JP2000292982A - 乾式トナー - Google Patents

乾式トナー

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JP2000292982A
JP2000292982A JP10015299A JP10015299A JP2000292982A JP 2000292982 A JP2000292982 A JP 2000292982A JP 10015299 A JP10015299 A JP 10015299A JP 10015299 A JP10015299 A JP 10015299A JP 2000292982 A JP2000292982 A JP 2000292982A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小粒径トナーとした場合の粉体流動性、転写
性に優れるとともに、耐熱保存性、低温定着性、耐ホッ
トオフセット性のいずれにも優れた乾式トナーの提供。 【解決手段】 トナーバインダーおよび着色剤からなる
Wadellの実用球形度が0.90〜1.00の乾式
トナーにおいて、該トナーバインダーがテトラヒドロフ
ラン(THF)不溶分を5重量%以上含有する縮合系樹
脂(i)からなることを特徴とする乾式トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記
録、静電印刷などに用いられる乾式トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真、静電記録、静電印刷な
どに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、
ポリエステルなどのトナーバインダーを着色剤などと共
に溶融混練し、微粉砕したものが用いられている。これ
らの乾式トナーは紙などに現像転写された後、熱ロール
を用いて加熱溶融することで定着することが行われてい
る。その際、熱ロール温度が高すぎるとトナーが過剰に
溶融し熱ロールに融着する問題(ホットオフセット)が
発生する。また、熱ロール温度が低すぎるとトナーが充
分に溶融せず定着が不十分になる問題が発生する。省エ
ネルギー化、複写機等の装置の小型化の観点から、より
ホットオフセット発生温度が高く(耐ホットオフセット
性)、かつ定着温度が低い(低温定着性)トナーが求め
られている。また、トナーが保管中および装置内の雰囲
気温度下でブロッキングしない耐熱保存性が必要であ
る。とりわけフルカラー複写機、フルカラープリンター
においては、その画像の光沢性および混色性が必要なこ
とから、トナーはより低溶融粘度であることが必要であ
り、シャープメルト性のポリエステル系のトナーバイン
ダーが用いられている。このようなトナーではホットオ
フセットの発生がおこりやすいことから、従来からフル
カラー用の機器では、熱ロールにシリコーンオイルなど
を塗布することが行われている。しかしながら、熱ロー
ルにシリコーンオイルを塗布する方法は、オイルタン
ク、オイル塗布装置が必要であり装置が複雑、大型とな
る。また、熱ロールの劣化をも引き起こし、一定期間毎
のメンテナンスを必要とする。さらに、コピー用紙、O
HP(オーバーヘッドプロジェクター)用フィルム等に
オイルが付着することが不可避であり、とりわけOHP
においては付着オイルによる色調の悪化の問題がある。
一方、近年、高画質化、解像度の向上のためにトナーの
小粒径化のニーズが強まっている。しかし、従来の混練
粉砕トナーはその形状が不定型であるために、小粒径と
した場合に粉体流動性が不十分となり、トナーの現像装
置への供給が困難になるとともに、転写性が悪化する問
題が生じる。
【0003】上記問題点のうち、耐熱保存性、低温定着
性、耐ホットオフセット性を両立させるものとして、
多官能のモノマーを用いて部分架橋せしめたポリエステ
ルをトナーバインダーとして用いたもの(特開昭57−
109825号公報)、ウレタン変性したポリエステ
ルをトナーバインダーとして用いたもの(特公平7−1
01318号公報)などが提案されている。また、フル
カラー用に熱ロールへのオイル塗布量を低減するものと
して、ポリエステル微粒子とワックス微粒子を造粒し
たもの(特開平7−56390号公報)が提案されてい
る。
【0004】さらに、小粒径化した場合の粉体流動性、
転写性を改善するものとしては、着色剤、極性樹脂お
よび離型剤を含むビニル単量体組成物を水中に分散させ
た後、懸濁重合した重合トナー(特開平9−43909
号公報)、ポリエステル系樹脂からなるトナーを水中
にて溶剤を用いて球形化したトナー(特開平9−341
67号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、〜に開示
されているトナーは、いずれも粉体流動性、転写性が不
十分であり、小粒径化して高画質化できるものではな
い。さらに、およびに開示されているトナーは、耐
熱保存性と低温定着性の両立がまだ不十分であるととも
に、フルカラー用には光沢性が発現しないため使用でき
るものではない。また、に開示されているトナーは低
温定着性が不十分であるとともに、オイルレス定着にお
けるホットオフセット性が満足できるものではない。
およびに開示されているトナーは粉体流動性、転写性
の改善効果は見られるものの、に開示されているトナ
ーは、低温定着性が不十分であり、定着に必要なエネル
ギーが多くなる問題点がある。特にフルカラー用のトナ
ーではこの問題が顕著である。に開示されているトナ
ーは、低温定着性ではより優れるものの、耐ホットオ
フセット性が不十分であり、フルカラー用において熱ロ
ールへのオイル塗布を不用にできるものではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、小粒径ト
ナーとした場合の粉体流動性、転写性に優れるととも
に、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性の
いずれにも優れた乾式トナー、とりわけフルカラー複写
機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、かつ熱ロー
ルへのオイル塗布を必要としない乾式トナーを開発すべ
く鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本
発明は、トナーバインダーおよび着色剤からなるWad
ellの実用球形度が0.90〜1.00の乾式トナー
において、該トナーバインダーがテトラヒドロフラン
(THF)不溶分を5重量%以上含有する縮合系樹脂
(i)からなることを特徴とする乾式トナーである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
において、Wadellの実用球形度とは、(粒子の投
影面積に等しい円の直径)÷(粒子の投影像に外接する
最小円の直径)で表される値であり、トナー粒子を電子
顕微鏡観察することで測定できる。Wadellの実用
球形度は、通常0.90〜1.00、好ましくは0.9
5〜1.00、さらに好ましくは0.98〜1.00で
ある。本発明においては、全トナー粒子個々の実用球形
度が上記の範囲である必要はなく、平均値として上記範
囲内であればよい。また、トナーの粒径は、中位径(d
50)が通常2〜20μm、好ましくは3〜10μmで
ある。
【0008】トナーバインダーを構成する縮合系樹脂
(i)としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウ
レア、ポリアミド、エポキシ樹脂などが挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは、ポリエステル、ポリウレタ
ンおよびエポキシ樹脂であり、特に好ましいものは、ポ
リエステルである。
【0009】ポリエステルとしては、ポリオール(1)
とポリカルボン酸(2)の重縮合物などが挙げられる。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および
3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−
1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合
物が好ましい。ジオール(1−1)としては、炭素数2
〜18のアルキレングリコール(エチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオール
など);炭素数4〜1000のアルキレンエーテルグリ
コール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコールなど);炭素数5〜18の脂環式ジオ
ール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビス
フェノールAなど);炭素数12〜23のビスフェノー
ル類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールSなど);上記脂環式ジオールまたはビスフェノ
ール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド(エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド、α-オレフィンオキサイドなど)付加物(付加
モル数は2〜20)などが挙げられる。これらのうち好
ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール
およびビスフェノール類の炭素数2〜18のアルキレン
オキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェ
ノール類(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサ
イド付加物(特にエチレンオキサイドまたはプロピレン
オキサイドの2〜3モル付加物)、およびこれと炭素数
2〜12のアルキレングリコール(特にエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール)との併用である。
併用の場合の比率は、ビスフェノール類のアルキレンオ
キサイド付加物が、通常30モル%以上、好ましくは5
0モル%以上、特に好ましくは70モル%以上である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価ま
たはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトール、ソルビトールなど);3価〜8価また
はそれ以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上
記3価以上のポリフェノール類の炭素数2〜18のアル
キレンオキサイド付加物(付加モル数は2〜20)など
が挙げられる。
【0010】ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボ
ン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−
2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と
少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸
(2−1)としては、炭素数2〜20のアルキレンジカ
ルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク
酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フ
マール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸な
ど)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、
炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸(特にアジ
ピン酸およびドデセニルコハク酸)および炭素数8〜2
0の芳香族ジカルボン酸(特にイソフタル酸およびテレ
フタル酸)である。3価以上のポリカルボン酸(2−
2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸
(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げら
れる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のも
のの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエス
テル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を
用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
【0011】ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)
の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の
モル比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/
2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好まし
くは1.3/1〜1/1.3である。
【0012】ポリウレタンとしては、ポリオール(1)
とポリイソシアネート(3)の重付加物などが挙げられ
る。ポリオール(1)としては前記のジオール(1−
1)および3価以上のポリオール(1−2)などが挙げ
られる。ポリイソシアネート(3)としては、炭素数
(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香
族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイ
ソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネ
ート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート
およびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン
基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、
ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イ
ソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)
およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】上記芳香族ポリイソシアネートの具体例と
しては、1,3−および/または1,4−フェニレンジ
イソシアネート、2,4−および/または2,6−トリ
レンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,
4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフ
ェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニ
リン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフ
ェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官
能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリ
アリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナ
フチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェ
ニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシ
アナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げら
れる。
【0014】上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例と
しては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,1
1−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエー
ト、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス
(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシ
アナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート
などの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0015】上記脂環式ポリイソシアネートの具体例と
しては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジ
シクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、
メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TD
I)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および
/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが
挙げられる。
【0016】上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体
例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソ
シアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメ
チルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが
挙げられる。
【0017】また、上記ポリイソシアネートの変性物に
は、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド
変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MD
Iなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネー
トの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば
変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有
プレポリマー)との併用]が含まれる。
【0018】これらのうちで好ましいものは6〜15の
芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポ
リイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリ
イソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、
MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
【0019】ポリウレアとしては、前記のポリイソシア
ネート(3)とアミン類(b)との反応物などが挙げら
れる。アミン類(b)としては、ジアミン(b1)、3
〜6価またはそれ以上のポリアミン(b2)、アミノア
ルコール(b3)、アミノメルカプタン(b4)、アミ
ノ酸(b5)、およびb1〜b5のアミノ基をブロック
したもの(b6)などが挙げられる。ジアミン(b1)
としては、炭素数6〜23の芳香族ジアミン(フェニレ
ンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジア
ミノジフェニルメタンなど);炭素数5〜20の脂環式
ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシ
クロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホ
ロンジアミンなど);および炭素数2〜18の脂肪族ジ
アミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3〜
6価またはそれ以上のポリアミン(b2)としては、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙
げられる。アミノアルコール(b3)としては、炭素数
2〜12のものが挙げられ、具体例としてはエタノール
アミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(b4)としては、炭素数2〜12
のものが挙げられ、具体例としてはアミノエチルメルカ
プタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられ
る。アミノ酸(b5)としては、炭素数2〜12のもの
が挙げられ、具体例としてはアミノプロピオン酸、アミ
ノカプロン酸などが挙げられる。b1〜b5のアミノ基
をブロックしたもの(b6)としては、前記b1〜b5
のアミン類と炭素数3〜8のケトン類(アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得
られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げ
られる。これらアミン類(b)のうち好ましいものは、
b1(特に4,4’ジアミノジフェニルメタン、イソホ
ロンジアミンおよびエチレンジアミン)およびb1と少
量のb2(特にジエチレントリアミン)の混合物であ
る。混合物の比率は、b1とb2のモル比で、通常10
0/0〜100/10、好ましくは100/0〜100
/5である。
【0020】さらに、必要により反応停止剤を用いてポ
リウレアの分子量を調整することができる。反応停止剤
としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれ
らをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げら
れる。
【0021】アミン類(b)の比率は、ポリイソシアネ
ート(3)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類
(b)中のアミノ基[NHx]のモル比[NCO]/[NH
x]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/
1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/
1.2である。アミン類(b)としてb3〜b5を用い
る場合は、(b)中のアミノ基と水酸基、メルカプト基
またはカルボキシル基の合計[YHx]とのモル比[NC
O]/[YHx]として、通常1/2〜2/1、好ましく
は1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/
1〜1/1.2である。モル比を上記範囲にすること
で、ポリウレアの分子量が高くなり、耐ホットオフセッ
ト性が向上する。
【0022】ポリアミドとしては、ポリカルボン酸
(2)とアミン類(b)の重縮合物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、前記のジカルボン酸
(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)
が挙げられる。アミン類(b)としては、前記のジアミ
ン(b1)、3〜6価またはそれ以上のポリアミン(b
2)、アミノアルコール(b3)、アミノメルカプタン
(b4)、アミノ酸(b5)、およびb1〜b5のアミ
ノ基をブロックしたもの(b6)などが挙げられる。
【0023】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール類
(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノー
ルSなど)とエピクロルヒドリンとの付加縮合物などが
挙げられる。
【0024】また、本発明において縮合系樹脂(i)
は、その主たる縮合結合とともに少量の他の縮合結合で
変性されていてもよい。たとえば、ポリエステルの場合
には少量のウレタン結合、ウレア結合、アミド結合で変
性されていてもよい。
【0025】縮合系樹脂(i)の分子量は、低温定着性
と耐ホットオフセット性を両立させるために、分子量分
布が広いことが好ましい。すなわちゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)において、分子量10
00〜15000に極大値を有することで低温定着性が
良好となる。また、THF不溶分(架橋性ゲル分)を含
有することで、耐ホットオフセット性が良好となる。こ
のような分子量分布とするために、分子量1000〜1
5000に極大値をもつ分子量20000未満の成分
(i−1)と、THF不溶分を含む分子量20000以
上の成分(i−2)からなることが好ましい。THF不
溶分は、(i−2)の構成モノマーとして3価以上のも
のを少量併用して一部架橋させることで含有させること
ができる。また、縮合系樹脂(i)中のTHF不溶分の
含有量は、通常5重量%以上、好ましくは5〜90重量
%、さらに好ましくは7〜80重量%である。5重量%
未満であると耐ホットオフセット性が十分でない。
【0026】本発明において、トナーバインダーのガラ
ス転移点(Tg)は通常35〜85℃、好ましくは45
〜70℃である。トナーバインダーの貯蔵弾性率として
は、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/
cm2となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好
ましくは110〜200℃である。トナーバインダーの
粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポ
イズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好まし
くは90〜160℃である。すなわち、低温定着性と耐
ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηよ
り高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差
(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好まし
くは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上であ
る。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、
TηとTgの差は100℃以下が好ましい。さらに好ま
しくは90℃以下であり、特に好ましくは80℃以下で
ある。
【0027】本発明の着色剤としては公知の染料、顔料
および磁性粉を用いることができる。具体的には、カー
ボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエ
ロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、イ
ンドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニト
アニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピ
グメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンF
B、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレー
キ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリ
アントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエ
ローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オ
イルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられ
る。着色剤の含有量は通常2〜15重量%、好ましくは
3〜10重量%である。
【0028】また、トナーバインダー、着色剤とともに
ワックスを含有させることもできる。本発明のワックス
としては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィン
ワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワ
ックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、
サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスな
どが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボ
ニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックス
としては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワック
ス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベ
ヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペ
ンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセ
リントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオール-
ビス-ステアレートなど);ポリアルカノールエステル
(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエ
ートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミン
ジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメ
リット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキ
ルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられ
る。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいも
のは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワック
スの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは5
0〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度
での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さ
らに好ましくは10〜100cpsである。トナー中の
ワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好まし
くは3〜30重量%、特に好ましくは10〜25重量%
である。
【0029】本発明の乾式トナーにおいては、さらに、
荷電制御剤および流動化剤を使用することもできる。荷
電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染
料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基
含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、ス
ルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲ
ン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。荷電制御
剤の含有量は通常0〜5重量%である。流動化剤として
は、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉
末、炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることが
できる。
【0030】本発明の乾式トナーの製法を例示する。ポ
リエステルは、ポリカルボン酸とポリオールとを、テト
ラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公
知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱
し、脱水縮合することで得られる。反応末期の反応速度
を向上させるために減圧にすることも有効である。ウレ
ア結合でで変性されたポリエステルは以下の方法などで
製造できる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)
を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイ
ドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280
℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜
去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで4
0〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)を
反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー
(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜1
40℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエス
テルを得る。(3)を反応させる際および(A)と
(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いるこ
ともできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(ト
ルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステ
ル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類
(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート
(3)に対して不活性なものが挙げられる。(B)を反
応させる場合にはケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンなど)などを20〜10
0℃で反応させ、アミノ基をブロックさせた後、(A)
を反応させてもよい。ウレア結合で変性されていないポ
リエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポ
リエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記
(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。ウレタ
ン結合でで変性されたポリエステルは以下の方法などで
製造できる。ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)
を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイ
ドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280
℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜
去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで5
0〜140℃にて、これにポリイソシアネート(3)お
よび必要によりポリオールを反応させ、ウレタン結合で
変性されたポリエステルを得る。(3)を反応させる際
に、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な
溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンな
ど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルな
ど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフラン
など)などのイソシアネート(3)に対して不活性なも
のが挙げられる。ウレタン結合で変性されていないポリ
エステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリ
エステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記
(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
【0031】乾式トナーは以下の〜の方法などで製
造することができる。 粉砕トナーの球形化 トナーバインダー、着色剤からなるトナー材料を溶融混
練後、微粉砕したものをハイブリタイザー、メカノフュ
ージョンなどを用いて機械的に球形化する方法。 スプレードライ法 トナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散
後、スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形トナー
を得る方法。 分散造粒法(例えば 特開平9−15902号公報に
記載の方法) トナー材料をトナーバインダーが可溶な溶剤に溶解分散
後、撹拌下トナーバインダーの貧溶媒(例えば水)に分
散させ、次いで溶剤を溜去しトナー粒子を形成させ、冷
却後に、固液分離、乾燥して、球形トナーを得る方法。 などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、分
散造粒法であり、特に分散相となる貧溶媒が水系媒体で
ある分散造粒法が好ましい。水系媒体中での分散造粒法
で用いられる、予めトナーバインダーを溶解する溶剤と
しては、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンな
どが挙げられる。また、必要に応じて、分散剤を用いる
こともできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャ
ープになるとともに分散が安定である点で好ましい。分
散剤としては、水溶性高分子(ポリビニルアルコール、
ヒドロキシエチルセルロールなど)、無機粉末(炭酸カ
ルシウム粉末、リン酸カルシウム粉末、シリカ微粉末な
ど)および界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム、オレ
イン酸ナトリウムなど)など公知のものが使用できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面
に残存したままとすることもできるが、硬化反応後、洗
浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい
【0032】本発明の乾式トナーは必要に応じて鉄粉、
ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイ
ト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)
により表面をコーティングしたフェライトなどのキャリ
アー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いら
れる。また、キャリア粒子のかわりに帯電ブレードなど
の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
次いで、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法
などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に
定着して記録材料とされる。
【0033】以下実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部
は重量部を示す。
【0034】
【実施例】実施例および比較例で得られたトナー及びト
ナーバインダーの性質の測定法を次に示す。 1.ガラス転移点(Tg) ASTM D3418−82に規定の方法(DSC
法)。 装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC
/580 2.分子量 THF可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定。 GPCによる分子量測定の条件は以下の通りである。 装置 : 東洋曹達製 HLC−802A カラム : TSK GEL GMH6 2本 (東洋曹達製) 測定温度 : 25℃ 試料溶液 : 0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液 溶液注入量: 200μl 検出装置 : 屈折率検出器 なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。 3.テトラヒドロフラン(THF)不溶分 試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還
流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別
し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上
の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶分を算出す
る。 4.貯蔵弾性率(G’)、粘性(η)の測定 装置 : レオメトリックス社製 RDS−7700IIダイナミックススペクトロメーター テストフィックスチャー:25mmφコーンプレート 測定周波数: 20Hz(125.6rad/sec) 歪率 : 5%固定
【0035】実施例1 (プレポリマーの製造例)冷却管、撹拌機および窒素導
入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオ
キサイド2モル付加物669部、イソフタル酸274
部、無水トリメリット酸20部およびジブチルチンオキ
サイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さ
らに10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反
応した後、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホ
ロンジイソシアネート154部と2時間反応を行い重量
平均分子量20000のイソシアネート基含有プレポリ
マー(1)を得た。 (ケチミン化合物の製造例)撹拌棒および温度計のつい
た反応槽中にイソホロンジアミン30部、ジエチレント
リアミン8部およびメチルエチルケトン70部を仕込
み、50℃で5時間反応を行いケチミン化合物(1)を
得た。 (ポリエステルの製造例)上記と同様にビスフェノール
Aプロピレンオキサイド2モル付加物770部、テレフ
タル酸138部およびイソフタル酸138部を常圧下、
230℃で6時間重縮合し、次いで10〜15mmHg
の減圧で脱水しながら5時間反応して、数平均分子量1
900、重量平均分子量4000のポリエステル(1)
を得た。 (トナーの製造例)ビーカー内に前記のプレポリマー
(1)15.4部、ポリエステル(1)64部、酢酸エ
チル78.6部を入れ、撹拌し溶解した。次いで、ペン
タエリスリトールテトラベヘネート20部、シアニンブ
ルーKRO(山陽色素製)4部を入れ、60℃にてTK式
ホモミキサーで12000rpmで撹拌し、均一に溶
解、分散させた。最後に、ケチミン化合物(1)2.7
部を加え溶解させた。これをトナー材料溶液(1)とす
る。ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシ
アパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタ
イト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.2部を入れ均一に溶解した。ついで60℃に
昇温し、TK式ホモミキサーで12000rpmに撹拌
しながら、上記トナー材料溶液(1)を投入し10分間
撹拌した。ついでこの混合液を撹拌棒および温度計付の
コルベンに移し、98℃まで昇温して、ウレア化反応を
させながら溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風
力分級し、粒径d50が6μmのトナー粒子を得た。つ
いで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロ
ジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプル
ミルにて混合して、本発明のトナー(1)を得た。トナ
ー粒子の実用球形化度は0.98であった。トナー
(1)中のトナーバインダー成分の、重量平均分子量は
40000、数平均分子量は2000、Tgは55℃、
Tηは131℃、TG’は155℃、THF不溶分は1
2重量%であった。評価結果を表1に示す。
【0036】実施例2 (トナーバインダーの合成)冷却管、撹拌機および窒素
導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物343部、イソフタル酸166
部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で2
30℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減
圧で5時間反応した後、110℃まで冷却し、トルエン
中にてイソホロンジイソシアネート20部を入れて11
0℃で5時間反応を行い、次いで脱溶剤し、重量平均分
子量200000のウレタン変性ポリエステル(2)を
得た。上記と同様にビスフェノールAプロピレンオキサ
イド2モル付加物607部、イソフタル酸217部を常
圧下、230℃で6時間重縮合し、数平均分子量200
0、重量平均分子量4200のポリエステル(2)を得
た。ウレタン変性ポリエステル(2)200部とポリエ
ステル(2)800部を酢酸エチル2000部に溶解、
混合し、トナーバインダー(2)の酢酸エチル溶液を得
た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(2)を単離し
た。Tgは57℃、Tηは140℃、TG’は155
℃、重量平均分子量は42000、数平均分子量は23
00、THF不溶分は14重量%であった。 (トナーの作成)ビーカー内に前記のトナーバインダー
(2)の酢酸エチル溶液240部、ペンタエリスリトー
ルテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cp
s)20部、シアニンブルーKRO(山陽色素製)4部を
入れ、60℃にてTK式ホモミキサーで12000rp
mで撹拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイ
オン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸
濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を
入れ均一に溶解した。ついで60℃に昇温し、TK式ホ
モミキサーで12000rpmに撹拌しながら、上記ト
ナー材料溶液を投入し10分間撹拌した。ついでこの混
合液を撹拌棒および温度計付のコルベンに移し、98℃
まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、
風力分級し、粒径d50が6μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエ
ロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプ
ルミルにて混合して、本発明のトナー(2)を得た。ト
ナー粒子の実用球形化度は0.96であった。評価結果
を表1に示す。
【0037】比較例1 (トナーバインダーの合成)ビスフェノールAエチレン
オキサイド2モル付加物354部およびイソフタル酸1
66部をジブチルチンオキサイド2部を触媒として重縮
合し、数平均分子量3700,重量平均分子量8000
の比較トナーバインダー(1)を得た。比較トナーバイ
ンダー(1)のTgは57℃、Tηは136℃、TG’
は133℃、THF不溶分は0%であった。 (トナーの作成)ビーカー内に前記の比較トナーバイン
ダー(1)100部、酢酸エチル溶液200部、シアニ
ンブルーKRO(山陽色素製)4部を入れ、50℃にてT
K式ホモミキサーで12000rpmで撹拌し、均一に
溶解、分散させた。次いで実施例1と同様にトナー化
し、粒径d50が6μmの比較トナー(1)を得た。ト
ナー粒子の実用球形化度は0.98であった。評価結果
を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】[評価方法] 粉体流動性 ホソカワミクロン製パウダーテスターを用いて静かさ密
度を測定した。流動性の良好なトナーほど静かさ密度は
大きい。 耐熱保存性 トナーを50℃×8時間保管後、42メッシュのふるい
にて2分間ふるい、金網上の残存率をもって耐熱保存性
とした。耐熱保存性の良好なトナーほど残存率は小さ
い。 光沢発現温度(GLOSS) 市販カラー複写機(CLC−1;キヤノン製)の定着装
置からオイル供給装置を取り除き、定着ロール上のオイ
ルを除去した改造機を用いて定着評価した。定着画像の
60゜光沢が10%以上となる定着ロール温度をもって
光沢発現温度とした。 ホットオフセット発生温度(HOT) 上記GLOSSと同様に定着評価し、定着画像へのホッ
トオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセット
が発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発
生温度とした。
【0040】
【発明の効果】本発明の乾式トナーは以下の効果を奏す
る。 1.粉体流動性に優れ、現像性、転写性に優れる。 2.耐熱保存性に優れ、かつ、低温定着性と耐ホットオ
フセット性のいずれにも優れる。 3.カラートナーとした場合の光沢性に優れ、かつ耐ホ
ットオフセット性が優れるため、定着ロールにオイル塗
布をする必要がない。 4.カラートナーとした場合の透明性が高く、色調に優
れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーバインダーおよび着色剤からなる
    Wadellの実用球形度が0.90〜1.00の乾式
    トナーにおいて、該トナーバインダーがテトラヒドロフ
    ラン(THF)不溶分を5重量%以上含有する縮合系樹
    脂(i)からなることを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該縮合系樹脂(i)がポリエステル、ポ
    リアミド、ポリウレタン、ポリウレア、エポキシ樹脂か
    らなる群から選ばれる樹脂1種以上である請求項1記載
    の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーバインダーのガラス転移点(T
    g)が35〜85℃である請求項1または2記載の乾式
    トナー。
  4. 【請求項4】 該トナーバインダーの測定周波数20H
    zにおける貯蔵弾性率が10000dyne/cm2と
    なる温度(TG’)と粘性が1000ポイズとなる温度
    (Tη)の差(TG’−Tη)が0℃以上である請求項
    1〜3のいずれか記載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 トナー粒子が、水系媒体中で形成された
    粒子である請求項1〜4のいずれか記載の乾式トナー。
  6. 【請求項6】 着色剤が、シアン、マゼンダ、イエロー
    の染料および/または顔料からなる群から選ばれる着色
    剤である請求項1〜5のいずれか記載の乾式トナー。
  7. 【請求項7】 熱定着用乾式トナーとして用いられる請
    求項1〜6のいずれか記載の乾式トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004198658A (ja) * 2002-12-17 2004-07-15 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー、現像剤及び定着方法
US6799012B2 (en) 2001-05-18 2004-09-28 Ricoh Company, Ltd. Cleaning device and image forming apparatus using the same
JP2005062902A (ja) * 2001-11-02 2005-03-10 Ricoh Co Ltd トナー及び該トナーを用いた画像を形成するための方法と装置
US7541128B2 (en) 2002-09-26 2009-06-02 Ricoh Company Limited Toner, developer including the toner, and method for fixing toner image

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