JP2000300275A - 新規タンパク質hsgl及びその遺伝子 - Google Patents

新規タンパク質hsgl及びその遺伝子

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JP2000300275A
JP2000300275A JP11117875A JP11787599A JP2000300275A JP 2000300275 A JP2000300275 A JP 2000300275A JP 11117875 A JP11117875 A JP 11117875A JP 11787599 A JP11787599 A JP 11787599A JP 2000300275 A JP2000300275 A JP 2000300275A
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ser
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dna
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一彦 堀込
Shinichi Kojima
深一 小島
Jun Sakai
順 左海
Hironori Ishikawa
弘典 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単球系細胞を活性化する新規なタンパク質お
よびその遺伝子を提供すること。 【解決手段】 無血清下でTHP−1細胞を増殖させる
活性を有する新規タンパク質HSGLおよびその遺伝子
等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規タンパク質H
SGL及びその遺伝子に関する。さらに詳しくは、無血
清下で急性単球性白血病細胞株THP−1(以下、単に
THP−1と称することもある)を増殖させる活性を有
する新規タンパク質HSGL及びその誘導体、あるいは
これらのタンパク質に対する遺伝子、抗体などに関す
る。
【0002】
【従来の技術】細胞の活性化(分化・増殖)の研究に用
いられている培養系の動物細胞は多彩であるが、特に悪
性の血液細胞である白血病の分化誘導に関する研究は現
在でもさかんに行われている。すなわち、実験動物やヒ
トの多様な白血病型の細胞(HL-60、U-937、KG-1、THP-
1等)が培養株として樹立され、その分化誘導の機序の
検討や分化誘導物質の探索研究がなされている。分化誘
導物質の作用により細胞が分化すると、白血病発症性を
消失することが確認されている。特に実験動物において
は、骨髄性白血病培養細胞を移植した同系の動物に分化
誘導物質を投与した場合、in vivoにおいて白血病細胞
が分化するのみでなく、延命効果が得られることも明ら
かにされている(穂積本男・高久史麿(編):癌細胞の
分化誘導と制癌、ソフトサイエンス社、東京(198
5))。従って分化誘導物質は、臨床的にも白血病の治
療に応用される可能性を秘めている。さらに、免疫能を
調節するという観点からは単球系の細胞を増加させる、
あるいは機能を亢進させる活性も注目されており、前記
の如き単球系細胞を分化あるいは増殖させる物質の探索
は重要であると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明者らは、転写活性化剤であるPMA(Phorb
ol 12-Myristate 13-Acetate)で刺激したヒト脳由来 g
lioblastoma細胞の培養上清を出発材料とし、THP-1細胞
を活性化(分化・増殖)する因子の探索を行った。すな
わち、抗体カラム、陰イオン交換カラム、ゲル濾過カラ
ムによりあらかじめ分画(部分精製)したサンプルの活
性を測定して、 THP-1細胞を活性化する因子の探索を行
い、見出された活性画分を逆相HPLCカラム、および
SDS−PAGEなどを組み合わせることにより、前記
培養上清からTHP-1細胞を活性化する因子の精製を試み
た。活性としては、培養液から血清を除去してTHP-1細
胞の増殖を止めた場合に当該THP-1細胞を増殖させる活
性を測定することとし、具体的には細胞増殖の指標であ
るWST-1の還元能を測定した。検討の結果、このWST-1の
還元能の上昇(増殖の指標)と形態変化(分化の指標)
とが相関するという結果が得られたため、このWST-1の
還元能を指標として増殖・分化の両面を評価できること
となった。
【0004】前記の精製および活性測定を繰り返して純
度の高いタンパク質を得ることに成功した。この蛋白の
N末及び内部のアミノ酸配列を解析し、アミノ酸配列デ
ータベース(SWISS-PROT)に対してホモロジー検索を行
った結果、該タンパク質のN末端の配列が、唯一、WO91
/16348 および Blood,Vol.81, No.11,1993,p2998-3005
においてヒト由来のIL-4 binding protein-γのN末端
配列として報告されている配列に類似していた。しかし
明らかに異なる配列であったため、該タンパク質は新規
なタンパク質であることが明らかとなった。
【0005】次に、この新規なタンパク質の全長をコー
ドする遺伝子を単離する目的で、前記で得られた部分ア
ミノ酸配列をもとに核酸配列データベース(GenBank)
を検索した結果、EST(Expressed sequence tag)に
のみ相同性のあるヒトおよびマウス遺伝子断片を見出
し、対応する遺伝子をクローニングすることに成功し
た。この遺伝子は新規な遺伝子であり、構造上HS-glyco
protein 様のタンパク質をコードするものであったこと
から、得られた新規なタンパク質をHS-glycoprotein li
ke protein(HSGLと略す)と命名した。ヒト及びマウス
HSGLのアミノ酸配列は、前記の精製で得られた部分アミ
ノ酸配列と相同性はあるものの一致しなかったことか
ら、ウシHSGLをクローニングした結果、前記の精製によ
り得られたタンパク質は、ウシ血清由来のウシHSGLであ
ることが明らかとなった。
【0006】以上のようにして得られた新規なタンパク
質HSGLは、THP-1細胞を活性化(増殖・分化)する活性
を有することから、単球系の細胞を活性化することによ
り治療され得る種々の疾患(例えば白血病、自己免疫疾
患、アレルギー性疾患、癌など)への適用が考えられ
る。また、該HSGLは構造的にはcystatin superfamilyに
属しており、中でもHS-glycoproteinに類似の構造を有
していた。従って当該HSGLは、HS-glycoprotein様の活
性( プロテアーゼ阻害活性、Insulin receptor kinase
の内在性の阻害活性、リン酸カルシウムの沈着抑制、脂
肪酸・薬剤等の細胞内取り込み促進作用、脂肪酸の代謝
促進作用、限定分解によるブラジキニン様の生理活性ペ
プチドの生成作用など)を有することが考えられるた
め、これらの活性にもとづき治療され得る種々の疾患
(例えば骨粗鬆症)への適用が考えられる。
【0007】さらに、本発明のHSGLのN末端のアミノ酸
配列は、IL-4 結合タンパク(WO91/16348 、Blood,Vol.
81, No.11,1993,p2998-3005)のN末端のアミノ酸配列
に類似していたことから、HSGLはIL-4結合タンパクであ
ることも考えられる。従って当該HSGLは、IL-4が仲介す
る免疫反応を抑制することにより、アレルギー性疾患、
自己免疫疾患あるいは移植拒絶等の治療に適用されるこ
とが考えられる。
【0008】また、前記のようなHS-glycoprotein、ま
たはIL-4結合タンパクとの類似性から、当該HSGLの遺伝
子発現、タンパクの分布、作用メカニズムなどを調べる
ことは当該領域の研究者にとって重要であると考えられ
る。従って、HSGLの遺伝子プローブ、抗体、組換えタン
パク質、トランスジェニック動物などは、研究用試薬と
して有用であると考えられる。本発明は、以上のような
知見に基づき完成するに至ったものである。
【0009】即ち本発明は、(1) 以下の(a)〜
(c)いずれか記載のDNA、 (a)配列番号:1〜配列番号:3いずれか記載の塩基
配列を有するDNA (b)配列番号:4〜配列番号:6いずれか記載のアミ
ノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA (c)E.coli DH5α(pSRαhHSGL)
(FERM P−17331)、又はE.coli D
H5α(pSRαmHSGL)(FERM P−173
32)が保持するプラスミドに挿入されているDNA (2) 前記(1)記載のDNAによりコードされるタ
ンパク質のアミノ酸配列のうち1若しくは複数のアミノ
酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列から
なり、かつ無血清下で急性単球性白血病細胞株THP−
1を増殖させる活性を有するタンパク質をコードするD
NA、(3) 前記(1)記載のDNAとストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズし、かつ無血清下で急性
単球性白血病細胞株THP−1を増殖させる活性を有す
るタンパク質をコードするDNA、(4) 前記(1)
〜(3)いずれか記載のDNAを有する発現ベクター、
(5) 前記(4)記載の発現ベクターによって形質転
換された形質転換体、(6) 前記(5)記載の形質転
換体を培養し、発現される組換えタンパク質を回収する
ことからなる、組換えタンパク質の生産方法、(7)
前記(1)〜(3)いずれか記載のDNAによりコード
されるか、又は前記(6)記載の生産方法により生産さ
れるタンパク質、(8) 前記(7)記載のタンパク質
を有効成分として含有する医薬、(9) 前記(1)〜
(3)いずれか記載のDNAの少なくとも15以上の連
続した塩基配列を有する1本鎖または2本鎖のDNA断
片、(10) 前記(7)記載のタンパク質を特異的に
認識する抗体、抗体フラグメント、又はこれらの誘導
体、ならびに(11) 前記(1)〜(3)いずれか記
載のDNAを人為的に染色体中に挿入したか、又はいず
れかをノックアウトさせたトランスジェニック動物、に
関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のDNAは、新規なタンパ
ク質HSGLをコードするDNA、又は該HSGLに類
似の構造を有するタンパク質をコードするDNAであっ
て、かつ無血清下で急性単球性白血病細胞株THP−1
を増殖させる活性を有するタンパク質をコードするDN
Aであれば特に限定されない。具体的には、以下の1)
〜3)のDNAが例示される。
【0011】1)配列番号:1〜配列番号:3いずれか
記載の塩基配列を有するDNA、配列番号:4〜配列番
号:6いずれか記載のアミノ酸配列を有するタンパク質
をコードするDNA、又は、E.coli DH5α
(pSRαhHSGL)(FERM P−1733
1)、E.coli DH5α(pSRαmHSGL)
(FERM P−17332)が保持するプラスミドに
挿入されているDNA。 2)前記1)のDNAによりコードされるタンパク質の
アミノ酸配列のうち1若しくは複数のアミノ酸が置換、
欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ
無血清下で急性単球性白血病細胞株THP−1を増殖さ
せる活性を有するタンパク質をコードするDNA。 3)前記1)記載のDNAとストリンジェントな条件下
でハイブリダイズし、かつ無血清下で急性単球性白血病
細胞株THP−1を増殖させる活性を有するタンパク質
をコードするDNA。以下、これらのDNAにつき順次
説明する。
【0012】1)HSGLをコードするDNA 前記DNAのうち、「配列番号:1に記載の塩基配列を
有するDNA」、「配列番号:4に記載のアミノ酸配列
を有するタンパク質をコードするDNA」とは、マウス
HSGLをコードするDNAである。また「配列番号:
2に記載の塩基配列を有するDNA」、「配列番号:5
に記載のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする
DNA」とは、ヒトHSGLをコードするDNAであ
る。また、「配列番号:3に記載の塩基配列を有するD
NA」、「配列番号:6に記載のアミノ酸配列を有する
タンパク質をコードするDNA」とは、ウシHSGLを
コードするDNAである。これらのDNAは、実施例記
載の方法にてクローニングすることができる。すなわ
ち、マウスおよびヒトHSGLの場合はESTクローニ
ングが可能であり、ウシHSGLの場合は、例えばマウ
ス及びヒトHSGLの塩基配列を基に適当なプライマー
を作成し、ウシ由来のmRNA(クローンテック社)よ
り合成したcDNAを鋳型に用いて常法によりPCRを
行うことなどにより、クローニングすることができる。
該クローニングは、例えばMolecular Cloning 2nd Edt.
Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)等に従
い、当業者ならば容易に行うことができる。
【0013】本発明のマウスおよびヒトHSGLをコー
ドするcDNAを含有する形質転換体は、以下の如く寄
託がなされている。すなわち、マウスHSGLのcDNAおよび
ヒトHSGLのcDNAをベクターpUCSRαに組み込んで得られ
たプラスミド pSRαmHSGLおよびpSRαhHSGLで大腸菌 E.
coli DH5αを形質転換して得られた形質転換体、 E.col
i DH5α(pSRαmHSGL)および E.coliDH5α(pSRαhHSGL)
は、茨城県つくば市東1丁目1番3号、工業技術院生命
工学工業技術研究所に、それぞれ受託番号FERM P
−17332およびFERMP−17331で寄託され
ている(受託日:いずれも平成11年3月25日)。
【0014】2)HSGLの改変タンパク質またはアレ
ル変異体等をコードするDNA 前記DNAのうち、「HSGLのアミノ酸配列のうち1
若しくは複数のアミノ酸が置換、欠失及び/又は付加さ
れたアミノ酸配列からなり、かつ無血清下で急性単球性
白血病細胞株THP−1を増殖させる活性を有するタン
パク質をコードするDNA」とは、HSGLをもとに人
為的に作製したいわゆる改変タンパク質や、生体内に存
在するアレル変異体等のタンパク質(以下、単に改変タ
ンパク質と略す)のうち、無血清下で急性単球性白血病
細胞株THP−1を増殖させる活性を有するタンパク質
をコードするDNAを指す。
【0015】これら改変タンパク質をコードするDNA
は、例えば、Molecular Cloning: ALaboratory Manual
第2版第1−3巻, Cold Spring Harber Labolatory Pr
ess(1989)、Methods in Enzymology, 100, pp448 (19
83)、PCR A Practical Approach IRL Press pp200 (19
91)などに記載の種々の方法、例えば部位特異的変異誘
発やPCR法等によって製造することができる。なお、
ここで置換、欠失及び/又は付加されるアミノ酸残基の
数は、上記部位特異的変異誘発等の周知の方法により置
換、欠失及び/又は付加できる程度の数を指す。好まし
くは、1〜数個の置換、欠失及び/又は付加が挙げられ
る。
【0016】以上のような改変は、活性を損なわない範
囲で行われるものである。従ってアミノ酸を置換する場
合は、酸性残基は他の酸性残基に、疎水性残基は他の疎
水性残基に、バルキーな残基は他のバルキーな残基に、
といったように、側鎖の性質の類似したアミノ酸残基へ
の置換が好ましい。すなわち具体的には、例えばシステ
インのための好ましい置換はセリン及びアラニンであ
り、アスパラギン酸のためにはグルタミン酸であり、リ
ジン又はアルギニンのためにはヒスチジン、ロイシン、
イソロイシン又はバリンであり、トリプトファンのため
にはフェニルアラニンまたはチロシンである。改変に対
して最も耐えられる領域としては、例えば、ヒト、マウ
スおよびウシHSGLの塩基配列およびアミノ酸配列を
比較した場合に種間で相同性の低い領域が挙げられる。
またHSGLの有するcystatin相同領域が機能を発揮す
る単位とすると、それ以外の領域も改変に耐えられる領
域であると考えられる。さらに、2つのcystatin相同領
域のうちのいずれか1つも欠失に耐えられる領域である
と考えられる。
【0017】3)HSGLをコードするDNAとストリ
ンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA 前記DNAのうち、「HSGLをコードするDNAとス
トリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ無血
清下で急性単球性白血病細胞株THP−1を増殖させる
活性を有するタンパク質をコードするDNA」とは、例
えば脊椎動物全てのHSGLをコードするDNA、又は
その部分タンパク質をコードするDNAのような、前記
HSGLをコードするDNAにストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、かつ無血清下で急性単球性白血
病細胞株THP−1を増殖させる活性を有するタンパク
質をコードするDNAを指す。
【0018】ここで「ストリンジェントな条件」とは、
例えば、使用するプローブが200塩基対以上のHSG
LをコードするDNA断片の場合は、通常のハイブリダ
イゼーション溶液中であれば68℃で行う条件が挙げら
れ、50%フォルムアミドを含むハイブリダイゼーショ
ン溶液中であれば42℃で行う条件が挙げられる。詳し
くは、Molecular Cloning: A Laboratory Manual第2版
第2巻に記載のサザンハイブリダイゼーションに用いら
れる条件が挙げられる。
【0019】これらのDNAは、例えば配列番号:1〜
配列番号:3に記載の塩基配列を有するDNAの全部ま
たは一部をプローブに用いたハイブリダイゼーション、
または配列番号:1〜配列番号:3に記載の塩基配列を
有するDNAの一部をプライマーに用いたPCRなどを
行うことによりクローニングされるものであるが、具体
的なcDNAライブラリーの作製、ハイブリダイゼーシ
ョン、ポジティブコロニーの選択、PCR、塩基配列の
決定等の操作はいずれも公知であり、先のMolecular Cl
oning等を参照して行うことができる。
【0020】本発明のDNAは、「無血清下で急性単球
性白血病細胞株THP−1を増殖させる活性を有する」
という特徴を有するタンパク質をコードするDNAであ
る。該活性を有するか否かは、例えば以下のような方法
にて測定することができる。まずTHP-1(ATCC number:
TIB-202)を、10%FCS, ペニシリン100単位、ストレプト
マイシン 100μg/mlを含むRPMI1640で1× 105〜1× 106
cells/mlの濃度まで培養し、500g, 5分の遠心で細胞
を沈めた後に、PBSで一度洗浄した後、新しい培地(FCS
を除き、代わりに0.25%のBSAを添加した培地)で1 x 1
05cells/ml程度の細胞密度になるように懸濁させる。細
胞懸濁液100ulを96穴マイクロプレート(コース
ター社製)の各ウェルに添加し、本発明のDNAの発現
産物(該発現産物の調製については後述する)を適当な
濃度で添加し、全体を200ulとする。CO2インキュ
ベーター内で37℃、数日間培養後、Cell Counting Kit
(同人化学研究所製)などを用いて細胞増殖の指標であ
るWST-1の還元能を測定する。無添加のものと比較してW
ST-1の還元能が上昇していた場合は、無血清下で急性単
球性白血病細胞株THP−1を増殖させる活性を有する
ことが明らかとなる。さらに、WST−1の還元能の代
わりに血球積算版により細胞数を計測することによって
も、細胞増殖活性を調べることができる。
【0021】前記した本発明の種々のDNAを、常法に
より発現ベクターに組み込むことにより、本発明のDN
Aを含有する組換え発現ベクター(本発明の発現ベクタ
ー)を作製することができる。ここで、本発明のDNA
を組み込むための発現ベクターとしては、宿主となる細
胞で効率良く発現するベクターであれば何でも良いが、
好ましくは、SV40由来の複製開始配列及び強力なS
Rαプロモーターを有するpCDL−SRα296等の
発現ベクター、またはCytomegalovirus由来のプロモー
ター及び薬剤マーカーを有するpcDNA3.1(Invi
trogen社)などが挙げられる。
【0022】このようにして作製した本発明の発現ベク
ターを宿主細胞に導入することにより、本発明の形質転
換体を得ることができる。ここで宿主細胞としては、原
核性生物細胞または真核性生物細胞のいずれでも良く、
例えば大腸菌株や動物細胞株は既に広く普及しており入
手が容易である。例えば動物細胞宿主としては、COS-
1、COS-7、CHOなどが挙げられる。本発明の発現ベクタ
ーの宿主細胞への導入方法としては、例えばリン酸カル
シウム法(J.Virol.,52, 456-467 (1973))、LT-1(Pan
vera社製)を用いる方法、遺伝子導入用リピッド(Lipo
fectamine, Lipofectin; Gibco-BRL社製,又は FuGENE
6; Boehringer Mannheim社製)を用いる方法、DEAEデキ
ストラン法(CurrentProtocols in Molecular Biology,
John Wiley & Sons (1987))、電気パルス法などが挙
げられる。導入後、選択マーカーを含む発現ベクターの
場合は選択薬剤を含む培地にて培養することにより、本
発明の発現ベクターの導入された安定形質転換体を選択
することができる。
【0023】以上のようにして得られた形質転換体を好
適な条件下で培養し続けることにより、本発明のDNA
の発現産物である本発明のタンパク質を発現・生産する
ことができる。本発明のタンパク質は分泌型のタンパク
質であるため、形質転換体の培養上清中には本発明のタ
ンパク質(成熟型)が含まれている。従って、この培養
上清を適当に希釈して用いることにより、前記の如きT
HP−1細胞に対する活性測定を行うことができる。
【0024】また培養上清中に生産された本発明のタン
パク質は、通常のカラムクロマトグラフィー、又は後述
の本発明の抗体を用いたアフィニティー精製等の公知の
方法により、精製することができる。また、本発明のタ
ンパク質を連続したヒスチジン残基を持つ6xHisタ
グを付けた状態で発現させたり、抗c-mycモノクローナ
ル抗体のエピトープアミノ酸配列よりなるmycタグを付
けた状態で発現させることなどにより、前者であれば金
属キレートアフィニティーカラムを用いて、また後者で
あれば抗c-mycモノクローナル抗体アフィニティーカラ
ムを用いて、より簡便に本発明のタンパク質を精製する
ことができる。
【0025】本発明のタンパク質とは、前記した本発明
のDNAによりコードされるか、又は前記本発明の組換
えタンパク質の生産方法により生産されるタンパク質で
ある。本発明のタンパク質の具体例として、配列番号:
4に記載のアミノ酸配列を有するマウスHSGL、配列
番号:5に記載のアミノ酸配列を有するヒトHSGL、
また配列番号:6に記載のアミノ酸配列を有するウシH
SGLが挙げられる。さらに、これらのタンパク質はN
末端にシグナル配列を有する分泌型タンパク質であるた
め、前記組換えタンパク質の生産方法により生産される
タンパク質は、該シグナル配列の除去された成熟型HS
GLである。該成熟型HSGLは、マウスにおいては配
列番号:4に記載のアミノ酸配列の第19位のアルギニ
ン以降、ヒトにおいては配列番号:5に記載のアミノ酸
配列の第19位のメチオニン以降、またウシにおいては
配列番号:6に記載のアミノ酸配列の第10位のスレオ
ニン以降のアミノ酸配列からなると考えられる。このよ
うな成熟型HSGLまたはその改変タンパク質等も、本
発明のタンパク質の範疇に含まれる。
【0026】以上のような本発明のタンパク質は、医薬
の有効成分とすることができる。すなわち、本発明のタ
ンパク質を有効成分として含有する「医薬」は、例えば
以下のような疾患に適用することができる。 1)単球系細胞の活性化 本発明のタンパク質は、単球系の細胞を活性化する活性
を有している。従って、単球系の細胞を活性化すること
により回復される種々の疾患への適用が考えられる。具
体的には、白血病細胞を分化させることによる白血病治
療への適用、さらには免疫能を調節することによる自己
免疫疾患・アレルギー疾患治療への適用、あるいは癌の
ワクチン療法への適用などが考えられる。
【0027】2)Cystatin superfamilyに属するタンパ
ク質としての活性 本発明のタンパク質は、構造的にはCystatin superfami
lyに属しており、HS-glycoprotein(HSG)、kininogen
(KN)及びHistidine-rich glycoprotein (HRG)に類似の
構造を有している。さらに本発明のHSGL遺伝子は、染色
体上、これらの遺伝子の近傍に位置していたことから、
互いに遺伝子重複により生じたものと考えられる。これ
らの知見より、本発明のタンパク質はこれらのファミリ
ーに属するタンパク質と同様の活性( プロテアーゼ阻
害活性、Insulin receptor kinaseの内在性の阻害活
性、リン酸カルシウムの沈着抑制、脂肪酸・薬剤等の細
胞内取り込み促進作用、脂肪酸の代謝促進作用、限定分
解によるブラジキニン様の生理活性ペプチドの生成作用
など)を有していると考えられるため、これらの活性に
もとづき治療され得る種々の疾患への適用が考えられ
る。以下、具体的に記載する。
【0028】・プロテアーゼ阻害活性 Cystatin superfamilyは脊椎動物の組織・体液に存在す
る多くのcysteine protenase inhibitorを含んでいる
(Katunuma, N. and Kominami, E. (1986) in: Cystein
e Proteinases and Their Inhibitors (Turk, V ed.) p
p.219-227. Walter de Gruyter, Berlin, New York)。
これらのプロテアーゼ阻害剤の中で、骨組織に分布する
という特長を有することから、骨吸収に関与しているプ
ロテアーゼを選択的に阻害する可能性がある。従って本
発明のタンパク質は骨粗鬆症の治療への適用が考えられ
る。
【0029】なお、本発明のタンパク質がプロテアーゼ
阻害活性を有することは、以下のような方法にて測定す
ることができる。まず各種のプロテアーゼ、好ましくは
トリプシン等のセリンプロテアーゼと本発明のタンパク
質とを37℃で5- 30分間インキュベーションを行
う。該タンパク質はプロテアーゼのモル数に対して等モ
ル以上を加える。バッファーの塩濃度及びpHは酵素活
性が測定できる範囲で、より生理的な条件を選択する。
好ましくは10mM Tris-HCl (pH 7.4)、0.15M NaClを用い
る。トリプシンの場合は、酵素の基質としてカゼイン、
α-N-ベンゾイル-L-アルギニン-p-ニトロアニリド、α-
N-アシル-L-アルギニンの4-メチル-7-アミノクマリンア
ミド誘導体等を用い、加水分解で遊離される酸可溶性ペ
プチド、p-ニトロアニリン、4-メチル-7-アミノクマリ
ン等を測定する。阻害活性は、該タンパク質とプレイン
キュベーションをした時の加水分解速度の低下から求め
ることができる。
【0030】・脂肪酸・薬剤等の細胞内取り込み促進作
用、代謝促進作用 ヒトHSGが好中球のbacterial phagocytosisを亢進する
ことが示されたのは古く(Immunol Commun 3, 329-35 (1
974))、その後、マウスマクロファージのendocytosisを
促進することも示されている(Immunology 39, 317-22
(1980)、ImmunolCommun 10, 541-7 (1981)、Immunology
42, 481-7 (1981))。さらに、p38 mitogen-activated
protein kinaseのリン酸化を阻害することにより、マク
ロファージのTNF-α産生を阻害する薬剤(CNI-1493)に結
合し、マクロファージへの取り込みを促進していること
が明らかになっている(Proc Natl Acad Sci USA 95, 1
4429-34 (1998))。また、ウシHSG(type III, Sigma)
はウサギ動脈平滑筋細胞とヒト胎児皮膚線維芽細胞への
脂肪酸の取り込みを著しく増強することが明らかになっ
ている。(J.Biol.Chem.265, 5883-5888 (1990))。
【0031】本発明のタンパク質もHSG同様に、生理的
・非生理的物質の血液中でのキャリアー、細胞内輸送で
のキャリヤー、及び細胞の代謝亢進等の作用を有する可
能性がある。従って、該タンパク質は細胞内への薬物輸
送を含めた新規なドラッグデリバリーシステムに用いる
ことが出来る。また、薬物のスクリーニングにおいても
キャリアーとして用いることにより、より広範な薬剤を
見出すことが可能となる。
【0032】3)IL-4結合活性 本発明のHSGLのN末端のアミノ酸配列は、IL-4 結合タ
ンパク(WO91/16348 、Blood,Vol.81, No.11,1993,p299
8-3005)のN末端のアミノ酸配列に類似していたことか
ら、該HSGLは、IL-4結合タンパクであることが考えられ
る。従ってIL-4の関与する免疫反応を抑制することに
より(例えばIgEにより誘導されるアレルギー反応を抑
制することにより)、アレルギー性疾患、自己免疫疾患
あるいは移植拒絶等の治療に適用されることが考えられ
る。
【0033】なお、本発明のタンパク質がIL-4結合活
性を有するか否かは、通常、蛍光抗体或いは125I等
のラジオアイソトープで標識したIL-4を用いて通常の方
法により測定することができるが、例えば以下のような
方法にて非標識のIL-4を用いて測定することも可能であ
る。すなわちまず、BIAcore 2000TM(ビアコア社製)のセ
ンサーチップ表面にリガンドとしてIL-4(又は本発明の
タンパク質)を化学的に結合させる。固定化には10-100
μg/mlのリガンド溶液を用いる。リガンドを固定化した
表面上にnM-μM程度の濃度に希釈した本発明のタンパ
ク質(又はIL-4)を流し、表面プラズモン共鳴と呼ば
れる光学理論にもとづいてタンパク質−タンパク質相互
作用を経時的に測定する。測定結果より解離反応速度定
数、結合反応速度定数及び親和性定数が明らかとなるた
め、IL-4結合活性を有するか否かを判定することができ
る。
【0034】以上のような本発明の医薬の患者への投与
方法としては、静脈注射による投与が好ましいが、経口
投与、坐薬としての投与、皮下注射、筋肉注射、局所注
入、腹腔内投与なども行うことができる。本発明の医薬
は、上記の投与方法に依存して種々の単位投与形態で投
与することができる。例えば静脈投与のためには、本発
明のタンパク質を、医薬として許容され得る担体、好ま
しくは水性担体の中に溶解または懸濁させて用いること
ができる。水性担体としては、例えば、水、緩衝化水、
0.4%の生理的食塩水などを使用することができる。
このようにして作製された水溶液は、そのまま包装する
か、あるいは凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調
製物は投与前に無菌の水溶液と組み合わせる。
【0035】以上の調製物は、医薬として許容される補
助剤、例えば、ph調節剤あるいは緩衝剤、張度調節剤、
浸潤剤などを、より具体的には、例えば酢酸ナトリウ
ム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、テリエタ
ノールアミンオレエートなどを含有することができる。
【0036】経口的投与のためには、本発明のタンパク
質を、粉末、錠剤、ピル、カプセル剤及び糖剤の単位投
与形態にして用いることができる。また局所投与のため
には、例えばエアゾールを包含する単位投与形態をとる
ことができる。皮下注射、筋肉注射、局所注入、腹腔内
投与のためには、本発明のタンパク質を水性または油担
体の中に溶解または懸濁させて用いることができる。あ
るいは、コラーゲン等の生体親和性の材料を用いて、徐
放性製剤として投与することもできる。
【0037】以上のような本発明の医薬の投与量は、患
者の年齢、体重等により適宜調整することができるが、
通常0.001mg/Kg/回 〜1000mg/Kg/回 程度を症状が改善
されるまで投与することが好ましい。
【0038】なお、本発明のタンパク質は前記したよう
にInsulin receptor kinaseの内在性の阻害活性、ある
いはリン酸カルシウムの沈着抑制を有することが考えら
れるため、以下のような阻害剤探索の試薬としても使用
され得る。
【0039】・Insulin receptor kinaseの内在性の阻
害活性 HSGは、Insulin receptor kinaseの内在性の阻害活性を
有することが報告されている(Life Sci 61, 1583-92
(1997)、Endocrinology 139, 4147-54 (1998))。従っ
て阻害活性が原因で、インスリン抵抗性を示す糖尿病が
発症している症例に対しては、 Insulin receptor kina
se阻害活性を除くことにより糖尿病疾患の治療が可能と
なる。本発明のタンパク質は、インスリン抵抗性の機序
の解明、あるいは前記糖尿病疾患の治療剤探索におい
て、有用な試薬となり得る。
【0040】・リン酸カルシウムの沈着抑制 文献(Nature 256, 430-2 (1975)、Bone Miner 13, 1-2
1 (1991))に示されているように、HSGがヒト及びラッ
トの骨組織に存在すること、及びリン酸カルシウムの沈
着をin vitroで抑えることから、骨形成における関与が
推測され、HSG遺伝子のノックアウトされたマウスが作
製された。軟組織に微細な石灰化が認められたが、全て
のマウスには発症しないことから、何等かの類似の蛋白
が存在し、機能を補っている可能性が考えられている
(J Biol Chem 272, 31493-503 (1997))。本発明のHSG
LはHSGに類似性があり、HSGの機能を相補する可能性は
高い。骨形成を阻害すると考えられるHSG及びHSGLの活
性を抑制することは、相対的に骨形成能が低下して発症
する骨粗鬆症等の対症療法として応用できる。従って本
発明のタンパク質は、骨粗鬆症の治療剤探索において、
有用な試薬となり得る。
【0041】本発明においては、前記本発明のDNAの
少なくとも15以上の連続した塩基配列を有する1本鎖
または2本鎖のDNA断片をも提供するものである。こ
こで「少なくとも15以上」との限定は、確率論的に、
少なくとも15塩基あれば一つの遺伝子を特定するのに
充分であるという根拠に基づくものである。このような
DNAは、短いものであればDNA合成機を用いて合成
され、長いものであればPCRにより、又は適当な制限
酵素部位があればそれを利用することなどにより、適宜
調製することができる。このようにして作製された1本
鎖または2本鎖のDNA断片は、ハイブリダイゼーショ
ン用のプローブ、又はPCR用のプライマーとして利用
することができるため、研究または診断用の試薬として
有用である。
【0042】本発明における抗体とは、前記した本発明
のタンパク質を特異的に認識する抗体である。これら抗
体の作製は、例えば Antibodies; A Laboratory Manua
l, Lane,H.D.ら編、Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess(1989)、新細胞工学実験プロトコール、秀潤社(199
3)などに記載の方法により容易に作製される。すなわ
ち、本発明のタンパク質又はその一部を免疫原に用いて
常法により適宜動物を免疫することにより、本発明の抗
体を作製することができる。ここで免疫原としては、
(A)本発明のタンパク質、(B)本発明のタンパク質
とGST等との融合タンパク、(C)本発明のタンパク
質の一部よりなるオリゴペプチドとKLH等とのコンジ
ュゲート、などが挙げられる。
【0043】ここで(A)のタンパク質は、前記の如き
組換えタンパクの生産方法により調製することができ
る。また(B)の融合タンパクは、例えば本発明のDN
AをpGEX−6P−1(ファルマシア)等のGST融
合タンパク発現ベクターに導入し、これを大腸菌に導入
して形質転換体を得、その後常法により菌体を破砕、融
合タンパクを抽出して、グルタチオンセファロース4B
(ファルマシア)等により精製を行うことにより、得る
ことができる。また(C)のコンジュゲートは、オリゴ
ペプチド合成後、KLHやBSAタンパク質と混合する
ことにより得ることができる。
【0044】免疫感作する種としては、ウサギ、マウ
ス、ラット、ニワトリ、ウシ、ロバ、ヒツジ、ウマ等何
れでも良く(ただし、同種であるマウスHSGLのマウ
スへの免疫感作及びウシHSGLのウシへの免疫感作は
除く)、また、当該タンパク質を特異的に認識する抗体
であれば、ポリクローナル抗体もしくはモノクローナル
抗体の何れでも良い。抗血清より精製抗体を得るために
は、常法によりアフィニティー精製を行えば良い。
【0045】以上のようにして得られた抗体をもとに、
種々の抗体フラグメントを作製することも可能である。
該抗体フラグメントとは、例えば抗体のペプシン消化に
よって生成され得る F(ab')2フラグメント、F(ab')2
ラグメントのジスルフィド結合を還元することによって
生成され得るFab'フラグメント、および抗体をパパイン
および還元剤で処理することによって生成され得る 2Fa
bまたはFabフラグメント等が挙げられ、これらのフラグ
メントも本発明の範疇に含まれる。
【0046】さらに、これらの抗体または抗体フラグメ
ントをもとに、種々の誘導体を作製することも可能であ
る。ここで誘導体とは、例えばキメラ抗体、擬人化抗体
が挙げられ、該抗体は、例えば特開昭61-47500、Natur
e,321,522(1986)等に記載の方法に準じて作製すること
ができる。また、前記抗体または抗体フラグメントを酵
素等で標識したものも、当該誘導体の範疇に含まれる。
具体的な酵素標識法としては、例えばグルタルアルデヒ
ド法、過ヨーソ法、マレイミド法、及びピリジル・ジス
ルフィド法が挙げられる。標識に用いられる酵素として
は、例えばウシ小腸・アルカリフォスファターゼ、西洋
ワサビ・ぺルオキシダーゼなどが挙げられる。これらの
標識抗体は、例えば、酵素免疫測定法、医学書院(197
8)等の基本書に従い、当業者ならば容易に作製するこ
とができる。さらに、前記抗体または抗体フラグメント
をビオチン化したものも、当該誘導体の範疇に含まれ
る。
【0047】以上のような本発明の抗体、抗体フラグメ
ント、またはこれらの誘導体の用途としては、アフィニ
ティークロマトグラフィー、cDNAライブラリーのス
クリーニング、または医薬・診断薬・研究用試薬等が挙
げられる。HSGLと類似の因子である HSGは、炎症反応と
負の相関のあることが知られている(J Clin Invest64,
1118-29 (1979)、FEBS lett 241, 1-2 (1988))。従っ
て本発明のHSGLに対する抗体は、炎症マーカーとして診
断に利用できると考えられる。具体的には、本発明の抗
体、抗体フラグメント、又はこれらの誘導体を、例えば
ウシ血清アルブミン含有リン酸緩衝液(pH7.0)等の適
当な緩衝液中に存在させることにより、炎症の診断薬の
有効成分とすることができる。
【0048】具体的な検出方法としては、蛍光抗体法、
ウェスタン・ブロット法、免疫沈降法、免疫組織染色
法、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EL
ISA)などが挙げられる。このうち、ELISAまた
はRIA法が最も簡便である。これらの検出方法は、例
えば酵素免疫測定法、医学書院(1978)等の基本書を参
考にして容易に行うことができる。
【0049】本発明におけるトランスジェニック動物と
は、本発明のDNAを人為的に染色体中に挿入したか、
又は本発明のDNAをノックアウトさせたトランスジェ
ニック動物である。本発明のHSGLの遺伝子情報を持って
すれば、以下の文献(ビー=ホーガンらの編纂によるマ
ニピュレーションオブマウスエンブリオ 1986年コール
ドスプリングハーバーラボラトリー、相澤慎一著 ジー
ンターゲッティング1995年 羊土社、など)で明らかな
ように、現在の技術レベルでは当該領域の研究者にとっ
て本発明のDNAを発現するトランスジェニック動物を
作製することはいとも簡単であり、こうして得られるト
ランスジェニック動物も本発明に含まれるものである。
このようにして得られたトランスジェニック動物は医薬
品開発のためのモデル動物として、あるいは医薬品のス
クリーニング用の動物として非常に有用である。さら
に、本発明のDNAを欠失した動物、いわゆるノックア
ウト動物は、当該遺伝子を有しないのが特徴であるが、
該ノックアウト動物も前記文献等を参考にして容易に作
製することができる。
【0050】なお、前記したように本発明のHSGLは、種
々の機能を担っているHG-glycoproteinに類似の因子で
あったことから、該HSGLの遺伝子発現、蛋白の分布、機
能などを調べることは当該領域の研究者にとって重要で
あり、従って本発明のDNA、DNA断片、抗体、組換
タンパク質、トランスジェニック動物などは、当該研究
分野の有用な研究用試薬になると考えられる。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
【0052】実施例1U-87MG細胞の培養および培養上清の採取 U-87MG細胞の凍結細胞を解凍し、培養を開始し、通常の
方法により20Lのスケールまで拡大培養を行なった。培
地をPMAを20ng/ml含有する無血清培地に交換し、更に3
日間培養した。無血清培養液を遠心し、約20Lの培養上
清液を得た。以下に詳細を記載する。
【0053】細胞として、U-87 MG細胞(ATCC Number:
HTB-14、ヒト脳由来glioblastoma細胞)を使用した。
基礎培地 としてDMEMを、血清としてFCSを、無血清培地
として Hybridoma-SFM培地(ギブコ)を、刺激剤(転写
活性化剤)として PMA(Phorbol 12-Myristate 13-Acet
ate: 和光純薬、 20μg/ml溶液(DMSOに溶解))を、
細胞継代には0.25%トリプシン- 0.02%EDTA溶液(ギブ
コ)を使用した。増殖培地 としては10%FCSを含有するD
MEMを、生産用培地 としてはPMA 20ng/mlを含むHybrido
ma-SFM培地を使用した。
【0054】1. 継代方法 増殖培地としては10%FCSを含有するDMEMを使用し、細胞
濃度:1x105cells/ml:(約1/4−1/8に希釈継
代)で10mlを25cmTフラスコに接種し、炭酸ガスイン
キュベーター内で37℃、5%CO2で培養した。継代頻度
は2-3回/週で継代した。コンフルエントになった細胞の
培養液を吸引除去し、PBS(-)溶液 5mlをボトルに加え、
細胞接着面を洗浄し、培養上清液を吸引除去した。トリ
プシン- EDTA溶液2mlを添加し、 Tフラスコの底と横に
行き渡らせた後に吸引除去し、37℃でインキュベーシ
ョンして細胞を剥離させた。増殖培地を5ml加え、細胞
をピペッテングした。細胞数を測定し、細胞濃度:1x10
5cells/mlで継代植え込みした。75-Tフラスコ、225-Tフ
ラスコと拡大し、225-Tフラスコを230枚(20L相当)ま
で培養をスケールアップした。225-Tフラスコの継代で
は、培養液量 90ml、洗浄用PBS 50ml、トリプシン- EDT
A溶液 9ml, トリプシン処理後の添加培養液量 30mlを使
用した。
【0055】2. PMA誘導培養上清の作製 3日後、培養上清を吸引除去し、培地交換した。225-TF
にPBS(-)を50mlずつ入れ、緩やかに細胞を洗浄し、洗浄
液を吸引除去した。PBS(-)による洗浄操作を3回繰り返
した。PMA 20ng/mlを含む培地Hybridoma-SFMを90mlずつ
入れ、37℃、2〜3日間培養した。培養上清をデカント
し、4℃冷却下、3,000rpmで10分間遠心し、上清を採
取し、4℃で保存した。
【0056】実施例2U-87 MG培養上清の精製 U-87 MGの無血清培養上清を抗トランスフェリン抗体カ
ラムおよび抗ウシ血清抗体カラムに通液することにより
培地に添加したウシ血清由来タンパク質を除去した後
(一次精製)、イオン交換カラム及びゲル濾過により約
200画分に分画した(二次精製)。この分画品の一部は
吸着を阻止し、安定化を図るために0.1%BSAを添加した
後に、0.45μmのフィルターで濾過し、アッセイ用サン
プルとした。残りは、凍結保存した。以下に詳細を記載
する。
【0057】1. 一次精製 Hybridoma-SFM培地は血清は含まないが、ウシ血清由来
のトランスフェリンを20μg/ml含んでいることから、抗
トランスフェリン抗体カラムにより除去した。抗トラン
スフェリン抗体カラムの作製は下記のように実施した。
すなわち抗体としてCappel社製の抗ヒトトランスフェリ
ン‐Goat抗体を使用し、担体としてファルマシア社製の
活性化CNBr-Sepharose4FFを使用した。乾燥ゲル70gを前
処理した後に、抗体70mlを結合させた。膨潤したゲル約
250mlを、ファルマシアXK50カラムに充填した。トラン
スフェリン吸着能を測定した結果、ゲル250mlに対して
トランスフェリンは約50mgが結合した(Hybridoma-SFM
培地で5L分)。
【0058】以上のようにして作製した抗トランスフェ
リン抗体カラムに対し、U-87 MG培養上清5Lを流速 40m
l/分で通液し、サンプルを通液した後に200mlの水を流
し、合一した。カラムを 0.1Mクエン酸バッファー350mL
で洗浄後、 50mM Tris-HCl pH8.0を400mL流し、平衡化
した。 本操作を4回繰り返し、U-87 MG培養上清20Lを精
製した。抗トランスフェリン抗体カラム処理サンプル約
20Lを旭化成社製のプラノバ35N(0.12m2 2本)を用い
て、濾過した。このろ液をMillipore社製の限外ろ過膜
: Millipore Prep/Scal-TFF(M.W. 3000cut)を用い
て、循環流速 約100ml/分で限外ろ過濃縮した。限外ろ
過濃縮液約300mlを抗ウシ血清抗体カラム(抗BSA/BSゲ
ル 約750mlを充填)に流速 20〜30ml/分で通液した。な
お抗ウシ血清抗体カラムは、ヤギにウシ血清アルブミン
(BSA)と成牛血清(BS)をそれぞれ免疫して抗血清を作製
し、イムノグロブリン画分とした後、トランスフェリン
カラムの作製と同じ方法で樹脂へ結合させることにより
調製した。その後、水を吸光度が低下するまで通液し、
通過液を合一した。
【0059】タンパク定量は、バイオラッドプロテイン
アッセイを用いマイクロアッセイ法にて行った。培養上
清中の総タンパク量は736mgであったが、一次精製でト
ランスフェリン、ウシ血清由来タンパクを除去すること
により292mgとなった。SDS-ポリアクリルアミド電気泳
動は、第一化学社製のマルチゲル「10/20」を用いて非
還元下で行い、第一化学社製の2D‐銀染色試薬・II「第
一」により染色した。培地由来のトランスフェリンおよ
び血清由来のBSAは、抗体カラムにより十分除去されて
いた。
【0060】2. 二次精製 (1)陰イオン交換PorosQカラムクロマト 一次精製品(総タンパク質量135mg/450ml)をミリポア
社製フィルター(0.22μm)で濾過し、1N NaOHでpH8.5
に調整し、milliQ水450mlで2倍希釈しながら通液した。
パーセプティブ社製HQ/Mカラム(20μ、7.5x200m
m)に10ml/minで通液した。吸着成分を、NaCL濃度を上
げ溶出した[濃度勾配:0-0.4M NaCL/50min、0.4M-0.8M
NaCL/20min、0.8M-1M NaCL/10min、1M NaCL/10min]。 p
Hを8.0に調整し、流速は5ml/minで流し、5ml/min/Frで
分画した。A280nmでモニターした溶出プロフィールを図
1に示した。Fr.6-68にタンパク質が溶出した。
【0061】(2)陽イオン交換PorosSカラムクロマト 通過液を5N HClでpH5.5に調整し、ミリポア社製フィル
ター(0.22μm)で濾過し、パーセプティブ社製HS/
Mカラム(10x100mm、8ml)に15ml/minで通液し、NaCL
濃度を上げ溶出した。流速2.5ml/min、0-0.4M NaCL/50m
in、0.4M-0.8MNaCL/20min、0.8M-1M NaCL/5min、1M NaC
l/5min、pH 6.0、5ml/2min/Frで分画した。A280nmの吸
光度でモニターした溶出プロフィールを図2に示した。
Fr.5-23にタンパク質が溶出した。
【0062】(3)ゲル濾過カラムクロマト 陰イオン交換カラムクロマト分画品および陽イオン交換
カラムクロマト分画品を混合し、アミコン社製限外濾過
膜(遠心式、分子量3000カットオフ)で1mlまで濃縮
した。各分画の濃縮液0.8mlを東ソー社製カラムTSK-G30
00SW (70x600mm、2本)を使用し、flow rate1ml/min
でゲル濾過した。カラム溶出バッファーとして0.05Mリ
ン酸バッファー0.15M NaCl (pH 7.1)を使用した。溶出
液を2.5ml/Fr.で分画した。代表的な溶出プロフィール
を図3に示した。タンパクの溶出している最初の12画
分をアッセイ用サンプルとし、各画分0.6mlに10mg
/mlの和光社製のBSA(FrV)を10%液量添加
し、ワットマン社製のユニフィルター800μl(0.
45um)を用いて、4℃冷却下3000rpmで60〜
90分間遠心濾過した。コースターパーフェクトプレー
トに220μlづつ分注し、-30℃に保管した。
【0063】実施例3THP-1を活性化する因子の測定 1. THP-1細胞を用いた増殖(分化)活性の測定系の検討 実施例2で得られたU-87 MG培養上清の二次精製品からT
HP-1細胞を活性化する因子を探索する目的で、以下の
測定系を構築した。
【0064】THP-1(ATCC number: TIB-202)を、10%FC
S, ペニシリン100単位、ストレプトマイシン 100μg/ml
を含むRPMI1640で4〜6× 105 cells/mlの濃度まで培
養し、500g, 5分の遠心で細胞を沈めた後に、PBSで一
度洗浄した後、新しい培地(増殖が起こらないようにFC
Sを除き、代わりに0.25%のBSAを添加した培地)で1x 1
05cells/mlの細胞密度になるように懸濁させた。次にIL
-4(Genzyme社製)、IL-6(ギブコ社製)、または IFN-
γ(ギブコ社製)を適当な濃度に希釈し、100μlを96穴
マイクロプレート(コースター社製)の各ウェルに添加
した後、等量の細胞懸濁液を混合後CO2インキュベータ
ー内で37℃、3日間培養した。Cell Counting Kit(同
人化学研究所製)に含まれる試薬を10μl添加し、5時
間培養した後に、マイクロタイター分光光度計で450nm
の吸光度を測定し、増殖活性の指標とした。参照波長と
して650nmを用いた。
【0065】その結果、培地からFSCを0.25%BSAに置き
換えることでTHP-1細胞の増殖を止めることができた。
図4に示すように、この培養条件下で、既に文献(J Im
munol144, 1311-6 (1990)、Immuno Lett 21, 323-8 (19
89) )で、THP-1或いは単球系のヒト培養細胞の分化・
増殖を誘導することが知られている IL-6、IL-4、IFN-
γの各因子はWST-1の値を増加させた。これらの結果か
ら、WST-1を指標にしてTHP-1を活性化する因子の測定が
可能であることが確認できた。
【0066】2. 二次精製品(イオン交換・ゲル濾過分
画標品)の活性測定 U-87 MGの二次精製品(約200サンプル)プレートについ
て、5%添加でTHP-1に対する増殖活性(WST-1の還元能の
変化)を、先と同様にして測定した。結果を表1に示
す。表中の値は、コントロール(無添加)の値を100%と
した相対値として示した。サンプルの表示は2種類のイ
オン交換のフラクション番号(縦欄)とゲル濾過のフラ
クション番号(横欄)で表示した。例えばQ-sepharose
のFraction #6から#9までを混ぜてゲル濾過を行い、ゲ
ル濾過でFraction #8に溶出したサンプルはQ6-9/G8とな
り、活性がゲル濾過のFraction #8から#9に検出された
場合、Q6-9/G8-9と表示した。結果として、Q6-9/G5-6、
Q18-21/G8-9、Q18-25/G3、Q57-60/G1、S20-21/G10-11の
5カ所に活性のピークが認められた。
【0067】以上のような増殖活性の測定と同時に、分
化誘導活性の測定、すなわち顕微鏡観察により付着細胞
が認められるかどうかも測定した。その結果、WST-1の
還元能の上昇が認められた細胞においては付着性(底に
付着して平らな形態を示す)も増しているという結果が
得られた。すなわち、この形態変化(分化の指標)とWS
T-1の還元能の上昇(増殖の指標)は良く相関している
ことが明らかとなり、このWST-1の還元能を指標として
分化誘導能も測定できることが明らかとなった。
【0068】
【表1】
【0069】実施例4活性ピーク(Q6-9/G5-6)の活性成分の同定・構造解析 活性ピークの一つ(Q6-9/G5-6)を逆相カラムにより分
画すると活性は大きく2つに分かれた。最初に溶出する
活性画分について、タンパクの溶出ピークに一致してい
ることから微量構造解析を行った。このタンパクのN末
配列を解析した結果、新規構造であった。このタンパク
をトリプシンにより酵素消化し、得られたペプチド断片
をMALDI-TOFマススペクトル装置で分析し、既知のタン
パクに帰属できないこと(新規タンパク)であることを
確認した。また、4種類の構成ペプチドのアミノ酸配列
を決定したが、類似性のある配列はプロテインデータベ
ースに登録されていなかった。以下に詳細を記載する。
【0070】1.活性ピーク(Q6-9/G5-6)の逆相HPLCに
よる精製 以下の条件で逆相HPLCを行い、溶出画分について活性
(WST-1の還元能)を測定した。 (実験1) サンプルQ6-9/G5 200μlを Vydac C4 カラム
(2.1 × 250 mm)に通液し、流速0.2ml/分でクロマト
した。移動相は A液として 0.1% トリフロロ酢酸(TF
A)溶液を、 B液として 0.08% TFA /90% アセトニトリ
ル溶液を使用した。以下のようにアセトニトリル濃度を
増加させ、活性タンパク質を溶出させた。B%: 20→35%/
5min、35→65%/60min、65→100%/5min、100%/5min。15
分後から0.12ml/画分で分画した。
【0071】(実験2) サンプルQ6-9/G5 1,000μlを Vyd
ac C4 カラム(2.1 × 250 mm)に通液し、流速0.2ml/
分でクロマトした。移動相は A液として 0.1% トリフ
ロロ酢酸(TFA)溶液を、 B液として 0.08% TFA / 90%
アセトニトリル溶液を使用した。B%: 25%/5min、25→35
%/5min、35→65%/75min、60→65%/10min、65→70%/5mi
n、70→100%/10min、100%/20min。 20分後から0.15ml/F
r.で分画した。
【0072】実験1の結果を図5に、また実験2の結果
を図6に、それぞれ示した。逆相カラムにより活性ピー
ク(Q6-9/G5-6)を分画すると活性は大きく2つに分か
れ、最初に溶出する活性ピークとタンパク質の溶出ピー
クが一致していることから、この最初の活性ピーク画分
についての微量構造解析を行うこととした。図6Bに示
すSDS-PAGEの結果から、主成分である47-50Kdの分子量
のタンパク質の他に、66Kdおよび10Kd以下の分子量のタ
ンパク質が含まれていた。活性のピークは47-50Kdのタ
ンパク質の溶出と重なった。
【0073】2.逆相HPLC精製品の構造解析 2-1. N末アミノ酸配列解析 実験1の画分 38, 39を混合し、その20μl(分析結果Fil
e No. F0073)を、または実験2の画分 65の10μl (分析
結果File No. F0129)を、ABI社Prosorb/BVDF膜に固定
し、高感度プロテインシーケンサー(アプライドバイオ
システムABI社494cLC型)を使用してN末アミノ酸配列を
解析した。
【0074】各サイクルで検出された主要なアミノ酸配
列は、Thr-Ser-Pro-(Gly,Lys,又はPro)- Gln-Pro-Ala
-Ala-Arg-Pro-Serであった。ホモロジー検索を行った結
果、WO91/16348 および Blood,Vol.81, No.11,1993,p29
98-3005 において、ヒト由来のIL-4 binding protein-
γのN末端のアミノ酸配列として報告されている以下の
配列:Thr-Ser-Pro-Gln-Gln-Pro-Ala-Ala-Arg-Pro-Ser-
Asp-Leu-Leu-Ser-Leu-Asp-Gly-Ser に類似しているが、
N末端から4アミノ酸残基目が異なるタンパク質である
ことが分かった。 各サイクルでのアミノ酸のピーク高
から、F0073では純度は65%、またF0129では純度は30%と
推定された。アミノ酸分析の結果から、混入する他のタ
ンパクとしては、Transthyretinおよび Alpha-2-HS-Gly
coprotein(ウシ由来)が推定された。
【0075】次に、実験2の活性画分についてSDS-PAGE
で泳動した後にImmobiron-P(ミリポア製)膜に電気泳
動的に転写した。この膜をCBB染色し、染色した3種類
のタンパク質についてN末アミノ酸配列を調べた。分子
量45kdの主要なタンパク質のアミノ酸配列はThr-Ser-Pr
o-Pro-Gln-Pro-Ala-Ala-Arg-Pro-Ser-Ser-Leu-Leu-X-X-
Asp(配列番号:7)であり、先のIL-4 binding protei
n とは4番目のアミノ酸が異なる新規タンパク質である
ことが確認された。また12番目のアミノ酸もSerであ
り、IL-4 binding proteinの Aspとは異なっていた。こ
の新規タンパク質は、後述の実施例5の遺伝子クローニ
ングの結果、ALPHA-2-HS GLYCOPROTEIN様のタンパク質
であることが明らかとなったことから、HS-glycoprotei
n like protein(HSGLと略記する)と命名した。な
お分子量66kdのタンパク質は血清アルブミンであり、分
子量10kd以下のタンパク質はtransthyretinであった。
【0076】2-2.トリプシン断片化ぺプタイドのアミノ
酸配列の解析 N末端の配列解析がなされた新規タンパク質HSGLの内部
構造を知るため、以下の(a)および(b)の解析を行った。 (a) MALDI-TOFによる構造解析 先の1.の実験1および実験2で得られたの活性画分をス
ピードバック濃縮装置で減圧濃縮し、 20μlの 20 ng /
μl のトリプシン溶液( 50mM NH4HCO3溶液)を加えた
後に、37℃で一夜インキュベートした。反応液をスピー
ドバック濃縮装置で減圧濃縮し、 10μlの 0.1% TFA溶
液を加え反応を停止した。本溶液についてMALDI-TOFマ
ススペクトル装置で分析した。
【0077】(b)プロテインシーケンサーによるアミノ
酸配列の解析 内部構造を調べるため、MALDI-TOF分析に使用した残り
のトリプシン消化物を逆相HPLCで分取した。HPLC条件は
以下のようにした。カラムとして Vydac C18(内径1
mm×長さ250mm)を使用し、流速 50μl/ minで
溶出した。移動相は A液として 0.1% TFAを、 B液と
して 0.085% TFA / 80% MeCNを使用した。B%を2%
から100%に90分間で直線的に増加させるグラディエン
トで溶出した。分取したペプチドを含む溶液をポリブレ
ン(Biobrene Plus; ABI)処理したグラスフィルター
(ABI)に染み込ませ、吸着したペプチドのアミノ酸配
列はアプライドバイオシステム社494cLC型プロテインシ
ーケンサーで解析した。
【0078】実験1のFr.38-39、および実験2のFr.63
のトリプシン消化物のMS分析結果を図7に示す。2回の
HPLC分取サンプルのMS分析結果を比較すると、M.W. 103
5、1398、1591の3つが共通に、しかも主要成分として
含まれていることがわかった。(MS分析の分子量はM+H
で示されているので、1だけ分子量が大きく表示され
ている。)これらの分子量を持つペプチドのシークエン
スを実施した。実験2のFr.63〜65のトリプシン消化物
(上記の3つのペプチドをメジャー成分として含んでい
るため)をプールし、C18逆相カラムで分取をおこなっ
た。カラムからの溶出プロファイルを図8に示す。分取
した各フラクションのマススペクトルをMALDI-TOFで測
定し、Fr.59が1035、Fr.60が1590、Fr.63が1398のペプ
チドであることがわかった。これらのアミノ酸配列を分
析した結果を表2に示す。表2の各配列のうちFr.No.59
の配列を配列番号:8に、Fr.No.60の配列を配列番号:
9および10に、Fr.No.63の配列を配列番号:11に、
Fr.No.65の配列を配列番号:12に、またFr.No.95の配
列を配列番号:13に、それぞれ示す。プロテインデー
タベースを用いたホモロジー検索では、これらペプチド
にホモロジーを有するタンパク質は存在しなかった。
【0079】
【表2】
【0080】3.逆相カラム精製標品を用いた活性の検討 前記1.の実験2で精製された標品を用いて1) 50%有効濃
度、2) IL-4の活性を中和するかどうか、3) THP-1のWST
-1の還元能を指標としてきたが細胞数の増加を伴ってい
るのかどうか、の3点について検討した。
【0081】実験2のFr. 62〜Fr. 66までの5画分(計40
0μl)に溶出されるタンパクの平均の吸光度はAbs.214n
mが0.8なので、1AU = 0.1mg/mlとすると、総タンパク量
は32μgと推定された。純度を30%と分子量を45Kdの
大きさと仮定すると、HSGLは210pmol存在すること
になる。従って精製標品の濃度は210pmol/400μlで約0.
5μMと推定された。Fr. 62〜66を混ぜ、最終濃度が2%
(10nM)、0.6%(3nM)となるようにTHP-1細胞に添加
し、その後WST-1の還元能を測定した。同時に細胞数の
カウントも実施した。 IL-4, IL-6を最大活性を示す濃
度である6ng/ml(それぞれ、0.42nM, 0.29nMとなる)で
添加し、これを陽性対象とした。また、IL-4と精製標品
を混ぜ、相互作用を検討した。具体的には、THP-1の細
胞数は通常の2倍(1x105cells/ml)を用い、3日間培養
した後にWST-1の還元能を測定し、その後細胞を再懸濁
して血球積算板により細胞数を計測した。結果を図9に
示す。
【0082】精製標品の3nMと10nMでWST-1の値がそれほ
ど変化せず、IL-4, IL-6の飽和濃度とほぼ同じ値なの
で、精製標品の活性は3nMでsuboptimumと考えられた
(図9 B))。従ってED50は 数nM程度と思われた。 IL-
4, IL-6に比べると10倍程度作用濃度が低いことにな
るが、精製過程による失活の可能性が充分あるので必ず
しも活性が低いとは言えない。IL-4と混合するとWST-
1、細胞数共に両者の値の和よりも高い値を示した。図
9 A)に示すように、明らかに細胞数の増加を伴ってい
た。WST-1の増加が細胞数の増加より多いので、THP-1の
何らかの活性化により細胞当たりのWST-1の還元能が高
くなっていると思われる。
【0083】なお、実験2で精製された標品において混
入タンパクと考えられる Transthyretin、Alpha-2-HS-G
lycoprotein(ウシ由来)、血清アルブミン、およびα-
1-antitrypsinについても前記と同様の検討を行った
が、いずれもWST-1の還元能(細胞数の増加)を有して
いないことが確認された。
【0084】4. 逆相カラムによる精製標品のリクロマ
トグラフィー 逆相による精製標品は実験1の純度は比較的高かった
が、実験2ではアプライ量が多かったたために分離が十
分ではなかった。より純度を上げるために、また、純度
を確認する目的で、Vydac C18カラムを用いて溶出条件
を緩やかにし、クロマトグラフィーを行った。カラムと
してVydac C18 (1.0 × 250 mm)を用い、流速0.25ml
/分で溶出した。移動相はA として 0.1% TFAを、 Bと
して 0.08%TFA / 90% MeCNを使用し、B液の濃度を
増加させ、活性成分を溶出させた。B%: 20→35%/5min、
35→65%/90min、60→80%/10min、80→100%/10min、100%
/5min 。溶出液を0.025ml/Fr.で分画した。溶出プロフ
ィールを図10Aに示す。ほぼ対象のピークとして溶出
された。THP-1の増殖活性も蛋白のピークに一致した。
活性画分についてSDS電気泳動法で分析した結果を図1
0Bに示す。
【0085】実施例5ペプチド配列に基づく遺伝子クローニング 1. ESTクローニング(silicon cloning) 1-1. マウスHSGL遺伝子のクローニング インターネットでNCBI(National Center for Biotechn
ology Information)のBLASTに接続し、Advanced BLAST
searchを行った。検索対象を、先の実施例4で得られ
たペプチド断片であるDGYVLSLNR(Fr.No.59)としたと
ころ、1つのアミノ酸が異なる配列(DGYULSLNR)を含むM
ouseのEST遺伝子配列(AI047362、AA260934等)がヒッ
トした。 AI047362は「 5' similar to TR:O14502 O145
02 ALPHA-2-HS GLYCOPROTEIN 」と記述され、ALPHA-2-H
S GLYCOPROTEIN(Fetuin)に類似性のある遺伝子である
ことが判明した。
【0086】検索対象をGELFYFTLDVLET(Fr.No.95)と
した場合は、2つのアミノ酸が異なる配列(GULFYLTUDVL
ET)を含むマウスのALPHA-2-HS GLYCOPROTEINに類似性の
あるEST遺伝子配列がヒットした。2つのペプチドに類
似したアミノ酸配列をコードする遺伝子が同定できたこ
とから、この遺伝子こそが、精製されたタンパク質に対
応するマウス型の遺伝子である可能性が高いと考えられ
た。
【0087】次に、今回得られたEST遺伝子配列の両端
の配列を用いてESTを再度検索してより広い範囲のESTを
集めた。次にSequencher(日立ソフトウェア製)により
これらのEST配列を並べ、コンセンサス配列を得た。こ
の配列の中にはアミノ酸配列分析から得られたペプチド
配列に類似した配列が存在していた。この事から、この
配列を有する遺伝子が前記実施例で精製したタンパクの
マウス型遺伝子であると結論した。この遺伝子はALPHA-
2-HS GLYCOPROTEIN様のタンパクとしてUniGeneに登録さ
れていたことから、HS-glycoprotein like protein(HS
GLと略記)と命名した。遺伝子解析ソフトGeneWorks
(オクスフォードモルキュラー社製)でHSGとの類似性
を調べるとidentity 23% (91/388) となった。23%の相
同性は高いものではないが、12個のcysteinの位置が保
持されていた。
【0088】1-2. ヒトHSGLのクローニング 5'端側のEST配列の収集 Trypsin消化で得られるペプチド配列(Fr.No.59)DGYVL
SLNRの検索により、ALPHA-2-HS GLYCOPROTEINに類似性
がある遺伝子として登録されてるヒトESTがヒットし
た。しかし、UniGene(重複するESTデータベースと他の
遺伝子情報(染色体上の遺伝子局在、STS等)を統合し
たデータベース)では、ALPHA-2-MACROGLOBULIN PRECUR
SORに類似性が高いESTとしてまとめられていた(Hs.338
33)。
【0089】Hs.33833に属する11個のESTの配列を比較
検討したところ、マウス HSGLと類似性が高く、ヒト型
のHSGL遺伝子と思われた。 Hs.33833に属する一つのEST
(H91475)がALPHA-2-MACROGLOBULIN PRECURSORに極め
て似ている領域を含む為に、この一群のEST遺伝子がALP
HA-2-MACROGLOBULIN PRECURSOR類似と判断されただけで
あり、実際には他の10個のESTにはALPHA-2-MACROGLOBUL
IN PRECURSOR様の配列は存在しなかった。H91475がalte
rnative spricingの結果生じたHSGL遺伝子なのか、ライ
ブラリー作製時に過って別のcDNA断片と融合したものか
は、明らかではない。H91475を除外するとUniGeneのHs.
33833クラスターへの命名は間違いで、このヒト型遺伝
子もHSGLをコードするものであると判断された。しか
し、マウスHSGLのC末側の蛋白をコードする領域が欠け
ていた。
【0090】3'端側のEST配列の収集 マウスHSGLのC末配列を用いてBlastによりESTを検索す
ると、ヒトの類似配列を多数見つけだした。それらのES
TはUniGeneで一つのクラスターにまとめられており(H
s.81073 )、32個のESTが登録されていた。それらのク
ローンの5'末端は別のクラスターにまとまっており(H
s.110781)、そこにはSTSのサイトが存在した。 これら
は全く同一の遺伝子に由来し、大部分のクローンが5'側
と3'側から解読されていた。どのクローンも1kb以内と
短いので、二つのクラスターをまとめ、Sequencherによ
りコンセンサス配列を得た。クローンの数が多い割に
は、長いアミノ酸配列に翻訳できる領域は無かった。部
分的な塩基配列をアミノ酸配列に翻訳すると、C末側の
配列に対応することがわかった。この一群のESTはマウ
スHSGLのN末側のアミノ酸配列に対応する領域が欠けて
いた。
【0091】2. Genome SystemsからESTクローンの入手
とその塩基配列の決定 Genome Systems社から、全長を含むと予想されるマウス
HSGLのクローン(AA260934, AA268243)、ヒトHSGLの5'
端側のクローン(H57204, H41147)、及びヒトHSGLの3'
側のクローン(N56268, H90016)を入手した。これらの
クローンは、ESTに相当するごく一部の配列が解読され
ているのみであり、その他の配列部分は配列未決定のク
ローンである。ESTのコンセンサス配列をもとに合成し
たプライマーを用いて、上記クローンのプラスミドDNA
を鋳型として、BigDye Terminator Cycle Sequencingキ
ット(PE Applied Biosystems)により塩基配列を決定
した。測定はABI Prism 377XL DNA Sequencing System
(PE Applied Biosystems)を用いた。
【0092】マウスのクローンAA260934, AA268243の塩
基配列を比較するとAA268243では一部の配列が欠失して
おり、alternative spricingの起こっていることが示唆
された。AA260934が完全長のcDNAと考えられた。ESTの
コンセンサス配列とは5'の non-coding領域で違いが認
められたが、個々のEST配列の信頼性は低いので、今回
クローンから決定された配列が正しい配列である。得ら
れたマウスHSGLの塩基配列(1506bp)を配列番号:1
に、その塩基配列から予想されるアミノ酸配列(388ア
ミノ酸)を配列番号:4に示した。
【0093】ヒトHSGLの5'端側および3'端側のクローン
の塩基配列を決定した結果、5'端側の2クローン(H572
04, H41147)の3'側にはpoly Aの配列が存在せずに、直
接クローニングベクターpT7T3-Pacの制限酵素(Pac I)の
認識配列(TTAATTAA)に繋がっていた。 一方、ヒトHSGL
の3'側の2クローン(N56268, H90016)にはpoly Aが存
在したが、cDNA合成に用いたPac I - oligo(dT) primer
[5'AACTGGAAGAATTAATTAAAGATCTTTTTTTTTTTTTTTTTTT
3']のPac Iの認識配列が無くなっており、oligo(dT) Pr
imerとは逆の位置にPac Iの認識配列が存在した。この
結果から、ヒトHSGL遺伝子にはPac Iの認識配列が存在
するため、cDNAライブラリーを作製する過程で行われる
Pac I処理により、2つの断片に分断されてしまったと
解釈された。従って、完全長のヒトHSGLcDNAは5'側と3'
側の配列をPac I配列で結合することにより得られると
考えられた。
【0094】3. ヒトHSGLの接合部位の確認 ヒトHSGL遺伝子の5'端側のクローンに含まれる配列(
5’-TACCCACTGACTCTTCCAATCA-3’)と3'端側のクローン
に含まれる配列(5’- AGTATCTTTATAAGTGACGTGGCTG-3’)
をプライマーとし、ヒト肝臓のcDNA(CLONTECH社製)よ
りHSGL遺伝子断片をPCRにより増幅したところ、予想
される長さの(979bp)断片が増幅された。配列決定に
より、その配列は前記で決定されたヒトHSGL遺伝子と同
一であることが確認されたため、完全長のヒトHSGLは、
前記5'側と3'側の配列がPacIで結合したものであるこ
とが確認された。得られたヒトHSGLの塩基配列(1592b
p)を配列番号:2に、その塩基配列から予想されるア
ミノ酸配列(382アミノ酸)を配列番号:5に、それぞ
れ示した。
【0095】以上のようにして得られたマウスHSGLのcD
NAおよびヒトHSGLのcDNAをベクターpUCSRαに組み込
み、pSRαmHSGLおよびpSRαhHSGLを作製した。これらの
プラスミドで大腸菌 E.coli DH5αを形質転換して得ら
れた形質転換体である E.coli DH5α(pSRαmHSGL)およ
び E.coli DH5α(pSRαhHSGL)は、茨城県つくば市東1
丁目1番3号、工業技術院生命工学工業技術研究所に、
それぞれ受託番号FERMP−17332およびFER
M P−17331で寄託されている(受託日:いずれ
も平成11年3月25日)。
【0096】実施例6ウシHSGL遺伝子のクローニング ヒト及びマウスのHSGL遺伝子は、実施例1〜4において
THP-1の活性化を指標としてU-87 MG細胞の培養上清から
精製されたタンパクの部分アミノ酸配列に良く似てい
た。しかし一致しないことから、この精製タンパクは別
の遺伝子に由来すると考えられた。既にヒトの遺伝子が
得られているので、ヒトに類似の遺伝子がもう一つ存在
する可能性もあったが、培養上清に混入するウシ血清に
由来するタンパクを精製した可能性も考えられた。そこ
で、これまでに合成したマウス及びヒトHSGLの配列決定
用のプライマーを適当に組み合わせ、bovine cDNA(ウ
シ肝臓total RNA(クローンテック社製)よりFirst-Str
and cDNA Synthesis Kit(ファルマシア社製)を用いて
合成)を鋳型にしてPCRを行った。その結果、ヒトHSGL
由来センス鎖配列;5'-CTATGTGCTGAGACTCAACG-3’とマ
ウスHSGL由来アンチセンス鎖配列;5’-GGAAACTGGGCGAA
GTGTACAGTTAT-3'の組み合わせで予想される長さの断片
が増幅した。この断片の塩基配列を決めたところ、ウシ
のHSGLと思われる塩基配列が解読できた。
【0097】次にウシHSGLの部分配列を利用して2種類
のプライマー (BOF1: 5'-CGTGAACACAGACAGGAGGCTGG-
3'、BOF2: 5'-GAGACTGGCTGCCATGTGCTCAG-3') を合成
し、5’-(T)30MN-3’ (M=A,G,C、N=A,G,C,T) プライマ
ーと組みあわせて、3'-RACE(Rapid Amplification of c
DNA End)を行い3'側の遺伝子を増幅した。3'-RACEの方
法は文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 8998-9002
(1988)に記載されている。また、ヒトの5'端側(シグ
ナルペプチド上)の塩基配列(5'-TCTGCATCCTAGTCCTGTG
C-3')とウシHSGLの部分配列を利用して合成したプライ
マー(BOB2: 5'- CTGAGCACATGGCAGCCAGTCTC -3'、BOB3:
5'- TGCTTTGCATTGGCCATAAACCGATT -3')を組みあわせ
てnested PCRを行い、5'側の遺伝子断片を増幅した。方
法はPCR A Practical Approach IRL Press pp200 (199
1)などに記載されている。
【0098】これらのPCR産物をpGEM-T easy (Promeg
a)にクローニングして塩基配列を決定した。PCRの過程
での変異の可能性を否定するために、複数個のクローン
の配列を決定すると共に、PCRで増幅した断片を直接鋳
型として配列を決定した。その結果、ウシHSGLの塩基配
列及び対応するアミノ酸配列を有することが明らかとな
った。該塩基配列およびアミノ酸配列を、配列番号:3
および配列番号:6に、それぞれ示す。この配列にはN
末アミノ酸配列及びトリプシン消化ペプチドの配列がほ
ぼ完全一致で含まれていた。例外として配列番号:6の
72番目のアミノ酸配列が異なっていた。すなわち、遺
伝子解析からはSerであるのに対してタンパクの構造解
析からはGlu(配列番号:13の7番)となっていた。
以上の結果から、培養上清中のTHP-1の増殖促進活性を
示したタンパクは、ウシ由来のHSGLであると結論され
た。
【0099】実施例7ヒトHS-glycoprotein様遺伝子の染色体上の位置 ESTプロジェクトにより得られた塩基配列はクラスター
としてUniGeneでまとめられている。その中の多くのク
ラスター(転写単位に対応)はradiation hybridmapを
用いて染色体上の位置が決められている。今回、ヒトHS
GLに対応したクラスターとして3種類(Hs.33833、Hs.8
1073、Hs.110781)存在していた。これらの内2つ(Hs.
33833、Hs.110781)はSTS (Sequence Tag Site)が登録
され、第3染色体の同一部位に存在した。また近傍には
HSGが存在することから、HSGとHSGLは互いに遺伝子重複
により生じたものと考えられた。さらに文献上HSGに類
似性があり、Cystatin superfamilyに属するとされてい
るkininogen及びHistidine-rich glycoproteinも近傍に
マップされていた。
【0100】配列表フリーテキスト 配列番号:7に記載のアミノ酸配列の第15番目及び第
16番目のアミノ酸は、決定できなかったアミノ酸であ
る。
【0101】
【発明の効果】本発明の新規タンパク質HSGLは、単
球系の細胞を活性化する活性を有していることから、該
活性により治療され得る種々の疾患、例えば白血病、自
己免疫疾患、アレルギー性疾患、あるいは癌などのへの
適用が可能である。
【0102】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Sumitomo Pharmaceuticals Co.,Ltd. <120> Novel protein HSGL, and gene encoding the same <130> 132582 <160> 13
【0103】 <210> 1 <211> 1506 <212> DNA <213> Mus musculus <400> 1 caccagactt gcaaagctct tgattccgga cagcttacct tgattcctga cattgtgcag 60 tggctcagcc agaacctgtg agtcacaggt agctgctgtg ttacacaaca tctaacaacg 120 tctagccttc tgcgatttct ggtgcagggt catgattagt gcatttgaca gatttggcag 180 agtggcttac agtgga atg ggc ctg ctc cga ctt ctg gtg ctc tgc acc 229 Met Gly Leu Leu Arg Leu Leu Val Leu Cys Thr 5 10 ctg gct gca tgc tgc atg gcc cgc tct ccc cca gcc cca ccc ctg cca 277 Leu Ala Ala Cys Cys Met Ala Arg Ser Pro Pro Ala Pro Pro Leu Pro 15 20 25 caa cgc ccc ctc tca cct ctg cat cct ctg ggc tgt aac gac tct gaa 325 Gln Arg Pro Leu Ser Pro Leu His Pro Leu Gly Cys Asn Asp Ser Glu 30 35 40 gtg ctg gca gtt gca gga ttt gcc ctg cag aac atc aac aga gac caa 373 Val Leu Ala Val Ala Gly Phe Ala Leu Gln Asn Ile Asn Arg Asp Gln 45 50 55 aag gat ggc tat atg ttg agc ctt aac aga gtg cat gat gtt cgg gag 421 Lys Asp Gly Tyr Met Leu Ser Leu Asn Arg Val His Asp Val Arg Glu 60 65 70 75 cac tac cag gaa gac atg gga tct ctg ttc tac ctc aca ttg gat gtc 469 His Tyr Gln Glu Asp Met Gly Ser Leu Phe Tyr Leu Thr Leu Asp Val 80 85 90 tta gag act gac tgc cac gtg ctc agc agg aag gca cag aag gac tgc 517 Leu Glu Thr Asp Cys His Val Leu Ser Arg Lys Ala Gln Lys Asp Cys 95 100 105 aaa ccg agg atg ttc tat gag tcg gtt tat ggc cag tgc aaa gca atg 565 Lys Pro Arg Met Phe Tyr Glu Ser Val Tyr Gly Gln Cys Lys Ala Met 110 115 120 ttt cac att aac aag cca aga aga gtt ctc tac tta cct gct tat aac 613 Phe His Ile Asn Lys Pro Arg Arg Val Leu Tyr Leu Pro Ala Tyr Asn 125 130 135 tgt aca ctt cgc cca gtt tcc aaa aga aag act cat aca acg tgc cct 661 Cys Thr Leu Arg Pro Val Ser Lys Arg Lys Thr His Thr Thr Cys Pro 140 145 150 155 gac tgc cct agc ccc att gac ttg tca aac ccc agt gct ctg gaa gct 709 Asp Cys Pro Ser Pro Ile Asp Leu Ser Asn Pro Ser Ala Leu Glu Ala 160 165 170 gcc acg gag tcg ctt gca aag ttc aac agt aag agc ccc tca aaa aag 757 Ala Thr Glu Ser Leu Ala Lys Phe Asn Ser Lys Ser Pro Ser Lys Lys 175 180 185 tat gaa ctc gtc aaa gtc acc aag gct atg aac cag tgg gtg tct ggc 805 Tyr Glu Leu Val Lys Val Thr Lys Ala Met Asn Gln Trp Val Ser Gly 190 195 200 cct gct tac tat gtg gaa tat ttg atc aaa gag gca cca tgt acc aaa 853 Pro Ala Tyr Tyr Val Glu Tyr Leu Ile Lys Glu Ala Pro Cys Thr Lys 205 210 215 tcc cag gcc agc tgt tcg ctc cag cac tct gac tct gag ccc gtt ggt 901 Ser Gln Ala Ser Cys Ser Leu Gln His Ser Asp Ser Glu Pro Val Gly 220 225 230 235 att tgc caa ggt tct acg gtc caa agt tct ctg agg cac gtt cct ctg 949 Ile Cys Gln Gly Ser Thr Val Gln Ser Ser Leu Arg His Val Pro Leu 240 245 250 atc caa ccc gta gaa aag tct gtc act gtg act tgt gag ttc ttc gaa 997 Ile Gln Pro Val Glu Lys Ser Val Thr Val Thr Cys Glu Phe Phe Glu 255 260 265 tct cag gct cag gtc cct gga gat gag aac cct gct gtt acc cag ggc 1045 Ser Gln Ala Gln Val Pro Gly Asp Glu Asn Pro Ala Val Thr Gln Gly 270 275 280 cct cag aaa ctc cct cag aaa aac acg gcc cct acc agc tcc ccc tcc 1093 Pro Gln Lys Leu Pro Gln Lys Asn Thr Ala Pro Thr Ser Ser Pro Ser 285 290 295 gta act gca cca aga gga tcc atc cag cac ctc ccc gaa ctg gat gat 1141 Val Thr Ala Pro Arg Gly Ser Ile Gln His Leu Pro Glu Leu Asp Asp 300 305 310 315 gag aag ccc gag gag tcc aag gga ggg agc cct gag gaa gcc ttt cct 1189 Glu Lys Pro Glu Glu Ser Lys Gly Gly Ser Pro Glu Glu Ala Phe Pro 320 325 330 gtg cag ctg gat cta acc acc aat ccc cag ggg gac aca cta gat gtc 1237 Val Gln Leu Asp Leu Thr Thr Asn Pro Gln Gly Asp Thr Leu Asp Val 335 340 345 tcc ttc ctg tac ctg gag cct ggg gac aag aag ctg gtg gtg ctg cct 1285 Ser Phe Leu Tyr Leu Glu Pro Gly Asp Lys Lys Leu Val Val Leu Pro 350 355 360 ttc cct gga aag gaa cag cgc tcc gcc gag tgc cca ggg ccc gag aag 1333 Phe Pro Gly Lys Glu Gln Arg Ser Ala Glu Cys Pro Gly Pro Glu Lys 365 370 375 gag aac aac cct ctg gtt ctc cca ccc tgagactccc tagcagggtt 1380 Glu Asn Asn Pro Leu Val Leu Pro Pro 380 385 tcatagggct atggtcccca gcactaaatg ggaggtggtg gggattggga aggacacaga 1440 caatgaaatg tagacaggct aataaagtgt gtccttttga tgcaaaaaaa aaaaaaaaaa 1500 aaaaaa 1506
【0104】 <210> 2 <211> 1592 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 2 agtccctgca gctccacaaa ctgacccatc ctgggccttg ttctccacag a atg ggt 57 Met Gly ctg ctc ctt ccc ctg gca ctc tgc atc cta gtc ctg tgc tgc gga gca 105 Leu Leu Leu Pro Leu Ala Leu Cys Ile Leu Val Leu Cys Cys Gly Ala 5 10 15 atg tct cca ccc cag ctg gcc ctc aac ccc tcg gct ctg ctc tcc cgg 153 Met Ser Pro Pro Gln Leu Ala Leu Asn Pro Ser Ala Leu Leu Ser Arg 20 25 30 ggc tgc aat gac tcc gat gtg ctg gca gtt gca ggc ttt gcc ctg cgg 201 Gly Cys Asn Asp Ser Asp Val Leu Ala Val Ala Gly Phe Ala Leu Arg 35 40 45 50 gat att aac aaa gac aga aag gat ggc tat gtg ctg aga ctc aac cga 249 Asp Ile Asn Lys Asp Arg Lys Asp Gly Tyr Val Leu Arg Leu Asn Arg 55 60 65 gtg aac gac gcc cag gaa tac aga cgg ggt ggc ctg gga tct ctg ttc 297 Val Asn Asp Ala Gln Glu Tyr Arg Arg Gly Gly Leu Gly Ser Leu Phe 70 75 80 tat ctt aca ctg gat gtg cta gag act gac tgc cat gtg ctc aga aag 345 Tyr Leu Thr Leu Asp Val Leu Glu Thr Asp Cys His Val Leu Arg Lys 85 90 95 aag gca tgg caa gac tgt gga atg agg ata ttt ttt gaa tca gtt tat 393 Lys Ala Trp Gln Asp Cys Gly Met Arg Ile Phe Phe Glu Ser Val Tyr 100 105 110 ggt caa tgc aaa gca ata ttt tat atg aac aac cca agt aga gtt ctc 441 Gly Gln Cys Lys Ala Ile Phe Tyr Met Asn Asn Pro Ser Arg Val Leu 115 120 125 130 tat tta gct gct tat aac tgt act ctt cgc cca gtt tca aaa aaa aag 489 Tyr Leu Ala Ala Tyr Asn Cys Thr Leu Arg Pro Val Ser Lys Lys Lys 135 140 145 att tac atg acg tgc cct gac tgc cca agc tcc ata ccc act gac tct 537 Ile Tyr Met Thr Cys Pro Asp Cys Pro Ser Ser Ile Pro Thr Asp Ser 150 155 160 tcc aat cac caa gtg ctg gag gct gcc acc gag tct ctt gcg aaa tac 585 Ser Asn His Gln Val Leu Glu Ala Ala Thr Glu Ser Leu Ala Lys Tyr 165 170 175 aac aat gag aac aca tcc aag cag tat tct ctc ttc aaa gtc acc agg 633 Asn Asn Glu Asn Thr Ser Lys Gln Tyr Ser Leu Phe Lys Val Thr Arg 180 185 190 gct tct agc cag tgg gtg gtc ggc cct tct tac ttt gtg gaa tac tta 681 Ala Ser Ser Gln Trp Val Val Gly Pro Ser Tyr Phe Val Glu Tyr Leu 195 200 205 210 att aaa gaa tca cca tgt act aaa tcc cag gcc agc agc tgt tca ctt 729 Ile Lys Glu Ser Pro Cys Thr Lys Ser Gln Ala Ser Ser Cys Ser Leu 215 220 225 cag tcc tcc gac tct gtg cct gtt ggt ctt tgc aaa ggt tct ctg act 777 Gln Ser Ser Asp Ser Val Pro Val Gly Leu Cys Lys Gly Ser Leu Thr 230 235 240 cga aca cac tgg gaa aag ttt gtc tct gtg act tgt gac ttc ttt gaa 825 Arg Thr His Trp Glu Lys Phe Val Ser Val Thr Cys Asp Phe Phe Glu 245 250 255 tca cag gct cca gcc act gga agt gaa aac tct gct gtt aac cag aaa 873 Ser Gln Ala Pro Ala Thr Gly Ser Glu Asn Ser Ala Val Asn Gln Lys 260 265 270 cct aca aac ctt ccc aag gtg gaa gaa tcc cag cag aaa aac acc ccc 921 Pro Thr Asn Leu Pro Lys Val Glu Glu Ser Gln Gln Lys Asn Thr Pro 275 280 285 290 cca aca gac tcc ccc tcc aaa gct ggg cca aga gga tct gtc caa tat 969 Pro Thr Asp Ser Pro Ser Lys Ala Gly Pro Arg Gly Ser Val Gln Tyr 295 300 305 ctt cct gac ttg gat gat aaa aat tcc cag gaa aag ggc cct cag gag 1017 Leu Pro Asp Leu Asp Asp Lys Asn Ser Gln Glu Lys Gly Pro Gln Glu 310 315 320 gcc ttt cct gtg cat ctg gac cta acc acg aat ccc cag gga gaa acc 1065 Ala Phe Pro Val His Leu Asp Leu Thr Thr Asn Pro Gln Gly Glu Thr 325 330 335 ctg gat att tcc ttc ctc ttc ctg gag cct atg gag gag aag ctg gtt 1113 Leu Asp Ile Ser Phe Leu Phe Leu Glu Pro Met Glu Glu Lys Leu Val 340 345 350 gtc ctg cct ttc ccc aga gaa aaa gca cgc act gct gag tgc cca ggg 1161 Val Leu Pro Phe Pro Arg Glu Lys Ala Arg Thr Ala Glu Cys Pro Gly 355 360 365 370 cca gcc cag aat gcc agc cct ctt gtc ctt ccg cca tgagaatcac 1207 Pro Ala Gln Asn Ala Ser Pro Leu Val Leu Pro Pro 375 380 acagagtctt ctgtaggggt atggtgcgcc gcatgacatg ggaggcgatg gggacgatgg 1267 acagagacag agcgtgcaca cgtagagtgg ctagtgaagg acgccttttt gactcttctt 1327 ggtctcagca tgttgactgg gattggaaat aatgagactg agccctcggc ttgggctgca 1387 ctctaccctg tacactgcct tgtaccctga gctgcatcac ctcctaaact gagcagtctc 1447 ataccatgga gagatgcctc tcttatgtct tcagccactc acttataaag atacttatct 1507 tttcagcagt atatatgtgc tgaaatctca gcatgaaagc attgcatgag taaagatact 1567 ttccctaaaa aaaaaaaaaa aaaaa 1592
【0105】 <210> 3 <211> 1283 <212> DNA <213> Bos taurus <400> 3 tc tgc acc ctg gcc atg ggc tgc ggg gct aca tct cca ccc cag cca 47 Cys Thr Leu Ala Met Gly Cys Gly Ala Thr Ser Pro Pro Gln Pro 5 10 15 gcc gcc agg ccc tcg tct ctc ctc tcc ctt gac tgc aac agc tcc tat 95 Ala Ala Arg Pro Ser Ser Leu Leu Ser Leu Asp Cys Asn Ser Ser Tyr 20 25 30 gtg ctg gat atc gca aat gac atc ctg cag gac atc aac agg gac cgc 143 Val Leu Asp Ile Ala Asn Asp Ile Leu Gln Asp Ile Asn Arg Asp Arg 35 40 45 aag gac ggt tac gtg ctg agc ctc aac cga gtg agc gat gcc cgt gaa 191 Lys Asp Gly Tyr Val Leu Ser Leu Asn Arg Val Ser Asp Ala Arg Glu 50 55 60 cac aga cag gag gct ggt ctg gga tct ctg ttc tat ttc aca ctg gat 239 His Arg Gln Glu Ala Gly Leu Gly Ser Leu Phe Tyr Phe Thr Leu Asp 65 70 75 gtg tta gag act ggc tgc cat gtg ctc agc agg aca tca tgg aag aac 287 Val Leu Glu Thr Gly Cys His Val Leu Ser Arg Thr Ser Trp Lys Asn 80 85 90 95 tgt gaa gtg agg atc ttt cat gaa tcg gtt tat ggc caa tgc aaa gca 335 Cys Glu Val Arg Ile Phe His Glu Ser Val Tyr Gly Gln Cys Lys Ala 100 105 110 ata ttt tac att aat aag gaa aaa aga att ttc tat tta cct gct tat 383 Ile Phe Tyr Ile Asn Lys Glu Lys Arg Ile Phe Tyr Leu Pro Ala Tyr 115 120 125 aat tgt act ctt cgc cca gtt tct caa agc gcg att atc atg aca tgc 431 Asn Cys Thr Leu Arg Pro Val Ser Gln Ser Ala Ile Ile Met Thr Cys 130 135 140 cct gac tgc ccc agc acc agc ccc tat gat ttg tca aac ccc agg ttc 479 Pro Asp Cys Pro Ser Thr Ser Pro Tyr Asp Leu Ser Asn Pro Arg Phe 145 150 155 atg gaa act gct act gag tct ctt gca aaa tac aac agt gag agc ccc 527 Met Glu Thr Ala Thr Glu Ser Leu Ala Lys Tyr Asn Ser Glu Ser Pro 160 165 170 175 tca aag cag tat tct ctc gtc aaa atc acc aag act tct agt cag tgg 575 Ser Lys Gln Tyr Ser Leu Val Lys Ile Thr Lys Thr Ser Ser Gln Trp 180 185 190 gtg ttt ggc cct gcc tac ttt gtg gaa tat ttg atc aaa gaa tca cca 623 Val Phe Gly Pro Ala Tyr Phe Val Glu Tyr Leu Ile Lys Glu Ser Pro 195 200 205 tgt gtc aag tcg gag ggt agc agc tgt gca ctg gag tcc cct ggc tct 671 Cys Val Lys Ser Glu Gly Ser Ser Cys Ala Leu Glu Ser Pro Gly Ser 210 215 220 gtg cct gtt ggt att tgc cat ggt tct ctg ggt gaa cca caa gga aac 719 Val Pro Val Gly Ile Cys His Gly Ser Leu Gly Glu Pro Gln Gly Asn 225 230 235 cag ggc aag att atc tcc gta act tgc tcc ttc ttt aat tca cag gct 767 Gln Gly Lys Ile Ile Ser Val Thr Cys Ser Phe Phe Asn Ser Gln Ala 240 245 250 255 ccc acg cct aga ggt gaa aac gct act gta aac cag aga cct gca aac 815 Pro Thr Pro Arg Gly Glu Asn Ala Thr Val Asn Gln Arg Pro Ala Asn 260 265 270 ccc tcc aag aca gaa gag ctc caa cag caa aac aca gct ccc acc aac 863 Pro Ser Lys Thr Glu Glu Leu Gln Gln Gln Asn Thr Ala Pro Thr Asn 275 280 285 tca ccc acc aaa gct gtg ccc aaa ggg tct gtc cag tac ctt cct gac 911 Ser Pro Thr Lys Ala Val Pro Lys Gly Ser Val Gln Tyr Leu Pro Asp 290 295 300 tgg gat aag aag cgt gaa ggt tcc cag gaa aag gac cct gtt gag acc 959 Trp Asp Lys Lys Arg Glu Gly Ser Gln Glu Lys Asp Pro Val Glu Thr 305 310 315 ttc cct gtg cag ctc gat cta acc acc aat ccc caa gga gaa ccc ctg 1007 Phe Pro Val Gln Leu Asp Leu Thr Thr Asn Pro Gln Gly Glu Pro Leu 320 325 330 335 gat gtc tcc ttc ctc ttc cag gag ccc atg gag gag aag gtg gtt gtc 1055 Asp Val Ser Phe Leu Phe Gln Glu Pro Met Glu Glu Lys Val Val Val 340 345 350 ctg ccc ttc ccc tca aaa gaa cag cgc tct gct gag tgt cca gga cca 1103 Leu Pro Phe Pro Ser Lys Glu Gln Arg Ser Ala Glu Cys Pro Gly Pro 355 360 365 gct cag aag ggc tac cct ttt att ctt cca tca tgagaaccat atagaggatt 1156 Ala Gln Lys Gly Tyr Pro Phe Ile Leu Pro Ser 370 375 cctggggacg tactgtcctg caggagatgt gaggtggtgg ggaaaagggg acagagaaat 1216 agttcaaaca gtctaataaa gtaagttttt tggacctctc aaaaaaaaaa aaaaaaaaaa 1276 aaaaaaa 1283
【0106】 <210> 4 <211> 388 <212> PRT <213> Mus musculus <400> 4 Met Gly Leu Leu Arg Leu Leu Val Leu Cys Thr Leu Ala Ala Cys Cys 5 10 15 Met Ala Arg Ser Pro Pro Ala Pro Pro Leu Pro Gln Arg Pro Leu Ser 20 25 30 Pro Leu His Pro Leu Gly Cys Asn Asp Ser Glu Val Leu Ala Val Ala 35 40 45 Gly Phe Ala Leu Gln Asn Ile Asn Arg Asp Gln Lys Asp Gly Tyr Met 50 55 60 Leu Ser Leu Asn Arg Val His Asp Val Arg Glu His Tyr Gln Glu Asp 65 70 75 80 Met Gly Ser Leu Phe Tyr Leu Thr Leu Asp Val Leu Glu Thr Asp Cys 85 90 95 His Val Leu Ser Arg Lys Ala Gln Lys Asp Cys Lys Pro Arg Met Phe 100 105 110 Tyr Glu Ser Val Tyr Gly Gln Cys Lys Ala Met Phe His Ile Asn Lys 115 120 125 Pro Arg Arg Val Leu Tyr Leu Pro Ala Tyr Asn Cys Thr Leu Arg Pro 130 135 140 Val Ser Lys Arg Lys Thr His Thr Thr Cys Pro Asp Cys Pro Ser Pro 145 150 155 160 Ile Asp Leu Ser Asn Pro Ser Ala Leu Glu Ala Ala Thr Glu Ser Leu 165 170 175 Ala Lys Phe Asn Ser Lys Ser Pro Ser Lys Lys Tyr Glu Leu Val Lys 180 185 190 Val Thr Lys Ala Met Asn Gln Trp Val Ser Gly Pro Ala Tyr Tyr Val 195 200 205 Glu Tyr Leu Ile Lys Glu Ala Pro Cys Thr Lys Ser Gln Ala Ser Cys 210 215 220 Ser Leu Gln His Ser Asp Ser Glu Pro Val Gly Ile Cys Gln Gly Ser 225 230 235 240 Thr Val Gln Ser Ser Leu Arg His Val Pro Leu Ile Gln Pro Val Glu 245 250 255 Lys Ser Val Thr Val Thr Cys Glu Phe Phe Glu Ser Gln Ala Gln Val 260 265 270 Pro Gly Asp Glu Asn Pro Ala Val Thr Gln Gly Pro Gln Lys Leu Pro 275 280 285 Gln Lys Asn Thr Ala Pro Thr Ser Ser Pro Ser Val Thr Ala Pro Arg 290 295 300 Gly Ser Ile Gln His Leu Pro Glu Leu Asp Asp Glu Lys Pro Glu Glu 305 310 315 320 Ser Lys Gly Gly Ser Pro Glu Glu Ala Phe Pro Val Gln Leu Asp Leu 325 330 335 Thr Thr Asn Pro Gln Gly Asp Thr Leu Asp Val Ser Phe Leu Tyr Leu 340 345 350 Glu Pro Gly Asp Lys Lys Leu Val Val Leu Pro Phe Pro Gly Lys Glu 355 360 365 Gln Arg Ser Ala Glu Cys Pro Gly Pro Glu Lys Glu Asn Asn Pro Leu 370 375 380 Val Leu Pro Pro 385
【0107】 <210> 5 <211> 382 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 5 Met Gly Leu Leu Leu Pro Leu Ala Leu Cys Ile Leu Val Leu Cys Cys 5 10 15 Gly Ala Met Ser Pro Pro Gln Leu Ala Leu Asn Pro Ser Ala Leu Leu 20 25 30 Ser Arg Gly Cys Asn Asp Ser Asp Val Leu Ala Val Ala Gly Phe Ala 35 40 45 Leu Arg Asp Ile Asn Lys Asp Arg Lys Asp Gly Tyr Val Leu Arg Leu 50 55 60 Asn Arg Val Asn Asp Ala Gln Glu Tyr Arg Arg Gly Gly Leu Gly Ser 65 70 75 80 Leu Phe Tyr Leu Thr Leu Asp Val Leu Glu Thr Asp Cys His Val Leu 85 90 95 Arg Lys Lys Ala Trp Gln Asp Cys Gly Met Arg Ile Phe Phe Glu Ser 100 105 110 Val Tyr Gly Gln Cys Lys Ala Ile Phe Tyr Met Asn Asn Pro Ser Arg 115 120 125 Val Leu Tyr Leu Ala Ala Tyr Asn Cys Thr Leu Arg Pro Val Ser Lys 130 135 140 Lys Lys Ile Tyr Met Thr Cys Pro Asp Cys Pro Ser Ser Ile Pro Thr 145 150 155 160 Asp Ser Ser Asn His Gln Val Leu Glu Ala Ala Thr Glu Ser Leu Ala 165 170 175 Lys Tyr Asn Asn Glu Asn Thr Ser Lys Gln Tyr Ser Leu Phe Lys Val 180 185 190 Thr Arg Ala Ser Ser Gln Trp Val Val Gly Pro Ser Tyr Phe Val Glu 195 200 205 Tyr Leu Ile Lys Glu Ser Pro Cys Thr Lys Ser Gln Ala Ser Ser Cys 210 215 220 Ser Leu Gln Ser Ser Asp Ser Val Pro Val Gly Leu Cys Lys Gly Ser 225 230 235 240 Leu Thr Arg Thr His Trp Glu Lys Phe Val Ser Val Thr Cys Asp Phe 245 250 255 Phe Glu Ser Gln Ala Pro Ala Thr Gly Ser Glu Asn Ser Ala Val Asn 260 265 270 Gln Lys Pro Thr Asn Leu Pro Lys Val Glu Glu Ser Gln Gln Lys Asn 275 280 285 Thr Pro Pro Thr Asp Ser Pro Ser Lys Ala Gly Pro Arg Gly Ser Val 290 295 300 Gln Tyr Leu Pro Asp Leu Asp Asp Lys Asn Ser Gln Glu Lys Gly Pro 305 310 315 320 Gln Glu Ala Phe Pro Val His Leu Asp Leu Thr Thr Asn Pro Gln Gly 325 330 335 Glu Thr Leu Asp Ile Ser Phe Leu Phe Leu Glu Pro Met Glu Glu Lys 340 345 350 Leu Val Val Leu Pro Phe Pro Arg Glu Lys Ala Arg Thr Ala Glu Cys 355 360 365 Pro Gly Pro Ala Gln Asn Ala Ser Pro Leu Val Leu Pro Pro 370 375 380
【0108】 <210> 6 <211> 378 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 6 Cys Thr Leu Ala Met Gly Cys Gly Ala Thr Ser Pro Pro Gln Pro Ala 5 10 15 Ala Arg Pro Ser Ser Leu Leu Ser Leu Asp Cys Asn Ser Ser Tyr Val 20 25 30 Leu Asp Ile Ala Asn Asp Ile Leu Gln Asp Ile Asn Arg Asp Arg Lys 35 40 45 Asp Gly Tyr Val Leu Ser Leu Asn Arg Val Ser Asp Ala Arg Glu His 50 55 60 Arg Gln Glu Ala Gly Leu Gly Ser Leu Phe Tyr Phe Thr Leu Asp Val 65 70 75 80 Leu Glu Thr Gly Cys His Val Leu Ser Arg Thr Ser Trp Lys Asn Cys 85 90 95 Glu Val Arg Ile Phe His Glu Ser Val Tyr Gly Gln Cys Lys Ala Ile 100 105 110 Phe Tyr Ile Asn Lys Glu Lys Arg Ile Phe Tyr Leu Pro Ala Tyr Asn 115 120 125 Cys Thr Leu Arg Pro Val Ser Gln Ser Ala Ile Ile Met Thr Cys Pro 130 135 140 Asp Cys Pro Ser Thr Ser Pro Tyr Asp Leu Ser Asn Pro Arg Phe Met 145 150 155 160 Glu Thr Ala Thr Glu Ser Leu Ala Lys Tyr Asn Ser Glu Ser Pro Ser 165 170 175 Lys Gln Tyr Ser Leu Val Lys Ile Thr Lys Thr Ser Ser Gln Trp Val 180 185 190 Phe Gly Pro Ala Tyr Phe Val Glu Tyr Leu Ile Lys Glu Ser Pro Cys 195 200 205 Val Lys Ser Glu Gly Ser Ser Cys Ala Leu Glu Ser Pro Gly Ser Val 210 215 220 Pro Val Gly Ile Cys His Gly Ser Leu Gly Glu Pro Gln Gly Asn Gln 225 230 235 240 Gly Lys Ile Ile Ser Val Thr Cys Ser Phe Phe Asn Ser Gln Ala Pro 245 250 255 Thr Pro Arg Gly Glu Asn Ala Thr Val Asn Gln Arg Pro Ala Asn Pro 260 265 270 Ser Lys Thr Glu Glu Leu Gln Gln Gln Asn Thr Ala Pro Thr Asn Ser 275 280 285 Pro Thr Lys Ala Val Pro Lys Gly Ser Val Gln Tyr Leu Pro Asp Trp 290 295 300 Asp Lys Lys Arg Glu Gly Ser Gln Glu Lys Asp Pro Val Glu Thr Phe 305 310 315 320 Pro Val Gln Leu Asp Leu Thr Thr Asn Pro Gln Gly Glu Pro Leu Asp 325 330 335 Val Ser Phe Leu Phe Gln Glu Pro Met Glu Glu Lys Val Val Val Leu 340 345 350 Pro Phe Pro Ser Lys Glu Gln Arg Ser Ala Glu Cys Pro Gly Pro Ala 355 360 365 Gln Lys Gly Tyr Pro Phe Ile Leu Pro Ser 370 375
【0109】 <210> 7 <211> 17 <212> PRT <213> Bos taurus <220> <221> unsure <222> 15 <223> This amino acid was undetermined. <220> <221> unsure <222> 16 <223> This amino acid was undetermined. <400> 7 Thr Ser Pro Pro Gln Pro Ala Ala Arg Pro Ser Ser Leu Leu Xaa Xaa 5 10 15 Asp
【0110】 <210> 8 <211> 9 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 8 Asp Gly Tyr Val Leu Ser Leu Asn Arg 5
【0111】 <210> 9 <211> 7 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 9 Ala Ile Phe Tyr Ile Asn Lys 5
【0112】 <210> 10 <211> 13 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 10 Gly Ser Val Gln Tyr Leu Pro Asp Trp Asp Lys Lys Arg 5 10
【0113】 <210> 11 <211> 12 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 11 Val Val Val Leu Pro Phe Pro Ser Lys Glu Gln Arg 5 10
【0114】 <210> 12 <211> 9 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 12 Val Val Val Leu Pro Phe Pro Ser Lys 5
【0115】 <210> 13 <211> 18 <212> PRT <213> Bos taurus <400> 13 Gln Glu Ala Gly Leu Gly Glu Leu Phe Tyr Phe Thr Leu Asp Val Leu Glu Thr 5 10 15
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、U−87MG培養上清の陰イオン交換
Pカラムクロマトグラフィーの溶出プロフィールを示し
た図である。 Poros Q: HQ/M column(20μ、7.5x200m
m)に一次精製したU−87MG培養上清を添加し、吸
着したタンパク質は2.5MNaClを含む溶液Dの割合(%D)を
上昇させることにより溶出した。
【図2】図2は、 U−87MG培養上清の陽イオン交
換カラムクロマトグラフィーの溶出プロフィールを示し
た図である。 陰イオン交換カラムを素通りした画分をP
oros S : HS/M column(10x100mm、8ml)に添加し、吸
着したタンパク質は2.5MNaClを含む溶液Dの割合(%D)を
上昇させることにより溶出した。
【図3】図3は、代表的なゲルろ過カラムクロマトグラ
フィーの溶出プロフィールを示した図である。 イオン
交換カラムクロマトグラフィーにより分画されたサンプ
ルを濃縮後、TSK-G3000SW (70x600mm)に添加し、溶出
した。
【図4】図4は、THP-1細胞への各種既知因子の作用を
検討したグラフである。 横軸に示す濃度の既知因子(I
L-4, IL-6, IFN-γ)を添加し、3日間培養した後にWST
-1の還元能を測定し、細胞数を推定した。無添加でのWS
T-1の値を100%として標示した。
【図5】図5は、逆相クロマトグラフィーによる精製
(実験1)を示した図である。二次精製品の活性画分(Q
6-7/G5)0.2mlをVydac C4 カラム(2.1 × 250 mm)に
添加した。移動相は A液として 0.1% トリフロロ酢酸
(TFA)溶液を、 B液として0.08% TFA /90% アセトニト
リル溶液を使用し、B液の濃度を増加させてタンパク質
を溶出した。蛋白の溶出プロフィール、及びWST-1の値
を指標としたTHP-1細胞の増殖活性の溶出プロフィール
を示した。
【図6】図6は、逆相クロマトグラフィーによる精製
(実験2)を示した図および電気泳動写真の模式図であ
る。二次精製品の活性画分(Q6-7/G5)1mlをVydac C4 カ
ラム(2.1 × 250 mm)に添加した。移動相は A液とし
て 0.1% トリフロロ酢酸(TFA)溶液を、 B液として
0.08% TFA /90% アセトニトリル溶液を使用し、B液の濃
度を増加させてタンパク質を溶出した。 図6Aで、蛋
白の溶出プロフィール、及びWST-1の値を指標としたTHP
-1細胞の増殖活性の溶出プロフィールを示した。 図6
Bでは、THP-1の増殖活性のピークを示す画分(Fr. 61 -
66)をSDS-PAGEにより分離し、銀染色を行った結果を示
した。HSGL、Serum albumin、Transthyretinのバンドを
矢印で示した。
【図7】図7は、HSGL活性画分のMALDI-TOFによる構造
解析の結果を示した図である。逆相クロマトグラフィー
による精製で得られた活性画分をトリプシン消化した後
に、MALDI-TOFマススペクトル装置で分析した。 図7
(上)は実験1の、図7(下)は実験2の活性画分を分
析した結果である。
【図8】図8は、 HSGL活性画分のトリプシン消化物の
18逆相カラムクロマトグラフィーの溶出プロフィー
ルを示した図である。 MALDI-TOF分析に使用した残りの
トリプシン消化物を Vydac C18(1mm x 250mm)に添加
した。移動相は A液として 0.1% TFAを、 B液として
0.085% TFA / 80% MeCNを使用し、B% を2%から100%に9
0分間で直線的に増加させるグラディエントで溶出し
た。
【図9】図9は、 HSGL活性画分と既知因子のTHP-1細胞
に対する作用を示したグラフである。 逆相クロマトグ
ラフィーによる精製(実験2)で得られた活性画分の濃
度を吸光度から推定した。HSGL活性画分とIL-4,IL-6を
図に示した濃度を添加して、THP-1細胞への作用を検討
した。 図9Aは細胞数を測定した結果であり、図9B
はWST-1の吸光度を測定した結果である。
【図10】図10は、 HSGL活性画分のリクロマトグラ
フィーの結果を示した図および電気泳動写真の模式図で
ある。 逆相クロマトグラフィーによる精製(実験2)
で得られた活性画分をVydac C18カラム(1.0 × 250 m
m)を用いて溶出条件を緩やかにして、リクロマトグラ
フィーを行った。図10Aはタンパク質及び活性の溶出
プロフィールを、図10BはSDS-PAGEによる純度分析の
結果を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/00 A61K 31/00 637 43/00 643B A61K 38/00 C07K 14/47 38/55 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 A61K 37/02 5/10 37/64 C12P 21/02 C12N 5/00 A B (72)発明者 左海 順 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 (72)発明者 石川 弘典 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 CA04 DA06 EA04 GA11 HA11 4B064 AG02 CA02 CA19 DA01 DA13 4B065 AA26X AB01 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA01 AA06 AA07 BA01 BA22 CA53 DB61 ZB072 ZB132 ZB262 ZB272 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA45 DA01 EA22 EA28 FA74 GA22 GA23 GA26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)〜(c)いずれか記載のD
    NA。 (a)配列番号:1〜配列番号:3いずれか記載の塩基
    配列を有するDNA (b)配列番号:4〜配列番号:6いずれか記載のアミ
    ノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA (c)E.coli DH5α(pSRαhHSGL)
    (FERM P−17331)、又はE.coli D
    H5α(pSRαmHSGL)(FERM P−173
    32)が保持するプラスミドに挿入されているDNA
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNAによりコードされ
    るタンパク質のアミノ酸配列のうち1若しくは複数のア
    ミノ酸が置換、欠失及び/又は付加されたアミノ酸配列
    からなり、かつ無血清下で急性単球性白血病細胞株TH
    P−1を増殖させる活性を有するタンパク質をコードす
    るDNA。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のDNAとストリンジェン
    トな条件下でハイブリダイズし、かつ無血清下で急性単
    球性白血病細胞株THP−1を増殖させる活性を有する
    タンパク質をコードするDNA。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載のDNAを有
    する発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の発現ベクターによって形
    質転換された形質転換体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の形質転換体を培養し、発
    現される組換えタンパク質を回収することからなる、組
    換えタンパク質の生産方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3いずれか記載のDNAによ
    りコードされるか、又は請求項6記載の生産方法により
    生産されるタンパク質。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のタンパク質を有効成分と
    して含有する医薬。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3いずれか記載のDNAの少
    なくとも15以上の連続した塩基配列を有する1本鎖ま
    たは2本鎖のDNA断片。
  10. 【請求項10】 請求項7記載のタンパク質を特異的に
    認識する抗体、抗体フラグメント、又はこれらの誘導
    体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3いずれか記載のDNAを
    人為的に染色体中に挿入したか、又はいずれかをノック
    アウトさせたトランスジェニック動物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012092046A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Akitaya Honten:Kk 上皮細胞の増殖促進方法、及び上皮細胞の増殖促進剤

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