JP2000288942A - 研削工具およびその製造方法 - Google Patents
研削工具およびその製造方法Info
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Abstract
研削工具において、ろう材の成分操作によることなく、
かつ研削能力を落とすことなく、砥粒の保持力を向上さ
せる手段を提供する。 【解決手段】 ダイヤモンド砥粒1にレーザを照射して
表面溝3と貫通孔2を形成し、この砥粒1を台金11上
に配設し、砥粒1の溝3と貫通孔2に活性金属を含むろ
う材14を充填させて砥粒1を台金11上にろう付けし
た。
Description
CBN砥粒などの超砥粒を用いた研削工具にかかり、と
くに砥粒の保持力を向上させた研削工具およびその製造
方法に関する。
粒などの超砥粒をろう付け法により台金に固着した研削
工具が研削・研磨用として使用されている。このような
研削工具には、切れ味に優れ、しかもその切れ味が長期
にわたって安定的に持続することが要求される。ところ
が、ダイヤモンド砥粒にしろ、CBN砥粒にしろ、研削
作業の進行に伴い切れ味と寿命が低下する。その主な原
因として、ろう材の強度不足による砥粒の脱落が生じる
ことが挙げられる。
22194公報には、NiおよびCoからなる群から選
ばれた1種または2種の金属の少なくとも50重量%、
Crの2〜26重量%、およびB、Si、Pよりなる群
より選ばれた1種または2種以上の元素の合計12重量
%以下よりなるろう付け用合金を用いることが開示され
ている。
は、炭化物形成金属とろう材と仮結合剤を混合したコー
ティング材料を工具基体に施し、その上にダイヤモンド
粒子を施してろう付けする方法が開示されている。
は、Ti、CrまたはZrより選ばれた1種以上を0.
5〜20重量%含む融点650℃〜1200℃の合金を
用いて、ダイヤモンド粒子を金属および/または合金か
らなる支持部材に、単層、ろう付けし、ダイヤモンド粒
子と合金との境界にTi、CrまたはZrより選ばれた
金属の炭化物層を形成させることが開示されている。
2194公報に記載の方法によれば、特定量のCrを含
むCoおよび/またはNiを主体とする型のろう付け用
合金がダイヤモンドの表面を容易にぬらしてダイヤモン
ドの基材に対する強固な結合が得られるとされている。
また、特開平3−131475号公報に記載の方法によ
れば、加熱工程において炭化物およびろう材層がダイヤ
モンド粒子の側面上にはい上がり、それによって工具の
強度が高められるとされている。また、特開平10−1
75156号公報に記載の方法によれば、ダイヤモンド
とろう付け合金との界面にTi、CrまたはZrより選
ばれた1種以上の金属の炭化物層が形成されることで、
接合強度が上昇するとされている。
よっても、ろう材はダイヤモンド砥粒の表面と部分的に
化学的結合しているだけであり、砥粒保持力としてなお
不十分である。また、ろう材はAg,Cu,Niを主成
分とした低融点金属が一般的に用いられており、これら
の材料は耐摩耗性が劣るため、切粉などによってこれら
の材料が摩耗し、砥粒の保持力が低下して脱落を引き起
こす結果となる。
法として、特開平10−264034号に記載の方法が
ある。この方法によれば、砥粒の周囲に特定の活性粉末
成分を含む結合剤をコーティングさせることにより、ロ
ウ付け後の砥粒の保持力を高めることができるとされて
いる。しかし、この方法では、砥粒の先端、いわゆるカ
ッティングポイントが、結合剤によりコーティングされ
るために、鋭い切刃として作用しにくくなり、結果とし
て研削能力が低下するという問題がある。
け法により固着する研削工具において、 ろう材の成分操
作によることなく、かつ研削能力を落とすことなく、砥
粒の保持力を向上させる手段を提供することにある。
イヤモンド、CBNなどの砥粒を用いた研削工具であっ
て、表面凹部または貫通孔を単独にまたは組み合わせて
形成した砥粒を台金上に1層または複数層配設し、砥粒
の前記凹部または貫通孔に活性金属を含むろう材を充填
させて砥粒を台金上にろう付けしたことを特徴とする。
砥粒の表面に凹部や貫通孔を形成しておくことにより、
砥粒を台金にろう付けするときに、ろう材がこれらの凹
部や貫通孔に充填され、砥粒とろう材との接触面積が増
大して、砥粒保持力が格段に高くなる。
は、砥粒の硬度が極めて高いために機械加工では困難で
あり、加工時の衝撃による砥粒の破砕または微細クラッ
クによって使用時に砥粒が破砕しやすくなってしまう。
また、化学的に表面を反応させて微視的な凹凸を形成す
ることもできるが、砥粒自体が劣化してしまう。したが
って、砥粒の強度を低下させることなく、また砥粒を破
砕させることなく砥粒を加工する方法としては、レーザ
照射による加工が最も適している。
の形成は、つぎのようにして行うことができる。図4に
示すように、まず、砥粒1が1個づつ入る大きさの孔H
1 を規則的に配置したパンチングプレートP1 に砥粒1
を充填する。この上から、砥粒1よりも小さい径の孔H
2 を規則的に配置したパンチングプレートP2 を載せて
砥粒1を固定する。この状態で、数値制御により砥粒位
置にレーザを照射し、砥粒1に貫通孔2や凹部(図示せ
ず)を形成する。とくにレーザとしてYAGレーザを用
いた場合は、数100μmの微細孔を高アスペクト比5
0以上で形成することができ、熱影響も少なく砥粒の劣
化が小さい。
填できる部分が多くなるほど砥粒の保持力は高くなるの
で、この点からは凹部よりは貫通孔のほうが好ましい。
ただし、貫通孔の数が多くなるほど砥粒が破砕しやすく
なるため、貫通孔は1個または2個にとどめるほうがよ
い。また、貫通孔を形成することが困難な低強度の砥粒
に対しては、凹部を砥粒表面に均一に形成するようにし
てもよい。
を、台金上に1層または複数層に配設してろう付けす
る。砥粒の配設を1層にするか、2層あるいは3層以上
にするかは、研削工具の用途によって決めることができ
る。たとえば、加工面の精度を重視する場合は1層が適
しており、加工面の精度と工具寿命との両方を必要とす
る場合は2層が適しており、工具寿命を重視する場合は
3層以上の多層が適している。ろう付けの方法は、従来
公知の方法により行うことができ、ろう材に活性金属を
含有させる方法を採用することもできる。
は、砥粒粒径の10%以上とすることが望ましい。ろう
材の厚みが砥粒粒径の10%より少ないと、砥粒の固着
力増大効果が小さくなる。他方、ろう材の厚みが大き過
ぎて砥粒の突き出し量が小さくなると、切れ味が低下す
るので、砥粒の突き出し量が砥粒粒径の20%以上とな
るように、ろう材の厚みを設定することが望ましい。
削に使用するカップ型の回転砥石に適用した実施形態に
基づいて説明する。図1は本発明の実施形態である回転
砥石を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面断面図
である。図2は図1の回転砥石の砥材層の部分拡大断面
図である。
周縁11aに連続して、ダイヤモンド砥粒1を用いた環
状の砥材層12をロウ付けにより接着して取り付けたも
のである。台金11は、全体形状が短い筒状をした台金
であり、底部中央部に電動工具の回転軸に取り付けるた
めの取り付け用孔11bを設けている。砥石各部の寸法
は、台金11の外径100mm、砥材層12の半径方向
幅8mm、台金11の全体高さ30mmである。
0.35〜0.40mm(#40〜#50)のダイヤモ
ンド砥粒1の表面に溝3を形成し、内部に貫通孔2を形
成し、このダイヤモンド砥粒1を台金11の外周縁11
a上に1層配設して、溝3と貫通孔2に活性金属を含む
ろう材14を充填させてダイヤモンド砥粒1を台金外周
縁11a上にろう付けしたものである。溝3の開口幅は
0.1〜0.2mm、深さは0.1〜0.3mm、個数
は2〜3個であり、貫通孔2の内径は0.1〜0.2m
m,個数は1〜2個である。ダイヤモンド砥粒1の溝3
と貫通孔2は、図4に示した方法により、YAGレーザ
を照射して形成したものである。
Crを含む活性銀ろうであり、ろう材14を台金11上
に均一に塗布した後、ダイヤモンド砥粒1を配置、加熱
して、図2に示す状態にダイヤモンド砥粒1を台金外周
縁11a上に固着する。ここで、ろう材14の厚みは、
ダイヤモンド砥粒1の固着力を確保したうえでダイヤモ
ンド砥粒1の突き出し量が砥粒粒径の20%以上となる
ように、砥粒粒径の10〜80%の範囲としている。
は、あらかじめダイヤモンド砥粒1に溝3と貫通孔2を
形成しておくことにより、ダイヤモンド砥粒1を台金外
周縁11a上にろう付けするときに、ろう材14が溝3
と貫通孔2に充填され、ダイヤモンド砥粒1とろう材1
4との接触面積が増大して、高い砥粒保持力が得られ
る。
品)と、図1,2に示した基本形状で溝や貫通孔のない
通常の砥粒を用いた砥粒層を形成した回転砥石(比較
品)とを使用して研削試験を行った。試験に用いた砥石
の仕様を表1に示す。
金)
れていて研削加工中に砥粒の脱落が発生せず、長時間に
わたって良好な切れ味を維持できた。一方、比較品は砥
粒の保持力が十分でなく、研削加工中に一部の砥粒が脱
落して切れ味が低下した。図3は砥石の切れ味を表す指
標の一つである消費電力の推移を示す図であり、比較品
は研削途中で消費電力が上昇して継続使用ができなくな
ったのに対し、発明品は比較品の2倍以上研削しても安
定した低い消費電力を示し、なお継続研削ができる状態
であった。
ができる。
孔を形成しておくことにより、砥粒を台金にろう付けす
るときに、ろう材がこれらの凹部や貫通孔に充填され、
砥粒とろう材との接触面積が増大して、砥粒保持力が格
段に高くなる。これによって、研削加工中に砥粒の脱落
が発生せず、長時間にわたって良好な切れ味を維持する
ことができる。
射により形成することにより、砥粒の劣化や破砕を生じ
ることなく、砥粒表面の凹部や貫通孔を形成することが
できる。とくにYAGレーザを使用することにより、熱
影響による砥粒の劣化を生じることなく、微罪孔を形成
することができる。
で、(a)は平面図、(b)は正面断面図である
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 ダイヤモンド、CBNなどの砥粒を用い
た研削工具であって、表面凹部または貫通孔を単独にま
たは組み合わせて形成した砥粒を台金上に1層または複
数層配設し、砥粒の前記凹部または貫通孔にろう材を充
填させて砥粒を台金上にろう付けした研削工具。 - 【請求項2】 請求項1記載の研削工具を製造する方法
であって、レーザ照射により砥粒に表面凹部または貫通
孔を単独にまたは組み合わせて形成し、この砥粒を台金
上に1層または複数層配設し、砥粒の前記凹部または貫
通孔にろう材を充填させて砥粒を台金上にろう付けする
ことを特徴とする研削工具の製造方法。 - 【請求項3】 前記レーザとしてYAGレーザを使用す
る請求項2記載の研削工具の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP10186199A JP3411233B2 (ja) | 1999-04-08 | 1999-04-08 | 研削工具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP3411233B2 JP3411233B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=14311800
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3411233B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1707316A2 (en) | 2005-03-28 | 2006-10-04 | Toyoda Koki Kabushiki Kaisha | Abrasive grain and grindstone |
CN105499731A (zh) * | 2015-11-30 | 2016-04-20 | 苏州市宝玛数控设备有限公司 | 一种钎焊金刚石加工工艺 |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP10186199A patent/JP3411233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP1707316A3 (en) * | 2005-03-28 | 2009-07-15 | JTEKT Corporation | Abrasive grain and grindstone |
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