JP2000289221A - インクタンク及びその製造装置 - Google Patents

インクタンク及びその製造装置

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JP2000289221A
JP2000289221A JP10171799A JP10171799A JP2000289221A JP 2000289221 A JP2000289221 A JP 2000289221A JP 10171799 A JP10171799 A JP 10171799A JP 10171799 A JP10171799 A JP 10171799A JP 2000289221 A JP2000289221 A JP 2000289221A
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純 安藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成及び動作を複雑化することによるコ
ストアップを招くことなく、インクタンク内のインク吸
収体内部での気泡の発生による印字不良の発生を防止す
る。 【解決手段】 インクタンク本体2の上面開口を閉止す
ると共に減圧用連通孔10及び大気連通孔15を有した
蓋部材3と、から成り、減圧用連通孔を開閉する封止部
材11を減圧用連通孔内に可動状態で配置すると共に、
大気連通孔を連通孔シール部材により封止することによ
って内部を減圧状態に保持する構造のインクタンクであ
って、封止部材は、減圧用連通孔からインクタンク内に
負圧を導入してインクタンク内を減圧する際に減圧用連
通孔を開放し、負圧導入後は減圧用連通孔内に着座して
これを封止するように構成されており、封止部材には係
止部材を突設し、該係止部材をインクタンクの減圧用連
通孔内に差込み抜落ち不能に係止することによって、減
圧用連通孔から負圧を導入する際に、該減圧用連通孔内
から封止部材が散逸することを防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に用いるインクタンク及びその製造装置に関し、特
にインクの漏れ出しやインク気泡発生を防止する為に内
部を減圧状態に保持する構成を備えたインクタンク及び
その製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録ヘッド
に設けたノズルからインク液滴を印字信号に応じて選択
的に吐出させて記録紙上にドット状に付着させることに
よって記録を行う記録装置であり、記録時の振動、騒音
がほとんどないという静音性と、カラー化が容易である
等々の利点を有するために、コンピュータ等のデジタル
処理装置からのデータを出力する手段としてのプリンタ
のみならず、ファクシミリやコピー機等の画像形成装置
にも用いられるようになっている。この種のインクジェ
ット記録装置においては、インク滴を吐出する記録ヘッ
ドに対してインクを供給する手段としてインクタンク
(インクカートリッジとも称する)が用いられ、インク
タンクの内部にはインクを吸収した弾性多孔質材から成
るインク吸収体が収容されている。このようなインクジ
ェット記録装置において用いられるインクは主として水
性インクである。水性インクは原材料を溶解する工程と
濾過する工程によって製造されるが、これらの工程を経
て製造されたインク中には窒素、酸素、炭酸ガス等の各
種気体が溶存している。従って、製造されたインクをそ
のまま充填したインクタンクを記録装置に装着して記録
ヘッドにインクを供給することにより印字を行うと、イ
ンク内に溶存している各種気体がインク流路や記録ヘッ
ド内で気泡となって詰まり等を惹起し、ドット抜けなど
の印字不良を引き起こす。このようなところから、イン
クタンク内のインク吸収体にインクを充填する前に、イ
ンクを圧力容器中で減圧しながら攪拌することにより上
記各種気体をインク中から脱気したり、或は気体分離膜
を用いた脱気装置によって脱気する処理を施すことによ
り、インク中の溶存気体を減らす方法が従来から採用さ
れている。
【0003】また、従来はインクタンク内に上記弾性多
孔質体を収容することにより、弾性多孔質体の毛管力に
よってインクを吸収保持するように構成しており、この
ような構造のインクタンクにあっては、構造上容器内上
部に空間が形成され、この空間はインクタンク上部に形
成した大気連通孔(減圧孔を兼ねる)によって容器外部
と通じている。また、従来のインクタンクの製造手順と
しては、インクタンク内を減圧しながら大気連通孔から
インク液を充填した後で、内部雰囲気を大気圧に戻して
から大気連通孔を封止する作業を行っていた。したがっ
て、溶存気体を除去する為の脱気処理を受けたインクを
充填したインクタンクは一時的に大気圧にさらされてし
まうので、インクタンク内上部の空間中の気体がインク
に溶け込み、溶け込んだ気体が気泡を発生させる原因と
なる。このため、印字時にインクタンク内の多孔質体内
部で気泡が発生し、この気泡が記録ヘッド側に流入した
場合には印字不良を招くことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく一旦脱気
処理を施したインクをインクタンク内に充填した後で大
気中に放置すると、インク中に徐々に空気が溶け込んで
しまい、各種気体が溶存した状態に戻る。このような問
題を解決する手段として、特開平9−220815号公
報の「インクカートリッジのインク注入方法及びその装
置」には、真空チャンバ内にインクタンクをセットして
から真空チャンバ内を真空状態に減圧し、この状態でイ
ンクタンク内へのインク充填作業とインクタンク密閉作
業を1つの工程で行うようにした技術が開示されてい
る。また、特開平7−266575号公報の「インクジ
ェット記録装置及びインクタンクとその製造方法」に
は、インクタンクを外部と連通させる連通孔を通じてイ
ンクタンクを減圧した後でインクタンク内にインクを充
填し、減圧後に連通孔を気密封止する技術が開示されて
いる。また、特開平10−166614号公報の「イン
クタンク及びインクタンク包装体」には、インクタンク
内にインクを充填した後に充填口を溶着で塞ぎ減圧密閉
を行う技術が開示されている。
【0005】上記特開平9−220815号公報ならび
に特開平10−166614号公報に記載された技術は
一つの工程、もしくは一つの装置によってインク充填作
業からインクタンク内減圧、密閉作業までを行う発明で
あるが、1つの工程でインクタンク内を真空状態に減圧
し、インク充填−インクタンク密閉を行うようにすれ
ば、上記不具合を回避することは可能であるが、製造装
置の動作が複雑となり、その結果として製造装置の値段
が高くなる。また、特開平7−266575号公報によ
れば、インク充填工程とインクタンク減圧工程とを分離
して製造することが可能であるが、封止部材を仮止めし
てから減圧して封止を行う詳細が記載されていないた
め、このままでは減圧密閉を行う工程を構築できない。
また、仮に工程構築を行うことができたとしてもインク
内気体の膨張による泡の吹き出しという問題が発生す
る。本発明は上記に鑑みてなされたものであり、装置構
成及び動作を複雑化することによるコストアップを招く
ことなく、インクタンク内のインク吸収体内部での気泡
の発生による印字不良の発生を防止することができるイ
ンクタンク、及びその製造方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
請求項1の発明は、供給口シール部材により封止される
インク供給口を底面に有すると共にインクを吸収した多
孔質体を内部に収容するインクタンク本体と、インクタ
ンク本体の上面開口を閉止すると共に減圧用連通孔及び
大気連通孔を有した蓋部材と、から成り、前記減圧用連
通孔を開閉する封止部材を減圧用連通孔内に可動状態で
配置すると共に、前記大気連通孔を連通孔シール部材に
より封止することによって内部を減圧状態に保持する構
造のインクタンクであって、前記封止部材は、前記減圧
用連通孔からインクタンク内に負圧を導入してインクタ
ンク内を減圧する際に、減圧用連通孔内を開放方向に変
位して減圧用連通孔を開放し、減圧終了後は減圧用連通
孔内に着座してこれを封止するように構成されており、
前記封止部材には係止部材を突設し、該係止部材を前記
インクタンクの減圧用連通孔内に差込み抜落ち不能に係
止することによって、減圧用連通孔から負圧を導入する
際に、該減圧用連通孔内から前記封止部材が散逸するこ
とを防止したことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明は、前記インクタンク本
体、或は蓋部材の少なくとも一方の内壁に消泡用の突起
物を設けることにより、インクタンク内の減圧時に発生
した泡を解消するように構成したことを特徴とする。請
求項3の発明は、請求項1に夫々記載されたインクタン
クの製造装置であって、インクタンク内の減圧時に前記
封止部材が減圧用連通孔内から散逸することを防止する
為に封止部材を減圧用連通孔内に押し込む機能を持った
押し込み部材を備え、非押し込み時における該押し込み
部材の待機位置を、前記減圧用連通孔の上方で、しか
も、(減圧用連通孔の上端から待機位置までの高さ)<
(封止部材の長さ)の関係が成り立つ位置としたことを
特徴とする。請求項4の発明は、上記インク供給口から
インクタンク内にインクを充填してインク供給口を封止
した後、前記減圧用連通孔内に大気圧下で前記封止部材
を仮装着し、前記インクタンクを気密容器内に入れて該
気密容器内の減圧を完了した後で、前記封止部材が前記
減圧用連通孔内を封止することによりインクタンク内を
減圧状態に保ったまま密封を行うインクタンクの製造装
置において、前記封止部材の質量が、(大気圧とインク
タンク内圧力との差圧)*(減圧用連通孔の開口面積)
>(封止部材の質量)、という条件を満たすように構成
したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。図1は本発明に係わるインクタ
ンクの概略断面図の一例である。このインクタンク1
は、上面が開口した箱形のインクタンク本体2と、イン
クタンク本体2の上面開口を閉止する蓋部材3と、を備
えている。インクタンク本体2の底面には供給口シール
部材6により封止されるインク供給口5が形成され、イ
ンクタンク本体2内にはインクを吸収した多孔質体(イ
ンク吸収体)7が収容されている。蓋部材3には、減圧
用連通孔10及び大気連通孔15が形成されている。減
圧用連通孔10内にはこれを開閉する封止部材11が可
動状態で配置され、大気連通孔15は連通孔シール部材
16により封止される。このインクタンクを製造する際
には、インク吸収体7を収容したインクタンク本体2の
上部開口に蓋部材3を固定してから、インク供給口5を
供給口シール部材6により封止すると共に、大気連通孔
15を連通孔シール部材16により封止した状態で、減
圧用連通孔10からインクタンク内に負圧を導入するこ
とによりインクタンク内を減圧し、インクタンク内外の
圧力差により封止部材11を減圧用連通孔10に吸引着
座させて封止することによってインクタンク内部を減圧
状態に保持する。なお、インクは、例えばインク供給口
5を封止する前に、インク供給口5等からインクタンク
内のインク吸収体7に供給させておき、インク充填後に
インク供給口5及び大気連通孔15を夫々封止する。即
ち、このインクタンク1は、インクを吸収したインク吸
収体7を内部に有し、インクタンク1内を減圧状態にし
たまま、インクの流路であるインク供給口5及び空気の
流路である大気連通孔15、減圧を行うための減圧用連
通孔10をそれぞれ、供給口シール部材6、連通孔シー
ル部材16および、封止部材11で封止してある。
【0009】なお、後述する理由から、封止部材11の
質量(N)=W、前記減圧用連通孔10の開口面積(m
2)=A、大気圧とインクタンク1内の圧力との間の
差圧△Pとしたときに、△P*A>Wの関係式が成り立
つ必要がある。また、封止部材11の形状については、
できることなら球形、または円錐形状、円柱形状が望ま
しい。これは、この封止部材11が減圧用連通孔10内
を上下動して連通孔10を開放したり封止する機能を有
する部品だからである。インクタンク1は、上部に広い
開口を有するインクタンク本体2の上部開口の周縁部に
蓋部材3を接着または溶着することにより固定したもの
であり、たとえば樹脂成型品である。インクタンク本体
2の底部には記録装置の記録ヘッドにインクを供給する
ためのインク供給口5を形成し、このインク供給口5に
は供給口シール部材6を溶着して封止してあり、インク
タンク1を記録装置本体にセットする前に連通孔シール
部材16を剥がして使用する。蓋部材3に形成した大気
連通孔15にはあらかじめ連通孔シール部材16を溶着
して封止してあり、インクタンク1を記録装置本体にセ
ットする前に連通孔シール部材16を剥がしてインクタ
ンク1内部を大気圧にして使用する。インク吸収体7は
例えば弾性を有した多孔質体からなり、インクタンク1
内に圧縮して挿入している。大気連通孔15および、減
圧用連通孔10はいずれもインクタンク1を構成してい
る蓋部材3に形成し、シール部材16および封止部材1
1によって封止される前にはインクタンク1の内外を連
通している。このようにインクを吸収したインク吸収体
を収容したインクタンク1内を減圧状態にしたままイン
クおよび空気の流路を封止することによって、インクタ
ンク1を減圧包装する時にインクの漏れ出しや多孔質内
での気泡の発生を防ぎつつ、インク中の気体の溶存量を
低減した状態でインクタンク1を保存することができ、
長期安定性が向上する。なお、ここで減圧包装とは、完
成したインクタンクを包装用の袋等により真空パックす
ることを意味しているが、インクタンク内が減圧されて
ない場合には減圧連通孔等からインクが漏れ出してイン
クタンク外面や包装用袋の内面を汚損する事態が発生し
易いが、本実施の形態ではそのような問題が発生しな
い。
【0010】次にこのようなインクタンク1の製造方法
について説明する。図2は本発明のインクタンクを製造
する装置の一例を示した概略断面図である。この製造装
置は、インクタンクに対する減圧処理を行う真空チャン
バー21と、インクタンクを支持する治具部22と、封
止部材11を減圧用連通孔10内に押し込む押し込み機
構23と、配管材24を介して真空チャンバー21内部
と連通接続された真空ポンプなどの真空発生装置25、
真空圧力計26とを有する。押し込み機構23は、エア
シリンダ等の駆動源23aと、駆動源23aによって上
下駆動される押し込み部材23bとから構成されてい
る。まず、真空チャンバー21内においてインクタンク
内を減圧処理する際には、真空チャンバー21内の治具
部22上にインク充填されたインクタンク1を位置決め
固定する。減圧前のインクタンク1は、インク供給口
5、大気連通孔15、減圧用連通孔10が開放された状
態にあるので、減圧に際してはインク供給口5部に供給
口シール部材6を、大気連通孔15に連通孔シール部材
16を夫々溶着することにより、インク供給口5と大気
連通孔15を夫々密閉する。続いて、タンクケース1を
真空チャンバー21の図示しない開口から挿入して治具
部22上に着座せしめ、封止部材11を減圧用連通孔1
0内に仮装着して封止し、真空チャンバー21の開口を
閉じる。なお、減圧用連通孔10の内周には封止部材1
1の装着性をよくするためのテーパー部10aが設けら
れている(図3(a) )。
【0011】真空チャンバー21内には、インクタンク
を装着する治具部22、封止部材を押し込む押し込み部
材23が設けられており、配管材24を通じて真空ポン
プなどの真空発生装置25、真空圧力計26と接続され
ている。真空チャンバー21内を真空発生装置25を用
いて減圧開始した時には、インク供給口5、及び大気連
通孔15は完全に気密封止され、減圧用連通孔10は封
止部材11によって仮封止されている。このため、減圧
開始によって、インクタンク1内と真空チャンバー21
との間には圧力差△Pが生じる。この時、圧力差△Pに
よって封止部材11は矢印の方向に△P*Aの力を受け
ることになる。ここで、封止部材11の質量Wが、イン
クタンク1内と真空チャンバー21との間の圧力差によ
って発生する力△P*Aより小さければ、封止部材11
は上方(開放方向)へ持ち上げられインクタンク1と真
空チャンバー21が連通し、同じ圧力になる(図3(b)
)。その後、チャンバー21内の圧力が予め圧力計に
より設定された所定圧力になると、駆動源23aの作動
により押し込み部材23bが下降し、図3(b) の状態に
あった封止部材11を減圧用連通孔10内へ押し込んで
封止し、インクタンク全体を封止することによってイン
クタンク1内の減圧密閉を行う。(図3(c) )。
【0012】次に、図4は本発明の変形実施例に係る要
部構成図であり、封止部材11から鍵状の突起である係
止部材30を一体的に突設した構成が特徴的である。こ
の係止部材30をインクタンク1の減圧用連通孔10内
に差込み抜落ち不能に係止することによって、減圧用連
通孔10から負圧を導入する際に、該減圧用連通孔内か
ら封止部材が散逸(脱落)することを防止している。な
お、封止部材11から係止部材30の折り曲げ部までの
長さは、減圧用連通孔10の深さよりも長く設定する必
要がある。これは、封止部材11が減圧用連通孔10を
完全に封止した状態から、図4のように開放した状態ま
での間を移動する必要があるからである。封止部材11
の係止部材30を減圧用連通孔10内に差し込んだ後、
インクタンク1を真空チャンバー21に入れ、減圧を行
う。インクタンク1内と真空チャンバー21との間の圧
力差△Pによって封止部材11は持ち上げられて減圧用
連通孔10を開放するが、係止部材30が蓋部材3に引
っかかるためインクタンク1内部から真空チャンバー2
1内への空気の流れによって、封止部材11が飛ばされ
ることはない。
【0013】次に、図5(a) は気泡発生による不具合を
説明する図であり、(b) はこの不具合を解決する本発明
の他の形態例を示す断面図である。図2に示した真空チ
ャンバー内の減圧を急速に行うと、インク充填時にイン
クタンク1内に混入していた空気の気泡が一気に膨張
し、インクタンク1内に大量の泡35が発生することに
なる。インクタンク1内が泡35で満たされると、イン
クが減圧用連通孔10より真空チャンバー21側へ流れ
出し、インクタンク1ならびに真空チャンバー21内を
汚してしまう(図5(a) )。そこで、真空チャンバー2
1の減圧速度を遅く(例えば、−3kPa/秒以下、或
は−2kPa/秒以下)とすることによって、気泡が急
速に膨張し泡が発生することを防ぐ。ここで、真空チャ
ンバー21の減圧速度を遅くする方法としては、例え
ば、配管材24の管径を一部細くして空気の流速を落と
す方法、真空発生装置として小出力のものを使用した
り、或は真空発生装置の出力を調整して空気の流速を落
とす方法などがある。また、蓋部材3の天井面やインク
タンク本体2の内壁等に、図5(b) に示した如き消泡用
の突起物40を複数設けておくと、減圧時にインクタン
ク1内で発生した泡が突起物28と触れて割れるため、
インクが減圧用通気孔10より真空チャンバー21側へ
流れ出すことがなくなる。この突起物40は先端が尖っ
た形状とすることにより気泡を容易に割ることができる
が、図示の形状、配置に限定する趣旨ではない。
【0014】次に、図6は本発明の他の実施の形態を説
明する要部構成図であり、押し込み部材23bの待機位
置を所定に規制することにより減圧時に封止部材が減圧
用連通孔から脱落することを有効に防止したものであ
る。即ち、この実施の形態では、押し込み部材23bの
待機位置を、減圧用連通孔10の上方であり、且つ、
(減圧用連通孔10上端から待機位置までの高さH)<
(封止部材の長さL) という関係が成り立つ位置に設
定している。押し込み部材23bの待機位置を、このよ
うな条件を満たすように構成することによって、減圧時
にインクタンク1内と真空チャンバー21との間の圧力
差△Pによって封止部材11が持ち上げられたときに、
(減圧用連通孔10上端から待機位置までの高さH)<
(封止部材の長さL)となっているために、封止部材1
1は押し込み部材23bによってその動きを制限され、
インクタンク1内部から真空チャンバー21内への空気
の流れによって、封止部材11が飛ばされることが防止
される。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、装置構成
及び動作を複雑化することによるコストアップを招くこ
となく、インクタンク内のインク吸収体内部での気泡の
発生による印字不良の発生を防止することができる。即
ち、請求項1のインクタンクにあっては、内部を減圧し
た状態で気密封止した構造のインクタンクにおいて、減
圧用連通孔を封止する為の封止部材を抜けにくい形状と
することによって封止部材が飛ばされることを防ぐこと
ができ、確実な減圧密閉を行うことができる。請求項2
のインクタンクにあっては、前記インクタンク本体、或
は蓋部材の少なくとも一方の内壁に消泡用の突起物を設
けることにより、インクタンク内の減圧時に発生した泡
を解消するように構成したので、仮にインクタンク内に
気泡が発生したとしても、これを有効に消すことがで
き、気泡に起因した印字不良の発生を防止できる。請求
項3のインクタンクの製造装置にあっては、非押し込み
時における該押し込み部材の待機位置を、前記減圧用連
通孔の上方で、しかも、(減圧用連通孔の上端から待機
位置までの高さ)<(封止部材の長さ)の関係が成り立
つ位置としたので、減圧時に封止部材が散逸することを
防止し、確実な減圧密閉を実現できる。請求項4にあっ
ては、封止部材の質量が、(大気圧とインクタンク内圧
力との差圧)*(減圧用連通孔の開口面積)>(封止部
材の質量)、という条件を満たすように構成したので、
減圧時に封止部材が減圧用連通孔を開放して減圧を確実
に行わしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるインクタンクの概略断面図の一
例の断面図。
【図2】本発明のインクタンクを製造する装置の一例を
示した概略断面図。
【図3】(a) (b) 及び(c) は封止部材の動作を説明する
要部断面図。
【図4】本発明の他の実施の形態の要部構成図。
【図5】(a) は気泡発生状態を示す図、(b) は気泡を解
消する構成例を示す図。
【図6】本発明の他の実施の形態の要部構成図。
【符号の説明】
1 インクタンク、2 インクタンク本体、3 蓋部
材、5 インク供給口、6供給口シール部材、7 多孔
質体(インク吸収体)、10 減圧用連通孔、11 封
止部材、15 大気連通孔、16 連通孔シール部材、
21 真空チャンバー、22 治具部、23 押し込み
機構、23a 駆動源、23b 押し込み部材,30
係止部材,35 気泡、40 消泡用の突起物。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給口シール部材により封止されるイン
    ク供給口を底面に有すると共にインクを吸収した多孔質
    体を内部に収容するインクタンク本体と、インクタンク
    本体の上面開口を閉止すると共に減圧用連通孔及び大気
    連通孔を有した蓋部材と、から成り、 前記減圧用連通孔を開閉する封止部材を減圧用連通孔内
    に可動状態で配置すると共に、前記大気連通孔を連通孔
    シール部材により封止することによって内部を減圧状態
    に保持する構造のインクタンクであって、 前記封止部材は、前記減圧用連通孔からインクタンク内
    に負圧を導入してインクタンク内を減圧する際に、減圧
    用連通孔内を開放方向に変位して減圧用連通孔を開放
    し、減圧終了後は減圧用連通孔内に着座してこれを封止
    するように構成されており、 前記封止部材には係止部材を突設し、該係止部材を前記
    インクタンクの減圧用連通孔内に差込み抜落ち不能に係
    止することによって、減圧用連通孔から負圧を導入する
    際に、該減圧用連通孔内から前記封止部材が散逸するこ
    とを防止したことを特徴とするインクタンク。
  2. 【請求項2】 前記インクタンク本体、或は蓋部材の少
    なくとも一方の内壁に消泡用の突起物を設けることによ
    り、インクタンク内の減圧時に発生した泡を解消するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1記載のインクタ
    ンク。
  3. 【請求項3】 請求項1に夫々記載されたインクタンク
    の製造装置であって、 インクタンク内の減圧時に前記封止部材が減圧用連通孔
    内から散逸することを防止する為に封止部材を減圧用連
    通孔内に押し込む機能を持った押し込み部材を備え、 非押し込み時における該押し込み部材の待機位置を、前
    記減圧用連通孔の上方で、しかも、(減圧用連通孔の上
    端から待機位置までの高さ)<(封止部材の長さ)の関
    係が成り立つ位置としたことを特徴とするインクタンク
    の製造装置。
  4. 【請求項4】 上記インク供給口からインクタンク内に
    インクを充填してインク供給口を封止した後、前記減圧
    用連通孔内に大気圧下で前記封止部材を仮装着し、前記
    インクタンクを気密容器内に入れて該気密容器内の減圧
    を完了した後で、前記封止部材が前記減圧用連通孔内を
    封止することによりインクタンク内を減圧状態に保った
    まま密封を行うインクタンクの製造装置において、 前記封止部材の質量が、(大気圧とインクタンク内圧力
    との差圧)*(減圧用連通孔の開口面積)>(封止部材
    の質量)、という条件を満たすように構成したことを特
    徴とする請求項3記載のインクタンクの製造装置。
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