JP2000284516A - 強誘電体を用いた画像の形成方法 - Google Patents

強誘電体を用いた画像の形成方法

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JP2000284516A
JP2000284516A JP11088139A JP8813999A JP2000284516A JP 2000284516 A JP2000284516 A JP 2000284516A JP 11088139 A JP11088139 A JP 11088139A JP 8813999 A JP8813999 A JP 8813999A JP 2000284516 A JP2000284516 A JP 2000284516A
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JP11088139A
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Kazunori Maruyama
和則 丸山
Joji Kawamura
丞治 河村
Masao Aizawa
政男 相澤
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電、像露光、現像を明室において行なうこ
とが可能で、画像の随時書き込み、消去が可能で、潜像
の明室における長期安定保存等が可能で、トナー現像時
の表面電位のコントラストは、極性の異なる電位間の差
となり、さらに機械的強度が高く、トナー現像等により
表面に傷が付き難く、一回の潜像の書き込みで複数枚ト
ナー画像を形成することが可能である、強誘電体を用い
た画像形成方法を提供すること。 【解決手段】 (1)導電性支持体上に、焼結により除
去できる材質からなる容器を用いて、無機系の酸化物強
誘電体となる原料及び溶媒を混合し、強誘電体と溶媒を
分離した後、固相反応により焼結して得られる酸化物強
誘電体を含有する強誘電体層を有する強誘電体素子にお
ける強誘電体層中の強誘電体の双極子を一方向に配列さ
せる第1工程、(2)画像部若しくは非画像部に相当す
る部分の双極子を反転させる第2工程、(3)強誘電体
層を一様にキュリー点以下に加熱した後、冷却して静電
潜像を発現させる第3工程及び(4)該静電潜像をトナ
ーを用いて現像する第4工程からなる画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法に関
し、更に詳しくは、強誘電体を用いて静電潜像を形成し
た後、トナーを用いて静電潜像を可視画像化する画像形
成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機やプリンターに使用され
ている画像形成法の一つである電子写真法は、光導電体
より成る感光層を有する感光体を帯電させた後、画像露
光により感光体の感光層上に静電的潜像を形成し、これ
を静電トナーによる現像処理を行ない、光導電体上のト
ナー像をフィルムや普通紙等へ転写し、転写されたトナ
ー画像を定着し可視画像を形成する。再び同一の可視画
像を形成させるためには、光導電体に付着したトナーを
クリーニングしてから再度帯電後、画像露光、転写、定
着等の同一工程を繰り返すことにより行なわれる。その
ため、同一画像を複数枚作成する場合、複写速度に限界
が生じ、高速複写は困難である。
【0003】この問題を解決するために、「フォトグラ
フィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Ph
otographic Science and Engineering)」第25巻(1981
年)第35〜39頁及び第209〜215頁には、メモリー性を有
する電子写真感光体が提案されている。この方法によれ
ば、一回の画像露光を行えば、その後は、現像〜定着の
前記工程を繰り返すことにより複数枚の複写が可能であ
る。
【0004】しかしながら、この文献に記載の電子写真
感光体は、画像露光により形成した潜像の長期保存がで
きず、また、メモリー性にも問題があり、明室における
保存が不可能であり、また、耐刷性、環境安定性も悪
く、実用化には至っていない。
【0005】また、強磁性材料を用い、その磁化率の大
小によりメモリー性の潜像を形成し磁性トナーを用いて
現像を行ない、転写、定着して一回の画像書き込みで複
数枚の可視画像が得られるプリンター、例えば、「リプ
ロ(Repro)MG8000」 (岩崎通信機製)、「バリプレス
(Varipress)M450」(ブル−ニプソン(Bull-Nipson)
社製)が実用化されている。
【0006】更に、特開平5−221139号公報に
は、有機強誘電体層をポーリング(双極子配向)処理し
た後、画像の書き込みにおいて、光を照射し、露光部分
をキュリー点(Tc)以上に加熱して潜像を形成し、連
続複写が可能で潜像の保存が可能な記録方法が提案され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の光導
電体を用いる電子写真方式は、プリンター、複写機、ダ
イレクト製版等の種々の分野で用いられているが、帯
電、像露光、現像を暗室中で行なわなければならなく、
また、同一画像を複数枚作成するためには、光導電体に
付着したトナーをクリーニングしてから再度帯電後、画
像露光、転写、定着等の同一工程を繰り返すため、複写
速度に限界が生じ、高速複写は困難である。
【0008】また、強磁性材料を用いる方法では、書き
込みヘッドに磁気ヘッドを用いるため、解像力に限界が
あり、また、カラー磁性トナーの作成が困難なため、カ
ラー画像の作成が行えない、という問題点がある。
【0009】さらに、有機強誘電体を用いた画像の書き
込みにおいて、光を照射し、露光部分をキュリー点(T
c)以上に加熱して潜像を形成する方法では、有機強誘
電体の表面の機械的強度が低いために、トナー現像等に
より表面に傷が付きやすく、このような傷により非画像
部へのトナーの付着が起こり、非画像部の汚れが印刷枚
数が増えるにつれて増大するという問題がある。このた
め、トナー現像の方式が制限されるほか、多数枚印刷に
不向きとなる、という問題点があった。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、帯電、
像露光、現像を明室において行なうことが可能であり、
画像のカラー化が可能であり、帯電、像露光、画像の随
時書き込み、消去が可能であり、一回の画像書き込み
で、同一のトナー画像が複数枚作成することが可能であ
り、さらに機械的強度が高く、トナー現像等により表面
に傷が付き難く、トナー現像の方式が制限されず、多数
枚印刷に適する、強誘電体を用いた画像形成方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の無機系の酸化物強誘電体を用い
て、潜像を形成し、電子写真法によりトナー画像を形成
する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)導電性支持体上に無機系の酸化物強誘電体を
含有する強誘電体層を有する強誘電体素子における強誘
電体層中の強誘電体の双極子を一方向に配列させる第1
工程、(2)画像部若しくは非画像部に相当する部分の
双極子を反転させる第2工程、(3)強誘電体層を一様
にキュリー点以下に加熱した後、冷却して静電潜像を発
現させる第3工程及び(4)該静電潜像をトナーを用い
て現像する第4工程からなる画像形成方法において、無
機系の酸化物強誘電体として、焼結により除去できる材
質からなる容器を用いて、無機系の酸化物強誘電体とな
る原料及び溶媒を混合し、強誘電体と溶媒を分離した
後、固相反応により焼結して得られる酸化物強誘電体を
用いる画像形成方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の画像の形成方法で用いる
強誘電体素子は、強誘電体層と導電性支持体層とから成
り、図1に示すように、強誘電体層と導電性支持体層
は、密着した状態でもよく、また、強誘電体層と支持体
層の間に中間層を設けても良い。
【0014】強誘電体層に用いる無機系の酸化物強誘電
体は、コロナ帯電等により双極子の配向及び画像部若し
くは非画像部の双極子の反転が、可能であればよく、電
気抵抗が、常温からの昇温により減少するものである。
また、これらの無機系の酸化物強誘電体は、層状構造を
有するものが好ましい。これらの無機系の酸化物強誘電
体は、単独で用いることもでき、また、2種類以上を組
み合わせて用いることもできる。そのような無機系の酸
化物強誘電体としては、例えば、一般式(1)
【0015】[(Bi222+(XY27)2-
【0016】[式中、Xは、Sr、Pb又はNa0.5
0.5を表わし、YはTa又はNbを表わす。]で表わ
される無機系の酸化物強誘電体、一般式(2)
【0017】[XnBi4Tin+33n+12
【0018】[式中、Xは、Sr、Ba、Pb又はNa
0.5Bi0.5を表わし、nは、1又は2を表わす。]で表
される無機系の酸化物強誘電体、などが挙げられ、さら
に具体的には、SrBi2Ta29、SrBi2Nb
29、SrBi4Ti415、などが挙げられる。
【0019】本発明で用いる無機系の酸化物強誘電体
は、このような無機系の酸化物強誘電体となる原料及び
溶媒を、焼結により除去できる材質からなる容器を用い
て混合し、強誘電体と溶媒を分離し、固相反応により焼
結した酸化物強誘電体を用いる。
【0020】無機系の酸化物強誘電体となる原料及び溶
媒を、強誘電体の焼結により、除去できない材質からな
る容器を用いて混合した場合、焼結後に不純物として強
誘電体中に残ったり、あるいは、強誘電体の原料と反応
して目的とする無機強誘電体が得られなくなる。このよ
うな強誘電体を用いて、強誘電体層を形成すると、強誘
電体層の電気抵抗の変化と強誘電体材料の焦電性により
発生する表面電位は小さくなり、表面電位コントラスト
が小さくなり、トナー画像の品質は、低下してしまう。
【0021】本発明で使用する混合時に使用する容器の
材質は、強誘電体の焼結時に、強誘電体原料と反応せず
に燃焼して除去できるものであれば良く、特に材質を限
定するものではない。そのような材質としては、一般に
用いられている樹脂等を用いることができ、例えば、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブタジエンテレフタレート、ポリスチレン、
アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリア
セタール、ポリアミド、ポリサルホン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
【0022】本発明で使用する無機系の酸化物強誘電体
は、その体積平均粒子径が、0.5〜3.0μmの範囲
にある材料が好ましい。無機系の酸化物強誘電体の体積
平均粒子径が3.0μmよりも大きい場合、強誘電体層
の表面の平滑性が悪く、非画像部等に本来付着されない
トナーが、付着しやすくなったり、また画像部に付着し
たトナーを紙等に転写する場合、十分にトナーの転写が
行われない等により、トナー画像の品質を低下させてし
まう傾向にあるので、好ましくない。また、無機系の酸
化物強誘電体の体積平均粒子径が0.5μmよりも小さ
い場合、強誘電体層の電気抵抗の変化と強誘電体材料の
焦電性により発生する表面電位が、小さくなり、表面電
位コントラストが十分に得られず、トナー画像の品質
は、低下してしまう傾向にあるので、好ましくない。
【0023】導電性支持体層は、必要な機械的強度及び
平滑性を有し、かつ、導電性を有するものであれば良
く、その材質は特に限定されるものではないが、加工性
や形状安定性等の面から、白金やアルミニウム等の金
属、導電性ポリマーやカーボンブラック等の導電性無機
物、などが好ましく、またプラスチック、紙、その他絶
縁性基体上に導電性膜を積層したものであっても良い。
【0024】本発明の画像形成方法において使用する強
誘電体素子は、例えば、(A)導電性支持体層上に強誘
電体層を形成する方法、(B)強誘電体層と導電性支持
体層を別々に製作した後、貼り合わせる方法、などによ
って製造することができる。
【0025】上記(A)の方法としては、強誘電体材
料、樹脂及び溶剤を混合溶解させ、この混合溶液を、デ
イッピング法、バーコート法、ロールコート法、スプレ
イコート法、スピンコート法、などにより基板上に塗布
した後、溶媒を除去して強誘電体層を形成する方法、
上記で用いた混合溶液を用いて、電着法により膜化し
て強誘電体層とする方法、などが挙げられる。
【0026】上記(B)の方法としては、強誘電体材
料、樹脂及び溶剤を混合溶解させ、この混合溶液を、デ
イッピング法、バーコート法、ロールコート法、スプレ
イコート法、スピンコート法、などにより塗布した後、
溶媒を除去して膜化し、強誘電体膜を作製した後、導電
性を有する接着剤を用いて支持体層と密着させて製作す
る方法、などが挙げられる。
【0027】強誘電体層の形成に樹脂を使用する場合の
樹脂材料としては、例えば、ポリビニルブチラール、ポ
リエステル、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリメ
チルメタアクリレート、などが挙げられる。
【0028】強誘電体層を形成する混合溶液に用いる溶
剤は、無機系の酸化物強誘電体を変質させない溶剤であ
って、上記樹脂材料を溶解し得る溶剤であれば良く、そ
のような溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトンの如きケトン系溶剤;メタノール、ブタノール
の如きアルコール系溶剤;エチルセロソルブ、メチルセ
ロソルブの如きセロソルブ系溶剤;ジメチルホルムアミ
ドの如きアミド系溶剤;ジクロロメタン,1,2−ジク
ロロエタンの如き塩素系溶剤;トルエンの如き芳香族系
極性溶剤、などが挙げられる。
【0029】強誘電体層の膜厚は、電場を印加すること
により双極子を配向させる方法を用いるため、厚すぎる
場合、高い帯電電圧を必要とし、あるいは帯電を繰り返
し行なう必要が生じる傾向にあるので、好ましくなく、
逆に薄すぎる場合、画像部の表面電位と非画像部の表面
電位との差が小さくなり、トナーによる可視画像のコン
トラストが低下する傾向にあるため、5μm〜300μ
mの範囲が好ましい。
【0030】本発明の画像の形成方法の第1工程におけ
る強誘電体層中の強誘電体の双極子を一方向に配列させ
る方法(以下、双極子配向処理という。)としては、コ
ロナ帯電による方法、ローラ電極による方法などの電子
写真技術に用いられる帯電方式が使用可能である。
【0031】コロナ帯電による双極子配向処理は、通常
のコロトロン方式、スコロトロン方式によるコロナ帯電
器を用いて行うことができる。また、ローラ帯電による
双極子配向処理は、高電圧が印加された導電性ゴムロ
ーラを誘電体層に接触させ、例えば、抵抗値105〜1
9Ωcm程度の導電性ゴムローラに数百ボルト以上の電
圧を印加して帯電させる方法、抵抗値103〜105Ω
cmの細い繊維状の線材を導電性ローラ表面にブラシ状に
取り付けて接触性を高め、導電性ローラに高電圧を印加
して帯電させる方法などが挙げられる。両方法とも、装
置のシステム構成等に応じて好適な方法を選択すればよ
い。
【0032】双極子配向に要する時間は、コロナ電圧、
ローラ電極の印加電圧又はその形状に依存し、装置のシ
ステム構成、装置の使用方法又は用途に応じて適宜設定
することができる。
【0033】本発明の画像の形成方法の第2工程におけ
る画像部若しくは非画像部に相当する部分の双極子を反
転させる方法としては、画像部又は非画像部に相当す
る部分にマスクを通してコロナ帯電を行い双極子を反転
させる方法、スタイラスヘッドを用いて、画像部又は
非画像部に相当する双極子を反転させる方法、イオン
フローによりに画像部又は非画像部の双極子を反転させ
る方法、などが挙げられる。
【0034】強誘電体の体積電気抵抗率が、小さい場
合、例えば、1010Ωcmの場合、コロナの電界が十分に
印加されず、双極子の配向及び画像部若しくは非画像部
の双極子の反転が、十分行われないため、画像の書き込
みが満足に行えない傾向にあるので、強誘電体材料の体
積電気抵抗率は、大きい方が好ましい。
【0035】また、強誘電体の比誘電率が、大きい場
合、例えば、1000以上の場合、静電容量が大きいた
め、100μm程度の膜厚では、トナー現像を行なうに
十分な静電コントラストが得られない傾向にあるので、
強誘電体材料の比誘電率は、小さい方が好ましい。
【0036】強誘電体層の静電容量は、膜厚を厚くする
ことにより小さくすることができるが、双極子の配向等
に必要となるコロナ電界の増加や、加熱冷却時に必要と
なるエネルギーが著しく増加する傾向にあるので、膜厚
を厚くすることは好ましくない。
【0037】書き込まれた画像部と非画像部に表面電位
差を発生させるために、本発明の画像の形成方法の第3
工程では、画像部若しくは非画像部に相当する部分の双
極子を反転させた強誘電体層を、誘電体の強誘電・常誘
電相転移点(キュリー点)以下に、加熱した後、冷却し
て静電潜像を発現させる。強誘電体は、常温において強
誘電性を有することは不可欠であり、強誘電体の双極子
の配向は、キュリー点を越えると解かれるため、画像情
報の安定性の面から、加熱温度は、キュリー点よりも低
く抑えることが必要である。
【0038】強誘電体層をキュリー点以下の温度に加熱
することにより、強誘電体の自発分極が変化し、束縛さ
れていた表面電荷は自由電荷となり、また加熱状態で
は、強誘電体層の電気抵抗が低くなるため、この自由電
荷はリークする。
【0039】加熱状態から冷却することにより、自発分
極は可逆的に元の大きさに戻るが、リークした表面電荷
は不可逆的であるため、自発分極に起因する電位が発生
する。そのため、強誘電体層の電気抵抗は、常温からの
昇温により減少することが必要である。
【0040】強誘電体層を加熱する装置は、加熱後、直
ちに温度が低下するものが適しており、強誘電体にヒー
トロールなどの発熱体等が接触し加熱を行なう装置の場
合、発熱体の熱容量が小さい方が適する。
【0041】また 強誘電体を加熱する手段として、光
等を照射して、そのエネルギーを熱に変換する方法を用
いることもできる。光を照射する方法は、非接触であ
り、しかも、加熱後、直ちに温度が低下する等の点で特
に好ましい。
【0042】光照射装置の光源としては、例えば、赤外
ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハラ
イドランプ、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧
水銀ランプ、レーザー等が挙げられる。
【0043】光を照射することより、加熱する方法にお
いて、光照射時間及び照射強度は、一定の強さ以上を必
要とするが、光源の発光波長、光吸収物資の吸収波長、
強誘電体素子の熱容量等の条件によって照射する光強度
の最適値が異なるので、適宜、適切な条件に選択する必
要がある。即ち、照射する光の強度は、発光波長、光吸
収物質の吸収波長、強誘電体素子の熱容量等の条件によ
り適する値を選択すれば良い。
【0044】また、時間的、平面的に均一に照射するこ
とは、強誘電体層中を均一に加熱するうえで効果的であ
る。
【0045】本発明の画像の形成方法の第4工程では、
静電潜像を形成した後、強誘電性を示す温度において、
静電粉体トナー又は液体トナーを用いて現像して、静電
潜像を可視画像化する。
【0046】静電粉体トナー及び液体トナーは、市販品
の中から、適切なものを選択すればよい。
【0047】強誘電体層の表面に現像されたトナー像
は、普通紙やフィルムを重ねた後、普通紙やフィルム裏
面を帯電させることにより、静電的に普通紙やフィルム
にトナー像を転写した後、定着すればよい。
【0048】複数枚の同一画像を連続して作成するに
は、強誘電体層の表面に、静電トナー現像が可能な表面
電位コントラストを有する場合、静電トナー現像、転
写、定着を連続して行えば良い。
【0049】転写条件や周囲の環境の影響で表面電位コ
ントラスト等が低下した場合は、必要に応じて、強誘電
体層に加熱と冷却を行なうことによって、表面電位コン
トラストを形成した後、トナー現像、転写、定着を行な
えば良い。
【0050】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に
説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例に
限定されるものではない。また、以下の実施例において
「%」は「重量%」を表わし、評価特性の各々は以下の
記号及び内容を意味する。Vr;焦電電位;強誘電体層
の単位膜厚における、強誘電体層の抵抗変化と強誘電体
の焦電性により発生した表面電位(V/μm)。(ただ
し、測定温度は室温、加熱温度は150℃とした。)
【0051】(実施例1)炭酸ストロンチウム(SrC
3)4g、 三酸化ビスマス(Bi23)12.64
g、酸化チタン(TiO2)5.4g、エタノール30m
l及びジルコニア製ビーズ100gをポリプロピレンか
らなる容器に入れ、ペイントシェイカーを用いて混合し
た。混合溶液からジルコニア製ビーズと溶媒を分離し、
強誘電体原料の混合物を得た。この混合物を電気炉を用
いて890℃で5時間燒結した。燒結後の混合物を乳鉢
を用いて粉砕して、 粉末状の強誘電体を得た。
【0052】このようにして得た強誘電体の粉末50
%、 ポリビニルブチラール(積水化学社製「BH−
S」)2.5%及びキシレン35%、エチルセロソルブ
12.5%を、ボールミーリングにより1時間分散混合
した。
【0053】この分散混合液を、アルマイト処理を施し
たアルミニウム製基板上に、乾燥後の膜厚が50μmと
なるようにバーコーターを用いて塗布した後、150℃
で3時間加熱乾燥させて強誘電体層を形成することによ
り強誘電体素子を得た。
【0054】この強誘電体素子に、パルス幅が0.2
秒、電圧が6kVの負コロナパルスを100回与えるこ
とによって、配向処理を行った。この強誘電体素子をヒ
ータを用いて150℃まで加熱した後、冷却して、強誘
電体素子の表面を表面電位計「CATE717」(ジェ
ンテック社製)を用いて測定した結果、Vr=3.22
(V/μm)であった。
【0055】任意のマスクを通して、パルス幅が0.2
秒、電圧が6kVの正コロナパルスを100回与えるこ
とによって、画像部に相当する部分のみ分極を反転させ
た。
【0056】次いで、この強誘電体素子をヒータを用い
て150℃まで加熱した後、冷却して、静電潜像を形成
した。このように処理した強誘電体素子に、正極性の粉
体トナーを用いて静電潜像を可視化したところ、分極を
反転させた部分にトナーが付着した。このトナー画像を
普通紙に転写し、定着させて1枚目の任意の画像を得
た。
【0057】さらに、可視画像を普通紙に転写した後の
強誘電体素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様にし
て、現像、転写及び定着を繰り返し行なうことによっ
て、複数枚の任意の画像を得た。
【0058】この強誘電体素子を、1ヶ月間、明室に保
管した後、強誘電体素子をヒータを用いて150℃に加
熱した後、冷却して、静電潜像を形成した。このように
処理した強誘電体素子に、正極の粉体トナーを用いて静
電潜像を可視化したところ、分極を反転させた部分にの
みトナーが付着した。このトナー画像を普通紙に転写
し、定着させて同様の画像を得た。
【0059】可視画像を普通紙に転写した後の強誘電体
素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様にして、現
像、転写及び定着を繰り返し行なうことによって、複数
枚の任意の画像を得た。
【0060】さらに、この強誘電体素子に、パルス幅が
0.2秒、電圧が6kVの負コロナパルスを100回与
えることによって、配向処理を行った。任意のマスクを
通して、パルス幅が0.2秒、電圧が6kVの正コロナ
パルスを100回与えることによって、画像部に相当す
る部分のみ分極を反転させた。次いで、この強誘電体素
子をヒータを用いて150℃まで加熱した後、冷却し
て、静電潜像を形成した。このように処理した強誘電体
素子に、正極性の粉体トナーを用いて静電潜像を可視化
したところ、分極を反転させた部分のみにトナーが付着
した。このトナー画像を普通紙に転写し、定着させて1
枚目の任意の画像を得た。
【0061】さらに、可視画像を普通紙に転写した後の
強誘電体素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様にし
て、現像、転写及び定着を繰り返し行なうことによっ
て、複数枚の任意の画像を得た。
【0062】(実施例2)実施例1で得た強誘電体の粉
末5%、ポリビニルブチラール(積水化学社製の「BH
−S」)3%及びアセトン67%、エタノール25%か
ら成る混合物を超音波ホモジナイザーを用いて分散混合
した。
【0063】このようにして得た分散混合液中に、2枚
のステンレス(SUS−304)基板を平行に1cmの間
隔で挿入した後、この2つの基板間に直流300Vの電
圧を30秒間印加した。
【0064】マイナス電極側に粉末が析出し、これを溶
液から引き上げた後、150℃で3時間加熱乾燥させて
強誘電体素子を得た。
【0065】この強誘電体素子を用いて、実施例1と同
様にして、配向処理、潜像の書き込み、静電潜像の形
成、現像、転写及び定着を行ない、1枚目の任意の画像
を得た。
【0066】さらに、可視画像を普通紙に転写した後の
強誘電体素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様に、
現像、転写及び定着を繰り返し行なうことによって、複
数枚の任意の画像を得た。
【0067】この強誘電体素子を、1ヶ月間、明室に保
管した後、実施例1と同様にして、150℃に加熱、冷
却して、静電潜像を形成し、正極の粉体トナーを用いて
静電潜像を可視化したところ、分極を反転させた部分に
のみトナーが付着した。このトナー画像を普通紙に転写
し、定着させて同様の画像を得た。
【0068】可視画像を普通紙に転写した後の強誘電体
素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様にして、現
像、転写及び定着を繰り返し行なうことによって、複数
枚の任意の画像を得た。
【0069】さらに、この強誘電体素子に、実施例1と
同様にして、配向処理、画像部分の分極反転、加熱、冷
却して、静電潜像を形成し、静電潜像を可視化し、トナ
ー画像を普通紙に転写し、定着させて1枚目の任意の画
像を得た。
【0070】さらに、可視画像を普通紙に転写した後の
強誘電体素子を加熱した後、冷却し、1枚目と同様にし
て、現像、転写及び定着を繰り返し行なうことによっ
て、複数枚の任意の画像を得た。
【0071】(比較例1)炭酸ストロンチウム(SrC
3)4g、 三酸化ビスマス(Bi23)12.64
g、酸化チタン(TiO2)5.4g、エタノール30m
l及びジルコニア製ビーズ100gをガラスからなる容
器に入れ、ペイントシェイカーを用いて混合した。混合
溶液からジルコニア製ビーズと溶媒を分離し、強誘電体
原料の混合物を得た。この混合物を電気炉を用いて89
0℃で5時間燒結した。燒結後の混合物を乳鉢を用いて
粉砕して、 粉末状の強誘電体を得た。
【0072】このようにして得た強誘電体の粉末50
%、 ポリビニルブチラール(積水化学社製「BH−
S」)2.5%、キシレン35%及びエチルセロソルブ
12.5%を、ボールミーリングにより1時間分散混合
した。
【0073】このようにして得た分散混合液を、アルマ
イト処理を施したアルミニウム製基板上に、乾燥後の膜
厚が50μmとなるように、バーコーターを用いて塗布
した後、150℃で3時間加熱乾燥させて強誘電体層を
形成することにより強誘電体素子を得た。
【0074】この強誘電体素子に、パルス幅が0.2
秒、電圧が6kVの負コロナパルスを100回与えるこ
とによって、配向処理を行った。この強誘電体素子をヒ
ータを用いて150℃まで加熱した後、冷却して、強誘
電体素子の表面を表面電位計「CATE717」(ジェ
ンテック社製)を用いて測定した結果、Vr=2.04
(V/μm)であった。この値は、実施例と比較して低
い値であり、画像部と非画像部の表面電位コントラスト
も、低い値となることが明らかである。
【0075】
【発明の効果】本発明の強誘電体素子を用いた画像形成
方法によれば、潜像の明室における長期安定保存が可能
で、かつ、画像の随時書き込み、消去が可能である。ま
た、本発明の強誘電体素子を用いた画像形成方法によれ
ば、トナー現像時の表面電位のコントラストは、極性の
異なる電位間の差となり、一回の潜像の書き込みで複数
枚トナー画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強誘電体素子の模式断面図である。
【符号の説明】
1 強誘電体層 2 強誘電体 3 樹脂 4 支持層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)導電性支持体上に無機系の酸化物
    強誘電体を含有する強誘電体層を有する強誘電体素子に
    おける強誘電体層中の強誘電体の双極子を一方向に配列
    させる第1工程、(2)画像部若しくは非画像部に相当
    する部分の双極子を反転させる第2工程、(3)強誘電
    体層を一様にキュリー点以下に加熱した後、冷却して静
    電潜像を発現させる第3工程及び(4)該静電潜像をト
    ナーを用いて現像する第4工程からなる画像形成方法に
    おいて、 無機系の酸化物強誘電体として、焼結により除去できる
    材質からなる容器を用いて、無機系の酸化物強誘電体と
    なる原料及び溶媒を混合し、強誘電体と溶媒を分離した
    後、固相反応により焼結して得られる酸化物強誘電体を
    用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 強誘電体層が無機系の酸化物強誘電体の
    樹脂分散層である請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 強誘電体層が無機系の酸化物強誘電体及
    び樹脂溶液を含有する混合溶液から電着により基板上に
    析出させた層である請求項1記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1783564A2 (en) * 2005-10-17 2007-05-09 Sagem SA Printing apparatus for transferring using heat

Cited By (2)

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EP1783564A2 (en) * 2005-10-17 2007-05-09 Sagem SA Printing apparatus for transferring using heat
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