JP3644557B2 - 脱気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばビルや工場などの給配水設備における水処理装置、特に連続的な給水機能を維持しつつ水中の溶存気体を除去するための脱気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中の溶存気体を脱気するための水処理方式には、大別して薬注方式、イオン交換方式、真空脱気方式がある。薬注方式は、例えばスケール発生を防止するためのボイラ清缶剤や配管保護剤に毒性の強いヒドラジンなどの脱酸剤を配合することが知られており、またイオン交換方式では、主に赤錆対策として溶存酸素を減圧条件下で膜脱気することが行なわれている。更に真空脱気方式では、水中に溶存している酸素・炭酸ガス・遊離塩素などを高真空度の容器内で一定水量ごとに一括脱気するバッチ処理による簡易方式が一般的に知られており、特殊な場合にはエジェクターとサイクロンを組み合わせた多段連続真空脱気方式も知られている。
【0003】
また、この他にも、例えば特公平2−11319号、特公平2−12640号あるいは特公平6−38959号公報には、静電場または振動電場を与えるタンク中で水中のミネラル成分をイオン解離させて浮遊スケールとして析出除去する際にタンク内を減圧して脱気することが教示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
薬注方式では、脱酸剤の有毒性の問題は勿論、適正な薬品投入量の管理が困難であることや、薬品使用量がかさむなどの諸問題があり、薬剤使用に付加価値が見込まれる厳正に管理された工場などでの用途以外には利用が制限される。
【0005】
イオン交換方式の場合は、水中の金属塩が交換膜に詰まり、交換膜の硬化による寿命が比較的短いので保守が煩雑であり、目詰まりを起こした交換膜を使用し続けるとバクテリアの繁殖により有害物が混入する等、経済性と衛生面で飲用および食品加工用には不適当である。
【0006】
真空脱気方式については、例えば生活給水の水処理やビル等での赤水対策には真空の取扱が難しいため未だ広く普及してはいないが、比較的容易に扱えるのはバッチ処理方式の真空脱気装置である。しかしながら、バッチ処理方式の真空脱気装置は、処理が非連続であるので処理量が限られ、多量の水を処理する必要がある場合には大規模な設備としなければならず、設備維持費用が多額となるので一般的ではない。
【0007】
一方、例えば食品工場などのように連続多量処理が要求される場合には、運転操作および保守に専門的な煩雑さが要求されるエジェクターとサイクロンを組み合わせた多段連続真空脱気方式が採用され、時間当たりの処理量も充分な設備が実用化されているが、設置面積が大きく、設備費用及び維持費用が大きいので、処理による付加価値が見込める産業用途向きであり、一般の共同住宅やオフィスビルなどにおける水処理設備の脱気装置としては管理面も含めて経済的に引き合わず、採用は現実的ではない。
【0008】
エジェクター等を利用した連続真空脱気方法に比べて、減圧容器内に処理水を導入して水中の溶存酸素や炭酸ガスおよび遊離塩素などを真空脱気するやり方はバッチ処理方式では効果的な方法であるが、連続処理方式にするには処理容器内を高度の真空状態に維持したまま脱気水を連続的に取り出し可能とする必要があることから、容器内を減圧する真空ポンプを大容量のものとしなければならず、また処理容器と給水及び送水系の各部の圧力シールを維持するための構造および運転操作が複雑化する。
【0009】
尚、真空脱気処理に併用して処理水を加熱沸騰することにより水中のトリハロメタンやトリクロロエチレン等の有機発癌物質を同時に除去することも知られているが、給湯系では採用されるものの、冷水を供給する給水系では煮沸のためのエネルギーが無駄となるので現実には採用できない欠点がある。
【0010】
従って本発明の課題は、減圧処理容器を使用しながら連続的な給水を可能とする比較的設備維持の簡単な真空方式の脱気装置を提供することである。
【0011】
また、薬注を不要とし、加熱処理することなく溶存物質の脱気を果たすことのできる脱気装置を提供すること、あるいは真空脱気中に効率よく溶存気体の気化を促進し得る脱気装置を提供すること、更には脱気水の空気との再接触を極力防止して処理系内での大気からの酸素や炭酸ガスの再溶解を防止することのできる脱気装置を提供することなども本発明の別の課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための本発明の基本理念は、減圧沸騰により水中の溶存気体を捕集脱気する主脱気室と、この主脱気室で脱気された水を一時貯留する複数の貯水室とを組み合わせ、主脱気室からこれらの貯水室に交互に脱気水を導入し、またこれらの貯水室から交互に脱気水を取り出すようにして、結果的に脱気水を連続的に送水できるようにする点にある。
【0013】
本発明の脱気装置は、先に例示した特公平2−11319号、特公平2−12640号あるいは特公平6−38959号公報に開示されている水処理装置の下流に設置することができ、それにより上流のこれら水処理装置でスケール分が除去された水を本発明の脱気装置に導いて水中の残存溶存気体の殆どを除去し、連続的に下流の配水設備へ送水することが可能となる。
【0014】
本発明による脱気装置は、内部を大気圧以下に減圧することにより給水管から水を吸引して減圧沸騰により水中の溶存気体を捕集脱気する主脱気室と、主脱気室で脱気された水を一時貯留する複数の貯水室と、各貯水室に蓄えられた水を外部へ導出するための共通の送水手段と、主脱気室から各貯水室への水の導入および各貯水室から共通送水手段への水の導出を個々の貯水室ごとに独立して制御する制御手段とを備えたことを基本的な特徴とするものである。
【0015】
制御手段は、各貯水室ごとに独立したタイミングで貯水室内部を大気圧以下に減圧する
減圧手段と、貯水室内が減圧されたときのみ開くように主脱気室と各貯水室それぞれとの間の導水口に個別に設けられた入口用逆止弁と、貯水室内の減圧が解除されて大気圧に復帰したときのみ開くように各貯水室それぞれと共通送水手段との間に個別に設けられた出口用逆止弁とを備えた構成とすることができる。
【0016】
この場合、減圧手段は、主脱気室内を減圧するための真空ポンプと、この真空ポンプの吸引口と各貯水室内の上部空間それぞれとの間に個別に設けられた電磁弁とを備えることが好ましく、これにより真空ポンプを連続運転して主脱気室の減圧と各貯水室の導水のための減圧に共用することができ、真空ポンプの運転モードが単純となるだけでなく、各電磁弁の開閉制御によりシステムの給水と送水を自動制御することが可能となる。
【0017】
同様の目的の好ましい形態において、制御手段は、各貯水室内の水位を検出する水位検出器と、水位検出器の検出信号に基づいて減圧手段による各貯水室内の減圧動作のタイミングを制御する制御器とを備えている。
【0018】
本発明の脱気装置では、主脱気室において減圧沸騰により水中の溶存気体を捕集脱気するので、処理水を煮沸させるための加熱エネルギーは不要である。また主脱気室における真空脱気に超音波振動エネルギーによる脱気を効果的に組み合わせることができ、この場合、主脱気室には給水管から吸引した水にキャビテーションを生起せしめるための超音波振動付与装置が備えられ、減圧沸騰による溶存気体の気化に加えて、超音波振動エネルギーによるキャビテーション現象を利用した気化の効果が相乗的に利用される。
【0019】
この超音波振動による脱気の効果の向上は著しく、従来の一般的な受水槽における水面が大気に開放された条件下での超音波加振方式とは異なり、本発明では主脱気室の上部空間が減圧された条件下で行なわれるので、脱気された水に大気から平衡分圧に応じた量の気体が再び溶解してしまうことがなく、塩素臭のないほぼ純水に近い高純度の脱気水を得ることができる。
【0020】
更に、主脱気室は、給水管と底部で接続された直立導水筒と、直立導水筒の上部開口縁から溢流する水を受け入れる貯留室と、直立導水筒および貯留室の上部空間を含む減圧室とを備えていてもよく、この場合の主脱気室の貯留室は下部で各貯水室に例えば逆止弁で連通可能とされる。
【0021】
また、主脱気室が直立導水筒を備えている場合、直立導水筒の底部から直立導水筒内に満たされた水に超音波振動の定在波を与える超音波振動付与装置を主脱気室に設けることにより、直立導水筒内を満たす水柱には水面での超音波の完全反射が起こるので最大の超音波振動エネルギーが伝達され、それによりキャビテーションが瞬時に発生して溶存気体が気泡となって主脱気室の上部空間から捕集除去され、従って脱気の効率が更に高くなる。
【0022】
更に好ましくは、各貯水室内の水面に気体との接触面積を少なくするための浮蓋が配置されており、これにより、貯留室の上部空間を大気圧に戻したときに脱気水に大気中の酸素や炭酸ガスが再溶解して下流での赤錆などの発生原因となることが効果的に防止される。
【0023】
本発明の脱気装置は、主脱気室と各貯水室を一体に組み込んだ単体構造の脱気ユニットとして構成することができるだけでなく、主脱気室と各貯水室を別体の缶体として構成し、両缶体を配管で接続して集合設備として構成することもできる。
【0024】
尚、本発明による脱気装置の水と接触する主要構造部材を第三種以上の電気接地条件で配管を含めて同一電位に保つことにより電蝕を防止することは望ましいことである。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施の形態を図面と共に説明すると以下の通りである。尚、図示の実施例では、受水槽から給水される水を前述の特公平6−38959号公報に開示された水質浄化装置の電極筒に導いて、減圧雰囲気中での一次的な溶存ガスの脱気と振動電磁界による処理水中の未電離金属塩のイオン解離の促進との組み合わせ処理によって処理水中のミネラル成分を非付着性の遊離スケールとして析出・濾別してから主脱気室に導入する構成の装置を例示しているが、本発明の脱気装置はこの実施例に限定されるものではなく、受水槽からの直接給水はもちろん、他の種々の水処理装置の下流側に組み合わせて利用することができるものである。
【0026】
図1は、本発明の好適な実施の形態の一例を示す説明図であり、この例では、一つも円筒本体1の内部を環状隔壁5によって同軸状に仕切り、中央部に筒状の主脱気室2を形成し、その周囲の環状空間を半径方向の隔壁(図示せず)によって二つに仕切ってそれぞれ第1と第2の貯水室3,4を形成してある。脱気装置の主要部を構成するこれら三つの室2,3,4は、上部が着脱可能な一体構造の蓋6によってパッキンを介して互いに独立して密閉されている。
【0027】
主脱気室2には、中央に直立する導水筒7が設けられ、この導水筒7の下端は給水配管8に連通する導水室9に開口され、また導水筒7の上端は主脱気室2内の上部空間に予め定められた高さで突き出されている。これにより、主脱気室2の導水筒7の周囲には、導水筒7の上部開口縁から溢流する水を受け入れる貯留室10が形成され、導水筒7および貯留室10の上部空間が減圧室11として利用されるようになっており、また貯留室10は、隔壁5の下部の導水口にそれぞれ設けられた逆止弁12,13を介して各貯水室3,4に連通されるようになっている。尚、これらの逆止弁12,13は、後述するように貯留室10から各々の貯水室3または4への水の流入のみを許容し、逆方向の流れは阻止する向きに設けられている。
【0028】
各貯水室3,4内には、水面の殆どを覆うように例えば比重が1程度以下のプラスチック製の浮蓋34,35が配置され、これらの浮蓋は水位の上下と共に貯水室内を昇降し、内部の貯留水の水面を貯水室上部空間から遮蔽した状態に維持して、後述のように上部空間が外部大気圧に解放されたときに貯留水と外気との接触を阻止し、外気から平衡圧力相当分の気体が脱気済の貯留水に溶解するのを極力防止する機能を果たす。
【0029】
給水は上水道から受水槽14へ受けた水を電極筒15で脱スケール処理してから給水配管8に送ることで行っており、この電極筒15は、前述の特公平6−38959号公報に開示されているように、減圧雰囲気中での散水による溶存ガスの脱気と振動電磁界による処理水中の未電離金属塩のイオン解離の促進との組み合わせ処理によって水中のミネラル成分を非付着性の遊離スケールとして析出・濾別するものであり、その詳細は特公平6−38959号公報に述べられているのでここでは詳説しない。
【0030】
尚、受水層14と電極筒15との間には手動開閉弁16と三方電磁弁17とが介装されており、このうち、手動開閉弁16は通常の装置稼働時には開かれているが、脱気装置の保守時などの給水を止める必要のある際には手動で閉鎖され、また三方電磁弁は後述の制御器26によって作動され、装置の平常稼働時には受水層14からの水を電極筒15へ流しているが、脱気装置の動作停止時にも下流への送水が必要な場合には流路をバイパス配管18側へ切換え、脱気装置をバイパスして受水層14からの給水を送水口19へ直接送水させる。
【0031】
送水口19は各貯水室3,4に共通の送水手段を構成し、それぞれ出口用逆止弁20,21を介して配管により貯水室3,4の底部と接続されている。これら出口用逆止弁20,21は、後述するように貯水室3または4から送水口19への水の流出のみを許容し、逆方向の流れは阻止する向きに設けられている。送水口19には送水ポンプ22が接続され、送水ポンプ22から受水設備の加圧水槽(または高架水槽)23に送水が行われて建物24内の各タップ25へ配水されるようになっている。
【0032】
主脱気室2及び各貯水室3,4の上部空間はそれぞれ互いに独立して減圧されるようになっており、このための制御手段として、制御器26によって作動制御される真空ポンプ27と、この真空ポンプ27のサクション側を主脱気室2及び各貯水室3,4の各上部空間に選択的に接続する三方電磁弁28,29,30とが設けられている。制御器26は、送水ポンプ22と電極筒15の作動制御を行う他に、三方電磁弁28,29,30を選択的に切換制御し、それによって主脱気室2及び各貯水室3,4の各上部空間が個々に独立して真空ポンプ27のサクション側に接続されるか、あるいは外部大気圧に解放される。
【0033】
また、制御器26は、脱気装置の稼働中は真空ポンプ27を常時動作状態に維持し、これにより電極筒15の内部空間は気水分離器33を介して真空ポンプ27によって常時減圧され、また制御器26によって主に三方電磁弁29と30が交互に切換えられることにより、いずれか一方の貯水室が貯水動作しているときに他方の貯水室が送水動作を行うように可逆的な作動が繰り返されるようになっている。さらに、この可逆的な作動の切り換えタイミングを制御器26に与えるために、貯水室2,3にはそれぞれの水面が上限または下限を越えたか否かを検出する水位検出器31,32が設けられている。
【0034】
さらに主脱気室2の導水筒7の底部が開口する導水室9の底には、導水筒7の軸心上に指向して超音波振動を放射する超音波振動子34が取りつけられ、これもまた制御器26によって駆動制御されている。この場合、超音波振動子34の直上に給水配管8の出口からの水流が流入するようになっているので、この水流によって超音波振動子34の冷却が効率よく行われることになる。
【0035】
この超音波振動子34は数十kHzの超音波振動を放射し、その実効振動面から導水筒7の上部開口縁までの距離は、放射超音波振動の半波長の整数倍に定めれれている。これにより導水筒7の内部を満たす水柱には超音波の定在波が形成され、その水面で超音波振動がほぼ完全に反射されて高い効率でキャビテーションを生起し、それにより水中溶存気体が気泡となって減圧状態下の主脱気室上部空間に放散される。一方、主脱気室2の上部空間は、内部の水が減圧沸騰を生じる程の真空度となるように真空ポンプ27によって減圧され、従ってこの減圧沸騰と超音波振動によるキャビテーション現象とが相乗的に脱気に寄与することになる。
【0036】
水中溶存気体が主脱気室2の上部空間に放散されると電磁弁28を介して真空ポンプ27により吸引され、真空ポンプ27の排気ラインから外部へ排出されることになる。尚、この排気ラインに脱臭装置を付設して周囲環境への臭気の放散を防止することは好ましいことである。
【0037】
例示した脱気装置の動作を説明すると、まず手動開閉弁16が開かれている状態で制御器26により電磁弁17を電極筒15側に接続すると共に真空ポンプを動作させる。これにより受水槽14から電極筒15の上部空間に水が吸引され、電極筒15内における減圧雰囲気中での散水による溶存ガスの脱気と振動電磁界による処理水中の未電離金属塩のイオン解離の促進との組み合わせ処理によって水中のミネラル成分が非付着性の遊離スケールとして析出・濾別される。電極筒15内で析出されたスケール分は電極筒15の下部ドレンから適宜排出させ、脱スケールされた水は減圧雰囲気中での散水によって脱気されてはいるものの、未だ問題とすべき濃度で酸素・炭酸ガス・遊離塩素ガスなどを溶存している。
【0038】
そこで、制御器26によって先ず電磁弁28,29を真空ポンプ側に、そして電磁弁30を外気側に切り換えると、主脱気室2内が減圧されるので電極筒15内の処理水が給水配管8を介して導水室9に吸引され、これが徐々にその水位を上昇させて遂には導水筒7内を満たし、その上部開口縁から周囲の貯留室10に溢流する。
【0039】
このとき、導水筒7内では水の減圧沸騰が起き、これに加えて超音波振動子34による励振で水中にキャビテーションが起きるので、水中の溶存気体は瞬時に活発に気泡化して主脱気室2の上部空間(減圧室)11に放散され、この放散気体が直ちに電磁弁28を介して真空ポンプ27により吸引除去される。
【0040】
従って、導水筒7の上縁から貯留室10に溢流する水は、既に充分に脱気された脱気水であり、その貯留室10内での水位が隔壁5の下部の入口用逆止弁12に達すると、電磁弁29によって主脱気室2内と同圧に減圧されている第1貯水室3内に貯留室10内の脱気水が主脱気室2内の貯留室10と同じ水位を維持して吸引される。
【0041】
この間、第2の貯水室4は電磁弁30によって外気に連通されているので、その入口用逆止弁13は閉鎖状態を維持したままであり、内部に脱気水が流入すことはなく、従ってその水位検出器32は設定下限水位未満であることを制御器26に伝えるので、電磁弁30は外気との連通ポジションを保持している。また同様に出口用逆止弁20も第1の貯水室3側が送水口19側より低圧であるので閉鎖されており、脱気水を導入中の第1の貯水室3から送水口19へ送水が開始されることはない。
【0042】
やがて第1の貯水室3内で脱気水が水位検出器31に設定された上限水位に達すると、水位検出器31からの検出信号によって制御器26が電磁弁29を外気との連通ポジションに切り換えると同時に、電磁弁30を真空ポンプ27との連通ポジションに切り換える。これにより第1の貯水室3内が大気圧に戻ると、主脱気室2内は依然として減圧状態にあるので入口用逆止弁12が閉じ、一方出口用逆止弁20は開き得る状態となる。
【0043】
そこで制御器26によって送水ポンプ22が起動されると第1の貯水室3内の脱気水が加圧水槽23に送り込まれ、加圧水槽23内の圧力によって建物24の各タップ25への配水が行われる。このとき真空ポンプ27との連通ポジションに切り換えられた電磁弁30が第2の貯水室4内の減圧を開始しており、これにより第2の貯水室4内が主脱気室2内とほぼ同圧まで減圧されると、その入口逆止弁13が開かれて主脱気室2の貯留室10から第2の貯水室4内に脱気水が貯留室10と同じ水位を維持して吸引される。
【0044】
この間、第1の貯水室3は電磁弁29によって外気に連通されているので、その入口用逆止弁12は閉鎖状態を維持したままであり、内部に主脱気室2から脱気水が流入すことはなく、従って制御器26は水位検出器31による検出水位が再び設定下限水位未満になるまで、電磁弁29を外気との連通ポジションに保持している。また同様に出口用逆止弁21も第2の貯水室4側が送水口19側より低圧であるので閉鎖されており、脱気水を導入中の第2の貯水室4から送水口19へ送水が開始されることはない。
【0045】
以上のような第1と第2の貯水室3,4の吸引導水と外気圧への復帰による放水の動作を第1と第2の貯水室で交互に繰り返すことにより、送水ポンプ22によるほぼ連続した送水が可能である。また、送水口19へ放水中の貯水室では水面に浮蓋35,36が常に浮いているので、水面が外気との接触からほぼ遮断され、従って外気中の気体が平衡分圧に応じて水中に溶解することがなく、下流の配管系で赤錆などが発生することが効果的に防止される。尚、脱気装置を含む全系統の水と接する構造部材を同一電位に保持するように電気的に接地しておけば電蝕による障害も防止可能であることは述べるまでもない。
【0046】
尚、図示の例では省略してあるが、主脱気室2内にも水面が導水筒7の溢流レベルより上昇したことを検出する水位検出器を設け、その検出信号によって制御器26により真空ポンプ27を保圧動作に切り換え、主脱気室2内の水位が必要以上に上昇した場合に給水の吸引を一時停止させたり、あるいは電磁弁28を外気との連通ポジションに切り換えて主脱気室上部空間を外部大気圧に解放し、脱気動作を非常停止させたりする付加的動作モードを用意しておいてもよい。また図示の例では一体ユニット構成の脱気装置を示したが、主脱気室と各貯水室を個々に独立したタンク形式で構成し、これらを配管系で接続しても同様に機能する脱気装置とすることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、減圧処理容器を使用しながら連続的な給水を可能とする真空方式の脱気装置を提供することができ、その設備維持も比較的簡単であって、例えば制御器は簡単なオン−オフ制御装置で実現可能であると共に、薬注を不要とし、加熱処理することなく溶存物質を減圧沸騰により効果的に脱気することができる。また、超音波振動によるキャビテーションの発生を併用することが容易であるので、真空脱気中に効率よく溶存気体の気化を促進することができ、更には脱気水の空気との再接触を極力防止して処理系内での大気からの酸素や炭酸ガスの再溶解を防止することもできるので、配管系での赤錆などの腐蝕も防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1:円筒本体
2:主脱気室
3:第1の貯水室
4:第2の貯水室
5:隔壁
6:蓋
7:直立導水筒
8:給水配管
9:導水室
10:貯留室
11:減圧室
12:入口用逆止弁
13:入口用逆止弁
14:受水槽
15:電極筒
16:手動開閉弁
17:三方電磁弁
18:バイパス配管
19:送水口
20:出口用逆止弁
21:出口用逆止弁
22:送水ポンプ
23:加圧水槽(高架水槽)
24:建物
25:タップ
26:制御器
27:真空ポンプ
28:三方電磁弁
29:三方電磁弁
30:三方電磁弁
31:水位検出器
32:水位検出器
33:気水分離器
34:超音波振動子
35:浮蓋
36:浮蓋

Claims (10)

  1. 内部を大気圧以下に減圧することにより給水管から水を吸引して減圧沸騰により水中の溶存気体を捕集脱気する主脱気室と、主脱気室で脱気された水を一時貯留する複数の貯水室と、各貯水室に蓄えられた水を外部へ導出するための共通の送水手段と、主脱気室から各貯水室への水の導入および各貯水室から共通送水手段への水の導出を個々の貯水室ごとに独立して制御する制御手段とを備えたことを特徴とする脱気装置。
  2. 制御手段が、各貯水室ごとに独立したタイミングで貯水室内部を大気圧以下に減圧する減圧手段と、貯水室内が減圧されたときのみ開くように主脱気室と各貯水室それぞれとの間の導水口に個別に設けられた入口用逆止弁と、貯水室内の減圧が解除されて大気圧に復帰したときのみ開くように各貯水室それぞれと共通送水手段との間に個別に設けられた出口用逆止弁とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の脱気装置。
  3. 減圧手段が、主脱気室内を減圧するための真空ポンプと、この真空ポンプの吸引口と各貯水室内の上部空間それぞれとの間に個別に設けられた電磁弁とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の脱気装置。
  4. 制御手段が、各貯水室内の水位を検出する水位検出器と、水位検出器の検出信号に基づいて減圧手段による各貯水室内の減圧動作のタイミングを制御する制御器とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の脱気装置。
  5. 主脱気室が、給水管から吸引した水にキャビテーションを生起せしめるための超音波振動付与装置を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の脱気装置。
  6. 主脱気室が、給水管と底部で接続された直立導水筒と、直立導水筒の上部開口縁から溢流する水を受け入れる貯留室と、直立導水筒および貯留室の上部空間を含む減圧室とを備え、貯留室は下部で各貯水室に連通可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の脱気装置。
  7. 主脱気室が、直立導水筒の底部から直立導水筒内に満たされた水に超音波振動の定在波を与える超音波振動付与装置を備えていることを特徴とする請求項6に記載の脱気装置。
  8. 各貯水室内の水面に気体との接触面積を少なくするための浮蓋が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の脱気装置。
  9. 主脱気室と各貯水室を一体に組み込んだ脱気ユニットとして構成されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱気装置。
  10. 主脱気室と各貯水室が別体の缶体からなり、両缶体が配管で接続されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱気装置。
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