JP2000281781A - ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法 - Google Patents
ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法Info
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- JP2000281781A JP2000281781A JP11092648A JP9264899A JP2000281781A JP 2000281781 A JP2000281781 A JP 2000281781A JP 11092648 A JP11092648 A JP 11092648A JP 9264899 A JP9264899 A JP 9264899A JP 2000281781 A JP2000281781 A JP 2000281781A
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Abstract
て、芳香族化合物溶媒、ジ−n−ブチルアミン及びメタ
ノールを効率的よく分離回収することを目的とする。 【解決手段】 (a)芳香族化合物溶媒、銅化合物及び
ジ−n−ブチルアミンの存在下でフェノール類を酸化重
合させてポリフェニレンエーテルを合成する工程、
(b)(a)で得られるポリフェニレンエーテルの芳香
族化合物溶液にメタノールを加えてポリフェニレンエー
テル粒子を析出させる工程、(c)(b)で得られるポ
リフェニレンエーテルのスラリーを固液分離し、さらに
ポリフェニレンエーテルの粒子をメタノールで洗浄する
工程、(d)(c)で得られる、芳香族化合物、ジ−n
−ブチルアミン及びメタノールを含有する濾液に水を加
え、芳香族化合物相とメタノール・水相とに液々分離す
る工程、(e)(d)で得られる、ジ−n−ブチルアミ
ンを含有するメタノール・水相を蒸留塔の中間部に供給
し、メタノールを主成分とする留出液、水を主成分とす
る缶出液と、ジ−n−ブチルアミンを含むサイドカット
液とに分離し、留出液を(b)及び(c)工程にリサイ
クルさせ、サイドカット液を(d)工程にリサイクルさ
せる工程、を含むポリフェニレンエーテル製造における
溶媒の分離方法。
Description
ーテル樹脂を製造する際における、溶媒の分離方法に関
する。
て、芳香族化合物溶媒中で銅化合物及びジ−n−ブチル
アミン等のアミン類の存在下でフェノール類を酸化重合
する方法がある。こうして得られたポリフェニレンエー
テル溶液にメタノール・水等のポリフェニレンエーテル
に対する非溶媒を添加してポリフェニレンエーテルの粒
子を析出させた後、固液分離、メタノール等による洗
浄、乾燥といった工程を経てポリフェニレンエーテルの
乾燥粒子を製造することができる。
造方法において使用される芳香族化合物溶媒、アミン
類、メタノール・水等は各成分ごとに分離回収して再利
用することが、製造コスト低減化には是非とも必要であ
る。しかし、特にアミン類としてジ−n−ブチルアミン
を用いた場合の芳香族化合物溶媒、ジ−n−ブチルアミ
ン及びメタノールを効率よく経済的に分離回収する方法
は明確となっていない。
題点を解決するためになされたものであり、その目的
は、ポリフェニレンエーテルの製造に用いられる芳香族
化合物溶媒、ジ−n−ブチルアミン及びメタノールを効
率よく分離回収できる方法を提供することにある。
を解決するべく鋭意検討した結果、芳香族化合物溶媒、
ジ−n−ブチルアミン及びメタノールの混合溶液に水を
添加して液液分離により芳香族化合物溶媒及びジ−n−
ブチルアミンの大部分を分離した後、一部のジ−n−ブ
チルアミンを含有するメタノール・水相を蒸留塔に供給
し、ジ−n−ブチルアミンをサイドカットしながら蒸留
することによりジ−n−ブチルアミンの含有率の小さい
メタノール・水を回収できることを見いだし、本発明を
完成させた。
銅化合物及びジ−n−ブチルアミンの存在下でフェノー
ル類を酸化重合させてポリフェニレンエーテルを合成す
る工程、(b)(a)で得られるポリフェニレンエーテ
ルの芳香族化合物溶液にメタノールを加えてポリフェニ
レンエーテル粒子を析出させる工程、(c)(b)で得
られるポリフェニレンエーテルのスラリーを固液分離
し、さらにポリフェニレンエーテルの粒子をメタノール
で洗浄する工程、(d)(c)で得られる、芳香族化合
物、ジ−n−ブチルアミン及びメタノールを含有する濾
液に水を加え、芳香族化合物相とメタノール・水相とに
液々分離する工程、(e)(d)で得られる、ジ−n−
ブチルアミンを含有するメタノール・水相を蒸留塔の中
間部に供給し、メタノールを主成分とする留出液、水を
主成分とする缶出液と、ジ−n−ブチルアミンを含むサ
イドカット液とに分離し、留出液を(b)及び(c)工
程にリサイクルさせ、サイドカット液を(d)工程にリ
サイクルさせる工程、を含むポリフェニレンエーテル製
造における溶媒の分離方法である。
ーテルは、一般式(1)で表される化合物から酸化重合
によって誘導されるものである。
素、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン基、アリー
ル基、置換アリール基、フェニル基、置換フェニル基で
ある。)
的には、ポリ(2,6-ジメチル−1,4-フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2-メチル−6-エチル−1,4-フェニレン)エー
テル、ポリ(2,6-ジエチル−1,4-フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2-エチル−6-n-プロピル−1,4-フェニレン)
エーテル、ポリ(2-メチル−6-n-プロピル−1,4-フェニ
レン)エーテル、ポリ(2-エチル−6-イソプロピル−1,
4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-メチル−6-クロロエ
チル−1,4-フェニレン)エーテル、ポリ(2-メチル−6-
ヒドロキシルエチル−1,4-フェニレン)エーテル等のホ
モポリマー、また2,6-ジメチルフェノールに共重合体成
分として2,3,6-トリメチルフェノールおよびo-クレゾー
ルの1種あるいは両方を組み合わせたポリフェニレンエ
ーテル共重合体等が挙げられる。
化重合してポリフェニレンエーテルを得る工程である。
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が好ましく、
特にトルエンが好適に使用できる。重合反応液中のポリ
フェニレンエーテルの濃度は重量で5〜70%、好まし
くは10〜50%の範囲である。また、溶液中にはポリ
フェニレンエーテルのほかに重合触媒や、触媒除去のた
めの薬品、副生成物除去のための薬品等が含まれていて
もかまわない。
フェニレンエーテルの芳香族化合物溶液に、ポリフェニ
レンエーテルに対する非溶媒であるメタノールを加えて
ポリフェニレンエーテル粒子を析出させる工程である。
エーテル溶液中の芳香族化合物の1〜2重量倍とするこ
とが好ましく、芳香族化合物溶媒とメタノールとの混合
物が1液相を保つ範囲でさらに水を共存させることが好
ましい。また、重合反応液を供給する際には往復動式攪
拌機を備えた攪拌槽1段もしくは2段以上の槽中に、連
続的にポリフェニレンエーテル溶液及びメタノールを供
給するのが好ましい。さらに、メタノールの使用量を少
なくするためには、ポリフェニレンエーテル溶液を加熱
濃縮し、ポリフェニレンエーテルが析出しない程度に加
温したまま、攪拌槽内に供給するのが好ましい。
フェニレンエーテルのスラリーを固液分離し、さらにポ
リフェニレンエーテルの粒子をメタノールで洗浄する工
程である。
液分離する方法としては、通常の遠心力を利用した方
法、減圧による真空濾過法、またこれに限らずいずれの
方法を用いてもかまわない。固液分離されたポリフェニ
レンエーテルの湿潤粒子は、メタノールにより洗浄され
た後、加熱等により乾燥されて乾燥粒子となる。乾燥で
は除去されにくい芳香族化合物溶媒やジ−n−ブチルア
ミンは、湿潤粒子の段階でメタノール洗浄によって除去
されないと、乾燥粒子中に残存して悪臭の原因等にな
る。
香族化合物、ジ−n−ブチルアミン及びメタノールを含
有する濾液に水を加え、芳香族化合物相とメタノール・
水相とに液々分離する工程である。
/メタノール重量比が0.5〜1.5となるようにする
ことが好ましい。また、液々分離方法としては、静置分
離、遠心分離、塔式分離、またこれに限らずいずれの方
法を用いてもかまわない。芳香族化合物及びジ−n−ブ
チルアミンの大部分は芳香族化合物相として回収された
後、必要ならば精留等を行って重合反応工程で再利用さ
れる。
−n−ブチルアミンを含有するメタノール・水相を蒸留
塔の中間部に供給し、メタノールを主成分とする留出
液、水を主成分とする缶出液と、ジ−n−ブチルアミン
を含むサイドカット液とに分離する工程である。
れもが使用可能であるが、サイドカットの容易さを考え
ると棚段塔が好ましい。また、蒸留圧力に特に制限はな
い。蒸留により得られる、メタノールを主成分とする留
出液は、(b)工程のポリフェニレンエーテルを析出さ
せるための非溶媒及び(c)工程のポリフェニレンエー
テル湿潤粒子の洗浄液として再利用される。特に洗浄液
として用いられるメタノール中のジ−n−ブチルアミン
の含有量が多いと、ポリフェニレンエーテル粒子中のジ
−n−ブチルアミンの除去が不十分となるため、留出液
中のジ−n−ブチルアミン濃度は0.1重量%未満にす
ることが好ましい。
添加水として再利用することもできるが、蓄積不純物の
除去のために少なくとも一部は系外へ排出することが好
ましい。その場合、排水として排出するのが最も簡便で
あるが、排水中のCOD源となるジ−n−ブチルアミン
等の含有率が高い場合は排水処理が煩雑となる。また、
排出の補充によるコスト増となるので、缶出液中のジ−
n−ブチルアミン濃度は0.01重量%未満にすること
が好ましい。
缶出液中のジ−n−ブチルアミン濃度を一定濃度未満に
するために、蒸留塔の中間部からジ−n−ブチルアミン
を含有する液をサイドカット液として抜出す。サイドカ
ット液の抜出し位置は、サイドカット液中のジ−n−ブ
チルアミン濃度ができるだけ高くなるような位置とする
のが好ましい。また、抜出し量は原料液の0.5〜5倍
重量とするのが好ましい。サイドカット液は(d)工程
に戻されるため、(d)工程でメタノール・水相に分配
される分のジ−n−ブチルアミンの大部分は(d)工程
と(e)工程の間を循環することになり、缶出液として
排出されるジ−n−ブチルアミンはごくわずかに抑えら
れる。
行うためなどの理由で消泡剤や水酸化ナトリウムを添加
することができる。この場合、添加物が(d)工程へ戻
るのを避けるため、サイドカットを蒸留塔の原料液供給
段と塔頂部の間から行う。
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
ルエン800kgに溶解させた。この触媒溶液に、2,
6−ジメチルフェノール200kgをトルエン500k
gに溶かした溶液を加えた。これらの混合液を反応器内
にて、酸素を供給しながら40℃で重合を3時間行っ
た。反応停止後、水と接触させて反応液から触媒を除去
し、ポリフェニレンエーテル重合反応液を得た。このポ
リフェニレンエーテル溶液を、溶液中のトルエンに対し
て1.5倍重量のメタノールと攪拌しながら混合し、ポ
リフェニレンエーテルの粒子を析出させた。その後、固
液分離機にて液を分離し、湿潤固体中のポリフェニレン
エーテルの5倍重量のメタノールで湿潤固体を洗浄し
た。固液分離した濾液に、添加後の水/メタノール重量
比が1.0となるように水を添加し、静置分離してトル
エン相とメタノール・水相を得た。このメタノール・水
相を原料として表1に示されるような条件でサイドカッ
トを行いながら蒸留を実施したところ、ジ−n−ブチル
アミン濃度の小さい留出液及び缶出液を得ることができ
た。結果を表1に示した。
件でサイドカットを行わずに蒸留を行うこと以外は、実
施例1と同様に実施した。蒸留による留出液及び缶出液
中のジ−n−ブチルアミン濃度は実施例1に比べて大幅
に増加したとともに、蒸留塔の各段の温度も不安定であ
った。結果を表2に示した。
ルの製造に用いられる芳香族化合物溶媒、ジ−n−ブチ
ルアミン及びメタノールを効率よく分離回収することが
でき、より低コストで残存溶媒濃度の小さいポリフェニ
レンエーテルを製造することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 (a)芳香族化合物溶媒、銅化合物及び
ジ−n−ブチルアミンの存在下でフェノール類を酸化重
合させてポリフェニレンエーテルを合成する工程、
(b)(a)で得られるポリフェニレンエーテルの芳香
族化合物溶液にメタノールを加えてポリフェニレンエー
テル粒子を析出させる工程、(c)(b)で得られるポ
リフェニレンエーテルのスラリーを固液分離し、さらに
ポリフェニレンエーテルの粒子をメタノールで洗浄する
工程、(d)(c)で得られる、芳香族化合物、ジ−n
−ブチルアミン及びメタノールを含有する濾液に水を加
え、芳香族化合物相とメタノール・水相とに液々分離す
る工程、(e)(d)で得られる、ジ−n−ブチルアミ
ンを含有するメタノール・水相を蒸留塔の中間部に供給
し、メタノールを主成分とする留出液、水を主成分とす
る缶出液と、ジ−n−ブチルアミンを含むサイドカット
液とに分離し、留出液を(b)及び(c)工程にリサイ
クルさせ、サイドカット液を(d)工程にリサイクルさ
せる工程、を含むポリフェニレンエーテル製造における
溶媒の分離方法。 - 【請求項2】 (b)工程で加えられるメタノールの量
が溶液中の芳香族化合物の1〜2重量倍である請求項1
記載のポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離
方法。 - 【請求項3】 (d)工程の液々分離原料液中の水/メ
タノール重量比が0.5〜1.5となるように水を添加
する請求項1記載のポリフェニレンエーテル製造におけ
る溶媒の分離方法。 - 【請求項4】 (e)工程の原料液がメタノール40〜
60重量%、水40〜60重量%及びジ−n−ブチルア
ミン0.1〜0.3重量%を含有する請求項1記載のポ
リフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法。 - 【請求項5】 サイドカットを原料液に対して0.5〜
5重量%の液を抜き出すことにより行う請求項1記載の
ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法。 - 【請求項6】 (e)工程の留出液中のジ−n−ブチル
アミン濃度を0.1重量%未満にし、かつ、缶出液中の
ジ−n−ブチルアミン濃度を0.01重量%未満にする
請求項1記載のポリフェニレンエーテル製造における溶
媒の分離方法。 - 【請求項7】 (e)工程の原料液に消泡剤及び/また
は水酸化ナトリウムを添加し、かつ、サイドカットを蒸
留塔の原料液供給段と塔頂部の間から行う請求項1記載
のポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11092648A JP2000281781A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11092648A JP2000281781A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000281781A true JP2000281781A (ja) | 2000-10-10 |
Family
ID=14060289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11092648A Pending JP2000281781A (ja) | 1999-03-31 | 1999-03-31 | ポリフェニレンエーテル製造における溶媒の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000281781A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003221440A (ja) * | 2002-02-01 | 2003-08-05 | Asahi Kasei Corp | ポリフェニレンエーテル製造における溶剤の回収方法 |
US10059802B2 (en) | 2016-03-28 | 2018-08-28 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Method for producing polyphenylene ether |
JP2020015878A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 旭化成株式会社 | ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 |
-
1999
- 1999-03-31 JP JP11092648A patent/JP2000281781A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003221440A (ja) * | 2002-02-01 | 2003-08-05 | Asahi Kasei Corp | ポリフェニレンエーテル製造における溶剤の回収方法 |
SG110017A1 (en) * | 2002-02-01 | 2005-04-28 | Mitsubishi Gas Chemical Co | Production process of polyphenylene ethers |
US10059802B2 (en) | 2016-03-28 | 2018-08-28 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Method for producing polyphenylene ether |
JP2020015878A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 旭化成株式会社 | ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 |
JP7021023B2 (ja) | 2018-07-27 | 2022-02-16 | 旭化成株式会社 | ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法 |
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