JP2000285865A - 紫外線発光ランプ - Google Patents

紫外線発光ランプ

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JP2000285865A
JP2000285865A JP11094646A JP9464699A JP2000285865A JP 2000285865 A JP2000285865 A JP 2000285865A JP 11094646 A JP11094646 A JP 11094646A JP 9464699 A JP9464699 A JP 9464699A JP 2000285865 A JP2000285865 A JP 2000285865A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線発光ランプの点灯又は非点灯状態を外
部から容易に視認することのできる紫外線発光ランプを
実現する。 【解決手段】 紫外線透過物質よりなる気密容器12内
に、内部電極14を配置すると共に、該気密容器12外に外
部電極16を配置し、また、アルゴン、臭素、及び六弗化
硫黄を少なくとも含む混合ガスより成る放電ガスを上記
気密容器12内に充填し、さらに、上記気密容器12の表面
に、192〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光す
る蛍光体18を被着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エキシマ発光を
利用し、オゾン発生源として用いるのに適した紫外線発
光ランプに係り、特に、ランプの点灯又は非点灯状態を
外部から容易に視認することのできる紫外線発光ランプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、環境に対して比較的クリーンなオ
ゾンを用いて殺菌や脱臭等を行うことが普及しつつある
が、その際オゾン発生源として種々の紫外線発光ランプ
が用いられている。本出願人は、先に、いわゆるエキシ
マ発光を利用し、オゾン発生に資する波長の紫外線を極
めて高い比率で放射することのできる紫外線発光ランプ
を提案した(特願平10−153553号)。
【0003】図3に示すように、この紫外線発光ランプ
50は、ガラス管の両端開口を溶融・封止して形成した気
密容器52と、該気密容器52内に配置された内部電極54
と、気密容器52の外周面に密着配置された外部電極56と
を備えている。上記気密容器52は、180〔nm〕以上の
波長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラ
スより構成されている。また、上記気密容器52内には、
エキシマ光生成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲン
ガスの混合ガスが充填されている。
【0004】上記内部電極54の先端部は、気密容器52内
に露出すると共に、基端部は気密容器52の封着部52a内
に埋設された薄板58に溶接されている。この薄板58に
は、リード端子60の一端も続されている。また、リード
端子60の他端は、気密容器52の外部に導出されている。
また、上記内部電極54のリード端子60と外部電極56との
間には、高周波電源62が接続されている。
【0005】上記紫外線発光ランプ50に、高周波電源62
より高周波電圧を印加すると、発生した磁力線の作用に
よって上記放電ガス中に含まれる成分が励起され、エキ
シマ状態となる。そして、このエキシマ分子からの自然
放射光としてオゾン発生効果を備えた192〔nm〕波長
の紫外線が放射される。この紫外線は、気密容器52を透
過して外部に照射され、空気中の酸素に作用してこれを
オゾン化させるのである。この紫外線発光ランプ50の場
合、いわゆるエキシマ発光を用いているため、ほぼ単一
の発光波長(192〔nm〕)が得られ、オゾン発生に寄
与しない波長の紫外線がほとんど発生しないことから、
極めて効率の高いオゾン発生源として用いることができ
るのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この紫
外線発光ランプ50からは、上記の通り、ほぼ単一の19
2〔nm〕波長の紫外線のみ放射され、可視光が放射され
ることがないため、紫外線発光ランプ50の点灯又は非点
灯状態を外部から視認することのできないものであっ
た。このため、故障により紫外線発光ランプ50が非点灯
状態となっているにも拘わらず、これに気付かず長期間
放置してしまい、その結果、オゾンを利用した殺菌や脱
臭等を効果的に行うことができないという事態が生じて
いた。
【0007】この発明は、従来の上記問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的とするところは、紫外線
発光ランプの点灯又は非点灯状態を外部から容易に視認
することのできる紫外線発光ランプを実現することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る紫外線発光ランプは、紫外線透過物
質よりなる気密容器内に、内部電極を配置すると共に、
該気密容器外に外部電極を配置し、また、アルゴン、臭
素、及び六弗化硫黄を少なくとも含む混合ガスより成る
放電ガスを上記気密容器内に充填し、さらに、上記気密
容器の表面に、192〔nm〕波長の紫外線を受けて可視
光を発光する蛍光体を被着したことを特徴とする。上記
放電ガスは、例えばアルゴン、臭化メチル、及び六弗化
硫黄の混合ガスより構成される。尚、上記外部電極を、
オゾンに対する耐酸化性が高く、且つ、192〔nm〕波
長の紫外線の反射効率が高い材質で構成するのが望まし
い。
【0009】この紫外線発光ランプの内部電極及び外部
電極間に高周波電源を接続し、該電源より高周波電圧を
印加すると、発生した磁力線の作用によって上記放電ガ
ス中に含まれる成分が励起され、エキシマ状態となる。
そして、このエキシマ分子からの自然放射光として19
2〔nm〕波長の紫外線が放射される。この紫外線は、気
密容器を透過して外部に照射され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。
【0010】また、上記気密容器の表面に、192〔n
m〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を被
着したため、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合に
は、放射された192〔nm〕波長の紫外線を受けて蛍光
体から可視光が発光される。このため、蛍光体から発光
される可視光の有無によって、紫外線発光ランプの点灯
又は非点灯状態を外部から視認できる。
【0011】上記外部電極を、オゾンに対する耐酸化性
が高い材質で構成すれば、外部電極がオゾンによって酸
化されて劣化することを防止できる。また、気密容器を
透過した紫外線の内、外部電極方向に放射された紫外線
は、上記外部電極に遮られるため、オゾン生成に寄与し
ないものである。そこで、上記外部電極を、192〔n
m〕波長の紫外線の反射効率が高い材質で構成すれば、
外部電極方向に照射された紫外線を、該外部電極の配置
されていない方向へと効率よく反射させることができ
る。この結果、オゾン生成に寄与する紫外線の量を増加
させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明に係る
紫外線発光ランプ10は、ガラス管の両端開口を溶融・封
止して形成した気密容器12と、該気密容器12内に配置さ
れた内部電極14と、気密容器12の外周面に密着配置され
た外部電極16とを備えている。
【0013】上記気密容器12は、180〔nm〕以上の波
長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラス
より構成され、管体部12aと封着部12bとを備えてい
る。上記気密容器12の管体部12a内には、エキシマ光生
成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲンガスの混合ガ
スが充填されている。この放電ガスは、具体的にはアル
ゴンガス(Ar)、臭化メチルガス(CHBr)、及
び六弗化硫黄ガス(SF)を混合したものより構成さ
れる。各ガスの混合比率としては、例えば以下の通りで
ある。 (1) Ar・CHBr:SF=15:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) (2) Ar・CHBr:SF=10:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) また、放電ガス全体の圧力としては、例えば5〜50
〔mmHg〕が該当する。なお、臭素(Br)単体ではガス
化が困難であるため、上記のように臭化メチルガスを放
電ガスの一成分として選択したのであるが、この代わり
に臭素(Br)を含んだ他のガス状化合物を用いてもよ
い。
【0014】上記気密容器12の管体部12a下端の外表面
には、蛍光体18が被着されている。この蛍光体18は、オ
ゾン発生作用を備えた192〔nm〕波長の紫外線を受け
て可視光を発光するものである。具体的には、赤色発光
用の蛍光体として、例えば、(Y,Gd)BO:Eu
やY:Eu等が該当する。また、緑色発光用の蛍
光体として、例えば、BaO・6Al:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn、Zn
SiO:Mnが該当する。さらに、青色発光用の蛍光
体として、例えば、BaMgAl1423:Euが該
当する。
【0015】上記内部電極14はタングステン(W)より
なり、先端部は気密容器12の管体部12a内に露出すると
共に、基端部は気密容器12の封着部12b内に埋設された
薄板20に溶接されている。この薄板20には、モリブデン
よりなるリード端子22の一端も続されている。また、リ
ード端子22の他端は、気密容器12の外部に導出されてい
る。
【0016】上記外部電極16は、例えば導電テープを気
密容器12の外面に接着させることによって構成すること
ができる。この外部電極16は、オゾンに対する耐酸化性
が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外線の反射効率が
高い材質で構成するのが望ましく、具体的には、ステン
レスやアルミニウム等が該当する。但し、アルミニウム
単体で上記外部電極16を構成した場合には、後述する取
出配線23との溶接等による接続性が悪い。そこで、上記
外部電極16を、取出配線23との接続性が良好な真鍮等を
アルミニウムで被覆して構成し、取出配線23との接続部
は少なくとも上記アルミニウムで被覆することなく露出
するようにしておけば良い。或いは、アルミニウムと取
出配線23との接続性が良好な真鍮等とを積層した二層構
造と成して上記外部電極16を構成し、アルミニウムで構
成された一面側を上記気密容器12と対向させると共に、
取出配線23との接続は真鍮等で構成された他面側で行う
ようにしても良い。内部電極14のリード端子20と外部電
極16との間には、取出配線23を介して高周波電源24が接
続される。
【0017】上記気密容器12の管体部12a内において
は、臭素(Br)の作用によって、六弗化硫黄ガス(S
)が徐々に硫黄(S)とフッ素(F)とに分解され
ていく。しかして、上記内部電極14と外部電極16との間
に、高周波電源24より高周波電圧(例えば2.7〔k
V〕、10〔kHz〕)が印加されると、内部電極14−外部
電極16間で無電極放電が生成され、この放電によってA
r−Fが励起されてエキシマ状態となり、このエキシマ
分子からの自然放射光として192〔nm〕波長の紫外線
が放射される。この192〔nm〕波長の紫外線は、気密
容器12を透過して外部に放出され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。また、上記気密容器12の管
体部12aを透過した192〔nm〕波長の紫外線の一部
が、上記蛍光体18に照射されるため、該蛍光体18が励起
されて可視光を発光する。
【0018】上記紫外線発光ランプ10は、発生する紫外
線の中心波長はオゾン発生作用を備えた192〔nm〕に
絞られ、オゾン発生作用のない無用な波長の紫外線がほ
とんど発生しないため、高効率のオゾン発生源として利
用することができる。また、内部電極14と外部電極16と
の間に気密容器12が介在しており、両者間で生じる無電
極放電(誘電体バリア放電)を利用して発光を得る構成
を備えているため、放電よって電極が消耗することがな
く耐久性の向上が図れると共に、放電開始電圧を低く抑
えることができる。さらに、この紫外線発光ランプ10か
ら得られる192〔nm〕波長の紫外線は、同じくオゾン
発生作用を備えた、例えば184〔nm〕波長の紫外線に
比べて長波長であり、石英ガラスよりなる気密容器12の
透過率が高いため、その分オゾンの発生効率を高めるこ
とが可能である。
【0019】また、上記の通り、本発明の紫外線発光ラ
ンプ10は、気密容器12の管体部12a下端の外表面に、当
該紫外線発光ランプ10から放射される192〔nm〕波長
の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体18を被着して
いるので、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、常に、192〔nm〕波長の紫外線を受けて上記蛍光
体18から可視光が発光されることとなる。従って、内部
電極14と外部電極16との間に高周波電圧を印加したにも
拘わらず、蛍光体18から可視光が発光されない場合に
は、紫外線発光ランプ10が故障して非点灯状態にあるこ
とがわかる。このように、本発明の紫外線発光ランプ10
は、蛍光体18から発光される可視光の有無によって、紫
外線発光ランプ10の点灯又は非点灯状態を外部から容易
に視認することができるのである。
【0020】さらに、上記の通り、外部電極16を、オゾ
ンに対する耐酸化性が高い材質で構成しているので、該
外部電極16がオゾンによって酸化されて劣化することを
防止できる。また、気密容器12を透過した紫外線の内、
外部電極16方向に放射された紫外線は、上記外部電極16
に遮られるため、オゾン生成に寄与しないものである
が、上記の通り、外部電極を192〔nm〕波長の紫外線
の反射効率が高い材質で構成したことにより、外部電極
16方向に照射された紫外線を、該外部電極16の配置され
ていない方向へと効率よく反射させることができる。こ
の結果、オゾン生成に寄与する紫外線の量を増加させる
ことができる。
【0021】尚、上記においては、気密容器12の管体部
12a下端の外表面に蛍光体18を被着しているが、図2に
示すように、封着部12bの外表面に被着しても良い。こ
の場合にも、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、管体部12aを透過する192〔nm〕波長の紫外線が
蛍光体18に照射されて、該蛍光体18から可視光が発光さ
れるのである。本発明の紫外線発光ランプ10にあって
は、気密容器12の管体部12aを透過する紫外線が、空気
中の酸素のオゾン化に主として寄与するものであること
から、図2の如く、気密容器12の封着部12b外表面に蛍
光体18を被着した場合の方が、管体部12a外表面に被着
した場合に比べ、管体部12aを透過する紫外線量が多く
なり、オゾンの発生効率が高くなる。
【0022】また、上記蛍光体18は、気密容器12の外表
面だけでなく、内表面(管体部12aの内表面や封着部12
bの内表面)に被着するようにしても良い。しかしなが
ら、気密容器12の外表面に蛍光体18を被着する方が製造
が簡単であると共に、既に生産されストックされている
従来の紫外線発光ランプ50(図3)の気密容器52外表面
に、上記蛍光体18を被着するだけで、本発明の紫外線発
光ランプ10とすることができるものである。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る紫外線発光ランプにあって
は、上記の通り、気密容器の表面に、192〔nm〕波長
の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を被着したた
め、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合には、紫外
線発光ランプから放射された192〔nm〕波長の紫外線
を受けて蛍光体から可視光が発光されることとなる。従
って、蛍光体から発光される可視光の有無によって、紫
外線発光ランプの点灯又は非点灯状態を外部から容易に
視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線発光ランプを示す断面図で
ある。
【図2】本発明に係る紫外線発光ランプの変形例を示す
断面図である。
【図3】従来の紫外線発光ランプを示す断面図である。
【符号の説明】
10 紫外線発光ランプ 12 気密容器 14 内部電極 16 外部電極 18 蛍光体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月27日(1999.12.
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 紫外線発光ランプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エキシマ発光を
利用し、オゾン発生源として用いるのに適した紫外線発
光ランプに係り、特に、ランプの点灯又は非点灯状態を
外部から容易に視認することのできる紫外線発光ランプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、環境に対して比較的クリーンなオ
ゾンを用いて殺菌や脱臭等を行うことが普及しつつある
が、その際オゾン発生源として種々の紫外線発光ランプ
が用いられている。本出願人は、先に、いわゆるエキシ
マ発光を利用し、オゾン発生に資する波長の紫外線を極
めて高い比率で放射することのできる紫外線発光ランプ
を提案した(特願平10−153553号)。
【0003】図3に示すように、この紫外線発光ランプ
50は、ガラス管の両端開口を溶融・封止して形成した気
密容器52と、該気密容器52内に配置された内部電極54
と、気密容器52の外周面に密着配置された外部電極56と
を備えている。上記気密容器52は、180〔nm〕以上の
波長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラ
スより構成されている。また、上記気密容器52内には、
エキシマ光生成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲン
ガスの混合ガスが充填されている。
【0004】上記内部電極54の先端部は、気密容器52内
に露出すると共に、基端部は気密容器52の封着部52a内
に埋設された薄板58に溶接されている。この薄板58に
は、リード端子60の一端も続されている。また、リード
端子60の他端は、気密容器52の外部に導出されている。
また、上記内部電極54のリード端子60と外部電極56との
間には、高周波電源62が接続されている。
【0005】上記紫外線発光ランプ50に、高周波電源62
より高周波電圧を印加すると、発生した磁力線の作用に
よって上記放電ガス中に含まれる成分が励起され、エキ
シマ状態となる。そして、このエキシマ分子からの自然
放射光としてオゾン発生効果を備えた192〔nm〕波長
の紫外線が放射される。この紫外線は、気密容器52を透
過して外部に照射され、空気中の酸素に作用してこれを
オゾン化させるのである。この紫外線発光ランプ50の場
合、いわゆるエキシマ発光を用いているため、ほぼ単一
の発光波長(192〔nm〕)が得られ、オゾン発生に寄
与しない波長の紫外線がほとんど発生しないことから、
極めて効率の高いオゾン発生源として用いることができ
るのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この紫
外線発光ランプ50からは、上記の通り、ほぼ単一の19
2〔nm〕波長の紫外線のみ放射され、可視光が放射され
ることがないため、紫外線発光ランプ50の点灯又は非点
灯状態を外部から視認することのできないものであっ
た。このため、故障により紫外線発光ランプ50が非点灯
状態となっているにも拘わらず、これに気付かず長期間
放置してしまい、その結果、オゾンを利用した殺菌や脱
臭等を効果的に行うことができないという事態が生じて
いた。
【0007】この発明は、従来の上記問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的とするところは、紫外線
発光ランプの点灯又は非点灯状態を外部から容易に視認
することのできる紫外線発光ランプを実現することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る紫外線発光ランプは、紫外線透過物
質よりなり、管体部と封着部とを備えた気密容器内に、
内部電極を、その先端部が上記気密容器の管体部内に露
出すると共に、基端部が上記気密容器の封着部内に埋設
されるよう配置し、また、上記気密容器外に外部電極を
配置し、さらに、アルゴン、臭素、及び六弗化硫黄を少
なくとも含む混合ガスより成る放電ガスを上記気密容器
内に充填し、また、上記気密容器の封着部の外表面に、
192〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍
光体を被着したことを特徴とする。上記放電ガスは、例
えばアルゴン、臭化メチル、及び六弗化硫黄の混合ガス
より構成される。尚、上記外部電極を、オゾンに対する
耐酸化性が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外線の反
射効率が高い材質で構成するのが望ましい。
【0009】この紫外線発光ランプの内部電極及び外部
電極間に高周波電源を接続し、該電源より高周波電圧を
印加すると、発生した磁力線の作用によって上記放電ガ
ス中に含まれる成分が励起され、エキシマ状態となる。
そして、このエキシマ分子からの自然放射光として19
2〔nm〕波長の紫外線が放射される。この紫外線は、気
密容器を透過して外部に照射され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。
【0010】上記気密容器の封着部の外表面に、192
〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を
被着したため、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合
には、封着部を透過する192〔nm〕波長の紫外線を受
けて蛍光体から可視光が発光される。このため、蛍光体
から発光される可視光の有無によって、紫外線発光ラン
プの点灯又は非点灯状態を外部から視認できる。また、
上記蛍光体を気密容器の外表面に被着しているので、製
造が簡単であると共に、既に生産されストックされてい
る従来の紫外線発光ランプ(図3)の気密容器外表面
に、蛍光体を被着するだけで、本発明の紫外線発光ラン
プとすることができるものである。さらに、本発明の紫
外線発光ランプにあっては、気密容器の管体部を透過す
る紫外線が、空気中の酸素のオゾン化に主として寄与す
るものであることから、気密容器の封着部の外表面に蛍
光体を被着した場合の方が、管体部外表面に被着した場
合に比べ、管体部を透過する紫外線量が多くなり、オゾ
ンの発生効率を高くすることができる。
【0011】上記外部電極を、オゾンに対する耐酸化性
が高い材質で構成すれば、外部電極がオゾンによって酸
化されて劣化することを防止できる。また、気密容器を
透過した紫外線の内、外部電極方向に放射された紫外線
は、上記外部電極に遮られるため、オゾン生成に寄与し
ないものである。そこで、上記外部電極を、192〔n
m〕波長の紫外線の反射効率が高い材質で構成すれば、
外部電極方向に照射された紫外線を、該外部電極の配置
されていない方向へと効率よく反射させることができ
る。この結果、オゾン生成に寄与する紫外線の量を増加
させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明に係る
紫外線発光ランプ10は、ガラス管の両端開口を溶融・封
止して形成した気密容器12と、該気密容器12内に配置さ
れた内部電極14と、気密容器12の外周面に密着配置され
た外部電極16とを備えている。
【0013】上記気密容器12は、180〔nm〕以上の波
長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラス
より構成され、管体部12aと封着部12bとを備えてい
る。上記気密容器12の管体部12a内には、エキシマ光生
成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲンガスの混合ガ
スが充填されている。この放電ガスは、具体的にはアル
ゴンガス(Ar)、臭化メチルガス(CHBr)、及
び六弗化硫黄ガス(SF)を混合したものより構成さ
れる。各ガスの混合比率としては、例えば以下の通りで
ある。 (1) Ar・CHBr:SF=15:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) (2) Ar・CHBr:SF=10:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) また、放電ガス全体の圧力としては、例えば5〜50
〔mmHg〕が該当する。なお、臭素(Br)単体ではガス
化が困難であるため、上記のように臭化メチルガスを放
電ガスの一成分として選択したのであるが、この代わり
に臭素(Br)を含んだ他のガス状化合物を用いてもよ
い。
【0014】上記気密容器12の管体部12a下端の外表面
には、蛍光体18が被着されている。この蛍光体18は、オ
ゾン発生作用を備えた192〔nm〕波長の紫外線を受け
て可視光を発光するものである。具体的には、赤色発光
用の蛍光体として、例えば、(Y,Gd)BO:Eu
やY:Eu等が該当する。また、緑色発光用の蛍
光体として、例えば、BaO・6Al:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn、Zn
SiO:Mnが該当する。さらに、青色発光用の蛍光
体として、例えば、BaMgAl1423:Euが該
当する。
【0015】上記内部電極14はタングステン(W)より
なり、先端部は気密容器12の管体部12a内に露出すると
共に、基端部は気密容器12の封着部12b内に埋設された
薄板20に溶接されている。この薄板20には、モリブデン
よりなるリード端子22の一端も続されている。また、リ
ード端子22の他端は、気密容器12の外部に導出されてい
る。
【0016】上記外部電極16は、例えば導電テープを気
密容器12の外面に接着させることによって構成すること
ができる。この外部電極16は、オゾンに対する耐酸化性
が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外線の反射効率が
高い材質で構成するのが望ましく、具体的には、ステン
レスやアルミニウム等が該当する。但し、アルミニウム
単体で上記外部電極16を構成した場合には、後述する取
出配線23との溶接等による接続性が悪い。そこで、上記
外部電極16を、取出配線23との接続性が良好な真鍮等を
アルミニウムで被覆して構成し、取出配線23との接続部
は少なくとも上記アルミニウムで被覆することなく露出
するようにしておけば良い。或いは、アルミニウムと取
出配線23との接続性が良好な真鍮等とを積層した二層構
造と成して上記外部電極16を構成し、アルミニウムで構
成された一面側を上記気密容器12と対向させると共に、
取出配線23との接続は真鍮等で構成された他面側で行う
ようにしても良い。内部電極14のリード端子20と外部電
極16との間には、取出配線23を介して高周波電源24が接
続される。
【0017】上記気密容器12の管体部12a内において
は、臭素(Br)の作用によって、六弗化硫黄ガス(S
)が徐々に硫黄(S)とフッ素(F)とに分解され
ていく。しかして、上記内部電極14と外部電極16との間
に、高周波電源24より高周波電圧(例えば2.7〔k
V〕、10〔kHz〕)が印加されると、内部電極14−外部
電極16間で無電極放電が生成され、この放電によってA
r−Fが励起されてエキシマ状態となり、このエキシマ
分子からの自然放射光として192〔nm〕波長の紫外線
が放射される。この192〔nm〕波長の紫外線は、気密
容器12を透過して外部に放出され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。また、上記気密容器12の管
体部12aを透過した192〔nm〕波長の紫外線の一部
が、上記蛍光体18に照射されるため、該蛍光体18が励起
されて可視光を発光する。
【0018】上記紫外線発光ランプ10は、発生する紫外
線の中心波長はオゾン発生作用を備えた192〔nm〕に
絞られ、オゾン発生作用のない無用な波長の紫外線がほ
とんど発生しないため、高効率のオゾン発生源として利
用することができる。また、内部電極14と外部電極16と
の間に気密容器12が介在しており、両者間で生じる無電
極放電(誘電体バリア放電)を利用して発光を得る構成
を備えているため、放電よって電極が消耗することがな
く耐久性の向上が図れると共に、放電開始電圧を低く抑
えることができる。さらに、この紫外線発光ランプ10か
ら得られる192〔nm〕波長の紫外線は、同じくオゾン
発生作用を備えた、例えば184〔nm〕波長の紫外線に
比べて長波長であり、石英ガラスよりなる気密容器12の
透過率が高いため、その分オゾンの発生効率を高めるこ
とが可能である。
【0019】また、上記の通り、本発明の紫外線発光ラ
ンプ10は、気密容器12の管体部12a下端の外表面に、当
該紫外線発光ランプ10から放射される192〔nm〕波長
の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体18を被着して
いるので、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、常に、192〔nm〕波長の紫外線を受けて上記蛍光
体18から可視光が発光されることとなる。従って、内部
電極14と外部電極16との間に高周波電圧を印加したにも
拘わらず、蛍光体18から可視光が発光されない場合に
は、紫外線発光ランプ10が故障して非点灯状態にあるこ
とがわかる。このように、本発明の紫外線発光ランプ10
は、蛍光体18から発光される可視光の有無によって、紫
外線発光ランプ10の点灯又は非点灯状態を外部から容易
に視認することができるのである。
【0020】さらに、上記の通り、外部電極16を、オゾ
ンに対する耐酸化性が高い材質で構成しているので、該
外部電極16がオゾンによって酸化されて劣化することを
防止できる。また、気密容器12を透過した紫外線の内、
外部電極16方向に放射された紫外線は、上記外部電極16
に遮られるため、オゾン生成に寄与しないものである
が、上記の通り、外部電極を192〔nm〕波長の紫外線
の反射効率が高い材質で構成したことにより、外部電極
16方向に照射された紫外線を、該外部電極16の配置され
ていない方向へと効率よく反射させることができる。こ
の結果、オゾン生成に寄与する紫外線の量を増加させる
ことができる。
【0021】尚、上記においては、気密容器12の管体部
12a下端の外表面に蛍光体18を被着しているが、図2に
示すように、封着部12bの外表面に被着しても良い。こ
の場合にも、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、封着部12bを透過する192〔nm〕波長の紫外線が
蛍光体18に照射されて、該蛍光体18から可視光が発光さ
れるのである。本発明の紫外線発光ランプ10にあって
は、気密容器12の管体部12aを透過する紫外線が、空気
中の酸素のオゾン化に主として寄与するものであること
から、図2の如く、気密容器12の封着部12b外表面に蛍
光体18を被着した場合の方が、管体部12a外表面に被着
した場合に比べ、管体部12aを透過する紫外線量が多く
なり、オゾンの発生効率が高くなる。
【0022】また、上記蛍光体18は、気密容器12の外表
面だけでなく、内表面(管体部12aの内表面や封着部12
bの内表面)に被着するようにしても良い。しかしなが
ら、気密容器12の外表面に蛍光体18を被着する方が製造
が簡単であると共に、既に生産されストックされている
従来の紫外線発光ランプ50(図3)の気密容器52外表面
に、上記蛍光体18を被着するだけで、本発明の紫外線発
光ランプ10とすることができるものである。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る紫外線発光ランプにあって
は、上記の通り、気密容器の封着部の外表面に、192
〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を
被着したため、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合
には、紫外線発光ランプから放射され、封着部を透過す
る192〔nm〕波長の紫外線を受けて蛍光体から可視光
が発光されることとなる。従って、蛍光体から発光され
る可視光の有無によって、紫外線発光ランプの点灯又は
非点灯状態を外部から容易に視認することができる。ま
た、上記蛍光体を気密容器の外表面に被着しているの
で、製造が簡単であると共に、既に生産されストックさ
れている従来の紫外線発光ランプ(図3)の気密容器外
表面に、蛍光体を被着するだけで、本発明の紫外線発光
ランプとすることができるものである。さらに、本発明
の紫外線発光ランプにあっては、気密容器の管体部を透
過する紫外線が、空気中の酸素のオゾン化に主として寄
与するものであることから、気密容器の封着部の外表面
に蛍光体を被着した場合の方が、管体部外表面に被着し
た場合に比べ、管体部を透過する紫外線量が多くなり、
オゾンの発生効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線発光ランプを示す断面図で
ある。
【図2】本発明に係る紫外線発光ランプの変形例を示す
断面図である。
【図3】従来の紫外線発光ランプを示す断面図である。
【符号の説明】 10 紫外線発光ランプ 12 気密容器 14 内部電極 16 外部電極 18 蛍光体 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月22日(2000.5.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 紫外線発光ランプ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エキシマ発光を
利用し、オゾン発生源として用いるのに適した紫外線発
光ランプに係り、特に、ランプの点灯又は非点灯状態を
外部から容易に視認することのできる紫外線発光ランプ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、環境に対して比較的クリーンなオ
ゾンを用いて殺菌や脱臭等を行うことが普及しつつある
が、その際オゾン発生源として種々の紫外線発光ランプ
が用いられている。本出願人は、先に、いわゆるエキシ
マ発光を利用し、オゾン発生に資する波長の紫外線を極
めて高い比率で放射することのできる紫外線発光ランプ
を提案した(特願平10−153553号)。
【0003】図3に示すように、この紫外線発光ランプ
50は、ガラス管の両端開口を溶融・封止して形成した気
密容器52と、該気密容器52内に配置された内部電極54
と、気密容器52の外周面に密着配置された外部電極56と
を備えている。上記気密容器52は、180〔nm〕以上の
波長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラ
スより構成されている。また、上記気密容器52内には、
エキシマ光生成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲン
ガスの混合ガスが充填されている。
【0004】上記内部電極54の先端部は、気密容器52内
に露出すると共に、基端部は気密容器52の封着部52a内
に埋設された薄板58に溶接されている。この薄板58に
は、リード端子60の一端も続されている。また、リード
端子60の他端は、気密容器52の外部に導出されている。
また、上記内部電極54のリード端子60と外部電極56との
間には、高周波電源62が接続されている。
【0005】上記紫外線発光ランプ50に、高周波電源62
より高周波電圧を印加すると、発生した磁力線の作用に
よって上記放電ガス中に含まれる成分が励起され、エキ
シマ状態となる。そして、このエキシマ分子からの自然
放射光としてオゾン発生効果を備えた192〔nm〕波長
の紫外線が放射される。この紫外線は、気密容器52を透
過して外部に照射され、空気中の酸素に作用してこれを
オゾン化させるのである。この紫外線発光ランプ50の場
合、いわゆるエキシマ発光を用いているため、ほぼ単一
の発光波長(192〔nm〕)が得られ、オゾン発生に寄
与しない波長の紫外線がほとんど発生しないことから、
極めて効率の高いオゾン発生源として用いることができ
るのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この紫
外線発光ランプ50からは、上記の通り、ほぼ単一の19
2〔nm〕波長の紫外線のみ放射され、可視光が放射され
ることがないため、紫外線発光ランプ50の点灯又は非点
灯状態を外部から視認することのできないものであっ
た。このため、故障により紫外線発光ランプ50が非点灯
状態となっているにも拘わらず、これに気付かず長期間
放置してしまい、その結果、オゾンを利用した殺菌や脱
臭等を効果的に行うことができないという事態が生じて
いた。
【0007】この発明は、従来の上記問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的とするところは、紫外線
発光ランプの点灯又は非点灯状態を外部から容易に視認
することのできる紫外線発光ランプを実現することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る紫外線発光ランプは、紫外線透過物
質よりなり、管体部と封着部とを備えた気密容器内に、
内部電極を、その先端部が上記気密容器の管体部内に露
出すると共に、基端部が上記気密容器の封着部内に埋設
されるよう配置し、また、上記気密容器外に、オゾンに
対する耐酸化性が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外
線の反射効率が高い材質で構成された外部電極を配置
し、さらに、アルゴン、臭素、及び六弗化硫黄を少なく
とも含む混合ガスより成る放電ガスを上記気密容器内に
充填し、また、上記気密容器の封着部の外表面に、19
2〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体
を被着したことを特徴とする。上記放電ガスは、例えば
アルゴン、臭化メチル、及び六弗化硫黄の混合ガスより
構成される。
【0009】この紫外線発光ランプの内部電極及び外部
電極間に高周波電源を接続し、該電源より高周波電圧を
印加すると、発生した磁力線の作用によって上記放電ガ
ス中に含まれる成分が励起され、エキシマ状態となる。
そして、このエキシマ分子からの自然放射光として19
2〔nm〕波長の紫外線が放射される。この紫外線は、気
密容器を透過して外部に照射され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。
【0010】上記気密容器の封着部の外表面に、192
〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を
被着したため、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合
には、封着部を透過する192〔nm〕波長の紫外線を受
けて蛍光体から可視光が発光される。このため、蛍光体
から発光される可視光の有無によって、紫外線発光ラン
プの点灯又は非点灯状態を外部から視認できる。また、
上記蛍光体を気密容器の外表面に被着しているので、製
造が簡単であると共に、既に生産されストックされてい
る従来の紫外線発光ランプ(図3)の気密容器外表面
に、蛍光体を被着するだけで、本発明の紫外線発光ラン
プとすることができるものである。さらに、本発明の紫
外線発光ランプにあっては、気密容器の管体部を透過す
る紫外線が、空気中の酸素のオゾン化に主として寄与す
るものであることから、気密容器の封着部の外表面に蛍
光体を被着した場合の方が、管体部外表面に被着した場
合に比べ、管体部を透過する紫外線量が多くなり、オゾ
ンの発生効率を高くすることができる。
【0011】上記外部電極、オゾンに対する耐酸化性
が高い材質で構成されているので、外部電極がオゾンに
よって酸化されて劣化することを防止できる。また、気
密容器を透過した紫外線の内、外部電極方向に放射され
た紫外線は、上記外部電極に遮られるため、オゾン生成
に寄与しないものである。しかし、上記外部電極、1
92〔nm〕波長の紫外線の反射効率が高い材質で構成
れているので、外部電極方向に照射された紫外線を、該
外部電極の配置されていない方向へと効率よく反射させ
ることができる。この結果、オゾン生成に寄与する紫外
線の量を増加させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明に係る
紫外線発光ランプ10は、ガラス管の両端開口を溶融・封
止して形成した気密容器12と、該気密容器12内に配置さ
れた内部電極14と、気密容器12の外周面に密着配置され
た外部電極16とを備えている。
【0013】上記気密容器12は、180〔nm〕以上の波
長を備えた紫外線を透過させる特性を備えた石英ガラス
より構成され、管体部12aと封着部12bとを備えてい
る。上記気密容器12の管体部12a内には、エキシマ光生
成用の放電ガスとして、希ガスとハロゲンガスの混合ガ
スが充填されている。この放電ガスは、具体的にはアル
ゴンガス(Ar)、臭化メチルガス(CHBr)、及
び六弗化硫黄ガス(SF)を混合したものより構成さ
れる。各ガスの混合比率としては、例えば以下の通りで
ある。 (1) Ar・CHBr:SF=15:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) (2) Ar・CHBr:SF=10:1(モル比) 但し、Ar:CHBr=19:1(モル比) また、放電ガス全体の圧力としては、例えば5〜50
〔mmHg〕が該当する。なお、臭素(Br)単体ではガス
化が困難であるため、上記のように臭化メチルガスを放
電ガスの一成分として選択したのであるが、この代わり
に臭素(Br)を含んだ他のガス状化合物を用いてもよ
い。
【0014】上記気密容器12の管体部12a下端の外表面
には、蛍光体18が被着されている。この蛍光体18は、オ
ゾン発生作用を備えた192〔nm〕波長の紫外線を受け
て可視光を発光するものである。具体的には、赤色発光
用の蛍光体として、例えば、(Y,Gd)BO:Eu
やY:Eu等が該当する。また、緑色発光用の蛍
光体として、例えば、BaO・6Al:Mn、
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn、Zn
SiO:Mnが該当する。さらに、青色発光用の蛍光
体として、例えば、BaMgAl1423:Euが該
当する。
【0015】上記内部電極14はタングステン(W)より
なり、先端部は気密容器12の管体部12a内に露出すると
共に、基端部は気密容器12の封着部12b内に埋設された
薄板20に溶接されている。この薄板20には、モリブデン
よりなるリード端子22の一端も続されている。また、リ
ード端子22の他端は、気密容器12の外部に導出されてい
る。
【0016】上記外部電極16は、例えば導電テープを気
密容器12の外面に接着させることによって構成すること
ができる。この外部電極16は、オゾンに対する耐酸化性
が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外線の反射効率が
高い材質で構成するのが望ましく、具体的には、ステン
レスやアルミニウム等が該当する。但し、アルミニウム
単体で上記外部電極16を構成した場合には、後述する取
出配線23との溶接等による接続性が悪い。そこで、上記
外部電極16を、取出配線23との接続性が良好な真鍮等を
アルミニウムで被覆して構成し、取出配線23との接続部
は少なくとも上記アルミニウムで被覆することなく露出
するようにしておけば良い。或いは、アルミニウムと取
出配線23との接続性が良好な真鍮等とを積層した二層構
造と成して上記外部電極16を構成し、アルミニウムで構
成された一面側を上記気密容器12と対向させると共に、
取出配線23との接続は真鍮等で構成された他面側で行う
ようにしても良い。内部電極14のリード端子20と外部電
極16との間には、取出配線23を介して高周波電源24が接
続される。
【0017】上記気密容器12の管体部12a内において
は、臭素(Br)の作用によって、六弗化硫黄ガス(S
)が徐々に硫黄(S)とフッ素(F)とに分解され
ていく。しかして、上記内部電極14と外部電極16との間
に、高周波電源24より高周波電圧(例えば2.7〔k
V〕、10〔kHz〕)が印加されると、内部電極14−外部
電極16間で無電極放電が生成され、この放電によってA
r−Fが励起されてエキシマ状態となり、このエキシマ
分子からの自然放射光として192〔nm〕波長の紫外線
が放射される。この192〔nm〕波長の紫外線は、気密
容器12を透過して外部に放出され、空気中の酸素に作用
してこれをオゾン化させる。また、上記気密容器12の管
体部12aを透過した192〔nm〕波長の紫外線の一部
が、上記蛍光体18に照射されるため、該蛍光体18が励起
されて可視光を発光する。
【0018】上記紫外線発光ランプ10は、発生する紫外
線の中心波長はオゾン発生作用を備えた192〔nm〕に
絞られ、オゾン発生作用のない無用な波長の紫外線がほ
とんど発生しないため、高効率のオゾン発生源として利
用することができる。また、内部電極14と外部電極16と
の間に気密容器12が介在しており、両者間で生じる無電
極放電(誘電体バリア放電)を利用して発光を得る構成
を備えているため、放電よって電極が消耗することがな
く耐久性の向上が図れると共に、放電開始電圧を低く抑
えることができる。さらに、この紫外線発光ランプ10か
ら得られる192〔nm〕波長の紫外線は、同じくオゾン
発生作用を備えた、例えば184〔nm〕波長の紫外線に
比べて長波長であり、石英ガラスよりなる気密容器12の
透過率が高いため、その分オゾンの発生効率を高めるこ
とが可能である。
【0019】また、上記の通り、本発明の紫外線発光ラ
ンプ10は、気密容器12の管体部12a下端の外表面に、当
該紫外線発光ランプ10から放射される192〔nm〕波長
の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体18を被着して
いるので、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、常に、192〔nm〕波長の紫外線を受けて上記蛍光
体18から可視光が発光されることとなる。従って、内部
電極14と外部電極16との間に高周波電圧を印加したにも
拘わらず、蛍光体18から可視光が発光されない場合に
は、紫外線発光ランプ10が故障して非点灯状態にあるこ
とがわかる。このように、本発明の紫外線発光ランプ10
は、蛍光体18から発光される可視光の有無によって、紫
外線発光ランプ10の点灯又は非点灯状態を外部から容易
に視認することができるのである。
【0020】さらに、上記の通り、外部電極16を、オゾ
ンに対する耐酸化性が高い材質で構成しているので、該
外部電極16がオゾンによって酸化されて劣化することを
防止できる。また、気密容器12を透過した紫外線の内、
外部電極16方向に放射された紫外線は、上記外部電極16
に遮られるため、オゾン生成に寄与しないものである
が、上記の通り、外部電極を192〔nm〕波長の紫外線
の反射効率が高い材質で構成したことにより、外部電極
16方向に照射された紫外線を、該外部電極16の配置され
ていない方向へと効率よく反射させることができる。こ
の結果、オゾン生成に寄与する紫外線の量を増加させる
ことができる。
【0021】尚、上記においては、気密容器12の管体部
12a下端の外表面に蛍光体18を被着しているが、図2に
示すように、封着部12bの外表面に被着しても良い。こ
の場合にも、紫外線発光ランプ10が点灯状態にある時に
は、封着部12bを透過する192〔nm〕波長の紫外線が
蛍光体18に照射されて、該蛍光体18から可視光が発光さ
れるのである。本発明の紫外線発光ランプ10にあって
は、気密容器12の管体部12aを透過する紫外線が、空気
中の酸素のオゾン化に主として寄与するものであること
から、図2の如く、気密容器12の封着部12b外表面に蛍
光体18を被着した場合の方が、管体部12a外表面に被着
した場合に比べ、管体部12aを透過する紫外線量が多く
なり、オゾンの発生効率が高くなる。
【0022】また、上記蛍光体18は、気密容器12の外表
面だけでなく、内表面(管体部12aの内表面や封着部12
bの内表面)に被着するようにしても良い。しかしなが
ら、気密容器12の外表面に蛍光体18を被着する方が製造
が簡単であると共に、既に生産されストックされている
従来の紫外線発光ランプ50(図3)の気密容器52外表面
に、上記蛍光体18を被着するだけで、本発明の紫外線発
光ランプ10とすることができるものである。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る紫外線発光ランプにあって
は、上記の通り、気密容器の封着部の外表面に、192
〔nm〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を
被着したため、紫外線発光ランプが点灯状態にある場合
には、紫外線発光ランプから放射され、封着部を透過す
る192〔nm〕波長の紫外線を受けて蛍光体から可視光
が発光されることとなる。従って、蛍光体から発光され
る可視光の有無によって、紫外線発光ランプの点灯又は
非点灯状態を外部から容易に視認することができる。ま
た、上記蛍光体を気密容器の外表面に被着しているの
で、製造が簡単であると共に、既に生産されストックさ
れている従来の紫外線発光ランプ(図3)の気密容器外
表面に、蛍光体を被着するだけで、本発明の紫外線発光
ランプとすることができるものである。さらに、本発明
の紫外線発光ランプにあっては、気密容器の管体部を透
過する紫外線が、空気中の酸素のオゾン化に主として寄
与するものであることから、気密容器の封着部の外表面
に蛍光体を被着した場合の方が、管体部外表面に被着し
た場合に比べ、管体部を透過する紫外線量が多くなり、
オゾンの発生効率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る紫外線発光ランプを示す断面図で
ある。
【図2】本発明に係る紫外線発光ランプの変形例を示す
断面図である。
【図3】従来の紫外線発光ランプを示す断面図である。
【符号の説明】 10 紫外線発光ランプ 12 気密容器 14 内部電極 16 外部電極 18 蛍光体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線透過物質よりなる気密容器内に、
    内部電極を配置すると共に、該気密容器外に外部電極を
    配置し、また、アルゴン、臭素、及び六弗化硫黄を少な
    くとも含む混合ガスより成る放電ガスを上記気密容器内
    に充填し、さらに、上記気密容器の表面に、192〔n
    m〕波長の紫外線を受けて可視光を発光する蛍光体を被
    着したことを特徴とする紫外線発光ランプ。
  2. 【請求項2】 上記放電ガスが、アルゴン、臭化メチ
    ル、及び六弗化硫黄の混合ガスよりなることを特徴とす
    る請求項1に記載の紫外線発光ランプ。
  3. 【請求項3】 上記外部電極を、オゾンに対する耐酸化
    性が高く、且つ、192〔nm〕波長の紫外線の反射効率
    が高い材質で構成したことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の紫外線発光ランプ。
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