式: Δσeq={(σ−σ+(σ−σ
    (σ−σ}/√2 (ただし、σ、σ及びσはそれぞれ直交する1、
    2、3方向の主応力を表す。)により求めることを特徴
    とする金型材の最適物性値の予測方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載の金型材の最適物
    性値の予測方法において、前記応力分布を有限要素法に
    より求めることを特徴とする金型材の最適物性値の予測
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかに記載の金
    型材の最適物性値の予測方法において、前記物性値とし
    て金型材の硬度を使用することを特徴とする金型材の最
    適物性値の予測方法。
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