JP2000292325A - ヘッドスペースガスサンプラ - Google Patents

ヘッドスペースガスサンプラ

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JP2000292325A
JP2000292325A JP11104890A JP10489099A JP2000292325A JP 2000292325 A JP2000292325 A JP 2000292325A JP 11104890 A JP11104890 A JP 11104890A JP 10489099 A JP10489099 A JP 10489099A JP 2000292325 A JP2000292325 A JP 2000292325A
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JP
Japan
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reaction
gas
reagent
sample
container
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JP11104890A
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English (en)
Inventor
Masami Matsui
正巳 松居
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検出器の特性によって本来は検出不能な成分を
検出可能にし、また、比較的簡単な装置構成で成分の同
定をより正確に行うことを可能にする。 【解決手段】ヘッドスペースガスをサンプリングするた
めに試料4を密閉収納する試料容器3と、この試料容器
3の内部に、前記試料から発生する揮発ガスと反応させ
るための反応試薬9を収容する試薬収納部(試薬容器
6)とこの収納部を前記揮発ガスから隔離する磁性材料
からなる蓋8とを設けると共に、試料容器3の外に設け
た磁石11により前記蓋8を開閉操作する機構を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フィにおいて、試料から揮発するガス成分をサンプリン
グするためのヘッドスペースガスサンプラに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスクロマトグラフィにおける分析手法
の一つにヘッドスペースガス分析法がある。これは、液
体または固体試料をセプタム蓋付きの試料容器に、上部
に若干の空間を残した状態で封入し、これを所定の温度
で所定時間保った後、上部空間(ヘッドスペース)の気
体をシリンジで採取して分析することにより、試料中の
揮発性成分を定性または定量するものである。この一連
の操作は手動で行うことも可能であるが、自動化された
サンプリング装置をガスクロマトグラフに接続して行う
のが普通である。このための装置をヘッドスペースガス
サンプラと呼ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以下、ヘッドスペース
ガス分析法の代表的な応用の一例として、印刷物から揮
発するインクの残留溶剤を分析する場合について説明す
る。この場合、試料である印刷物の紙片から揮発するガ
スの量は極微量であるから、これを分析するガスクロマ
トグラフには検出器として高感度を特徴とする水素炎イ
オン化検出器(FID)が用いられるが、FIDの特性
として無機物である水分等は検出できないことが第一の
問題点である。また、検出されたピークを同定するに
は、標準品の分析結果と保持値を比較することによって
行うのが一般的であるが、揮発成分が多種類に及ぶ場合
はこの方法では正確な同定ができないことが第二の問題
点である。同定をより正確に行うために、定性能力に優
れた質量分析装置を検出器として用いるGCMSによっ
て分析する方法もあるが、これは大規模な装置構成を必
要とする。本発明は、このような事情に鑑みてなされた
ものであり、検出器の特性によって本来は検出不能な成
分を検出可能にし、また、比較的簡単な装置構成で成分
の同定をより正確に行うことを可能にするヘッドスペー
スガスサンプラを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、特定の揮発ガス成分と特異的に反応する
化学反応を利用したもので、ヘッドスペースガスを採取
するための試料容器内でこの種の反応を起こさせ、しか
も、反応の前後におけるヘッドスペースガスを採取して
分析できるように工夫した。即ち、ヘッドスペースガス
をサンプリングするために試料を密閉収納する容器と、
この容器内部に、前記試料から発生する揮発ガスと反応
させるための反応試薬を収容する試薬収納部とこの収納
部を前記揮発ガスから隔離する磁性材料からなる蓋材と
を設けると共に、磁力を介して前記容器外から前記蓋材
を開閉操作する機構を備えたものである。
【0005】このような構成の装置を用い、反応の前後
でヘッドスペースガスを採取して分析し、その結果を比
較することにより、本来は検出器に検出されない物質で
も測定が可能となり、また、ピークの同定をより正確に
行うための情報を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1に示
す。同図において、1はヘッドスペースガスを採取する
ための試料容器であって、通常は内容積30〜100ミ
リリットルのガラスびんである。その底には、反応試薬
9を入れた皿状の試薬容器6を置き、その上を、鉄など
の磁性材料で作られ、反応性を抑えるために表面をテフ
ロンでコーティングされた蓋8で覆うが、蓋8は常時は
スプリング5の作用で持ち上げられているので、反応試
薬9を密閉するには至らない。蓋8の上には秤量した試
料(この場合は印刷物の紙片)4を置き、試料容器3の
口をシリコンゴムのセプタム2で封じ、温度と共に上昇
する内圧で開かないようにアルミ製のキャップ1で押さ
えてかしめる。
【0007】こうして試料4、反応試薬9を収めた試料
容器3をヘッドスペースガスサンプラの加熱ブロック1
0にセットし、分析所定の温度に加熱する。加熱ブロッ
ク10の下方、試料容器3の底に近い位置に電磁石11
が設けられており、これを励磁すると、蓋8はスプリン
グ5の力に抗して下方に引き付けられ、反応試薬9を上
部空間7から隔離するような形で密閉する。この状態で
所定時間おくと、試料容器3内の温度が上がり、試料4
から揮発成分がガスとして発生してくるので、通常のヘ
ッドスペースガス分析の場合と同様に、シリンジ(図示
せず)により上部空間7のガスを採取し、ガスクロマト
グラフで分析する。これが反応前の分析である。シリン
ジでガスを採取し、ガスクロマトグラフに導入する過程
は全て自動化された機構によって行われるが、本発明は
その自動機構の如何を問わないので、この部分は図1で
は省略してある。
【0008】次に、反応後の分析を行うには、電磁石1
1の励磁を切る。すると、蓋8を下方に引き付ける磁力
が失われるので、スプリング5の力で蓋が持ち上げら
れ、上部空間7に充満するガスが試薬容器6内の反応試
薬9と接触し、特定の物質はこれと反応する。適当な反
応時間をおいた後、再び上部空間7のガスを採取し分析
すればよい。反応前と反応後の分析結果を比較すれば、
反応試薬9と特異的に反応する特定の成分についての情
報を得ることができる。これについては、さらに具体的
に分析実例に基づいて以下に説明する。
【0009】図3は本発明になるヘッドスペースガスサ
ンプラを用いて行った分析の実例を示したもので、同図
Aは反応前、Bは反応後の分析の結果を示すクロマトグ
ラムである。この分析は、FIDでは検出できない水分
も他の有機溶剤類と同時に測定することを企図したもの
で、試料は前述の印刷物紙片、反応試薬はカーバイト
(炭化カルシウム)を用いた。図3において、A、Bの
クロマトグラムを比較すると、反応前(A)には存在し
なかったピーク1が、反応後(B)のクロマトグラムに
見られる。これは、試料から揮発した水分がカーバイト
と反応して生じたアセチレンのピークである。その反応
は、同図Cに反応式を示す通り、水2分子からアセチレ
ン1分子が生じるので、アセチレンを定量することによ
り元の水分の定量が可能となる。
【0010】ピーク2以降の成分については、別に行っ
た標準試料の分析(結果図示せず)から次のように同定
されている。 2:イソプロピルアルコール 3:アセトアルデヒド 4:メチルエチルケトン 5:n−ヘキサン 6:i−ブタノ−ル 7:トルエン 8:エチルベンゼン 9:m−キシレン + p−キシレン 10:o−キシレン
【0011】なお、この分析における分析条件は以下の
通りである。 カラム:DB−624、内径0.53mm、長さ30m カラム温度:40〜120℃(5℃/分で昇温) 検出器:FID(温度200℃) 試料注入口温度:200℃ 試料(ガス)注入量:0.5ミリリットル キャリアガス:ヘリウム(流量5ミリリットル/分) 試料(紙片)重量:0.6g 同加熱温度、時間:70℃、20分
【0012】図4は、装置、分析条件は図3と同じ、試
料もほぼ同じで、反応試薬9をアルデヒド類及びケトン
類と特異的に反応することで知られる2、4−ジニトロ
フェニルヒドラジン(2、4−DNPH)に変えて行っ
た分析の結果を示す。2、4−DNPHは、アルデヒド
類と同図Cに示す反応式によって反応し、アルデヒドの
2、4−ジニトロフェニルヒドラゾンを生成する。ケト
ン類も同様の反応によりケトンの2、4−ジニトロフェ
ニルヒドラゾンを生成する。これらの物質は不揮発性で
あるから、ヘッドスペースガス中に現れることはない。
このような反応上の知見にもとづいて図4を見ると、反
応前(A)には存在したピーク3、4が、反応後(B)
には消失していることから、この2つのピークはアルデ
ヒドまたはケトン類であるという定性上の情報を得るこ
とができ、他の情報と併せて総合判断することにより、
これらはアセトアルデヒド及びメチルエチルケトンであ
ると同定することができる。
【0013】上記の分析実例からもわかるように、本発
明になるヘッドスペースガスサンプラと適切な反応試薬
を用いると、ヘッドスペースガス分析において検出器の
特性を補ったり、定性上の情報を得てより正確に同定す
ることが可能となる。なお、図1における電磁石11を
永久磁石に置き換え、この永久磁石を試料容器3の底に
近づけたり遠ざけたりする機構を設けた場合も同様の機
能を有する。
【0014】図2は本発明の他の実施形態を示したもの
である。同図において、試料容器3の下部に、上部より
も内径の小さい試薬収納部31が突出しており、常時は
この試薬収納部31の内径よりも少し大きい直径を持つ
球状の蓋81が重力によって試薬収納部31の口を塞
ぎ、反応試薬9を上部空間7から隔離している。球状の
蓋81は、図1の場合と同様に、鉄などの磁性材料製で
表面はテフロンでコーティングされているものとする。
この状態で試料4を密封し、加熱ブロック10内にセッ
トして所定温度に所定時間保った後、ヘッドスペースガ
スを先ず分析する(反応前の分析)。その後、側方に設
けた電磁石11を励磁すると、球状の蓋81が引き付け
られて点線の位置に移動することにより試薬収納部31
の口が開くので、上部空間7のガスが反応試薬9と接触
する。以後は、図1の場合と同じく、反応後の分析を行
い、その結果を反応前のものと比較する。図2の実施例
は、最初に反応試薬9や蓋81を装填する作業が容易で
ある。即ち、空の試料容器3の試薬収納部31に反応試
薬9を入れ、次に球状の蓋81を落とし込み、その上に
試料4を入れてセプタム2とアルミ製のキャップ1で口
を封じることで装填作業をおわる。
【0015】以上、2つの実施形態を例示して説明した
が、これら以外にも本発明に包含されるべき多くの変形
が可能であり、また、その用途も、上述した印刷物の分
析に限定されない。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、特定の物質と特異的に反応する試薬を適切に選定し
て用いることにより、検出器の特性から本来検出不可能
な成分を検出したり、定性上の有力な情報を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図3】本発明になる装置を用いた分析の実例を示す図
である。
【図4】本発明になる装置を用いた分析の実例を示す図
である。
【符号の説明】
1…キャップ 2…セプタム 3…試料容器 4…試料 5…スプリング 6…試薬容器 7…上部空間 8…蓋 9…反応試薬 10…加熱ブロック 11…電磁石

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヘッドスペースガスをサンプリングするた
    めに試料を密閉収納する容器と、この容器内部に、前記
    試料から発生する揮発ガスと反応させるための反応試薬
    を収容する試薬収納部とこの収納部を前記揮発ガスから
    隔離する磁性材料からなる蓋材とを設けると共に、磁力
    を介して前記容器外から前記蓋材を開閉操作する機構を
    備えたことを特徴とするヘッドスペースガスサンプラ。
JP11104890A 1999-04-13 1999-04-13 ヘッドスペースガスサンプラ Pending JP2000292325A (ja)

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