JP2000299511A - 圧電アクチュエータ及びこれを用いたインクジェットヘッド - Google Patents

圧電アクチュエータ及びこれを用いたインクジェットヘッド

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JP2000299511A
JP2000299511A JP11107885A JP10788599A JP2000299511A JP 2000299511 A JP2000299511 A JP 2000299511A JP 11107885 A JP11107885 A JP 11107885A JP 10788599 A JP10788599 A JP 10788599A JP 2000299511 A JP2000299511 A JP 2000299511A
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film
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common electrode
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Takanori Nakano
貴徳 中野
Hiroyuki Matsuo
浩之 松尾
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の材料に制限されずに高い圧電特性をも
つ圧電アクチュエータを作製することを目的とする。 【解決手段】 振動板11上に共通電極12、圧電膜1
3、上部電極14の順に積層したものを設け、共通電極
12には、メッキ法を用いてメッキ膜を形成する。この
メッキ膜は結晶質からなり、かつ、少なくとも一つの結
晶面に優先配向させて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧電アクチュエータ
及びこれを用いたインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットヘッドに使用され
る圧電アクチュエータは特開平1−96368号公報に
記載されたものが知られている。
【0003】圧電膜を成膜後、アニーリングのような分
極処理をせずに高い圧電特性をもつようにするためには
圧電膜の自発分極を大きくする必要がある。そのために
自発分極軸が大きくなるC軸、つまり結晶面が(00
1)面に単一配向もしくは優先配向されている必要があ
る。配向面が(110)面や(111)面であっても良
いが、より大きな圧電特性を得やすいのは(001)面
である。
【0004】ここでは(001)面に配向させることに
重点をおき、圧電膜としてPbを含む金属セラミック材
料の代表としてPb(ZrX,Ti1-X)O3(但し、0
< X<1。以下、PZTと記す)を用いた場合の従来例
を説明する。
【0005】PZT(001)面に優先配向させるため
には、基板がPZT(001)面の粒形、格子定数に非
常に近い数値の粒形、格子定数をもつ結晶面のものを用
いる必要がある。代表的な基板はMgO(100)単結
晶基板である。これを基板として使用し、その基板上に
積層する電極に白金(Pt)を用いた場合、白金(P
t)はPZT(001)面と近い粒形、格子定数となる
Pt(100)面に単一配向または優先配向させて作製
し、その白金(Pt)上にPZTを成膜するという方法
をとっていた。
【0006】図4に従来のインクジェットヘッドの代表
的な圧電アクチュエータ部分の概略断面図を示す。10
0はMgO〔(100)単結晶〕基板(圧力室と接着後
MgO基板は除去)、114は上部電極、113は圧電
膜、112は共通電極、111は振動板、101は圧力
室形成基板である。
【0007】次にこの従来の圧電アクチュエータ部分の
製造方法について、図5を用いて説明する。 (a)MgO〔(100)単結晶〕基板100上に、上
部電極(Pt膜)114をスパッタ法により形成する。 (b)上部電極(Pt膜)114上に圧電膜113をス
パッタ法により形成する。 (c)圧電膜113上に共通電極112をスパッタ法に
より形成する。 (d)共通電極112上に振動板111をスパッタ法に
より形成する。(振動板111が金属材料からなり、導
電性がある場合、共通電極112を兼ねる。よって、こ
の場合は(c)工程が省略される。また、(a)から
(d)の工程において、形成方法をスパッタ法としたが
CVDやゾルゲルといった他の方法を用いてもよい。) (e)(a)から(d)の工程によりMgO〔(10
0)単結晶〕基板100上に形成した圧電アクチュエー
タとなる部分102と圧力室形成基板101とを接着す
る。 (f)MgO〔(100)単結晶〕基板100の除去
(エッチング)を行なう。 (g)アクチュエータ部分102の表面に露出した上部
電極(Pt膜)114を電極パターンに加工(エッチン
グ)する。
【0008】この後、図5には記載していないがインク
流路形成部品などとを接着、上部電極(Pt膜)114
上への配線等の処理をしてインクジェットヘッドを作製
していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の圧
電アクチュエータでアニーリングなどのような分極処理
をせずに高い圧電特性を持つ圧電膜を作製するために
は、圧電膜を(001)面に結晶成長させることが必要
不可欠であり、またそのためには、圧電膜が(001)
面に結晶成長しやすくなる粒形、格子定数をもったMg
O(100)単結晶のような基板を用いる必要があっ
た。
【0010】本発明では基板の材料に制限されずに高い
圧電特性をもつ圧電膜を作製することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】基板の材料に制限される
という課題を解決するために本発明は、圧電膜の下地層
となる共通電極をメッキ法により、圧電膜が(001)
面に結晶成長しやすい粒形、格子定数をもった結晶面に
故意的に成長、作製することを備えたものである。具体
的には以下の構成としている。
【0012】請求項1記載の発明においては、振動板、
共通電極、圧電膜、上部電極を備えた圧電アクチュエー
タで、共通電極がメッキ法により形成され、そのメッキ
膜は結晶質からなり、かつ、ある方向に優先配向してい
ることを特徴としている。
【0013】上記構成により、以下の作用がなされる。
共通電極がメッキ法により形成されるために、スパッタ
法などの他の成膜方法に比べ、装置費などの面によりコ
ストが軽減できる。また、成膜する基板の大面積化、均
一な膜圧等に優れたものができる。さらに、メッキ膜が
結晶化し、優先配向して形成されることにより、共通電
極の優先配向した結晶面の格子定数、粒形に近似した圧
電膜の結晶面に圧電膜を優先配向させやすいので、メッ
キ膜の優先配向を制御して、圧電膜を高い圧電特性をも
つ結晶面に結晶化させることができる。つまり、メッキ
膜が制御されていればよく、この制御については基板制
限が少ないため、基板材料の制限が軽減できる。
【0014】請求項2記載の発明においては、メッキ膜
が圧電膜の(001)面、(110)面、(111)面
のいずれかの格子定数に近似した格子定数の結晶面に優
先配向して形成されることを特徴としている。
【0015】上記構成により、以下の作用がなされる。
メッキ膜が、高い圧電特性をもつ圧電膜の(001)
面、(110)面、(111)面のいずれかの格子定数
に近似した格子定数の結晶面に優先配向して形成される
ことにより、圧電膜を(001)面、(110)面、
(111)面のいずれかに結晶成長させやすくし、高い
圧電特性の圧電膜の作製が可能となる。また、請求項1
と同様、基板材料制限の軽減が可能である。
【0016】請求項3記載の発明においては、メッキ膜
に白金(Pt)を材料として使用し、かつ、Pt(10
0)面、あるいはPt(111)面に優先配向して形成
することを特徴としている。
【0017】上記構成により、以下の作用がなされる。
電極材料として白金(Pt膜)を使用することにより、
電極パターンに加工する場合の加工性が良く、また、P
t(100)面もしくは(111)面上に積層したPZ
Tを代表とする圧電膜は、高い圧電特性の期待できる
(001)面や(110)面、(111)面に結晶化さ
せることができ、これにより、高い圧電特性をもった圧
電アクチュエータの作製ができる。
【0018】請求項4記載の発明においては、共通電極
に白金(Pt)を使用し、かつ、振動板材料はCr、N
i、Ni−Cr、Ti、のいずれかを用いることを特徴
としている。
【0019】上記構成により、以下の作用がなされる。
メッキ法で作製した白金(Pt)はCr、Ni、Ni−
Cr、Tiと密着力等の相性がよく、歩留まり良く作製
することができる。
【0020】請求項5記載の発明においては、圧電材料
としてPZTを使用して圧電膜が形成されることを特徴
としている。
【0021】上記構成により、以下の作用がなされる。
Pt(100)もしくはPt(111)上に形成される
PZTは、高い圧電特性の期待できる(001)面や
(110)面、(111)面に結晶化させることがで
き、これにより、高い圧電特性をもった圧電アクチュエ
ータの作製ができる。
【0022】請求項6記載の発明においては、圧電アク
チュエータをインクジェットヘッドに応用させることを
特徴としている。
【0023】上記構成により、以下の作用がなされる。
より高い圧電特性を持つ圧電アクチュエータの形成が可
能であるため、インクジェットヘッドとしての特性の向
上ができ、基板材料の制限がないことから従来用いてい
たMgO基板と比較して材料費が軽減できる。
【0024】請求項7記載の発明においては、振動板、
共通電極、圧電膜、上部電極を備えた圧電アクチュエー
タで、上部電極がメッキ法により形成され、そのメッキ
膜は結晶質からなり、かつ、ある方向に優先配向し、さ
らには前記振動板、共通電極、圧電膜、上部電極を積層
する時の基板を除去する工程を含んでいることを特徴と
している。
【0025】上記構成により、以下の作用がなされる。
上部電極がメッキ法により形成されるために、スパッタ
法などの他の成膜方法に比べ、装置費などの面によりコ
ストが軽減、成膜する基板の大面積化、均一な膜圧等に
優れたものができる。さらに、メッキ膜の優先配向を制
御して、圧電膜を高い圧電特性をもつ結晶面に結晶化さ
せることができる。つまり、メッキ膜が制御されていれ
ばよく、この制御については基板制限が少ないため、基
板材料の制限が軽減できる。そして、基板上には上部電
極、圧電膜、共通電極、振動板の順に積層していくとい
った、従来のMgO基板を用いた製造方法の積層順序を
そのまま応用することができる。
【0026】請求項8記載の発明においては、メッキ膜
が白金(Pt)によって(100)面、あるいは(11
1)面に優先配向して形成され、かつ、振動板がCr、
Ni、Ni−Cr、Tiのいずれかを用いて形成される
ことを特徴としている。
【0027】上記構成により、請求項4と同様の効果が
得られる。
【0028】請求項9記載の発明においては、圧電膜の
少なくとも一部がPb(ZrX,Ti1−X)O3(但
し、0< X<1)によって形成されることを特徴として
いる。
【0029】上記構成により、請求項5と同様の効果が
得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて説明する。
【0031】(第1の実施の形態)従来の技術でも記載
しているが、成膜後にアニーリングなどの分極処理をせ
ずに高い圧電特性を持つ圧電膜を作るためには、圧電膜
を(001)面や(110)面、(111)面に結晶成
長させることが必要不可欠であり、これを可能にするの
が基板の影響であった。
【0032】圧電材料としてPZTを用いた場合、主に
前記3つの結晶面のうち、特に高い圧電特性が期待でき
るPZT(001)面に優先配向させやすい結晶面を持
ったMgO〔(100)単結晶〕基板の代替えとなるの
が本発明のメッキ膜である。
【0033】図1は、本発明に係わる圧電アクチュエー
タの断面図を示したものである。図1において本発明に
係わる部分は共通電極12、および圧電膜13から構成
される。この共通電極12は図1に示すように、振動板
11上に配設されたメッキ膜からなるものであり、その
上に圧電膜13、上部電極膜14が積層されている。こ
の時、振動板11、圧電膜13、上部電極14の積層方
法はスパッタ法、CVD法、真空蒸着法等いずれの手法
を用いてもよい。
【0034】共通電極12、および上部電極14は圧電
膜13に電圧を印加するためのもので、圧電膜と密着力
等、相性の良いものであり、導電性があればいずれのも
のでもよく、具体的にはPtのほか、AuやTi、N
i、Cr、Ni−Cr等がある。
【0035】圧電膜13は圧電効果の作用を発生させる
もので、圧電効果を示す材料であればいずれのものでも
よく、具体的にはPb(ZrX,Ti1-X)O3(但し、
0<X<1)を代表とするPbを含んだ金属セラミック
材料等がある。
【0036】振動板11は圧電膜13が圧電効果を示す
時に発生する伸縮の作用に反発し、圧電アクチュエータ
25をたわますといった機械的動作を作用させるための
もので、圧電膜よりも硬質の材料であり、また、メッキ
法を用いるために導電性をもったものであればいずれの
材料でもよく、具体的にはCrや、Ni、Ni−Cr、
Ti、等がある。
【0037】共通電極を作製するメッキ法は無電解めっ
き法等、いくつかの手段があるがこの時、メッキ膜の下
地層もしくは基板となるものは金属からなるもの、つま
り導電性のあるものを用いなければならない。振動板に
導電性がある場合、共通電極を兼ねた振動板として用い
ることも可能である。もちろん、この時の振動板は共通
電極を作製する時と同様、高い圧電特性をもつ圧電膜の
(001)面、(110)面、(111)面のいずれか
の格子定数に近似した格子定数の結晶面に優先配向して
形成しなければならない。
【0038】また、メッキ膜として白金(Pt)を用
い、その下地層となる振動板材料がCr、Ni、Ni−
Cr、またはTiを用いたとき、特にメッキ膜と振動板
との密着力及び圧電特性が優れていることを確認した。
【0039】図2は、図1に示す振動板11、共通電極
12、圧電膜13、上部電極14を備えた圧電アクチュ
エータにおいて、共通電極12の材料としてPtを使用
してメッキ膜を作製し、その上に圧電膜13となるPZ
Tを積層した場合の、XRD回折結果を示している。こ
の図2から、Ptの結晶化および結晶面が、どの程度P
ZTの結晶化および結晶面へ影響するかの関係を確認す
ることができる。図2(a)はPtがアモルファス(非
晶質)である上にPZTを積層した場合、図2(b)は
Ptが(111)面に優先配向している上にPZTを積
層した場合、図2(c)はPtが(100)面に優先配
向している上にPZTを積層した場合の、それぞれPt
の結晶質の違いによるPZTの結晶化への影響を示した
ものである。
【0040】図2(a)からPtがアモルファスである
時は、その上に積層するPZTは結晶化していないこと
がわかり、また、図2(b)からPtが(111)面に
優先配向している上に積層するPZTは(110)面に
優先配向していることがわかり、さらに、図2(c)か
らPtが(100)面に優先配向している上に積層する
PZTは(001)面に優先配向(この場合、ほぼ単一
配向)していることがそれぞれわかる。この図2からわ
かるように、Ptがアモルファス(非晶質)である場
合、PZTは結晶化しにくく、Ptの結晶面によってP
ZTの結晶化する結晶面も変わってくること言える。つ
まり、本実施の形態のようにPZT代表とするPbを含
む金属セラミック材料を圧電膜として用いる時、その下
地層となるPtが(100)面に優先配向していれば、
より高い圧電特性が期待できる(001)面に圧電膜を
優先配向させることが可能であると言える。またこのよ
うな、より高い圧電特性をもった圧電アクチュエータを
インクジェットヘッドに応用することにより、インクジ
ェットヘッドとしての特性の向上ができ、また、基板材
料の制限がないことから従来用いていたMgO基板と比
較して材料費が軽減できる。
【0041】(第2の実施の形態)図1において、第1
の実施の形態における共通電極12のメッキ膜が共通電
極12の一部に存在している場合でも同様の効果が得ら
れる。図3は共通電極層31の中にメッキ膜からなる共
通電極12−Bが一部、存在している場合の例をいくつ
か示している。図3(a)は振動板11上に、スパッタ
法などのメッキ法以外の手段により一面に共通電極12
−Aが配設され、その上にメッキ法により形成されたメ
ッキ膜からなる共通電極12−Bが積層され、多層の共
通電極層31となった上に圧電膜13、上部電極14の
順にそれぞれが一面に積層されたもの、図3(b)は図
3(a)と同様の積層過程をしているが、メッキ膜から
なる共通電極12−Bが一面ではなく、ある一部にのみ
積層されもの、図3(c)は振動板11上にメッキ膜か
らなる共通電極12−Bがある一部分にのみ配設され、
その上に圧電膜13、上部電極14の順にそれぞれが一
面に積層されたものを示している。
【0042】このようなメッキ膜からなる共通電極12
−Bの積層の仕方をした場合においても、圧電アクチュ
エータとして圧電膜13を使用する部分の直接下にあた
る箇所を、優先配向したメッキ膜からなる共通電極12
−Bが存在していれば、その圧電膜13の部分は圧電特
性を持ったものが形成され、第1の実施の形態と同様の
効果が得られる。
【0043】(第3の実施の形態)第1の実施の形態に
おいて、圧電アクチュエータをインクジェットヘッドと
して用いる場合、基板上に振動板、共通電極、圧電膜、
上部電極の順で積層する構成をすることにより、この時
の基板をそのまま圧力室形成基板として応用することも
できる。この時の基板材料は加工性のよいものであれば
いずれのものでもよく、具体的にはSi、SUS、感光
性ガラス等がある。代表例としてSiを基板材料として
使用する場合の説明をする。Siを圧力室形成基板とし
て用いるためには、Siを圧力室形状に加工しなければ
ならない。Siの加工方法(エッチング方法)はウェッ
トプロセス、ドライプロセスのいずれを用いてもよい。
また、圧電アクチュエータを作製する時の一連の過程で
Siの加工順序に関しては、いずれの順序で行なっても
よいが、歩留まりの向上等を理由に圧電アクチュエータ
部分の積層が終わった後に基板であるSiの加工をする
方が望ましい。圧力室形状加工をした後、インク流路形
成部品、ノズルプレート等と接着をしてインクジェット
ヘッドとして使用することができる。
【0044】これにより、従来、圧電アクチュエータと
圧力室形成基板との接着時に生じていた接着強度の改善
ができ、さらに圧力室と圧電アクチュエータが一体化し
たインクジェットヘッドの作製が可能となる。
【0045】(第4の実施の形態)第1の実施の形態の
ような振動板上にメッキ膜からなる共通電極、圧電膜、
上部電極といった積層順序とは逆の構成パターンでも形
成することが可能である。つまり、従来例で示した図5
と同様の製造過程において、上部電極114がメッキ膜
からなり、このメッキ膜が高い圧電特性をもつ圧電膜の
(001)面、(110)面、(111)面のいずれか
の格子定数に近似した格子定数の結晶面に優先配向して
形成されていれば、積層構成が逆であっても第1の実施
の形態と同様の効果が得られる。この場合、基板(図5
ではMgO基板100)は後に除去することになる。積
層過程が同様であるので、メッキ膜からなる上部電極を
除けばMgO基板を用いる従来の工法をそのまま応用す
ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、基板の
材料に制限されずに高い圧電特性をもった圧電アクチュ
エータが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における圧電アクチ
ュエータの断面図
【図2】Ptからなる共通電極上に積層した圧電膜のX
RD回折結果を示す図で、 (a)はPtがアモルファス(非晶質)である上に積層
した場合を示す図 (b)はPtが(111)面に優先配向している上に積
層した場合を示す図 (c)はPtが(100)面に優先配向している上にP
ZTを積層した場合を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態における圧電アクチ
ュエータの断面図で、 (a)は振動板11上に、スパッタ法などのメッキ法以
外の手段により一面に共通電極12−Aが配設され、そ
の上にメッキ法により形成されたメッキ膜からなる共通
電極12−Bが積層された場合を示す図 (b)は(a)と同様の積層過程をしているが、メッキ
膜からなる共通電極12−Bが一面ではなく、ある一部
にのみ積層された場合を示す図 (c)は振動板11上にメッキ膜からなる共通電極12
−Bがある一部分にのみ配設された場合を示す図
【図4】従来のインクジェットヘッド構造の代表的な圧
電アクチュエータ部分の概略断面図
【図5】(a)〜(g)は従来の圧電アクチュエータの
ある製造方法を示した工程図
【符号の説明】 100 MgO基板(後に除去する) 101 圧力室形成基板 102 圧電アクチュエータ 11,111 振動板 12,112 共通電極 12−A メッキ法以外の手段により形成された共通電
極 12−B メッキ膜からなる共通電極 13,113 圧電膜 14,114 上部電極 31 共通電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF51 AF93 AG12 AG44 AG55 AG92 AG93 AG94 AP02 AP14 AP25 AP31 AP52 AP53 AP55 BA14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板上に配設された共通電極と、前記
    共通電極上に積層された圧電膜と、前記圧電膜上に積層
    された上部電極からなる圧電アクチュエータにおいて、
    前記共通電極の少なくとも一部がメッキ法によって製作
    されたメッキ膜を有するものであり、前記メッキ膜は結
    晶質からなり、かつ、少なくとも一つの結晶面に優先配
    向して形成される圧電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 メッキ膜が圧電膜の(001)面、(1
    10)面、(111)面のいずれかの格子定数に近似し
    た格子定数の結晶面に優先配向して形成される請求項1
    記載の圧電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 メッキ膜が白金(Pt)によって形成さ
    れ、かつ、(100)面、あるいは(111)面に優先
    配向して形成される請求項1記載の圧電アクチュエー
    タ。
  4. 【請求項4】 振動板がCr、Ni、Ni−Cr、Ti
    のいずれかを用いて形成された請求項3記載の圧電アク
    チュエータ。
  5. 【請求項5】 圧電膜の少なくとも一部がPb(Z
    X,Ti1-X)O3(但し、0< X<1)によって形成
    される請求項3記載の圧電アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の圧
    電アクチュエータを用いたインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 基板上に上部電極を形成し、前記上部電
    極上に圧電膜を積層し、前記圧電膜上に共通電極を積層
    し、前記共通電極上に振動板を積層した後、前記基板を
    除去する圧電アクチュエータ製造方法において、前記上
    部電極の少なくとも一部にメッキ法によって、結晶質
    で、かつ、少なくとも一つの結晶面に優先配向したメッ
    キ膜を製作する圧電アクチュエータの製造方法。
  8. 【請求項8】 メッキ膜に白金(Pt)を用い、前記メ
    ッキ膜を(100)面、あるいは(111)面に優先配
    向して形成し、かつ、振動板にCr、Ni、Ni−C
    r、Tiのいずれかを用いて作製する請求項7記載の圧
    電アクチュエータの製造方法。
  9. 【請求項9】 圧電膜の少なくとも一部にPb(Z
    X,Ti1-X)O3(但し、0< X<1)を用いて製作
    する請求項7記載の圧電アクチュエータの製造方法。
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