JP2000292433A - 光学式振動センサ及び光学式振動評価方法 - Google Patents

光学式振動センサ及び光学式振動評価方法

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JP2000292433A
JP2000292433A JP9814199A JP9814199A JP2000292433A JP 2000292433 A JP2000292433 A JP 2000292433A JP 9814199 A JP9814199 A JP 9814199A JP 9814199 A JP9814199 A JP 9814199A JP 2000292433 A JP2000292433 A JP 2000292433A
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optical
light
vibration
substrate
optical waveguide
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Mitsuteru Kimura
光照 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経時変化を極めて少なくし、振動体の振動方
向と光ファイバが直交配置する。 【構成】 光ファイバ12を通ってきたレーザ光は、光
導波路2を通り、回折格子の光学レンズ3で、その面に
垂直又は略垂直に出射し、カンチレバ5の第1の光反射
面4で反射し、再び、光学レンズ3に戻り、光導波路2
を経て、光ファイバ12に戻ってゆく。被検出振動体が
振動すると、これに接着固定してあるセンシング部のカ
ンチレバ5も振動するので、この振動に応じて、カンチ
レバ5の第1の光反射面4で反射して光学レンズ3に再
入射する光の結合量が変化する。光学レンズ3の端面で
反射して光ファイバ12に戻ってゆく光等は、ほぼ被検
出振動体の振動とは無関係なので、この戻り光を基準光
として利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学式振動センサ
及び光学式振動評価方法に係り、特に、微細なカンチレ
バまたはダイアフラムと光導波路との組み合わせによ
り、振動や加速度を光だけで検出する光学式振動センサ
及び振動評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学式振動センサとして、例えば
「光学式振動センサ」特願平5ー201971、特願平
5ー202032、特願平5ー202036がある。こ
れらの振動センサはシリコン(Si)などの基板にカン
チレバまたはダイアフラムや光反射をフォトリソグラフ
ィ技術により形成するもので、画一的なセンサ素子を大
量生産できるものであった。このセンサは、光路中にネ
オジウムガラス等の蛍光部を設けており、この蛍光部か
らの蛍光を基準にすると、光学式振動センサの経時変化
等をキャンセルすることができると共に、各振動成分の
大きさを比較するのに好都合であった。
【0003】また、従来、光ファイバの先端部にダイア
フラム型圧力センサを設け、血管内に挿入して血圧を測
定しようとする試みもされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、光路中にネオジウムガラス等の蛍光部を形成
する際、高効率で蛍光を発するネオジウムガラス膜の形
成が困難であること、しかも蛍光よりも短波長の光を入
射する必要があること、更に蛍光を発するための効率の
良い波長が存在し、必ずしもこれが光ファイバの透過率
の高い波長と一致しないことなどから、蛍光部を必要と
しない光学式振動センサが望まれていた。
【0005】また、光ファイバの設置方向については、
振動を検出するカンチレバまたはダイアフラムの振動方
向と光ファイバの長さ方向とが同一方向となり、実際の
振動検出においてこのセンサを振動体に固定することが
困難であった。
【0006】また、低周波で高感度の振動センサを得る
には、カンチレバまたはダイアフラムを長くするか、薄
くする必要があり、そうすると、カンチレバまたはダイ
アフラムが重力加速度で、はじめから撓み、カンチレバ
またはダイアフラムから全反射する光が光ファイバに再
カップリングしにくい又は再カップリングできない場合
もあった。
【0007】本発明は、以上の点に鑑み、光学式振動セ
ンサのセンシング部分の光路中に蛍光部を設けないで済
む光学式振動センサを提供すると共に、振動体の振動方
向と光ファイバが直交配置できるようにすることを目的
とする。また、本発明は、基板に平行に密着形成した光
導波路からも、基板にほぼ平行にあるカンチレバまたは
ダイアフラムの第1の光反射面に光を入射させ、再び光
学レンズの戻るようにすること、及び、カンチレバまた
はダイアフラムがはじめから撓んでいてもカンチレバま
たはダイアフラムの第1の光反射面からの反射光が光学
レンズに再カップリングし光導波路に戻るようにするこ
と、を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ひとつの特徴
として、第1の光反射面を有するカンチレバまたはダイ
アフラムと光学レンズを有する光導波路とを一体化した
光学式振動センサに関し、第1の光反射面を有するカン
チレバまたはダイアフラムを一体形成した第1の基板
と、第1の基板の上方で略平行に配置してあり、かつ光
学レンズを有する光導波路が密着形成してある第2の基
板とがあり、第1の基板と第2の基板との位置関係を光
導波路から光学レンズを経て、カンチレバまたはダイア
フラムの第1の光反射面で反射した光が、光学レンズに
再入射して光導波路に戻るように固定配置させて一体化
させてあり、光導波路に戻った光の強度変化を利用して
振動を評価できるようにした光学式振動センサを提供す
る。
【0009】また、本発明は、他の特徴として、光学レ
ンズをもつ光導波路と第1の光反射面との配置を逆転し
た場合、すなわち第1の基板に光学レンズを有する光導
波路をカンチレバまたはダイアフラムに一体形成してあ
り、第2の基板に第1の光反射面が形成されている光学
式振動センサを提供する。
【0010】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、前記光導波路に1本の光ファイバと光学的に結合し
て振動を計測する場合で、遠隔地での振動検出時などセ
ンサ部を遠く離れた個所に設置するような場合に好適で
ある。
【0011】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、上記光導波路を分岐光回路とし、分岐光回路の分岐
した光導波路のそれぞれに光学レンズを形成し、それぞ
れの光学レンズに対応して共振周波数が同一または異な
るカンチレバまたはダイアフラムのそれぞれに形成して
ある第1の光反射面とを光学的に結合した場合で、それ
ぞれのカンチレバまたはダイアフラムに被検出振動の周
波数を分担させ、幅広い周波数の振動検出が可能にする
ことができるものである。
【0012】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、複数のカンチレバまたはダイアフラム上のそれぞれ
に分岐光回路の分岐した光導波路を第1の基板に形成
し、また、それぞれ光導波路に光学レンズを形成して、
第1の光反射面を第2の基板に形成しても良い。
【0013】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、1本の光ファイバに複数の波長の光を同時に通し
て、これと接合した光導波路の分岐光回路に導波し、各
第1の光反射面に出入りするそれぞれの波長の光を、分
岐光回路の光導波路に形成した波長選択フィルタを通す
ことにより、どのカンチレバまたはダイアフラムからの
光信号であるかを特定することができる。このようにす
れば、被振動検出体である振動体の振動分布や検出振動
周波数の範囲の拡大が得られる。
【0014】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、第2の基板に密着形成された光導波路ばかりでな
く、第2の基板に固定された光学レンズを有する密着し
ていない光ファイバのような光導波路でも良い。また、
本発明は、光学レンズ内で反射して光導波路に戻る振動
しない光の強度を基準にして演算する演算部を備えるこ
とで、光源や光導波路と外部の光ファイバとの接続個所
などの、いわゆる光学系に経時変化が存在しても、振動
しない光の強度を基準にし、例えば除算をして比較する
ことにより、経時変化に依存しない出力が得られるよう
にすることもできる。さらに本発明は、その演算結果を
出力する出力部をも有するようにしても良く、振動の周
波数、位相、振幅、さらには、振動加速度などを評価す
ることもできる。
【0015】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、光導波路とそれに形成した光学レンズとは、カンチ
レバまたはダイアフラム上に形成し、第1の光反射面は
第2の基板に形成してもよい。
【0016】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、光学レンズを集光性レンズとすることができ、石英
ファイバなどの光導波路の先端を先球や一般の凸レンズ
にしたり、光導波路に回折格子、フレネルレンズやホロ
グラフィックレンズを形成することにより、集光性のレ
ンズを形成して、例えば出射光をほぼ平行光線にさせた
り、焦点を結ぶようにすることができる。このようにす
れば、光学レンズと第1の光反射面の距離も増大できる
ので、センサの振動感度を増大することができる。
【0017】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、光導波路を光ファイバとすることができ、この光フ
ァイバを第2の基板に密着するように接着や接合しても
良いし、固定した光学レンズを除いて光ファイバ部分
は、第2の基板から浮かすようにしても良い。
【0018】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、例えば第2の基板に第2の光反射面を設け、光学レ
ンズから出射した光がこの第2の光反射面で反射後、カ
ンチレバまたはダイアフラムの第1の光反射面で反射し
て、再び逆のルートで光導波路に戻るようにすることが
できる。このようにすると、例えば、第2の基板に平行
に密着して形成されてある光導波路の先端の先球レンズ
から出射した平行光線を直角に曲げ、下部のカンチレバ
またはダイアフラムの第1の光反射面に垂直に入射させ
るようにすることに好適である。この場合、光導波路に
接続した長い光ファイバの長さ方向と、センサ部の振動
方向とは直交するので、光学式振動センサのセンシング
部の振動体への取り付けが容易となる。
【0019】もちろん、カンチレバまたはダイアフラム
上に形成された光導波路を通って光学レンズから出射し
た光を、第2の基板に形成された第2の光反射面で反射
し、更にやはり第2の基板に形成された第1の光反射面
で反射して、逆経路でカンチレバまたはダイアフラム上
に形成された光学レンズに再入射して光導波路に戻るよ
うな光のパスにしてもよい。この場合も、第2の光反射
面の存在で、コンパクトでありながら光学レンズと第1
の光反射面との光路長を大きくとれるので、振動検出感
度が大きくなるという利点がある。
【0020】また、本発明に係わる光学式振動センサ
は、第2の光反射面を例えば回折格子とすることができ
る。さらに、本発明に係わる光学式振動センサは、第1
の光反射面を例えば回折格子とすることもでき、この場
合、カンチレバまたはダイアフラムが基板表面から重力
や歪みなどで反っていても、それを見越し、入射光の波
長を考慮して回折格子を形成することにより、無振動時
に反ったカンチレバまたはダイアフラムの第1の光反射
面からの反射回折光を光レンズに再び戻すことができ
る。
【0021】また、本発明は、ひとつの特徴として、上
述の各光学式振動センサにおいて、カンチレバまたはダ
イアフラムの第1の光反射面から光導波路に戻る振動す
る光の強度を計測して、光学レンズ界面で反射した光を
主体とした振動しない光の強度を基準にして演算し、そ
の演算結果を出力して振動を評価できるようにした光学
式振動センサの振動の評価方法を提供する。これによれ
ば、光学式振動センサの光源からの光強度、光導波路、
光結合、光検出用フォトダイオードなどの光学系や増幅
器などの電気系などが経時変化を生じた場合にも、光学
レンズ界面では光源からの光が反射し、光導波路に戻る
ので、この光を基準にして(この光を基準光と呼ぶ)、
カンチレバまたはダイアフラムに形成してある第1の光
反射面からの光は、振動体の被検出振動に基づく強度変
調光であるから基準光と区別でき、基準光と比較して被
検出振動を評価することができる。
【0022】また、本発明は、他の特徴として、カンチ
レバまたはダイアフラム上に光学レンズを有する光導波
路を形成し、第2の基板に第1の光反射面を形成した場
合にも適用した光学式振動評価方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学式振動センサ
と光学式振動評価方法についての実施の形態について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明に係る光学式振動センサと
光学式振動評価方法のブロック概略図である。ここで
は、被振動検出用振動体602に振動のセンシング部6
01を接着又は固定し、光ケーブルを通して光源603
からの光のセンシング部601への送信、センシング部
601からの信号光の受信を行う場合を示したものであ
る。
【0025】センシング部601は、図2以降に示され
る各々の実施の形態の形態で詳述するが、光ファイバ1
2とセンシング部601内の光導波路とが光学的に結合
されている。センシング部601からの光は、光ファイ
バ12を経てビームスプリッタA604に入り、公知の
ビームスプリッタA604内の光学系により、光ファイ
バ12、光源603、ビームスプリッタB605の光分
岐ができるようになっている。ビームスプリッタB60
5内では、ビームスプリッタA604からの光線が基準
光光電変換部606と信号光光電変換部607に光線が
導かれるように光分岐している。
【0026】ここで、光源603は、主に半導体レーザ
が使用されるが、他の型のレーザ、例えばヘリウム−ネ
オンレーザを用いても良いし、発光ダイオードでも良
い。しかし、光学レンズをホログラヒックなレンズを使
用するときには、レーザ光を用いるとよい。また、異な
る波長の光源603を、複数個光学的に接続して、1本
の光ファイバ12にカップリングさせることもできる。
【0027】基準光光電変換部606は、被検出振動体
の振動とは無関係の光であり、その光の強度成分に被検
出振動体の振動成分を含まない光を検出し、電気信号に
変換して出力電圧Vrを発生させるもので、フォトダイ
オードを利用することができる。もちろん、必要に応じ
て電気信号を増幅しても良い。検出される基準光は、光
源603からセンシング部601内の光導波路を通して
光学レンズに入り、この光学レンズの端面等で主に反射
して、再び光導波路、光ファイバ12を通してビームス
プリッタA604に戻ってきた光である。基準光は、光
ファイバを通してレンズ端面などでの反射して、再び光
源603側に戻るため、振動には無関係な直流的な光で
ある。この直流的反射光(基準光)は、一般に信号光に
比べ強度が大きく(例えば2桁程度の場合がある。)、
信号光にほとんど影響されない光である。基準光光電変
換部606は、この光を直接受光素子(例えば、フォト
ダイオード)で受信する。また、必要に応じて、直流増
幅したり、長い時定数で平均化させておく(平滑化)。
【0028】信号光光電変換部607は、被検出振動体
の振動成分を含む光(信号光)を電気信号に変換して出
力電圧Vsを発生させるものである。信号光は、光源6
03からセンシング部601内の光学レンズを通り、そ
の後、カンチレバやダイアフラム等の振動体を第1の光
反射面で反射させて、光学レンズに再入射された光であ
る。即ち、信号光は、カンチレバ(又は、ダイアフラ
ム)上の鏡(反射面)で反射した光なので、外部の振動
を受けて振動してレンズ系を通して再び光源側に戻る光
である。信号光は、光ファイバへの再カップリングの割
合が異なり、その強度変調されている。信号光光電変換
部607は、受光素子で受信して電気信号に変換する
と、この電気信号は、振動により強度変調されたものな
ので、例えばコンデンサーを通すことにより、直流成分
をカットする事ができ、交流成分のみを増幅することが
できる。したがって、例えば、基準光光電変換部606
では、戻り光を直流増幅して、平滑化する装置であり、
一方、信号光光電変換部607は、交流増幅する装置と
言うこともできる。
【0029】演算部608は、VrとVsの出力電圧を
元に演算して、被検出振動体の振動の周波数、振幅、位
相、加速度などを評価できるようにし、それぞれの評価
信号を次の出力部610に送るようにする。演算部60
8は、基準光光電変換部の電気出力Vrと、信号光光電
変換部の電気出力Vsとを、比較演算し、必要に応じて
外部環境の信号を導入して、光学式光学系の経時変化や
温度補正などして、これらの影響を無視できるようにす
る。また、演算部608は、必要に応じ種々の補正回路
等を備えることができる。例えば、単純に光学式光学系
の経時変化のみを問題にするならば、出力として、Vs
をVrで除算する回路(除算回路)とアンプ系で構成で
きる。このように、演算部608により出力電圧Vsを
出力電圧Vrで除算すれば、光源603の経時変化、光
ファイバや光導波路とのカップリングなどの光学系の経
時変化などに対して、不変な値となる。また、温度補正
が必要なときには、環境をモニタする温度センサと組み
合わせて、温度補正をするための演算回路を用いれば良
い。また、演算部608に、振動振幅がある以上になっ
たときには、その直線性が悪くなり、その補正も行うこ
ともできる。
【0030】出力部610は、演算部608から被検出
振動体の振動の周波数、振幅、位相、加速度などの評価
信号を受け取り、表示部611や制御部609に必要な
適当な信号を出力するところである。また、表示部は、
適当なデスプレー装置や数値表示装置などである。
【0031】制御部609は、振動体や他の装置などへ
のフィードバック信号や制御信号を発生し、制御するも
のである。制御部609は、この振動センサを利用して
ある振動系を制御するときに必要に応じて設けることが
できる。例えば、振動を与える加振機があったとき、そ
の振動がある振幅以上にならないように制御したり、あ
るいは、加振機をある一定の振動振幅に制御するための
制御信号を発生させるようにするものである。また、制
御部609は、振動検出した電気信号を、位相の遅れも
考慮して逆位相でかつ適正振幅に変換して加振機に印加
するような信号を発生することもでき、制御対象により
それぞれ適宜の構成をとることができる。
【0032】以上、本発明の光学式振動センサと光学式
振動評価方法のブロック概略図の中で、必要に応じ制御
部609等の各部を省略しても、必要な部を追加しても
良い。
【0033】図2は、本発明に係る光学式振動センサの
第1の実施例の横断図面の概要図である。このセンシン
グ部は、第2の基板201に密着形成した光導波路2を
有し、カンチレバ5に第1の光反射面4を設けた場合の
ものである。
【0034】このような光学式振動センサの製造方法及
び構成は一例として、つぎのようになる。まず、(10
0)面のシリコン単結晶を第1の基板1に用い、第1の
光反射面4としてのアルミニウム薄膜をスッパリング形
成する。その後、V溝20を形成する際のヒドラジンな
どの異方性エッチング液に耐えるため酸化シリコン膜を
表面に形成してあるカンチレバ5を、高濃度ホウ素添加
して形成した高濃度ホウ素拡散層11とその上の熱酸化
シリコン薄膜50および第1の光反射面4を残して異方
性エッチング液により形成する。また、第2の基板20
1とスペーサ101として、やはり(100)面のシリ
コン単結晶を用い、光ファイバ12のコア502と第2
の基板201に密着形成した光学レンズ3を有する光導
波路2との光結合ができるように、双方に同一寸法のV
溝26,25を形成しておく。なお、V溝25、26
は、ほぼ同一寸法でも、異なる寸法でも良く、また、一
方のみに形成しても良い。そして、これらの第2の基板
201とスペーサ101とが、シリコン酸化膜150等
を介して接合されたときに光ファイバ12が、これらの
V溝26,25内に固定接着されるようにしてある。例
えば、Siの(111)面は、異方性エッチング液によ
り他の面方位より極端にエッチングされないので、この
面が露出し、V溝を形成することができる。第2の基板
201とスペーサ101には、それぞれV溝20,21
を形成してあり、スペーサ101のV溝21は、第2の
基板201に形成してある光学レンズ3とカンチレバ5
に形成してある光反射面4との間を行き来する光の妨げ
にならないように、例えば、貫通溝となっている。
【0035】光導波路2は、例えばシリコン(Si)基
板上のシリコン酸化膜上に形成したコアとクラッドを有
する石英の光導波路でも良いし、プラスチック光導波路
でも良い。光導波路2は、第2の基板201に、例えば
20μm厚程度にクラッド60としてのSiO膜を堆
積させておき、ここにGeなどの光屈折率に影響する不
純物を光導波路として所望の形状にパターン形成して、
この部分に熱拡散してコア62を形成している。この場
合の光導波路は埋め込み型であるが、クラッド60を所
望の形状の光導波路2の側部に溝を形成してリッジ型の
光導波路2を形成しても良い。
【0036】光学レンズ3は、光を収束させたり、発散
させたりするものである。光導波路2からそのまま空気
中に出射する光は発散するので、光学レンズ3は、これ
を集光したり、平行光線にしたり、場合によっては希望
する角度に発散させるようにする。例えば、凸レンズや
凹レンズ、フレネルレンズ、集光グレーティングカプ
ラ、回折格子をホログラフィックに光学レンズ3にした
もの(回折格子の線間隔(ピッチ)を変化させて構成す
るとレンズ作用がある。)、また、先球レンズ(光ファ
イバの先端に球形レンズを取り付けたもの)を光学レン
ズ3としたものがある。この他にも、平板ガラスであり
ながら、その一部をレンズにするために円対称になるよ
うな屈折率分布を中心部が大きくなるようにすると、凸
レンズになり、これを用いることもできる。また、別個
に形成したこれらのレンズを光導波路の先端に接合して
も良い。
【0037】また、一般に、回折格子では、波長に応じ
て回折格子線のピッチ(周期間隔)を適当に選ぶと、光
波長が一定の時、任意の角度に回折光が出射するように
設計できる。この原理を用いて、光学レンズ3からの出
射角度及びそこへの入射角度を、90度等の所望の角度
になるよう設定して、回折格子を形成することができ
る。ここでは、一例として、光学レンズ3として、回折
格子等を形成して、光源603としての半導体レーザ光
の波長λ(例えば、840nm)に対して、光導波路2
の形成面に対して垂直又は略垂直に放射し、集束性レン
ズ作用によりほぼ平行光線になるようにしてある。
【0038】被検出振動体に接着させるセンシング部の
カバー301は、やはりシリコン基板を用いて、シリコ
ン酸化膜51を介して第1の基板1と接合される。これ
ら4枚の基板であるカバー301、第1の基板1、スペ
ーサ101、および第2の基板201は、公知の陽極接
合技術で、位置合わせをした後接合することができる。
また、シリコン酸化膜51,150等は省略しても良
い。位置合わせには、あらかじめ各基板にw)小さな位
置合わせ用V溝を対向する各基板表面に設けておき、光
ファイバの断片やビーズ玉などをピン代わりに入れ、位
置合わせがしやすいようにすると良い。各基板を熱膨張
係数の小さい材料である石英などを用いて、高温でも動
作できるようにしても良い。
【0039】動作は、以下のようになる。光ファイバ1
2を通ってきたレーザ光は、光導波路2を通り、回折格
子の光学レンズ3で、その面に垂直又は略垂直に出射
し、カンチレバ5の第1の光反射面4で反射し、再び、
光学レンズ3に戻り、光導波路2を経て、光ファイバ1
2に戻ってゆく。被検出振動体が振動すると、これに接
着固定してあるセンシング部のカンチレバ5も振動する
ので、この振動に応じて、カンチレバ5の第1の光反射
面4で反射して光学レンズ3に再入射する光の結合量が
変化する。そのため、光学レンズ3に再入射して光ファ
イバ12に戻ってゆく光(信号光)の光強度が変化する
ことになり、上述図1の概要説明で述べた信号光光電変
換部607で信号光が電気信号に変換される。このと
き、光学レンズ3の端面で反射して光ファイバ12に戻
ってゆく光や光ファイバ12と光導波路2との結合部で
の反射等は、基準光光電変換部606で電気信号に変換
される。この光は、ほぼ被検出振動体の振動とは無関係
なので、この戻り光を基準光として利用するものであ
る。もちろん、基準信号が必要でないなら、図1におけ
るビームスプリッタB605や基準光光電変換部606
が省略できる。
【0040】図2の実施の形態では、光学レンズ3とし
て回折格子を利用した場合であるが、裏面に光反射部か
光散乱部を設けたり、更に凸レンズを形成する等により
第2の基板201表面にほぼ垂直の出射光にすることが
できる。
【0041】図3は、光導波路についての他の実施の形
態の構成図である。この図は、光学式振動センサのセン
シング部のうち、第2の基板201に密着形成した光導
波路2を分岐光回路にした場合の分岐光回路付近の実施
の形態の概略図である。
【0042】第2の基板201に、例えば、20μm厚
程度にクラッド60としてのSiO 膜を堆積させてお
き、ここにGeなどの光屈折率になる不純物を光導波路
2、2a〜2dとして所望の分岐光回路形状にパターン
形成して、この部分に熱拡散してコア62を形成してい
る。この場合の光導波路2、2a〜2dは埋め込み型で
ある。分岐光回路の分岐した各光導波路2a、2b、2
c、2dの終端部付近に、それぞれ回折格子型の光学レ
ンズ3a、3b、3c、3dが形成される。各光学レン
ズ3a、3b、3c、3dは、導波された既知の異なる
波長の光に対して、面に垂直に光出射するように設計す
ることもできる。それぞれの光学レンズ3a、3b、3
c、3dの真下に第1の基板1に設けられた共振周波数
の異なるカンチレバ5の列が存在し、無振動時には、そ
れぞれのカンチレバ5に設けられた第1の光反射面4か
らの反射光が再びそれぞれの光学レンズ3に再入射し、
分岐光回路から一本の光導波路2に戻るように設計して
ある。
【0043】このように複数の共振周波数の異なるカン
チレバ5と、これらに対応する分岐光回路の各分岐した
光導波路に形成した光学レンズ3との組み合わせによ
り、被振動体の振動周波数の測定範囲を増大させること
ができる。また、同一の共振周波数の複数のカンチレバ
と、単一波長のレーザ光およびその波長に対して垂直出
射光となるようにした複数の光学レンズとを組み合わせ
た本発明の光学式振動センサは、被振動体の空間的な振
動分布などを調べるのに好適である。
【0044】図4は、光導波路についてのさらに他の実
施の形態の構成図である。これは、図3に示した実施の
形態と同様に、第2の基板201に密着形成した光導波
路2を分岐光回路にした場合の実施の形態の概略図であ
るが、波長選択フィルタを用いた場合である。
【0045】ここでは、例えば、ブラッグ反射型の回折
格子を波長選択フィルタ30a、30b、30cとして
用い、これらはそれぞれ導波された波長λa、λb、λ
cに対してブラッグ反射を起こして分岐した光導波路2
a、2b、2cに光結合するように、設計・製作されて
いる。各分岐した光導波路2a、2b、2cの先端には
ほぼ半球状の凸レンズの光学レンズ3a、3b、3cが
形成しており、第2の基板201の面に対してほぼ垂直
に、かつ、ほぼ平行光線になるようにしている。ほぼ半
球状の凸レンズの光学レンズ3a、3b、3cは、別に
作成してそれぞれの箇所に接着させることもできる。ま
た、これらの光学レンズ3a、3b、3cをフレネルレ
ンズやホログラフィックレンズとした集束性レンズとし
ても良い。
【0046】図5は、本発明に係る光学式振動センサの
第2の実施の形態の横断面図である。これは、センシン
グ部のうち、第2の基板201に密着形成した光導波路
2を有し、カンチレバ5に第1の光反射面4を設けた場
合のセンシング部の他の実施の形態である。ここでは、
光導波路2として光ファイバを用い、かつ、光学レンズ
3として先球を用い、第2の光反射面6を設け、更に第
1の光反射面4として回折格子を利用した場合のセンシ
ング部の横断面図の概要が示される。ここの実施の形態
では、図2の実施の形態で示したようなスペーサ101
を除去して、光てことなる光学長を先球の光学レンズ3
と第2の光反射面6との距離で稼ぐようにしてある。従
って、コンパクトなセンシング部となり得る。
【0047】光導波路2としての光ファイバは、第2の
基板201に形成したガイド用のV溝26の内壁に接触
して、接着してあり、第2の基板201にほぼ平行に配
置されている。先球の光学レンズ3から出射したほぼ平
行なレーザ光線は、シリコン単結晶基板からなる第2の
基板201の(111)面に形成されたアルミニウム薄
膜の第2の光反射面6で反射し、第1の基板1に形成さ
れたカンチレバ5上の第1の光反射面4に入射する。第
1の光反射面4を回折格子とし、第2の光反射面6から
入射した光が、回折格子の第1の光反射面4で反射する
とき、無振動時には逆コースで再び、第2の光反射面6
に戻り、更に再び先球レンズの光学レンズ3に入射し、
光ファイバの光導波路2に戻るように、第1の光反射面
4を回折格子の格子ピッチを設計・製作しておく。この
ように、(100)面の表面を持つシリコン単結晶基板
の第2の基板201の(111)面は、(100)面の
表面に対して45度の角度ではなく、ほぼ54.7度で
あるが、第1の光反射面4を回折格子にすることによ
り、第1の光反射面4で反射後、全く逆の光路で進む光
を作り出しことができる。
【0048】図6は、本発明に係る光学式振動センサの
第3の実施の形態の横断面図である。これは、図5に示
した実施の形態と同様であるが、カンチレバ5に形成し
てある第1の光反射面4は、アルミニウム膜などの全反
射面とし、第2の光反射面6を回折格子として実施した
場合のセンシング部の実施の形態である。光学レンズか
ら出射した光が第2の光反射面6で全反射させた場合、
全反射後直角に曲がるためには、第2の光反射面6の角
度を光学レンズから出射した光に対して45度の角度に
する必要がある。第2の基板をシリコン単結晶とし、異
方性エッチングにより(111)面を出し、この(11
1)面を第2の光反射面6の全反射面とするには、シリ
コン単結晶基板表面の(100)面から(111)面が
約55度の角度にあるから、光線を直角に曲げることが
できない。そこで、(100)面から(111)面が約
55度の角度にある第2の光反射面6に、入射光の波長
に対してその反射回折光が直角に曲がるように回折格子
を形成することで、(100)面のシリコン単結晶基板
の(111)面も第2の光反射面6として利用すること
ができる。
【0049】この実施の形態では、スペーサ101を用
いており、光学長を大きくするため厚みを任意に選びや
すいように、例えば、石英板にした場合である。他部分
の構造、作用はほぼ図5に示した実施の形態で説明した
とおりである。
【0050】図7は、本発明に係る光学式振動センサの
第4の実施の形態の横断面図である。以上の実施の形態
は、光学式振動センサのセンシング部のうち、光導波路
2を第2の基板201に密着形成した場合であった。し
かし、図7に示すような、先球ファイバを光導波路2と
して用い、この光導波路2を第2の基板201に対して
ほぼ垂直になるように、第2の基板201に先球部分を
固定し、先球を光学レンズ3として利用する光学式振動
センサのセンシング部を用いても、本発明の光学式振動
評価方法によれば、もちろん経時変化のほとんどない光
学式振動センサが達成される。
【0051】光源から光ファイバ12である光導波路2
を通り先球の光学レンズ3に入射する光強度Liの光
は、光学レンズ3の端面で一部反射し、光強度Lrrの
光となり、光導波路2を逆向きに戻ってゆき、その光強
度は基準光光電変換部606(図1参照)で電気信号の
出力Vrに変換される。また、一方の光学レンズ3を通
った光は、カンチレバ5に形成された第1の光反射面4
で全反射して、カンチレバ5の振動成分で反射方向がそ
れの応じて変化するために光学レンズ3との光結合量が
変化し、光学レンズ3に再入射した光は強度変調されて
光導波路2を通ってゆき、その振動体の振動成分を光強
度成分として持つ光信号強度は信号光光電変換部607
(図1参照)で電気信号の出力Vsに変換される。その
後、前述のように演算部608(図1参照)で、例えば
除算、Vs/Vrの演算をしてその出力を求めれば、経
時変化となる共通の係数が消去されるので、きわめて経
時変化の少ない光学式振動センサが提供される。
【0052】上述の実施の形態では、光学式振動センサ
のセンシング部において、すべて、カンチレバ5に第1
の光反射面4を形成した場合であったが、カンチレバ5
に光導波路2および光学レンズ3を形成する事もでき
る。
【0053】図8は、本発明に係る光学式振動センサの
第5の実施の形態の横断面図である。これは、光学式振
動センサのセンシング部において、第1の基板1にカン
チレバ5に光導波路2および光学レンズ3を形成を形成
し、第2の基板201に第1の光反射面4を形成した場
合の実施の形態の横断面の概要図である。この実施の形
態は、光導波路2と光学レンズ3が、図2の実施の形態
のように、第2の基板201に形成されているのではな
く、カンチレバ5に形成され、逆に第1の光反射面4が
カンチレバ5ではなく、第2の基板201に形成されて
いる場合に相当する。これらは互いに相対的に等しく、
従って動作も、図2とほぼ同様であるので、ここでは動
作の説明は省略する。図8の実施の形態では、スペーサ
101として、貫通孔を有する石英版を用い、シリコン
結晶から成る第2の基板201の両表面をシリコン酸化
膜250、251で覆い、カバー301の外側面をやは
りシリコン酸化膜351で覆い、安定化させている。ま
た、光ファイバ12の基板への固定用の溝24、25も
形成して、光導波路2への光結合を容易にしている。
【0054】図9に、カンチレバの構成図の一例を示
す。上述の実施の形態におけるカンチレバ5は、断面図
において分かり易いように簡単に描いてきたが、振動の
モードとして、ねじれモードが発生しにくいように、図
示のようにカンチレバ5のアーム部5a、5bを直交す
るようにし、空気の抵抗を幾分でも下げるために、貫通
溝25を形成しておく方がよい。なお、図9の例は、シ
リコン単結晶の(100)面方位の第1の基板1を用
い、シリコン酸化膜50をカンチレバ5の機械的強度に
耐えうる程度の厚みに堆積した場合を示し、このカンチ
レバ5にアルミニウム薄膜と更に異方性エッチング液に
耐えるように薄いシリコン酸化膜をスパッタリング体積
させた第1の光反射面4を形成した場合である。
【0055】図10には、本発明に係る光学式振動セン
サの第6の実施の形態の横断面図である。上述の実施の
形態では、振動体の振動を検出するのに、すべてカンチ
レバ5の振動を利用した場合であるが、この光学式振動
センサを、例えばマイクロホンとして空気の振動を検出
するには、振動検出手段としてダイアフラム型にした方
が効率的である。
【0056】この実施の形態は、ほぼ前述の図2の実施
の形態に対応している。図10の実施の形態では、前述
の図2の実施の形態のカンチレバ5をダイアフラム15
に換えた点、カバー301を除去して、第1の基板1の
貫通したV溝20を裏面から形成して、空気などの流体
の音波振動が有効にダイアフラム15に働くようにして
ある点、スペーサ101を第1の基板1と第2の基板2
01とでサンドイッチ状に挟んで接合するので、残され
た空洞となるスペーサ101に形成されたV溝21が密
閉形になるのを防ぐために、細い連通溝29をスペーサ
101に形成している点が、特に異なる。また、細い連
通溝29の存在で、温度変化に基づくV溝21内外の圧
力バランスが図れる。
【0057】上述の各々の実施の形態のカンチレバ5
は、ここでは図示しないが、図10のように、ダイアフ
ラム15等の振動体で置き換えることができる。一般
に、ダイヤフラムは、宙に浮いた構造体の中で、周辺が
基板にぐるりと固定されている薄膜である。また、カン
チレバーは、一端支持の薄膜または、棒状のものを言
う。どちらもこれらの上に反射面を形成し、そこに照射
した光(例えば、レンズで平行光線に直し、この平行光
線を照射することを想定する。)を、反射面で反射させ
て、レンズに戻し、光導波路または光ファイバに再カッ
プリングさせるものである。カンチレバーは、カンチレ
バーの上下振動を反射光の例えば左右に振動させるよう
に変換するので、振幅が大きいと反射面での反射光が全
く再カップリングされないほどになり(カンチレバとレ
ンズの距離が大きいほどその効果が大きい)、それだけ
感度が大きくなる。これに対して、ダイヤフラムでは、
その中央に反射面を置くとダイヤフラムの上下振動によ
り焦点がボケることを利用するので、再カップリング光
の振幅変調ができるが感度が小さいものの、ワイドレン
ジの振動センサとなる。このように、両者は、多少、再
カップリング動作が異なる。もちろん、ダイヤフラムの
中央に反射面を置かなければ、カンチレバと同様な効果
がある場合も考えられるが、感度が小さいと言うことに
なる。
【0058】以上のように、流体の振動検出を除き、一
般の振動体の振動を高感度に検出するには、ダイアフラ
ム型よりカンチレバ型の方が良い。また、カンチレバ型
は、その振動により反射光線がその振動方向に振れるこ
とよりは、角度を持って振れることを利用する方が感度
が大きく得であるのに対して、ダイアフラム型は、その
振動により反射光線がその振動方向に振れることよる焦
点ぼけのための光学レンズ3に結合する光量変化を主に
利用し、しかも振幅が小さいので、感度が小さくなる。
また、カンチレバ型でもダイアフラム型でも、振動振幅
検出の直線性を得て、かつ高感度にするには、無振動時
にカンチレバ5またはダイアフラム15に形成してある
第1の光反射面4からの反射光が光学レンズ3に入射す
るとき、最大光量にならずに最大光量の半分の値程度に
になるように調整するとよい。また、空気や、血液等の
液体などの流体の振動を検出する、すなわちマイクロフ
ォン、体内圧力センサや血圧計等として使用するには、
カンチレバ型よりは、薄膜の周囲がぐるりと基板に支持
されているダイアフラム型の方が空気や液体の振動を有
効に捕らえることができる。
【0059】上述の実施の形態は本発明の一例に過ぎ
ず、本発明の主旨および作用、効果が同様でありなが
ら、本発明の多くの変形があることは明らかである。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学式振
動評価方法によれば、光学レンズ部での内部反射光を基
準光に使用するので、従来の光学式振動センサのセンシ
ング部分の光路中に蛍光部を設けないで済み、簡単に経
時変化の極めて少ない光学式振動センサを提供すること
ができる。また、本発明によると、光学レンズ及び光反
射面の工夫により、振動体の振動方向と導波路とが直交
配置できるので、光学式振動センサのセンシング部を振
動体に固定しやすい。本発明のよると、カンチレバまた
はダイアフラムがはじめから撓んでいてもカンチレバま
たはダイアフラムに形成してある光反射面からの反射光
が光学レンズに再入射できる。さらに、本発明による
と、1つの光導波路を光分岐回路とさせることにより、
異なる共振周波数のカンチレバやダイアフラムとの組み
合わせで、検出振動周波数の拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学式振動センサと光学式振動評
価方法のブロック概略図。
【図2】本発明に係る光学式振動センサの第1の実施例
の横断図面の概要図。
【図3】光導波路についての他の実施の形態の構成図。
【図4】光導波路についてのさらに他の実施の形態の構
成図。
【図5】本発明に係る光学式振動センサの第2の実施の
形態の横断面図。
【図6】本発明に係る光学式振動センサの第3の実施の
形態の横断面図。
【図7】本発明に係る光学式振動センサの第4の実施の
形態の横断面図。
【図8】本発明に係る光学式振動センサの第5の実施の
形態の横断面図。
【図9】カンチレバの構成図。
【図10】本発明に係る光学式振動センサの第6の実施
の形態の横断面図。
【符号の説明】
1 第1の基板 2 光導波路 3、3a、3b、3c 光学レンズ 4 第1の光反射面 5 カンチレバ 6 第2の光反射面 11 高濃度ホウ素拡散層 12 光ファイバ 15 ダイアフラム 20、21、22、23、24、25、26、29 溝 50、51、150、151、250、251,351
シリコン酸化膜 101 スペーサ 60 クラッド 62、502 コア 201 第2の基板 301 カバー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の光反射面を有する振動部と、 前記振動部を形成した第1の基板と、 光学レンズを有する光導波路と、 前記第1の基板と略平行に配置され、前記光導波路が形
    成される第2の基板とを備え、 前記第1の基板と前記第2の基板とは、少なくとも無振
    動時には前記光導波路から光学レンズを通過して出射し
    た光が、前記振動部の第1の光反射面で反射して、光学
    レンズに再入射して前記光導波路に戻るように、固定配
    置されて一体化されており、 前記振動部の第1の光反射面から前記光導波路に戻る光
    の強度変化により、振動を計測するようにした光学式振
    動センサ。
  2. 【請求項2】光学レンズを有する光導波路と、 前記光導波路が配置された振動部と、 前記光導波路及び前記振動部を形成した第1の基板と、 前記第1の基板と略平行に配置され、第1の光反射面が
    形成される第2の基板とを備え、 前記第1の基板と前記第2の基板とは、少なくとも無振
    動時には前記光導波路から光学レンズを通過して出射し
    た光が、前記第2の基板の第1の光反射面で反射して、
    光学レンズに再入射して前記光導波路に戻るように、固
    定配置されて一体化されており、 前記第2の基板の第1の光反射面から前記光導波路に戻
    る光の強度変化により、振動を計測するようにした光学
    式振動センサ。
  3. 【請求項3】前記光導波路は、 分岐光回路と、 前記分岐光回路により分岐された各光導波路の各々に形
    成された複数の光学レンズとを備え、 前記振動部は、共振周波数が同一又は異なるものが複数
    設けられ、 前記振動部又は前記第2の基板の第1の光反射面は、そ
    れぞれの前記複数の光学レンズに対応して光学的に結合
    するように複数設けられたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の光学式振動センサ。
  4. 【請求項4】前記光導波路の分岐光回路に形成された波
    長選択フィルタをさらに備え、 いずれの前記振動部からの光信号であるかを特定できる
    ようにした請求項3に記載の光学式振動センサ。
  5. 【請求項5】前記振動部又は前記第2の基板の第1の光
    反射面から光導波路に戻る信号光の強度を求める信号光
    変換部と、 光学レンズの界面で反射した基準光の強度を求める基準
    光変換部と、 前記信号光変換部及び前記基準光変換部の出力を演算す
    る演算部と、 前記演算部の演算結果を出力する出力部とをさらに備え
    た請求項1乃至4のいずれかに記載の光学式振動セン
    サ。
  6. 【請求項6】第2の光反射面をさらに設け、 光学レンズから出射された光が前記第2の光反射面で反
    射後、第1の光反射面で反射するようにした請求項1乃
    至5のいずれかに記載の光学式振動センサ。
  7. 【請求項7】前記光学レンズは、回折格子、集束性レン
    ズ又は集光グレーティングカプラが用いられ、 前記光導波路から入射又は出射される光は、該光学レン
    ズにより屈折され、第1の光反射面と結合されるように
    した請求項1乃至6のいずれかに記載の光学式振動セン
    サ。
  8. 【請求項8】第1又は第2の光反射面は、回折格子を用
    いたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載
    の光学式振動センサ。
  9. 【請求項9】第1の光反射面を有する振動部と、光学レ
    ンズを有する光導波路とを備え、少なくとも無振動時に
    は前記光導波路から光学レンズを通過して出射した光
    が、前記振動部の第1の光反射面で反射して、光学レン
    ズに再入射して前記光導波路に戻るように、固定配置さ
    れており、前記振動部の第1の光反射面から前記光導波
    路に戻る光の強度変化により、振動を計測するようにし
    た光学式振動センサを用いた光学式振動評価方法であっ
    て、 前記振動部の第1の光反射面から光導波路に戻る振動す
    る信号光の強度を計測し、 光学レンズの界面で反射して戻る振動しない基準光の強
    度を計測し、 計測された信号光の強度を、基準光の強度に基づいて演
    算し、 その演算結果を出力すること、により、振動を評価する
    ようにした光学式振動評価方法。
  10. 【請求項10】光学レンズを有する光導波路と、前記光
    導波路が配置された振動部と、第1の光反射面が形成さ
    れる第2の基板とを備え、少なくとも無振動時には前記
    光導波路から光学レンズを通過して出射した光が、前記
    第2の基板の第1の光反射面で反射して、光学レンズに
    再入射して前記光導波路に戻るように、固定配置されて
    おり、前記第2の基板の第1の光反射面から前記光導波
    路に戻る光の強度変化により、振動を計測するようにし
    た光学式振動センサを用いた光学式振動評価方法であっ
    て、 前記第2の基板の第1の光反射面から光導波路に戻る振
    動する信号光の強度を計測し、 光学レンズの界面で反射して戻る振動しない基準光の強
    度を計測し、 計測された信号光の強度を、基準光の強度に基づいて演
    算し、 その演算結果を出力すること、により、振動を評価する
    ようにした光学式振動評価方法。
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