JP2000298428A - 光学性能提示装置 - Google Patents

光学性能提示装置

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JP2000298428A
JP2000298428A JP11104979A JP10497999A JP2000298428A JP 2000298428 A JP2000298428 A JP 2000298428A JP 11104979 A JP11104979 A JP 11104979A JP 10497999 A JP10497999 A JP 10497999A JP 2000298428 A JP2000298428 A JP 2000298428A
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aperture
objective lens
optical
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Kazuhiro Ako
一博 赤生
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SHIMAZU RIKA KIKAI KK
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SHIMAZU RIKA KIKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学機器の原理や、光学機器の光学性能が対
物光学系の口径の大きさによって変化することなどを容
易に認識可能とする。 【解決手段】 観察モデル20には対物レンズ40の光
学性能を認識するための目安となる点状のパターン等が
複数形成されている。コントローラ50は、絞り装置3
0の開口径を開放から小絞り、そして小絞りから開放へ
と徐々に変化させる。このときに接眼レンズ86cの視
野内に見える像は、CCDカメラ90によって捕らえら
れ、表示装置94に表示される。絞り装置30の開口径
が変化するのにつれて、観察モデル20に形成される二
つの輝点の像が対物レンズ40の収差や回折の影響によ
りぼけてしまい、一つの点としてしか認識できなかった
り、あるいは二つの点として明瞭に認識できる様子が表
示装置94に表示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、望遠鏡等の光学機
器の原理を説明するために教育機関や博物館などに設置
される光学性能提示装置に関し、特に光学機器特有の集
光力や分解力などの光学性能が口径の大きさによって変
化することを提示可能な光学性能提示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、望遠鏡の原理を説明するため
の展示装置として実物の断面構造を説明するカットモデ
ルがある。
【0003】望遠鏡の原理を物理的に説明するものとし
てさらに、透明水槽中に沈めた望遠鏡の光学モデルにレ
ーザ光を照射し、チンダル現象によって光路を示すこと
により光が集光される様子を展示する装置もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カットモデ
ルではその内部構造を示すことはできても、実際に像が
どのように形成されてその像がどのように観察されるの
かを提示することは難しい。また、透明水槽やレーザ光
等を用いる装置では、水槽内の水の交換等、維持管理が
煩雑であるという問題点を有している。加えて、上記透
明水槽やレーザ光等を用いる装置では、実際に形成され
る像を学習者が観察できるわけではないので、集光力や
分解力等の光学性能を直観的に知ることは困難である。
【0005】本発明の目的は、望遠鏡等の光学機器の原
理や、この光学機器の光学性能が対物光学系の口径の大
きさよって変化することなどを容易に認識可能とするこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
に対応付けて以下の発明を説明する。 (1) 請求項1に記載の発明に係る光学性能提示装置
は、対物光学系40と;対物光学系40の有効径を変化
させる有効径可変手段30とを有し;有効径を変化させ
るのに応じて対物光学系40の光学性能が変化するのを
提示するようにしたことにより上述した目的を達成す
る。 (2) 請求項2に記載の発明に係る光学性能提示装置
は、提示される対物光学系40の光学性能が変化するの
に同期して、光学性能の変化を説明する説明手段52、
54および56をさらに有するものである。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態に係
る光学性能提示装置の概略的構成を説明する図である。
図1に示す光学性能提示装置は、実際の天体等を観察す
るものでなく、対物レンズ40および接眼ユニット80
等で構成される望遠鏡で形成される観察モデル20の像
をCCDカメラ90で捕らえ、表示装置94に表示する
ものである。
【0009】観察モデル20は、光学性能提示装置の設
置スペースの都合等もあるので、ある有限距離に設置さ
れる。この観察モデルには、ある星座や星団等を模した
複数の輝点が設けられる。
【0010】絞り装置30は、その開口の中心と対物レ
ンズ40の光軸とが一致するようにして対物レンズ40
の近傍に設置される。絞り装置30は、アクチュエータ
34によって駆動される複数の絞り羽根32を有する。
アクチュエータ34の作動は、コントローラ50によっ
て制御される。つまり、絞り装置30の開口径はコント
ローラ50によって制御される。可能絞り装置30の開
口径を変化させることにより、対物レンズ40の有効径
を変化させることが可能である。なお、図1において絞
り装置30は、対物レンズ40の物体側に配置されてい
るが、像側に配置されるものであってもよい。また、絞
り装置30を、いわゆる虹彩絞りとするのに代えて複数
の開口径を有する開口板をターレット式に切り換えるも
のとしてもよい。
【0011】対物レンズ40としては、たとえば異なる
アッベ数を有する硝材で高精度に加工された凸レンズ4
0aと凹レンズ40bとで構成される色消しレンズ(ア
クロマートレンズ)を用いることができる。本実施の形
態において、対物レンズ40は有効径200mm、焦点
距離1,000mmである。この対物レンズ40に関し
て、対物レンズ40を複数の群のレンズで構成して群間
隔を可変とし、いわゆるズームタイプのものとすること
もできる。
【0012】スクリーン60は、対物レンズ40の結像
面近傍に設置される可動式の半透過スクリーンである。
このスクリーン60は、アクチュエータ62によって揺
動軸Axを中心として図1の矢印Aで示される向きに沿
って揺動可能に設置される。アクチュエータ62の動作
は、コントローラ50によって制御される。つまり、ス
クリーン60はコントローラ50によって対物レンズ4
0の光軸上に位置させることも光軸外に待避させること
もできる。なお、スクリーン60は、アクチュエータ6
2によって自動的に駆動されるのに代えて学習者あるい
は指導者が手動で操作するものであってもよい。
【0013】接眼ユニット80は、基板88と、リボル
バ82と、このリボルバ82に固定されて3つの異なる
焦点距離を有する接眼レンズ86a、86bおよび86
cと、アクチュエータ84とを有する。リボルバ82
は、アクチュエータ84によって図1の矢印Bで示され
る方向に回転駆動される。アクチュエータ84の動作
は、コントローラ50によって制御される。つまり、リ
ボルバ82はコントローラ50によって接眼レンズ86
a〜86cのうちのいずれかの光軸が対物レンズ40の
光軸に一致するように制御される。接眼レンズ86a〜
86cは、それぞれ100mm、40mm、10mmの
焦点距離を有する。これらの接眼レンズ86a〜86c
の焦点距離は上記以外の焦点距離に設定することも可能
である。
【0014】接眼ユニット80の後方で、対物レンズ4
0の光軸上にCCDカメラ90が設置される。CCDカ
メラ90は、カメラコントロールユニット92を介して
CRTモニタや液晶プロジェクタ等の表示装置94に接
続される。対物レンズ40と、接眼レンズ86a〜86
cのうちのいずれかとで形成される観察モデル20の像
はCCDカメラ90によって捕らえられ、表示装置94
に表示される。したがって、複数の学習者が同時に観察
モデル20の像を観察することが可能となる。
【0015】コントローラ50にはCDプレーヤ52な
どの音声再生装置が接続され、CDプレーヤ52から出
力される音声信号はアンプ54によって増幅され、スピ
ーカ56に出力される。コントローラ50は、先に説明
したアクチュエータ34、62および84等を制御しつ
つ、CDプレーヤにセットされているCDの再生トラッ
クを制御することができる。これにより、光学性能提示
装置の所定の動作に同期して説明のための音声を再生す
ることができる。コントローラ50にはまた、スイッチ
ボックス58が接続されている。学習者または指導者が
このスイッチボックス58のスイッチ58a、58bお
よび58cのいずれかを操作することに応じ、コントロ
ーラ50は以下で説明するとおり光学性能提示装置の動
作を制御する。
【0016】図2を参照して観察モデル20の詳細につ
いて説明する。図2(a)は、観察モデル20を対物レ
ンズ40の光軸を含み、図1の上下方向に沿う面で断面
をとったものを示す。図2(a)に示されるように、観
察モデル20はライトボックス21の発光面(拡散板2
4の取り付けられている面)にチャート26を取り付け
た構造を有する。ライトボックス21の内部には、蛍光
灯22が図2(a)の紙面に直交する方向に延在するよ
うに設置され、これらの蛍光灯22の背面に反射笠23
が設置される。これにより、蛍光灯22から発せられる
光は拡散板24に向かう方向に導かれる。拡散板24
は、たとえば乳白色のアクリル板等で構成される。拡散
板24とチャート26との間には複数の異なる透過率を
有する減光板(NDフィルタ)28a〜28fが配設さ
れる。
【0017】図2(a)に示される拡散板24、チャー
ト26および減光板28を部分的に拡大して示す図2
(b)を参照してチャート26および減光板28につい
て説明する。チャート26に穿設される孔26hは、星
団や星座、あるいは月や土星等の天体を模してそのパタ
ーンが定められる。たとえば星団や星座を模する場合、
その星団や星座を構成する星の大きさや位置関係に応じ
て孔26hの大きさや孔ピッチ等が定められ、かつそれ
ぞれの星の明るさ(等級)に応じて減光板28(図2
(b)においては減光板28c、28dおよび28eの
みが示される)のそれぞれの透過率が定められる。これ
により、表示装置94(図1)に表示される画像の迫真
性を高めることができるとともに、後述するように望遠
鏡の光学性能の変化を容易に目視確認することができ
る。以上のように観察モデル20は構成されるが、ライ
トボックスを用いるのに代えて、たとえばLEDやファ
イバースコープのライトガイド等を用いて輝点を散在さ
せるものであってもよいし、プロジェクタ等を使ってス
クリーンに所定の像を映し出し、この像を光学性能提示
装置が捕らえるようにしてもよい。
【0018】ここで望遠鏡の光学性能について説明す
る。望遠鏡の光学性能を表す指標として、口径が一般的
に重要視される。その理由は望遠鏡、特に天体を観察す
るための天体望遠鏡では、対物レンズの口径(有効径)
が集光力と分解力とを定める指標となるからである。つ
まり、集光力が高ければ、視等級の値の大きな暗い星を
観察することができ、分解力が大きければ二重星等の相
接近して見える二つの星を二つの星として分解して観察
することができる。また、月などを観察する場合には、
より細部にまでわたって観察をすることができる。
【0019】上述した分解力は、波長に比例して対物レ
ンズの口径に反比例する。たとえば、波長λを550n
mと仮定し、対物レンズの口径をφ(mm)とすると分
解力の理論値はドーズの実測式(Dawes' limit)より以
下のように与えられる。 分解力=116/φ (秒) … 式(1)
【0020】式(1)で求められる値が小さいほど分解
力は高いといえる。つまり、より高い分解力を得るため
には、より大きな口径を有する対物レンズが求められ
る。但し、実際の対物レンズでは残存収差や対物レンズ
の面の加工誤差等が存在するので、式(1)で表される
値と必ずしも一致しない場合がある。さらに、視界の中
心近傍(近軸域)と周辺部近傍とでも分解力に差は生じ
る。
【0021】本発明の実施の形態に係る光学性能提示装
置において、対物レンズ40の有効径は200mm、焦
点距離は1,000mmである。この対物レンズの有効
径を絞っていったときに、分解力の実測値が変化する様
子を示したのが図3のグラフである。図3のグラフにお
いて、縦軸には対物レンズ40の有効径(絞り装置30
の開口直径)を、横軸には分解力に代わる指標として図
1のスクリーン60上に形成される2点の像を2点とし
て分解可能な距離(μm)をとる。すなわち、横軸の座
標値が小さいほど分解力が優れていることになる。以下
の説明では、図3に示すグラフの横軸の座標値を単に
「分解力」と称する。
【0022】図3のグラフにおいて、有効径が180m
mのとき、および10mmのときの分解力は約150μ
と比較的低く、有効径が70mmのときの分解力が約2
5μmと比較的高い。式(1)をグラフ化すれば、右下
がりのグラフとなる筈であるが、実際には図3に示され
るような曲線を描くことになる。
【0023】分解力が図3のグラフに示されるように変
化する理由は以下のとおりである。すなわち、ある程度
有効径が大きい領域では対物レンズ40の残存収差、た
とえば球面収差やコマ収差、あるいは倍率色収差などの
影響を受けて分解力が必ずしも口径に反比例して向上し
ない。そして、口径を70mm程度にまで絞ることによ
り、上述した残存収差が減じられて分解力はピーク値を
示す。そこからさらに口径を絞ってゆくと、上述した残
存収差はさらに低減されるものの、回折の影響が大きく
なり始めて再び分解力は低下する。
【0024】本発明の実施の形態に係る光学性能提示装
置によれば、図1に示されるようにコントローラ50に
よって絞り装置30の絞り径を変化させながら表示装置
94に表示される像を観察することにより、分解力の変
化する様子を目視確認することができる。
【0025】本発明の実施の形態に係る光学性能提示装
置は、昼夜晴雨に関係なく学習者が学習できることを目
的としている。このため、光学性能提示装置は屋内に設
置されるので、観察モデル20を無限遠の位置に設置す
ることは困難である。そこで、図4に示されるように観
察モデル20と対物レンズ40との間の距離を6mに設
定した。通常、実質的に無限遠に位置する星などを観察
する場合、対物レンズ40とスクリーン60との間の距
離は対物レンズの焦点距離にほぼ等しくなる。しかし、
上述したように観察モデルと対物レンズ40との間の距
離は6mに設定されているため、対物レンズ40の像面
は後方にずれる。したがって、対物レンズ40とスクリ
ーン60との距離は1.2mに設定されている。本発明
の実施の形態に係る光学性能提示装置では、以上のよう
に距離が設定されるが、本発明はこの距離に限定される
ものではない。また、光学性能提示装置は観察モデル2
0に代えて実際の景色や天体等の画像を表示部94に表
示するものであってもよい。
【0026】以上に説明したように観察モデル20〜対
物レンズ40〜スクリーン60の距離が設定されるた
め、対物レンズ40によってスクリーン60上に形成さ
れる像の結像倍率は約0.2倍(1/5倍)となる。そ
して、本実施の形態において対物レンズ40の分解力は
前述のとおり25μm〜150μm程度に変化するの
で、観察モデル20のチャートに穿設される複数の孔2
6hの孔ピッチは25μm〜150μmを5倍して12
5μm〜750μmとする。実際には、対物レンズ40
の製造誤差のばらつき等も考慮し、孔ピッチは10μm
〜200μ程度の間に分布するようにすることが望まし
い。当然のことながら、上記孔ピッチの値は、観察モデ
ル20の設置位置、対物レンズ40の有効径や焦点距
離、あるいは残存収差に応じて変化させる必要がある。
【0027】以上のように構成される光学性能提示装置
の作動について説明する。光学性能提示装置は、以下に
説明する3つの光学性能変化を提示して学習者に望遠鏡
の原理を説明する。すなわち、3つの光学性能とは、
(1)集光力と、(2)分解力と、(3)倍率である。
スイッチボックス58のスイッチ58a〜58cのいず
れかを学習者または指導者が操作するのに応じ、コント
ローラ50は上記3つの光学性能の変化を提示するよう
に光学性能提示装置の動作を制御する。以下、これら3
つの光学性能変化を説明するための、コントローラ50
による光学性能提示装置の制御動作について説明する。
【0028】(1) 集光力 コントローラ50はスイッチ58aの操作を検知する
と、アクチュエータ34、62および84を駆動して絞
り装置30、スクリーン60およびリボルバ82を初期
位置に位置させる。具体的には、絞り装置30は開放に
し、スクリーン60は対物レンズ40の光路外に待避さ
せ、リボルバ82は焦点距離100mmの接眼レンズ8
6aが対物レンズ40の光軸上に位置するようにする。
【0029】この場合、望遠鏡の倍率は10倍となり、
望遠鏡としてはもっとも大きな明るさを有する状態とな
る。この状態でコントローラ50は絞り装置30の開口
径を最大値(φ200mm)から最小値(φ10mm)
まで徐々に減少させ、続いてこの開口径を最大値になる
まで徐々に増加させる。この間に表示装置94に表示さ
れる観察モデル20の画像は、以下に説明するように変
化する。すなわち、絞り装置30の開口径が最大値近く
の場合には観察モデル20上に形成されるほぼ全部の輝
点の画像が表示装置94に表示される。そして、絞り装
置30の開口径が絞られるにつれて表示装置94に表示
される点像は、暗い等級の星から徐々に見えなくなる。
このときに、集光力とは何か、集光力が低下すると観察
される画像にどのような変化を生じるか等について説明
する音声がCDプレーヤ52で再生される。学習者は、
集光力が低下することによって暗い等級の星が見えなく
なることを実際の現象によって理解することができる。
【0030】以上の動作制御に続いてコントローラ50
は、絞り装置30の開口径を最大にした状態でアクチュ
エータ62に制御信号を発し、スクリーン60を対物レ
ンズ40の光軸上に挿入する。すると、スクリーン60
上に観察モデル20の点像が対物レンズ40によって形
成される様子を肉眼で観察することができる。学習者
は、スクリーン60上に形成される像を観察することに
より、望遠鏡は対物レンズ40によって形成される一次
像を接眼レンズ86a〜86cで拡大して観察するもの
であるという原理も学習することができる。一般の望遠
鏡では、上記一次像が空中像であることと、この一次像
が望遠鏡の鏡筒内で形成されることと相まってこの一次
像の認識をすることは困難である。この点、本発明によ
る光学性能提示装置では、対物レンズ40の一次結像面
近傍に磨りガラス状のスクリーンを挿入することで一次
像を容易に認識することができる。コントローラ50
は、以上の動作制御を終えるとアクチュエータ62に制
御信号を発し、スクリーン60を対物レンズ40の光路
外に待避させる。以上のようにスクリーン60が対物レ
ンズ40の光軸上に挿脱される際にも、望遠鏡の原理を
説明する音声がCDプレーヤ52により再生される。
【0031】(2) 分解力 コントローラ50はスイッチ58bの操作を検知する
と、アクチュエータ34、62および84を駆動して絞
り装置30を開放にし、スクリーン60を対物レンズ4
0の光路外に待避させ、リボルバ82を焦点距離10m
mの接眼レンズ86cが対物レンズ40の光軸上に位置
するようにする。この場合、望遠鏡の倍率は100倍と
なり、最も大きな倍率を有する状態となる。
【0032】以上の状態でコントローラ50は、絞り装
置30の開口径を最大値(φ200mm)から最小値
(φ10mm)まで徐々に減少させ、続いてこの開口径
を最大値になるまで徐々に増加させる。この間に表示装
置94に表示される観察モデル20の画像は、以下に説
明するように変化する。
【0033】絞り装置30の開口径が最大値近くの場合
には、観察モデル20上にある距離を隔てて形成される
二つの輝点の画像が重なった状態で表示装置94に表示
される。つまり、二つ点像のそれぞれが、その点像の中
心から周辺に向かって所定の輝度分布を有し、その輝度
分布のすそが拡がっている状態にある。別の言葉で表現
するならば、二つの点像のそれぞれがぼけて、エアリー
のパターンとも称される輪帯状の輝度分布を有する。そ
してその輪帯径が比較的大きいため、二点の像は互いに
重なり合い、二つの点として認識できない状態にある。
しかし、その一方で学習者は、対物レンズ40の開口径
が大きいと比較的暗い輝点の像も観察できるというメリ
ットを、表示装置94の表示を観察することにより認識
できる。
【0034】絞り装置30の開口径が徐々に絞られるに
つれ、集光力は低下する一方で、対物レンズ40の残存
収差は減じられて分解力は徐々に増す。そして、図3を
参照して説明したように本実施の形態に係る光学性能提
示装置においては開口径が70mm程度にまで絞られた
ときに分解力は最高値を示す。このときに表示装置94
に表示される上記二つの点像は二つの点としてはっきり
認識することができるようになる。
【0035】絞り装置30の開口径がさらに絞られるに
つれ、集光力はさらに低下するのに加え、回折の影響が
大きくなって上記二つの点像のぼけは増加に転じる。そ
して、開口径が10mmにまで絞られると、表示装置9
4に表示される点像の数は減少し、加えて上記二つの点
像を二つの点として認識することができなくなる。
【0036】コントローラ50は、以上の動作制御に続
いて絞り装置30の開口径を徐々に大きくする。これに
より、上述したのと逆の過程で表示装置94に表示され
る画像が変化する。このときに、望遠鏡の有効径と分解
力との関係、望遠鏡の倍率を単に大きくしただけでは回
折現象の影響によって細部の観察ができないことの説明
などがCDプレーヤ52で再生される。学習者は、対物
レンズ40の有効径が変化することによって集光量およ
び分解力が変化することを、実際の現象によって理解す
ることができる。
【0037】(3) 倍率 コントローラ50はスイッチ58cの操作を検知する
と、アクチュエータ34、62および84を駆動して絞
り装置30を開放にし、スクリーン60を対物レンズ4
0の光路外に待避させ、リボルバ82を焦点距離100
mmの接眼レンズ86aが対物レンズ40の光軸上に位
置するようにする。この場合、望遠鏡の倍率は10倍と
なる。
【0038】コントローラ50は、上記状態をしばらく
の間維持する。このとき表示装置94には観察モデル2
0のほぼ全体を写す画像が表示される。
【0039】コントローラ50は、上記動作に続いてア
クチュエータ84に制御信号を発し、リボルバ82を回
転させて焦点距離40mmの接眼レンズ86bを対物レ
ンズ40の光軸上に位置させる。この場合、望遠鏡の倍
率は25倍となる。コントローラ50は、この状態をし
ばらくの間維持する。この状態で表示装置94には観察
モデル20の一部を写す画像が表示される。また、倍率
が10倍から25倍に上げられるのにともなって望遠鏡
全体としての明るさが低下するため、観察モデル20上
の比較的暗い点像が表示装置94に明瞭に表示されなく
なる。
【0040】コントローラ50はさらに、上記動作に続
いてアクチュエータ84に制御信号を発し、リボルバ8
2を回転させて焦点距離10mmの接眼レンズ86cを
対物レンズ40の光軸上に位置させる。この場合、望遠
鏡の倍率は100倍となる。コントローラ50は、この
状態をしばらくの間維持する。この状態で表示装置94
には観察モデル20のごく一部を写す画像が表示され
る。また、倍率が25倍から100倍に上げられるのに
ともなって、望遠鏡全体としての明るさはさらに低下
し、観察モデル20上の比較的明るい輝点のみが表示装
置94に明瞭に表示されるようになる。
【0041】以上のようにして、接眼レンズの焦点距離
が100mm、40mmそして10mmと短くなるのに
ともなって望遠鏡の倍率が10倍、25倍、100倍と
増す様子が表示部94に表示される。なお、観察モデル
20の表面にスケールを刻んでおき、さらにスクリーン
60に代えてスケールの刻まれた透明のガラス板を対物
レンズ40の光軸上に挿入することにより、倍率値を具
体的に認識することができる。このとき、望遠鏡の倍率
は対物レンズの焦点距離と接眼レンズの焦点距離との比
で決まること、倍率を単に上げただけでは回折の影響に
よって観察対象物の細部を詳細に観察することはできな
いことの説明などがCDプレーヤ52で再生される。学
習者は、接眼レンズ86a〜86cの焦点距離が変化す
ることによって倍率が変化することを実際の現象によっ
て理解することができる。
【0042】以上の実施の形態の説明では、対物レンズ
40の有効径を変化させるために絞り装置30の開口径
を変化させる例について説明した。これに代えて、たと
えば有効径の異なる複数の対物レンズをターレット式の
板に装着し、これらの対物レンズの光軸の延在方向と平
行な方向に延在する回転軸に沿ってターレット板を回転
させることにより対物レンズの有効径を変化させること
もできる。
【0043】以上の実施の形態の説明では、望遠鏡とし
て屈折タイプ(ケプラー式)のものを用いる例について
説明したが、ニュートン式、カセグレン式、シュミット
式等、他の形式の望遠鏡を用いるものであってもよい。
また、対物レンズ40と接眼レンズ86a〜86cとの
間に正立プリズムを挿入して正像望遠鏡(地上望遠鏡)
とすることも可能である。つまり対物光学系は屈折光学
系とすることも反射光学系とすることも、両光学系を複
合させたものとすることも可能である。
【0044】さらに、望遠鏡のみならず顕微鏡やカメラ
等の他の光学機器の光学性能を提示する装置にも本発明
を適用することができる。たとえば、顕微鏡の解像力
は、開口数(NA)に比例して波長に反比例する。つま
り、NAを増し、波長を短くするほど解像力は向上す
る。したがって、NA(この場合、対物レンズの口径を
変えてNAを変化させる)や波長を変えながら顕微鏡で
捕らえられる画像を表示装置に表示することにより、光
学性能の変化を提示することができる。また、スチルカ
メラで撮影を行う際、絞りを小絞りにするほど高画質が
得られると一般に考えられがちである。しかし、実際に
は小絞りに設定することで深度は増すものの、上述した
回折の影響により画質の低下が起こることも説明するこ
とができる。この場合、観察モデルを平面のものとする
のではなく、たとえば立体チャートとすることにより、
絞りと深度、あるいは絞りと解像力の関係を説明するこ
とができる。
【0045】また、以上の実施の形態において、CDプ
レーヤによって光学性能提示装置の光学性能の変化を説
明する音声が再生される例について説明したが、映像や
文字情報等を再生し、この情報を表示装置94に表示す
るものであってもよい。加えて、以上の実施の形態にお
いてはコントローラ50がアクチュエータ34、62お
よび83の動作や、CDプレーヤ52の音声再生タイミ
ング等を自動的に制御する例について説明したが、これ
らの動作を学習者あるいは指導者が手動で行ってもよ
い。さらにCCDカメラ90を省いて学習者が接眼レン
ズ86a〜86cのいずれかを直接覗くようにしてもよ
い。
【0046】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、対物レンズ40が対物光学系を、絞り装置3
0が有効径可変手段を、CDプレーヤ52、アンプ54
およびスピーカ56が説明手段をそれぞれ構成する。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
以下の効果を奏する。 (1) 請求項1に記載の発明によれば、対物光学系の
有効径を変化させるのにともなって対物光学系の光学性
能が変化する様子が提示されることにより、対物光学系
の有効径変化にともなう光学性能の変化を容易に認識す
ることができる。 (2) 請求項2に記載の発明によれば、提示される光
学性能が変化するのに同期して、この光学性能の変化に
関する説明がなされるので学習者の理解が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光学性能提示装置の
概略的構成を説明する図である。
【図2】観察モデルの構成を説明する図であり、(a)
が観察モデル全体の断面を示す図で、(b)が観察モデ
ルの一部の断面を拡大して示す図である。
【図3】対物レンズの有効径の変化にともなって望遠鏡
の分解力が変化する様子の一例を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る光学性能提示装置の
要部断面を示す図である。
【符号の説明】
20 観察モデル 21 ライトボックス 26 チャート 26h 孔 28a〜28f 減光板 30 絞り装置 34 アクチュエータ 40 対物レンズ 50 コントローラ 58 スイッチボックス 60 スクリーン 62 アクチュエータ 80 接眼ユニット 82 リボルバ 84 アクチュエータ 86a、86b、86c 接眼レンズ 90 CCDカメラ 94 表示装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物光学系と、 前記対物光学系の有効径を変化させる有効径可変手段と
    を有し、 前記有効径を変化させるのに応じて前記対物光学系の光
    学性能が変化するのを提示するようにしたことを特徴と
    する光学性能提示装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の光学性能提示装置におい
    て、 提示される前記対物光学系の光学性能が変化するのに同
    期して前記光学性能の変化を説明する説明手段をさらに
    有することを特徴とする光学性能提示装置。
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