JP2000298109A - マイクロチャンネル構造体 - Google Patents

マイクロチャンネル構造体

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JP2000298109A
JP2000298109A JP11105973A JP10597399A JP2000298109A JP 2000298109 A JP2000298109 A JP 2000298109A JP 11105973 A JP11105973 A JP 11105973A JP 10597399 A JP10597399 A JP 10597399A JP 2000298109 A JP2000298109 A JP 2000298109A
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Japan
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microchannel
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microchannel structure
less
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JP11105973A
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English (en)
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Takehiko Kitamori
武彦 北森
Shiro Sawada
嗣郎 澤田
Manabu Tokeshi
学 渡慶次
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い適用範囲を有し、迅速、かつ高精度な化
学操作を可能とするマイクロチャンネル構造体を提供す
る。 【解決手段】 幅500μm以下、深さ300μm以下
の大きさのマイクロチャンネルが形成された基板上に、
マイクロチャンネルの所定位置に対応する位置に試料注
入用小穴に配置されたカバー体が積層一体化されている
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、マイクロ
チャンネル構造体に関するものである。さらに詳しく
は、この出願の発明は、高感度な医療分析素子や環境分
析素子として、超微量分子の分離、同定等に有用な、微
細構造体としてのマイクロチャンネル構造体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、ガラス基板上にマ
イクロチャンネル(微細流路)を切削し、これを用いて
電気泳動分析を集積化しようとする試みがなされてきて
いる。このような試みは、キャピラリー電気泳動分析か
ら派生してきたものであって、分析に使用する試料が少
なく、迅速で高分解分離が可能であることから、DNA
解析の高速化などに有用なものとして注目されている。
【0003】しかしながら、以上のようなマイクロチャ
ンネルを有するデバイスを用いるとの従来の試みは、電
気泳動分析を目的とすることに限られており、また、検
出手段もレーザー誘起蛍光法を採用しているから、試料
対象が蛍光性分子に限られてしまういう限界があった。
一方、この出願の発明者らは、数cm角のガラス基板上
にマイクロチャンネルを形成し、そこに様々な化学操作
(反応,分離,抽出,検出など)を集積化させた集積化
化学実験室(ICL:Integrated Chamistry Laborator
y )を構築することを検討してきた。
【0004】そこで、このような背景から、この出願の
発明は、前記のような電気泳動分析や、蛍光性分子等に
限定されることなしに、汎用ではより広い適用が可能と
され、しかも迅速、かつ高精度での各種の化学操作が可
能とされる新しいマイクロチャンネル構造体を提供する
ことを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、第1には、幅500μm
以下、深さ300μm以下の大きさのマイクロチャンネ
ルが形成された基板上に、マイクロチャンネルの所定位
置に対応する位置に試料注入用穴が配置されたカバー体
が積層一体化されていることを特徴とするマイクロチャ
ンネル構造体を提供する。
【0006】また、この出願の発明は、第2には、カバ
ー体には排出用小穴がマイクロチャンネルの所定位置に
対応する位置で配置されている前記のマイクロチャンネ
ル構造体を、第3には、カバー体には、マイクロチャン
ネルの所定位置に対応する位置で、作用剤注入用小穴が
配置されているマイクロチャンネル構造体を、第4に
は、マイクロチャンネルは、試料注入用小穴と作用剤注
入用小穴に連通する注入分岐部と、複数の排出用小穴に
連通する排出分岐部と本体部とを備えているマイクロチ
ャンネル構造体、第5には、基板は多層積層体からなる
マイクロチャンネル構造体を、第6には、マイクロチャ
ンネルに相当する貫通溝を形成した単一もしくは積層基
板に他の積層用基板もしくは支持体が積層一体化されて
マイクロチャンネルが形成されているマイクロチャンネ
ル構造体を提供する。
【0007】そして、この出願の発明は、第7には、前
記第4の発明のマイクロチャンネル構造体からなること
を特徴とする相間分子輸送用マイクロチャンネル構造体
を、第8には、このマイクロチャンネル構造体としての
超微量分子の溶媒抽出キットと、第9には、この溶媒抽
出キットからなる光熱変換分光分析用キットを提供す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、上記のとおり
の特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態に
ついて説明する。この出願のマイクロチャンネル構造体
は、基本的に、前記のとおりの要件、すなわち、<I>
幅500μm以下、深さ300μm以下の大きさのマイ
クロチャンネル(微細流路)が形成された基板の上に、
<II>マイクロチャンネルの所定位置に対応して試料注
入用小穴が配置されたカバー体が積層一体化されている
との要件を備えている。この要件によって、マイクロチ
ャンネルへの液体の通液は超微小量であってもより高速
な分子拡散を安定した状態で、つまり、カバー体外部の
状況にほとんど左右されることなしに安定して可能とさ
れる。マイクロチャンネルを利用することの効果が、こ
の発明の構造によって、より相乗的に高められることに
なる。
【0009】そして、さらにこのマイクロチャンネル構
造体としては、<III >カバー体には、排出用小穴がマ
イクロチャンネルの所定位置に対応して配置されている
もの、<IV>カバー体には、マイクロチャンネルの所定
位置に対応して作用剤注入用小穴が配置されているもの
を適当なものとしている。
【0010】以上のような要件についてさらに説明する
と、基板としては、マイクロチャンネルの形成加工が可
能であって、耐薬剤性に優れ、適度な剛性をも備えたも
のから選択することが考慮される。たとえば、ガラス、
石英、セラミックス、シリコン、あるいは金属、樹脂等
であってよい。カバー体についても同様である。ただ、
光分析の適用等を考慮する場合には、透明性の高いもの
が好ましい。
【0011】マイクロチャンネルの大きさは、幅500
μm以下、深さ300μm以下であるが、幅300μm
以下、深さ150μm以下とすることが、超微量分子の
化学操作を迅速、かつ高精度で行う上でより適当であ
る。マイクロチャンネルの幅、深さが上記のものを超え
て大きい場合には、超微量物質の化学操作を迅速、かつ
高精度で行うことは難しくなる。
【0012】以上のような大きさ特徴とするマイクロチ
ャンネルは、たとえばレーザー加工、イオンエッチング
加工等の手段によって形成することができる。基板やカ
バー体の全体の大きさについては特に制限はないが、マ
イクロチップ状としてこの発明のマイクロチャンネル構
造体を構成するとの観点からは、たとえば基板およびカ
バー体は、ともに、外形寸法としての幅が50mm以
下、長さが80mm以下程度で、厚みは数mm以下程度
とすることが考慮される。
【0013】試料注入用小穴、排出用小穴、さらには作
用剤注入用小穴がカバー体に配置される場合には、これ
らは、その径が数mm以下であることがたとえば例示さ
れる。ここで、作用剤としては各種のものであってよい
ことが留意される。たとえば溶媒抽出用の溶媒、反応用
試薬、あるいは希釈剤等である。これらの小穴の加工
も、化学的に、機械的に、あるいはレーザー照射がイオ
ンエッチング等の各種の手段によって可能とされる。
【0014】基板は単一あるいは多層積層体であっても
よい。また、基板とカバー体とは、熱処理接合により、
あるいは接着等の手段により積層一体化することができ
る。また、この積層時には、基板の補強のために、カバ
ー体と反対の側に支持体を積層一体化してももよい。基
板を多層化したり、あるいは支持体と積層化する構造に
おいては、マイクロチャンネルに相当する貫通溝を形成
した単一もしくは積層の基板を他の積層用基板もしくは
支持体と一体化することで、シャープなエッジを持つマ
イクロチャンネルが構成されることになる。
【0015】いずれの場合にも、マイクロチャンネル
は、試料注入用小穴等のカバー体に設けた小穴でのみ外
界と通じた状態になる。このため、マイクロチャンネル
内に流通される流体は外部条件に左右されることが少な
く、より安定した微細流れとなる。マイクロチャンネル
内への通液は、マイクロポンプ等の機械的手段が電気振
とう手段等によって、あるいは排出用小穴での吸引等に
よって可能とされる。
【0016】そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく
発明の実施の形態について説明する。
【0017】
【実施例】(実施例1)たとえばこの発明のマイクロチ
ャンネル構造体によって、微量物質の溶媒抽出と、光熱
変換分光分析の適用とが可能とされる。以下にその例を
説明する。すなわち、まず、図1に例示したように、2
00μm幅,100μm深さのマイクロチャンネルを持
つマイクロチャンネル構造体を次の手順で製造した。
【0018】厚み1mmの石英ガラス基板(Middle plat
e)に、CO2 レーザーを照射して幅200μmのマイク
ロチャンネルを、図1のように、ダブル逆Y字形状とし
て形成した。この石英ガラス基板を、次いで、厚み50
0μmの石英ガラス支持体(Bottom plate) に熱接合し
て積層し、マイクロチャンネルの深さが100μmとな
るように研磨した。これによって、幅200μm、深さ
100μmのマイクロチャンネルが形成された。
【0019】その後、厚み1mmの石英ガラスカバー体
(Cover plate)を熱接合した。このカバー体には、あら
かじめマイクロチャンネルの端点位置に対応する4組の
小穴(径1mm)を設けておいた。この小穴は、各々、
注入用小穴(Inlet) と、排出用小穴(Drain) となるもの
とした。次いで、積層されたカバー体は、その含むが1
70μmとなるまで研磨した。
【0020】以上の手順により製造したマイクロチャン
ネル構造体(46mm×66mm)を用いて、図2のよ
うにして、相間分子輸送と溶媒抽出とを行った。すなわ
ち、マイクロチャンネルの一方に鉄錯体水溶液(2×1
-5〜9×10 -7M)、もう一方にクロロホルムをマイ
クロシリンジポンプで導入し、チャンネル内で溶媒抽出
を行った。クロロホルム相に抽出された鉄錯体を熱レン
ズ顕微鏡で検出した。鉄錯体の励起にはAr+ レーザー
(514.5nm、200mW)、プローブにHe−N
eレーザー(632.8nm,15mW)を用いた。ま
た、対象実験として同試料を分液ロートで溶媒抽出を行
い、クロロホルム相のみを取りだし、マイクロチャンネ
ルに導入して同様に測定した。
【0021】マイクロチャンネル内に導入された鉄錯体
水溶液とクロロホルムは二相を形成したが、流れがある
とせん断拡散しないために水相からクロロホルム相には
錯体は移動しない。送液を停止し、流れが止まると鉄錯
体は拡散によって水相からクロロホルム相への相間移動
した。クロロホルム相で測定した熱レンズ信号は鉄錯体
濃度に比例しており、マイクロチャンネル内で鉄錯体が
定量的に溶媒抽出できていることを示している。送液の
流量(100〜0.1μl/m)を変えることで錯体の
クロロホルム相への相間移動時間を制御することが可能
になった。電気泳動を使わないではじめて超微量分子を
選択分離することに成功した。この成果はさらに複雑な
化学操作をマイクロチップ上で行う際に、分子輸送の制
御という点で本手法が有効であることを示している。こ
れらの技術を組み合わせることで反応性生物の選択的分
離が可能となり、環境分析素子や家庭における医療分析
素子などに発展すると期待される。(実施例2)さらに
微細なマイクロチャンネルを有するマイクロチャンネル
構造体を製造した。
【0022】すなわち、パイレックスガラス基板上に厚
み200nmの金属CrまたはWSiのマスクを形成
し、反応性イオンエッチング(RIE)により1μm幅
のマイクロチャンネルを形成した。エッチング反応構内
の圧力は、CHF3 の60sccmの供給をもって20
mTorrとし、RFパワーは、100Wとした。40
分のエッチングにより深さ1μmのマイクロチャンネル
を得た。
【0023】一方、Siウェハーの表面、1100℃の
温度で800nm厚のSiO2 フィルムを成長させ、こ
のSiO2 フィルムをカバー体として、エッチング処理
した基板上に600℃の温度でアノード接合により積層
した。次いで、KOH溶液を用いてSiウェハーを除去
し、SiO2 フィルムをカバー体とするこの発明のマイ
クロチャンネル構造体を製造した。
【0024】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
説明によって、従来の電気泳動分析や、蛍光性分子の使
用等に限定されることなく、広い適用が可能で、しかも
迅速,高精度での各種の化学操作が可能とされる新しい
マイクロチップ状のマイクロチャンネル構造体が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例について例示した分解斜視図と、平面お
よび正断面図である。
【図2】実施例としての溶媒抽出と熱レンズ顕微鏡によ
る分析を示した斜視概要図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/26 331E Fターム(参考) 2G040 AA02 AB07 BA02 BA24 CA12 CA23 EA06 EB02 FA01 GA05 GA07 GC01 4B029 AA07 AA23 AA27 BB15 BB20 CC01 FA15 4G075 AA70 BC06 CA36 FA01 FB02 FB04 FB06 FB12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅500μm以下、深さ300μm以下
    の大きさのマイクロチャンネルが形成された基板上に、
    マイクロチャンネルの所定位置に対応する位置に試料注
    入用小穴が配置されたカバー体が積層一体化されている
    ことを特徴とするマイクロチャンネル構造体。
  2. 【請求項2】 カバー体には排出用小穴がマイクロチャ
    ンネルの所定位置に対応する位置で配置されている請求
    項1のマイクロチャンネル構造体。
  3. 【請求項3】 カバー体には、マイクロチャンネルの所
    定位置に対応する位置で、作用剤注入用小穴が配置され
    ている請求項1または2のマイクロチャンネル構造体。
  4. 【請求項4】 マイクロチャンネルは、試料注入用小穴
    と作用剤注入用小穴に連通する注入分岐部と、複数の排
    出用小穴に連通する排出分岐部と本体部とを備えている
    請求項3のマイクロチャンネル構造体。
  5. 【請求項5】 基板は多層積層体からなる請求項1ない
    し4のいずれかのマイクロチャンネル構造体。
  6. 【請求項6】 マイクロチャンネルに相当する貫通溝を
    形成した単一もしくは積層基板に他の積層用基板もしく
    は支持体が積層一体化されてマイクロチャンネルが形成
    されている請求項1ないし5のいずれかのマイクロチャ
    ンネル構造体。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかのマイクロ
    チャンネル構造体からなることを特徴とする相間分子輸
    送用マイクロチャンネル構造体。
  8. 【請求項8】 請求項7のマイクロチャンネル構造体と
    しての超微量分子の溶媒抽出キット。
  9. 【請求項9】 請求項8の溶媒抽出キットからなる光熱
    変換分光分析用キット。
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