JP2000286504A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JP2000286504A
JP2000286504A JP2000016925A JP2000016925A JP2000286504A JP 2000286504 A JP2000286504 A JP 2000286504A JP 2000016925 A JP2000016925 A JP 2000016925A JP 2000016925 A JP2000016925 A JP 2000016925A JP 2000286504 A JP2000286504 A JP 2000286504A
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nitride semiconductor
semiconductor laser
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stripe
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JP2000016925A
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Masakane Goto
壮謙 後藤
Nobuhiko Hayashi
伸彦 林
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板1上に、n型クラッド層3、活性層4、
及びp型クラッド層5が形成され、p型クラッド層5は
上向きに突出するストライプ部53を具え、該ストライプ
部53の両側にn型電流狭窄層6、6を形成している自励
発振型の窒化物半導体レーザ素子において、従来よりも
高い歩留まりを実現する。 【解決手段】 本発明に係る窒化物半導体レーザ素子に
おいて、p型クラッド層5のストライプ部53は、上段ス
トライプ部51及び下段ストライプ部52から構成され、上
段ストライプ部51は、下段ストライプ部52との境界位置
にて最小幅W1を有し、下段ストライプ部52の下端位置
での幅W2は、上段ストライプ部51の最小幅W1よりも
大きく形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化物半導体から
形成されたレーザ素子に関し、特に、自励発振が可能な
窒化物半導体レーザ素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザ素子は、光通信、光記録な
どの様々な分野で利用されているが、特に光ディスクシ
ステムを中心とする光記録の分野で広く普及している。
半導体レーザ素子を光ディスクシステム用光源として用
いる場合、対物レンズによって光ディスク上に集光され
るスポットの径は、半導体レーザ素子の発振波長に正比
例するので、発振波長が短い程、光ディスク上のスポッ
ト径は小さくなり、光ディスクの記録容量が増大する。
これまでに実用化されているAlGaInP系半導体レ
ーザ素子は、発振波長が約650nmであるのに対し、
窒化物半導体レーザ素子の発振波長は400nm程度と
短い。そこで、光ディスクシステムにおける記録容量の
増大を図るべく、窒化物半導体レーザの開発が進められ
ている。
【0003】又、ダブルヘテロ接合構造を有する半導体
レーザ素子として、図11に示すリッジストライプ型の
半導体レーザ素子と、図12に示すセルフアライン型の
半導体レーザ素子が知られている。リッジストライプ型
の半導体レーザ素子は図11に示す如く、サファイアな
どからなる基板(10)上に、n型のクラッド層(3)、活性
層(4)、p型のクラッド層(561)、n型の電流狭窄層(61
1)及びp型のコンタクト層(7)を積層して構成されてお
り、p型クラッド層(561)は、上向きに突出するリッジ
ストライプ部(50)を具えている。又、セルフアライン型
の半導体レーザ素子は図12に示す如く、サファイアな
どからなる基板(10)上に、n型のクラッド層(3)、活性
層(4)、p型の第1クラッド層(57)、n型の電流狭窄層
(62)、p型の第2クラッド層(58)及びp型のコンタクト
層(7)を積層して構成されており、p型の第2クラッド
層(58)は、下向きに突出するリッジストライプ部(60)を
具えている。
【0004】リッジストライプ型の半導体レーザ素子は
図13(a)〜(d)に示す工程を経て作製される。先ず、
同図(a)の如く、基板(10)上に、n型コンタクト層
(2)、n型クラッド層(3)、活性層(4)及びp型クラッ
ド層(59)を積層した後、p型クラッド層(59)の表面にマ
スク(15)を形成する。次に同図(b)の如く、マスク(15)
を介してp型クラッド層(59)にドライエッチングを施
し、リッジストライプ部(50)を形成する。続いて同図
(c)の如く、リッジストライプ部(50)上に残ったマスク
(15)を利用して、n型電流狭窄層(611)を選択的に成長
させた後、同図(d)の如くマスク(15)を除去し、p型コ
ンタクト層(7)を成長させるのである。
【0005】尚、AlGaAs系赤外半導体レーザ素子
や、AlGaInP系赤色半導体レーザ素子において
は、予めp型クラッド層中に、特定のエッチング液に対
してp型クラッド層よりもエッチングされ難い性質を有
するエッチングストップ層を挿入しておくことによっ
て、リッジストライプ部(50)を高精度に形成することが
出来る。しかしながら、窒化物半導体レーザ素子におい
ては、適切なエッチング液が見出されていないため、上
述の如き化学的なエッチングによるリッジストライプ部
の形成は困難である。そこで、従来は、図13(a)(b)
の如くp型クラッド層(59)にドライエッチングを施する
ことによって、リッジストライプ部(50)を形成してい
る。
【0006】又、セルフアライン型の半導体レーザ素子
は図14(a)〜(c)に示す工程を経て作製される。先ず
同図(a)の如く、基板(10)上に、n型コンタクト層
(2)、n型クラッド層(3)、活性層(4)、p型第1クラ
ッド層(57)、及びn型電流狭窄層(63)を積層した後、n
型電流狭窄層(63)の表面にマスク(16)(16)を形成する。
次に同図(b)の如く、マスク(16)(16)を介してn型電流
狭窄層(63)にドライエッチングを施し、p型第1クラッ
ド層(57)が露出する深さまでn型電流狭窄層(63)の一部
を除去する。続いて、同図(c)の如く、マスク(16)(16)
を除去し、p型第2クラッド層(58)及びp型コンタクト
層(7)を成長させるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】リッジストライプ型の
半導体レーザ素子の製造においては、3回の結晶成長工
程が必要となる。又、n型電流狭窄層(611)下方のp型
クラッド層(561)の厚さtをドライエッチングで制御す
る必要があり、この制御が困難である。p型クラッド層
(561)の厚さが適正値よりも小さくなると、後述の自励
発振が起こり難くなり、p型クラッド層(561)の厚さが
適正値よりも大きくなると、後工程で成長させるn型電
流狭窄層(611)の厚さが小さくなって、電流をブロック
する効果が不十分となる。
【0008】これに対し、セルフアライン型の半導体レ
ーザ素子の製造においては、結晶成長工程が2回で済
む。又、n型電流狭窄層(62)下方のp型クラッド層(57)
の厚さを結晶成長で制御することが出来る。しかしなが
ら、セルフアライン型の半導体レーザ素子においては、
n型電流狭窄層の一部をドライエッチングによって除去
する際に、発光部及び電流注入領域に損傷を与える虞れ
があり、この様な損傷が発光に悪影響を及ぼす場合があ
る。
【0009】ところで、半導体レーザ素子を光学部品と
して具えた光ディスクプレーヤにおいては、光ディスク
からの戻り光に対して低雑音であることが要求される。
そこで、シングルモード発振型の半導体レーザ素子の駆
動信号に数百MHz〜1GHz程度の高周波を重畳して
マルチモード化する方法や、半導体レーザ素子を自励発
振させる方法(例えば「半導体レーザにおける自励振動
現象の理論解析」電子情報通信学会技術報告書、OQE92-
16参照)が採用される。高周波の重畳によってマルチモ
ード化する方法は外部回路が必要になるため、装置の小
型化、低コスト化の観点からは自励発振させる方法が望
ましい。自励発振は、活性層において電流が注入される
領域(活性領域)の周囲に過飽和吸収領域と呼ばれる光吸
収領域を形成することによって発生する。
【0010】そこで、リッジストライプ型やセルフアラ
イン型の半導体レーザ素子において、図11に示すスト
ライプ幅W、n型電流狭窄層(61)下方のp型クラッド層
(56)の厚さt、活性層(4)の厚さdなどの素子構造パラ
メータを最適化することによって、発光スポット幅を電
流注入領域幅よりも拡げ、自励発振を発生させる方法が
採用されている。又、活性層を厚膜化することによっ
て、活性層内の電流注入領域の側部を過飽和吸収領域と
して作用させる方法が採用されている。
【0011】しかしながら、図11に示すリッジストラ
イプ型の半導体レーザ素子においては、リッジストライ
プ部(50)が下方へ拡大した断面形状を有しているため、
この形状に沿って電流が拡がった状態で活性層(4)へ注
入される。この結果、リッジストライプ部(50)の下端位
置における幅Wよりも更に拡がった電流注入領域が形成
され、電流注入領域幅と発光スポット幅が略同一とな
る。又、図12に示すセルフアライン型の半導体レーザ
素子においては、リッジストライプ部(60)が下方へ縮小
した断面形状を有しているため、この形状に沿って電流
が縮小した状態で活性層(4)へ注入される。この結果、
リッジストライプ部(60)の下端位置における幅Wよりも
狭まった電流注入領域が形成されるが、発光スポット幅
も狭められるので、電流注入領域幅と発光スポット幅が
略同一となる。
【0012】この様に、従来の半導体レーザ素子では、
リッジストライプ型、セルフアライン型の何れの構造に
おいても、電流注入領域幅と発光スポット幅が略同一と
なるので、上述の如くリッジストライプ部のストライプ
幅W、クラッド層の厚さt、活性層の厚さdなどの素子
構造パラメータを最適化する場合、パラメータ選択の自
由度が低い問題があった。
【0013】又、自励発振型の半導体レーザを高い歩留
まりで作製するためには、各素子構造パラメータを精度
良く仕上げる必要があるが、ストライプ幅Wはマスクの
形成精度、クラッド層厚さtはエッチングの制御性、活
性層厚さdは結晶成長時の膜厚の制御性によって精度が
左右され、特にリッジストライプ部を形成するためのド
ライエッチングにおいては、エッチング量の制御が困難
であるため、高精度のクラッド層厚さtを得ることが出
来ず、歩留まりが低い問題があった。更に又、活性層を
厚膜化する構成では、閾値電流や非点隔差が増大すると
いう問題が発生する。
【0014】そこで本発明の目的は、発振波長の短い窒
化物半導体レーザ素子において、従来よりも高い歩留ま
りで作製することが出来、然も閾値電流や非点隔差が増
大することのない自励発振型の窒化物半導体レーザ素子
を提供することである。
【0015】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る窒化物半導体
レーザ素子は、基板上に形成された第1導電型の窒化物
半導体からなる第1クラッド層(3)と、第1クラッド層
(3)上に形成された活性層(4)と、活性層(4)上に形成
された第2導電型の窒化物半導体からなる第2クラッド
層(5)とを具えている。第2クラッド層(5)は、活性層
(4)を覆って形成された平坦部(5a)と、該平坦部(5a)の
中央部に上向きに突設された二段ストライプ部(53)とを
具え、該二段ストライプ部(53)の両側には、第1導電型
の窒化物半導体からなる電流狭窄層(6)(6)が形成され
ている。第2クラッド層(5)の二段ストライプ部(53)
は、平坦部(5a)上に形成された下段ストライプ部(52)
と、該下段ストライプ部(52)上に形成された上段ストラ
イプ部(51)とから構成されて、平坦部(5a)に向かって断
面積が変化しており、上段ストライプ部(51)と下段スト
ライプ部(52)の境界位置を境として断面積の変化率が正
方向に増大している。尚、第1導電型とは、p型及びn
型の一方を意味し、第2導電型とは、p型及びn型の他
方を意味する。
【0016】上記本発明の窒化物半導体レーザ素子にお
いては、第2クラッド層(5)が上段ストライプ部(51)及
び下段ストライプ部(52)からなる二段ストライプ部(53)
を具えて、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(5
2)の境界位置を境として、二段ストライプ部(53)の断面
積の変化率が正方向に増大しているので、少なくとも該
境界位置の近傍にて、上段ストライプ部(51)の断面積は
下段ストライプ部(52)の断面積よりも小さくなる。又、
特に窒化物半導体レーザ素子においては、p型半導体層
の高濃度化が困難であるため、上段ストライプ部(51)で
狭窄された電流は横方向に拡がり難い性質がある。
【0017】従って、第2クラッド層(5)の二段ストラ
イプ部(53)中を活性層(4)へ向けて流れる電流は、上段
ストライプ部(51)によって横方向への電流の拡がりを抑
制された状態で活性層(4)へ流れ込む。又、下段ストラ
イプ部(52)の幅が上段ストライプ部(51)の幅よりも拡大
しているために、活性層(4)に形成される発光スポット
の幅は、上記電流注入領域幅よりも大きくなる。この結
果、電流注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成される
こととなり、自励発振が発生するのである。
【0018】上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部
(52)の境界位置を境として、二段ストライプ部(53)の断
面積の変化率が正方向に増大することとなる具体的態様
としては、例えば、上段ストライプ部(51)の断面積は平
坦部(5a)に向かって略一定若しくは縮小し、上段ストラ
イプ部(51)と下段ストライプ部(52)の境界位置にて、二
段ストライプ部(53)の断面積が急激に増大する態様が挙
げられる。
【0019】又、本発明に係る他の窒化物半導体レーザ
素子においては、第2クラッド層(5)の二段ストライプ
部(53)は、平坦部(5a)上に形成された下段ストライプ部
(52)と、下段ストライプ部(52)上に形成された上段スト
ライプ部(51)とから構成され、上段ストライプ部(51)の
長手方向とは直交する方向の幅は、下段ストライプ部(5
2)の同方向の幅よりも小さく形成されている。
【0020】例えば、上段ストライプ部(51)が下段スト
ライプ部(52)との境界位置にて最小幅W1を有し、下段
ストライプ部(52)の下端位置での幅W2が前記上段スト
ライプ部(51)の最小幅W1よりも大きく形成されてい
る。或いは、下段ストライプ部(52)は、上段ストライプ
部(51)との境界位置を境として上段ストライプ部(51)の
両側面よりも外側へ突出し、該突出部の上面は活性層
(4)の上面と実質的に平行であって、上段ストライプ部
(51)と下段ストライプ部(52)の境界位置において、下段
ストライプ部(52)の幅は上段ストライプ部(51)の幅より
も大きく形成されている。
【0021】上記具体的構成においては、上段ストライ
プ部(51)の幅W1が下段ストライプ部(52)の幅W2より
も小さく形成されているので、二段ストライプ部(53)中
を活性層(4)へ向けて流れる電流は、上段ストライプ部
(51)の幅W1によって規制され、横方向への電流の拡が
りを抑制された状態で活性層(4)へ流れ込む。従って、
活性層(4)の電流注入領域幅は上段ストライプ部(51)の
幅W1に応じた大きさとなる。一方、下段ストライプ部
(52)は上段ストライプ部(51)よりも拡大しているので、
下段ストライプ部(52)によって発光スポット幅が横方向
に拡大される。従って、活性層(4)の発光スポット幅は
下段ストライプ部(52)の幅W2に応じた大きさとなり、
上記電流注入領域幅よりも大きくなる。この結果、電流
注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成されることとな
り、自励発振が発生する。
【0022】尚、電流狭窄層(6)(6)は、第2クラッド
層(5)よりもバンドギャップエネルギーが大きく、且つ
屈折率の小さい材料から形成することが出来る。或い
は、電流狭窄層(6)(6)は、活性層(4)よりもバンドギ
ャップエネルギーが小さい材料から形成することが出
来、この場合、活性層(4)で発生した光を吸収すること
によってレーザ光の導波を行なう。
【0023】具体的構成において、第2型クラッド層
(5)の二段ストライプ部(53)は、そのストライプ形状の
長手方向が窒化物半導体結晶の[1 1 −2 0]方向
となる様に形成されており、上段ストライプ部(51)は、
平坦部(5a)に向かって断面積が縮小している。この場
合、前記基板として、サファイア基板若しくはGaP基
板を採用することが出来る。
【0024】他の具体的構成において、第2クラッド層
(5)の二段ストライプ部(53)は、そのストライプ形状の
長手方向が窒化物半導体結晶の[1 −1 0 0]方向
となる様に形成されており、上段ストライプ部(51)は、
平坦部(5a)に向かって断面積が略一定である。この場
合、前記基板として、GaN基板、Si基板、6H−S
iC基板、4H−SiC基板、MgO基板、若しくはM
gAl基板を採用することが出来る。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子に
よれば、上段ストライプ部によって電流注入領域幅を規
定し、下段ストライプ部によって発光スポット幅を規定
することが出来るので、従来の半導体レーザ素子に比べ
て容易に自励発振を発生させることが出来る。このた
め、素子構造パラメータの最適化において自由度が高く
なると共に、従来の半導体レーザ素子の場合と比べてパ
ラメータの寸法精度の許容範囲が大きくなり、歩留まり
良く自励発振型の半導体レーザ素子を作製することが出
来る。又、自励発振のために活性層を厚膜化する必要が
ないので、閾値電流や非点隔差を増大させることなく、
自励発振を実現することが出来る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る窒化物半導体
レーザ素子の実施の形態につき、図面に沿って具体的に
説明する。第1実施例 本実施例の窒化物半導体レーザ素子は、図1及び図2に
示す如く、サファイア基板(1)上に、GaNからなる厚
さ4.5μmのn型コンタクト層(2)、AlGa
1−bNからなる厚さ0.8μmのn型クラッド層
(3)、多重量子井戸構造を有する活性層(4)、Al
1−aNからなる厚さ0.8μmのp型クラッド層
(5)、AlGa1−cNからなるn型電流狭窄層(6)
(6)、及びGaNからなる厚さ0.05μmのp型コン
タクト層(7)を積層して構成されている。p型クラッド
層(5)は、活性層(4)の表面を覆って形成された平坦部
(5a)と、該平坦部(5a)の中央部に上向きに突設された下
段ストライプ部(52)及び上段ストライプ部(51)からなる
二段ストライプ部(53)とから構成されている。該二段ス
トライプ部(53)の上面はp型コンタクト層(7)と接触
し、その両側面はn型電流狭窄層(6)(6)と接触してい
る。ここで、上段ストライプ部(51)の幅W1は、下段ス
トライプ部(52)の幅W2よりも小さく形成されている。
【0027】n型コンタクト層(2)上にはn型電極(8)
が設置されると共に、p型コンタクト層(7)上にはp型
電極(9)が設置されている。又、活性層(4)は、図3に
示す如くInGa1−xNからなる厚さ8nmの井戸
層(42)と、InGa1−yNからなる厚さ16nmの
障壁層(41)とを、交互に積層したものであって(x>
y;例えば、x=0.13、y=0.05)、井戸層(42)
の積層数は図示する3層に限らず、任意の積層数を採用
することが出来る。
【0028】尚、図1に示す素子構造においては、Al
Ga1−cNからなるn型電流狭窄層(6)(6)の屈折
率はAlGa1−aNからなるp型クラッド層(5)の
屈折率よりも低く設定され(0<a<c≦1)、これによ
って実屈折率導波型構造が実現されているが、Al
1−cNからなるn型電流狭窄層(6)(6)に代えて、
InGa1−zNからなるn型電流狭窄層を形成し
て、電流狭窄層のバンドギャップを活性層(4)のバンド
ギャップよりも小さく設定することにより、活性層(4)
で発生した光の吸収によって横モードを制御する損失導
波型構造を実現することも可能である。又、サファイア
基板(1)に代えて、GaN基板、SiC基板などを採用
することも可能である。
【0029】図4(a)〜(e)は、上記窒化物半導体レー
ザ素子の製造工程を表わしている。先ず同図(a)に示す
如く、サファイア基板(1)上に、n型コンタクト層
(2)、n型クラッド層(3)、活性層(4)、及びp型クラ
ッド層(54)を積層した後、p型クラッド層(54)上に、S
iOマスク(11)をNiマスク(12)で覆った2層マスク
を形成する。次に同図(b)に示す如く、p型クラッド層
(54)に対し、マスク(11)(12)を介して、四塩化炭素CC
による第1回目のドライエッチングを施す。
【0030】続いて、塩素Clによる第2回目のドラ
イエッチングを施す。ここで、Niマスク(12)はエッチ
ングされるが、SiOマスク(11)はエッチングされな
いので、図4(c)の如くNiマスク(12)とその下部が除
去され、上段ストライプ部(51)及び下段ストライプ部(5
2)からなる二段リッジが形成されることになる。その
後、同図(d)の如くリッジ上に残ったマスク(11)を利用
して、n型電流狭窄層(6)を選択的に成長させる。最後
に、同図(e)の如くマスク(11)を除去した後、p型コン
タクト層(7)を成長させるのである。
【0031】又、図5(a)〜(e)は、上記窒化物半導体
レーザ素子の他の製造工程を表わしている。先ず同図
(a)に示す如く、サファイア基板(1)上に、n型コンタ
クト層(2)、n型クラッド層(3)、活性層(4)、及びp
型クラッド層(54)を積層した後、p型クラッド層(54)上
に、マスク(13)を形成する。次に同図(b)に示す如く、
p型クラッド層(54)に対し、マスク(13)を介して第1回
目のドライエッチングを施し、ストライプ(55)を形成す
る。
【0032】続いて、図5(c)に示す如く前記マスク(1
3)を除去した後、ストライプ(55)上に、リッジ幅よりも
狭い幅のマスク(14)を形成する。そして、同図(d)の如
くマスク(14)を介して第2回目のドライエッチングを施
し、上段ストライプ部(51)及び下段ストライプ部(52)か
らなる二段リッジを形成する。その後、同図(e)の如く
リッジ上に残ったマスク(14)を利用して、n型電流狭窄
層(6)を選択的に成長させる。最後に、図4(e)と同様
に、マスク(14)を除去した後、p型コンタクト層(7)を
成長させるのである。
【0033】図1及び図2に示す窒化物半導体レーザ素
子においては、上段ストライプ部(51)の幅W1が下段ス
トライプ部(52)の幅W2よりも小さく形成されているの
で、ストライプ(53)中を活性層(4)へ向けて流れる電流
は、上段ストライプ部(51)によって狭窄され、横方向へ
の電流の広がりを抑制された状態で活性層(4)へ流れ込
む。従って、活性層(4)の電流注入領域幅は上段ストラ
イプ部(51)の幅W1に応じた大きさとなる。一方、下段
ストライプ部(52)は上段ストライプ部(51)よりも拡大し
ているので、下段ストライプ部(52)によって発光スポッ
ト幅が横方向に拡大される。従って、活性層(4)の発光
スポット幅は下段ストライプ部(52)の幅W2に応じた大
きさとなり、上記電流注入領域幅よりも大きくなる。こ
の結果、電流注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成さ
れることとなり、自励発振が発生するのである。
【0034】第2実施例 本実施例の窒化物半導体レーザ素子は、図6に示す如
く、サファイア基板(1)上に、GaNからなるn型コン
タクト層(2)、AlGaNからなるn型クラッド層
(3)、多重量子井戸構造を有する活性層(4)、AlGa
Nからなるp型クラッド層(5)、AlGaNからなるn
型電流狭窄層(6)(6)、及びGaNからなるp型コンタ
クト層(7)を積層して構成されている。p型クラッド層
(5)は、活性層(4)の表面を覆って形成された第1平坦
部(5a)と、該第1平坦部(5a)の中央部に上向きに突設さ
れた下段ストライプ部(52)及び上段ストライプ部(51)か
らなる二段ストライプ部(53)と、二段ストライプ部(53)
及びn型電流狭窄層(6)(6)を覆って形成された第2平
坦部(5b)とから構成され、二段ストライプ部(53)の両側
面がn型電流狭窄層(6)(6)と接触している。尚、n型
コンタクト層(2)の厚さは4.5μm、n型クラッド層
(3)の厚さは1.0μm、p型クラッド層(5)の第1平
坦部(5a)の厚さは0.15μm、n型電流狭窄層(6)
(6)の厚さは0.30μm、p型クラッド層(5)の第2
平坦部(5b)の厚さは0.10μm、p型コンタクト層
(7)の厚さは0.10μmである。
【0035】ここで、p型クラッド層(5)の二段ストラ
イプ部(53)は、第1平坦部(5a)に向かって断面積が変化
しており、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(5
2)の境界位置を境として断面積の変化率が正方向に増大
している。即ち、上段ストライプ部(51)の断面積は第1
平坦部(5a)に向かって縮小し、上段ストライプ部(51)と
下段ストライプ部(52)の境界位置にて、下段ストライプ
部(52)の断面積が急激に増大して、略同一の断面積で第
1平坦部(5a)に至っている。これによって、上段ストラ
イプ部(51)は下段ストライプ部(52)との境界位置に最小
幅W1(=2μm)を有し、該幅W1が下段ストライプ部
(52)の下端位置の幅W2(=2.5μm)よりも小さく形
成されている。尚、下段ストライプ部(52)の高さは0.
1μmである。
【0036】又、p型クラッド層(5)の二段ストライプ
部(53)は、そのストライプ形状の長手方向が窒化物半導
体結晶の[1 1 −2 0]方向となる様に形成されて
いる。
【0037】n型コンタクト層(2)上にはn型電極(8)
が設置されると共に、p型コンタクト層(7)上にはp型
電極(9)が設置されている。又、活性層(4)は、図3に
示す第1実施例における構成と同一である。尚、サファ
イア基板(1)に代えて、GaP基板を採用することも可
能である。
【0038】図8(a)〜(d)は、上記窒化物半導体レー
ザ素子の製造工程を表わしている。先ず同図(a)に示す
如く、サファイア基板(1)を結晶成長装置に収容して、
サファイア基板(1)上に、MOCVD法(有機金属化学
的気相成長法)等を用いて、GaNからなるn型コンタ
クト層(2)、AlGaNからなるn型クラッド層(3)、
活性層(4)、及びAlGaNからなるp型第1クラッド
層(56a)を連続的に成長させる。その後、基板(1)を結
晶成長装置から取り出し、第1クラッド層(56a)上にS
iOマスク(15)を形成する。この際、マスク(15)は、
窒化物半導体結晶の[11 −2 0]方向に沿って形成
する。
【0039】次に基板(1)を結晶成長装置に戻して、図
8(b)に示す如く、第1クラッド層(56a)上にn型Al
GaN電流狭窄層(6)を成長させる。この際、最適な結
晶成長条件を選択することによって、図示の如く、マス
ク(15)の両側部と第1クラッド層(56a)の露出面を覆う
n型電流狭窄層(6)を選択的に成長させることが出来
る。この結果、電流狭窄層(6)には、マスク(15)の表面
を基点して、活性層(4)の表面に対する傾斜角度θが約
62°の平坦な斜面が形成されることになる。
【0040】その後、基板(1)を再び結晶成長装置から
取り出して、図8(c)に示す如く、マスク(15)をフッ酸
等により化学的に除去した後、基板(1)を結晶成長装置
内に戻す。そして、マスク(15)の除去によって露出した
第1クラッド層(56a)の表面、n型電流狭窄層(6)の前
記斜面及び表面を覆って、p型AlGaN層を成長さ
せ、これによって二段ストライプ部(53)及び第2クラッ
ド層(56b)を形成する。ここで、n型電流狭窄層(6)の
斜面は上述の如く平坦であるため、結晶性の良好なp型
AlGaN層が成長する。これによって、二段ストライ
プ部(53)のn型電流狭窄層(6)との界面における結晶状
態は良好なものとなる。尚、二段ストライプ部(53)は、
そのストライプ形状の長手方向が窒化物半導体結晶の
[1 1 −2 0]方向となる。
【0041】続いて、第2クラッド層(56b)上にp型G
aNコンタクト層(7)を成長させた後、基板(1)を結晶
成長装置から取り出し、p型コンタクト層(7)上にスト
ライプ状のマスク(16)を形成する。そして、マスク(16)
を介して、p型コンタクト層(7)の表面に対してドライ
エッチングを施し、同図(d)の如く、n型コンタクト層
(2)の表面を露出させる。最後に、マスク(16)を除去
し、p型コンタクト層(7)及びn型コンタクト層(2)の
表面にそれぞれp型電極(9)及びn型電極(8)を形成す
る。
【0042】図6に示す窒化物半導体レーザ素子におい
ては、p型クラッド層(5)の上段ストライプ部(51)は下
段ストライプ部(52)との境界位置に最小幅W1を有し、
該幅W1が下段ストライプ部(52)の下端位置の幅W2よ
りも小さく形成されているので、二段ストライプ部(53)
中を活性層(4)へ向けて流れる電流は、上段ストライプ
部(51)によって狭窄され、横方向への電流の広がりを抑
制された状態で活性層(4)へ流れ込む。従って、活性層
(4)の電流注入領域幅は上段ストライプ部(51)の幅W1
に応じた大きさとなる。一方、下段ストライプ部(52)は
上段ストライプ部(51)よりも拡大しているので、下段ス
トライプ部(52)によって発光スポット幅が横方向に拡大
される。従って、活性層(4)の発光スポット幅は下段ス
トライプ部(52)の幅W2に応じた大きさとなり、上記電
流注入領域幅よりも大きくなる。この結果、電流注入領
域の周囲に過飽和吸収領域が形成されることとなり、自
励発振が発生するのである。
【0043】又、上記窒化物半導体レーザ素子において
は、サファイア基板(1)上に六方晶の窒化物半導体結晶
を成長させる場合、窒化物半導体結晶の方向は、基板の
結晶に対して30°回転した方向となる。従って、p型
クラッド層(5)の二段ストライプ部(53)を窒化物半導体
結晶の[1 1 −2 0]方向に形成して、窒化物半導
体結晶の(1 1 −2 0)面でへき開を行なう場合、
サファイア基板(1)は(1 −1 0 0)面でへき開す
ることになる。六方晶における主へき開面は(1 −1
0 0)面であるから、大きな厚さを有するサファイア
基板(1)の(1−1 0 0)面でのへき開を容易に行な
うことが出来る。
【0044】然も、上述の如くp型クラッド層(5)の二
段ストライプ部(53)とn型電流狭窄層(6)の界面におけ
る結晶状態が良好であるため、レーザ発振に寄与しない
無効電流が減少し、レーザ光の不要な吸収が抑制される
ので、半導体レーザ素子の特性が向上する。
【0045】第3実施例 本実施例の窒化物半導体レーザ素子は、図7に示す如
く、GaN基板(11)上に、GaNからなるn型コンタク
ト層(2)、AlGaNからなるn型クラッド層(3)、多
重量子井戸構造を有する活性層(4)、AlGaNからな
るp型クラッド層(5)、AlGaNからなるn型電流狭
窄層(6)(6)、及びGaNからなるp型コンタクト層
(7)を積層して構成される。p型クラッド層(5)は、活
性層(4)の表面を覆って形成された第1平坦部(5a)と、
該第1平坦部(5a)の中央部に上向きに突設された下段ス
トライプ部(52)及び上段ストライプ部(51)からなる二段
ストライプ部(53)と、二段ストライプ部(53)及びn型電
流狭窄層(6)(6)を覆って形成された第2平坦部(5b)と
から構成され、二段ストライプ部(53)の両側面がn型電
流狭窄層(6)(6)と接触している。尚、n型コンタクト
層(2)の厚さは4.5μm、n型クラッド層(3)の厚さ
は1.0μm、p型クラッド層(5)の第1平坦部(5a)の
厚さは0.15μm、n型電流狭窄層(6)(6)の厚さは
0.30μm、p型クラッド層(5)の第2平坦部(5b)の
厚さは0.10μm、p型コンタクト層(7)の厚さは0.
10μmである。
【0046】ここで、p型クラッド層(5)の二段ストラ
イプ部(53)は、第1平坦部(5a)に向かって断面積が変化
しており、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(5
2)の境界位置を境として断面積の変化率が正方向に増大
している。即ち、上段ストライプ部(51)の断面積は第1
平坦部(5a)に向かって略一定であり、上段ストライプ部
(51)と下段ストライプ部(52)の境界位置にて、下段スト
ライプ部(52)の断面積が急激に増大して、略同一の断面
積で第1平坦部(5a)に至っている。これによって、上段
ストライプ部(51)の幅W1(=2μm)が下段ストライプ
部(52)の幅W2(=2.5μm)よりも小さく形成されて
いる。尚、下段ストライプ部(52)の高さは0.1μmで
ある。
【0047】又、p型クラッド層(5)の二段ストライプ
部(53)は、そのストライプ形状の長手方向が窒化物半導
体結晶の[1 −1 0 0]方向となる様に形成されて
いる。
【0048】n型コンタクト層(2)上にはn型電極(8)
が設置されると共に、p型コンタクト層(7)上にはp型
電極(9)が設置されている。又、活性層(4)は、図3に
示す第1実施例における構成と同一である。尚、GaN
基板(11)に代えて、Si基板、6H−SiC基板、4H
−SiC基板、MgO基板、若しくはMgAl
板を採用することが可能である。
【0049】図7に示す窒化物半導体レーザ素子によれ
ば、前記第1実施例と同様に、p型クラッド層(5)の上
段ストライプ部(51)の幅W1が下段ストライプ部(52)の幅
W2よりも小さく形成されているので、活性層(4)におい
ては、電流注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成され
ることとなり、自励発振が発生する。
【0050】又、上記窒化物半導体レーザ素子において
は、GaN基板(11)上に六方晶の窒化物半導体結晶を成
長させる場合、窒化物半導体結晶の方向は、基板の結晶
に対して回転することはない。従って、p型クラッド層
(5)の二段ストライプ部(53)を窒化物半導体結晶の[1
−1 0 0]方向に形成して、窒化物半導体結晶の
(1 −1 0 0)面でへき開を行なう場合、GaN基
板(11)は(1 −1 0 0)面でへき開することにな
り、第2実施例と同様に、GaN基板(11)のへき開を容
易に行なうことが出来る。
【0051】然も、p型クラッド層(5)の二段ストライ
プ部(53)が窒化物半導体結晶の[1−1 0 0]方向に
形成されているため、第2実施例と同様に、選択成長に
よって、電流狭窄層(6)には、活性層(4)に対して略垂
直な平坦な面が形成される。従って、p型クラッド層
(5)の二段ストライプ部(53)と電流狭窄層(6)の界面に
おける結晶状態は良好であり、この結果、レーザ発振に
寄与しない無効電流が減少し、レーザ光の不要な吸収が
抑制されるので、半導体レーザ素子の特性が向上する。
【0052】その他の実施例 p型クラッド層(5)の二段ストライプ部(53)の断面形状
は、図9(a)に示す如く上段ストライプ部(51)及び下段
ストライプ部(52)のそれぞれが高さ方向に一定幅を有す
るものや、同図(b)に示す如く上段ストライプ部(51)の
幅が活性層(4)に向かって縮小するものに限らず、例え
ば図9(c)及び図10(a)(b)(c)に示す如き種々の断
面形状に形成することが出来る。図9(c)は、下段スト
ライプ部(52)を下方に拡大した断面形状に形成したもの
である。又、図10(a)は、上段ストライプ部(51)を下
方に縮小した断面形状に形成すると共に、下段ストライ
プ部(52)を下方に拡大した断面形状に形成したものであ
る。同図(b)は、下段ストライプ部(52)を下方に縮小し
た断面形状に形成したものである。更に同図(c)は、上
段ストライプ部(51)及び下段ストライプ部(52)をそれぞ
れ下方に縮小した断面形状に形成したものである。
【0053】何れの断面形状を有する窒化物半導体レー
ザ素子においても、p型クラッド層(5)の二段ストライ
プ部(53)は活性層(4)に向かって断面積が変化してお
り、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(52)の境
界位置を境として断面積の変化率が正方向に増大してい
る。又、何れの断面形状を有する窒化物半導体レーザ素
子においても、p型クラッド層(5)の上段ストライプ部
(51)が、下段ストライプ部(52)との境界位置にて最小幅
W1を有し、下段ストライプ部(52)の下端位置での幅W
2は、前記上段ストライプ部(51)の最小幅W1よりも大
きく形成されている。
【0054】従って、何れの半導体レーザ素子において
も、p型クラッド層(5)の上段ストライプ部(51)の幅W
1によって電流注入領域幅が規定されると共に、下段ス
トライプ部(52)の幅W2によって発光スポット幅が規定
されて、電流注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成さ
れることになり、容易に自励発振が発生する。このた
め、素子構造パラメータの最適化において自由度が高く
なると共に、従来の半導体レーザ素子の場合と比べてパ
ラメータの寸法精度の許容範囲が大きくなり、歩留まり
良く自励発振型の半導体レーザ素子を作製することが出
来る。又、自励発振のために活性層(4)を厚膜化する必
要がないので、閾値電流や非点隔差を増大させることな
く、自励発振を実現することが出来る。
【0055】尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に
限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、上述した実施の形態以外に
も、基板に近い下方のクラッド層をp型半導体により形
成し、基板から離れている上方のクラッド層をn型半導
体により形成した半導体レーザ素子においては、下方の
クラッド層を二段ストライプ構造とすればよい。この場
合、下方のクラッド層のうち、活性層から離れている部
分が幅狭の上段ストライプ部となり、活性層に近い部分
が幅広の下段ストライプ部となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の第1実
施例の構造を表わす斜視図である。
【図2】第1実施例の窒化物半導体レーザ素子の構造を
表わす断面図である。
【図3】活性層の多重量子井戸構造を模式的に表わす図
である。
【図4】第1実施例の窒化物半導体レーザ素子の製造方
法を示す工程図である。
【図5】該窒化物半導体レーザ素子の他の製造方法を示
す工程図である。
【図6】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の第2実
施例の構造を表わす断面図である。
【図7】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の第3実
施例の構造を表わす断面図である。
【図8】第2実施例の窒化物半導体レーザ素子の製造方
法を示す工程図である。
【図9】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の種々の
構造例を表わす断面図である。
【図10】本発明に係る窒化物半導体レーザ素子の他の
構造例を表わす断面図である。
【図11】従来のリッジストライプ型半導体レーザ素子
の構造を表わす断面図である。
【図12】従来のセルフアライン型半導体レーザ素子の
構造を表わす断面図である。
【図13】従来のリッジストライプ型半導体レーザ素子
の製造方法を表わす工程図である。
【図14】従来のセルフアライン型半導体レーザ素子の
製造方法を表わす工程図である。
【符号の説明】
(1) 基板 (2) n型コンタクト層 (3) n型クラッド層 (4) 活性層 (5) p型クラッド層 (51) 上段ストライプ部 (52) 下段ストライプ部 (53) 二段ストライプ部 (6) n型電流狭窄層 (7) p型コンタクト層 (8) n型電極 (9) p型電極

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された第1導電型の窒化物
    半導体からなる第1クラッド層(3)と、第1クラッド層
    (3)上に形成された活性層(4)と、活性層(4)上に形成
    された第2導電型の窒化物半導体からなる第2クラッド
    層(5)とを具え、第2クラッド層(5)は、活性層(4)を
    覆って形成された平坦部(5a)と、該平坦部(5a)の中央部
    に上向きに突設された二段ストライプ部(53)とを具え、
    該二段ストライプ部(53)の両側には、第1導電型の窒化
    物半導体からなる電流狭窄層(6)(6)が形成され、第2
    クラッド層(5)の二段ストライプ部(53)は、平坦部(5a)
    上に形成された下段ストライプ部(52)と、該下段ストラ
    イプ部(52)上に形成された上段ストライプ部(51)とから
    構成されて、平坦部(5a)に向かって断面積が変化してお
    り、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(52)の境
    界位置を境として断面積の変化率が正方向に増大してい
    る窒化物半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 第2クラッド層(5)の上段ストライプ部
    (51)の断面積は平坦部(5a)に向かって略一定若しくは縮
    小し、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(52)の
    境界位置にて、二段ストライプ部(53)の断面積が急激に
    増大している請求項1に記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
  3. 【請求項3】 基板上に形成された第1導電型の窒化物
    半導体からなる第1クラッド層(3)と、第1クラッド層
    (3)上に形成された活性層(4)と、活性層(4)上に形成
    された第2導電型の窒化物半導体からなる第2クラッド
    層(5)とを具え、第2クラッド層(5)は、活性層(4)を
    覆って形成された平坦部(5a)と、該平坦部(5a)の中央部
    に上向きに突設された二段ストライプ部(53)とを具え、
    該二段ストライプ部(53)の両側には、第1導電型の窒化
    物半導体からなる電流狭窄層(6)(6)が形成され、第2
    クラッド層(5)の二段ストライプ部(53)は、平坦部(5a)
    上に形成された下段ストライプ部(52)と、該下段ストラ
    イプ部(52)上に形成された上段ストライプ部(51)とから
    構成され、上段ストライプ部(51)の長手方向とは直交す
    る方向の幅は、下段ストライプ部(52)の同方向の幅より
    も小さく形成されている窒化物半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 第2クラッド層(5)の上段ストライプ部
    (51)は、下段ストライプ部(52)との境界位置にて最小幅
    W1を有し、下段ストライプ部(52)の下端位置での幅W
    2は、前記上段ストライプ部(51)の最小幅W1よりも大
    きく形成されている請求項3に記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  5. 【請求項5】 第2クラッド層(5)の下段ストライプ部
    (52)は、上段ストライプ部(51)との境界位置を境として
    上段ストライプ部(51)の両側面よりも外側へ突出し、該
    突出部の上面は活性層(4)の上面と実質的に平行であっ
    て、上段ストライプ部(51)と下段ストライプ部(52)の境
    界位置において、下段ストライプ部(52)の幅は上段スト
    ライプ部(51)の幅よりも大きく形成されている請求項3
    に記載の窒化物半導体レーザ素子。
  6. 【請求項6】 電流狭窄層(6)(6)は、第2クラッド層
    (5)よりもバンドギャップエネルギーが大きく、且つ屈
    折率の小さい材料から形成されている請求項1乃至請求
    項5の何れかに記載の窒化物半導体レーザ素子。
  7. 【請求項7】 電流狭窄層(6)(6)は、活性層(4)より
    もバンドギャップエネルギーが小さく、活性層で発生し
    た光を吸収することによってレーザ光の導波を行なう請
    求項1乃至請求項5の何れかに記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  8. 【請求項8】 第2クラッド層(5)の二段ストライプ部
    (53)は、そのストライプ形状の長手方向が窒化物半導体
    結晶の[1 1 −2 0]方向となる様に形成されてお
    り、上段ストライプ部(51)は、平坦部(5a)に向かって断
    面積が縮小している請求項1乃至請求項7の何れかに記
    載の窒化物半導体レーザ素子。
  9. 【請求項9】 基板は、サファイア若しくはGaPから
    形成されている請求項8に記載の窒化物半導体レーザ素
    子。
  10. 【請求項10】 第2クラッド層(5)の二段ストライプ
    部(53)は、そのストライプ形状の長手方向が窒化物半導
    体結晶の[1 −1 0 0]方向となる様に形成されて
    おり、上段ストライプ部(51)は、平坦部(5a)に向かって
    断面積が略一定である請求項1乃至請求項7の何れかに
    記載の窒化物半導体レーザ素子。
  11. 【請求項11】 基板は、GaN、Si、6H−Si
    C、4H−SiC、MgO、若しくはMgAl
    ら形成されている請求項10に記載の窒化物半導体レー
    ザ素子。
  12. 【請求項12】 活性層(4)に対する電流注入領域幅が
    活性層(4)における発光スポット幅よりも小さく設定さ
    れて、電流注入領域の周囲に過飽和吸収領域が形成され
    る請求項1乃至請求項11の何れかに記載の窒化物半導
    体レーザ素子。
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