JP2000281956A

JP2000281956A - 水性ボールペン用インキ組成物

Info

Publication number: JP2000281956A
Application number: JP8887899A
Authority: JP
Inventors: Toru Onishi; 徹大西
Original assignee: Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Dainippon Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1999-03-30
Filing date: 1999-03-30
Publication date: 2000-10-10

Abstract

(57)【要約】【課題】水性ボールペン用インキ組成物を提供する。【解決手段】水溶性媒体及び水溶性又は水分散性着色
剤を含有してなるインキ組成物において、さらにヒドロ
キシ低級アルキルキサンタンガムを含有させたことを特
徴とする水性ボールペン用インキ組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は水性ボールペン用
インキ組成物に関する。さらに詳しくは、キャップオフ
性に優れ、かつ書き味が滑らかで、速く筆記しても描線
のかすれがない上に、筆記後のペン先にインキ滓が残存
したり、環境の変化や外部からの力によってペン先より
インキが垂れ下がることがなく、しかも長期間にわたる
保存安定性に優れた水性ボールペン用インキ組成物に関
する。

【０００２】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】水性
ボールペン用インキは、一般にキャップオフ性、すなわ
ちボールペンのキャップを外した状態で長時間にわたり
筆記可能である性質に優れていること、所定球径のボー
ルに対応して均一の太さの滑らかな筆記を可能とする適
度の粘性又は流動性を有していること、筆記速度が大き
くなってもインキの途切れが生じないこと、筆記後にペ
ン先にインキ滓が残存しないこと、長期にわたり保存安
定性が優れていること、ボールペンの金属部品に対する
腐食性を有しないことなどの性質を具備していることが
必要である。しかしながら、これらの性質の中には、互
いに相反するものがあり両者を兼ね備えたものとするこ
とは困難である。

【０００３】本願発明の目的はこのような問題点を解決
し、キャップオフ性に優れ、かつ書き味が滑らかで、速
く筆記しても描線のかすれがない上に、筆記後にペン先
にインキ滓が残存したり、環境の変化や外部からの力に
よってペン先よりインキが垂れ下がることがなく、しか
も長期間にわたる保存安定性に優れた水性ボールペン用
インキ組成物を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願発明者は、水溶性媒
体及び水溶性又は水分散性着色剤を含有してなるインク
組成物に、ヒドロキシ低級アルキルキサンタンガムを配
合することにより前記の目的を達成することができるこ
とを見出し、本願発明を完成するに至った。すなわち、
本願発明は水溶性媒体及び水溶性又は水分散性着色剤を
含有してなるインキ組成物において、さらに全インキ組
成物の重量に基づき、ヒドロキシ低級アルキルキサンタ
ンガム０．２〜１．５重量％、好ましくは０．３〜１．
０重量％を含有させたことを特徴とする水性ボールペン
用インキ組成物を製造し、提供するものである。

【０００５】本願発明のインキ組成物において用いるヒ
ドロキシ低級アルキルキサンタンガムは公知化合物であ
り、公知の方法で低級アルキレンオキサイドを用いてキ
サンタンガム構成成分中の水酸基をヒドロキシ低級アル
キル化して製造することができ、そのエーテル化度（ヒ
ドロキシ低級アルキル基重量）は２〜２０％であり、好
ましくは３〜１０％の範囲で選ばれる。低級アルキルと
しては、炭素数２〜５の直鎖状または分岐状のアルキル
基であり、具体的には、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等が挙
げられる。

【０００６】ヒドロキシ低級アルキルキサンタンガムの
エーテル化度が範囲外であると環境（温度や湿度）の変
化、あるいは外部からの力（ペンを落下させた場合やぶ
つけた場合）によって、ペン先からインキが漏れやすく
なる。また、ヒドロキシ低級アルキルキサンタンガムの
使用量が１．５重量％を超えると該組成物の粘度が上昇
し、書き味や筆記特性が損なわれるようになる。

【０００７】本願発明のインキ組成物において用いられ
る水性媒体としては、水又は水と水溶性有機溶剤の混合
物が挙げられ、水溶性有機溶剤としては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、１，３−ブチレング
リコール、チオジグリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、スルホラン、ホルムアミド、ソル
ビット、ソルビタン、アセトン、グリセリン等が挙げら
れる。これらの水溶性有機溶剤はそれぞれ単独で用いて
もよいし、２種以上組み合わせて用いてもよく、その使
用量は、全インキ組成物に対して１〜４０重量％の範囲
で好ましく選ばれる。また、主溶剤となる水の使用量
は、全インキ組成物に対して５０〜８５重量％の範囲で
好ましく選ばれる。

【０００８】本願発明のインキ組成物において用いる水
溶性又は水分散性着色剤としては、水溶性染料や水分散
性顔料が挙げられる。水溶性染料としては酸性染料、直
接染料、塩基性染料等の中から任意に選んで用いること
ができる。酸性染料としては、Ｃ．Ｉ．１５９８５；
Ｃ．Ｉ．４２０９０；Ｃ．Ｉ．４２７４５；Ｃ．Ｉ．４
２７５５；Ｃ．Ｉ．４２７８０；Ｃ．Ｉ．４５３８０；
Ｃ．Ｉ．４５４１０等があり、直接染料としては、Ｃ．
Ｉ．２２３１１；Ｃ．Ｉ．２２６１０；Ｃ．Ｉ．２３３
７５；Ｃ．Ｉ．２４４００；Ｃ．Ｉ．２９１５６；Ｃ．
Ｉ．３０２２５；Ｃ．Ｉ．３０２３５；Ｃ．Ｉ．３５２
２５；Ｃ．Ｉ．３５４３５等があり、塩基性染料として
はＣ．Ｉ．４２００；Ｃ．Ｉ．４１０００；Ｃ．Ｉ．４
２５３５；Ｃ．Ｉ．４２５９５；Ｃ．Ｉ．４４０４５；
Ｃ．Ｉ．４５１６０等がある。これらの水溶性染料はそ
れぞれ単独で用いてもよいし、２種以上組み合わせて用
いてもよい。また、水分散性顔料としては、酸化チタ
ン；カーボンブラック；カーミン６Ｂ；Ｃ．Ｉ．ピグメ
ントレッド１１２；Ｃ．Ｉ．ピグメントブルー１５；
Ｃ．Ｉ．ピグメントグリーン７等が挙げられ、これらは
単独で用いてもよいし、２種以上組み合わせて用いても
よい。これらの着色剤の使用量は、全インキ組成物に対
して好ましくは０．１〜４０重量％、さらに好ましくは
０．５〜３０重量％の範囲で選ばれる。

【０００９】本願発明のインキ組成物には、必要に応じ
て、通常のボールペン用インキに使用されている各種添
加剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル等のノニオン界面活性剤、ナフタレンスルホン酸ホル
マリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオ
ン界面活性剤、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウ
ム、デヒドロ酢酸ナトリウム等の防腐剤、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン等のｐＨ
調整剤、ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモ
ニウムナイトレート等の防錆剤を添加することができ
る。

【００１０】本願発明のインキ組成物は、適宜選択され
た所要量の前記各成分を混合して、必要ならば加熱し、
さらにろ過することによって調製することができる。

【００１１】

【発明の効果】本願発明の水性ボールペン用インキ組成
物を使用すると、キャップオフ性に優れ、かつ書き味が
滑らかで、速く筆記しても描線がかすれない上に、筆記
後にペン先にインキ滓が残存することなく、長期間にわ
たる保存安定性にも優れており、さらに、環境の変化や
外部からの力によってペン先からインキが垂れ下がるこ
とがない。

【００１２】

【実施例】本願発明のインキ組成物につき、実施例と比
較例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。

【００１３】（実施例１）表１中の各成分を混合し、４
０〜６０℃に加温し、約３時間かき混ぜた後、ろ過して
赤色の水性インキ組成物を調製し、性能を評価した。そ
の結果を表３に示す。

【００１４】

【表１】

【００１５】（実施例２）実施例１におけるヒドロキシ
プロピルキサンタンガムの使用量を０．８５重量％と
し、実施例１と同様にして赤色の水性インキ組成物を調
製し、性能を評価した。その結果を表３に示す。

【００１６】（比較例１）実施例１におけるヒドロキシ
プロピルキサンタンガムの代わりにキサンタンガムを
０．６５重量％使用し、実施例１と同様にして赤色の水
性インキ組成物を調製し、性能を評価した。その結果を
表３に示す。

【００１７】（実施例３）表２中の各成分を混合し、４
０〜６０℃に加温し、約３時間かき混ぜた後、ろ過して
黒色の水性インキ組成物を調製し、性能を評価した。そ
の結果を表３に示す。

【００１８】

【表２】

【００１９】（実施例４）実施例３におけるヒドロキシ
プロピルキサンタンガムの使用量を０．７５重量％と
し、実施例３と同様にして黒色の水性インキ組成物を調
製し、性能を評価した。その結果を表３に示す。

【００２０】（比較例２）実施例３におけるヒドロキシ
プロピルキサンタンガムの代わりにキサンタンガムを
０．６５重量％使用し、実施例３と同様にして黒色の水
性インキ組成物を調製し、性能を評価した。その結果を
表３に示す。

【００２１】（性能試験）性能試験は以下の様に行い、
評価した。その結果を表３に示す。

【００２２】１）キャップオフ性：キャップを外した
状態で何時間まで筆記可能かを調べた。４８時間以上を
○、４８〜２４時間を△、２４時間以下を×とした。

【００２３】２）速記性：筆記角度７５゜、荷重１０
０ｇで筆記したときに、インキの途切れを起こす筆記速
度を調べた。１５ｍ／分以上を○、１５〜１０ｍ／分を
△、１０ｍ／分以下を×とした。

【００２４】３）インキ滓：通常筆記でペン先にイン
キ滓が付くかどうかを調べた。インキ滓なしを○、イン
キ滓若干ありを△とした。

【００２５】４）インキの垂れ：ペン先を下にして垂
直方向に保持し、５０℃、湿度８０％で１日間経過後の
インキの垂れ下がり程度を観察した。ペン先がインキに
よって汚れていないのを○、ペン先にインキが漏れてい
るのを△とした。ペン先からインキの漏れが著しいのを
×とした。

【００２６】５）インキの滲み上質紙に「V」の字を
筆記したときに、紙面に滲みがあるかどうかを調べた。
滲みなしを○、滲み若干ありを△、滲み明らかにありを
×とした。

【００２７】

【表３】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水性媒体及び水溶性又は水分散性着色剤
を含有してなるインキ組成物において、さらにヒドロキ
シ低級アルキルキサンタンガムを含有させたことを特徴
とする水性ボールペン用インキ組成物。
【請求項２】ヒドロキシ低級アルキルキサンタンガム
をインキ組成物の重量に基づき０．２〜１．５重量％を
含有させた請求項１記載の水性ボールペン用インキ組成
物。