JP2000299267A - 電子ビーム描画装置および電子ビームのブランキング方法 - Google Patents

電子ビーム描画装置および電子ビームのブランキング方法

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JP2000299267A
JP2000299267A JP11104912A JP10491299A JP2000299267A JP 2000299267 A JP2000299267 A JP 2000299267A JP 11104912 A JP11104912 A JP 11104912A JP 10491299 A JP10491299 A JP 10491299A JP 2000299267 A JP2000299267 A JP 2000299267A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーム遮断偏向時の全偏向振幅よりはるかに
小さい距離で遮断絞りエッジにビームを到達させ、ビー
ム遮断までの時間を大幅に短縮して描画パターンのエッ
ジ解像度を向上させることができる電子ビーム描画装置
を実現する。 【解決手段】 描画材料6上のビームを遮断、投入する
ブランキング偏向器22,23は2段偏向系を構成し、
同一方向にビームを偏向する。2段偏向器の中間を2段
偏向系の仮想偏向主面にとり、この位置にビーム遮断絞
り24を配置している。この絞り24に設けられた開口
部の位置は、調整機構25により調整することができ
る。この調整機構により、絞りの開口部の位置を調整
し、ビームを遮断しないビーム軸位置の近傍に絞りに設
けられた電子ビーム通過開口部を位置させ、この状態で
電子ビームのブランキングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被描画材料に照射
される電子ビームを低い電圧でブランキングすることが
できる電子ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の高密度化にともない、高い
精度の描画が要求されている。スポットビーム描画装置
での描画寸法は、10nm以下になろうとしている。こ
のような超微細寸法を描画するためには、細いビーム
と、これを走査する微細な走査インクリメントが要求さ
れる。
【0003】走査インクリメントが微細になると、より
高速な走査が必要となる。例えば、高分解能レジスト感
度を250μC/cm2、ビーム電流1nA、走査イン
クリメント2nmでは、走査インクリメントの周波数は
100MHzとなる。このようにビーム走査が高速にな
ると、描画パターンごとのビーム遮断と、ビーム投入を
制御するビームブランキング応答は、ビーム走査周波数
以上の高速応答が要求される。
【0004】従来のビームブランキング制御は、1段の
偏向器の中心(偏向主面)に材料面上のビーム像に対応
する物点像を結像させるような電子光学系を使用し、こ
の偏向器の真下に絞りを設けて、偏向されたビームを受
けるようにしていた。しかし、ビームを受ける絞り位置
のビームは広がりを持っているので、ビームを遮断する
ためには、絞りの大きさをビームの大きさより大きくせ
ねばならない。
【0005】また、この絞りの大きさは、ビーム軸合わ
せを容易にするために、比較的大きい絞りを使わざるを
得なかった。この対策として、ブランキング偏向器を2
段にして、この中間(2段偏向系の偏向主面)に材料面
上のビーム像に対応する物点像を結像させるような電子
光学系を使用し、2段ブランキング偏向器の中間(物点
像位置)に、ビーム遮断絞りを配置する方法が使用され
ている。
【0006】この場合にも、ビーム軸合わせ上、遮断絞
りの開口径はある程度大きくせねばならないので、偏向
するビームの大きさが小さいとはいえ、ビームを遮断す
るまでには、偏向電圧の7〜8割程度の電圧を必要とす
る。偏向電圧は、描画装置の加速電圧が高くなればなる
ほど高い電圧を必要とし、偏向電圧が高くなれば、応答
速度は長くなる。
【0007】以下、図を用いて更に詳細に説明する。図
1に従来の電子ビーム描画装置を示すが、図において1
は電子銃である。電子銃1から発生した電子ビームEB
は、第1のレンズ2、第2のレンズ3、第3のレンズ4
によって集束される。第1のレンズ2は、電子銃1で発
生するクロスオーバC0をブランキング偏向器5の主面
にクロスオーバーC1として結像する。
【0008】第2のレンズ3は、クロスオーバーC1を
レンズ3の像面側の位置にクロスオーバーC2として縮
小結像する。第3のレンズ4は、クロスオーバーC2を
被描画材料6上に投影結像して、クロスオーバーC3を
発生させる。
【0009】電子ビームの光軸に沿って絞り7が配置さ
れているが、この絞り7はブランキング偏向器5によっ
て偏向された電子ビームを遮断する役割を有している。
また、第2レンズ3内には絞り8が設けられているが、
この絞り8は電子ビームを制限するためのものである。
更に第3レンズ4の位置には、電子ビームを描画パター
ンに応じて偏向するための偏向器9が設けられている。
【0010】前記電子銃1には、電子銃制御電源10か
ら所定の加速電圧等が印加される。また、第1の電子レ
ンズ2にはレンズ電源11から所望のレンズ電流が供給
され、第2の電子レンズ3にはレンズ電源12から所望
のレンズ電流が供給され、第3の電子レンズ4にはレン
ズ電源13から所望のレンズ電流が供給される。
【0011】偏向器9には、描画パターン処理ユニット
14からの描画データに基づく偏向信号が、DA変換器
15、増幅器16を介して供給される。なお、描画パタ
ーン処理ユニット14からブランキング偏向器5には増
幅器17を介してブランキング信号が供給される。描画
パターン処理ユニット14にはコンピュータ18から描
画データが供給される。コンピュータ18は、電子銃制
御電源10、第1レンズ2のレンズ電源11、第2レン
ズ3のレンズ電源12、第3レンズ4のレンズ電源13
を制御する。
【0012】被描画材料6は、移動ステージ19上に載
置されているが、移動ステージ19はコンピュータ18
によって制御されるステージ駆動電源20によって駆動
される。このような構成の動作を次に説明する。
【0013】被描画材料6に照射される電子ビームの位
置データと寸法データは、あらかじめコンピュータ18
に書き込まれて記憶されている。コンピュータ18に記
憶されたデータは描画パターン処理ユニット14に供給
されて加工処理される。ここでこの処理内容を図2を用
いて説明する。
【0014】コンピュータ18に記憶されているデータ
は、半導体素子となる領域に含まれるパターン全てであ
るが、説明を簡単化するために、図2(a)に示すよう
に、領域Rの中に4個のパターンP1〜P4が存在する
場合の描画を例にして説明する。半導体素子領域Rは、
描画フィールドより通常は大きいので、描画データは、
複数のフィールドF11〜F44に分割されたフィール
ドごとの情報としてコンピュータ18には記憶させてお
く。
【0015】フィールドF22に跨がるパターンP1、
P3は、フィールド境界で分割され、図2(b)に示す
ように、パターンP13、P33となる。描画フィール
ドに跨がらないパターンP2はフィールド境界で分割さ
れず、パターンP2のままである。パターンP2を例に
とると、その位置はフィールドの原点コーナーからの位
置X0,Y0と長さW、高さHで表現されており、これ
を描画パターン処理ユニット14は、図2(c)に示す
ように、電子ビームが走査できる範囲(以下ビーム走査
範囲という)に分割する。なお、このビーム走査範囲
は、図1でrとして示してある。
【0016】分割された各パターンは、分割前のパター
ンの原点X0,Y0からの位置とビーム走査範囲を情報
としたデータで記憶される。ビーム走査できる範囲F
W,FHは、図2(d)に示すように、偏向制御系の能
力で決まる最大走査範囲である。ただし、ビーム走査で
きる範囲は、分割されたパターンの大きさにより、図2
(e)に示すように、最大走査範囲以下となる場合があ
る。なお、図2(d)でSはビーム走査開始位置を示
し、Eはビーム走査終了位置を示す。
【0017】描画パターン処理ユニット14では、描画
パターンの指定された描画位置に対応する位置信号と描
画パターン寸法に基づき、ビームで塗り潰し走査を行う
ための走査信号を発生する。描画位置を表すアドレス信
号と塗り潰しを行う走査信号は、パルス信号でDA変換
器15に与えられる。
【0018】描画位置がアナログ信号に変換された直後
に、走査信号は走査長FWに相当するビームインクリメ
ント数(走査長を走査インクリメントで割った数)のパ
ルス信号を指定周波数で発生し、走査高さFHに相当す
る本数(走査高さを走査インクリメントで割った数)分
までをDA変換器15に与える。DA変換器15でアナ
ログに変換された描画位置と走査信号は、ビーム走査偏
向に必要な電圧に増幅器16で増幅されて偏向器9に供
給される。
【0019】描画パターン処理ユニット14は、分割演
算の他に、描画パターン終了後次に描画する描画パター
ンの位置決めの期間、材料6への電子ビームの照射を遮
断するためのブランキング信号を発生する。ブランキン
グ信号は増幅器17に供給されてビーム遮断電圧が発生
され、この電圧はブランキング偏向器5に供給される。
この遮断電圧は高速に応答することが要求される。
【0020】ブランキング制御は、1段の偏向器5の中
心(偏向主面)に、材料面上のビーム像に対応する物点
像C1を結像させるように電子光学系を動作させ、この
ブランキング偏向器5の直下に、開口部を有する絞り7
を設けて、偏向されたビームを開口部外で受けるように
している。なお、開口部は、ブランキング偏向されな
い、すなわち、材料6上にビームを照射しているときの
ビームが通る通過口となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成で、開口
部を通過するビームは、広がりAを有しているので、ビ
ームを遮断するには、開口部の大きさをビームの大きさ
より大きくせねばならない。また、開口部の大きさは、
ビーム軸合わせを容易にするために、比較的大きな寸法
にせざるを得ない。これらのことから、ビームを遮断す
るための偏向電圧は高い電圧となり、応答速度が長くな
る。
【0022】この応答時間を短縮する方法として、図3
に示す偏向系が用いられている。この方法は、ブランキ
ング偏向器を上段の偏向器22と下段の偏向器23の2
段構成とすることを基本としている。そして、この中間
(2段偏向系の仮想偏向主面位置で、この位置は上下の
偏向器の寸法差や供給電圧差の選択により、仮想偏向主
面の位置は決められるので、必ずしも中間である必要は
ない)位置に、材料面上のビーム像に対応する物点像C
1を結像させるような電子光学系を使用し、2段ブラン
キング偏向器の中間(物点像位置)に、ビーム遮断絞り
24を配置する方法である。
【0023】この方法では、ビームEBはブランキング
されるとEB´のように偏向を受け、絞り24によって
遮断される。なお、C1bは偏向によって移動したクロ
スオーバー位置である。
【0024】ビーム遮断絞り24の位置に結像している
ビームは、数μm以下であるが、ビーム軸合わせ上、ビ
ーム遮断絞り24の開口部寸法は、ある程度大きくせね
ばならないので、偏向するビームの大きさが小さいとは
いえ、ビームが遮断されるまでには偏向電圧の全電圧を
必要とする。
【0025】図4はこの様子を示しており、図4(a)
のようにビーム軸EBがビーム遮断絞り24の開口部d
2の中心にあるときは、偏向電圧で決まる距離Lbkの半
分の距離(Lbkが開口部寸法と同一とした場合)でビー
ムは遮断されるが、図4(b)のように、ビーム軸EB
がビーム遮断絞り24の開口部d2の端にあるときに
は、偏向電圧で決まる距離Lbkの距離を偏向されてビー
ムは遮断される。すなわち、前者は偏向全電圧の半分
で、後者は偏向全電圧で偏向され、前者の方が遮断まで
の応答時間は短い。
【0026】このように、ビーム軸がビーム遮断絞り2
4の開口部d2を中心に必ず位置することが確認できる
構成でも、ビーム遮断に要する偏向電圧は最大出力の半
分が必要となる。偏向電圧は、描画装置の加速電圧が高
くなればなるほど高い電圧を必要とし、偏向電圧が高く
なれば応答速度も長くなる。このため、ビーム走査の周
波数が非常に高くなると、パターン描画開始位置(図2
(d)のS)、終了位置(図2(d)のE)でのビーム
が所定の時間より多く照射される現象が生じて、描画し
たパターンのエッジ解像度の低下の要因となる。
【0027】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、ビーム遮断偏向時の全偏向振幅よ
りはるかに小さい距離で遮断絞りエッジにビームを到達
させ、ビーム遮断までの時間を大幅に短縮して描画パタ
ーンのエッジ解像度を向上させることができる電子ビー
ム描画装置を実現するにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】第1の発明に基づく電子
ビーム描画装置は、電子ビームを集束して被描画材料に
照射すると共に、電子ビームを描画パターンに応じて偏
向し、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うよう
にした電子ビーム描画装置において、ブランキング偏向
器と、ブランキング偏向器によって偏向された電子ビー
ムを遮断する絞りを設け、絞りの開口部の位置を調整す
る調整機構とを備えたことを特徴としている。
【0029】第1の発明では、絞りの開口部の位置を調
整し、電子ビームの軸位置を絞りの開口部のエッジ近傍
に位置させる。第2の発明に基づく電子ビーム描画装置
は、第1の発明において、ブランキング偏向器を2段構
成とし、2段の偏向器の中間に絞りを配置した。
【0030】第3の発明に基づく電子ビーム描画装置に
おける電子ビームのブランキング方法は、絞りの開口部
の位置を調整し、ビームを遮断しないビーム軸位置の近
傍に絞りに設けられた電子ビーム通過開口部を位置さ
せ、この状態で電子ビームのブランキングを行うように
したことを特徴としている。
【0031】第4の発明に基づく電子ビーム描画装置に
おける電子ビームのブランキング方法は、第3の発明に
おいて、電子ビームを遮断する絞りの開口部エッジを跨
いで平面状に電子ビームを走査し、開口部のエッジ付近
を通過する電子ビームをモニター上で輝影として表示
し、絞りの開口部の位置を調整し、ビームを遮断しない
ビーム軸位置の近傍に絞りに設けられた電子ビーム通過
開口部を位置させ、この状態で電子ビームのブランキン
グを行うようにした。
【0032】第5の発明に基づく電子ビーム描画装置に
おける電子ビームのブランキング方法は、第3の発明に
おいて、電子ビームを遮断する絞りの開口部エッジを跨
いで直線状に電子ビームを走査し、波形モニター上に開
口部を通過する電子ビームの信号波形を表示し、絞りの
開口部の位置を調整し、ビームを遮断しないビーム軸位
置の近傍に絞りに設けられた電子ビーム通過開口部を位
置させ、この状態で電子ビームのブランキングを行うよ
うにした。
【0033】第6の発明に基づく電子ビーム描画装置に
おける電子ビームのブランキング方法は、第3の発明に
おいて、電子ビームを遮断する絞りの開口部を通過する
電子ビームの電流量を測定し、絞りの開口部の位置を調
整し、ビームを遮断しないビーム軸位置の近傍に絞りに
設けられた電子ビーム通過開口部を位置させ、この状態
で電子ビームのブランキングを行うようにした。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図5は本発明に基づく電子
ビーム描画装置の一例を示す図であり、図1、図4の従
来装置と同一ないしは類似の構成要素には同一番号が付
し、その詳細な説明は省略する。
【0035】図5において、描画材料6上のビームを遮
断、投入するブランキング偏向器22,23は2段偏向
系を構成し、同一方向にビームを偏向する。2つの偏向
器22,23の上下電極の構造寸法、供給電圧比を選定
することにより、任意の位置に2段偏向系の仮想偏向定
点を決めることができる。
【0036】ここでは、2段偏向器の中間を2段偏向系
の仮想偏向主面にとり、この位置に材料面上のビーム像
に対応する物点像C1を結像させる結像系と、ビーム遮
断絞り24を配置している。この絞り24に設けられた
開口部の位置は、調整機構25により調整することがで
きる。なお、パターン処理ユニット14からのブランキ
ング信号は、増幅器17aを介して上段の偏向器22に
供給され、増幅器17bを介して下段の偏向器23に供
給される。
【0037】ビーム遮断絞り24の位置に結像している
ビームは数μm以下であるから、遮断絞り24の開口部
の寸法は、これ以上の大きさでなければならないので、
数十μm(例えば50μm)寸法の開口を使用する。図
6はこの開口部とビームの位置関係を示す。図6(a)
にビーム遮断絞り24の開口部の構成例を示す。同じ寸
法の開口部d2を複数個設け(単一でも良い)、開口部
d2とは別の大きい寸法の開口部d1も設ける。
【0038】開口部d2を複数設けるのは、ビーム遮断
時にビーム遮断絞り24上でビームを受けている箇所に
汚れが生じて使用できなくなったときに切り換えて使用
するためである。大きい寸法の開口部d1は、ビーム軸
合わせを行うときに、ビームを容易に通すために使用す
る。開口部の調整機構25には、水平位置を調節する移
動機構も有している。
【0039】ビーム軸合わせ後、開口部調整機構25に
より、ビーム遮断絞り24の位置を開口部d2位置に切
り換える。しかし、開口部d2は小さいので、簡単には
ビームを通過させることができない。この調整方法を図
7を用いて説明する。図1と同一番号の構成要素は同一
機能を有するので、その詳細な説明は省略する。2段の
ブランキング偏向系の上部には、2次元平面をビーム走
査するための偏向器26(図では電磁偏向器で示した
が、静電偏向器でも良い)が設けられており、この偏向
器26には走査信号発生器27から走査信号が供給され
る。この結果、ビーム遮断絞り24の開口部はビームに
よって走査される。
【0040】開口部d2ではビームは通過し、通過ビー
ムはビーム軸上に挿入(本調整中のみ)されたビーム受
け板28によって検出され、変換器29によって電圧信
号に変換される。この電圧信号は、走査信号発生器27
からの走査信号が供給されるモニター30に輝度信号と
して供給される。この結果、走査信号発生器27の走査
信号振幅を大きくすると、開口部形状がモニター30上
に輝影(開口部が円形の場合は円)AP1として現れ
る。
【0041】この輝影のエッジをモニター30画面の中
央に位置するように、開口部調整機構25の水平位置調
節機構を調節する。走査信号発生器27の走査信号振幅
を小さくすると、モニター30上の輝影は大きくなり、
輝影の一部がAP2のようにモニター画面上に現れる。
この輝影のエッジがモニター30の画面中央に位置する
ように、開口部位置調整機構を調整する。モニター中央
と水平方向にずらした位置との差が、図6(c)のLon
に相当する。この差が大きいと、図6(b)に示すLON
のようになり、ビームが遮断されるまでの時間が長くな
る。
【0042】ビーム軸合わせ後の開口部d2の位置合わ
せの別の調節方法を図8に基づき説明する。この方法
は、調節のための偏向器の追加を必要としない例であ
る。走査信号発生器32は、鋸歯状波あるいは三角波の
線走査信号を発生する。切換え器SWは、ビーム遮断絞
り24の上側の偏向器22に与える信号を走査信号発生
器32からの線走査信号と、増幅器17aからのビーム
遮断信号とを切換えるスイッチである。
【0043】走査信号発生器32からの線走査信号は、
ビーム遮断絞り24の開口部位置付近をビームによって
走査する。開口部d2を通過したビームは、ビーム受け
板28で検出され、電圧変換器29で電圧信号に変換さ
れる。モニター(オシロスコープ)33の一つの入力
(図示外)に走査信号発生器32からの走査信号を供給
して、モニター33上に線走査信号の波形を表示し、も
う一つの入力(図示外)に、ビーム受け板28で検出さ
れた電圧信号を供給し、モニター上に検出信号波形を表
示する。
【0044】走査信号発生器32の線走査信号振幅を大
きくすると、開口部以外でビームは遮断されるので、モ
ニター上にパルス状の波形PLが得られる。開口部以外
で遮断されている部分がIo、開口部を通過している部
分がIbである。このパルス状の波形の立ち下がり部P
D位置が線走査信号の走査開始位置Ssに近付くよう
に、絞り24の位置を水平位置調節機構25で調節す
る。
【0045】なお、走査信号発生器32の線走査信号振
幅を小さくして、モニター33上のパルス波形の立ち下
がり部PD位置が線走査開始位置Ssに近付くように、
水平位置調節機構で調節できる。このパルス波形の立ち
下がり部PD位置と、線走査開始位置Ssとの差が、図
6(c)のLonに相当する。この差が大きいと、図6
(b)に示すようになり、ビームが遮断されるまでの時
間が長くなる。なお、線走査信号が与えられていない場
合には、モニターの中心がビーム位置であり、線走査方
向はビーム遮断偏向方向となっている場合の例で説明し
た。
【0046】ビーム軸合わせ後のビーム遮断絞り位置合
わせの更なる調節方法は、ビーム走査を必要としない方
法である。開口部d2を通過したビームは、ビーム受け
板28で電流検出される。検出電流計をモニターしなが
ら、電流値がなくなりかける位置に水平位置調節機構を
調節する。この状態で、ビームがビーム遮断開口部d2
のエッジに位置したことになる。この位置からエッジを
わずかだけ(数十μm)水平位置調節機構でビーム遮断
偏向方向に動かす。このエッジがビーム遮断偏向方向側
のエッジか、反対側のエッジか分からないので、水平位
置調節機構をビーム遮断偏向方向に動かして、検出電流
計が電流値を示すことによりこれを確認する。
【0047】また、ビーム遮断偏向方向に直交するエッ
ジか否かは、水平位置調節機構をビーム遮断偏向方向と
直交する方向に移動させて、検出電流計の指示値が、微
小変化範囲内でこの微小変化範囲を与える移動機構範囲
の中央位置となるように調節した後、水平位置調節機構
のビーム遮断偏向方向を調節して位置を決める。この方
法は、水平位置調節機構の2軸移動方向がビーム遮断偏
向方向に平行と直交であることはいうまでもない。
【0048】以上詳細に説明したように、ビーム遮断偏
向により、ビームが偏向し始めるごく近傍に、ビーム受
け遮断開口部のエッジを位置調節することにより、描画
材料上でのビーム遮断時間を数nsecにすることが可
能となる。図9を用いてこの内容をより詳しく説明す
る。
【0049】図9(a)は遮断開口部の位置調整がされ
ていない場合で、ビームが正常通過する位置(描画中の
ビーム軸位置)から遮断開口部エッジまで遠く、ビーム
遮断偏向開始からビーム遮断開口部までLona の距離を
有するため、ビームが正常通過する位置に戻るまでに時
間tdaを要する。全偏向距離Lbkに相当する時間が1
5nsecとすると、10nsec程度が見込まれ、場
合によっては15nsecかかることもあり得る。
【0050】図9(b)は遮断開口部の位置調整がなさ
れている場合で、ビームが正常通過する位置(描画中の
ビーム軸位置)から遮断開口部エッジまでが近く、ビー
ム遮断偏向開始からビーム遮断開口部のエッジまでの距
離Lonb が短いので、完全にビームが正常通過する位置
に戻るまでの時間tdbは短い。全偏向距離Lbkに相当
する時間が15nsecとすると、2nsec程度とす
ることができる。
【0051】例えば、ビーム走査が100MHz周期で
パターン塗り潰し走査している場合の走査インクリメン
ト上でのビーム停止時間は10nsecであり、ビーム
遮断時間はこれより短くせねばならない。ビーム遮断時
間が長いと、走査開始位置Sあるいは走査終了位置E
で、ビーム照射時間の増大(上の例では1インクリメン
ト分の2倍)が発生して、描画パターンのエッジ解像度
を低下させる要因となっている。ビーム遮断時間を描画
インクリメント停止時間の10nsecより短くすれ
ば、エッジ解像度低下を防止することができる。
【0052】以上本発明の実施の形態を詳述したが、本
発明はこの形態に限定されない。例えば、ブランキング
偏向器を2段構成としたが、1段の偏向器を用いた場合
にも本発明を適用することができる。また、絞りに設け
られた電子ビームの通過開口の形状は円形であっても矩
形であっても良い。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、第1、第2の発明
では、絞りの開口部の位置を調整し、電子ビームの軸位
置を絞りの開口部のエッジ近傍に位置させるように構成
したので、電子ビーム遮断偏向時の全偏向振幅よりはる
かに小さい距離で、遮断絞りエッジにビームを到達させ
て、ビーム遮断までの時間を大幅に短縮させることがで
きる。その結果、描画パターンのエッジ解像度を著しく
向上させることができ、高い精度の描画が達成される。
【0054】第3〜第6の発明では、絞りの開口部の位
置を調整し、ビームを遮断しないビーム軸位置の近傍に
絞りに設けられた電子ビーム通過開口部を位置させ、こ
の状態で電子ビームのブランキングを行うようにしたの
で、電子ビーム遮断偏向時の全偏向振幅よりはるかに小
さい距離で、遮断絞りエッジにビームを到達させて、ビ
ーム遮断までの時間を大幅に短縮させることができる。
その結果、描画パターンのエッジ解像度を著しく向上さ
せることができ、高い精度の描画が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電子ビーム描画装置を示す図である。
【図2】スポットビームによる描画方法を説明するため
の図である。
【図3】2段偏向器によるビームブランキングの様子を
示す図である。
【図4】ブランキング動作によるビームの移動の様子を
示す図である。
【図5】本発明に基づく電子ビーム描画装置を示す図で
ある。
【図6】図5の装置に用いられる絞りの形状とブランキ
ング時のビームの移動の様子を示す図である。
【図7】絞り位置の調整のための構成の一例を示す図で
ある。
【図8】絞り位置の調整のための構成の一例を示す図で
ある。
【図9】ブランキング時間短縮の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2,3,4 電子レンズ 6 被描画材料 9 偏向器 10 電子銃制御電源 11,12,13 レンズ電源 14 描画パターン処理ユニット 15 DA変換器 16,17 増幅器 18 コンピュータ 22,23 ブランキング偏向器 24 絞り

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを集束して被描画材料に照射
    すると共に、電子ビームを描画パターンに応じて偏向
    し、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うように
    した電子ビーム描画装置において、ブランキング偏向器
    と、ブランキング偏向器によって偏向された電子ビーム
    を遮断する絞りを設け、絞りの開口部の位置を調整する
    調整機構とを備えたことを特徴とする電子ビーム描画装
    置。
  2. 【請求項2】 ブランキング偏向器は2段構成とされて
    おり、2段の偏向器の中間に絞りが配置された請求項1
    記載の電子ビーム装置。
  3. 【請求項3】 電子ビームを集束して被描画材料に照射
    すると共に、電子ビームを描画パターンに応じて偏向
    し、被描画材料上に所望のパターンの描画を行うと共
    に、ブランキング偏向器とブランキング偏向器によって
    偏向された電子ビームを遮断する絞りとによって電子ビ
    ームをブランキングするようにした電子ビーム描画装置
    において、絞りの開口部の位置を調整し、ビームを遮断
    しないビーム軸位置の近傍に絞りに設けられた電子ビー
    ム通過開口部を位置させ、この状態で電子ビームのブラ
    ンキングを行うようにした電子ビーム描画装置における
    ビームブランキング方法。
  4. 【請求項4】 電子ビームを遮断する絞りの開口部エッ
    ジを跨いで平面状に電子ビームを走査し、開口部のエッ
    ジ付近を通過する電子ビームをモニター上で輝影として
    表示し、絞りの開口部の位置を調整し、ビームを遮断し
    ないビーム軸位置の近傍に絞りに設けられた電子ビーム
    通過開口部を位置させ、この状態で電子ビームのブラン
    キングを行うようにした請求項1記載の描画装置におけ
    るビームブランキング方法。
  5. 【請求項5】 電子ビームを遮断する絞りの開口部エッ
    ジを跨いで直線状に電子ビームを走査し、波形モニター
    上に開口部を通過する電子ビームの信号波形を表示し、
    絞りの開口部の位置を調整し、ビームを遮断しないビー
    ム軸位置の近傍に絞りに設けられた電子ビーム通過開口
    部を位置させ、この状態で電子ビームのブランキングを
    行うようにした請求項1記載の描画装置におけるビーム
    ブランキング方法。
  6. 【請求項6】 電子ビームを遮断する絞りの開口部を通
    過する電子ビームの電流量を測定し、絞りの開口部の位
    置を調整し、ビームを遮断しないビーム軸位置の近傍に
    絞りに設けられた電子ビーム通過開口部を位置させ、こ
    の状態で電子ビームのブランキングを行うようにした請
    求項1記載の描画装置におけるビームブランキング方
    法。
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