JP2000288700A - 耐候性鋼の連続鋳造用モールドフラックスおよび耐候性鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

耐候性鋼の連続鋳造用モールドフラックスおよび耐候性鋼の連続鋳造方法

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JP2000288700A
JP2000288700A JP11092431A JP9243199A JP2000288700A JP 2000288700 A JP2000288700 A JP 2000288700A JP 11092431 A JP11092431 A JP 11092431A JP 9243199 A JP9243199 A JP 9243199A JP 2000288700 A JP2000288700 A JP 2000288700A
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flux
iron phosphide
resistant steel
mold flux
phosphorus
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JP11092431A
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Tetsuo Mochida
哲男 持田
Yasuo Kishimoto
康夫 岸本
Kenichi Tanmachi
健一 反町
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 海岸地帯などの塩分の多い環境で使用する
場合も塗装や表面処理を必要とせず、しかも加工性およ
び溶接性を損なうことのない厚鋼板の素材を提供する。 【解決手段】 りん化鉄を、りん分を Fe2Pに換算して
1〜40重量%含有するモールドフラックスを用いて連続
鋳造を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性鋼の連続鋳
造用モールドフラックスおよび耐候性鋼の連続鋳造方法
に関し、耐候性厚鋼板製品における耐候性の向上を図ろ
うとするものである。
【0002】
【従来の技術】鋼中にP,Cu,Cr,Ni等の合金元素を添
加し、大気中における耐食性を向上させた耐候性厚鋼板
は、橋梁等の構造物に広く利用されている。耐候性厚鋼
板は、大気と接触すると、腐食の原因である酸素や水を
通しにくいさび(以下、安定さびという)を数年間かけ
て表面に形成し、その安定さびがその後の腐食の進行を
抑制する。このため耐候性厚鋼板は防錆塗料を塗布する
必要のない安価な高耐食性材料である。
【0003】たとえば特開昭63-11651には耐候性かつ耐
海水性鋼の成分が開示されており、特開昭57-139455 号
公報には、耐海水性鋼を連続鋳造で製造するに際して、
粘度が10〜20ポアズのモールドフラックスを使用する方
法が開示されている。しかし従来の耐候性厚鋼板を海岸
地帯で使用する場合は、飛来する海塩粒子の作用によっ
て安定さびが形成されにくいため、腐食の進行を抑制で
きないという問題がある。
【0004】一般に鋼中のPは鋼材の初期腐食速度を加
速し、安定さびを短期間で形成させるために有効な元素
であるとともに、さび粒子を緻密化して耐候性を向上さ
せることが知られている。しかしながら耐候性厚鋼板の
素材である鋳片を連続鋳造によって製造する場合は、鋼
中のPは中心偏析を強め、内部割れの発生を助長し、連
続鋳造鋳片の内部品質を劣化させる原因になる。
【0005】つまり耐候性(海岸地帯における耐候性)
を向上させるために鋼中のPを過度に高めると、製品で
ある耐候性厚鋼板の機械的性質、特に延性が低下して加
工性に悪影響を及ぼす。また高温延性が低下することに
よって、溶接金属のみならず熱影響部(以下、HAZ部
という)が著しく脆化し、溶接施工を多用する構造用部
材として使用するのが困難になるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、海岸地帯な
どの塩分の多い環境において使用する場合も塗装や表面
処理を必要とせず、しかも加工性および溶接性を損なう
ことのない耐候性に優れた厚鋼板の素材を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、りん化鉄をそ
のりん分を Fe2P換算で1〜40重量%含有する耐候性鋼
の連続鋳造用モールドフラックスである。また本発明
は、りん化鉄をそのりん分を Fe2P換算で1〜40重量%
含有する連続鋳造用モールドフラックスを用いる耐候性
鋼の連続鋳造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明らは、耐候性厚鋼板の素材
である連続鋳造鋳片の表層部のみにPを濃化させれば、
Pによって安定さびが形成されるために耐候性の向上が
可能となるとの予想のもとに、種々の実験と検討を重ね
た。その結果、連続鋳造鋳型内に投入されるモールドフ
ラックスにP源としてりん化鉄を添加すると、安定さび
が形成されるために耐候性が向上するとの新規知見を得
て、この発明をなすに至った。その新規知見とは下記の
通りである。
【0009】りん化鉄を含有するモールドフラックスを
連続鋳造鋳型内の溶鋼に投入すると、モールドフラック
スが溶融した後、りん化鉄が沈降して溶鋼メニスカスで
溶解する。りん化鉄の溶解は鋳型内の溶鋼の上部で起き
るため、Pは連続鋳造鋳片の表面近傍に効率よく拡散し
て、連続鋳造鋳片の表層部でPが濃化する。連続鋳造鋳
片の表層部のP濃度はモールドフラックス中に添加した
りん化鉄の濃度のみでほぼ決定され、Pの濃化層は連続
鋳造鋳片の表面から3mmの深さの間に形成される。
【0010】連続鋳造鋳片の表層部に形成されたP濃化
層の厚さは、続く熱間圧延工程における鋳片圧下率に反
比例して減少するものの、製品である厚鋼板の表層部に
も存在する。この厚鋼板の表層部のP濃化層が安定さび
の形成に寄与する。モールドフラックス中にりん化鉄を
過度に添加すると、りん化鉄が溶鋼中に溶解する際に溶
解潜熱を奪うために、モールドフラックスの溶融速度が
低下する。その結果、モールドフラックス溶融層の形成
が阻害され、未溶融のモールドフラックスが連続鋳造鋳
片に捕捉され、後工程の圧延を経た段階で顕在化して表
面疵となる。
【0011】また、モールドフラックス中にりん化鉄を
過度に添加してモールドフラックスの溶融層の形成が阻
害されると、連続鋳造鋳片と鋳型との間に潤滑材として
溶融フラックスが流入できなくなる。その結果、内部が
未凝固の連続鋳造鋳片(すなわち凝固シェル)が破断し
て、漏鋼事故(以下、ブレークアウトという)が発生す
る原因になる。
【0012】りん化鉄としては Fe3P, Fe2P, FeP,
FeP2 等の化合物が知られており、いずれを用いても問
題ないが、価格や入手の容易さから Fe2Pを使用するの
が望ましい。モールドフラックスへのりん化鉄の添加量
は、りん分を Fe2Pに換算して1〜40重量%とする。モ
ールドフラックスへのりん化鉄の添加量が、りん分を F
e2Pに換算して1重量%未満では、Pが不足して連続鋳
造鋳片の表層部に十分な量のP濃化層を形成できない。
またりん化鉄の添加量が、りん分を Fe2Pに換算して40
重量%を超えると、りん化鉄が過剰に添加されるためモ
ールドフラックスの溶融特性が著しく変化して、上記の
表面疵、ブレークアウト等の問題が生じる。したがって
モールドフラックスへのりん化鉄の添加量は、りん分を
Fe2Pに換算して1〜40重量%の範囲とする。
【0013】
【実施例】表1に示すような成分のモールドフラックス
にりん化鉄として Fe2Pを添加した。 Fe2Pの添加量は
表2に示す通りである。この Fe2Pを添加したモールド
フラックスを用いて、下記の要領で耐候性鋼の連続鋳造
を行なった。 鋳型内側寸法:長辺側 1800mm ,短辺側 260mm 鋳造速度:0.80〜1.00m/分 鋳型注入時の溶鋼温度と液相線温度との差ΔT:34〜50
℃ 対象鋼:表3に示す成分の鋼
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】上記の条件で連続鋳造を行なってスラブを
製造し、そのスラブを加熱した後、熱間圧延して厚さ20
mmの厚鋼板とした。この厚鋼板から腐食試験片(厚さ20
mm,幅50mm,長さ 100mm)を採取し、表面をショットブ
ラストした後、暴露試験に供した。暴露試験は飛来塩分
量 0.8 mg/dm2/日の沖縄県海岸地帯を選定し、雨掛かり
のない条件で、それぞれの試験片を地面に対して水平に
設置し、3年間暴露した。3年間暴露した後の試験片の
外観を、表4に示した基準によって目視評価した。また
暴露開始後1年および3年経過した時点で、地鉄表面に
形成されたさび層を除去し、試験片の重量減少量を測定
して板厚減少量に換算した。その結果を表2に示す。な
お表2中の No.3〜6は本発明例であり、 No.1,2,
7は比較例である。
【0018】
【表4】
【0019】No.2の厚鋼板は Fe2P添加量が 0.5重量
%であるが、 Fe2Pを添加していない No.1の厚鋼板に
比べると外観目視評点は良い。しかも No.2の厚鋼板
は、板厚減少量も No.1の厚鋼板より少ない。しかし N
o.2の厚鋼板を本発明例の No.3〜6の厚鋼板と比較す
ると、外観目視評点および板厚減少量ともに No.3〜6
の厚鋼板の方が良い。
【0020】特に板厚減少量に着目すると、本発明例の
No.3〜6の厚鋼板では暴露1年後と3年後の板厚減少
量はほぼ同等の水準であるのに対して、比較例の No.
1,2の厚鋼板では暴露1年後より暴露3年後の板厚減
少量が大きくなっている。つまり本発明例の No.3〜6
の厚鋼板では腐食の進行が抑制されるのに対して、比較
例の No.1,2の厚鋼板では腐食が進行していることが
分かる。
【0021】比較例の No.7の厚鋼板は、モールドフラ
ックス中に Fe2Pを過度に添加して連続鋳造を行なった
ものであるが、連続鋳造の際にブレークアウトが発生し
てスラブを製造できなかった。その原因は、 Fe2Pを過
度に添加することによってモールドフラックスの溶融層
の形成が阻害され、連続鋳造鋳片と鋳型との間に潤滑材
として溶融フラックスが流入できなくなったためであ
る。
【0022】また、上記の条件で製造した厚さ20mmの耐
候性厚鋼板の機械的性質(延び率,降伏強度,破断強
度)および溶接特性(シャルピー試験による靱性の評
価,溶接金属とHAZ部の硬度)についても調査した。
その結果、本発明例の No.3〜6の厚鋼板から採取した
試験片の機械的性質および溶接特性は、 Fe2Pを添加し
ない No.1の厚鋼板から採取した試験片と同等であっ
た。
【0023】つまり、本発明の Fe2Pを添加したモール
ドフラックスを用いた連続鋳造鋳片から得られた耐候性
厚鋼板は、 Fe2Pを添加しないモールドフラックスを用
いた連続鋳造鋳片から得られた耐候性厚鋼板と比較し
て、機械的性質および溶接特性は損なわれていないこと
が確認された。なお実施例では表3に示す成分の鋼につ
いて説明したが、本発明は表3に示す成分の鋼に限定さ
れるものではなく、耐候性鋼板全般に適用できる。また
モールドフラックスは表1に示す成分をベースとして F
e2Pを1〜40重量%添加する場合について説明したが、
本発明は表3に示す成分のモールドフラックスに限定さ
れるものではなく、従来から公知のモールドフラックス
をベースとして Fe2Pを1〜40重量%添加しても十分な
効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】本発明のモールドフラックスを使用する
ことによって、新規な設備投資を必要とせず、連続鋳造
鋳片の表層部にP濃化層を形成させることができる。ひ
いては海岸地帯などの塩分の多い環境においても耐候性
に優れた厚鋼板製品を提供できる。
【0025】また本発明のモールドフラックスを用いて
連続鋳造した鋳片から得られた耐候性厚鋼板製品の機械
的性質や溶接特性を損なうこともない。
フロントページの続き (72)発明者 反町 健一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 りん化鉄をそのりん分を Fe2P換算で1
    〜40重量%含有することを特徴とする耐候性鋼の連続鋳
    造用モールドフラックス。
  2. 【請求項2】 りん化鉄をそのりん分を Fe2P換算で1
    〜40重量%含有する連続鋳造用モールドフラックスを用
    いることを特徴とする耐候性鋼の連続鋳造方法。
JP11092431A 1999-03-31 1999-03-31 耐候性鋼の連続鋳造用モールドフラックスおよび耐候性鋼の連続鋳造方法 Pending JP2000288700A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1190914A2 (en) 2000-09-22 2002-03-27 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Grommet
EP1190913A2 (en) 2000-09-22 2002-03-27 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Grommet
KR100406413B1 (ko) * 1999-11-01 2003-11-19 주식회사 포스코 냉연 내후성강의 주조방법
CN114210940A (zh) * 2021-12-24 2022-03-22 西峡龙成冶金材料有限公司 一种yq450nqr1高强高耐候乙字钢用连铸结晶器保护渣及其应用

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