JP2000300620A - 車椅子 - Google Patents

車椅子

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JP2000300620A
JP2000300620A JP11116018A JP11601899A JP2000300620A JP 2000300620 A JP2000300620 A JP 2000300620A JP 11116018 A JP11116018 A JP 11116018A JP 11601899 A JP11601899 A JP 11601899A JP 2000300620 A JP2000300620 A JP 2000300620A
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JP
Japan
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wheelchair
seat
seat portion
turning
main body
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JP11116018A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nakanishi
政行 中西
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Santec KK
Original Assignee
Santec KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シート部が旋回可能な車椅子において、車椅
子本体に装着されたシート部を、別のシート部に容易に
交換することができる車椅子を提供する。 【解決手段】 駆動輪32が軸支された車椅子本体3
と、車椅子本体3に対して回動自在に軸支された回転軸
と、車椅子本体3の上方に配設され、回転軸を軸として
回転する回転板12と、回転板12の上面に着脱可能に
装着されたシート部2とを備えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車椅子に関するも
のであり、特に、車椅子本体に対しシート部を旋回させ
ることができる車椅子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車椅子として、例えば一対の
車輪に電動機を取付け、それぞれの電動機を予め入力さ
れたプログラムに従って動作させることにより、車椅子
本体を任意の方位へ移動させるようにした電動車椅子が
知られている。具体的には、電動車椅子のシート部に
は、移動方位を設定するための操作装置(リモコン)が
配設されており、この操作装置により設定された目標方
位と、車椅子本体の移動方位(車軸に対して垂直な方
向)とが一致するように、各駆動輪の角速度が制御され
る。
【0003】ところで、上記のものでは、例えば、使用
者が単に自分の向き(以下、姿勢方位と称す)を変えた
い場合であっても、目標方位へ移動する場合と同様、左
右方向に並設された各車輪をその角速度が互いに異なる
ように回転させながら、姿勢方位を変えなければならな
かった。このため、使用者の姿勢方位を変えるために比
較的広い空間が必要であった。また、シート部が車椅子
本体に固定されているため、車椅子本体の移動方位を変
更させると、シート部の向き、すなわち使用者の姿勢方
位も車椅子本体とともに変化する。このため、使用者の
姿勢方位と車椅子本体の移動方位とを異なる方位に移動
させることができず使い勝手が悪かった。
【0004】そこで、本願発明者等は、車椅子本体に対
しシート部を旋回させる機能を備えた電動車椅子を試作
した。具体的には、シート部の底面に回転軸を垂設する
とともに、その回転軸を車椅子本体に回動自在に軸支す
るものである。そして、回転軸を旋回用電動機によって
回転させることにより、車椅子本体に対しシート部を旋
回させる。このように、シート部を旋回させる機能を備
えることにより、車椅子の利便性を大幅に向上させるこ
とができる。
【0005】また、車椅子には、使用者が足を載せるた
めの台、所謂フットレストが設けられているが、上記の
ようにシート部が車椅子本体に対して旋回するもので
は、フットレストもシート部とともに旋回させる必要が
ある。そこで、シート部の底面に支持部材を介してフッ
トレストを取付けるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車椅子を使
用する際、使用者の体型や身体の状態に合ったもの、更
には、車椅子が使用される場所や環境に適したものが、
選ばれ使用されることが望ましい。しかし、現状では、
車椅子の種類は少なく、選択できる範囲も限られてい
た。また、その車椅子の使用者が変わった場合や、車椅
子が使用される場所、環境等が変わった場合でも、それ
に応じて車椅子の形態を変えることができなかったた
め、使い勝手の悪いまま使用されることもあった。
【0007】そこで、発明者等は、車椅子本体に対して
シート部を着脱可能に装着するとともに、互いに異なる
形態の複数のシート部を用意し、その中から選択された
シート部を自在に取換可能とするものを考案した。これ
によれば、使用者の好みや使用される場所等に応じて自
在にシート部を交換でき、しかもシート部が破損した場
合にも新しいものと交換することができる。
【0008】しかし、前述のように、車椅子本体に対し
てシート部を旋回させるものにおいては、シート部の底
面から垂設された回転軸は車椅子本体に軸支されている
ため、シート部を容易に着脱させることができなかっ
た。しかも、シート部には、車椅子を操作するための操
作装置や、フットレストを取付けるための支持部材が組
付けられているため、シート部を交換する際には、これ
らの操作装置や支持部材を、今まで使用していたシート
部から、新しく交換されるシート部へと付替えなければ
ならなかった。このように、従来の試作品では、シート
部を車椅子本体から着脱することは困難であり、交換作
業に多くの時間を要していた。また、操作装置と車椅子
本体の制御手段との間で通信を行うために、通信線を配
設したものにおいては、シート部の交換の際に通信線が
引っ張られ断線する恐れもあった。
【0009】そこで、これらの実情に鑑み、本発明は、
シート部が旋回可能な車椅子において、車椅子本体に装
着されたシート部を、別のシート部に容易に交換するこ
とができる車椅子の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
車椅子は、車輪が軸支された車椅子本体と、前記車椅子
本体に対して回動自在に軸支された回転軸と、前記車椅
子本体の上方に配設され、前記回転軸を軸として回転す
る回転板と、前記回転板の上面に締結手段を介して着脱
可能に装着されたシート部とを備えるものである。ここ
で、「回転軸」と「回転板」とは一体で形成されていて
もよく、互いに別部品で形成され組付けられていてもよ
い。
【0011】したがって、請求項1の発明の車椅子によ
れば、シート部は、回転板の上面に載せられた状態で、
締結手段により締結されている。つまり、シート部が回
転板に固定されているため、回転軸を介して回転板が回
転すると、シート部も車椅子本体に対して旋回する。
【0012】シート部を交換するときは、まず、締結手
段の締結状態を解除する。これにより、シート部が回転
板に対して離脱可能な状態となる。つまり、締結状態を
解除することにより、回転板及び回転軸を車椅子本体か
ら外すことなく、シート部のみが車椅子本体から取外さ
れる。そして、新しく装着されるシート部を回転板の上
に載せ、締結手段によってシート部を回転板に締結する
ことによりシート部が固定される。
【0013】請求項2の発明にかかる車椅子は、請求項
1に記載の車椅子において、前記締結手段は、前記シー
ト部の底面に垂設され前記回転板の開口部を挿通する複
数本の雄ねじ部と、前記回転板の下方から前記雄ねじ部
に螺合されたナットとからなるものである。
【0014】したがって、請求項2の発明の車椅子によ
れば、請求項1の発明の車椅子の作用に加え、シート部
の底面には複数本の雄ねじ部が垂設され、一方、回転板
には各雄ねじ部と対向する位置に複数の開口部が穿設さ
れているため、シート部が回転板の上面に載せられた状
態では、シート部の底面に垂設された雄ねじ部が、回転
板の開口部に挿入されている。また、雄ねじ部の先端
(下端)にナットが螺合されることにより、シート部は
回転板に締結されている。
【0015】つまり、回転板からシート部を離脱させる
には、ナットを緩めて雄ねじ部からナットを外す。これ
により、シート部が上方向に離脱可能な状態となる。ま
た、シート部を装着する場合は、新たなシート部を回転
板の上に載せ、回転板の底面から雄ねじ部の先端にナッ
トを螺合することにより、シート部が回転板に固定され
る。
【0016】請求項3の発明にかかる車椅子は、請求項
1または請求項2のいずれかに記載の車椅子において、
前記車椅子本体及び前記回転板を覆うとともに、周面に
メンテナンス口が形成されたカバーと、前記カバーに取
付けられ前記メンテナンス口を閉塞する開閉蓋とを備え
るものである。
【0017】ここで、カバーは、下面及び上面の一部が
開放された筒状のものであり、複数の部品から分離可能
に構成してもよく、一体に構成してもよい。また、メン
テナンス口は、1つであってもよいが、前後あるいは左
右等、周面の対向する位置にそれぞれ形成することが望
ましい。
【0018】したがって、請求項3の発明の車椅子によ
れば、請求項1または請求項2の発明の車椅子の作用に
加え、車椅子本体及び回転板がカバーで覆われているた
め、使用者の身体が車体本体や回転板に触れることがな
く安全性が高い。また、内部の構成が見えないため見栄
えがよい。
【0019】そして、上記カバーで覆われているものに
おいて、シート部を交換するときは、カバーの周面の一
部に配設された開閉蓋を開くことにより、メンテナンス
口を開放する。そして、メンテナンス口から手を入れ、
締結状態を解除する。例えば締結手段を、雄ねじ部とナ
ットとから構成するものでは、雄ねじ部に螺合されたナ
ットを操作する。つまり、カバーを装着したまま締結手
段が操作される。
【0020】請求項4の発明にかかる車椅子は、請求項
1乃至請求項3のいずれか1つに記載の車椅子におい
て、前記回転板に第2締結手段を介して着脱可能に装着
され長手方向が下方に向かって屈曲した支持部材と、該
支持部材の先端部位に取付けられたフットレストとを備
えるものである。
【0021】ここで、「支持部材」は、例えばパイプ状
の棒材から構成することができる。また、「フットレス
ト」は、使用者の足の裏全体を受ける板状のものであっ
てもよく、足の裏の一部分のみを受ける棒状の部材であ
ってもよい。なお、フットレストが棒状の部材であると
きは、支持部材と一体に成形することもできる。また、
「第2締結手段」は、特に限定されるものではなく、例
えば、回転板の一部にボルトが貫通する開口を穿設する
とともに、支持部材にそのボルトが螺合するネジ孔を穿
設し、ボルトを介して締結するようにしてもよい。
【0022】したがって、請求項4の発明の車椅子によ
れば、請求項1乃至請求項3のいずれかの発明の車椅子
の作用に加え、フットレストを取付けるための支持部材
は、第2締結手段により回転板に締結されているため、
シート部のみを交換するときは、シート部を締結してい
る締結手段の締付状態のみ解除する。これにより、フッ
トレスト及び支持部材を取外すことなく、シート部が離
脱される。また、フットレスト及び支持部材も交換する
ときは、第2締結手段の締付状態を解除することによ
り、フットレスト及び支持部材が、回転板すなわち車椅
子本体から離脱可能となる。なお、フットレスト及び支
持部材は、第2締結手段によって回転板に固定されてい
るため、シート部と同様、車椅子本体に対して旋回す
る。
【0023】請求項5の発明にかかる車椅子は、請求項
1乃至請求項4のいずれか1つに記載の車椅子におい
て、前記回転軸を前記車椅子本体に対して回転させるこ
とにより前記シート部を旋回させる旋回用電動機と、前
記シート部の近傍に配設され前記旋回用電動機の動作を
指示する操作装置と、該操作装置を前記シート部を介す
ることなく前記回転板または前記フットレストの前記支
持部材に取付けるための取付用棒材とを備えるものであ
る。
【0024】したがって、請求項5の発明の電動車椅子
によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明の車
椅子の作用に加え、シート部の近傍に配設された操作装
置により旋回動作が指示されると、旋回用電動機が動作
し回転軸および回転板が回転する。そして、回転板には
シート部が締結されているため、シート部は車椅子本体
に対し旋回する。
【0025】操作装置は、シート部の近傍に配設されて
いるが、シート部には固定されておらず、取付用棒材を
介して回転板またはフットレストの支持部材に取付けら
れている。つまり、操作装置を取外すことなく、シート
部が交換される。なお、取付用棒材を中空のパイプ材で
構成することにより、取付用棒材の中に信号線を配線す
ることが可能となる。
【0026】請求項6の発明にかかる車椅子は、請求項
1乃至請求項5のいずれか1つに記載の車椅子におい
て、前記シート部は、互いに異なる形態の複数のシート
部の中から選択されたものであり、前記複数のシート部
はいずれも同一形状の前記締結手段を介して前記回転板
に着脱可能とするものである。
【0027】ここで、「互いに異なる形態」とは、シー
ト部の材質、形状、大きさ、又は色彩、あるいはそれら
の組合せ等が互いに異なった状態を示している。
【0028】したがって、請求項6の発明の電動車椅子
によれば、請求項1乃至請求項5のいずれかの発明の車
椅子の作用に加え、互いに異なる形態の複数のシート部
の中から、使用者の体型や、使用者の好み、あるいは、
車椅子が使用される場所や環境に適したシート部が選択
され、車椅子本体に装着される。また、使用者が変わっ
た場合や車椅子が使用される場所が変わった場合には、
それに応じてシート部が交換される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
車椅子について図1乃至図9に基づき説明する。図1は
車椅子の構成を示す斜視図であり、図2は車椅子の縦断
面における要部の構成を示す断面図であり、図3は車椅
子の要部の構成を示す背面図であり、図4は車椅子のシ
ート部を外した状態を示す平面図であり、図5は車椅子
のシート部の着脱を説明すための説明図であり、図6は
車椅子の操作装置を示す平面図であり、図7及び図8は
車椅子の動作を説明するための説明図であり、図9は車
椅子の制御装置を示すブロック図である。本実施形態の
車椅子1は、電力により、車椅子本体の移動、及びシー
ト部の旋回をさせることが可能な車椅子(電動車椅子)
であり、図1乃至図3に示すように、主な構成として、
シート部2と、車椅子本体3と、操作装置4とを備えて
いる。
【0030】シート部2は、図1に示すように、座部
5、背もたれ部6、及び肘掛部7からなる。座部5は弾
力性のあるクッションであり、その上面は、緩やかに湾
曲した凹部形状となっている。座部5の一方の側面に
は、シートベルトの先端金具を着脱自在に係止する係止
部材(図示しない)が配設されている。なお、シートベ
ルトは、使用しないとき収納部に巻取られる巻取式であ
ってもよく、固定式であってもよい。また、背もたれ部
6は、座部5の後端部に連結され、後方側に傾斜した状
態で立設されている。なお、この傾斜状態は、図示しな
い調節手段により調節することができる。肘掛部7は、
背もたれ部6の側面の略中央にそれぞれ軸支されてお
り、背もたれ部6に対して平行となる起立位置と、略垂
直となる使用位置との間で回動可能に支持されている。
また、図3または図5に示すように、シート部2の底面
には底板8が備えられており、底板8には4本の雄ねじ
部9が下方向に向かって垂設されている。各雄ねじ部9
は、互いに所定の間隔Aを隔てて形成されている。
【0031】シート部2は、フットレスト10の支持部
材11を挟んで、回転板12に締結されている。支持部
材11は、図1及び図4に示すように、長手方向の略中
央で屈曲された2本の主パイプ13と、左右に並設され
た主パイプ13,13の下端近傍に横架された補強パイ
プ14と、主パイプ13を回転板12に取付けるための
保持部材15とから構成されており、補強パイプ14の
下側には、板状のフットレスト10が左右に2枚並設さ
れている。
【0032】保持部材15は、図3及び図4に示すよう
に、長手方向に沿って外側面側が開放された溝を有する
覆い部15aと、主パイプ13の長手方向に対して垂直
で且つ車椅子1の接地面(地面)に対して垂直となるよ
うに配設された保持板15b,15cとから構成されて
おり、溶接によって主パイプ13に固定されている。な
お、覆い部15aに形成された溝部は、後述する取付用
棒材59を取付けるために形成されている。保持板は、
2種類の保持板、つまり、主パイプ13の略中央に配設
された前側保持板15bと、主パイプ13の後端部に配
設された後側保持板15cとからなる。前側保持板15
b及び後側保持板15cには、内側に開放する長孔状の
切欠16がそれぞれ形成されている。この切欠16の幅
は、雄ねじ部9が挿通可能な大きさであり、前側保持板
15bに形成された切欠16と、後側保持板15cに形
成された切欠16との間隔は、シート部2の底板8に垂
設された雄ねじ部9の間隔Aと等しい。また、左右の主
パイプ13にそれぞれ配設された前側保持板15bの切
欠16同士の間隔、及び後側保持板15cの切欠16同
士の間隔も雄ねじ部9の間隔Aと等しい。なお、後側保
持板15cには、後述するボルト17が螺合されるため
のネジ孔18が穿設されている。
【0033】回転板12は、図4に示すように、平面形
状が「×」型である幅広の回転板本体12aと、平面形
状が「く」の字型である補強板12bとから一体成形さ
れたものであり、略「8」の字型の外観を呈している。
なお、回転板本体12aの断面は、下方向に開放した
「コ」字型が形状を呈している。回転板本体12aの中
央には開口19が穿設されており、回転板12の底面中
央には、取付板20を介して回転軸21が4本のボルト
22によって締結されている。また、回転板本体12a
の4隅には、シート部2の底板8に垂設され雄ねじ部9
が挿通する長孔23がそれぞれ穿設されている。この4
つの長孔23は、支持部材11の保持板15b,15c
に形成された4つの切欠16と、上下方向において一致
する位置に穿設されている。したがって、シート部2が
回転板12の上に載せられた状態では、シート部2の底
板8に垂設された雄ねじ部9は、保持板15b,15c
に形成された切欠16、及び回転板本体12aに穿設さ
れた長孔23を挿通している。そして、この雄ねじ部9
の先端にはナット24が螺合されており、これによりシ
ート部2が回転板12に固定されている。つまり、シー
ト部2を交換する際には、雄ねじ部9からナット24を
外すことにより、シート部2が回転板12に対して上方
向に離脱可能な状態となる。ここで、雄ねじ部9及びナ
ット24が本発明の締結手段に相当し、長孔23が本発
明の開口部に相当する。
【0034】また、回転板本体12aには、後側保持板
15cに穿設されたネジ孔18と重なり合う位置に貫通
孔(図示しない)が穿設されている。そして、支持部材
11を回転板本体12aに載せた状態で、回転板本体1
2aの下方から、回転板本体12aの貫通孔にボルト1
7の先端が挿通され、ボルト17が後側保持板15cの
ネジ孔18に螺合されている。これにより、支持部材1
1が回転板本体12aに固定されている。ここで、ボル
ト17及び後側保持板15cに穿設されたネジ孔18が
本発明の第2締結手段に相当する。なお、この第2締結
手段は前側保持板15bには形成されていないが、シー
ト部2は前側保持板15b及び後側保持板15cを挟ん
だ状態で回転板12に締結されているため、シート部2
の締結により保持板15b,15cが確実に固定されて
いる。
【0035】回転板12の底面中央には、回転軸21が
ボルト22によって締結されている。具体的には、回転
軸21のフランジ部26にはボルト22の雄ねじ部が螺
入されるネジ孔(図示しない)が穿設されており、ボル
ト22を締めつけることにより回転軸21が回転板12
の底面に締結されている。回転軸21には、その中心に
上下方向に貫通する孔27が穿設されているとともに、
周囲には大径の第1プーリ28と小径の第2プーリ29
とが形成されている。この回転軸21は、車椅子本体3
に形成されたブラケット30との間に軸受部31を介し
て回転自在に支持されている。
【0036】車椅子本体3は、車輪として、後方(図2
においては右側)に配設された一対の駆動輪32(32
a,32b)と、前方(図2においては左側)に配設さ
れた一対の従輪33とを備えている。右側に配設された
駆動輪32aの車軸には、右輪用電動機35の回転軸が
連結され、左側に配設された駆動輪32b(図3参照)
の車軸には、左輪用電動機36の回転軸が連結されてい
る。つまり、駆動輪32aは、右輪用電動機35の回転
速度に応じた角速度で回転し、駆動輪32bは、左輪用
電動機36の回転速度に応じた角速度で回転する。一対
の従輪33は、それぞれ平面上で回動可能な車軸受37
によって軸支され、車椅子本体3の進行方向に従って車
輪の向きが自由に変わるものである。また、車椅子本体
3の前後のそれぞれ中心位置、及び前後方向の略中央の
左右位置には、転倒防止用のストッパー34が備えられ
ている。各ストッパー34は、それぞれ取付枠38(3
8a,38b,38c)に支持されており、車椅子本体
3が一方向へ傾いても車椅子本体3が転倒しないよう
に、車椅子本体3を支えている。
【0037】右輪用電動機35、左輪用電動機36、車
軸受37、及び取付枠38は、いずれも車体枠40の底
面に取付けられている。車体枠40は、車椅子本体3を
一体の構成体として組付けるための部材であり、カバー
41(図1または図4参照)によって覆われている。車
体枠40の上面の略中央には、前述したようにブラケッ
ト30を介して軸受部31を支持するための支持枠42
が、回転軸21の第1プーリ28及び第2プーリ29を
覆うように配設されている。なお、支持枠42の背面及
び前面には、第1ベルト43及び第2ベルト44が貫通
する切欠部(図示しない)がそれぞれ形成されている。
【0038】また、車体枠40の後方には、旋回用電動
機45が配設されている。この旋回用電動機45は、回
転軸21を回転させるためのものであり、その軸体46
が上方を向くように取付板47によって車体枠40の上
面に固定されている。旋回用電動機45の軸体46に
は、第3プーリ48が取付けられている。つまり、第3
プーリ48の貫通孔に旋回用電動機45の軸体46が嵌
入されており、第3プーリ48は旋回用電動機45の動
作により回転する。第3プーリ48と、回転軸21の外
周面に形成された第1プーリ28とは互いに同一高さに
配設されており、第1ベルト43で繋がれている。した
がって、旋回用電動機45が駆動して第3プーリ48を
所定方向に回転させると、第1ベルト43を介して回転
軸21が回転し、回転軸21に接続されたシート部2を
所定の方向に旋回させる。また、第3プーリ48が反対
方向に回転するように旋回用電動機45を駆動すると、
回転軸21が反対方向に回転しシート部2が反対方向に
旋回する。
【0039】また、車体枠40の上面であり、且つ支持
枠42の前方には、取付板49を介してエンコーダ50
が配設されている。このエンコーダ50は、具体的には
ロータリエンコーダであり、シート部2と車椅子本体3
との相対角度を検出するために備えられている。エンコ
ーダ50には第4プーリ51が取付けられている。つま
り、第4プーリ51の貫通孔にエンコーダ50の軸50
aが嵌入されており、第4プーリ51の回転角度がエン
コーダ50で検出される。第4プーリ51と回転軸21
の外周面に形成された第2プーリ29とは互いに同一高
さに配設されており、第2ベルト44で繋がれている。
したがって、エンコーダ50から発生される出力は、車
椅子本体3に対する回転軸16の相対角度、すなわちシ
ート部2の旋回角度に応じた値となる。
【0040】車体枠40の前側には、制御ユニット52
が配設されている。制御ユニット52には、操作装置4
やエンコーダ50の出力に基づいて、右輪用電動機3
5、左輪用電動機36、及び旋回用電動機45を制御す
るための制御装置53(図9参照)が収納されている。
なお、制御装置53についての詳細は後述する。また、
車体枠40の中央付近には、2つの充電器54が左右に
別れて配設されている。この充電器54は、制御装置5
3、及び各電動機35,36,45等に電力を供給する
ためのものである。
【0041】車椅子本体3及び回転板12を覆うカバー
41は、使用者が車椅子本体3や回転板12に触れるこ
とを防止するとともに、見栄えを向上するものである。
このカバー41は、図1及び図4に示すように、下面及
び上面の中央部分が開放された筒状の部材であり、その
上壁部が回転板12の上面に被ることにより支持される
とともに、その上壁部に形成された開口55を介して、
ねじ56により固定されている。また、カバー41に
は、周面の前側と後側とにそれぞれメンテナンス口57
が形成されており、このメンテナンス口57は、開閉可
能な開閉蓋58で閉塞されている。具体的には、開閉蓋
58の4隅の内側には磁石が貼設され、一方、メンテナ
ンス口57を開閉蓋58で閉塞した際に磁石と対向する
カバー41の所定部位には、磁性体からなる金属片が貼
着されているため、磁石の磁力により開閉蓋58はカバ
ー41に着脱可能に取付けられる。
【0042】操作装置4は、パイプ状の取付用棒材59
(図1参照)を介して、保持部材15の覆い部15aに
取付けられ、右側の肘掛部7の近傍に配設されている。
取付用棒材59の先端には、図3に示すように2枚の挟
持片を有する挟持部材59aが装着されており、この2
枚の挟持片によって覆い部15aに形成された溝の周囲
を挟むことにより、取付用棒材59が保持部材15に固
定されている。なお、挟持部材59aの挟持状態を解除
することにより、取付用棒材59を覆い部15aの溝に
沿って移動させることができ、どの位置においても固定
することができるようになっている。つまり、取付用棒
材59の位置、換言すれば操作装置4の前後方向の位置
を自在に調節することができる。
【0043】操作装置4の表面には、図6に示すよう
に、複数の指示手段と表示手段とが設けられている。具
体的には、指示手段としては、シート部2を左方向(反
時計方向)に旋回させるための指示を行う左旋回スイッ
チ60と、シート部2を右方向(時計方向)に旋回させ
るための指示を行う右旋回スイッチ61と、シート部2
の旋回速度を高速と低速とに切替える速度切替スイッチ
62と、全方位方向に傾斜可能なレバー63により移動
方位の指示、及び移動速度の指示を同時に行う方位兼速
度指示部64と、この方位兼速度指示部64で指示され
る方位を、高い分解能で細かく認識するか、指標Tで示
された4方位のうちの1方位として認識するかを切り替
えるためのモード切替スイッチ65と、車椅子本体3の
移動またはシート部2の旋回を停止させる緊急停止スイ
ッチ66と、異常が発生したとき報知するブザーの鳴動
を停止するリセットスイッチ67とを備えている。な
お、方位兼速度指示部64は、使用者が弾性体(図示し
ない)の弾性力に抗してレバー63を付勢することによ
り、レバー63が任意の方位に傾斜するものであり、そ
のレバー63の傾斜方位と傾斜度合とによって、X軸で
の速度成分(シート部2の前方向への速度成分)Vx
と、Y軸での速度成分(シート部2の横方向への速度成
分)Vyとが一義的に設定される。また、操作装置4の
表示手段としては、車椅子本体3に配設された充電器5
4の充電量が正常であるとき(充電量が所定値以上のと
き)に点灯する充電容量ランプ68や、車椅子1が異常
状態であることを示す異常表示ランプ69を備えてい
る。
【0044】操作装置4と、車椅子本体3に配設された
制御装置53とは、光通信により情報の伝達が行われ
る。具体的には、図2に示すように、操作装置4と通信
線(図示しない)を介して接続された第1光変換部70
が、回転板12の上方位置に配設され、制御装置53と
通信線(図示しない)を介して接続された第2光変換部
71が、回転軸21の下方位置に取付板72によって取
付けられている。ここで、操作装置4と第1光変換部7
0とを繋ぐ通信線は、パイプ状の取付用棒材59の内部
を通って配線されている。第1光変換部70及び第2光
変換部71は、それぞれ発光素子H及び受光素子Uを備
えている。発光素子Hは電気信号を光信号に変換するも
のであり、受光素子Uは他方の光変換部に配設された発
光素子Hから発光された光信号を電気信号に変換するも
のである。なお、光信号は、回転軸21に穿設された孔
27及び回転板12に穿設された開口19を通過して他
方の光変換部へ送られる。したがって、本実施形態の車
椅子1では、回転軸21を介して通信線が配線されてい
ないため、シート部2を旋回させる際に通信線が支障と
なることがない。
【0045】また、図9に示すように、第1光変換部7
0と第2光変換部71との間で光通信を行うため、操作
装置4には第1通信手段73が備えられ、制御装置53
には第2通信手段74が備えられている。つまり、第1
通信手段73は、マイクロコンピュータを有し、左旋回
スイッチ60、右旋回スイッチ61、及び、方位兼速度
指示部64等が操作されたとき、その指示情報を第1光
変換部70の発光素子Hへ送信するとともに、第1光変
換部70の受光素子Uへ送信された充電器54の充電量
に関する情報等を認識し、充電容量ランプ68等を制御
する。また、車椅子本体3に配設された制御装置53の
第2通信手段74は、操作装置4から第2光変換部71
の受光素子Uへ送信された情報(指示信号)を認識し、
それに基づいて旋回制御手段75及び移動制御手段76
へ指示信号を送る。
【0046】旋回制御手段75は、旋回用電動機45の
回転方向及び回転角度を制御するためのものであり、左
旋回スイッチ60または右旋回スイッチ61の単独操作
に対しては、第2通信手段74の出力のみに基づいて旋
回用電動機45を制御する。また、方位兼速度指示部6
4の単独操作、あるいは方位兼速度指示部64と左旋回
スイッチ60または右旋回スイッチ61との同時操作に
対しては、第2通信手段74からの信号に加え、移動制
御手段76及びエンコーダ50の出力に基づいて旋回用
電動機45を制御する。このように旋回用電動機45が
制御されることにより、回転軸21を介してシート部2
が旋回する。
【0047】移動制御手段76は、右輪用電動機35及
び左輪用電動機36の回転角度を制御するためのもので
あり、方位兼速度指示部64が操作されたとき、その指
示された方位と車椅子本体3の向きとに基づいて右輪用
電動機35と左輪用電動機36との角速度をそれぞれ制
御する。なお、第2通信手段74、旋回制御手段75、
及び移動制御手段76は、マイクロコンピュータ及び制
御回路等で構成されている。マイクロコンピュータは、
演算及び制御を行う中央情報処理装置(CPU)、読み
出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ
(RAM)からなる補助記憶装置を備えており、プログ
ラムに従って各種の制御を行う。
【0048】次に、本実施形態の車椅子1の動作を、図
7及び図8に示す動作説明図に基づいて説明する。車椅
子1の動作は大別して、旋回単独動作と、移動単独動作
と、旋回兼移動動作とがある。旋回単独動作とは、図7
に示すように、車椅子本体3を移動させることなく、シ
ート部2を車椅子本体3に対して旋回させる動作のこと
である。つまり、右輪用電動機35及び左輪用電動機3
6を停止させた状態で、旋回用電動機45を旋回制御手
段75により制御する。具体的には、方位兼速度指示部
64が操作されることなく、右旋回スイッチ61が押圧
されると、旋回制御手段75は、旋回用電動機45の軸
体46が右回転するように、旋回用電動機45を駆動す
る。つまり、右旋回スイッチ61が押圧されている間
は、旋回用電動機45を駆動し、右旋回スイッチ61の
押圧が解除されると、旋回用電動機45の駆動を停止す
る。旋回用電動機45の軸体46が右回転すると第3プ
ーリ48が回転する。第3プーリ48と、回転軸21の
周面に形成された第1プーリ28とは、第1ベルト43
によって繋がれているため、回転軸21は第3プーリ4
8の回転に連動して回転する。そして、回転軸21に接
続された回転板12には、支持部材11及びシート部2
が締結されているため、回転軸21の回転に伴って、支
持部材11及びシート部2が右方向に旋回する。このと
き、支持部材11に取付られているフットレスト10及
び操作装置4も、シート部2とともに旋回する。なお、
左旋回スイッチ50が押圧された場合には、上記と同様
の制御が行われ、シート部は左方向に旋回する。
【0049】一方、移動単独動作とは、図8に示すよう
に、シート部2の方向、つまり使用者の姿勢方位Lを変
化させることなく、車椅子本体3を指示された方位(目
標方位)Pに移動させる動作である。つまり、一対の駆
動輪32a,32bがそれぞれ所定の角速度で回転する
ように、右輪用電動機35及び左輪用電動機36を移動
制御手段76により制御するとともに、車椅子本体3の
移動方位Iの変更を相殺するように旋回用電動機45を
旋回制御手段75により制御する。具体的には、方位兼
速度指示部64が操作されたとき、移動制御手段76
は、車椅子本体3の移動方位Iを、操作装置4で設定さ
れた目標方位Pに一致させるため、まず、方位兼速度指
示部64の出力により、シート部2の前方向への速度成
分Vxと、シート部2の横方向への速度成分Vyとを認
識する。つまり、方位兼速度指示部64のレバー63の
傾斜方位および傾斜度合が、車椅子本体3の目標方位及
び移動速度として認識される。
【0050】続いて、一対の駆動輪32a,32bを回
転させたときに、速度成分Vx及び速度成分Vyが得ら
れるように、右側に配設された駆動輪32aを回転させ
る右輪用電動機35の角速度ω1と、左側に配設された
駆動輪32bを回転させる左輪用電動機36の角速度ω
2とを、次式により算出する。つまり、各駆動輪32
a,32bの角速度に差が生じるように回転させること
により、車椅子本体3の移動方位Iが変化することか
ら、ここでは、移動方位Iを目標方位Pに一致させるた
めの、右輪用電動機35の角速度ω1と、左輪用電動機
36の角速度ω2とを設定する。ここで、sは一対の駆
動輪32a,32bの各接地点の中点Oと回転軸21の
中心との距離であり、dは一対の駆動輪32a,32b
の各接地点間の距離の半分の長さであり、rは駆動輪3
2a,32bの半径であり、θはエンコーダ50で検出
される車椅子本体3とシート部2との相対角度である。
【0051】 ω1={(s・cosθ+d・sinθ)・Vx+(−s・sinθ+d・c osθ)・Vy}/(s・r) ・・・式
【0052】 ω2={(s・cosθ−d・sinθ)・Vx+(−s・sinθ−d・c osθ)・Vy}/(s・r) ・・・式
【0053】また、旋回制御手段75は、上記の式で
算出された右輪用電動機35の角速度ω1と、式で算
出された左輪用電動機36の角速度ω2との差(ω1−
ω2)に応じて、下記の式の車椅子本体3の回転角速
度ω3、つまり単位時間当たりに車椅子本体3の移動方
位Iが何度変位するかを次式により推測する。
【0054】 ω3=(r/2d)・(ω1−ω2)=(Vx・sinθ)/s+(Vy・c osθ)/s ・・・式
【0055】このように、右輪用電動機35の角速度ω
1と、左輪用電動機36の角速度ω2と、車椅子本体3
の回転角速度ω3とが求まると、右輪用電動機35が角
速度ω1で回転するように制御し、左輪用電動機36が
角速度ω2で回転するように制御する。また、推測され
た回転角速度ω3と等しい速度で、車椅子本体3の回転
方向とは逆方向にシート部2が旋回するように、旋回用
電動機45を制御する。
【0056】そして、方位兼速度指示部64のレバー6
3が付勢されて目標方位Pへの移動が指示されている
間、単位時間毎に上記の制御が繰り返される。なお、車
椅子本体3の移動方位Iと目標方位Pとが一致した後
は、一対の駆動輪32a,32bは互いに同じ角速度と
なり、目標方位Pを直進する。このように、旋回制御手
段75は、その車椅子本体3の回転角速度ω3を相殺さ
せるようにシート部2を旋回させるため、シート部2の
方位、すなわち使用者の姿勢方位Lが変化することはな
い。
【0057】また、旋回兼移動動作とは、車椅子本体3
を指示された方位(目標方位)Pに移動させながら、シ
ート部2の方向、つまり使用者の姿勢方位Lを車椅子本
体3の動作とは関連なく旋回させる動作である。つま
り、一対の駆動輪32a,32bがそれぞれ所定の角速
度で回転するように、右輪用電動機35及び左輪用電動
機36を移動制御手段76により制御するとともに、車
椅子本体3の移動方位Iの変更を相殺する角度に、所定
の旋回速度を加えて、シート部2の回転角速度を決定し
ている。そして、この回転角速度が得られるように旋回
用電動機45を旋回制御手段75により制御する。具体
的には、方位兼速度指示部64が操作されるときに、右
旋回スイッチ61または左旋回スイッチ60が押圧され
ると、旋回制御手段75は、前述の式により求められ
た車椅子本体3の回転角速度ω3を相殺する角速度(−
ω3)に、シート部2の旋回速度ωdを加え、回転軸2
1の回転角速度ω4を算出する。
【0058】 ω4=−ω3+ωd=−(Vx・sinθ)/s−(Vy・cosθ)/s+ ωd ・・・式
【0059】すなわち、シート部2は、車椅子本体3の
移動方位が変更されても、使用者の姿勢方位Lを変化さ
せない状態(−ω3での旋回)を基準として所定の旋回
速度(ωd)で旋回される。このため、使用者は、車椅
子本体3が移動している場合も、車椅子本体3が移動し
ていない場合も同じようにシート部2を旋回させ自分の
姿勢方位Lを変化させることができる。
【0060】次に、本実施形態の車椅子1のシート部2
の交換作業について説明する。車椅子1の使用者が変わ
った場合や、車椅子1が使用される場所が変わった場合
には、それらに対応した最適なシート部を装着すること
ができる。つまり、互いに異なる形態の複数のシート部
の中から、使用者の体型や、使用者の好み、あるいは、
車椅子1が使用される場所や環境に適したシート部が選
択され、車椅子本体3に装着される。具体的作業として
は、まず、カバー41の周面の一部に配設された開閉蓋
58を開き、メンテナンス口57を開放する。そして、
メンテナンス口57から手を入れ、シート部2の底板8
の雄ねじ部9に螺合されているナット24を緩めて外
す。これにより、シート部2が回転板12に対して上方
向に離脱可能な状態となる(図5参照)。交換する古い
シート部2を取外し、新しく装着されるシート部80を
回転板12の上に載せる。新しく装着されるシート部8
0も古いシート部2と同様に、底板に雄ねじ部(図示し
ない)が形成されているため、その雄ねじ部は、回転板
本体12aに穿設された長孔23に挿入される。そし
て、雄ねじ部の先端にナット24を螺合する。これによ
り、シート部2が回転板12に固定される。最後に、開
閉蓋58を閉じメンテナンス口57を閉塞する。
【0061】このように、シート部2をシート部80に
交換することにより、図10に示すように、異なる形態
のシート部80を備えた車椅子81が構成される。シー
ト部80は、合成樹脂で成形されており、弾力性はシー
ト部2に比べて少ない。また、シート部80には肘掛部
が形成されておらず、湾曲した握り部82が背もたれ部
83と一体に左右側方に形成されている。
【0062】また、シート部2とともに、フットレスト
10及び支持部材11を交換するときは、シート部2を
取外した後、第2締結手段であるボルト17の締結状態
を解除することにより、支持部材11が、回転板12か
ら離脱可能となる。そして、フットレスト10が取付け
られた支持部材11を外し、新しく装着される支持部材
85をボルト17で締結する。図11は、シート部80
と支持部材85とを新しく装着した場合の車椅子86を
示す斜視図である。左右に配設された支持部材85の主
パイプ86とフットレスト部87とが一体に成形されて
おり、全体的にコ字型の外観を呈している。また、フッ
トレスト部87には、使用者の足が滑らないようにゴム
製のカバー部材88が被覆されている。
【0063】以上のように、上記実施形態の車椅子1で
は、回転軸21に接続された回転板12を備え、その回
転板12にシート部2を着脱自在に装着しているため、
シート部2を容易に交換することができる。特に、締結
手段を、シート部2の底板8に垂設された雄ねじ部9
と、ナット24とから構成することにより、ナット24
を外すだけでシート部2を離脱可能な状態とすることが
できる。しかも、シート部2を回転板12の上に載せる
だけで、雄ねじ部9が回転板12の長孔23を挿通する
ため、ナット24を雄ねじ部9の先端に容易に螺合させ
ることができ、作業性を大きく向上させることができ
る。
【0064】上記実施形態の車椅子1では、車椅子本体
3及び回転板12がカバー41で覆われているため、使
用者の身体が車椅子本体3や回転板12に触れることが
なく安全性が高い。また、内部の構成が見えないため見
栄えがよい。しかも、シート部2を交換する際、カバー
41の周面の一部に配設された開閉蓋58を開くことに
より、メンテナンス口57が開放するため、カバー41
を取外すことなくナット24を着脱することができる。
また、メンテナンス口57はカバー41の周面の前後方
向に対向して形成されているため、回転板12の4隅に
位置するナット24に容易に触れることができる。
【0065】また、上記実施形態の車椅子1では、フッ
トレスト10を取付けるための支持部材11は、第2締
結手段であるボルト17により回転板12に締結されて
いるため、フットレスト10及び支持部材11を取外す
ことなく、シート部2のみを交換することができる。ま
た操作装置4も、シート部2を介することなく支持部材
11に取付けられているため、操作装置4を取外すこと
なく、シート部2のみを交換することができる。しか
も、シート部2の交換作業において、操作装置4に接続
された信号線を誤って引っ張ることがないため、信号線
の断線等を防止することができる。
【0066】上記実施形態の車椅子1では、形態の異な
る複数のシート部について、締結手段を共通化したこと
により、互いに異なる形態の複数のシート部の中から、
使用者の体型や、使用者の好み、あるいは、車椅子が使
用される場所や環境に適したシート部を選択し、選択し
たシート部を車椅子本体3に自在に装着することができ
る。したがって、車椅子1の使用者が変わった場合や、
使用される場所が変わった場合でも容易に対応すること
ができる。
【0067】また、上記実施形態の車椅子1では、左旋
回スイッチ60または右旋回スイッチ61を押圧するこ
とにより、使用者の姿勢方位を任意の方位に変化させる
ことができる。そして、このとき車椅子本体3は移動す
ることなく、シート部2のみが旋回するため、旋回に必
要な空間を最小限とすることができ、狭い場所であって
も、容易に使用者の姿勢方位を変化させることができ
る。特に、左旋回スイッチ60と右旋回スイッチ61と
を備えたことにより、希望の方向に旋回させることがで
き、速やかに目標の方位を向くことができる。
【0068】また、上記実施形態の車椅子1では、方位
兼速度指示部64を操作することにより、車椅子本体3
の移動方向が、方位兼速度指示部64で設定された目標
方位に一致するように、車椅子本体3を移動させること
ができる。そして、このとき、車椅子本体3の移動方位
の変化を相殺するようにシート部2を、車椅子本体3の
回転方向とは逆方向に旋回させているため、シート部2
の方位、すなわち使用者の姿勢方位を変化させることな
く、車椅子本体3の移動方位を目標方位に一致させるこ
とができる。このため、例えば、車椅子1を真横方向に
移動させることもできる。
【0069】また、上記実施形態の車椅子1では、操作
装置4を肘掛部7の近傍に配設したため、スイッチ等の
操作が容易であるとともに表示が見やすい。そして、こ
のように配設された操作装置4と、車椅子本体3に配設
された制御装置53とは、回転軸21の上下に取付けら
れた第1光変換部70及び第2光変換部71を介して、
光により情報の伝達が行われるため、車椅子本体3に対
してシート部2がいくら旋回しても確実に情報を伝達す
ることができる。
【0070】また、上記実施形態の車椅子1では、車体
枠40によって、軸受部31、旋回用電動機45、エン
コーダ50、制御ユニット52、及び充電器54等が、
車椅子本体3の構成体として組付けられているため、構
成が簡略化し、車椅子1を小型化できるとともに車椅子
1の軽量化が図れる。また、制御装置53と電動機等の
アクチュエータを繋ぐ電気配線の長さが短くなることか
ら制御における信頼性も向上する。
【0071】また、上記実施形態の車椅子1では、回転
軸21の周面に、回転軸21を回転させるための第1プ
ーリ28と、回転軸21の回転をエンコーダ50に伝え
るための第2プーリ29とを形成しているため、回転軸
21及び伝達機構の構成が簡略化されるとともに、回転
軸21を中央として、旋回用電動機45、及びエンコー
ダ50を直線上に配置することができるため、車椅子本
体3をバランス良く構成することができる。
【0072】ところで、上記実施形態の車椅子1では、
締結手段として、シート部2の底板8に垂設された雄ね
じ部9とナット24とを備え、雄ねじ部9にナット24
を螺合することにより、シート部2が回転板12に締結
されるものを示したが、シート部2の底板8にボルトが
螺合される雌ねじ部を穿設し、回転板12の長孔23を
介して回転板12の下方からボルトを締めつけることに
より、シート部2を回転板に締結するようにしてもよ
い。
【0073】上記実施形態の車椅子1では、底板8に雄
ねじ部9が垂設されているシート部2を車椅子本体3に
装着するものを示したが、既存のシート部の底部に合う
ように、雄ねじ部9が形成された板を補助部品として用
意すれば、既存のシート部を車椅子本体3に装着するこ
とも可能となる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の車椅子
は、締結手段を解除することにより、シート部が回転板
から離脱可能な状態となるため、車椅子本体に対して、
シート部を容易に交換することができる。
【0075】請求項2の発明の車椅子は、請求項1の発
明の車椅子の効果に加えて、雄ねじ部からナットを外す
だけでシート部を離脱可能な状態とすることができる。
しかも、シート部を装着する際には、シート部を回転板
の上に載せるだけで、雄ねじ部が回転板の開口部を挿通
するため、ナットを雄ねじ部の先端に容易に螺合させる
ことができ、作業性を大きく向上させることができる。
【0076】請求項3の発明の車椅子は、請求項1また
は請求項2の発明の車椅子の効果に加えて、車椅子本体
及び回転板がカバーで覆われているため、使用者の身体
が車椅子本体や回転板に触れることがなく安全性が高
い。しかも、シート部を交換する際、カバーの周面の一
部に配設された開閉蓋を開くことにより、メンテナンス
口が開放するため、カバーを取外すことなく締結手段に
触れることができる。
【0077】請求項4の発明の車椅子は、請求項1乃至
請求項3のいずれかの発明の車椅子の効果に加えて、フ
ットレスト及び支持部材を取外すことなく、シート部の
みを交換することができる。
【0078】請求項5の発明の車椅子は、請求項1乃至
請求項4のいずれかの発明の車椅子の効果に加えて、操
作装置を取外すことなく、シート部のみを交換すること
ができる。このため、操作装置に信号線が接続されてい
るものにおいても、シート部の交換作業時に、信号線が
誤って引っ張られることがないため、信号線の断線等を
防止することができる。
【0079】請求項6の発明の車椅子は、請求項1乃至
請求項5のいずれかの発明の車椅子の効果に加えて、車
椅子の使用者が変わった場合や、使用される場所が変わ
った場合には、互いに異なる形態の複数のシート部の中
から最適なシート部が選択され、車椅子本体に装着され
るため、使用者の使い勝手を大幅に向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車椅子の構成を示す
斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態である車椅子の縦断面を示
す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態である車椅子の要部を示
す背面図である。
【図4】本発明の一実施形態である車椅子のシート部を
除いた平面を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態である車椅子においてシー
ト部の着脱を説明するための説明図である。
【図6】本発明の一実施形態である車椅子の操作装置を
示す平面図である。
【図7】本発明の一実施形態である車椅子の動作を説明
するための説明図である。
【図8】本発明の一実施形態である車椅子の動作を説明
するための説明図である。
【図9】本発明の一実施形態である車椅子の制御装置を
示すブロック図である。
【図10】他のシート部を装着した際の車椅子の構成を
示す斜視図である。
【図11】他のシート部及びフットレストを装着した際
の車椅子の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車椅子 2 シート部 3 車椅子本体 4 操作装置 8 底板 9 雄ねじ部(締結手段) 10 フットレスト 11 支持部材 12 回転板 17 ボルト(第2締結手段) 18 ネジ孔(第2締結手段) 21 回転軸 23 長孔(開口部) 24 ナット(締結手段) 32 駆動輪(車輪) 41 カバー 45 旋回用電動機 57 メンテナンス口 58 開閉蓋 59 取付用棒材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪が軸支された車椅子本体と、 前記車椅子本体に対して回動自在に軸支された回転軸
    と、 前記車椅子本体の上方に配設され、前記回転軸を軸とし
    て回転する回転板と、 前記回転板の上面に締結手段を介して着脱可能に装着さ
    れたシート部とを具備することを特徴とする車椅子。
  2. 【請求項2】 前記締結手段は、前記シート部の底面に
    垂設され前記回転板の開口部を挿通する複数本の雄ねじ
    部と、前記回転板の下方から前記雄ねじ部に螺合された
    ナットとからなることを特徴とする請求項1に記載の車
    椅子。
  3. 【請求項3】 前記車椅子本体及び前記回転板を覆うと
    ともに、周面にメンテナンス口が形成されたカバーと、
    前記カバーに取付けられ前記メンテナンス口を閉塞する
    開閉蓋とを備えることを特徴とする請求項1または請求
    項2のいずれかに記載の車椅子。
  4. 【請求項4】 前記回転板に第2締結手段を介して着脱
    可能に装着され長手方向が下方に向かって屈曲した支持
    部材と、該支持部材の先端部位に取付けられたフットレ
    ストとを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれか1つに記載の車椅子。
  5. 【請求項5】 前記回転軸を前記車椅子本体に対して回
    転させることにより前記シート部を旋回させる旋回用電
    動機と、前記シート部の近傍に配設され前記旋回用電動
    機の動作を指示する操作装置と、該操作装置を前記シー
    ト部を介することなく前記回転板または前記フットレス
    トの前記支持部材に取付けるための取付用棒材とを備え
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
    つに記載の車椅子。
  6. 【請求項6】 前記シート部は、互いに異なる形態の複
    数のシート部の中から選択されたものであり、前記複数
    のシート部はいずれも同一形状の前記締結手段を介して
    前記回転板に着脱可能であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項5のいずれか1つに記載の車椅子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003019166A (ja) * 2001-07-11 2003-01-21 Masashi Oishi ボールを駆動輪とする電動車両
JP2008086691A (ja) * 2006-10-05 2008-04-17 Univ Nihon 電動車椅子の機能及び機構
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KR101623813B1 (ko) * 2016-02-12 2016-05-24 (주)다성테크놀로지 탑승부가 회전가능한 휠체어용 승강장치

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