JP2000288086A - Hivウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスおよび発癌性ウイルスの不活化法、体外血液処理法および体外血液処理装置 - Google Patents

Hivウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスおよび発癌性ウイルスの不活化法、体外血液処理法および体外血液処理装置

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JP2000288086A
JP2000288086A JP11130410A JP13041099A JP2000288086A JP 2000288086 A JP2000288086 A JP 2000288086A JP 11130410 A JP11130410 A JP 11130410A JP 13041099 A JP13041099 A JP 13041099A JP 2000288086 A JP2000288086 A JP 2000288086A
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virus
extracorporeal blood
reaction chamber
electric field
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Takeshi Hatanaka
武史 畑中
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ERUSON KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 HIVウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病
ウイルスおよび発癌性ウイルスの不活化法、体外血液処
理法および体外血液処理装置を提供することを目的とす
る。 【構成】この発明の病原性ウイルスの不活化法、体外血
液処理法および体外血液処理装置において、体外循還さ
れる全血液もしくは血漿、血清などからなる生体溶液を
多相電極(56、58、60;102、104、10
6)とニュートラル電極(62;110、112)との
間に形成された反応室(82;124、126、12
8)に導入し、多相電極間に高周波電流を供給すること
により、反応室内で高周波電界を発生させて生体溶液を
高密度の電場で処理するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は血液中のHIVウイル
ス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスおよび発癌性ウ
イルス等の病原性ウイルスを不活化する方法、体外血液
処理法および体外血液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 米国特許第5,484,396号には
HIVウイルスの不活化法と、HIVウイルス処理装置
が開示されている。この特許において、ウイルス感染し
た患者の血液は遠心分離器で血漿と赤血球、白血球、血
小板等の細胞とに分離され、血漿にエチルエーテル等の
有機溶剤を混合してHIVウイルスを破壊し、次いで、
加熱コイルにより血漿を加熱して有機溶剤を蒸発させ、
再度、遠心分離器により血漿中の残留エーテルを分離し
て健康な血液成分とともに体内に循還させるシステムと
なっている。このシステムではエチルエーテルが血漿に
は充分に溶け込まないため、エチルエーテルを充分にH
IVウイルスに接触させることは困難であり、HIVウ
イルスを完全に破壊することができない。さらに、血漿
は50°〜52℃の高温で熱処理されるため、血漿成分
が変質する危険性が高い。また、システム構成が複雑で
大型化し、製造コストが高い。しかも、エチルエーテル
はシステムから系外に漏洩すると、エーテル蒸気と空気
との混合物が爆発をおこすので、安全管理が困難であ
る。
【0003】 特開平7−327,674号、同第8−
38,167号、同第8−56,657号、同第8−1
91,876号、同第8−224,080号および同第
9−239,025号には極めて安全なHIV不活化法
と血液処理装置が開示されている。これら公開公報にお
いて、3ボルトの電圧が供給された1対の電極間で12
0分間HIVウイルスを含有する血液を処理することに
より、99%のHIVウイルスを不活化する革期的な方
法が成功したことが報告された。この革期的な血液処理
法は肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスや発癌性ウイル
スにも有効であることが確認された。さらに、この血液
処理法を利用することによって、現在では不治の病気と
されている急性肝不全または肝不全の治療法として、血
液中のアンモニアを電極の酸化作用で酸化させて、毒性
がアンモニアの1/10から1/20以下の硝酸に変化
させて、人体の腎臓かまたは人工腎臓を使用して人工透
析により排泄させることにより治療が可能となり、人工
肝臓の臓器への新しい道を開拓した点において革期的で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 前述の血液処理法で
は電極面積を拡大することを目的として、対向電極間に
粒状導体からなる濾過剤を充填して電極表面に粒状導体
を直接接触させた方式が採用されている。この電極構造
に関しては上記公開公報においても記載されているよう
に、対向電極の中央部付近の粒状導体の電位が極めて低
く、対向電極の近辺の領域のみの粒状導体の電位が高
い。この場合、対向電極の中央部領域はいわゆるデッド
スペースとなり、血液中のウイルスは対向電極近辺の僅
かな領域のみで電荷を受けるため、ウイルスの不活化効
率が極めて悪くなり、長時間処理しても100%の不活
化は困難である。その理由は、粒状導体が直接電極に接
触していて、しかも、粒状導体自体も互いに導通してい
るため、電流は一方の電極から直接粒状導体の中を流れ
て他方の電極へ流れてしまい、粒状導体に発生する電界
密度が低くなることにあると考えられる。
【0005】 上記公開公報の他の実施例には対向電極
間に複数段の粒状導体からなる濾過材層が組み込まれて
いる。この構造では公報の図面にも記載されているよう
に粒状導体一個一個の両端がいわゆるバイポーラ現象に
より電気的にプラス、マイナス分極されていて、粒状導
体一個一個の表面で中和されるため、対向電極間で高密
度の電界を発生させることは不可能である。
【0006】 病原性ウイルスは一般にマイナスに帯電
されていて細胞表面が蛋白質で保護された、いわゆる、
電気的シールド状態を形成している。したがって、低電
圧の反応場において電界の密度を上げ、高密度の電気力
線を発生させれば、電気力線がマイナス電荷のウイルス
細胞膜内に侵入し、ウイルス細胞膜内の電荷を上昇させ
て破壊させることが可能であると考えられる。
【0007】 そこで本発明は3.5V以下の低電圧の
条件下で反応室において高密度の電界を発生させ、人体
の血液中の細胞や生理活性物質の機能を損うことなく、
HIVウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスお
よび発癌性ウイルスを効果的に不活化する方法、体外血
液処理法および体外血液処理装置を提供することを目的
とする。
【0008】 本発明の他の目的は急性肝不全または肝
不全対策として血液中の有毒なアンモニアを効率的に無
害な硝酸に変化させて体外に排泄させることができる、
人工肝臓の臓器として利用可能な体外血液処理装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】 本願第1の発明は、H
IVウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイルスおよ
び発癌性ウイルスの不活化法が、対向電極間に反応室を
形成するとともに、反応室内に絶縁用多孔性隔膜と、粒
状導体と粒状絶縁体との混合物を充填して反応室内に電
界を発生させる工程と、体外循還される血液または生体
溶液を反応室内に導入して電界内の電気力線により処理
する工程とからなることにより達成される。
【0010】 本願第2の発明は、HIVウイルス、肝
炎ウイルス、成人白血病ウイルスおよび発癌性ウイルス
の不活化が、多相交流用電極により反応室に多相交流電
界を発生させる工程と、体外循還される血液または生体
溶液を反応室内に導入してこれらを交流電界内の電気力
線により処理する工程とからなることにより達成され
る。
【0011】 本願第3の発明は、体外血液処理法が、
多相交流用電極に隣接して反応室を形成してその中に絶
縁用多孔性隔膜を配置するとともに隔膜と電極との間に
粒状導体と粒状絶縁体との混合物を充填して多相交流電
界を発生させる工程と、体外循還される血液または生体
溶液を多相交流電界で処理する工程とからなることによ
り達成される。
【0012】 本願第4の発明は、体外血液処理法が、
対向電極間に高周波電流を供給するとともに対向電極と
ニュートラル電極との間に直流電圧を供給することによ
り反応室内に高周波電界と直流電界との複合電界を発生
させる工程と、血液または生体溶液を体外循還させる工
程と、体外循還される血液または生体溶液を反応室に導
入して複合電界により生ずる電気力線で血液または生体
溶液を処理する工程とからなることにより達成される。
【0013】 本願第5の発明は、体外血液処理装置
が、体外循還される血液または生体溶液を導入するため
のインレットと処理した生体溶液を排出するためのアウ
トレットとを有するケーシングと、ケーシング内に間隔
をおいて配置された対向電極と、対向電極間に形成され
た反応室と、反応室内に配置された絶縁用多孔性隔膜
と、多孔性隔膜と一方の電極との間に充填された粒状導
体と粒状絶縁体との混合物とを備えることにより達成さ
れる。
【0014】 本願第6の発明は、体外血液処理装置
が、体外循還される血液または生体溶液を導入するため
のインレットと処理された血液または生体溶液を排出す
るためのアウトレットとを有するケーシングと、ケーシ
ング内で軸方向に間隔をおいて配置された多相用の多孔
性電極と、多孔性電極間に形成されていて血液または生
体溶液を電界処理するための複数の反応室とを備えるこ
とにより達成される。
【0015】 本願第7の発明は、体外血液処理装置
が、体外循還される血液または生体溶液を導入するため
のインレットと処理したアウトレットとを有するケーシ
ングと、ケーシング内に間隔をおいて配置された多相交
流用環状電極と、環状電極の中央部に配置されたニュー
トラル電極と、環状電極とニュートラル電極との間に配
置された環状反応室と、環状電極に接続される高周波電
源と、ニュートラル電極に接続される直流電源とを備え
ることにより達成される。
【0016】
【作用】 本発明のHIVウイルス、肝炎ウイルス、成
人白血病ウイルスおよび発癌性ウイルスの不活化法、体
外血液処理法および体外血液処理装置において、反応室
で対向電極間に粒状導体および粒状絶縁体からなる混合
物を充填して電極間に電圧を供給して反応室内に高密度
の電界を発生させ、体外循還される血液また血液成分か
らなる生体溶液を反応室で電気力線により処理して生体
溶液中のウイルスの細胞膜や境界膜の破裂を生じさせる
ことにより病原性ウイルスを不活化するようにしたもの
である。なお、多相交流用電極とニュートラル電極とを
反応室に配置して電極に多相交流電圧と直流電圧を供給
することにより反応室内に高密度の多相交流電界と直流
電界を発生させ、反応室に体外血液または血液成分から
なる生体溶液を導入して電場処理するようにしたもので
ある。ここで生体溶液とは体外血液から分離されて感染
したウイルスを含んでいる血漿、血清などの血液成分の
ことをいう。
【0017】
【実施例】 以下、本発明の望ましい第1実施例につ
き、図1を参照しながら説明する。図1において、体外
血液処理装置10は人体の静脈からウイルス感染した血
液を採血するための注射器12と、血液処理器14と、
ポンプ16と人体の動脈へ血液を還流させるための注射
器18と、血液処理器14に3.0〜3.5Vの高周波
電流を供給するための高周波電源20と3.5Vの付加
直流電源21とを備える。この血液処理装置10は赤血
球および白血球などの細胞部分を含んでいる全血の血液
を人体の体外に導き出して、体外循還させながら、血液
中に存在するフリー状態のHIVウイルスを複合電解の
電気力線で処理することにより、HIVウイルスのRN
Aまたは逆転写酵素または蛋白質分解酵素またはHIV
ウイルスの表面上にあるエンベロープまたはその他のH
IVウイルスの重要な部分を破壊させて、HIVウイル
スの増殖能力を阻害して不活化する。
【0018】 図2は本発明の望ましい第2実施例によ
り体外血液処理装置22を示し、図1と同一部品には同
一符号が用いられる。図2において、体外血液処理装置
22は注射器12で採取された体外血液流にヘパリン等
の血液凝固防止剤24を加えた後、静脈閉塞センサ26
で血流中のバブル発生を防止し、ポンプ28で感染した
血液を遠心分離器30に供給する。遠心分離器30は血
漿または血清などの血液成分からなる生体溶液と、その
他の健康な細胞とを分離する。遠心分離器32、34、
36はそれぞれ健康な細胞成分である赤血球、白血球お
よび血小板と、リンパ球等のHIVウイルス感染した細
胞とを分離する。このように血液中に存在していた、フ
リー状態のHIVウイルスまたはウイルス感染した、感
染細胞の表面上に非共有結合したHIVウイルスを血漿
または血清成分中に移動させてポンプ38により血液処
理器38に給送する。遠心分離器32、34、36で分
離した赤血球、白血球および血小板等の細胞を不活化処
理した血液成分と合流されてポンプ16および注射器1
8を介して人体に還流させる。
【0019】 図3は図1、図2の血液処理器14の具
体的構造を示す。血液処理器14は体外血液または血
漿、血清などの血液成分からなる生体溶液を導入するた
めのインレット部40と、不活化処理した血液を排出す
るためのアウトレット部42とを有する絶縁ケーシング
44を備える。ケーシング44内には電極アッセムブリ
48が支持される。電極アッセムブリ48はケース46
内にスペーサリング50、52、54を介して軸方向に
間隔をおいて配置された多相用の環状電極56、58、
60と、これらの中央部に配置されたニュートラル電極
62とを備える。環状電極56、58、60はそれぞれ
端子部64、66、68を介して3.0〜3.5Vの高
周波電源20に接続され、ニュートラル電極62は端子
部72を介して付加直流電源21に接続される。ニュー
トラル電極62の端部には円板状の導電性多孔プレート
74がホルダー76によって固定支持されている。プレ
ート74は体外血液を通過させるための多数の小孔74
aを備え、その外周部分に端子72が接続されている。
ニュートラル電極62の他端部には円板状の絶縁性多孔
プレート78がホルダー78によって固定支持される。
プレート78は多数の小孔78aを備える。このように
電極アッセムブリ48は1体に組み立てられた後、ケー
ス46内に収納されてパッキン83、85を介してイン
レット部40およびアウトレット部42によってケース
46に保持される。その後各電極に各端子部が連結され
る。環状電極56、58、60とニュートラル電極62
との間の環状スペースによって環状反応室82が形成さ
れる。
【0020】 環状電極56、58、60の内側には絶
縁用多孔性隔膜86が配置され、環状反応室82内には
直径0.3〜2mmの粒状導体88と、これとほぼ同一
直径の粒状絶縁体90との混合物が充填される。粒状導
体88は球状のグラファイトまたは活性炭より構成し、
これらの表面を金または白金でコーテイングしたものを
利用しても良い。粒状絶縁体90はガラスビーズ、プラ
スチック、セラミックその他の材料から構成される。粒
状導体88と粒状絶縁体90の混合比は容量比でそれぞ
れ50〜75%および25〜50%の範囲となるように
混合される。このように粒状導体88に粒状絶縁体90
を適度に配合することにより、バイポーラ現象を防ぎ、
電極反応面を拡大して、粒状体88、90の表面から高
密度の荷電粒子を均一に発生させることができる。ま
た、粒状導体88群のニュートラル電極62からの連な
りに長短を作り対極の方向に距離が長く連なるもの程電
気抵抗値が増大するように配慮し、全粒状導体群上では
ほぼ均等に荷電粒子が発生するように工夫し、著しく電
極表面積、すなわち反応場を拡大することができる。ケ
ース44と端子部64、66、68、72との間には図
示の如くパッキンを配置してケース外への血液の漏洩を
防止するようにしてある。端子部64、66、68、7
2の保護を目的として、ケース44の外側に2分割され
た保護カバー92が配置され、このカバーはインレット
部材40およびアウトレット部材42によって固定位置
に保持される。保護カバー92は絶縁ブッシュ94、9
6、98、100を備える。
【0021】 上記構成において、インレット部40に
導入された、ウイルス感染した体外血液もしくは血漿、
血清などの血液成分からなる生体溶液はプレート74の
小孔74aから環状反応室82内に導入される。このと
き、環状電極56、58、60には高周波交流電流が供
給されると同時にニュートラル電極62に直流電圧が供
給されているため、高密度の交流電界と直流電界との複
合電界が均一に環状反応室82内で発生している。この
場合、生体溶液中に存在するフリー状態のHIVウイル
スや、HIVウイルスのRNAまたは逆転写酵素または
蛋白質分解酵素あるいはHIVウイルスのエンベロープ
あるいはその他の細胞部分に多量の荷電粒子の電気力線
が侵入してこれら細胞の固有静電容量を超過させる。と
くに、多相環状電極56、58、60間には高周波電流
が流れるため、電子が一方の電極に到達する前に電圧の
極性が変わり、高密度の電子が環状反応室82内の電極
間で往復し、HIVウイルスなどの病原性ウイルスと電
子との衝突の頻度が高くなり、ウイルスの細胞膜破壊の
効率が著しく向上する。高周波電源70は3.5Vの三
相交流電源に交換しても良い。なお、保護カバー92の
内部には血液の温度をたとえば37℃に維持するための
温度調節手段を設けても良い。
【0022】 図4は図3の血液処理器14の変形例1
4’を示し、図3と同様な部品には同一符号が用いられ
る。図4において、電極アッセムブリ82はスペーサ1
06、108、111、114を介して軸方向に間隔を
おいてケース44内に収納された多相用の円板状多孔性
電極102、104、106と、多孔性ニュートラル電
極110、112とを備える。円板状電極102、10
4、106はそれぞれ多数の小孔102a、104a、
106aを有する。ニュートラル電極110、112は
それぞれスペーサ106、108およびスペーサ11
1、114間に保持される。多相用電極102、10
4、106にそれぞれ隣接して絶縁性の多孔性隔膜11
6、118、120、122が配置される。対向電極間
にはそれぞれ反応室124、126、128、130が
形成されており、各反応室には粒状導体88と粒状絶縁
体90との混合物が充填されている。上記構成におい
て、ニュートラル電極110、112は付加電源21に
接続され、多相用電極102、104、106は高周波
交流電源20に接続されている。したがって、各対向電
極間には高周波電流が供給され、円板状電極102、1
04とニュートラル電極110、および円板状電極10
4、106とニュートラル電極112との間には直流電
圧が印加される。このため、各反応室には高密度の交流
電界と直流電界との複合電界が均一に発生される。した
がって、インレット部40から流入した血液中の病原性
ウイルスは反応室124、126、128、130を通
過する間に高密度の電気力線により効率的に不活化され
る。
【0023】 上記実施例において、本発明の体外血液
処理法についてはHIVウイルスを不活化するものとし
て一例を記載したが、前述したように電気エネルギーを
利用した体外血液処理法では成人白血病ウイルス、肝炎
ウイルスおよび発癌性ウイルスも効率的に不活化するこ
とができる。しかも、従来は不治の病として取り扱われ
てきた急性肝不全または肝不全時に血液中に存在する有
毒なアンモニアを無毒な硝酸に変化させることも可能な
ため、人工肝臓の道が開かれる。なお、本発明による血
液処理法はエボラウイルス、インフルエンザウイルス、
結核ウイルス、サルモネラ「DT104」などの病原性
ウイルスの不活化にも有効なものと考えられる。なお、
図3、図4において絶縁用隔膜を多相用電極に接触する
ように配置したものとして示したが、とくに、この装置
を人工肝臓用として用いる場合には、隔膜をニュートラ
ル電極に接触するように配置すると良い。この場合、多
相電極とニュートラル電極との間の陽極室(酸化反応
室)が拡大されてアンモニアの酸化処理の効率アップが
計れる。なお、本発明は体外循還される血液に間連して
説明されたが、輸血用の採血保存血液にも適用できるこ
とはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】 以上詳細に説明したように、本発明の
病原性ウイルスの不活化法、体外血液処理法および体外
血液処理装置によれば、反応室内に高密度の電界を均一
に発生させて生体溶液中のウイルスの細胞壁の内外の電
位バランスを完全にくずして完全に不活化することが可
能となり、HIVウイルスをはじめとする各種の病原性
ウイルスの治療に多大の貢献ができるものと考えられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の望ましい第1実施例による体外血液
処理装置の系統図を示す。
【図2】 本発明の望ましい第2実施例による体外血液
処理装置の系統図を示す。
【図3】 図1、図2の体外血液処理器の具体的構造の
断面図を示す。
【図4】 図3の体外血液処理器の変形例を示す断面図
である。
【符号の説明】
10 体外血液処理装置、 12 注射器、 14 体
外血液処理器、16 ポンプ、 18 注射器、 20
高周波電源、22 体外血液処理装置、 26 静脈
閉塞センサ、30 遠心分離器、 32 遠心分離器、
34 遠心分離器、36 遠心分離器、 44 ケー
シング、56、58、60 環状電極、 62 中央電
極、74 導電性多孔プレート、 78 絶縁性多孔プ
レート、70 高周波電源、 86 絶縁用隔膜、 8
8 粒状導体、90 粒状絶縁体、 102、104、
106 多相用電極、110、112 ニュートラル電

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向電極間に反応室を形成するととも
    に、反応室内に絶縁用多孔性隔膜と、粒状導体と粒状絶
    縁体との混合物を充填して反応室内に電界を発生させる
    工程と、体外循還される血液または生体溶液を反応室内
    に導入して電界内の電気力線により処理する工程とから
    なるHIVウイルス、肝炎ウイルス、成人白血病ウイル
    スおよび発癌性ウイルスの不活化法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、対向電極間に高周波
    電流を供給して反応室内に高周波電界を発生させる工程
    をさらに備えるウイルスの不活化法。
  3. 【請求項3】 多相交流用電極により反応室に多相交流
    電界を発生させる工程と、体外循還される血液または生
    体溶液を反応室内に導入してこれらを交流電界内の電気
    力線により処理する工程とからなる体外血液処理法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、多相交流用電極に高
    周波電流を供給する工程をさらに備える体外血液処理
    法。
  5. 【請求項5】 多相交流用電極に隣接して反応室を形成
    してその中に絶縁用多孔性隔膜を配置するとともに隔膜
    と電極との間に粒状導体と粒状絶縁体との混合物を充填
    して多相交流電界を発生させる工程と、体外循還される
    血液または生体溶液を多相交流電界で処理する工程とか
    らなる体外血液処理法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、多相交流用電極に高
    周波電流を供給する工程をさらに備える体外血液処理
    法。
  7. 【請求項7】 対向電極間に高周波電流を供給するとと
    もに対向電極とニュートラル電極との間に直流電圧を供
    給することにより反応室内に高周波電界と直流電界との
    複合電界を発生させる工程と、血液または生体溶液を体
    外循還させる工程と、体外循還される血液または生体溶
    液を反応室に導入して複合電界により生ずる電気力線で
    血液または生体溶液を処理する工程とからなる体外血液
    処理法。
  8. 【請求項8】 体外循還される血液または生体溶液を導
    入するためのインレットと処理した生体溶液を排出する
    ためのアウトレットとを有するケーシングと、ケーシン
    グ内に間隔をおいて配置された対向電極と、対向電極間
    に形成された反応室と、反応室内に配置された絶縁用多
    孔性隔膜と、多孔性隔膜と一方の電極との間に充填され
    た粒状導体と粒状絶縁体との混合物とを備える体外血液
    処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、対向電極間に接続さ
    れる高周波電源をさらに備える体外血液処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、粒状導体
    と粒状絶縁体との混合比が容量比で50〜75%および
    25〜50%の範囲に定められる体外血液処理装置。
  11. 【請求項11】 体外循還される血液または生体溶液を
    導入するためのインレットと処理された血液または生体
    溶液を排出するためのアウトレットとを有するケーシン
    グと、ケーシング内で軸方向に間隔をおいて配置された
    多相用の多孔性電極と、多孔性電極間に形成されていて
    血液または生体溶液を電界処理するための複数の反応室
    とを備える体外血液処理装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、さらに、多相用
    多孔性電極に接続される高周波電源を備える体外血液処
    理装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、さらに、多孔性
    電極の間にニュートラル電極を備え、ニュートラル電極
    が直流電源に接続される体外血液処理装置。
  14. 【請求項14】 請求項11または12において、さら
    に、対向する電極間に配置された絶縁用多孔性隔膜と、
    隔膜と電極との間に充填された粒状導体および粒状絶縁
    体の混合物とを備える体外血液処理装置。
  15. 【請求項15】 体外循還される血液または生体溶液を
    導入するためのインレットと処理したアウトレットとを
    有するケーシングと、ケーシング内に間隔をおいて配置
    された多相交流用環状電極と、環状電極の中央部に配置
    されたニュートラル電極と、環状電極とニュートラル電
    極との間に配置された環状反応室と、環状電源に接続さ
    れる高周波電源と、ニュートラル電極に接続される直流
    電源とを備える体外血液処理装置。
  16. 【請求項16】 請求項15において、さらに、環状反
    応室に配置された絶縁用多孔性隔膜および粒状導体と粒
    状絶縁体との混合物を備え、粒状導体と粒状絶縁体との
    混合比が容量比で50〜75%および25〜50%の範
    囲に定められる体外血液処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016501694A (ja) * 2013-01-04 2016-01-21 フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングFresenius Medical Care Deutschland GmbH 高周波電磁場及び静電直流電場を使用して患者の血液からタンパク質結合毒素を取り除くデバイス及び方法
WO2017036990A1 (de) * 2015-08-28 2017-03-09 Nephro-Solutions Ag Immunmodulation

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