JP2000301143A - 水質改良装置及び水質改良システム - Google Patents

水質改良装置及び水質改良システム

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JP2000301143A
JP2000301143A JP11114938A JP11493899A JP2000301143A JP 2000301143 A JP2000301143 A JP 2000301143A JP 11114938 A JP11114938 A JP 11114938A JP 11493899 A JP11493899 A JP 11493899A JP 2000301143 A JP2000301143 A JP 2000301143A
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water quality
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cavitation
pressure
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Mitsuyoshi Hatanaka
三芳 畑中
Hajime Yuasa
肇 湯浅
Hirosaku Kubo
啓作 久宝
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量の水を、短時間で効率的にかつ確実に水
質改良する。 【解決手段】 キャビテーションによって発生する水中
の気泡が破壊するときに生じる高温、高圧、衝撃波、超
音波等によって水質を改良する水質改良装置である。キ
ャビテーションの発生を容易にするために、処理する水
を貯えた貯留槽51内を減圧した。真空ポンプ54で減
圧する。また、貯留槽61を高い位置に設置し、落差を
利用して貯留槽61内を減圧してもよい。処理する水を
取り込むと共に処理後に排出する給排水機構(63,6
4,71,72,73)と、この給排水機構で取り込ま
れた水の水質を改良する水質改良装置50,60とで水
質改良システムを構成した。貯留槽51,61内の静圧
を低下させることで、スクリューによる動圧をあまり下
げなくてもキャビテーションを容易に発生できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャビテーション
を利用して水質を改良する水質改良装置及び水質改良シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】水中の気泡によって水質の改良を図るも
のとしては、例えば特開平8−243590号公報記載
の「曝気機能と散水機能を水流発生装置」が知られてい
る。この水流発生装置は、エグゼクターの絞り部で高速
の水流を作り、その高速の水流の中に空気吸込管から空
気を取り込んで、水中に気泡として混入させる。
【0003】この水流発生装置によって水中に気泡を混
入させ、この気泡中の酸素によって曝気効果を向上させ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記水流発
生装置では、気泡の発生量が限られており、大量の水に
対して大量の気泡を発生させて効率的に水質改良を図る
ことはできない。
【0005】また、上記曝気効果では、水質改良のため
に処理できる対象が細菌等に限られ、有害物質等を処理
することはできないため、効率的な水質改良を図ること
はできない。
【0006】さらに、上記水流発生装置では、圧力の高
い気泡混合水の一部を、還流管を介して絞り部に還流さ
せることで、絞り部及びその付近でエアクッション作用
を発揮させて、キャビテーションの発生を抑えているた
め、キャビテーションを利用して水質を改良することは
できない。
【0007】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、大量の水に対して効率的にかつ確実に水質の
改良を図ることができる水質改良装置及び水質改良シス
テムを提供する目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る水質改
良装置は、キャビテーションによって発生する水中の気
泡が破壊するときに生じる高温、高圧、衝撃波、超音波
等によって水質を改良する水質改良装置であって、キャ
ビテーションの発生を容易にするために、キャビテーシ
ョン発生装置部を減圧したことを特徴とする。
【0009】上記構成により、キャビテーション発生装
置部内を減圧すると、総圧(動圧と静圧)のうち静圧が
低下する。これにより、スクリュー等を高速で回転させ
て動圧を低下させなくても、キャビテーションが容易に
発生するようになる。この結果、キャビテーションによ
り大量の気泡を発生させて、効率的に水質を改良するこ
とができる。
【0010】第2の発明に係る水質改良装置は、第1の
発明に係る水質改良装置において、上記キャビテーショ
ン発生装置部に、その内部を減圧する真空ポンプを接続
したことを特徴とする。
【0011】上記構成により、真空ポンプでキャビテー
ション発生装置部内を減圧することで、上記静圧が低下
して、キャビテーションが容易に発生するようになる。
この結果、キャビテーションにより大量の気泡を発生さ
せて、効率的に水質を改良することができる。
【0012】第3の発明に係る水質改良装置は、第1の
発明に係る水質改良装置において、上記キャビテーショ
ン発生装置部を水面より高い位置に設置し、落差を利用
して減圧することを特徴とする。
【0013】上記構成により、キャビテーション発生装
置部を水面より高い位置に設置して減圧することで、上
記静圧が低下して、キャビテーションが容易に発生する
ようになる。この結果、キャビテーションにより大量の
気泡を発生させて、効率的に水質を改良することができ
る。
【0014】第4の発明に係る水質改良装置は、キャビ
テーションによって発生する水中の気泡が破壊するとき
に生じる高温、高圧、衝撃波、超音波等によって水質を
改良する水質改良装置であって、キャビテーションの発
生を容易にするために、処理する水を貯えた貯留槽内を
減圧したことを特徴とする。
【0015】上記構成により、貯留槽内を減圧すると、
上記第1の発明と同様に、総圧(動圧と静圧)のうち静
圧が低下する。これにより、スクリュー等を高速で回転
させて動圧を低下させなくても、キャビテーションが容
易に発生するようになる。この結果、キャビテーション
により大量の気泡を発生させて、効率的に水質を改良す
ることができる。
【0016】第5の発明に係る水質改良装置は、第4の
発明に係る水質改良装置において、上記貯留槽に、その
内部を減圧する真空ポンプを接続したことを特徴とす
る。
【0017】上記構成により、真空ポンプで貯留槽内を
真空引きして、静圧を低下させる。これにより、スクリ
ュー等を高速で回転させて動圧を低下させなくても、キ
ャビテーションが容易に発生するようになる。
【0018】第6の発明に係る水質改良装置は、上記貯
留槽を水面より高い位置に設置し、落差を利用して減圧
することを特徴とする。
【0019】上記構成により、貯留槽を水面より高い位
置に設置すると、水面と貯留槽との間に落差が生じて貯
留槽内が減圧される。即ち、静圧が低下する。これによ
り、スクリュー等を高速で回転させて動圧を低下させな
くても、キャビテーションが容易に発生するようにな
る。
【0020】第7の発明に係る水質改良システムは、水
質を改良したい水を取り込むと共に処理後に排出する給
排水機構と、この給排水機構で取り込まれた水の水質を
改良する第1乃至6の発明のいずれかに係る水質改良装
置とを備えたことを特徴とする。
【0021】上記構成により、給排水機構で水質改良装
置内に、水質を改良したい水を取り込む。水質改良装置
では、取り込まれた水の水質を改良する。
【0022】第1の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水がキャビテーション発生装置部内で減圧
され、高速回転するスクリュー等でキャビテーションを
発生させる。
【0023】第2の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水が、真空ポンプで真空引きされたキャビ
テーション発生装置部内で減圧され、高速回転するスク
リュー等でキャビテーションを発生させる。
【0024】第3の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水が、水面より高い位置に設置されたキャ
ビテーション発生装置部内で減圧され、高速回転するス
クリュー等でキャビテーションを発生させる。
【0025】第4の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水を貯えた貯留槽内が減圧され、高速回転
するスクリュー等でキャビテーションを発生させる。
【0026】第5の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水を貯えた貯留槽内が真空ポンプで真空引
きされて減圧され、高速回転するスクリュー等でキャビ
テーションを発生させる。
【0027】第6の発明に係る水質改良装置の場合は、
取り込まれた水を貯えた貯留槽が水面より高い位置に設
置されて水面と貯留槽との間に落差が設けられる。この
落差により貯留槽内が減圧される。高速回転するスクリ
ュー等でキャビテーションを発生させる。
【0028】上記キャビテーションによって水質が改良
された水は給排水機構で外部に排出される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水質改良装置
及び水質改良システムについて、添付図面を参照しなが
ら説明する。
【0030】まず、基本構成の水質改良装置について説
明する。
【0031】図6は基本構成の水質改良装置を示す概略
正面断面図、図7は図6の水質改良装置の概略平面断面
図、図8は図6水質改良装置の整流板を示す斜視図、図
9は図8の整流板が取り付けられる整流板支持用格子板
を示す正面図、図10は整流板に面して配設される格子
板を示す正面図である。
【0032】基本構成の水質改良装置1は、キャビテー
ションを利用して水質を改良する装置である。即ち、キ
ャビテーションによって発生する水中の気泡が壊れると
きに生じる高温、高圧、衝撃波、超音波等によって水質
を改良する装置である。
【0033】水質改良装置1は図6及び図7に示すよう
に主に、水が貯められた貯留槽2と、この貯留槽2内に
回転可能に設けられ、水中で回転してキャビテーション
を発生させるスクリュー3と、このスクリュー3によっ
て作られる水の流路に設けられ、スクリュー3から噴出
される水の中のキャビテーションを崩壊、生成させるキ
ャビテーション増幅機構4とから構成されている。本実
施形態では、スクリュー3は貯留槽2内に設けられてい
るので、スクリュー3によって作られる水の流路は、貯
留槽2内を循環する還流流路となる。
【0034】貯留槽2は直方体状に形成されている。貯
留槽2は、スクリュー3によって激しくかき回される内
部の水が外部に飛散しないように、密封されている。貯
留槽2の上部には、貯留槽2内に貯まった空気を抜く自
動エア抜き装置6が取り付けられている。さらに、貯留
槽2には、処理したい水を供給する供給管7と、処理後
の水を排出する排出管8が設けられている。これら供給
管7及び排出管8には、開閉及び流量を調整するバルブ
7A,8Aが設けられている。さらに、貯留槽2内の清
掃等のメンテナンス時に水を供給したり、排出したりす
るバルブ付き配管9,10等が設けられている。
【0035】スクリュー3は、貯留槽2内で水中に浸漬
して設けられ、水中で回転することによって貯留槽2内
の水を循環させると共に、キャビテーションを発生させ
る。このスクリュー3は、キャビテーションを積極的に
発生させるように設計されている。即ち、通常の技術で
は、壊食防止等のためにキャビテーションを極力発生し
ないように設計されるが、本実施形態では、水質改良の
ためにキャビテーションを積極的に発生させるように設
計されている。具体的には、水の流れの中でキャビテー
ションを効率的に発生させるように、流体力学的見地か
ら設計されている。さらに、スクリュー3は、キャビテ
ーションによる壊食を最小限に抑えるために、キャビテ
ーションに対する十分な強度を有する材料で成形されて
いる。具体的には、FRP、PP、セラミックス、ステ
ンレススチール等によって成形されている。このスクリ
ュー3は、貯留槽2内において、互いに対向させて一対
設けられている。
【0036】各スクリュー3は、貯留槽2の長手方向両
側にそれぞれ配設された駆動装置11によって回転駆動
される。各駆動装置11は、貯留槽2の外部にそれぞれ
設置された駆動モータ12と、貯留槽2の長手方向両側
の壁面に水密状態でそれぞれ取り付けられた連結機構部
13とから構成されている。連結機構部13は、貯留槽
2内のスクリュー3と貯留槽2外の駆動モータ12とを
連結すると共に変速させてスクリュー3を高速で回転さ
せるものである。各駆動モータ12は制御装置(図示せ
ず)に接続され、処理能力等の条件に応じて回転速度が
変更できるようになっている。なお、制御装置による駆
動モータ12の制御は、回転速度を連続的に変更できる
ように設定してもよく、また複数の回転速度に段階的に
変更できるように設定してもよい。処理する水の条件等
に応じて適宜設定する。
【0037】キャビテーション増幅機構4は、各スクリ
ュー3に面してそれぞれ設けられている。具体的には、
整流板15と、格子板16と、整流板支持用格子板17
とから構成されている。
【0038】整流板15は、整流板支持用格子板17に
支持された状態でスクリュー3の前面に配設されてい
る。この整流板15は、スクリュー3から渦を巻きなが
ら噴出される水を整流して高速の流れにすると共にその
水の流れの中に減圧部分を作ってさらにキャビテーショ
ンを発生させるものである。この整流板15は具体的に
は図8に示すように構成されている。ここでは、例えば
縦横に五枚ずつの羽根18が格子状に組み合わされて構
成されている。各羽根18は、その下流側端部が円弧状
に成形されている。そして、各羽根18を組み合わせた
状態で、各羽根18の下流側端部が球面の一部を構成す
るように設定されている。各羽根18は、上記スクリュ
ー3と同様に、水の流れの中でキャビテーションを効率
的に発生させるように、流体力学的見地から設計されて
いる。さらに、羽根18の材料も、上記スクリュー3と
同様に、キャビテーションによる壊食を最小限に抑える
ために、キャビテーションに対する十分な強度を有する
材料で成形されている。具体的には、FRP、PP、セ
ラミックス、ステンレススチール等によって成形されて
いる。
【0039】組み合わされた各羽根18の縁には、各羽
根18を支持して整流板支持用格子板17に固定するた
めにフランジ部19が設けられている。
【0040】格子板16は、図6、図7及び図10に示
すように、整流板15の下流側に、この整流板15に対
向して配設される。この格子板16は、整流板15によ
って整流されて高速で噴出する水の流れの中に減圧部分
を作ってさらにキャビテーションを発生させて、キャビ
テーションを崩壊、生成させるものである。格子板16
は具体的には、補強用枠体16Aと、この補強用枠体1
6Aに張られた格子部16Bとから構成されている。補
強用枠体16Aは、貯留槽2の内側寸法と同じ大きさに
設定され、貯留槽2内を仕切っている。格子部16B
は、水の流れの中でキャビテーションを積極的に発生さ
せるように、流体力学的見地から設計されている。さら
に、格子部16Bも、上記スクリュー3と同様に、キャ
ビテーションによる壊食を最小限に抑えることが望まし
いため、FRP、PP、セラミックス、ステンレススチ
ール等のキャビテーションに対する十分な強度を有する
材料で成形してもよい。なお、鉄等の通常の材料を用い
てもよい。格子板16の場合は、交換が極めて容易であ
るため、すぐに壊食しても容易に交換できる。このた
め、格子板16に関しては、キャビテーションを最大限
に発生させることに重点をおいて、流体力学的見地から
設計することが望ましい。さらに、編み目の大きさや格
子を構成する鉄線の大きさ等も、上記キャビテーション
を最大限に発生させることができるように設計する。
【0041】さらに、2枚の格子板16は、互いに対向
した状態で一定間隔をおいて配設されると共に、2枚の
支持板21で一体的に支持されている。支持板21は、
格子板16と同様に、補強用枠体及び格子部から構成さ
れている。これにより、格子板16と支持板21とで囲
まれた空間が水を互いに衝突させる衝突空間22Aとな
り、その両側(図7中の上下方向両側)が還流空間22
Bとなっている。
【0042】なお、上記格子板16及び支持板21が一
体となって格子柵24を構成している。
【0043】整流板支持用格子板17は、スクリュー3
の前面に配設された整流板15を支持するための板で、
図6、図7及び図9に示すように、補強用枠体17A
と、この補強用枠体17Aに張られた格子部17Bとか
ら構成されている。補強用枠体17Aは、上記格子板1
6と同じ寸法に設定されて貯留槽2内を仕切っている。
これにより、整流板支持用格子板17と格子板16とで
増幅空間23が構成されている。補強用枠体17Aの中
央には整流板15を取り付けるための四角形の通孔17
Cが設けられている。この通孔17Cに整流板15が取
り付けられている。
【0044】[動作]以上のように構成された水質改良
装置1は次のように動作する。
【0045】まず、供給管7から処理対象の水が貯留槽
2内に供給される。貯留槽2内に水が充満された状態
で、駆動装置11の駆動モータ12が制御装置により回
転される。これにより、連結機構部13を介して二つの
スクリュー3がそれぞれ高速で回転される。
【0046】各スクリュー3の回転によって、その周辺
の水が整流板15に向けて噴出される。このとき、スク
リュー3によってキャビテーションが発生しながら、か
つ渦を巻きながら整流板15に流入する。流入した水
は、整流板15で整流されて高速の流れを維持する。そ
して、整流板15の各羽根18の表面ではキャビテーシ
ョン崩壊とその後方低圧部での再度のキャビテーション
発生が増幅されながら増幅空間23に流入する。
【0047】増幅空間23に流入した水は、ある程度広
がりながら高速で格子板16を通過してさらにキャビテ
ーション崩壊と生成を繰り返しながら衝突空間22Aに
流入する。そして、この衝突空間22Aで二つの水の流
れが激しく衝突して気泡がさらに激しく潰れたり、新た
に発生したりして周囲に広がる。広がった水は、速度を
保ちつつ支持板21を通過して還流空間22Bへ流入す
る。この支持板21によっても、キャビテーション崩
壊、生成がなれる。さらに、格子板16の周囲から増幅
空間23に還流し、整流板支持用格子板17の周囲から
スクリュー3の後側に還流する。このときも、水の還流
速度はある程度の速さに維持されて、格子板16及び整
流板支持用格子板17を通過するとき、キャビテーショ
ンの崩壊、生成が繰り返えされる。スクリュー3の後側
に還流した水は、再びスクリュー3で整流板15側へ噴
出されて、上記動作を繰り返す。
【0048】貯留槽2内の水に含有する空気が析出し
て、貯留槽2内の気圧が上昇し過ぎたときは、自動エア
抜き装置6によってエア抜きが行われて、内部気圧が適
当に低減される。その度合いは、キャビテーション気泡
が崩壊し易い圧力をも貯留槽2内に作る必要があるから
である。
【0049】上記動作が連続的に行われることにより、
次第に貯留槽2内全域がキャビテーションの気泡で充満
さていく。そして、大量に発生して貯留槽2内に充満さ
れた気泡は、同時に大量に壊れる。この結果、貯留槽2
内の全域が、気泡の破壊による局所的高温(5000〜
10000℃)、高圧の状態、衝撃波や超音波の充満し
た状態になる。この状態を設定時間だけ維持する。な
お、この設定時間は、微生物(細菌やウィルス等)や有
害物質等の違いに合わせて設定される。
【0050】これにより、水中の細菌等の微生物が死滅
する。さらに、カビ臭を持つ物質であるジオスミンや、
悪臭物質であるアミン類、アルキルアミン類(トリメチ
ルアミン、ジメチルアミン、メチルアミン等)や、有機
塩素化合物や、ダイオキシンや、農薬類(シマジンやベ
ンチオカーブ等)や、フロン類(CFC−113、HC
FC−225ca、HCFC−225cb等)等が次第
に分解されていく。
【0051】また、クラスター(水分子の塊)が粉砕さ
れる。さらに、油脂類、生活排水や工場排水等に含まれ
る物質であって環境に悪影響を与える物質等も分解され
る。
【0052】[効果]以上のように、貯留槽2内に備え
たスクリュー3及びキャビテーション増幅機構4によっ
て、貯留槽2内の水を還流させながら、キャビテーショ
ンを崩壊、生成させるので、短時間のうちに、貯留槽2
内高速流空間にキャビテーションによる気泡を充満さ
せ、かつ格子表面や流水衝突空間において気泡を崩壊さ
せることができる。
【0053】この結果、大量の水を、短時間で効率的に
かつ確実に処理することができるようになる。
【0054】[第1実施形態]次に、本発明の第1の実
施形態について説明する。
【0055】本実施形態は、上記基本構成の水質改良装
置1において、貯留槽2内の水圧を調整してキャビテー
ションによる気泡の発生の効率化を図ったものである。
【0056】キャビテーションによる気泡の発生は、ス
クリュー3の回転によって生じる負圧で周囲の水が沸騰
点に達することにより起こるが、それには2つの条件が
影響する。総圧は静圧と動圧の和であるが、上述した基
本構成の水質改良装置1では動圧をコントロールするこ
とによって気泡を発生させている。これに対して、本実
施形態は動圧と共に静圧もコントロールすることによっ
て気泡の発生の効率化を図ったものである。
【0057】具体的には、貯留槽2内を減圧してキャビ
テーション発生条件を制御する。このキャビテーション
発生条件とは、スクリュー3の表面上及びキャビテーシ
ョン増幅機構4の構成要素表面上、並びに各スクリュー
3による流れがぶつかる部分の乱流中で、圧力が飽和水
蒸気圧よりも下がってキャビテーションが発生しやすく
なる条件をいう。総圧を飽和水蒸気圧よりも下げるに
は、動圧だけ又は静圧だけを下げてもよいが、両方を下
げればより効率的になる。なお、キャビテーション発生
条件は上述のように圧力を飽和水蒸気圧よりも下げるこ
とであるが、圧力を下げすぎると気泡の崩壊が起きづら
くなるため、自ずから下限値が決まってくる。具体的に
は、水温、貯留槽2の大きさ等の様々な条件が影響して
くるので、設計の異なる個々の水質改良装置1ごとに、
実験等により最良の数値を設定する。また、細菌や化学
物質等の処理対象物の違いによっても条件が変わってく
る。即ち、破壊力(微生物を死滅させたり、有害物質を
分解する力)は小さくなっても気泡を大量に発生させた
方が効率がいい場合と、気泡の量よりも破壊力を高めた
方が効率がいい場合とがあるため、各種の条件に応じて
予め最良の数値を設定しておく。この数値をキャビテー
ション発生条件として後述する制御装置82にプログラ
ムしておく。
【0058】このキャビテーション発生条件を効率的に
実現するために、本実施形態の水質改良装置50は貯留
槽51を改良したものである。この貯留槽51を図1に
示す。なお、本実施形態の水質改良装置50に用いる水
質改良装置の全体構成は上述した基本構成の水質改良装
置1とほぼ同様であるので、同一部材には同一符号を付
してその説明を省略する。さらに図1においては、説明
を容易にするために水質改良装置1の具体的な構造は省
略している。
【0059】本実施形態に係る貯留槽51の全体形状
は、上記水質改良装置1の貯留槽2とほぼ同様である。
内部は密封構造となっている。さらに、貯留槽51の上
部にはサージタンク52が設けられている。サージタン
ク52には吸引用配管53を介して真空ポンプ54が設
けられている。サージタンク52の上部には、貯留槽5
1内の空気抜き弁55が設けられている。この空気抜き
弁55は、貯留槽51内に水が充填されるときに貯留槽
51内の空気を抜くためのものである。
【0060】なお、貯留槽51内には、上記基本構成の
水質改良装置1と同様のスクリュー3、整流板15等が
配設されている。
【0061】また、貯留槽51内の正確な圧力制御を行
うためには、圧力センサや温度センサ等が必要である
が、それらを用いた具体的な制御についての説明は第3
実施形態に委ねる。
【0062】[動作]以上の構成により、次のようにし
て水質改良処理が行われる。
【0063】まず、河川等の水が貯留槽51内に取り込
まれる。貯留槽51内に水が溜まると、真空ポンプ54
を作動させる。これにより、サージタンク52内を真空
引きして、貯留槽51内の水圧を調整する。具体的に
は、上記キャビテーション発生条件の圧力に調整する。
【0064】次いで、上記基本構成の水質改良装置1と
同様にして水質改良処理を行う。
【0065】[効果]以上のように、貯留槽51内の水
圧を下げて、動圧と共に静圧も制御するようにしたの
で、キャビテーションを発生させる最適の条件を作るこ
とができるようになる。この結果、大量の気泡を効率的
に発生及び崩壊させることができ、水質改良処理の効率
を大幅に向上させることができる。
【0066】[第2実施形態]次に、本発明の第2の実
施形態について、図2を基に説明する。
【0067】本実施形態は、上記第1の実施形態と同様
に、貯留槽内の水圧を調整してキャビテーションによる
気泡の発生の効率化を図ったものである。本実施形態に
おいては、貯留槽内の水圧を調整する手段として、上記
第1実施形態のような真空ポンプ54を用いずに、落差
を利用した。なお、本実施形態に係る水質改良装置60
の主要な構成は上述した基本構成の水質改良装置1と同
様であるので、同一部材には同一符号を付してその説明
を省略する。さらに、上記第1実施形態の水質改良装置
50と同様に、スクリュー3等の記載は省略する。
【0068】そして、本実施形態の水質改良装置60で
は、図2に示すように、貯留槽61を河川等の水面から
数メートル持ち上げた位置に配設した。この貯留槽61
の高さは、その底部がBメートルを多少越える程度に設
定される。なお、Bメートルは0〜10メートルの範囲
とし、底部の圧力はおおよそ(10−B)/10気圧と
なる。この落差を利用して真空ポンプ54と同じ機能を
果たさせる。即ち、貯留槽61内に水を汲み上げた後
に、落差を利用して貯留槽61内を減圧し、スクリュー
3表面の総圧を飽和水蒸気圧から真空に近い水圧までの
間で適宜調整する。
【0069】上記落差を持たせるために支持用脚部62
が設けられている。即ち、貯留槽61は支持用脚部62
によって設定高さまで持ち上げた状態で支持されてい
る。具体的には、貯留槽61の下端部が河川等の水面A
からBメートルを越える高さに支持されている。
【0070】貯留槽61の下部には配管63が接続され
ている。この配管63は河川等の水面下まで延ばして配
設され、貯留槽61内底部と河川等の水中とが接続され
ている。配管63には、貯留槽61内に河川等の水を汲
み上げるための汲み上げポンプ64が設けられている。
さらに、配管63には開閉弁65が設けられている。こ
の開閉弁65は、貯留槽61内に水を汲み上げた後、貯
留槽61内を密閉すると共に、必要に応じて適宜開閉し
て貯留槽61内が設定圧になるように貯留槽内圧力を調
整するためのものである。
【0071】貯留槽61の上側には空気抜き弁66が設
けられている。この空気抜き弁66は、汲み上げポンプ
64で貯留槽61内に水を汲み上げるときに貯留槽61
内の空気を抜くためのものである。
【0072】なお、貯留槽61内には、上記基本構成の
水質改良装置1と同様のスクリュー3、整流板15等が
配設されている。
【0073】また、貯留槽61内の正確な圧力制御を行
うためには、圧力センサ、温度センサ等が必要である
が、それらを用いた具体的な制御についての説明は第4
実施形態に委ねる。
【0074】[動作]以上のように構成された水質改良
装置60では次のようにして河川等の水質の改良が行わ
れる。
【0075】まず、空気抜き弁66が開かれて汲み上げ
ポンプ64が作動される。これにより、貯留槽61内に
河川等から水が汲み上げられる。貯留槽61内に水が充
填されたところで、開閉弁65と空気抜き弁66が閉め
られる。次いで、開閉弁65を開閉制御して貯留槽61
内が減圧される。この開閉弁65の開閉制御によって、
貯留槽61内がキャビテーション発生条件の圧力に調整
される。即ち、開閉弁65が開かれると貯留槽61と配
管63とが直結状態になって、貯留槽61の水位が水面
Aから10メートルを越える高さになるため、開閉弁6
5を開いたままにすると、貯留槽61内は真空に近い状
態まで水圧が低下していく。このため、開閉弁65の開
閉を微調整して、貯留槽61内をキャビテーション発生
条件の圧力まで減圧させる。これにより、貯留槽61内
が水質改良にとって良好な環境に設定される。
【0076】次いで、上記基本構成の水質改良装置1の
場合と同様に、スクリュー3等を作動させて、貯留槽6
1内で水質改良処理を行う。貯留槽61内の水の水質が
改良された後は、開閉弁65及び空気抜き弁66を開い
て貯留槽61内の水を河川等へ戻す。
【0077】貯留槽61内の排水が終了したら、上記処
理を繰り返す。
【0078】[効果]以上のように、処理する水の静圧
を制御することにより、貯留槽61内を水質改良にとっ
て良好な環境に設定することができる。この結果、最適
条件下でキャビテーションを発生させて効率的に水質改
良処理を行うことができるようになる。
【0079】[第3実施形態]本実施形態は、上記第1
実施形態に係る水質改良装置50を用いた水質改良シス
テムである。この水質改良システムの全体構成を図3に
示す。なお、貯留槽51、サージタンク52、真空ポン
プ54等は上記第1実施形態と同様である。
【0080】貯留槽51には、汲み上げ用配管71と排
水用配管72が接続されている。これらの配管71,7
2は貯留槽51内と池や河川等の水中とを接続してい
る。汲み上げ用配管71には、池等から水を貯留槽51
内に汲み上げる汲み上げポンプ73と、配管内流路を開
閉する入口側開閉弁74とが設けられている。排水用配
管72には、その配管内流路を開閉する出口側開閉弁7
5が設けられている。
【0081】貯留槽51には、圧力センサ77が設けら
れている。この圧力センサ77は貯留槽51内で水圧が
平均値になる位置(貯留槽51の深さ方向の中央の位
置)に設けられる。水圧は水深によって異なるため、平
均値としての水圧を測定する。これにより、貯留槽51
内の上方の水圧は測定圧力値よりも低くなり、下方の水
圧は測定圧力値よりも高くなる。
【0082】サージタンク52の上側面には空気抜き弁
55が設けられている。さらに、サージタンク52には
水位を測定する水位センサ78が設けられている。この
水位センサ78は、水の有無を検出するもので、例えば
電気抵抗値の変化を検出する構成にする。水中と空気中
では電気抵抗が大きく違うため、電気抵抗値の変化を見
ることで水の有無を検出できる。この水位センサ78は
サージタンク52内の所定位置に設けられる。この水位
センサ78の位置まで水が充填されたところで汲み上げ
ポンプ73が停止されて、水位センサ78から上側の部
分が空気層になる。そして、この空気層が真空ポンプ5
4によって直接的に圧力制御され、間接的に貯留槽51
内が圧力制御されるようになっている。この水位センサ
78の取り付け位置は、サージタンク52の大きさによ
って適宜設定される。即ち、空気層の体積が、貯留槽5
1内の圧力制御に十分に対応できる程度の大きさになる
ように、水位センサ78の位置を設定する。
【0083】サージタンク52の上部には吸引用配管5
3の一端が接続されている。この吸引用配管53の他端
は真空ポンプ54に接続されている。吸引用配管53の
途中には真空ポンプ開閉弁80が設けられている。
【0084】貯留槽51内には水質センサ81が設けら
れている。この水質センサ81は、水質の目安となるも
のを検出する機能を備えた既存のセンサを用いる。例え
ば、溶存酸素、P、N、pH、BOD、COD等を検出
するセンサが用いられる。いずれの機能を備えたセンサ
を用いるかは、処理する水の性質等の応じて選択する。
【0085】さらに、貯留槽51内には、上記基本構成
の水質改良装置1と同様のスクリュー3等が装着されて
いる。スクリュー3は、貯留槽51内の上方位置に設置
され、貯留槽51内の水をその上方から下方へ対流させ
るようになっている。これにより、水圧の低い上部でキ
ャビテーションにより大量の気泡を発生させた後、水圧
の高い底部側へ流してその気泡を破裂させ、効率的に水
質改良処理を行うようになっている。
【0086】上記各部54,55,73,74,75,
77,78,80,81は、制御装置82に接続されて
いる。この制御装置82には図4に示す処理機能が格納
されている。
【0087】[動作]以上のように構成された水質改良
システムは、制御装置82によって次のように動作す
る。図4のフローチャートを基に説明する。
【0088】まず、入口側開閉弁74と空気抜き弁55
を開く(ステップS1)。また、出口側開閉弁75と真
空ポンプ開閉弁80を閉める(ステップS2)。次い
で、汲み上げポンプ73を作動させる(ステップS
3)。これにより、貯留槽51内に水が充填される。こ
の汲み上げポンプ73を作動させたまま、水位センサ7
8が水の存在を検出するまで待つ(ステップS4)。水
位センサ78が水を検知したら、汲み上げポンプ73を
停止させる(ステップS5)。さらに、入口側開閉弁7
4と空気抜き弁55を閉める(ステップS6)。
【0089】次いで、圧力センサ77で水圧を検知し
(ステップS7)、真空ポンプ開閉弁80を開いて(ス
テップS8)、真空ポンプ54を作動させる(ステップ
S9)。
【0090】次いで、圧力センサ77で検出した水圧が
設定値になっているか否かを判断する(ステップS1
0)。設定値でないとき、その検出値が設定値よりも低
いか否かを判断する(ステップS11)。高い場合には
そのままステップS10へ戻り、低い場合には真空ポン
プ54を停止して空気抜き弁55を開き(ステップS1
2)、ステップS10へ戻る。
【0091】ステップS10において、水圧が設定値に
なったところで真空ポンプ54を停止させ、空気抜き弁
55と真空ポンプ開閉弁80を閉める(ステップS1
3)。
【0092】貯留槽51内が設定水圧になったところ
で、上記基本構成の水質改良装置1と同様の水質改良処
理を行う(ステップS14)。これにより、貯留槽51
内の上方でキャビテーションにより大量の気泡が発生
し、底部側へ流される。貯留槽51の底部側は上部より
も水圧が高いため、大量の気泡が効率的に潰されて水質
が改良される。
【0093】次いで、水質センサ81で水質の変化を監
視する。即ち、水質センサ81の検出値が設定値に達し
たか否かを判断し(ステップS15)、達するまで待
つ。設定値に達したら、水質改良装置50を停止させる
(ステップS16)。
【0094】次いで、空気抜き弁55と出口側開閉弁7
5が所定時間(出口側配水管の単位時間あたりの水量
と、貯留槽51内の水量との関係で決まる時間)だけ開
き(ステップS17)、貯留槽内の水を池等へ戻す。
【0095】次いで、ステップS1に戻り、上記処理を
繰り返す。
【0096】[効果]以上のように、静圧を積極的に制
御することにより、池や河川等の水質を効率的に改良す
ることができるようになる。
【0097】さらに、装置が小型であるため、広い設置
場所を確保する必要がなく、狭い場所にも設置すること
ができる。また、構造が簡素で、制御も容易である。こ
れにより、装置の製造コスト及びランニングコストを大
幅に低減することができるようになる。
【0098】この結果、これまで莫大な費用を要するた
めに進まなかった池や河川等の水質の改良を、低コスト
で効率的に行うことができるようになる。
【0099】[第4実施形態]次に、本発明の第4実施
形態について説明する。
【0100】本実施形態は、上記第2実施形態に係る水
質改良装置60を用いた水質改良システムである。本実
施形態に係る水質改良システムの全体構成は上記第2実
施形態の水質改良装置60とほぼ同様であるため、図2
を基に説明する。
【0101】貯留槽61、配管63、汲み上げポンプ6
4、開閉弁65、空気抜き弁66等は上記第2実施形態
と同様である。
【0102】貯留槽61には圧力センサ、水位センサ及
び水質センサ(いずれも図示せず)が設けられている。
これらは、上記第3実施形態の圧力センサ77、水位セ
ンサ78、水質センサ81と同様である。
【0103】さらに、上記各部を制御する制御装置82
が設けられている。この制御装置には、図5に示す制御
機能が格納されている。
【0104】[動作]以上のように構成された水質改良
システムは、制御装置によって次のように動作する。
【0105】まず、開閉弁65及び空気抜き弁66を開
く(ステップS21)。次いで、汲み上げポンプ64を
作動させる(ステップS22)。これにより、貯留槽6
1内に水が充填される。この汲み上げポンプ64を作動
させたまま、水位センサが水の存在を検出するまで待つ
(ステップS23)。水位センサが水を検知したら、汲
み上げポンプ64を停止させる(ステップS24)。さ
らに、開閉弁65及び空気抜き弁66を閉める(ステッ
プS25)。
【0106】次いで、貯留槽61内の水圧を設定値に調
整する。まず、圧力センサで水圧を検知し(ステップS
26)、開閉弁65を開く(ステップS27)。これに
より、貯留槽61内の水圧が低下していく。この水圧が
設定値に達したか否かを判断し、設定値になるまで待つ
(ステップS28)。水圧が設定値になったところで開
閉弁65を閉じる(ステップS29)。
【0107】次いで、水質改良装置60が作動される
(ステップS30)。これにより、貯留槽61内の上方
でキャビテーションにより大量の気泡が発生し、底部で
その気泡が効率的に潰されて水質が改良される。
【0108】次いで、貯留槽61内の水の水質の変化を
水質センサで監視する。即ち、水質センサの検出値が設
定値に達したか否かを判断する(ステップS31)。設
定値に達していなければ、達するまで待つ。達した場合
は、水質改良装置60を停止する(ステップS32)。
【0109】次いで、開閉弁65と空気抜き弁66が所
定時間(配管63の単位時間あたりの流水量と、貯留槽
貯留槽61内の水量との関係で決まる時間)だけ開き
(ステップS33)、貯留槽61内の水を池等へ戻す。
【0110】次いで、ステップS21に戻って上記処理
を繰り返す。
【0111】[効果]以上により、上記第3実施形態と
同様に、池や河川等の水質を効率的に改良することがで
きるようになる。
【0112】また、装置が小型であるため、狭い場所に
も効率的に設置することができる。
【0113】さらに、構造が簡素で、制御も容易であ
る。これにより、装置の製造コスト及びランニングコス
トを大幅に低減することができるようになる。この結
果、第3実施形態の場合と同様に、これまで莫大な費用
を要するために進まなかった池や河川等の水質の改良
を、低コストで効率的に行うことができるようになる。
【0114】[第5実施形態]次に、本発明の第5実施
形態について説明する。
【0115】本実施形態は、図11に示すように、スク
リュー3、整流板15等のキャビテーションを発生させ
るキャビテーション発生装置部91を高い位置に設けた
ものである。
【0116】上記第1〜4実施形態においては、キャビ
テーション発生装置部を貯留槽51,61内に装着し、
貯留槽51,61内の圧力を下げていた。しかし、圧力
を下げる必要があるのはキャビテーション発生装置部9
1の部分だけであり、他の部分は必要ない。他の部分で
は圧力を下げない方が気泡がよく潰れるため、キャビテ
ーション発生装置部91の部分だけを減圧した方が効率
がよい。このために、本実施形態では、キャビテーショ
ン発生装置部91のみを高い位置に装着した。
【0117】キャビテーション発生装置部91は、貯留
槽92に汲み上げ用配管93と排水用配管94とで接続
されている。貯留槽92は、池や河川等の近傍の低い位
置に設置されている。汲み上げ用配管93及び排水用配
管94を介してキャビテーション発生装置部91のみが
高い位置に設置されている。このキャビテーション発生
装置部91の設置高さは、上述したキャビテーション発
生条件に合わせた圧力になるように設定する。なお、キ
ャビテーション発生条件よりも高い位置に設置してもよ
い。
【0118】[動作]以上の構成により、キャビテーシ
ョン発生装置部91内のスクリュー3が回転されると、
汲み上げ用配管93を介して貯留槽92内の水がキャビ
テーション発生装置部91内へ汲み上げられる。このキ
ャビテーション発生装置部91内はキャビテーション発
生条件に沿った圧力になっているので、スクリュー3等
により大量の気泡が発生し、排水用配管94を介して貯
留槽92内に戻される。貯留槽92内はキャビテーショ
ン発生装置部91内よりも圧力が高いため、大量に発生
した気泡は貯留槽92内ですぐに潰れてしまう。
【0119】[効果]これにより、さらに効率的に池や
河川等の水質の改良を行うことができるようになる。
【0120】[変形例] (1) 上記第3,4実施形態では、温度センサを設け
なかったが、貯留槽51,61内の水の温度やサージタ
ンク52内の空気の温度を測定するようにしてもよい。
圧力の変化は、温度に依存する部分が少なくないため、
温度を測定し、温度の違いに応じて貯留槽51,61内
の水圧を制御するようにしてもよい。具体的には、サー
ジタンク52内に温度センサを設けてサージタンク52
内の空気の温度を測定し、真空ポンプ54の制御に用い
る。具体的には、温度が低い場合には空気の密度が高く
なるため、真空ポンプ54の作動時間を短くする。ま
た、水温も貯留槽51,61内の水圧に影響するため、
制御の際に調整する。
【0121】(2) 上記各実施形態では、貯留槽5
1,61内の水を上下に対流させるようにしたが、上記
基本構成の水質改良装置1と同様に、左右に対流させる
ようにしてもよい。この場合も、上記各実施形態同様の
作用、効果を奏することができる。
【0122】(3) 上記第1及び第3実施形態では、
サージタンク52を貯留槽51の上面壁に設けたが、こ
の位置に限らず、貯留槽51の上部に位置していれば、
上記同様の作用、効果を奏することができる。
【0123】(4) 上記各実施形態において、貯留槽
51,61をさらに深く形成してもよい。これにより、
貯留槽51,61の上部と底部との間で圧力差が大きく
なって、気泡の破裂時の破壊力が増し、水質改良処理の
効率がより一層向上する。
【0124】(5) 上記各実施形態では、水質センサ
を設けて、水質の変化を直接に検知して水質改良装置の
作動時間を制御したが、作動時間を予め設定しておいて
もよい。この作動時間は、水質改良装置の処理能力、貯
留槽の大きさ、処理する水の汚染の程度等との関係で、
水質が基準値に達するまでの時間を計算や実測で予め設
定しておく。これによっても、前記実施形態と同様の作
用、効果を奏することができる。
【0125】(6) 上記各実施形態では、貯留槽51
等の内部に2つのスクリュー3を互いに対向して配設し
たが、スクリュー3を1つだけ設けるようにしてもよ
い。これによっても、前記実施形態と同様の作用、効果
を奏することができる。
【0126】(7) 上記第5実施形態では、キャビテ
ーション発生装置部91をキャビテーション発生条件に
合わせた高さに設定したが、キャビテーション発生条件
よりも高い位置に設置してもよい。例えば、汲み上げ用
配管93で貯留槽92内の水を汲み上げることができる
限度の位置に設置してもよい。この場合、キャビテーシ
ョン発生装置部91内の圧力が非常に低くなるためキャ
ビテーション発生効率がよく、大量の気泡を作ることが
できる。そして、大量に気泡を含む水は排水用配管94
を介して貯留槽92内に戻され、すぐに潰れてしまう。
これにより、水質改良の効率化をさらに高めることがで
きる。
【0127】(8) 上記第5実施形態では、キャビテ
ーション発生装置部91を貯留槽92に接続したが、キ
ャビテーション発生装置部91だけで水質改良装置を構
成してもよい。この場合は、プールや池等のように、水
が移動しないところの水質改良に適している。
【0128】(9) 上記第5実施形態では、キャビテ
ーション発生装置部91を高い位置に設けて内部の圧力
を下げたが、真空ポンプを用いて内部圧力を下げてもよ
い。第2実施形態の場合は、貯留槽51内を減圧した
が、キャビテーション発生装置部91内は、貯留槽51
よりも遙かに体積が小さいため、効率的に減圧すること
ができる。
【0129】(10) 上記第5実施形態では、キャビ
テーション発生装置部91にスクリュー3を用いたが、
本発明はこれに限らず、各種のポンプ、タービン、プロ
ペラ等の回転機式揚水装置に代えてもよい。設置高さに
ついては、それぞれの機器が有するキャビテーション発
生限界高さよりも上部に位置させる。
【0130】(11) キャビテーション発生装置部9
1の下流に近接してキャビテーション崩壊部95を設け
ることにより、有害物質の分解を早める効果を持たせる
ようにしてもよい。キャビテーション崩壊部95には、
流路を妨げない程度に空隙を有する整流格子を配置し、
キャビティを整流格子に衝突させて崩壊させる。キャビ
ティが整流格子に衝突して崩壊する際に発生する衝撃圧
力は、排水用配管94及び貯留槽92内でキャビティが
崩壊するよりもはるかに大きく、分解エネルギーとして
有効であることを利用する。
【0131】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
次のような効果を奏する。
【0132】(1) 貯留槽内の水圧を下げて、動圧と
共に静圧も制御するようにしたので、キャビテーション
を発生させる最適の条件を作ることができるようにな
る。この結果、大量の気泡を効率的に発生させることが
でき、水質改良処理の効率を大幅に向上させることがで
きるようになる。これにより、池や河川等の水質を効率
的に改良することができるようになる。
【0133】(2) 装置が小型であるため、広い設置
場所を確保する必要がなく、狭い場所にも設置すること
ができる。また、構造が簡素で、制御も容易である。こ
れにより、装置の製造コスト及びランニングコストを大
幅に低減することができるようになる。この結果、これ
まで莫大な費用を要するために進まなかった池や河川等
の水質の改良を、低コストで効率的に行うことができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る水質改良装置を示
す概略正面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る水質改良装置を示
す概略正面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る水質改良システム
を示す概略正面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る水質改良システム
の水質改良処理機能を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第4実施形態に係る水質改良システム
の水質改良処理機能を示すフローチャートである。
【図6】本発明の基本構成に係る水質改良装置を示す正
面図である。
【図7】本発明の基本構成に係る水質改良装置を示す平
面図である。
【図8】図6の水質改良装置の整流板を示す斜視図であ
る。
【図9】図8の整流板が取り付けられる整流板支持用格
子板を示す正面図である。
【図10】整流板に面して配設される格子板を示す正面
図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る水質改良装置を
示す概略正面図である。
【符号の説明】
1:水質改良装置、2:貯留槽、3:スクリュー、4:
キャビテーション増幅機構、6:自動エア抜き装置、
7:供給管、8:排出管、11:駆動装置、12:駆動
モータ、13:連結機構部、15:整流板、16:格子
板、17:整流板支持用格子板、18:羽根、21:支
持板、22A:衝突空間、22B:還流空間、23:増
幅空間、24:格子柵、25:水質改良システム、2
6:水循環機構、27:水質改良装置、28:供給配
管、29:還流配管、30:自動開閉バルブ、31:自
動開度調整バルブ、32:格子板、33:格子柵、3
4:格子板、41:水質改良システム、42:水質改良
装置、43:貯留槽、44:駆動装置、45:格子柵、
46:格子板、50:水質改良装置、51:貯留槽、5
2:サージタンク、53:吸引用配管、54:真空ポン
プ、55:空気抜き弁、60:水質改良装置、61:貯
留槽、62:支持用脚部、63:配管、64:汲み上げ
ポンプ、65:開閉弁、66:空気抜き弁、71:汲み
上げ用配管、72:排水用配管、73:汲み上げポン
プ、74:入口側開閉弁、75:出口側開閉弁、77:
圧力センサ、78:水位センサ、80:真空ポンプ開閉
弁、81:水質センサ、82:制御装置、91:キャビ
テーション発生装置部、92:貯留槽、93:汲み上げ
用配管、94:排水用配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯浅 肇 東京都稲城市矢野口1427 (72)発明者 久宝 啓作 東京都世田谷区赤堤1−32−21 Fターム(参考) 4D037 AA05 AA09 AA11 AB03 AB04 AB06 AB12 AB14 BA26 BB01 BB02 BB04 BB07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビテーションによって発生する水中
    の気泡が破壊するときに生じる高温、高圧、衝撃波、超
    音波等によって水質を改良する水質改良装置であって、 キャビテーションの発生を容易にするために、キャビテ
    ーション発生装置部を減圧したことを特徴とする水質改
    良装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水質改良装置におい
    て、 上記キャビテーション発生装置部に、その内部を減圧す
    る真空ポンプを接続したことを特徴とする水質改良装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の水質改良装置におい
    て、 上記キャビテーション発生装置部を水面より高い位置に
    設置し、落差を利用して減圧することを特徴とする水質
    改良装置。
  4. 【請求項4】 キャビテーションによって発生する水中
    の気泡が破壊するときに生じる高温、高圧、衝撃波、超
    音波等によって水質を改良する水質改良装置であって、 キャビテーションの発生を容易にするために、処理する
    水を貯えた貯留槽内を減圧したことを特徴とする水質改
    良装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の水質改良装置におい
    て、 上記貯留槽に、その内部を減圧する真空ポンプを接続し
    たことを特徴とする水質改良装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の水質改良装置におい
    て、 上記貯留槽を水面より高い位置に設置し、落差を利用し
    て減圧することを特徴とする水質改良装置。
  7. 【請求項7】 水質を改良したい水を取り込むと共に処
    理後に排出する給排水機構と、 この給排水機構で取り込まれた水の水質を改良する請求
    項1乃至6のいずれかに記載の水質改良装置とを備えた
    ことを特徴とする水質改良システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101861642B1 (ko) * 2009-12-25 2018-05-29 오브쉐스트보 에스 오그라니쉐노이 오?駕뵈?베노스트유 ˝트윈 테크놀로지 컴퍼니˝ 하수 슬러지의 살균 방법
KR102101310B1 (ko) * 2020-01-03 2020-05-15 주식회사 문창 배수지 내부 순환장치

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