JP2000290679A - ゴマ油からのゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法 - Google Patents
ゴマ油からのゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法Info
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Abstract
ンを高純度、高収率で採取し、その上ゴマ油に含まれる
フレーバー成分を得る方法を提供する。 【解決手段】ゴマ油を超臨界の条件下で抽出する。
Description
/又はゴマフレーバーの製造法に関する。
する食品であり、しかもその栄養学的な価値は古くから
認められてきている。そして、最近、その機能的な有効
性について科学的な研究がなされ、種子の中に含まれて
いるゴマ特有の成分であるゴマリグナン類について、興
味のある独特な機能性が見いだされてきている。ゴマリ
グナン類として主なものは、セサミン、セサモリン、セ
サミノールなどを挙げることができる。セサミノールは
種子中に主に配糖体として存在するが、またセサモリン
からも生成する。ヒトの体内に産生される活性酸素は、
その量が過剰になると、ヒトに対して有害となり、例え
ば老化、癌、糖尿病、アルツハイマー病などを生じさせ
るといわれている。その活性酸素をおさえるために、抗
酸化作用を有する物質を摂取する必要があり、有効な抗
酸化物質を見いだす努力がなされている。ゴマリグナン
は、この抗酸化効果を有し、特にセサミノールがその効
果が強く、セサミンもその効果を示す。また、セサミン
に関しては、以下のことが知られている。平滑筋の収縮
・弛緩作用、血小板の凝集作用、炎症作用などの生理活
性を有するプロスタグランディン類の前駆体であるアラ
キドン酸の生成(リノール酸を出発原料とする)に関与
する酵素を、セサミンが顕著に阻害することが分かって
いる。さらに、セサミンは、肝臓におけるエタノールを
有効に分解するため、エタノールによる肝障害を有効に
防ぐ。その上、セサミンは、コレステロールの上昇を抑
える一方、LDLコレステロールを低下させ、さらに、
血圧低下にも有効である。前記のことから、ゴマから、
セサミン、セサミノールそして転移によりセサミノール
を生成するセサモリンを得ることは特に有用である。ゴ
マ種子からゴマ油を得る方法として、従来は、主として
圧搾法及び有機溶媒抽出法(主にヘキサン使用)があ
る。圧搾法では一部残油し、また有機溶媒抽出法では、
抽出物に残存することになると思われる有機溶媒を完仝
に除去することも、かなり困難である。
%含まれているが、一般に、油中に存在する微量の油溶
性活性物質を分離することは非常に困難である。そこ
で、セサミンなどリグナンを分離する方法としてこれま
で行われてきたものは、例えばセサミンを生絞りゴマ油
の精製時の回収副産物のスカムから得る方法で、スカム
を分子蒸留することによりゴマリグナンを得る方法が明
らかにされている(特開平10−120695号)。こ
の方法は、原料のスカムの量が限られており、また設備
費がかかり、さらに時間もかかり、その装置の性質上、
目的物を多量に得ることが難しい。また原料のゴマ生絞
り油の精製処理において、かなりのセサミンがエピマー
化してエピセサミンとなる。エピセサミンは、セサミン
に比べて、アラキドン酸の生成に関与する酵素の阻害活
性など生理活性はほぼ半分に低下する。また、この方法
では、セサモリンは殆ど単離されず、セサミノールも単
離が困難である。本発明者らは、先にゴマ種子からゴマ
リグナン及びゴマフレーバーを得る方法として、超臨界
の条件下で処理する方法を行い、これら従来の方法と異
なり、ゴマの種子に含まれるゴマリグナンを高純度、高
収率で採取し、その上、ゴマ種子に含まれるフレーバー
成分を得ることができた。
臨界の条件を使用する前記の方法では、確かにゴマリグ
ナン及びフレーバーを従来法に比較して高純度且つ高収
率で得ることはできるが、原料がゴマ種子であるため、
目的とするゴマリグナンを回収するのに、手間がかかり
コストがかなり高くなる。その上、この方法で得られる
生成物は、ゴマリグナンを油状で含んだものであること
から、それからゴマリグナンを高濃度乃至は固体状で得
るには、特別の処理を必要とする。本発明者らは、ゴマ
リグナン及びフレーバーを、従来知られている方法より
さらに高純度且つ高収率で得ることを検討した。
めには、本発明では、ゴマの種子の代わりにゴマ油を超
臨界の条件下で処理する。食品関連の分野においては、
超臨界の技術を使用してフレーバー、色素などを得るこ
とは、良く知られている(最近では、例えば、特開平5
−38270、5−38271、5−103625、6
−7109、6−184591、7−304976、7
−304977、10−57010号)。また、植物油
脂から高度に精製された油脂を超臨界技術により得る方
法は、特開平6−136383号に示されている。この
公報に示された方法は、遊離酸成分、臭気成分及び燐脂
質の低減された高度に精製された油脂を得ることには関
しているが、ゴマ油からゴマリグナン及び/又はゴマフ
レーバーを得ることには、全く触れていない。生ゴマ油
精製の工程の脱臭工程に生ずるスカムの成分としては、
主にトリグリセリドであり、これにリグナンが含まれて
いる。従来のトリグリセリドを加水分解、メチルエステ
ル化して分留し、その後リグナンを分子蒸留により採取
している。従って、このスカムを超臨界抽出すれば、リ
グナンを得ることができることが考えられ、以前試みら
れたが、成功していない。本発明方法では、ゴマ油を超
臨界抽出条件におく。使用するゴマ油は、焙煎したゴマ
の種子から得られたものでも、焙煎しないゴマの種子か
ら得られたものでもよい。また、ゴマ種子からいかなる
抽出法により得られたゴマ油でもよいが、化学的な処理
以外の方法で得られたものが好ましく、特にゴマ種子を
超臨界処理により得られた油が最も好ましい。本発明の
超臨界抽出条件としては、例えば温度35−50℃、圧
力120−400バール好ましくは140−350バー
ルであり、溶媒としてCO2を使用し、エントレーナー
として水、エチルアルコールなどを使用することができ
る。抽出では、経時的に異なる成分を有する抽出物が生
成する。さらに、本発明の方法では、フレーバー成分を
有する油成分が生成する。
用するために、従来の溶媒を使用する方法に比べて、有
害な物質が混入する危険が全くない。しかも、処理にあ
たって、その条件が殆ど無酸素の条件であり、しかも常
温に近い温度であるため、被処理物が殆ど酸化乃至はエ
ピマー化されることがなく、目的とする成分を変性させ
ることなく、高収率で得ることができる。また、得られ
る抽出残査も酸素、溶剤、及び温度による影響を殆ど受
けておらず、さらにサラダ油などに有効利用することが
できる。さらに、本発明では、生成物中に高濃度でゴマ
リグナンが存在し、場合によってはゴマリグナンそのも
のが結晶状に析出してくる。そのため、ゴマリグナンを
製品として使用するときに、なんら処理を施すことな
く、そのままで使用することができる。本発明では、好
ましいゴマの香気成分が抽出される。ゴマの香気成分
は、従来得られておらず、本発明の優れた効果というこ
とができ、ゴマのフレーバーとしても、従来の方法にく
らべて、遥かに香ばしい香りを得ることができる。
80気圧の超臨界装置に入れた。溶剤としてCO2(流
速10NL/分)を使用し、温度を40℃とし、圧力を
350バールとして超臨界抽出した。次に、温度40
℃、圧力60バールで分離した。ほぼ完全に超臨界抽出
した油(表1中、L−1、L−2)並びに20%まで超
臨界抽出した油(表1中、L−3、L−4)を用い、溶
剤としてCO2(流速10NL/分)を使用し、温度を
40℃とし、圧力を150バール(表1中、L−1、L
−3)又は300バール(表1中、L−2、L−4)と
して超臨界抽出した。次に、温度40℃、圧力60バー
ルで分離した。抽出開始20分、40分、60分、90
分及び120分後に、抽出物を採取し、その抽出量を測
定した。結果を表1に示す。表1の結果から、油の量は
時間の経過とともにほぼ直線的に増加することが分か
る。
のゴマ油を原料として使用して超臨界抽出を行った。原
料としては、(I)白茶ゴマ種子を焙煎することなく圧
縮抽出したいわゆる白ゴマ生絞り原油、(II)白茶ゴ
マ種子を220℃で10分間焙煎したものを圧縮抽出
し、沈澱精製濾過した白ゴマ焙煎油、(III)160
℃で15分間焙煎した黒ゴマ種子を、溶剤としてCO2
(流速10NL/分)を使用し、温度を40℃とし、圧
力を350バールとして抽出し、次に温度40℃、圧力
60バールで分離した油を使用した。超臨界抽出は、す
べてのゴマ油について、溶剤としてCO2(流速10N
L/分)を使用し、温度を40℃とし、圧力を300バ
ールとして抽出し、次に温度40℃、圧力60バールで
分離した。抽出開始後、抽出される生成物を抽出されて
くる順序でフラクションに分けた。抽出率は、第1のフ
ラクションは、約1.9%、第2のフラクションは約
4.5%、第3のフラクションは約4.4%、第4のフ
ラクションは、約6.4%そして第5のフラクション
は、約5.6−約6.4%であった。これらのフラクシ
ョンに含まれるセサミン、セサモリンの量を分析し、さ
らにその他のリグナンは殆ど検出されなかったので、両
者を合わせてリグナン量とした。また、抽出物から、エ
ピセサミンは全く検出されなかった。得られた結果を表
2及び3に示す。さらに、表4には、(III)の油、
リグナン、セサミン、セサモリンの各フラクションの抽
出率の合計を示す。予備実験の結果により、抽出される
油は直線的に生成することが分かっているため、表2及
び3に示されている結果から、油の抽出率に比べてリグ
ナンの抽出率が高いため、リグナンが先に抽出されてく
ることになり、抽出物中にリグナンが多量に存在するこ
とが分かる。このことは、例えば、(I)において、フ
ラクション1−5の油の抽出率が23.72%であるの
に対して、リグナンの抽出率が86.37%であること
から、理解できる。
4から分かるように、原料が生臭さ又は焦げ臭を有して
いるのに対して、抽出されたものは、好ましいゴマの香
り又は甘い芳香に富んでいた。その上、原料の色調が、
抽出により薄い色調に変化した。また、例えば、白ゴマ
白絞り油では、抽出後残存した油は、色調が淡黄色であ
ってしかも無臭であった。その上、熱処理をしていない
ため、残存するリグナンがエピ化しておらず、サラダ油
としても、健康的にもまた品質的にも優れていた。
マフレーバーの製造法
/又はゴマフレーバーの製造法に関する。
する食品であり、しかもその栄養学的な価稙は古くから
認められてきている。そして、最近、その機能的な有効
性について科学的な研究がなされ、種子の中に含まれて
いるゴマ特有の成分であるゴマリグナン類について、興
味のある独特な機能性が見いだされてきている。ゴマリ
グナン類として主なものは、セサミン、セサモリン、セ
サミノールなどを挙げることができる。セサミノールは
種子中に主に配糖体として存在するが、またセサモリン
からも生成する。ヒトの体内に産生される活性酸素は、
その量が過剰になると、ヒトに対して有害となり、例え
ば老化、癌、糖尿病、アルツハイマー病などを生じさせ
るといわれている。その活性酸素をおさえるために、抗
酸化作用を有する物質を摂取する必要があり、有効な抗
酸化物質を見いだす努力がなされている。ゴマリグナン
は、この抗酸化効果を有し、特にセサミノールがその効
果が強く、セサミンもその効果を示す。また、セサミン
に関しては、以下のことが知られている。平滑筋の収縮
・弛緩作用、血小板の凝集作用、炎症作用などの生理活
性を有するプロスタグランディン類の前駆体であるアラ
キドン酸の生成(リノール酸を出発原料とする)に関与
する酵素を、セサミンが顕著に阻害することが分かって
いる。さらに、セサミンは、肝臓におけるエタノールを
有効に分解するため、エタノールによる肝障害を有効に
防ぐ。その上、セサミンは、コレステロールの上昇を抑
える一方、LDLコレステロールを低下させ、さらに、
血圧低下にも有効である。前記のことから、ゴマから、
セサミン、セサミノールそして転移によりセサミノール
を生成するセサモリンを得ることは特に有用である。ゴ
マ種子からゴマ油を得る方法として、従来は、主として
圧搾法及び有機溶媒抽出法(主にヘキサン使用)があ
る。圧搾法では一部残油し、また有機溶媒抽出法では、
抽出物に残存することになると思われる有機溶媒を完全
に除去することも、かなり困難である。
%含まれているが、一般に、油中に存在する微量の油溶
性活性物質を分離することは非常に困難である。そこ
で、セサミンなどリグナンを分離する方法としてこれま
で行われてきたものは、例えばセサミンを生絞りゴマ油
の精製時の回収副産物のスカムから得る方法で、スカム
を分子蒸留することによりゴマリグナンを得る方法が明
らかにされている(特開平10−120695号)。こ
の方法は、原料のスカムの量が限られており、また設備
費がかかり、さらに時間もかかり、その装置の性質上、
目的物を多量に得ることが難しい。また原料のゴマ生絞
り油の精製処理において、かなりのセサミンがエピマー
化してエピセサミンとなる。エピセサミンは、セサミン
に比べて、アラキドン酸の生成に関与する酵素の阻害活
性など生理活性はほぼ半分に低下する。また、この方法
では、セサモリンは殆ど単離されず、セサミノールも単
離が困難である。本発明者らは、先にゴマ種子からゴマ
リグナン及びゴマフレーバーを得る方法として、超臨界
の条件下で処理する方法を行い、これら従来の方法と異
なり、ゴマの種子に含まれるゴマリグナンを高純度、高
収率で採取し、その上、ゴマ種子に含まれるフレーバー
成分を得ることができた。
臨界の条件を使用する前記の方法では、確かにゴマリグ
ナン及びフレーバーを従来法に比較して高純度且つ高収
率で得ることはできるが、原料がゴマ種子であるため、
目的とするゴマリグナンを回収するのに、手間がかかり
コストがかなり高くなる。その上、この方法で得られる
生成物は、ゴマリグナンを油状で含んだものであること
から、それからゴマリグナンを高濃度乃至は固体状で得
るには、特別の処理を必要とする。本発明者らは、ゴマ
リグナン及びフレーバーを、従来知られている方法より
さらに高純度且つ高収率で得ることを検討した。
めには、本発明では、ゴマの種子の代わりにゴマ油を超
臨界の条件下で処理する。食品関連の分野においては、
超臨界の技術を使用してフレーバー、色素などを得るこ
とは、良く知られている(最近では、例えば、特開平5
−38270、5−38271、5−103625、6
−7109、6−184591、7−304976、7
−304977、10−57010号)。また、植物油
脂から高度に精製された油脂を超臨界技術により得る方
法は、特開平6−136383号に示されている。この
公報に示された方法は、遊離酸成分、臭気成分及び燐脂
質の低減された高度に精製された油脂を得ることには関
しているが、ゴマ油からゴマリグナン及び/又はゴマフ
レーバーを得ることには、全く触れていない。生ゴマ油
精製の工程の脱臭工程に生ずるスカムの成分としては、
主にトリグリセリドであり、これにリグナンが含まれて
いる。従来のトリグリセリドを加水分解、メチルエステ
ル化して分留し、その後リグナンを分子蒸留により採取
している。従って、このスカムを超臨界抽出すれば、リ
グナンを得ることができることが考えられ、以前試みら
れたが、成功していない。本発明方法では、ゴマ油を超
臨界抽出条件におく。使用するゴマ油は、焙煎したゴマ
の種子から得られたものでも、焙煎しないゴマの種子か
ら得られたものでもよい。また、ゴマ種子からいかなる
抽出法により得られたゴマ油でもよいが、化学的な処理
以外の方法で得られたものが好ましく、特にゴマ種子を
超臨界処理により得られた油が最も好ましい。本発明の
超臨界抽出条件としては、例えば温度35−50℃、圧
力120−400バール好ましくは140−350バー
ルであり、溶媒としてCO2を使用し、エントレーナー
として水、エチルアルコールなどを使用することができ
る。抽出では、経時的に異なる成分を有する抽出物が生
成する。さらに、本発明の方法では、フレーバー成分を
有する油成分が生成する。
用するために、従来の溶媒を使用する方法に比べて、有
害な物質が混入する危険が全くない。しかも、処理にあ
たって、その条件が殆ど無酸素の条件であり、しかも常
温に近い温度であるため、被処理物が殆ど酸化乃至はエ
ピマー化されることがなく、目的とする成分を変性させ
ることなく、高収率で得ることができる。また、得られ
る抽出残査も酸素、溶剤、及び温度による影響を殆ど受
けておらず、さらにサラダ油などに有効利用することが
できる。さらに、本発明では、生成物中に高濃度でゴマ
リグナンが存在し、場合によってはゴマリグナンそのも
のが結晶状に析出してくる。そのため、ゴマリグナンを
製品として使用するときに、なんら処理を施すことな
く、そのままで使用することができる。本発明では、好
ましいゴマの香気成分が抽出される。ゴマの香気成分
は、従来得られておらず、本発明の優れた効果というこ
とができ、ゴマのフレーバーとしても、従来の方法にく
らべて、遥かに香ばしい香りを得ることができる。
80気圧の超臨界装置に入れた。溶剤としてCO2を使
用し、温度を40℃とし、圧力を350バールとして超
臨界抽出した。次に、温度40℃、圧力60バールで分
離した。ほぼ完全に超臨界抽出した油(表1中、L−
1、L−2)並びに20%まで超臨界抽出した油(表1
中、L−3、L−4)を用い、溶剤としてCO2を使用
し、温度を40℃とし、圧力を150バール(表1中、
L−1、L−3)又は300バール(表1中、L−2、
L−4)として超臨界抽出した。次に、温度40℃、圧
力60バールで分離した。抽出開始20分、40分、6
0分、90分及び120分後に、抽出物を採取し、その
抽出量を測定した。抽出物のリグナン回収%(抽出物中
のリグナンの合計量を原料中のリグナンの合計量で除し
た値)は、L−2で72.4%、L−3で31.1%そ
してL−4で85.3%である。結果を表1に示す。
もにほぼ直線的に増加することが分かる。
のゴマ油を原料として使用して超臨界抽出を行った。原
料としては、(I)白茶ゴマ種子を焙煎することなく圧
縮抽出したいわゆる白ゴマ生絞り原油(セサミン89
3.40mg及びセサモリン691.99mg)16
2.18mL、(II)白茶ゴマ種子を220℃で10
分間焙煎したものを圧縮抽出し、沈澱精製濾過した白ゴ
マ焙煎油(セサミン1071.20mg及びセサモリン
774.97mg)163.53mL、(III)16
0℃で15分間焙煎した黒ゴマ種子を、溶剤としてCO
2を使用し、温度を40℃とし、圧力を350バールと
して抽出し、次に温度40℃、圧力60バールで分離し
た油(セサミン999.57mg及びセサモリン40
4.84mg)169.90mLを使用した。超臨界抽
出は、すべてのゴマ油について、溶剤としてCO2を使
用し、温度を40℃とし、圧力を300バールとして抽
出し、次に温度40℃、圧力60バールで分離した。抽
出開始後、抽出される生成物を抽出されてくる順序でフ
ラクションに分けた。抽出率%は、第1のフラクション
は、約1.9%、第2のフラクションは約4.5%、第
3のフラクションは約4.4%、第4のフラクション
は、約6.4%そして第5のフラクションは、約5.6
−約6.4%であった。これらのフラクションに含まれ
るセサミン、セサモリンの量を分析し、さらにその他の
リグナンは殆ど検出されなかったので、両者を合わせて
リグナン量とした。また、抽出物から、エピセサミンは
全く検出されなかった。得られた結果を表2、表3及び
表4に示す。
線的に生成することが分かっているため、表2−4に示
されている結果から、油の抽出率に比べてリグナンの抽
出率が高いため、リグナンが先に抽出されてくることに
なり、抽出物中にリグナンが多量に存在することが分か
る。このことは、例えば、(I)において、フラクショ
ン1−5の油の抽出率が23.72%であるのに対し
て、リグナンの抽出率が86.37%であることから、
理解できる。一方、本発明によるゴマの香気成分は、表
5から分かるように、原料が生臭さ又は焦げ臭を有して
いるのに対して、抽出されたものは、好ましいゴマの香
り又は甘い芳香に富んでいた。その上、原料の色調が、
抽出により薄い色調に変化した。
した油は、色調が淡黄色であってしかも無臭であった。
その上、熱処理をしていないため、残存するリグナンが
エピ化しておらず、サラダ油としても、健康的にもまた
品質的にも優れていた。
Claims (1)
- 【請求項1】ゴマ油を超臨界の条件下で抽出してゴマリ
グナン及び/又はゴマフレーバーを得ることを特徴とす
るゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11131797A JP2000290679A (ja) | 1999-04-03 | 1999-04-03 | ゴマ油からのゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法 |
US09/541,369 US6278005B1 (en) | 1999-04-03 | 2000-03-31 | Process of producing sesame lignans and/or sesame flavors |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11131797A JP2000290679A (ja) | 1999-04-03 | 1999-04-03 | ゴマ油からのゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000290679A true JP2000290679A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=15066351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11131797A Pending JP2000290679A (ja) | 1999-04-03 | 1999-04-03 | ゴマ油からのゴマリグナン及び/又はゴマフレーバーの製造法 |
Country Status (2)
Country | Link |
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