JP2000301193A - 汚染環境の生物学的浄化方法 - Google Patents
汚染環境の生物学的浄化方法Info
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- JP2000301193A JP2000301193A JP11114077A JP11407799A JP2000301193A JP 2000301193 A JP2000301193 A JP 2000301193A JP 11114077 A JP11114077 A JP 11114077A JP 11407799 A JP11407799 A JP 11407799A JP 2000301193 A JP2000301193 A JP 2000301193A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 添加した微生物の捕食を簡単な操作で効果的
に防止して、汚染環境を効率よく浄化することができる
汚染環境の生物学的浄化方法を提案する。 【解決手段】 培養槽1で培養した微生物2を含む培養
液を、まず注入井3aから汚染地下水路17に注入し、
次に地下水滞留時間で2日以上離れた注入井3bから前
記と同様に培養液を注入し、さらにこのような逐次注入
を繰り返し、同一地点における原生動物の増加を防止し
て、環境を浄化する。
に防止して、汚染環境を効率よく浄化することができる
汚染環境の生物学的浄化方法を提案する。 【解決手段】 培養槽1で培養した微生物2を含む培養
液を、まず注入井3aから汚染地下水路17に注入し、
次に地下水滞留時間で2日以上離れた注入井3bから前
記と同様に培養液を注入し、さらにこのような逐次注入
を繰り返し、同一地点における原生動物の増加を防止し
て、環境を浄化する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質で汚染さ
れた土壌、地下水または排水等の汚染環境を生物学的に
浄化する汚染環境の生物学的浄化方法に関するものであ
る。
れた土壌、地下水または排水等の汚染環境を生物学的に
浄化する汚染環境の生物学的浄化方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】有機塩素化合物等の化学物質その他の有
害物質により土壌、地下水または排水等の環境が汚染さ
れると、その汚染は長期にわたって続き、また汚染が広
範囲に拡散するので、汚染環境の浄化が必要になる。こ
のような有害物質で汚染された土壌、地下水または排水
を浄化する場合、汚染から年数が経過していない、比較
的範囲の狭い高濃度の汚染に対しては物理化学的な処理
が有効であるが、ある程度の時間が経過し、拡散や地下
水の流れによって汚染物質が広範囲に広がった後の低濃
度汚染に対しては生物学的な浄化が効果的であると言わ
れている。
害物質により土壌、地下水または排水等の環境が汚染さ
れると、その汚染は長期にわたって続き、また汚染が広
範囲に拡散するので、汚染環境の浄化が必要になる。こ
のような有害物質で汚染された土壌、地下水または排水
を浄化する場合、汚染から年数が経過していない、比較
的範囲の狭い高濃度の汚染に対しては物理化学的な処理
が有効であるが、ある程度の時間が経過し、拡散や地下
水の流れによって汚染物質が広範囲に広がった後の低濃
度汚染に対しては生物学的な浄化が効果的であると言わ
れている。
【0003】土壌、地下水または排水中の有害物質を生
物学的に浄化するには、有機物や栄養塩および酸素など
を汚染サイトに添加し、対象汚染物質を分解できる微生
物を現場に生育させることが必要であり、また場合によ
っては温度やpH等の環境条件の制御が必要な場合もあ
る。そして対象汚染物質が生物易分解性であり、その分
解微生物が現場サイトにある一定量以上存在する場合
は、特定の微生物を外部から添加せず、現場に土着する
微生物を処理に利用するのが一般的である。しかし、現
場サイトに分解菌がほとんど存在しない場合や、汚染物
質が生物難分解性であり、汚染物質を基質とした増殖だ
けでは高い分解効率が得られない場合や、その汚染物質
をエネルギー源や炭素源として増殖できる微生物が地球
上に存在しない場合などは、外部から特定の分解微生物
を添加し、処理の効率化を図ることが必要である。
物学的に浄化するには、有機物や栄養塩および酸素など
を汚染サイトに添加し、対象汚染物質を分解できる微生
物を現場に生育させることが必要であり、また場合によ
っては温度やpH等の環境条件の制御が必要な場合もあ
る。そして対象汚染物質が生物易分解性であり、その分
解微生物が現場サイトにある一定量以上存在する場合
は、特定の微生物を外部から添加せず、現場に土着する
微生物を処理に利用するのが一般的である。しかし、現
場サイトに分解菌がほとんど存在しない場合や、汚染物
質が生物難分解性であり、汚染物質を基質とした増殖だ
けでは高い分解効率が得られない場合や、その汚染物質
をエネルギー源や炭素源として増殖できる微生物が地球
上に存在しない場合などは、外部から特定の分解微生物
を添加し、処理の効率化を図ることが必要である。
【0004】ところで特定の微生物を汚染サイトに注入
する場合、対象とする土壌、地下水または排水中にはも
ともと他の様々な生物が存在するため、これらが添加し
た微生物の機能や生育を阻害する場合がある。中でも原
生動物による添加微生物の捕食は大きな問題であり、特
にflagellateやciliateと呼ばれる原
生動物は微生物を捕食しながら急速に増殖するため、数
時間の内に添加した微生物のほとんどを食べ尽くしてし
まう場合がある(K.Christoffersen,
et al.,Micro.Ecol.,30,p67
−78)。
する場合、対象とする土壌、地下水または排水中にはも
ともと他の様々な生物が存在するため、これらが添加し
た微生物の機能や生育を阻害する場合がある。中でも原
生動物による添加微生物の捕食は大きな問題であり、特
にflagellateやciliateと呼ばれる原
生動物は微生物を捕食しながら急速に増殖するため、数
時間の内に添加した微生物のほとんどを食べ尽くしてし
まう場合がある(K.Christoffersen,
et al.,Micro.Ecol.,30,p67
−78)。
【0005】現場環境下にもともと存在する微生物は、
増殖と原生動物による捕食が均衡を保っているか、ある
いは生物膜を形成したり、糸状性になったりすることに
よって原生動物による捕食を防ぎながら(M.W.Ha
hn,et al.,Appl.Environ.Mi
crobiol.,64,p1910−1918)生育
していると考えられる。しかし、汚染サイトとは異なる
環境で培養された後に現場へ注入される微生物の場合、
原生動物の捕食に対する備えを持たないため、添加後速
やかに原生動物の餌食になってしまう可能性が高い。
増殖と原生動物による捕食が均衡を保っているか、ある
いは生物膜を形成したり、糸状性になったりすることに
よって原生動物による捕食を防ぎながら(M.W.Ha
hn,et al.,Appl.Environ.Mi
crobiol.,64,p1910−1918)生育
していると考えられる。しかし、汚染サイトとは異なる
環境で培養された後に現場へ注入される微生物の場合、
原生動物の捕食に対する備えを持たないため、添加後速
やかに原生動物の餌食になってしまう可能性が高い。
【0006】現場にて増殖可能なタイプの微生物であっ
ても、増殖速度よりも捕食される速度が大きければ、菌
数は時間と共に減少してしまう。増殖速度の方が捕食速
度より大きい場合でも、捕食される分、見かけの増殖速
度は低下する。いずれにしろ、汚染物質の処理効果は原
生動物の捕食によって大幅に低下してしまうことにな
る。さらに、もともと現場の環境下では増殖することが
できない、使い捨てタイプの分解微生物の場合、本来の
機能を十分に発揮する前に原生動物に捕食されて、添加
菌体量当たりの処理効果が著しく低下してしまう結果に
なる。
ても、増殖速度よりも捕食される速度が大きければ、菌
数は時間と共に減少してしまう。増殖速度の方が捕食速
度より大きい場合でも、捕食される分、見かけの増殖速
度は低下する。いずれにしろ、汚染物質の処理効果は原
生動物の捕食によって大幅に低下してしまうことにな
る。さらに、もともと現場の環境下では増殖することが
できない、使い捨てタイプの分解微生物の場合、本来の
機能を十分に発揮する前に原生動物に捕食されて、添加
菌体量当たりの処理効果が著しく低下してしまう結果に
なる。
【0007】このような、原生動物の捕食を防ぐ方法と
して、微生物をポリビニルアルコールやポリアクリルア
ミド等の高分子化合物を用いて包括固定化する方法(例
えば特開平7−97673号)、微生物を吸水性ポリマ
ーに保持させて汚染環境に注入して浄化する方法(例え
ば特開平7−124543号)が提案されている。しか
し、これら従来の方法は、微生物を固定化または保持さ
せる操作が複雑で熟練を要するなどの問題点がある。
して、微生物をポリビニルアルコールやポリアクリルア
ミド等の高分子化合物を用いて包括固定化する方法(例
えば特開平7−97673号)、微生物を吸水性ポリマ
ーに保持させて汚染環境に注入して浄化する方法(例え
ば特開平7−124543号)が提案されている。しか
し、これら従来の方法は、微生物を固定化または保持さ
せる操作が複雑で熟練を要するなどの問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、簡単
な操作で原生動物による捕食を効果的に抑制し、汚染環
境を効率よく浄化することができる汚染環境の生物学的
浄化方法を提案することである。
な操作で原生動物による捕食を効果的に抑制し、汚染環
境を効率よく浄化することができる汚染環境の生物学的
浄化方法を提案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は次の汚染環境の
生物学的浄化方法である。 (1)汚染物質浄化能を有する微生物を汚染環境に注入
して浄化する方法において、浄化対象区域に複数設けた
距離の離れた地点から微生物を逐次注入することを特徴
とする汚染環境の生物学的浄化方法。 (2)地下水滞留時間で2日以上離れた地点から逐次注
入する上記(1)記載の方法。 (3)同一地点からは2日以上の間隔を置いて注入する
上記(1)または(2)記載の方法。
生物学的浄化方法である。 (1)汚染物質浄化能を有する微生物を汚染環境に注入
して浄化する方法において、浄化対象区域に複数設けた
距離の離れた地点から微生物を逐次注入することを特徴
とする汚染環境の生物学的浄化方法。 (2)地下水滞留時間で2日以上離れた地点から逐次注
入する上記(1)記載の方法。 (3)同一地点からは2日以上の間隔を置いて注入する
上記(1)または(2)記載の方法。
【0010】本発明の汚染環境の生物学的浄化方法にお
いては、汚染物質浄化能を有する微生物を、浄化対象区
域に複数設けた距離の離れた地点から逐次注入(添加)
し、注入した微生物により汚染物質を分解または無害化
することにより汚染環境を浄化する。微生物が汚染環境
に注入されると、この注入された微生物により汚染物質
が分解され、汚染環境がある程度浄化される。しかし、
時間が経過するとともに注入された微生物が原生動物に
捕食され、原生動物の個体数が増加するので、この状態
で微生物の注入を続けても、注入された微生物の多くは
増殖した原生動物に捕食されるだけで、汚染物質の浄化
にはほとんど作用しない。このため、同一地点から微生
物を注入しても環境の浄化はこれ以上にはほとんど進ま
ない。
いては、汚染物質浄化能を有する微生物を、浄化対象区
域に複数設けた距離の離れた地点から逐次注入(添加)
し、注入した微生物により汚染物質を分解または無害化
することにより汚染環境を浄化する。微生物が汚染環境
に注入されると、この注入された微生物により汚染物質
が分解され、汚染環境がある程度浄化される。しかし、
時間が経過するとともに注入された微生物が原生動物に
捕食され、原生動物の個体数が増加するので、この状態
で微生物の注入を続けても、注入された微生物の多くは
増殖した原生動物に捕食されるだけで、汚染物質の浄化
にはほとんど作用しない。このため、同一地点から微生
物を注入しても環境の浄化はこれ以上にはほとんど進ま
ない。
【0011】そこで本発明の方法では、浄化対象区域に
注入地点を複数設け、微生物を逐次注入するようにし、
異なる地点から注入を行う。この場合距離の離れた注入
地点、すなわち原生動物が増殖していない別の地点に注
入することにより、微生物の捕食は防止され、環境の浄
化が進行する。逐次注入を続けていくと、再び同一地点
からの注入を行うことになるが、再度注入を行う際には
その地点における原生動物の個体数は減少しているの
で、原生動物による捕食は防止され、前回の注入と同様
に環境の浄化が進行する。このような逐次注入を行うこ
とにより、原生動物による微生物の捕食を抑制して、汚
染物質の浄化を効率よく行うことができる。
注入地点を複数設け、微生物を逐次注入するようにし、
異なる地点から注入を行う。この場合距離の離れた注入
地点、すなわち原生動物が増殖していない別の地点に注
入することにより、微生物の捕食は防止され、環境の浄
化が進行する。逐次注入を続けていくと、再び同一地点
からの注入を行うことになるが、再度注入を行う際には
その地点における原生動物の個体数は減少しているの
で、原生動物による捕食は防止され、前回の注入と同様
に環境の浄化が進行する。このような逐次注入を行うこ
とにより、原生動物による微生物の捕食を抑制して、汚
染物質の浄化を効率よく行うことができる。
【0012】本発明において浄化の対象となる汚染環境
は、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン(TC
E)、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans
−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレ
ン、ビニルクロリド、塩化メチル、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロ
プロペン、1,2−ジクロロプロパン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、PCB、ダイオキシン類等の有
機塩素化合物;ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、
キシレン、多環芳香族化合物、重金属などの有害物質に
より汚染された土壌、地下水または排水などの環境であ
る。このような環境には汚染源が河川や湖沼である場合
には、これらの河川や湖沼も含まれる。
は、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン(TC
E)、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans
−1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレ
ン、ビニルクロリド、塩化メチル、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,3−ジクロロ
プロペン、1,2−ジクロロプロパン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、PCB、ダイオキシン類等の有
機塩素化合物;ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、
キシレン、多環芳香族化合物、重金属などの有害物質に
より汚染された土壌、地下水または排水などの環境であ
る。このような環境には汚染源が河川や湖沼である場合
には、これらの河川や湖沼も含まれる。
【0013】このような汚染環境を浄化するために添加
する微生物は、汚染環境に含まれる汚染有害物質を分解
または無害化して浄化する汚染物質浄化能を有する微生
物である。このような微生物はその後の効果の持続性の
観点から次の2つのタイプに分けることができる。その
一つは、現場にて増殖でき、一度注入すれば処理効果が
継続するタイプのものである。それに対し、他の一つは
現場では増殖できず、添加した微生物が一定の機能を発
揮した後、やがてはその機能を失う使い捨てタイプのも
のである。
する微生物は、汚染環境に含まれる汚染有害物質を分解
または無害化して浄化する汚染物質浄化能を有する微生
物である。このような微生物はその後の効果の持続性の
観点から次の2つのタイプに分けることができる。その
一つは、現場にて増殖でき、一度注入すれば処理効果が
継続するタイプのものである。それに対し、他の一つは
現場では増殖できず、添加した微生物が一定の機能を発
揮した後、やがてはその機能を失う使い捨てタイプのも
のである。
【0014】本発明で使用する微生物は、上記二つのい
ずれのタイプのものでもよく、自然界から単離された純
粋培養菌、純粋培養菌の数種類を混合した微生物群、対
象汚染物質に対する高い分解活性を示すような条件で集
積された混合微生物、自然界に存在する微生物よりも高
い分解能を示すように遺伝子組換え操作によって改良さ
れた遺伝子組換え体、およびこれらの混合物などが使用
できる。
ずれのタイプのものでもよく、自然界から単離された純
粋培養菌、純粋培養菌の数種類を混合した微生物群、対
象汚染物質に対する高い分解活性を示すような条件で集
積された混合微生物、自然界に存在する微生物よりも高
い分解能を示すように遺伝子組換え操作によって改良さ
れた遺伝子組換え体、およびこれらの混合物などが使用
できる。
【0015】上記遺伝子組換え体としては、例えばトリ
クロロエチレン(TCE)を分解できるように改変され
た遺伝子組換え体であるPseudomonas putida KN1-10A
(環境工学研究論文集、Vol.33、p165−17
5、1996)、Ralstonia sp. KN1-200A(Pseudomona
s putida KN1-200Aが改名されたものであり、Pseudomon
as putida KN1-200Aについては特開平11−18773
号に詳しく記載されている)、Ralstonia sp. KN1-210A
(Pseudomonas putida KN1-210Aが改名されたものであ
り、Pseudomonas putida KN1-210Aについては特開平1
1−18774号に詳しく記載されている)などがあげ
られる。これらの組換え体は、TCEを酸化分解できる
酵素フェノールヒドロキシラーゼをコードする遺伝子
が、フェノール誘導なしに発現するように改変された遺
伝子組換え体である。その他にも、塩素化エチレン分解
能を有するEscherichia coli KWI-10(通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−13
966の微生物受託番号で寄託されており、その菌株的
性質および培養方法等については特開平7−14388
2号に記載されている)などがあげられる。これらの組
換え体はTCEを基質として増殖することはできないた
め、土壌、地下水または排水に添加した菌体は一定量の
TCEを分解した後、死滅する。
クロロエチレン(TCE)を分解できるように改変され
た遺伝子組換え体であるPseudomonas putida KN1-10A
(環境工学研究論文集、Vol.33、p165−17
5、1996)、Ralstonia sp. KN1-200A(Pseudomona
s putida KN1-200Aが改名されたものであり、Pseudomon
as putida KN1-200Aについては特開平11−18773
号に詳しく記載されている)、Ralstonia sp. KN1-210A
(Pseudomonas putida KN1-210Aが改名されたものであ
り、Pseudomonas putida KN1-210Aについては特開平1
1−18774号に詳しく記載されている)などがあげ
られる。これらの組換え体は、TCEを酸化分解できる
酵素フェノールヒドロキシラーゼをコードする遺伝子
が、フェノール誘導なしに発現するように改変された遺
伝子組換え体である。その他にも、塩素化エチレン分解
能を有するEscherichia coli KWI-10(通商産業省工業
技術院生命工学工業技術研究所に、FERM P−13
966の微生物受託番号で寄託されており、その菌株的
性質および培養方法等については特開平7−14388
2号に記載されている)などがあげられる。これらの組
換え体はTCEを基質として増殖することはできないた
め、土壌、地下水または排水に添加した菌体は一定量の
TCEを分解した後、死滅する。
【0016】このような有用な機能を持った特定の微生
物を自然環境に添加する際、それらを捕食し効果を減少
させてしまうのは原生動物であり、その中で特に問題と
なるのはflagellateやciliateなどで
ある。これらは微生物を捕食することによって急速に増
殖していく。このため、第1回目の注入では、微生物に
より浄化の効果が得られるが、時間が経過するとともに
原生動物に捕食されて微生物の菌体数は減少し、一方原
生動物の個体数が増加するので、浄化の効果は小さくな
る。原生動物の個体数が増加した状態で微生物の注入を
継続しても、注入した微生物は原生動物に捕食されるの
で、効果は小さい。しかし、逐次注入することにより、
原生動物の個体数が減少した後再び微生物を注入するよ
うにすると、前回の注入と同様に効果が得られる。
物を自然環境に添加する際、それらを捕食し効果を減少
させてしまうのは原生動物であり、その中で特に問題と
なるのはflagellateやciliateなどで
ある。これらは微生物を捕食することによって急速に増
殖していく。このため、第1回目の注入では、微生物に
より浄化の効果が得られるが、時間が経過するとともに
原生動物に捕食されて微生物の菌体数は減少し、一方原
生動物の個体数が増加するので、浄化の効果は小さくな
る。原生動物の個体数が増加した状態で微生物の注入を
継続しても、注入した微生物は原生動物に捕食されるの
で、効果は小さい。しかし、逐次注入することにより、
原生動物の個体数が減少した後再び微生物を注入するよ
うにすると、前回の注入と同様に効果が得られる。
【0017】注入の方法は微生物を汚染された土壌表面
に散布する方法、注入管から土壌中に注入する方法、地
下水源に注入する方法、排水に添加する方法などがあ
る。浄化の方法はこれらの微生物を注入するだけでよい
場合もあるが、微生物の種類によっては水、酸素、栄養
源等を供給することもできる。
に散布する方法、注入管から土壌中に注入する方法、地
下水源に注入する方法、排水に添加する方法などがあ
る。浄化の方法はこれらの微生物を注入するだけでよい
場合もあるが、微生物の種類によっては水、酸素、栄養
源等を供給することもできる。
【0018】同一地点から注入する間隔は、注入する環
境により異なり、一概に限定することはできないが、通
常2日以上、好ましくは3〜7日間の間隔を置いて注入
するのが好ましい。このような間隔を置くと、原生動物
の個体数は減少しているので、再度同一地点から注入を
行っても、効率よく環境浄化を行うことができる。注入
する間隔は、予備試験などにより、原生動物の減少速度
を予め求めておくことにより決定することができる。ま
た注入は目的の浄化度が得られるまで、何度でも繰り返
し行うことができる。
境により異なり、一概に限定することはできないが、通
常2日以上、好ましくは3〜7日間の間隔を置いて注入
するのが好ましい。このような間隔を置くと、原生動物
の個体数は減少しているので、再度同一地点から注入を
行っても、効率よく環境浄化を行うことができる。注入
する間隔は、予備試験などにより、原生動物の減少速度
を予め求めておくことにより決定することができる。ま
た注入は目的の浄化度が得られるまで、何度でも繰り返
し行うことができる。
【0019】注入地点の数は、前記間隔を置くことがで
き、しかも距離の離れた地点に注入することができ、さ
らに浄化対象区域の全体を浄化することができる数とす
るのが好ましい。
き、しかも距離の離れた地点に注入することができ、さ
らに浄化対象区域の全体を浄化することができる数とす
るのが好ましい。
【0020】本発明の方法において、距離の離れた地点
とは、ある地点に微生物を注入してもその注入による原
生動物の個体数の増加が認められないか、または増加の
程度が小さい別の地点を意味する。2地点間の距離は一
概に決めることはできず、例えば地下水路を浄化する場
合、地下水の流れに乗って微生物が広く拡散するので2
地点間の距離は長くなる。地下水路を浄化する場合、地
下水滞留時間で2日以上離れた地点から逐次注入するの
が好ましい。一方、表面土壌を浄化する場合は、微生物
は主に土壌表面から下層方向に拡散し、水平方向の拡散
は狭いので、2地点間の距離は地下水路の場合よりも短
くなる。また同一の浄化対象区域内であっても、微生物
拡散の程度の違いにより、次回の注入地点までの距離は
違ってくる。
とは、ある地点に微生物を注入してもその注入による原
生動物の個体数の増加が認められないか、または増加の
程度が小さい別の地点を意味する。2地点間の距離は一
概に決めることはできず、例えば地下水路を浄化する場
合、地下水の流れに乗って微生物が広く拡散するので2
地点間の距離は長くなる。地下水路を浄化する場合、地
下水滞留時間で2日以上離れた地点から逐次注入するの
が好ましい。一方、表面土壌を浄化する場合は、微生物
は主に土壌表面から下層方向に拡散し、水平方向の拡散
は狭いので、2地点間の距離は地下水路の場合よりも短
くなる。また同一の浄化対象区域内であっても、微生物
拡散の程度の違いにより、次回の注入地点までの距離は
違ってくる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、汚染物質浄化能を有す
る微生物を、浄化対象区域に複数設けた距離の離れた地
点から逐次注入するようにしたので、簡単な操作で原生
動物による捕食を効果的に抑制することができ、これに
より汚染環境を効率よく浄化することができる。
る微生物を、浄化対象区域に複数設けた距離の離れた地
点から逐次注入するようにしたので、簡単な操作で原生
動物による捕食を効果的に抑制することができ、これに
より汚染環境を効率よく浄化することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の方法を図面を用いて説明
する。図1は微生物を汚染地下水に注入して浄化する例
を示す実施例の模式的断面図であり、1は培養槽、2は
微生物、3a、3b……は注入井、15は表面土壌、1
6は汚染土壌、17は汚染地下水路、18は不透水層で
ある。注入井3a、3b……は3個以上設けられている
が、図示は2つだけである。注入井3a、3bは表面土
壌15からその下端が汚染地下水路17に到達するよう
に形成されている。注入井3aと注入井3bとは、地下
水滞留時間で2日以上離れた地点に設けられている。
する。図1は微生物を汚染地下水に注入して浄化する例
を示す実施例の模式的断面図であり、1は培養槽、2は
微生物、3a、3b……は注入井、15は表面土壌、1
6は汚染土壌、17は汚染地下水路、18は不透水層で
ある。注入井3a、3b……は3個以上設けられている
が、図示は2つだけである。注入井3a、3bは表面土
壌15からその下端が汚染地下水路17に到達するよう
に形成されている。注入井3aと注入井3bとは、地下
水滞留時間で2日以上離れた地点に設けられている。
【0023】図1の方法では、培養槽1に微生物供給路
5から植種用微生物を添加した後、培養する微生物が資
化できる有機物および栄養塩類を栄養素供給路6から添
加し、必要により送気路7から空気または酸素を送気す
るとともに、撹拌機8で撹拌しながら培養する。培養は
微生物2の増殖に最適な温度に制御しながら行うのが好
ましい。
5から植種用微生物を添加した後、培養する微生物が資
化できる有機物および栄養塩類を栄養素供給路6から添
加し、必要により送気路7から空気または酸素を送気す
るとともに、撹拌機8で撹拌しながら培養する。培養は
微生物2の増殖に最適な温度に制御しながら行うのが好
ましい。
【0024】このようにして培養した微生物2を含む培
養液を、まずポンプ10aにより注入井路11aを通し
て注入井3aに導入し、注入井3aの下端から汚染地下
水路17に注入する。このようにして汚染地下水路17
中に注入された微生物2は、地下水の流れ(図1では、
左から右)に乗って下流に拡散するとともに、汚染土壌
16中にも入り込む。このようにして汚染地下水路17
および汚染土壌16に注入された微生物2の作用により
汚染環境中の汚染物質が分解される。時間が経過すると
ともに、注入した微生物2を捕食して原生動物の個体数
が増加するので、時間の経過とともに浄化の効果は低下
する。さらに時間が経過すると、捕食する微生物がなく
なり、栄養源がなくなるので原生動物の個体数も自然に
減少する。
養液を、まずポンプ10aにより注入井路11aを通し
て注入井3aに導入し、注入井3aの下端から汚染地下
水路17に注入する。このようにして汚染地下水路17
中に注入された微生物2は、地下水の流れ(図1では、
左から右)に乗って下流に拡散するとともに、汚染土壌
16中にも入り込む。このようにして汚染地下水路17
および汚染土壌16に注入された微生物2の作用により
汚染環境中の汚染物質が分解される。時間が経過すると
ともに、注入した微生物2を捕食して原生動物の個体数
が増加するので、時間の経過とともに浄化の効果は低下
する。さらに時間が経過すると、捕食する微生物がなく
なり、栄養源がなくなるので原生動物の個体数も自然に
減少する。
【0025】注入井3aから汚染地下水路17に微生物
2を注入した後、ポンプ10bにより注入井路11bを
通して注入井3bに導入し、注入井3bの下端から前記
培養液を汚染地下水路17に注入する。注入井3aと注
入井3bとは、地下水滞留時間で2日以上離れた地点に
設けられているので、注入井3bから下流の汚染地下水
路17および汚染土壌16中の原生動物の個体数は増加
しておらず、このため微生物2により汚染物質が分解さ
れ、環境が浄化される。時間が経過すると、注入井3a
の地点を通過した地下水が注入井3bの地点に到達する
が、注入井3bに到達した時点では地下水中の原生動物
の個体数はすでに減少しているので、注入井3aから微
生物2を注入した影響を注入井3bから下流の地点では
受けない。
2を注入した後、ポンプ10bにより注入井路11bを
通して注入井3bに導入し、注入井3bの下端から前記
培養液を汚染地下水路17に注入する。注入井3aと注
入井3bとは、地下水滞留時間で2日以上離れた地点に
設けられているので、注入井3bから下流の汚染地下水
路17および汚染土壌16中の原生動物の個体数は増加
しておらず、このため微生物2により汚染物質が分解さ
れ、環境が浄化される。時間が経過すると、注入井3a
の地点を通過した地下水が注入井3bの地点に到達する
が、注入井3bに到達した時点では地下水中の原生動物
の個体数はすでに減少しているので、注入井3aから微
生物2を注入した影響を注入井3bから下流の地点では
受けない。
【0026】さらに別の場所に設けた注入井(図示は省
略)から、上記と同様に微生物を注入して環境を浄化す
る。このようにして逐次注入を行い、再び注入井3aか
ら注入する順番になると、前記と同様に微生物2を含む
培養液を注入井3aから汚染地下水路17に注入する。
この時は、前回の注入からは時間が経過しているので原
生動物の個体数はすでに減少しているので、微生物の捕
食は防止され、環境の浄化は前回よりもさらに進行す
る。このような逐次注入を行うことにより、簡単に、効
率よく汚染環境を浄化することができる。
略)から、上記と同様に微生物を注入して環境を浄化す
る。このようにして逐次注入を行い、再び注入井3aか
ら注入する順番になると、前記と同様に微生物2を含む
培養液を注入井3aから汚染地下水路17に注入する。
この時は、前回の注入からは時間が経過しているので原
生動物の個体数はすでに減少しているので、微生物の捕
食は防止され、環境の浄化は前回よりもさらに進行す
る。このような逐次注入を行うことにより、簡単に、効
率よく汚染環境を浄化することができる。
【0027】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。製造
例で使用したプラスミドおよび微生物は次の通りであ
る。
例で使用したプラスミドおよび微生物は次の通りであ
る。
【0028】《ラルストニア sp. KWI−9(Ra
lstonia sp. KWI-9)》フェノール資化能を有し、トル
エン資化能を有さない塩素化エチレン分解性菌株であ
る。塩素化エチレン分解性はフェノールの共存により著
しく阻害される。ラルストニア sp. KWI−9
は、シュードモナス プチダ KWI−9(Pseudomona
s putida KWI-9)が改名されたものであり、シュードモ
ナス プチダKWI−9菌株は通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に、FERMBP−6356(微
工研菌寄第P−13109号より移管)の微生物受託番
号で寄託されており、その菌株的性質および培養方法等
については特開平6−70753号に記載されている。 《E. coli S17-1株》IncP系プラスミドRP4を染色体
上に内在する大腸菌であって、作成方法はBIO/TECHNOLO
GY 1, 784-791(1983)に記載されており、またUS. Depar
tment of Agriculture, Northern Regional Research C
enterに寄託されている(Accession No. B-15483, US.
Patent 4,680,264)。 《pTrc99A》タンパク質の発現ベクターpKK233-2(ファ
ルマシア社の製品コード番号27-4935-01)の誘導体。こ
のプラスミドはファルマシア社から市販されており、製
品コード番号は27-5007-01である。
lstonia sp. KWI-9)》フェノール資化能を有し、トル
エン資化能を有さない塩素化エチレン分解性菌株であ
る。塩素化エチレン分解性はフェノールの共存により著
しく阻害される。ラルストニア sp. KWI−9
は、シュードモナス プチダ KWI−9(Pseudomona
s putida KWI-9)が改名されたものであり、シュードモ
ナス プチダKWI−9菌株は通商産業省工業技術院生
命工学工業技術研究所に、FERMBP−6356(微
工研菌寄第P−13109号より移管)の微生物受託番
号で寄託されており、その菌株的性質および培養方法等
については特開平6−70753号に記載されている。 《E. coli S17-1株》IncP系プラスミドRP4を染色体
上に内在する大腸菌であって、作成方法はBIO/TECHNOLO
GY 1, 784-791(1983)に記載されており、またUS. Depar
tment of Agriculture, Northern Regional Research C
enterに寄託されている(Accession No. B-15483, US.
Patent 4,680,264)。 《pTrc99A》タンパク質の発現ベクターpKK233-2(ファ
ルマシア社の製品コード番号27-4935-01)の誘導体。こ
のプラスミドはファルマシア社から市販されており、製
品コード番号は27-5007-01である。
【0029】製造例1 《1.Ralstonia sp. KN1-200Aの作製》Ralstonia sp.
KWI-9の染色体上にコードされている塩素化エチレン分
解能を有するフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子群を、
図2に示す。塩素化エチレン分解のための必須遺伝子
は、pheAからpheEまでの5つの遺伝子群(塩素化エチレ
ン分解遺伝子群)である。またpheA上流のpheZは塩素化
エチレン分解促進遺伝子である。pheZの上流に、下記方
法によりtacプロモーターを導入した。そしてRalstonia
sp. KN1-200Aを、以下に示すように相同的組換えによ
って作製した(図2参照)。
KWI-9の染色体上にコードされている塩素化エチレン分
解能を有するフェノールヒドロキシラーゼ遺伝子群を、
図2に示す。塩素化エチレン分解のための必須遺伝子
は、pheAからpheEまでの5つの遺伝子群(塩素化エチレ
ン分解遺伝子群)である。またpheA上流のpheZは塩素化
エチレン分解促進遺伝子である。pheZの上流に、下記方
法によりtacプロモーターを導入した。そしてRalstonia
sp. KN1-200Aを、以下に示すように相同的組換えによ
って作製した(図2参照)。
【0030】1)相同的組換えに必要なpheZ上流の相同
部分の取得pheZ 上流の1.1kbをPCRで合成するために、以下
のプライマーペアを用い、Ralstonia sp. KWI-9の染色
体をテンプレートとした。 Upper Primer: 5'-GGG GAA TTC GGG GGA GGG GGT AAG G
GG GTG GTG-3' Lower Primer: 5'-GGG CCC GGG AAG AGC GTG CCA GCT G
GC GCA AAC-3' (Upper PrimerのアンダーラインはEcoRIサイト、Lower
PrimerのアンダーラインはSmaIサイトを示す。)
部分の取得pheZ 上流の1.1kbをPCRで合成するために、以下
のプライマーペアを用い、Ralstonia sp. KWI-9の染色
体をテンプレートとした。 Upper Primer: 5'-GGG GAA TTC GGG GGA GGG GGT AAG G
GG GTG GTG-3' Lower Primer: 5'-GGG CCC GGG AAG AGC GTG CCA GCT G
GC GCA AAC-3' (Upper PrimerのアンダーラインはEcoRIサイト、Lower
PrimerのアンダーラインはSmaIサイトを示す。)
【0031】2)PCR合成された相同部分の1.1k
bの EcoRI-SmaI 断片のpKNA82(図3参照)への挿入 PCR合成された相同部分の1.1kbの EcoRI-SmaI
断片(図2においてF1で示されている断片)は、左右
にPacIサイトを有するプラスミドベクターpKNA82のEcoR
I-SmaIの部分に挿入した。
bの EcoRI-SmaI 断片のpKNA82(図3参照)への挿入 PCR合成された相同部分の1.1kbの EcoRI-SmaI
断片(図2においてF1で示されている断片)は、左右
にPacIサイトを有するプラスミドベクターpKNA82のEcoR
I-SmaIの部分に挿入した。
【0032】3)相同的組換えに必要なpheZおよびpheA
の一部分を有する相同部分の取得pheZ およびpheAをPCR合成により取得するため、以下
のプライマーペアーを用いて、Ralstonia sp. KWI-9の
染色体をテンプレートとした。 Upper Primer: 5'-GGG GGA TCC CGC AAT AGA GGC CAT A
CC GCC CA-3' Lower Primer: 5'-CGC GGA TCC GGC GGT TTC CTC AGG C
GG CAA GGC-3' (Upper PrimerおよびLower PrimerのアンダーラインはB
amHIサイトを示す。)
の一部分を有する相同部分の取得pheZ およびpheAをPCR合成により取得するため、以下
のプライマーペアーを用いて、Ralstonia sp. KWI-9の
染色体をテンプレートとした。 Upper Primer: 5'-GGG GGA TCC CGC AAT AGA GGC CAT A
CC GCC CA-3' Lower Primer: 5'-CGC GGA TCC GGC GGT TTC CTC AGG C
GG CAA GGC-3' (Upper PrimerおよびLower PrimerのアンダーラインはB
amHIサイトを示す。)
【0033】合成されたDNA断片は、BamHIとSalIで消化
し、pheZの開始点からpheA中のSalIサイトまでの1kb
の BamHI-SalI 断片(図2においてF2で示されている
断片)をもう一つの相同部分とした。
し、pheZの開始点からpheA中のSalIサイトまでの1kb
の BamHI-SalI 断片(図2においてF2で示されている
断片)をもう一つの相同部分とした。
【0034】4)PCR合成された相同部分の1kbの
BamHI-SalI 断片のpKNA82への挿入 PCR合成された相同部分の1kbの BamHI-SalI 断片
(F2)は、前記2)ですでに挿入されたEcoRI-SmaI
断片(F1)に続いてpKNA82の BamHI-SalIに挿入し
た。
BamHI-SalI 断片のpKNA82への挿入 PCR合成された相同部分の1kbの BamHI-SalI 断片
(F2)は、前記2)ですでに挿入されたEcoRI-SmaI
断片(F1)に続いてpKNA82の BamHI-SalIに挿入し
た。
【0035】5)相同な断片に挟まれたSmaI-BamHIサイ
トへのtacプロモーターの挿入 F1およびF2の2個の断片が挿入されたpKNA82におい
て、まず左側(F1)の相同部分の右端のSmaIサイトに
HindIIIリンカー(d(pCAAGCTTG))を挿入した。次に、
このプラスミドをHindIIIおよびBamHIで切断し、この部
分に以下のtacプロモーター(二本鎖DNA、表示は一
本鎖DNA)をHindIIIおよびBamHIで切断後挿入した。 5'-AAG CTT ACT CCC CAT CCC CCT GTT GAC AAT TAA TCA
TCG GCT CGTATA ATG TGT GGA ATT GTG AGC GGA TAA CA
A TTT CAC ACA GGA AACAGG ATC C-3' (アンダーライン部はHindIIIおよびBamHIサイトを示
す。)
トへのtacプロモーターの挿入 F1およびF2の2個の断片が挿入されたpKNA82におい
て、まず左側(F1)の相同部分の右端のSmaIサイトに
HindIIIリンカー(d(pCAAGCTTG))を挿入した。次に、
このプラスミドをHindIIIおよびBamHIで切断し、この部
分に以下のtacプロモーター(二本鎖DNA、表示は一
本鎖DNA)をHindIIIおよびBamHIで切断後挿入した。 5'-AAG CTT ACT CCC CAT CCC CCT GTT GAC AAT TAA TCA
TCG GCT CGTATA ATG TGT GGA ATT GTG AGC GGA TAA CA
A TTT CAC ACA GGA AACAGG ATC C-3' (アンダーライン部はHindIIIおよびBamHIサイトを示
す。)
【0036】6)tacプロモーターを含む相同部分のpMO
K180への挿入tac プロモーターを含む相同部分は、PacIで切り出し、
図2に示すpMOK180のPacIサイトに挿入した。作製され
たプラスミドは、E. coli S17-1株に導入した後、下記
のようにしてRalstonia sp. KWI-9と接合し、相同的組
換えによってtacプロモーターが染色体上のpheZ上流に
組み込まれた組換え体Ralstonia sp. KN1-200Aを選出し
た。
K180への挿入tac プロモーターを含む相同部分は、PacIで切り出し、
図2に示すpMOK180のPacIサイトに挿入した。作製され
たプラスミドは、E. coli S17-1株に導入した後、下記
のようにしてRalstonia sp. KWI-9と接合し、相同的組
換えによってtacプロモーターが染色体上のpheZ上流に
組み込まれた組換え体Ralstonia sp. KN1-200Aを選出し
た。
【0037】7)染色体上への挿入 相同的組換えを行う際には、供与菌のE. coli S17-1に
上記6)のtacプロモーターを含むpMOK180プラスミドを
導入後、LB液体培地(トリプトン10g、酵母エキス
5gおよびNaCl 5gを蒸留水1 literに溶解)
で、37℃で一晩培養し、同時に受容菌であるRalstoni
a sp. KWI-9株を30℃で、LB培地で一晩培養し、各
々の培養液0.5mLから菌体を遠心分離で集菌した。
これらの菌体は、生理食塩水(0.8%NaCl)1m
Lで懸濁、混合した上で、再び遠心分離で集菌、上澄み
を捨て、生理食塩水1mLで洗浄した。この洗浄操作を
再び繰り返し、沈殿させた後、混合菌体は50μLの生
理食塩水に懸濁させ、LB培地上の直径25mm、孔径
0.22μmの滅菌ミリポアフィルター上に滴下させ、
30℃で10時間接合させた。その後、フィルター上の
菌体を1mLの生理食塩水に懸濁させ、希釈液を無機塩
類、フルクトース20mMおよびカナマイシン100μ
g/mLを含む寒天培地に塗布し、30℃で3〜4日間
培養し、前記プラスミドすべてが染色体に挿入された菌
株を選出した。
上記6)のtacプロモーターを含むpMOK180プラスミドを
導入後、LB液体培地(トリプトン10g、酵母エキス
5gおよびNaCl 5gを蒸留水1 literに溶解)
で、37℃で一晩培養し、同時に受容菌であるRalstoni
a sp. KWI-9株を30℃で、LB培地で一晩培養し、各
々の培養液0.5mLから菌体を遠心分離で集菌した。
これらの菌体は、生理食塩水(0.8%NaCl)1m
Lで懸濁、混合した上で、再び遠心分離で集菌、上澄み
を捨て、生理食塩水1mLで洗浄した。この洗浄操作を
再び繰り返し、沈殿させた後、混合菌体は50μLの生
理食塩水に懸濁させ、LB培地上の直径25mm、孔径
0.22μmの滅菌ミリポアフィルター上に滴下させ、
30℃で10時間接合させた。その後、フィルター上の
菌体を1mLの生理食塩水に懸濁させ、希釈液を無機塩
類、フルクトース20mMおよびカナマイシン100μ
g/mLを含む寒天培地に塗布し、30℃で3〜4日間
培養し、前記プラスミドすべてが染色体に挿入された菌
株を選出した。
【0038】8)Ralstonia sp. KN1-200Aの選出 上記7)で作製された菌株をLB液体培地で一晩培養
後、希釈液を20μg/mLのXガル(すなわち5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドイル−β−D−ガラクト
シド)を含むLB寒天培地に塗布し、青いコロニーに混
じって観察された白いコロニーをpMOK180が抜け落ちた
菌株として選出した。この中から、0.1Mのカテコー
ルをスプレーすることによって黄変する菌株(tacプロ
モーターの働きによってカテコール−2,3−オキシゲ
ナーゼをコードするpheFが発現するため)を、tacプロ
モーターがpheZ上流に挿入されたRalstonia sp. KN1-20
0Aとして選出した。
後、希釈液を20μg/mLのXガル(すなわち5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドイル−β−D−ガラクト
シド)を含むLB寒天培地に塗布し、青いコロニーに混
じって観察された白いコロニーをpMOK180が抜け落ちた
菌株として選出した。この中から、0.1Mのカテコー
ルをスプレーすることによって黄変する菌株(tacプロ
モーターの働きによってカテコール−2,3−オキシゲ
ナーゼをコードするpheFが発現するため)を、tacプロ
モーターがpheZ上流に挿入されたRalstonia sp. KN1-20
0Aとして選出した。
【0039】9)pKNA82の作製(図3参照) ファルマシア製のpTrc99AのlacIqおよびtrcプロモータ
ー部分を、EcoT22IおよびNcoIで切断、削除し、得られ
た断片をT4ポリメラーゼで両端を平滑化した後、PacI
リンカー(d(pTTAATTAA))を挿入した。上記プラスミドの
マルチクローニングサイト内のHindIIIサイトをHindIII
で切断、T4ポリメラーゼで平滑化処理し、ここにもう
一つのPacIリンカー(d(pGTTAATTAAC))を挿入した。この
プラスミドをpKNA82とした。
ー部分を、EcoT22IおよびNcoIで切断、削除し、得られ
た断片をT4ポリメラーゼで両端を平滑化した後、PacI
リンカー(d(pTTAATTAA))を挿入した。上記プラスミドの
マルチクローニングサイト内のHindIIIサイトをHindIII
で切断、T4ポリメラーゼで平滑化処理し、ここにもう
一つのPacIリンカー(d(pGTTAATTAAC))を挿入した。この
プラスミドをpKNA82とした。
【0040】10)pMOK180の作製 pMOK180は、環境工学研究論文集 Vol. 33, pp165-175
(1996)に記載された方法により作製した。pMOK180はpBR
322由来のori遺伝子を使用し、可動化に必要な遺伝子は
pKT240のmobA、mobB、oriTを使用した。またマーカーと
しては、pCH110由来のgptプロモーターおよびlacZを含
む断片を利用した。
(1996)に記載された方法により作製した。pMOK180はpBR
322由来のori遺伝子を使用し、可動化に必要な遺伝子は
pKT240のmobA、mobB、oriTを使用した。またマーカーと
しては、pCH110由来のgptプロモーターおよびlacZを含
む断片を利用した。
【0041】実施例1、比較例1 図4は実施例において用いた浄化装置の試験装置を示す
フロー図である。図4において、21は処理槽(内径4
0mm、高さ750mm、有効容積942mL)であ
り、内部に平均粒径0.35mm、比重2.6g/cm
3、空隙率0.42の土壌22が充填されている。処理
槽21の下部には原水路23およびこれに合流する第1
の菌体注入路24が連絡し、上部に処理水路25が連絡
している。さらに処理槽21の中間部に、間隔を置いて
第2の菌体注入路26および第3の菌体注入路27が連
絡している。この装置を、下記浄化試験に使用した。
フロー図である。図4において、21は処理槽(内径4
0mm、高さ750mm、有効容積942mL)であ
り、内部に平均粒径0.35mm、比重2.6g/cm
3、空隙率0.42の土壌22が充填されている。処理
槽21の下部には原水路23およびこれに合流する第1
の菌体注入路24が連絡し、上部に処理水路25が連絡
している。さらに処理槽21の中間部に、間隔を置いて
第2の菌体注入路26および第3の菌体注入路27が連
絡している。この装置を、下記浄化試験に使用した。
【0042】汚染物質をトリクロロエチレン(TCE)
とし、前述の製造例1で得た遺伝子組換え体Ralstonia
sp. KN1-200A株を用いて以下の浄化試験を行った。
とし、前述の製造例1で得た遺伝子組換え体Ralstonia
sp. KN1-200A株を用いて以下の浄化試験を行った。
【0043】1)菌体懸濁液の調製 LB培地で培養したRalstonia sp. KN1-200A株をリン酸
緩衝液(5mM PO 4、pH7.0)で遠心洗浄した
後、再び新鮮なリン酸緩衝液に懸濁させた。これを菌体
懸濁液(菌体濃度=3200mg/L)とした。
緩衝液(5mM PO 4、pH7.0)で遠心洗浄した
後、再び新鮮なリン酸緩衝液に懸濁させた。これを菌体
懸濁液(菌体濃度=3200mg/L)とした。
【0044】2)Ralstonia sp. KN1-200Aの生菌数測定 テロラサイクリンを10μg/mLの濃度で含むR2A
寒天培地に、数段階希釈したサンプル液を塗布し、30
℃で培養した。1週間後、生育したコロニーをカウント
することによって、Ralstonia sp. KN1-200A株の生菌数
を求めた。なお、他の微生物が共存する系では、コロニ
ーの形態からRalstonia sp. KN1-200A株のコロニーと他
の微生物のコロニーとを区別し、測定した。
寒天培地に、数段階希釈したサンプル液を塗布し、30
℃で培養した。1週間後、生育したコロニーをカウント
することによって、Ralstonia sp. KN1-200A株の生菌数
を求めた。なお、他の微生物が共存する系では、コロニ
ーの形態からRalstonia sp. KN1-200A株のコロニーと他
の微生物のコロニーとを区別し、測定した。
【0045】3)原生動物の個体数の定量 サンプル液に1/10容量の10%グルタルアルデヒド
水溶液を添加し、固定化のため10分間反応させた。次
に、DAPI(4’,6’−ジアミジノ−2−フェニル
インドール(4',6'-diamidino-2-phenylindole))溶液
(300μg/mL)を1/1000容量添加し、さら
に10分間反応させた。この液を孔径0.8μmのポリ
カーボネートフィルター(ニュークリポア社製)でろ過
し、原生動物を捕捉した。このフィルターを蛍光顕微鏡
で観察し、DAPIに染まった原生動物の個数をカウン
トした。ここでは、大きさが3〜10μmのものだけを
原生動物として測定した。
水溶液を添加し、固定化のため10分間反応させた。次
に、DAPI(4’,6’−ジアミジノ−2−フェニル
インドール(4',6'-diamidino-2-phenylindole))溶液
(300μg/mL)を1/1000容量添加し、さら
に10分間反応させた。この液を孔径0.8μmのポリ
カーボネートフィルター(ニュークリポア社製)でろ過
し、原生動物を捕捉した。このフィルターを蛍光顕微鏡
で観察し、DAPIに染まった原生動物の個数をカウン
トした。ここでは、大きさが3〜10μmのものだけを
原生動物として測定した。
【0046】4)原生動物共存水道水中でのRalstonia
sp. KN1-200Aの生存数 脱塩素水道水(活性炭に通水することによって残留塩素
を除去した水道水)約100mLを加えた容量157m
Lのガラスバイアルビンに前記1)で得た菌体懸濁液
を、最終の液中濃度が2.5mg/Lとなるように添加
した。これに、原生動物が存在する活性汚泥を10μL
添加した。テフロンコートブチルゴムセプタムで栓を
し、アルミシールで密閉した。このバイアルを20℃の
室内で静置し、定期的にバイアル中の液をセプタムを通
してサンプリングし、Ralstonia sp.KN1-200Aの菌体数
および原生動物の個体数を測定した。結果を図5に示
す。
sp. KN1-200Aの生存数 脱塩素水道水(活性炭に通水することによって残留塩素
を除去した水道水)約100mLを加えた容量157m
Lのガラスバイアルビンに前記1)で得た菌体懸濁液
を、最終の液中濃度が2.5mg/Lとなるように添加
した。これに、原生動物が存在する活性汚泥を10μL
添加した。テフロンコートブチルゴムセプタムで栓を
し、アルミシールで密閉した。このバイアルを20℃の
室内で静置し、定期的にバイアル中の液をセプタムを通
してサンプリングし、Ralstonia sp.KN1-200Aの菌体数
および原生動物の個体数を測定した。結果を図5に示
す。
【0047】5)土カラム中でのTCE分解実験 図4の試験装置に川砂(粒径0.35mm)を充填した
後、TCEを約500μg/Lの濃度で含んだ脱塩素水
道水(原水)を、表1の条件で、約30日間予備通水を
行った。試験装置は3台用意し、比較例1、実施例1お
よびコントロールとした。
後、TCEを約500μg/Lの濃度で含んだ脱塩素水
道水(原水)を、表1の条件で、約30日間予備通水を
行った。試験装置は3台用意し、比較例1、実施例1お
よびコントロールとした。
【0048】
【表1】
【0049】予備通水を行った後、次の条件で菌体懸濁
液を注入し、TCE分解実験を行った。結果を図6に示
す。 ●比較例1:一日に一度、液中の平均濃度が2.5mg
/Lとなるように第1の菌体注入路24から菌体懸濁液
を注入した。 ●実施例1:菌体懸濁液の注入地点を一日毎に変更し、
同一地点からの注入は3日に一度となるように注入地点
を逐次変更した。すなわち、第1日目は第1の菌体注入
路24から、第2日目は第2の菌体注入路26から、第
3日目は第3の菌体注入路27から注入するサイクルを
繰り返し、菌体懸濁液を注入した。注入は一日に一度、
液中の平均濃度が2.5mg/Lとなるように行った。 ●コントロール:菌体懸濁液は注入しなかった。
液を注入し、TCE分解実験を行った。結果を図6に示
す。 ●比較例1:一日に一度、液中の平均濃度が2.5mg
/Lとなるように第1の菌体注入路24から菌体懸濁液
を注入した。 ●実施例1:菌体懸濁液の注入地点を一日毎に変更し、
同一地点からの注入は3日に一度となるように注入地点
を逐次変更した。すなわち、第1日目は第1の菌体注入
路24から、第2日目は第2の菌体注入路26から、第
3日目は第3の菌体注入路27から注入するサイクルを
繰り返し、菌体懸濁液を注入した。注入は一日に一度、
液中の平均濃度が2.5mg/Lとなるように行った。 ●コントロール:菌体懸濁液は注入しなかった。
【0050】6)結果 原生動物共存水道水中でのRalstonia sp. KN1-200Aの
生存数 図5の結果からわかるように、Ralstonia sp. KN1-200A
の生菌数は0〜24時間の間に約100分の1まで低下
した。また液中の原生動物の個体数は菌数の急激な低下
が見られた期間に急激に増加しており、これらの原生動
物がRalstoniasp. KN1-200Aを捕食することによって増
殖したことが確認された。増殖した原生動物は24〜4
8時間で急激に低下した。この結果から、地下水の滞留
時間が48時間を超えると、増殖した原生動物数は急激
に低下することが明らかとなった。
生存数 図5の結果からわかるように、Ralstonia sp. KN1-200A
の生菌数は0〜24時間の間に約100分の1まで低下
した。また液中の原生動物の個体数は菌数の急激な低下
が見られた期間に急激に増加しており、これらの原生動
物がRalstoniasp. KN1-200Aを捕食することによって増
殖したことが確認された。増殖した原生動物は24〜4
8時間で急激に低下した。この結果から、地下水の滞留
時間が48時間を超えると、増殖した原生動物数は急激
に低下することが明らかとなった。
【0051】土カラム中でのTCE分解実験 図6の結果からわかるように、菌体懸濁液を1地点から
のみ注入した比較例の場合は、TCEの分解効果は低か
った。これに対して、3地点から逐次注入した実施例の
場合は、500μg/LのTCEを約300μg/L分
解することができ、この能力は3か月間以上安定してい
た。このように、ある程度離れた地点からの逐次注入は
効果があることが確認された。
のみ注入した比較例の場合は、TCEの分解効果は低か
った。これに対して、3地点から逐次注入した実施例の
場合は、500μg/LのTCEを約300μg/L分
解することができ、この能力は3か月間以上安定してい
た。このように、ある程度離れた地点からの逐次注入は
効果があることが確認された。
【0052】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列の特徴 存在位置:4..9 他の情報:EcoRIサイト 特徴を決定した方法:S 配列 GGGGAATTCG GGGGAGGGGG TAAGGGGGTG GTG 33
【0053】 配列番号:2 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列の特徴 存在位置:4..9 他の情報:SmaIサイト 特徴を決定した方法:S 配列 GGGCCCGGGA AGAGCGTGCC AGCTGGCGCA AAC 33
【0054】 配列番号:3 配列の長さ:32 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列の特徴 存在位置:4..9 他の情報:BamHIサイト 特徴を決定した方法:S 配列 GGGGGATCCC GCAATAGAGG CCATACCGCC CA 32
【0055】 配列番号:4 配列の長さ:33 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プライマーDNA 配列の特徴 存在位置:4..9 他の情報:BamHIサイト 特徴を決定した方法:S 配列 CGCGGATCCG GCGGTTTCCT CAGGCGGCAA GGC 33
【0056】 配列番号:5 配列の長さ:97 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成プロモーターDNA 配列の特徴 存在位置:1..6 他の情報:HindIIIサイト 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:promoter 存在位置:7..91 特徴を決定した方法:S 存在位置:92..97 他の情報:BamHIサイト 特徴を決定した方法:S 配列 AAGCTTACTC CCCATCCCCC TGTTGACAAT TAATCATCGG CTCGTATAAT GTGTGGAATT 60 GTGAGCGGAT AACAATTTCA CACAGGAAAC AGGATCC 97
【図1】微生物を汚染地下水に注入して浄化する例を示
す実施例の模式的断面図である。
す実施例の模式的断面図である。
【図2】フェノールヒドロキシラーゼ遺伝子群(pheR〜
pheG)およびtacプロモーター挿入に必要な相同部分のp
KNA82への挿入過程を示す概略図である。
pheG)およびtacプロモーター挿入に必要な相同部分のp
KNA82への挿入過程を示す概略図である。
【図3】プラスミドpKNA82の制限酵素切断位置を示す概
略図である。
略図である。
【図4】実施例で用いた浄化装置の試験装置を示すフロ
ー図である。
ー図である。
【図5】実施例1および比較例1の結果を示すグラフで
ある。
ある。
【図6】実施例1および比較例1の結果を示すグラフで
ある。
ある。
1 培養槽 2 微生物 3a、3b 注入井 5 微生物供給路 6 栄養素供給路 7 送気路 8 撹拌機 10a、10b ポンプ 11a、11b 注入井路 15 表面土壌 16 汚染土壌 17 汚染地下水路 18 不透水層 21 処理槽 22 土壌 23 原水路 24 第1の菌体注入路 25 処理水路 26 第2の菌体注入路 27 第3の菌体注入路pheA 、pheB、pheC、pheD、pheE 塩素化エチレン分解遺
伝子pheZ 塩素化エチレン分解促進遺伝子pheF 機能不明な遺伝子pheG カテコール−2,3−オキシゲナーゼ遺伝子pheR フェノールによって誘導される調節遺伝子tac tacプロモーター Amp アンピシリン耐性遺伝子 Km カナマイシン耐性遺伝子lacZ β−ガラクトシダーゼ遺伝子
伝子pheZ 塩素化エチレン分解促進遺伝子pheF 機能不明な遺伝子pheG カテコール−2,3−オキシゲナーゼ遺伝子pheR フェノールによって誘導される調節遺伝子tac tacプロモーター Amp アンピシリン耐性遺伝子 Km カナマイシン耐性遺伝子lacZ β−ガラクトシダーゼ遺伝子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月20日(1999.5.2
0)
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】2)Ralstonia sp. KN1-200Aの生菌数測定 テトラサイクリンを10μg/mLの濃度で含むR2A
寒天培地に、数段階希釈したサンプル液を塗布し、30
℃で培養した。1週間後、生育したコロニーをカウント
することによって、Ralstonia sp. KN1-200A株の生菌数
を求めた。なお、他の微生物が共存する系では、コロニ
ーの形態からRalstonia sp. KN1-200A株のコロニーと他
の微生物のコロニーとを区別し、測定した。
寒天培地に、数段階希釈したサンプル液を塗布し、30
℃で培養した。1週間後、生育したコロニーをカウント
することによって、Ralstonia sp. KN1-200A株の生菌数
を求めた。なお、他の微生物が共存する系では、コロニ
ーの形態からRalstonia sp. KN1-200A株のコロニーと他
の微生物のコロニーとを区別し、測定した。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA41 AB03 AB06 AB07 CA18 CC07 4D027 AC02 4D040 DD01 DD20
Claims (3)
- 【請求項1】 汚染物質浄化能を有する微生物を汚染環
境に注入して浄化する方法において、浄化対象区域に複
数設けた距離の離れた地点から微生物を逐次注入するこ
とを特徴とする汚染環境の生物学的浄化方法。 - 【請求項2】 地下水滞留時間で2日以上離れた地点か
ら逐次注入する請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 同一地点からは2日以上の間隔を置いて
注入する請求項1または2記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11114077A JP2000301193A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 汚染環境の生物学的浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11114077A JP2000301193A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 汚染環境の生物学的浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000301193A true JP2000301193A (ja) | 2000-10-31 |
Family
ID=14628487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11114077A Pending JP2000301193A (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 汚染環境の生物学的浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000301193A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004237245A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-08-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 地下水浄化方法 |
JP2004237243A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-08-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 地下水浄化システム |
JP2006326500A (ja) * | 2005-05-26 | 2006-12-07 | Shinsei Kaihatsu:Kk | 汚染土壌の浄化方法 |
-
1999
- 1999-04-21 JP JP11114077A patent/JP2000301193A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004237245A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-08-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 地下水浄化方法 |
JP2004237243A (ja) * | 2003-02-07 | 2004-08-26 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 地下水浄化システム |
JP4513262B2 (ja) * | 2003-02-07 | 2010-07-28 | パナソニック株式会社 | 地下水浄化方法 |
JP4513261B2 (ja) * | 2003-02-07 | 2010-07-28 | パナソニック株式会社 | 地下水浄化システム |
JP2006326500A (ja) * | 2005-05-26 | 2006-12-07 | Shinsei Kaihatsu:Kk | 汚染土壌の浄化方法 |
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