JP2000290980A - 水力発電装置を備えた魚道設備 - Google Patents

水力発電装置を備えた魚道設備

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JP2000290980A
JP2000290980A JP11102565A JP10256599A JP2000290980A JP 2000290980 A JP2000290980 A JP 2000290980A JP 11102565 A JP11102565 A JP 11102565A JP 10256599 A JP10256599 A JP 10256599A JP 2000290980 A JP2000290980 A JP 2000290980A
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water
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hydro
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Masanobu Takao
正信 高尾
Toshiyuki Suda
俊幸 須田
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Hokoku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Hokoku Kogyo Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダムに設ける魚道装置に水力発電装置を併設
して相乗効果のある魚道設備とする。 【解決手段】 ダム1の下流側壁に隣接して上流側と下
流側の2点間に複数の水槽ブロック11を積み重ね、こ
の間に傾斜水路12を架設して上面視回廊状の登降水路
13を形成し、回廊状の中心部に筒状の鉛直主柱23を
立設して傾斜水路12を支持する。また、鉛直主柱23
の最下端に水力発電機29を設置し、水力発電機29の
放水路を魚道水路の魚道入口35に向けて施設する。ダ
ム1の貯溜水を登降水路13及び鉛直主柱23に流入さ
せ、水力発電機29を通過した流水を魚道入口35に放
流させ呼び水として利用する。狭いスペースで魚道装置
2と水力発電装置15が併設でき、2系統の複合構築に
より剛性を大きくし、登降水路13の高さが水力発電の
有効水頭となり、水力発電装置15の放流水が魚道の呼
び水となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】近年、河川を堰き止めて水力
発電用ダムを構築した場合、魚道を設置することが義務
づけられるようになってきており、低落差河川横断構造
物(砂防ダム、堰他)においても、魚類の遡上、降下の
妨げにならないように各種魚道が考案されている。本発
明は、低落差河川横断構造物においても水頭差を利用す
るもので、小型の水力発電装置を備えた魚道設備に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水力発電は廃棄物や二酸化炭素を
出さないのでクリーンなエネルギーとして活用され、山
中の河川、湖等に大規模な発電所が建設されるが、新た
な自然破壊を伴う虞がある。例えば、河川の流れの途中
にダム(河川横断構造物)が構築されていると、魚類の
遡上期において、魚類は河川の流れに逆らって遡上する
が、ダムのために遡上が阻止され魚類の生態系が乱され
ることになる。このため、魚類の遡上、降下を容易にさ
せる魚道をダムに併設することが求められている。
【0003】図13に示すように、低落差河川横断構造
物(以下、ここではダムと云う)1においても、魚道装
置2(特許第2739635号参照)を設けることが提
案されている。魚道装置2はコンクリート製のダム1の
上部に貯水池側から下流側へ連通する暗渠部3とその下
流側に設けた貯溜槽4によって魚道に流れる流水を確保
している。図14、図15に示すように、ダム1の中央
部が水通し天端5となり、水通し天端5の両側(山側)
は袖小口5aによって堰高が高くなって非越流部6とな
っており、前述の暗渠部3は非越流部6に開けられ、非
越流部6に隣接して魚道装置2が設けられている。
【0004】図14に示すように、貯溜槽4の河道側に
は土砂吐用ゲート7が設けられ、土砂吐用ゲート7は水
位調節も行うようになっている。なお、符号8は手摺、
符号9はグレーヂング、符号10は梯子である。
【0005】一例として図示した魚道装置2は、図13
ないし図15に示すように、複数のユニットを積み上げ
て魚道を構成するものであり、ユニットには箱型の水槽
ブロック11と樋状の傾斜水路12とがあり、これらを
組み合わせて上面視回廊状、かつ、斜面を備えた登降水
路13を形成させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダム1にお
いても水頭差を利用して水力発電を行うことが考えられ
ているが、前述したように、環境問題において魚道を優
先してダム1に併設した場合、水力発電装置を設置する
スペースはほとんどなくなってしまう。このため、魚道
装置2を併設したダム1では水力発電装置を設置するこ
とが困難であり、地域の発展も容易なものとは言えない
状態である。
【0007】本発明は、景観を考慮して魚道装置の構
造、設置スペースを有効に利用したことによる水力発電
装置を備えた魚道設備を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、請求項1の発明は、低落差河川横断構造物
の下流側壁に隣接して、上面視回廊状の登降水路を設け
ると共に、回廊状の中心部に筒状の鉛直主柱を立設して
前記登降水路と前記鉛直主柱とを複数の支持部材により
連結し、前記鉛直主柱の下部に水力発電機を設け、前記
低落差河川横断構造物の貯水池から取水した流水を前記
登降水路及び前記鉛直主柱に流入させるようにしたこと
を特徴とする。
【0009】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、登降水路が特定の形状の水路を複数連結して構成さ
れ、複数の特定の形状の水路のうち、所定の水路と鉛直
主柱とを支持部材により連結したことを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は請求項1または請求項2
の発明において、登降水路は、積み重ねられた水槽ブロ
ックを2点間に設置し、2点間の積み重ねられた水槽ブ
ロックを直線傾斜水路で交互に連結して上面視回廊状に
構成し、該回廊状の中心部に設けた鉛直主柱と前記直線
傾斜水路の中央部とを支持部材により連結したことを特
徴とする。
【0011】請求項4の発明は請求項1または請求項2
の発明において、登降水路は、複数の上面視略台形状水
路を連結して環状・階段式水路に構成し、環状の中心部
に設けた鉛直主柱と前記複数の略台形状水路とを支持部
材により連結したことを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は請求項1ないし請求項4
のいずれかの発明において、水力発電機を通過した放流
水を登降水路の下流側端の魚道入口に合流させたことを
特徴とする。
【0013】以上の構成において、低落差河川横断構造
物に併設される魚道を見直し、低落差河川横断構造物の
上下落差による水頭を利用して、魚道に水力発電装置を
併設したものであり、水力発電装置は鉛直主柱の下端に
水力発電機を取り付け、低落差河川横断構造物による貯
水池の流水を登降水路と鉛直主柱に導き流下させるよう
になっている。登降水路は下流河川と連絡され、遡上・
降下魚の移動を支援し、鉛直主柱には下端に水力発電機
を設け電力を供給できるようになっている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、
ダム1(砂防ダム、堰等の低落差の河川横断構造物)の
非越流部6の下流側の敷地・空間場所に魚道設備14が
据え付けられており、魚道設備14は魚道装置2と水力
発電装置15を複合して構成されたものである。
【0015】図6に示すように、ダム1の非越流部6に
開孔部16が形成され、開孔部16の貯水池側に魚道用
の制水ゲート17が設けられている。開孔部16の下流
側は魚道用土砂溜め18が形成され、この下流出口に流
量調整ゲート19が設けられ(図5参照)魚道用導水路
20を経て登降水路13の箱型の水槽ブロック11に連
絡されている。一方、水通し天端5の直下流側に防塵用
スクリーン21が敷設され下部に集水槽22(水通し天
端5の幅に等しい長さの箱型の断面)が設けられており
(図2及び図3参照)、集水槽22は魚道装置2上部に
設置した他方の発電用土砂溜め18’と連絡されてい
る。発電用土砂溜め18’は発電用取水ゲート19’を
介して発電用導水路20’を経て鉛直主柱23へ連絡さ
れている。なお、魚道用土砂溜め18と発電用土砂溜め
18’は仕切り壁によって隣接して設けられている。
【0016】ここで、魚道装置2の登降水路13を説明
する。図1に示すように、登降水路13は、箱型の水槽
ブロック11を2点の離れた位置(上流側と下流側)
に、互いの高さ間隔を半分ずらして積み上げ、ボルト等
で順次固定していき、そして、2点間の水槽ブロック1
1の間を傾斜水路12が斜め上方または斜め下方に向け
て連結した構成となっている。これにより、登降水路1
3は上面視回廊状(図6,図7参照)となる。また、互
いに横方向に近接する斜め上方に向けた傾斜水路12と
斜め下方に向けた傾斜水路12の間に、傾斜水路12の
長さの中間部位置に水力発電用の筒状の鉛直主柱23を
設け、傾斜水路12と鉛直主柱23を支持部材24(図
4参照)により結合させる。
【0017】水槽ブロック11及び傾斜水路12は遡上
に適した流量、流速、休息用の澱み流域の創成、堆砂対
策等、遡上効率を高めるよう構造、寸法の流水状況を考
慮している。すなわち、傾斜水路12には淀みが形成さ
れるように、傾斜水路12の中間部外側に張り出して休
息プール25(図6参照)が設けられており、水路底面
には適当高さの阻流板26を一定間隔で水流方向に対し
て45度の角度で立設し、傾斜水路12の一定勾配(魚
類遡上に必要とする勾配)との関係で流水の状況がスト
リーム型の流れとなっている。
【0018】また、登降水路13の最下端の水槽ブロッ
ク11からは下流水路27に連絡する傾斜水路12が下
流側に延びて取り付けられ、傾斜水路12の下流端は支
持架構28で固定されて下流水路27に連絡されてい
る。なお、すべての傾斜水路12には水路方向に対して
45度の角度で複数の阻流板26を適宜間隔で設けてい
る。
【0019】鉛直主柱23の最下端には水中タービン型
の発電機29が挿入され、有効水頭をもつ管内水によっ
て発電機29の水車が回転し、発電機29から電力が得
られる。発生した電力は鉛直主柱23に沿うケーブル3
0によって外部に供給される。発電機29の放水側には
ドラフトチューブ31が連結されて放水路32を経て下
流水路27に連絡されている。また、この放水路入口3
3に魚迷い込み防止網34が張設されている。
【0020】次に、魚道設備14の下部を図1、図7及
び図8を参照して説明する。最下端の水槽ブロック11
から斜め下方に延びた傾斜水路12はその端部におい
て、水路方向の前端が閉塞され、しかるに、側面が開口
されて下流水路27と連絡する魚道入口35になってい
る。また、水力発電装置15の放水路入口33から放水
された流水は魚道入口35からの流水と合流される。
【0021】次に、魚類が遡上する時の作用について述
べる。図1及び図7に示すように、遡上魚がダム1下流
側に集まって来たとき、水力発電装置15の放流水が魚
道入口35の流れと合流する箇所で呼び水となって魚の
遡上本能を刺激する。魚が放流水側の水路を遡上しよう
とすると、放水路入口33の迷い込み防止網34に阻害
され、その前面で滞溜を余儀なくされる。しかしなが
ら、傾斜水路12の最下流端の魚道入口35が迷い込み
防止網34と連接しており、魚が誘導されて遡上可能な
傾斜水路12を上流側へと遡上することになる。そし
て、順に、上り勾配の傾斜水路12、下流側の一段高い
水槽ブロック11、上り勾配の傾斜水路12、上流側の
一段高い水槽ブロック11、上り勾配の傾斜水路12、
・・・と遡上して行くことになる。
【0022】図6に示すように、最上段の水槽ブロック
11に魚が遡上してくると、次に、魚道用導水路20、
流量調節ゲート19(この場合、魚はゲート頂部から流
出する越流水に逆らって遡上していく)、魚道用土砂溜
め18、ダム1の非越流部6内部に設けられた開孔部1
6を通過して遡上する。ダム貯水池に到達した魚は更に
上流の産卵場所を求めて遡上することになる。なお、最
下流端の魚道入口35の流れに散水する呼び水管を別途
取り付けても良い。また、降下魚はこのルートの逆を降
下し、開孔部16から魚道用土砂溜め18に遊泳し、登
降水路13を降下して下流河川域へと降りて行くことに
なる。
【0023】次に、水力発電装置15としての作用を説
明する。図2に示すように、貯水池の水はダム1の水通
し天端5を越流し、スクリーン21を通って集水槽22
に集水される。さらに図6に示すように、集水槽22か
ら発電用土砂溜め18’に流れて浮遊土砂の沈積を行
い、流水は発電用取水ゲート19’により流量を調節さ
れて鉛直主柱23の内部を落下する。図1に示すよう
に、落下した流水は有効水頭により水車を回転させて発
電機28を作動させ、発電機28からの発生電力はケー
ブル30により配電系統に給電することができるように
なる。さらに水車を通過した流水はドラフトチューブ3
1によって放流され、放水路32を通り、迷い込み防止
網34を通過して魚道入口35の流水と合流し、呼び水
として魚類を刺激させ効果的に魚類遡上を促進さてい
る。
【0024】以上説明した魚道設備14は水力発電装置
15が複合され、水力発電装置15の主たる鉛直主柱2
3が魚道装置2の登降水路13の中心部に設けられ、鉛
直主柱23に支持部材24を介して傾斜水路12を中央
点で支持することにより、自重、水重による水路断面に
作用する曲げモーメントを小さくすることから、補強資
材を多く使用することなく堅固な構造にすることがで
き、耐振性を良くし設備費を低減することができる。ま
た、全体自重を低減するることができ、据え付け敷地面
積の最小化を図ることができるので、据え付け機械、荷
役機械も集中的に使用でき、全体工事費は安くなる。
【0025】また、水力発電装置15の発電機29の水
車を通過した放流水は魚道入口35の流水に合流させる
ことにより、遡上魚には呼び水として刺激が与えられ、
遡上効果を高めるものとなる。また、ユニット化された
水中タービン型の発電機29を鉛直主柱23の上部から
挿入し、鉛直主柱23最下端に設置できるので、据え付
けは簡単であり、工事設備費は抑えることができる。こ
のように、積み上げ式箱型魚道の長所を活用すること
で、砂防ダムのような非越流下流側の制限された狭小な
敷地で水力発電装置15を併設した魚道設備14を据え
付けることができる。
【0026】次に、他の実施の形態を図9ないし図11
を参照して説明する。上記の構成と異なるところはクロ
ス・フロー水車型の発電機29を利用したことにより一
部構造を変えたものである。すなわち、鉛直主柱23の
最下端に略水平に下流に延びる導水管36を接続し、導
水管36の下流端に発電機29を取付け、側方に配電盤
29’を設ける。発電機29の水車からの放流水は落下
して導流壁37により流れ方向が規制されて下流水路2
7に合流される。一方、傾斜水路12の最下端の魚道入
口35は導流壁37の放水路入口33に向けられる。し
たがって、鉛直主柱23の最下端に接続する導水管36
を通過した圧力水は水車を回転させ発電を起こさせるよ
うに働き、水車からの落下水は魚類遡上効果をより高め
る呼び水となる。また、この発電機29も上記同様に簡
単な据え付けが可能となる。したがって、工事費は安く
なり、機器配置もコンパクトになる。なお、発電機29
の種別の選定については砂防ダム設置地点での水文やダ
ム構造、周辺土木構造との関連、経済性を検討の上、決
定される。
【0027】次に、他の実施の形態を説明する。この構
成の特徴は、図12に示すように魚道装置2及び水力発
電装置15の取水部を共有したことにある。非越流部6
に開けた開孔部16下流側には土砂溜め38が設けら
れ、土砂溜め38内において流水は流量調整ゲート19
あるいはスクリーン21を通過するようになっており、
流量調整ゲート19を設置した面及びスクリーン21の
面は90度の角度で開かれている。また、土砂溜め38
の側壁には角落しゲート39が設けられ、流量調節が行
われる。そして、流量調整ゲート19を越流した流水
は、魚道用導水路20を経て最上段の上流側水槽ブロッ
ク11に流れ、スクリーン21を通った流水は発電用の
導水路20’を経て区画された上流側水槽ブロック1
1’に流れ、発電用導水路20’により鉛直主柱23に
流れ込むようになっている。このように取水部を共有し
たことにより、取水部を各々別個に土木施工するよりも
簡易化され、また、各々の基礎部が隣接していることか
らも前述と同様、工費を低減することができる。
【0028】さらに、他の実施の形態として、上面視多
角形型回廊状の階段式の魚道装置2に発電装置15を併
設した構成について説明する。多角形型回廊状の一例と
して、上面視略台形の1ブロックが、上底部を内壁面、
下底部を外壁面、両側面部を通路口のように形成され、
互いのブロックの側面部を連結して9個のブロックで略
一旋回させ、環状・階段式水路に構成したものがある。
この構成において、最上段のブロックは貯水池側(上流
水路)と連絡され、最下段のブロックは傾斜水路等が接
続されて下流水路と連絡されている。魚道装置の環状・
階段式水路の中心部は空間となって鉛直主柱が立設さ
れ、複数のブロックで形成した環状・階段式水路の内壁
面と鉛直主柱とを複数の連結部材で結合し、全体の剛性
を高めている。鉛直主柱は最下端に水力発電機を設け、
発電機の放流水は前述したように呼び水として利用され
る。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上述べた通りであり、請求項
1においては、低落差河川横断構造物の下流側壁に設け
た登降水路とこの中心部に設けた鉛直主柱が協働して剛
性を大きくし、狭いスペースで魚道装置と水力発電装置
が併設でき、魚道装置の高さが水力発電の有効水頭とな
り、水力発電装置の放流水が魚道の呼び水となる。これ
により、河川横断構造物に魚道を付加して自然環境を維
持し、水力発電を行えることにより地球温暖化防止に役
立つクリーン・エネルギーの創成を図ることができる。
【0030】請求項2においては、複数の特定の形状の
水路を積み上げて登降水路を構成したので、組み立て作
業が容易になり、特定の形状の水路のうち、所定の水路
と鉛直主柱とを支持部材により連結したので、積み上げ
式構造の剛性が向上し、設備工事費を安価にし、耐振性
を向上させるものである。請求項3においては、登降水
路の一部に直線傾斜水路を使用して側面視ジグザグ状に
構成し、直線傾斜水路の中央部を鉛直主柱に固定したの
で、曲げモーメントが小さくなり補強部材を少なくする
ことができる。請求項4においては、環状・階段式水路
に構成した各上面視略台形状水路を鉛直主柱に固定する
ことにより、剛性を高め、設備工事費を安価にし、耐振
性を向上させるものである。請求項5においては、水力
発電で使用した放流水が魚道入口に合流することで呼び
水となり、魚類の遡上効果を向上させることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の魚道設備を説明する
ための低落差ダムの断面図である。
【図2】図1に示す低落差ダムの正面図である。
【図3】図1に示す低落差ダムの側方に設けた魚道設備
の正面図である。
【図4】図3に示す魚道設備の正面模式図である。
【図5】図3に示す魚道設備の魚道用の取水部を示す断
面図である。
【図6】図3に示す魚道設備の魚道用及び水力発電用の
取水部を示す平面図である。
【図7】図3に示す魚道設備の下部を示す平面図であ
る。
【図8】図7に示す魚道設備の魚道入口及び水力発電用
の放流口を示す正面模式図である。
【図9】他の実施の形態の、魚道設備の魚道入口及び水
力発電用の放流口を示す正面模式図である。
【図10】図9に示す実施の形態の、魚道設備の魚道入
口及び水力発電用の放流口を示す側面模式図である。
【図11】図9に示す実施の形態の、魚道設備の下部平
面図である。
【図12】他の実施の形態の魚道設備の魚道用及び水力
発電用の取水部を示す平面図である。
【図13】従来の魚道装置を説明するための低落差ダム
の断面図である。
【図14】図13に示す魚道装置の正面模式図である。
【図15】図13に示す魚道装置の平面図である。
【符号の説明】
1 ダム(低落差河川横断構造物) 11 水槽ブロック 12 直線傾斜水路 13 登降水路 23 鉛直主柱 24 支持部材 29 水力発電機 35 魚道入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低落差河川横断構造物の下流側壁に隣接
    して、上面視回廊状の登降水路を設けると共に、回廊状
    の中心部に筒状の鉛直主柱を立設して前記登降水路と前
    記鉛直主柱とを複数の支持部材により連結し、前記鉛直
    主柱の下部に水力発電機を設け、前記低落差河川横断構
    造物の貯水池から取水した流水を前記登降水路及び前記
    鉛直主柱に流入させるようにしたことを特徴とする水力
    発電装置を備えた魚道設備。
  2. 【請求項2】 登降水路が特定の形状の水路を複数連結
    して構成され、複数の特定の形状の水路のうち、所定の
    水路と鉛直主柱とを支持部材により連結したことを特徴
    とする請求項1記載の水力発電装置を備えた魚道設備。
  3. 【請求項3】 登降水路は、積み重ねられた水槽ブロッ
    クを2点間に設置し、2点間の積み重ねられた水槽ブロ
    ックを直線傾斜水路で交互に連結して上面視回廊状に構
    成し、該回廊状の中心部に設けた鉛直主柱と前記直線傾
    斜水路の中央部とを支持部材により連結したことを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の水力発電装置を
    備えた魚道設備。
  4. 【請求項4】 登降水路は、複数の上面視略台形状水路
    を連結して環状・階段式水路に構成し、環状の中心部に
    設けた鉛直主柱と前記複数の略台形状水路とを支持部材
    により連結したことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の水力発電装置を備えた魚道設備。
  5. 【請求項5】 水力発電機を通過した放流水を登降水路
    の下流側端の魚道入口に合流させたことを特徴とする請
    求項1ないし請求項4のいずれかに記載の水力発電装置
    を備えた魚道設備。
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