JP2000292219A - フルイディック式ガスメータ - Google Patents

フルイディック式ガスメータ

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JP2000292219A
JP2000292219A JP11094295A JP9429599A JP2000292219A JP 2000292219 A JP2000292219 A JP 2000292219A JP 11094295 A JP11094295 A JP 11094295A JP 9429599 A JP9429599 A JP 9429599A JP 2000292219 A JP2000292219 A JP 2000292219A
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JP
Japan
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gas
valve
pressure
connecting rod
valve body
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JP11094295A
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English (en)
Inventor
Makoto Okabayashi
誠 岡林
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力変動除去手段の小流量時における圧力損
失を、予め定める範囲内に正確に収めること。 【解決手段】 ガスメータ本体35のガス流路に、ガス
の通過方向に沿って圧力変動除去手段37と、フルイデ
ィック流量計36とがこの順序で設けられる。弁座82
に着座可能な弁体42には、連結棒70の一端部112
が取付けられ、他端部は、ダイヤフラム43に連結さ
れ、このダイヤフラム43は、弁孔41よりも上流側の
圧力とガス排出口側の圧力との差圧が小さくなるにつれ
て、弁体42を弁座82に近接させる。弁体42と段差
状受け部116との間には、複数種類の厚みt1,t
2,t3を有する調整部材158が選択的に介在され
る。これらの各厚みt1,t2,t3は、0.3mmず
つ相互に異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フルイディック式
ガスメータに関する。
【0002】
【従来の技術】フルイディック式ガスメータは、フルイ
ディック流量計を有し、このフルイディック流量計は、
ガスが通過することによって交番圧力変化を発生させる
フルイディック素子と、この交番圧力変化によるフルイ
ディック発振の交番圧力波の周波数を検出し、この周波
数からガス流量を算出する流量測定器とを含む。供給さ
れるガスに圧力変動のノイズが含まれているとき、特に
小流量では、フルイディック素子のフルイディック発振
に悪影響を及ぼし、圧力変動がフルイディック発振の周
波数に近似したときには、ガス流量の正しい計測ができ
なくなる。この問題を解決するために、フルイディック
流量計よりもガス通過方向上流側に、圧力変動除去手段
を配置し、小流量時に流路抵抗を大きくし、ガスの圧力
変動ノイズが、フルイディック流量計に伝達されること
を抑制する。
【0003】大量生産させるフルイディック式ガスメー
タにおいて、圧力変動除去手段の圧力損失が上述のよう
に小流量時に適切な流路抵抗を有し、これによって圧力
変動除去手段による圧力損失が予め定める範囲内に設定
されなければならない。圧力変動除去手段による小流量
時の圧力損失が小さ過ぎると、ガス供給口の圧力変動ノ
イズを充分に小さくすることなく、その圧力変動ノイズ
がフルイディック流量計に与えられることになり、ガス
流量の正しい測定ができなくなるなどの悪影響が及ぼさ
れる結果になり、これとは逆に圧力損失が大き過ぎると
き、下流側のガス消費機器に供給されるガス燃料などの
圧力が低くなり、ガス消費機器の運転が困難になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大量
生産されるフルイディック式ガスメータに備えられる圧
力変動除去手段によって達成される小流量値の圧力損失
を、予め定める適切な範囲内に収めて品質を安定化する
ことができるようにしたフルイディック式ガスメータを
提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)ガス供
給口とガス排出口とにわたって連通するガス流路が形成
されるガスメータ本体と、(b)ガス流路に介在され、
ガスの通過によって発生した交番圧力変化に基づいてガ
ス流量を測定するフルイディック流量計と、(c)ガス
流路に、フルイディック流量計よりもガス通過方向上流
側で介在され、圧力変動を吸収する圧力変動除去手段で
あって、(c1)ガス供給口に連通し、横に延びる弁孔
が形成され、ガス通過方向下流側に臨む弁座を有する保
持体と、(c2)連結棒と、(c3)弁体であって、弁
孔に挿脱可能であり、連結棒の一端部が挿通される有底
筒体と、筒体に設けられ、弁座に当接可能な環状凸部と
を有する弁体と、(c4)連結棒の他端部が連結され、
ダイヤフラム室を、ガス流路のガス排出口側に連通する
第1空間と、ガス流路のガス供給口に連通する第2空間
とに仕切り、第1および第2空間の差圧によるダイヤフ
ラムを押す力と、弁体前後の差圧による弁体を押す力と
によって弁体を開閉動作させ、最大流量に近づくにつれ
て、弁体を弁座から大きく離脱させるダイヤフラムと、
(c5)連結棒またはガスメータ本体のいずれか一方に
固定される永久磁石片と、(c6)強磁性材料から成
り、連結棒またはガスメータ本体のいずれか他方に固定
され、弁体と弁座とによる小流量時に、永久磁石片とと
もに磁気吸引力を発揮する吸引片とを有し、(c7)弁
体の筒体と環状凸部とを、連結棒の軸線方向に調整可能
に構成した圧力変動除去手段とを含むことを特徴とする
フルイディック式ガスメータである。
【0006】本発明に従えば、ガスメータ本体のガス流
路には、ガスの通過方向に沿って圧力変動除去手段とフ
ルイディック流量計とがこの順序で配置され、圧力変動
除去手段では、保持体に形成された横に延びる弁孔を開
閉するために弁体は、ダイヤフラムによって横方向、た
とえば水平方向に駆動され、弁孔よりもガス通過方向上
流側の圧力と、ガス排出口側の圧力との差圧が大きくな
るにつれて、弁体が弁座から離間され、これとは逆に差
圧が小さい小流量時に、弁体が弁座に近接し、、または
着座し、圧力損失が大きくなる。
【0007】ガスの小流量時に、圧力変動除去手段によ
る圧力損失が大きくなることによって、流量が計測され
るべきガスの圧力変動ノイズによるフルイディック素子
のフルイディック発振に悪影響が生じることが防がれ
る。
【0008】特に本発明によれば、弁体の有底筒体は、
弁孔に挿脱可能であり、弁体の筒体に設けられた環状凸
部は、弁座に当接可能であり、環状凸部が弁座に当接し
た状態で、弁孔を閉じることができる。弁座と環状凸部
との間の環状のガス流路断面積S1と、筒体の外周面と
弁孔の内周面との隙間によって形成されるガス流路断面
積S2とによって、小流量時に、供給されるガスの圧力
変動ノイズによってフルイディック流量計が悪影響を受
けないように予め定める範囲に圧力損失を大きくするこ
とができ、この小流量域以上である大流量域では、圧力
損失を充分低下してガスを供給することができ、この大
流量域では、ガスの圧力変動ノイズが緩和され、フルイ
ディック流量計が悪影響を受けることはない。こうして
広い流量範囲にわたって、ガスの正確な流量を計測する
ことができる。
【0009】小流量時、前述の第1流量断面積S1が支
配的になって、圧力変動除去手段の流路抵抗が定まり、
適切な圧力損失が得られる。流量がさらに大きくなった
とき、第2流路断面積S2が、流路抵抗に支配的となっ
て、圧力損失が減少し、さらに筒体が弁孔から離脱する
ことによって、圧力損失が大きく低下する。
【0010】特に本発明に従えば、弁体を構成する筒体
と環状凸部とを、連結棒の軸線方向に調整可能にし、す
なわち連結棒の軸線方向における筒体と環状凸部とが連
結棒と相対的に成す位置を調整可能にする。
【0011】永久磁石片と磁気吸引力を発揮する吸引片
とが、連結棒と、保持体、したがってガスメータ本体と
にそれぞれ固定され、弁体と弁座とによる絞り開度が小
さい小流量時に、予め定める範囲内の圧力損失が、安定
して得られることを可能にする。この磁気吸引力によっ
て、外乱などによる圧力変動によって弁体が弁座から離
間して開こうとしても、小さい絞り開度を維持すること
ができる。これによって圧力変動を減衰させ、フルイデ
ィック流量計による測定精度を高く保つことができる。
永久磁石片は連結棒またはガスメータ本体のいずれか一
方に固定され、吸引片はいずれか他方に固定される。永
久磁石片とともに磁気吸引力を発生する吸引片は、もう
1つの永久磁石片によって実現されてもよい。
【0012】弁座との間で絞り開度を実現する弁体の筒
体および環状凸部とは、連結棒の軸線方向に調整されて
設定され、これによって永久磁石片と吸引片との離間距
離Lgを調整して希望する値に適切に設定することがで
きる。小流量時における圧力変動除去手段の圧力損失
は、永久磁石片と吸引片との閉弁方向の磁気吸引力fm
gに依存する。換言すると、圧力変動除去手段によって
得られる圧力損失は、閉弁方向の磁気吸引力fmgと、
弁体の両側で発生する圧力損失ΔPによって弁体が弁座
から離間する開弁方向の力fvとのバランスによって、
決まる。圧力損失ΔPが作用する弁体の受圧面積をSv
とするとき、小流量時の圧力損失ΔPによる弁体に作用
する開弁方向の力fvは、fv=Sv・ΔPである。永
久磁石片と吸引片との離間距離Lgを、弁体の筒体、環
状凸部の連結棒との相対的な位置の調整によって設定
し、こうして前述の磁気吸引力fmgと弁体に作用する
開弁方向の力fvとのバランスを変化させることによっ
て、小流量時の圧力損失ΔPを調整し、この圧力損失Δ
Pを、予め定める範囲内に収めることができる。こうし
て圧力変動除去手段の小流量時における圧力損失を適切
に定め、品質を安定化することができるようになり、品
質管理の検査で不良品を生じることをなくすことができ
る。調整部材を取外し交換することによって、小流量時
における圧力変動除去手段の圧力損失を予め定める範囲
に適切に設定することが容易に可能であり、生産性が向
上される。
【0013】また本発明は、連結棒の前記一端部寄りに
は、弁体よりもダイヤフラム側に、受け部が形成され、
連結棒の前記一端部を取外し可能に挿通し、弁体と受け
部との間に介在され、厚みt1,t2,t3が予め調整
された調整部材を含むことを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、連結棒の軸線方向におけ
る弁体の筒体および環状凸部の位置を調整するために、
その厚みt1,t2,t3が予め調整された調整部材を
選択的に用いる。調整部材は、連結棒の一端部に挿通
し、弁体と、連結棒に形成された受け部との間に介在さ
れる。弁体には、ガスメータ本体のガス供給口などの一
次圧が作用し、この弁体に作用する力fvは、調整部材
を介して連結棒の受け部で受けられる。受け部は、連結
棒に形成された段差などであってもよいけれども、その
他の構造であってもよい。
【0015】また本発明は、調整部材の厚みt1,t
2,t3は、ガス供給口の圧力変動ノイズを、フルイデ
ィック流量計の流量測定動作に悪影響を及ぼさないよう
に除去すべき小流量時における圧力変動除去手段による
圧力損失が予め定める範囲(ΔP1c〜ΔP2c)内に
なるように、圧力変動除去手段の寸法のばらつきに対応
して、定められることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、調整部材の厚みt1,t
2,t3は、圧力変動除去手段の寸法のばらつき、すな
わち圧力変動除去手段を構成する構成要素である保持
体、連結棒、弁体、ダイヤフラム、永久磁石片および吸
引片、さらにはガスメータ本体などの寸法公差に対応し
て、定められる。こうして各種の厚みt1,t2,t3
を有する調整部材を用いることによって、小流量時の圧
力損失を予め定める範囲内に設定することが容易に可能
である。
【0017】また本発明は、調整部材は、前記予め定め
る範囲の少なくとも下限値ΔP1c、中央値ΔPcおよ
び上限値ΔP2cにそれぞれ対応して、定められた複数
種類の厚みt1,t2,t3のうちの1つを有すること
を特徴とする。
【0018】本発明に従えば、調整部材は、少なくとも
3種類の厚みt1,t2,t3をそれぞれ有するよう
に、構成される。たとえば大量生産時における圧力変動
除去手段による圧力損失が、前記予め定める範囲(ΔP
1c〜ΔP2c)内の中央値ΔPcが得られるように調
整部材の厚みt2が大量生産値の標準値として用いられ
る場合、その標準値の厚みt2を有する調整部材を用い
たとき、圧力変動除去手段の圧力損失が予め定める範囲
未満であるとき、下限値ΔP1cに対応して前記標準値
の厚みt2未満である厚みt1を有する調整部材が選択
して用いられる。標準値の厚みt2を有する調整部材を
用いたとき、圧力損失が予め定める範囲を超えるとき、
上限値ΔP2cに対応して標準値の厚みt2を超える大
きい厚みt3を有する調整部材が選択して用いられる。
こうして調整部材を選択することによって、小流量時の
圧力損失を予め定める範囲内にすることができる。
【0019】また本発明は、前記小流量は、1200〜
2500L/h未満であり、前記予め定める範囲は、1
60〜190Paであり、複数種類の各厚みt1,t
2,t3は、0.3mmずつ相互に異なることを特徴と
する。
【0020】本発明に従えば、圧力変動除去手段によっ
て圧力変動ノイズを除去すべき小流量というのは、たと
えば1200〜2500L/h未満の流量値であり、た
とえば500〜800L/hであってもよい。Lはリッ
トルを表す。この小流量時の好ましい圧力範囲は、たと
えば160〜190Paであり、または150〜200
Paであってもよい。複数種類の調整部材の各厚みt
1,t2,t3は、たとえば0.3mmずつ相互に異な
る構成とし、後述の本発明の実施の一形態では、たとえ
ばt1=1.7mm、t2=2.0mm、t3=2.3
mmに選び、この厚みの差0.3mmは、圧力損失約1
5Paに対応する。
【0021】また本発明は、請求項4または5のフルイ
ディック式ガスメータを準備し、中央値ΔPcに対応す
る厚みt2を有する調整部材を用いて、圧力損失を測定
し、その測定した圧力損失が、前記上限値ΔP2c付近
または前記下限値ΔP1c付近であるとき、上限値ΔP
2cまたは下限値ΔP1cに対応する厚みt3,t1を
有する調整部材に交換することを特徴とするフルイディ
ック式ガスメータの製造方法である。
【0022】本発明に従えば、フルイディック式ガスメ
ータを大量生産するにあたり、先ず、予め定める範囲
(ΔP1c〜ΔP2c)の中央値ΔPcに対応する標準
値の厚みt2を有する調整部材を用いて、小流量時の圧
力損失を測定する。この測定した圧力損失が予め定める
範囲の上限値または下限値付近であるとき、すなわち予
め定める範囲内またはその範囲外であって、上下限値に
近い値であるとき、それらの上下限値に対応する厚みt
3,t1を有する調整部材を用い、これによって小流量
値の圧力損失を予め定める範囲内に収める。標準値の厚
みt2を有する調整部材を用いたときの圧力損失が、予
め定める範囲から大きく外れていても、適切な厚みt
1,t3を有する調整部材を用いて、その圧力損失が予
め定める範囲内になるように調整することが容易に可能
である。
【0023】また本発明は、連結棒の前記一端部寄りに
は、弁体よりもダイヤフラム側に、受け部が形成され、
弁体は、筒体からダイヤフラム側に突出した取付け筒部
を有し、この取付け筒部は、受け部に当接して受けら
れ、取付け筒部の突出長さtaが予め調整されているこ
とを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、前述の調整部材を用いる
代りに、弁体に形成された取付け筒部の突出長さta
が、複数種類にわたって予め調整される。これらの複数
種類の相互に異なる突出長さtaを有する各弁体を交換
して、小流量時の圧力損失を予め定める範囲内に収める
ようにすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
フルイディック式ガスメータ31に含まれる圧力変動除
去手段37の縦断面図であり、図2は図1に示される圧
力変動除去手段37を備えるフルイディック式ガスメー
タ31の全体の構成を示す縦断面図である。フルイディ
ック式ガスメータ31は、ガス供給口32と、ガス排出
口33とを有し、ガス供給口32とガス排出口33とに
わたって連通するガス流路34が形成されるガスメータ
本体35と、ガス流路34に介在され、ガスの通過によ
って発生した交番圧力変化に基づいてガス流量を測定す
るフルイディック流量計(計量手段)36と、このフル
イディック流量計36よりもガス通過方向上流側で前記
ガス流路34に介在され、上流の配管より伝わってくる
圧力変動を吸収する圧力変動除去手段37と、前記ガス
流路34におけるフルイディック流量計36および圧力
変動除去手段37間に、たとえば感震器によって検出さ
れた地震、過大流量、過小流量および温度上昇などの異
常時に前記ガス流路34を遮断する遮断弁38と、この
遮断弁38および後述の各種のセンサなどに駆動電力を
供給する電池とを備える。
【0026】圧力変動除去手段37は、ガス流路34の
ガス供給口32側の圧力P1とガス排出口33側の圧力
P3との差圧が大きくなったとき、弁孔41を開放し、
かつ前記ガス流路34のガス供給口32側の圧力P1と
ガス排出口33側の圧力P3との差圧が小さくなったと
き弁孔41を閉鎖する弁体42と、この弁体42に同軸
に連結されるゴムなどの弾発力を有する材料から成るダ
イヤフラム43とを有する。このダイヤフラム43によ
って、ダイヤフラム室44がガス流路34のガス排出口
33側に連通する第1空間45と、ガス流路34のガス
供給口32側に連通する第2空間46とに仕切られ、第
2空間46内の圧力P1と、第1空間45内の圧力P3
との差圧(P1−P3)によるダイヤフラム43の変位
によって、前記弁体42を開閉動作する。後述の弁室6
7から通路58、弁室59、弁孔60、および通路61
を通過したガスは、通路62内の圧力P2となり、また
第1空間45内の圧力P3は、後述のフルイディック素
子50内を通過した後のガス排出口33側の圧力と同圧
である。
【0027】これらの弁体42およびダイヤフラム43
は、ガスメータ本体35の予め定める配置状態、すなわ
ち上部47を鉛直上方にし、下部48を鉛直下方にして
ガス供給口32およびガス排出口33を下方に臨ませた
配置状態に対して作動方向が水平となるように設けられ
る。第1空間45は、ガス排出口33に圧力導入通路4
9を介して連通し、したがってガス排出口33と第1空
間45とは同圧である。ガスメータ本体35の図2に示
す正面側には、フルイディック素子50によって発生し
たフルイディック発振による交番圧力変化を検出するた
めの振動検出センサ51が設けられ、これらのフルイデ
ィック素子50と振動検出センサ51とを含んで、フル
イディック流量計36を構成する。このフルイディック
流量計36は、150L/h以上の流量を測定すること
が可能であるけれども、150L/h未満の小流量を検
出することができないので、フルイディック素子50の
上部には、約3〜250L/hの範囲で流量を測定する
ことができるフローセンサ52が設けられる。
【0028】ガスメータ本体35には、ガス供給口32
に近接して圧力変動除去手段37が嵌まり込んで収納さ
れる第1収納空間57、通路58、遮断弁38の弁体6
4が収納される弁室59、弁孔60、通路61、通路6
2およびフルイディック素子50が収納される第2収納
空間63がこの順序で形成され、ガス流路34を構成す
る。
【0029】圧力変動除去手段37は、ガス流路34の
一部を構成する前記通路58に連通し、前記弁体42が
収納される弁室67と、前記ダイヤフラム43が収納さ
れるダイヤフラム室44とを仕切る隔壁68を有し、こ
の隔壁68には、前記弁室67と前記ダイヤフラム室4
4とを連通し、ダイヤフラム43の作動速度を制限する
透孔69が形成される。弁体42とダイヤフラム43と
は弁棒である連結棒70によって同軸に連結され、隔壁
68には前記連結棒70がその軸線に沿って変位自在に
挿通するスリーブ71が一体的に形成される。スリーブ
71内には直円筒状の滑り性の良好な金属、たとえば真
ちゅうもしくは表面に亜鉛メッキされた鉄などの材料、
または合成樹脂から成るすべりスラスト軸受72が収納
され、前記連結棒70を気密に近い状態で軸線方向に移
動自在に保持している。
【0030】スリーブ71の第2空間46側に突出する
一端部には、非磁性体から成る環状のスペーサ73と、
強磁性体から成る環状の吸引片74とが嵌着される。ダ
イヤフラム43の中央部は、2枚の円形の挟持板75
a,75bによって挟持され、これらの挟持板75a,
75bおよびダイヤフラム43には、連結棒70の前記
第2空間46側に配置される第1端部に形成される小径
軸部76が挿通する。各挟持板75a,75bのうち第
1空間45側に配置される挟持板75aから突出する前
記小径軸部76には環状の永久磁石片77が装着され、
この永久磁石片77にはたとえば非磁性体から成るカバ
ー体78が嵌着され、小径軸部76の先端部に装着され
た抜止めリング79によって抜止めされた状態で、前記
永久磁石片77が外部に露出しない状態で取付けられて
いる。これらのスペーサ73、吸引片74、連結棒70
の小径軸部76、カバー体78および抜止めリング79
を含んで、磁気吸引手段81を構成する。このような磁
気吸引手段81によって、弁体42が前記弁孔41を外
囲する弁座82に着座した状態で外乱などによる圧力変
動によって弁体42が開こうとしても、弁座82に着座
した状態を維持することができ、これによって圧力変動
を減衰することができ、前記フルイディック流量計36
による測定精度が低下することが防がれる。
【0031】ダイヤフラム43の周縁部は前記隔壁68
を底部とする有底筒状の第1保持体83の周壁84に気
密に嵌着されて保持される。この周壁84は前記ダイヤ
フラム43の周縁部が嵌まり込む大径部85aと、大径
部85aに同軸に連なり、前記隔壁68が一体的に形成
される小径部85bとを有する。小径部85bの外周面
上には大略的に円筒状の第2保持体86の軸線方向一端
部が嵌まり込む。この第2保持体86には、弁室67と
この圧力変動除去手段37よりもガスの通過方向下流側
のガス流路である通路58とに連通するガス流出孔87
が形成される。前記第1保持体83と第2保持体86と
によって筒体89を構成する。
【0032】第2保持体86の軸線方向他端部寄りに
は、径孔90が形成され、径孔90と前記各ガス流出孔
87との間には、Oリング92が嵌まり込む環状凹溝9
3が形成される。Oリング92は、圧力変動除去手段3
7をガスメータ本体35の第1収納空間57に装着した
状態で、この第1収納空間57を規定する内周面に弾発
的に周方向全周にわたって当接し、気密を達成してガス
の漏洩を防止することができる。
【0033】前記隔壁68にはまた、弁室67内に突出
する連結棒70の一部、スリーブ71の一部、および軸
受72の一部を外囲する環状である大略的に直円筒状の
当接片96が一体的に形成される。この当接片96の外
径は、弁体42の外径の約1/2に選ばれ、全開状態の
弁体42を弁室67側で安定して支持することができ
る。このような当接片96の終端部には、周方向の一部
分が切欠かかれた切欠き97が形成される。この切欠き
97によって、弁体42が全開状態で当接片96に当接
して支持された状態であっても、弁室67と当接片96
によって外囲される内部空間とを等圧として、弁室67
と第2空間46とを前記透孔69を介して連通させるこ
とができる。
【0034】連結棒70の弁室67側に配置される軸線
方向一端部112は、弁体42を挿通して連結される。
【0035】図3は、弁体42の断面図である。弁体4
2は、保持体86の弁孔41に挿脱可能な有底筒体13
1と、この筒体131に設けられる環状凸部132とを
有する。筒体131は、円板状の底133と、筒部13
4とを有する。筒部134の外形は、直円筒状である。
環状凸部132の弁座82に当接可能な当接面135
は、弁体42の軸線に垂直である。
【0036】弁孔41の内径Wvと、弁体42の筒体1
31における筒部134の外径Wpとの隙間d1は、本
件発明者の実験によれば、たとえばd1=0.7mmに
選ばれ、筒体131と弁孔41との製作上の各寸法交差
±0.1mmを考慮すると、たとえばd1=0.7±
0.2mmに選ばれる。
【0037】 Wp = Wv−d1 …(1) 筒体131の長さTpは、3.0〜4.0mmに選ば
れ、弁孔41の長さTvは、3.0〜4.0mmに選ば
れ、こうして筒体の長さTpと弁孔の長さTvとは、ほ
ぼ等しい値に選ばれる。長さTp,Tvは、好ましくは
3.5mmに選ばれる。さらに本件発明者の実験では、
弁孔41の内径Wvは、たとえば41.0〜41.5m
mに選ばれる。この内径Wvを固定し、外径Wp、した
がって(Wv−Wp)の値と、長さTp,Tvの各値
を、最適化する。筒体131の外径Wpが小さく選ばれ
るにつれて、ガス流量が小さいとき、弁体42が全開の
方向に動かすことができるようになる。筒体131の長
さTpがたとえば1mmであって小さいとき、圧力損失
の下がり方は緩やかであり、圧力損失を充分小さくする
ことができる。この長さTpを3mmとして大きくする
ことによって、圧力損失の下がり方を急勾配にすること
ができ、大流量域での圧力損失は比較的小さくなる。
【0038】弁孔41の長さTvを、前述の2〜3mm
よりも短くしても、または長くしても、筒体131の長
さTpが零でない限り、筒体131の外周面と弁孔41
の内周面との隙間d1は、弁体42の筒体131が弁座
82を、軸線方向に図3の左方に離れるまでは、重なっ
ているので、不変である。したがって圧力損失の流量Q
に依存する特性は、これらの長さTp,Tvによって変
化させることができる。たとえば弁孔41の長さTv
を、たとえば1〜5mmに選んでもよい。
【0039】環状凸部132の外径Dwは44mmであ
り、環状凸部132の長さL1=3mmである。さらに
弁体42の挿通孔141の内径D1=3.25mmであ
る。さらに取付け筒部142によって形成される挿通孔
141の長さL2=9.0mmである。
【0040】連結棒70の一端部112には、ピンが挿
通され、またはEリング145が係止され、弁体42が
連結棒70から離脱することが防がれて、抜止めが達成
される。この弁体42は、連結棒70の一端部112の
受け部である段差116に当接し、弁体42が弁座82
に着座するように押付けられることができる。
【0041】弁体42の筒体131の弁孔41に対応す
る周縁部143は、弁孔41に向かって先細状となる円
弧状であり、この実施の形態では、約4分円の円弧状で
あり、その半径Rpは1.5〜2.5mmであり、好ま
しくは2.0mmである。さらに弁孔41の弁座82に
連なる内周面144は、弁座82に近づくにつれて、す
なわち図3の左方になるにつれて、内径が大きくなる。
その内周面144は、約半円の円弧状であって、その半
径Rp1=0.5mmである。
【0042】図4は、連結棒70の一端部112とその
付近の分解斜視図である。一端部112の遊端部の環状
切欠き157には、Eリング145が取外し可能に嵌ま
り込む。弁体42の筒体131と環状凸部32とが、連
結棒70の軸線方向(図3および図4の左右方向)の位
置を調整して設定することができるようにするために、
本発明の実施の一形態では、3種類の厚みt1,t2,
t3をそれぞれ有する調整部材158a,158b,1
58c(総括的に参照符158で示すことがある)が用
いられる。調整部材158には、連結棒70の一端部1
12が取外し可能に挿通する。この調整部材158は、
弁体42の筒体131と、受け部である段差116との
間に介在される。連結棒70の一端部112は、連結棒
本体111よりも小径である。
【0043】図5は調整部材158の平面図であり、図
6はその調整部材158の断面図である。調整部材15
8は、連結棒70の一端部112が取外し可能に挿通す
る挿通孔159が形成される。調整部材158の一端面
160は、弁体42の筒体131におけるダイヤフラム
43側の端面に当接し、もう1つの端面161は、段差
116に当接する。
【0044】図7は、本件ガスメータ31における圧力
変動除去手段37の小流量時における永久磁石片77と
吸引片74との離間距離Lg(前述の図1参照)と圧力
損失ΔPとの関係を示す本件発明者の実験結果を示すグ
ラフである。図7においてガスの流量は、500L/h
である。この実験結果から、離間距離Lgが0.1mm
増加すると、圧力損失ΔPは、約5Paだけ低下するこ
とが判る。小流量時に、ガスの圧力変動ノイズがフルイ
ディック流量計36に悪影響を及ぼさないようにするた
めに圧力変動除去手段37によって達成すべき圧力損失
ΔPの予め定める範囲は、設計の標準値である中央値Δ
Pc=175Paであり、下限値ΔP1c=160Pa
であり、上限値ΔP2c=190Paである。実用上、
許容される圧力損失の範囲は、ΔP1=150Paから
ΔP2=200Paである。
【0045】
【数1】
【0046】したがって本件発明の実施の一形態では、
中央値ΔPc=175Paを基準値とし、±15Paの
範囲内に、調整部材158を用いて小流量時の圧力損失
ΔPを収めるようにするために、厚みt1,t2,t3
が定められる。
【0047】図8は、調整部材158の厚みtと、圧力
変動除去手段37の小流量時の圧力損失ΔPとの関係を
示す図である。図8の斜線を施して示すライン162〜
164は、本件ガスメータ31の大量生産時において、
圧力変動除去手段によって得られる小流量時の圧力損失
ΔPが得られる確率または頻度を示す。予め定める範囲
(ΔP1c〜ΔP2c内における中央値ΔPcにおい
て、厚みt2を有する調整部材158bを用いるとき、
適切な圧力損失ΔPが得られる。この中央値ΔPcに対
応する厚みt2を有する調整部材58bを用いたときに
おける圧力変動除去手段37の小流量時の圧力損失ΔP
の測定結果が、参照符165で示されるように、下限値
ΔP1c未満で発生したとき、その圧力損失ΔPを、前
記予め定める範囲内に収めて、参照符163で示される
適正値とするために、その下限値ΔP1cに対応する厚
みt1を有する調整部材158aが、調整部材158b
に代えて用いられる。
【0048】また調整部材158bを用いたときにおけ
る圧力損失の測定値が、参照符166で示されるよう
に、上限値ΔP2cを超えるとき、参照符164で示さ
れるように適正な値とするために、その上限値ΔP2c
に対応する厚みt3を有する調整部材158cが、調整
部材158bに代えて用いられる。たとえばt1=1.
7mm、t2=2.0mm、t3=2.3mmであって
もよく、このように、各厚みt1〜t3は、0.3mm
ずつ相互に異なって設定される。
【0049】図9は、図1〜図8に示される実施の形態
における本件圧力変動除去手段37の流量Qに依存する
圧力損失ΔPを示す図である。図9のように、流量Q1
(800L/h)未満の範囲では、フルイディック流量
計36は、供給されるガスの圧力変動の悪影響を受けや
すく、このとき参照符137で示されるように比較的高
い圧力損失を、許容値ΔP1以上で、しかも圧力変動ノ
イズに効果的な圧力損失ΔP2未満の範囲で、得ること
ができる。予め定める流量Q2以上の大流量時に、圧力
損失を急激に低下することができる。弁座82の、した
がって弁孔41の内径Wvは、約41mmに、またWp
との隙間d1は約0.7mmに設定される。図3に示さ
れるように、弁体42の弁座42からの軸線方向の離間
した距離である開度をαとするとき、凸部132と弁座
82との間の環状の流路断面積S1は、 S1 ≒ π・Wv・α …(4) である。弁体42の筒体131の外周面と、弁孔41の
内周面との隙間d1によって形成される第2流路断面積
S2は、 S2 ≒(π/4)・(Wv2−Wp2) …(5)
【0050】弁体42が弁座82から、図3の左方に離
間し、流量Qが増大し、開度αが、予め定める値αc以
上になると、流量Q2において、図9(2)に示される
ように、第1流路断面積S1よりも第2流路断面積S2
の方が小さくなり、大小関係が逆転し、したがって圧力
変動除去手段37の圧力損失は、第2流路断面積S2に
よって決定されることになる。流量Q2は、たとえば前
述のように1800L/hであり、その流量Q2以上の
大流量範囲では、第2流路断面積S2が、圧力損失に対
して支配的になる。弁体42の底133が、弁座82か
ら離間せず、筒部134が弁孔41内にあるときには、
弁体42が図3の左方に変位しても、第2流路断面積S
2は増加しない。底133が弁座82から離間すること
によって、弁体42と弁座82との間の流路断面積は、
弁体42の図3の左方の変位に応じて急激に増大し、圧
力損失が急減する。弁体42の位置は、次に述べる力の
バランスによって定まる。弁体42が弁座82から離間
して開く方向の力をF0とし、弁体42が弁座82に近
づいて閉じる方向の力をFcとするとき、次の式が成立
する。
【0051】 F0 = Sb・ΔP …(6) Sb = (π/4)・Wv2 …(7) Fc = fmg+fd …(8) Sbは、弁孔41の流路断面積である。fmgは、ダイ
ヤフラム43に取付けてある永久磁石片77と磁気吸引
片74との間の磁気吸引力を含み、fdは、ダイヤフラ
ム43が元に戻ろうとする図3の右方への力である。力
のバランスは次のようになる。
【0052】 F0 = Fc …(9) Sb×ΔP = fmg+fd …(10) (π/4)・Wv2・ΔP = fmg+fd …(11) Q1は、たとえば1200〜2500L/h未満の値に
定められてもよい。
【0053】式11の力fmgは、図9(3)に示され
る永久磁石片77と、磁気吸引片74との磁気吸引力で
あって、弁体42の弁座82からの離間移動によって急
激に小さくなる。すなわち流量Q2であるたとえば18
00L/h以上の大流量域では、磁気吸引力fmgは、
充分に小さく、差圧ΔPも充分に小さくなり、弁体42
が弁座82を離れて、全開に移る状態となる。こうして
流量Q2以上の大流量域では、圧力損失ΔPが急激に減
少することができるようになる。
【0054】再び図3を参照して、取付け筒部142
は、筒体の底133から弁孔41に向かって筒体131
の底133から突出する。この取付け筒部142の外径
は、筒体131の底133に近づくにつれて大きく形成
され、図3に示される半径R5は、たとえば5〜8mm
であってもよく、ガスの乱流を防ぐ。筒体131の底1
33の周縁部143を円弧状とし、さらに好ましくは弁
座82の内周面144を円弧状にすることによって、弁
体42が図3の状態で未接触の状態から、さらに弁孔4
1の軸線方向内方(図3の右方)に変位するとき、弁体
42が弁孔41に円滑に案内されて、当接面135が弁
座82に正確に着座することができる。
【0055】取付け筒部の挿通孔141の内径D1と、
その挿通孔141に挿通される連結棒70の一端部11
2の外径D3との差ΔD(=D1−D3)は、標準値を
0.25mmとし、かつ製作上必要な寸法公差を±0.
1mmとするとき、約0.05〜0.45mmに選ぶ。
前記差ΔDを標準の値として、0.25mmに選ぶこと
によって、連結棒70と弁体42との正確な取付けが可
能になり、本発明の実施の他の形態では、その差ΔD
は、0.25〜0.45mmに選ばれてもよい。
【0056】図10は、本発明の実施の他の形態の弁体
42の断面図である。この実施の形態は、前述の実施の
形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。
注目すべきはこの実施の形態では、取付け筒部142a
は、筒体131からダイヤフラム43側(図10の左
方)に突出して形成される。参照符142bで示される
取付け筒部は、図1〜図9に関連して前述した弁体42
の取付け筒部142と同様に構成され、ダイヤフラム4
3とは反対側(図10の右方)に突出する。本発明に従
えば、取付け筒部142aの弁体131におけるダイヤ
フラム43側の端面からの突出長さtaが予め調整され
る。この突出長さtaは、前述の実施の形態における3
種類の調整部材158a,158b,158cの厚みt
1,t2,t3にそれぞれ等しい値に定められ、この実
施例ではたとえば3種類の弁体42が予め準備される。
こうして複数種類の厚みtaを有する弁体42が選択的
に用いられて、圧力変動除去手段37における小流量時
の圧力損失ΔPが前記予め定める範囲に納められること
が可能になる。
【0057】上述の実施の各形態では、弁体42の重心
Gは、取付け筒部142;142a,142bの軸線上
で、その取付け筒部142内にある。したがって連結棒
70の一端部が弁体42の筒体131を挿通した状態に
おいて、連結棒70の軸線と弁体42の軸線とは一致
し、連結棒70と弁体42の筒体131の底133と
は、ほぼ垂直である状態が保たれるとともに、弁体42
は、連結棒70の一端部112に安定した姿勢で取付け
られており、弁体42の筒体131の底133が、連結
棒70の軸線に垂直な状態が保たれ、底133が連結棒
70の軸線に対して垂直以外の角度で傾斜して支持され
ることを防ぐことができる。したがって筒体131の底
133を、弁座82に正確に着座させることができ、ま
たは弁座82にごく近接させることができる。したがっ
て小流量域で、弁の開度が小さいとき、正確な圧力損失
を得ることができ、これによって、流量が計測されるべ
きガスの圧力変動ノイズを除去し、フルイディック流量
計によってガスの流量を正確に計測することができるよ
うになる。
【0058】特に図10の実施の形態では、取付け筒部
142a,142bは、筒体131の底133から、弁
体42の軸線方向両側に突出して形成される。したがっ
て取付け筒部142a,142bは、弁体42の筒体1
31の底133から、軸線方向両側に突出して形成さ
れ、すなわち弁座82に臨んで弁孔41の軸線方向内方
(図3および図10の右方)に突出して延びるととも
に、ダイヤフラム側(図10の左方)にも突出して延び
る。このようにして弁体42の重心Gが、取付け筒部の
軸線上に正確に存在することができるようになる。
【0059】
【発明の効果】請求項1の本発明によれば、ガスメータ
本体のガス流路には、ガスの通過方向に沿って圧力変動
除去手段とフルイディック流量計とがこの順序で設けら
れ、圧力変動除去手段では、たとえば水平方向である横
に延びる弁孔の上流側の圧力と、ガス排出口側の圧力と
の差圧によってダイヤフラム、したがって連結棒および
弁体が横、たとえば水平方向に変位し、小流量時に、弁
体が弁座に近接し、圧力損失を増大し、これによって流
量が計測されるべきガスの圧力変動ノイズが、フルイデ
ィック流量計に伝播することを防ぐことができる。この
ように連結棒および弁体は、ダイヤフラムによって横に
変位駆動されるので、その自重に起因してダイヤフラム
に作用する力を増大するためにダイヤフラムの受圧面積
を大きくする必要がなく、構成を小形化することができ
る。
【0060】本発明によれば、小流量時における圧力変
動除去手段の圧力損失を予め定める範囲内に収めるため
に、弁体に形成されている凸体と環状凸部との連結棒に
おける相対位置を調整して設定し、これによって小流量
時における永久磁石片と吸引片とによって発生される磁
気吸引力を調整することができ、したがってこの閉弁方
向の磁気吸引力fmgと小流量時の圧力損失によって弁
体に作用する開弁方向の力fvとのバランスを調整し、
こうして小流量時の圧力損失を適切な範囲に容易に設定
することができる。したがって大量生産されるフルイデ
ィック式ガスメータの品質管理の検査で不良品が生じる
ことをなくし、品質を高く安定して保つことができるよ
うになる。
【0061】請求項2の本発明によれば、厚みが予め調
整された調整部材を、弁体と連結棒の受け部との間に介
在し、これによって弁体に形成された筒体および環状凸
部と連結棒との相対的な位置を調整し、したがって前述
のように永久磁石片と吸引片との小流量時における離間
距離Lgを設定することは容易に可能になる。
【0062】請求項3の本発明によれば、圧力変動除去
手段の寸法のばらつき、したがって寸法公差に対応し
て、調整部材の厚みが定められ、これによってできるだ
け少ない種類の厚みを有する調整部材を予め準備し、そ
の調整部材を選択的に用いることによって、多数の圧力
変動除去手段による小流量時の圧力損失を予め定める範
囲に正確に収めることができるようになる。
【0063】請求項4の本発明によれば、調整部材の厚
みは、予め定める範囲の中央値ΔPc、上下限値ΔP2
c,ΔP1cの合計少なくとも3種類を準備し、大量生
産された多数の圧力変動除去手段の小流量時の圧力損失
を、予め定める範囲内に正確に収めることができるよう
になる。
【0064】請求項5の本発明によれば、ガス燃料の小
流量における圧力損失の予め定める範囲に、多数の圧力
変動除去手段の小流量値の圧力損失を収めることができ
るようにするために、その厚みを、0.3mmずつ相互
に異なるように構成すればよく、こうして各種類の厚み
を有する調整部材を選択し、多数の圧力変動除去手段の
小流量時における圧力損失を予め定める範囲に正確に収
めることが可能になる。
【0065】請求項6の本発明によれば、中央値ΔPc
に対応する標準値の厚みt2による圧力損失の測定結果
に基づき、上下限値ΔP2c,ΔP1cに対応する厚み
t3,t1を有する調整部材に選択的に交換し、こうし
て圧力変動除去手段は、したがってフルイディック式ガ
スメータの生産性を向上することができる。
【0066】請求項7の本発明によれば、弁体の筒体か
らダイヤフラム側に突出した取付け筒部の突出長さta
が相互に異なる構成を準備し、この弁体を交換すること
によって、多数の圧力変動除去手段の小流量時の圧力損
失を、予め定める範囲内に正確に収めることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のフルイディック式ガス
メータ31に含まれる圧力変動除去手段37の縦断面図
である。
【図2】図1に示される圧力変動除去手段37を備える
フルイディック式ガスメータ31の全体の構成を示す縦
断面図である。
【図3】弁体42の断面図である。
【図4】連結棒70の一端部112とその付近の分解斜
視図である。
【図5】調整部材158の平面図である。
【図6】調整部材158の断面図である。
【図7】本件ガスメータ31における圧力変動除去手段
37の小流量時における永久磁石片77と吸引片74と
の離間距離Lgと圧力損失ΔPとの関係を示す本件発明
者の実験結果を示すグラフである。
【図8】調整部材158の厚みtと、圧力変動除去手段
37の小流量時の圧力損失ΔPとの関係を示す図であ
る。
【図9】図1〜図8に示される実施の形態における本件
圧力変動除去手段37の流量Qに依存する圧力損失ΔP
を示す図である。
【図10】本発明の実施の他の形態の弁体42の断面図
である。
【符号の説明】
31 ガスメータ 32 ガス供給口 33 ガス排出口 34 ガス流路 35 ガスメータ本体 36 フルイディック流量計 37 圧力変動除去手段 41 弁孔 42 弁体 43 ダイヤフラム 50 フルイディック素子 70 連結棒 83 第1保持体 86 第2保持体 111 連結棒本体 112 一端部 113 挿通孔 116 段差 158,158a,158b,158c 調整部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ガス供給口とガス排出口とにわた
    って連通するガス流路が形成されるガスメータ本体と、 (b)ガス流路に介在され、ガスの通過によって発生し
    た交番圧力変化に基づいてガス流量を測定するフルイデ
    ィック流量計と、 (c)ガス流路に、フルイディック流量計よりもガス通
    過方向上流側で介在され、圧力変動を吸収する圧力変動
    除去手段であって、 (c1)ガス供給口に連通し、横に延びる弁孔が形成さ
    れ、ガス通過方向下流側に臨む弁座を有する保持体と、 (c2)連結棒と、 (c3)弁体であって、 弁孔に挿脱可能であり、連結棒の一端部が挿通される有
    底筒体と、 筒体に設けられ、弁座に当接可能な環状凸部とを有する
    弁体と、 (c4)連結棒の他端部が連結され、ダイヤフラム室
    を、ガス流路のガス排出口側に連通する第1空間と、ガ
    ス流路のガス供給口に連通する第2空間とに仕切り、第
    1および第2空間の差圧によるダイヤフラムを押す力
    と、弁体前後の差圧による弁体を押す力とによって弁体
    を開閉動作させ、最大流量に近づくにつれて、弁体を弁
    座から大きく離脱させるダイヤフラムと、 (c5)連結棒またはガスメータ本体のいずれか一方に
    固定される永久磁石片と、 (c6)強磁性材料から成り、連結棒またはガスメータ
    本体のいずれか他方に固定され、弁体と弁座とによる小
    流量時に、永久磁石片とともに磁気吸引力を発揮する吸
    引片とを有し、 (c7)弁体の筒体と環状凸部とを、連結棒の軸線方向
    に調整可能に構成した圧力変動除去手段とを含むことを
    特徴とするフルイディック式ガスメータ。
  2. 【請求項2】 連結棒の前記一端部寄りには、弁体より
    もダイヤフラム側に、受け部が形成され、 連結棒の前記一端部を取外し可能に挿通し、弁体と受け
    部との間に介在され、厚みt1,t2,t3が予め調整
    された調整部材を含むことを特徴とする請求項1記載の
    フルイディック式ガスメータ。
  3. 【請求項3】 調整部材の厚みt1,t2,t3は、 ガス供給口の圧力変動ノイズを、フルイディック流量計
    の流量測定動作に悪影響を及ぼさないように除去すべき
    小流量時における圧力変動除去手段による圧力損失が予
    め定める範囲(ΔP1c〜ΔP2c)内になるように、
    圧力変動除去手段の寸法のばらつきに対応して、定めら
    れることを特徴とする請求項2記載のフルイディック式
    ガスメータ。
  4. 【請求項4】 調整部材は、前記予め定める範囲の少な
    くとも下限値ΔP1c、中央値ΔPcおよび上限値ΔP
    2cにそれぞれ対応して、定められた複数種類の厚みt
    1,t2,t3のうちの1つを有することを特徴とする
    請求項3記載のフルイディック式ガスメータ。
  5. 【請求項5】 前記小流量は、1200〜2500L/
    h未満であり、前記予め定める範囲は、160〜190
    Paであり、 複数種類の各厚みt1,t2,t3は、0.3mmずつ
    相互に異なることを特徴とする請求項4記載のフルイデ
    ィック式ガスメータ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5のフルイディック式ガ
    スメータを準備し、 中央値ΔPcに対応する厚みt2を有する調整部材を用
    いて、圧力損失を測定し、 その測定した圧力損失が、前記上限値ΔP2c付近また
    は前記下限値ΔP1c付近であるとき、上限値ΔP2c
    または下限値ΔP1cに対応する厚みt3,t1を有す
    る調整部材に交換することを特徴とするフルイディック
    式ガスメータの製造方法。
  7. 【請求項7】 連結棒の前記一端部寄りには、弁体より
    もダイヤフラム側に、受け部が形成され、 弁体は、筒体からダイヤフラム側に突出した取付け筒部
    を有し、 この取付け筒部は、受け部に当接して受けられ、 取付け筒部の突出長さtaが予め調整されていることを
    特徴とする請求項1記載のフルイディック式ガスメー
    タ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007112502A1 (en) * 2006-04-03 2007-10-11 Murray Andrew Hodges Valve closure allowing for some deadband travel
CN113532554A (zh) * 2021-06-21 2021-10-22 中恒水务科技有限公司 一种水务防倒流监测系统及其防倒流方法

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