JP2000280181A - ドライバビット - Google Patents

ドライバビット

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JP2000280181A
JP2000280181A JP11090821A JP9082199A JP2000280181A JP 2000280181 A JP2000280181 A JP 2000280181A JP 11090821 A JP11090821 A JP 11090821A JP 9082199 A JP9082199 A JP 9082199A JP 2000280181 A JP2000280181 A JP 2000280181A
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JP
Japan
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driver bit
screw
groove
cross
shape
Prior art date
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JP11090821A
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English (en)
Inventor
Masakazu Ishihara
雅和 石原
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Nitto Seiko Co Ltd
Original Assignee
Nitto Seiko Co Ltd
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Publication date
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のドライバビットはねじの駆動穴に嵌合さ
せた時の遊びが多く、この遊びによる衝撃トルクの作用
でドライバビットが早期に破断してしまう問題があっ
た。 【解決手段】本発明は、軸線回りに翼部2,2・・と溝
部3,3・・とを交互に配して成る係合部4を有し、こ
の係合部4をねじの駆動穴に係合させてねじ締めの用に
供するドライバビットにおいて、前記溝部3,3・・
は、底に向かうに従って幅が狭くなる横断面形状を全長
に渡って有するとともに、その深さが係合部4先端から
離れるにともなって浅くなる底形状を成し、この底形状
に相応する部位がねじの駆動穴に嵌合するように構成さ
れている。このような係合部4であると、ねじの駆動穴
にドライバビットを嵌合させた時の遊びが極めて少なく
なるのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじを締め付ける
際、ねじの頭部に形成された駆動穴に係合させてねじを
回転駆動するドライバビットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からワークにねじを締め付ける時に
は、ドライバビットが用いられている。このドライバビ
ットは、軸線回りに複数の翼部と溝部とを交互に配して
成る係合部を有し、この係合部を対応するねじの駆動穴
に合致嵌合させることにより、ドライバビットを回転駆
動した時の回転力をねじに伝達できるようになってい
る。
【0003】前述のようなドライバビットの具体例とし
て、JIS規格B4633に準じて作成された図7及び
図8に示すドライバビット10について説明すると、こ
のドライバビット10は軸線回りに翼部2及び溝部3を
それぞれ4個ずつ配した横断面略十字状の係合部4を有
している。このドライバビット10の係合部4は、まず
図10(a)に示すように、棒状のビット素材先端に円
錐面4aを予備成形し、続いて同図(b)、(c)及び
(d)に示すように、円周上に先鋭な切り刃51を複数
配置した円形カッタ50を用いてビット素材に溝部3を
削設していくことにより形成される。
【0004】溝部3は、図10(b)の矢印A1方向に
カッタ50を回転させながら、これを矢印A2方向に直
線移動させることにより削られ、これによって溝部3の
底形状は、カッタ50の直線移動によって形成された直
線部L(図中、網掛け部分)と、カッタ50の直線移動
停止位置においてカッタの切り刃51の回転軌跡に沿う
ように削られた円弧状の円弧部Cとによって構成される
ものとなる。この溝部3を削るカッタ50の切り刃51
は、図10(c)及び同図(d)に示すように先鋭な形
状を成しているため、溝部3は、底に向かうに従って幅
が狭くなる横断面形状になる。このため、翼部2は溝部
3の底側ほど広くなる。なお、前述の直線部Lの長さ
は、その最低寸法がJIS規格に規定されているため、
それを下回らない値が予備試験などのデータから決定さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のドライバビ
ットは、ねじの駆動穴に嵌合させた時、駆動穴に直線部
Lの部位が配置されるようになっている。この直線部L
は、上述のとおりカッタを直線的に移動させることによ
って形成されたものであるが、このようにカッタを直線
的に移動させると翼部の幅が狭くなってしまうため、図
9(a)及び同図(b)に示すように、ねじSの駆動穴
にドライバビット10の係合部4を嵌合させた時の遊び
が大きくなってしまう問題があった。このため、ねじを
締付ける時には、ドライバビット10の翼部2がねじS
の駆動穴の駆動面に衝突することになってしまい、その
時の衝撃的なトルクの影響でドライバビット10が早期
に破断してしまう等の問題が発生していた。
【0006】自動ねじ締め機などでは、ねじの締付けに
際して締付けトルクが所定の値に達すると、ドライバビ
ットを回転駆動するモータの駆動切換えを行ってドライ
バビットの停止、再駆動を繰り返し、ねじを増し締めし
ていくことが一般的に行われている。このような自動ね
じ締め機に上記従来のドライバビットを適用すると、前
述の問題はさらに顕著になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
て創成されたものであり、ねじの駆動穴に嵌合させた時
に遊びの少ないドライバビットの提供を目的とする。こ
の目的を達成するために本発明は、軸線回りに翼部と溝
部とを交互に配して成る係合部を有し、この係合部をね
じに形成された駆動穴に係合させてねじ締付けの用に供
するドライバビットにおいて、前記溝部は、底に向かう
に従って幅が狭くなる横断面形状を全長に渡って有する
とともに、その底面が係合部先端から離れるにともなっ
て軸線から離れる曲線状に形成された底形状を成し、こ
の底形状に相応する部位がねじの駆動穴に嵌合するよう
に構成されていることを特徴とするものである。このよ
うなドライバビットであれば、ねじの駆動穴に嵌合する
部分で係合部の横断面積が急激に大きくなるため、ねじ
の駆動穴にドライバビットを嵌合させた時の遊びが極め
て少なくなる。
【0008】なお、前記溝部の底形状は円弧状になって
いるか、あるいはねじの駆動穴の底部付近に嵌合する箇
所が直線状を成し、これに連続する箇所が円弧状を成し
ていることが望ましい。そうすれば、ねじの駆動穴に合
わせて係合部の横断面積を良好に増大させることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図3において、1はドラ
イバビットであり、このドライバビット1は、その先端
軸線回りに翼部2,2・・と溝部3,3・・とを交互に
連設して成る横断面略十字様の係合部4を有している。
ねじを締め付ける時には、この係合部4をねじの駆動穴
に係合させることにより、ドライバビットの回転をねじ
に伝達することができる。
【0010】前記係合部4は、上記従来のドライバビッ
ト10を加工するのと同じカッタ50で溝部3,3・・
を削設することによって形成されているが、この係合部
4においては、加工時にカッタ50の直線移動距離を従
来より短くして溝部3,3・・底面おける直線部L(図
中、網掛け部分)の長さを従来よりも短くしてある。こ
れにより本ドライバビット1においては、溝部3の円弧
状の円弧部Cに相応する部位もねじSの駆動穴に嵌合す
るように構成されている。
【0011】溝部3を削るカッタ50の切り刃51は、
従来同様に先鋭なものであるため、ドライバビットの軸
線に直交する横断面における溝部3の断面形状はどの位
置においても底に向かうほど幅が狭くなる形状となる。
これにより翼部2は溝部3の底に向かうほど幅が広くな
る横断面形状に形成される。
【0012】図4は、従来例で述べたJIS規格に準ず
るドライバビットの翼部の表面幅m及び対向する溝部
3,3の最深部の底面間距離bを測定した結果を示す。
なお、この図4における翼部の表面幅mは、同図におけ
るドライバビットのモデル上に点で示した翼部表面の幅
である。この図4によれば、翼部の幅m、底面間距離b
及び溝部の底とドライバビット軸線との距離(b/2)
は、いずれも溝部3の底形状が円弧部Cになる測点以
降急激に大きくなることが明かである。前述のとおり、
翼部2は溝部3の底に向かって広がる横断面形状を成す
ため、これらを総合すると、図4の各測点における横断
面積は溝部3の底が円弧部Cになる測点以降、急激に
増大することが明かになる。
【0013】本ドライバビット1では、溝部3の円弧部
Cに相応する部位がねじSの駆動穴に嵌合するようにな
っているため、図3(a)及び同図(b)に示すよう
に、係合部4とねじSの駆動穴との遊びが極めて少なく
なるのである。したがって、ねじを締め付ける場合に
は、遊びによる衝撃トルクの作用でドライバビット1が
早期に破断したり、ねじの駆動穴が変形したりすること
がなくなる。また、係合部4の横断面積が増すことによ
り、ねじりモーメント等に対する強度も向上する。
【0014】また、溝部3には僅かながら直線部Lが設
けられているため、係合部4先端の翼部2の幅は従来通
り狭いものとなる。従って、加工上、形状が不安定にな
るねじSの駆動穴底部付近にドライバビット1が圧接さ
れて固着するのを防止できる。なお、この直線部Lは所
定の角度α傾いて形成されているが、この傾斜角度α
は、ねじSの駆動穴との隙間が適度に取れるように設け
られるものである。
【0015】一方、図5及び図6は、本発明に係るドラ
イバビットの他の例を示すものであり、この図5及び図
6のドライバビット1′における溝部3′は、上述のカ
ッタ50よりも直径の大きなカッタ(図示せず)を利用
して底形状が全て円弧部C′になるように削設されてい
る。このドライバビット1′では、係合部4′の横断面
積が先端位置から大きくなっていくため、係合部4′を
ねじの駆動穴に嵌合させた時の遊びが駆動穴全般に渡っ
て少なくなる。
【0016】なお、本発明の実施の形態では係合部が横
断面十字様のドライバビットについて説明したが、何も
これに限定されるものではなく、例えば、軸線回りに翼
部と溝部とをそれぞれ3個づつ交互に配した3枚翼形状
のドライバビットなど、軸線回りに複数の翼部と溝部と
を交互に配して成る係合部を有するドライバビットであ
れば同様の効果を得ることができる。また、溝部の底形
状は円弧状に限らず曲率の変化する曲線状であってもよ
く、その他の構成についても本発明の主旨を逸脱しない
範囲において適宜変更できる。
【0017】
【発明の効果】本発明のドライバビットによれば、ねじ
の駆動穴に嵌合する部位の横断面積を大きくすることが
できるため、ドライバビットをねじの駆動穴に嵌合させ
た時の遊びが極めて少なくなる。したがって、ねじの締
付け時における衝撃トルクの作用によりドライバビット
が早期に破断したり、あるいはねじの駆動穴が変形した
りすることを防止できる。また、係合部の横断面積が大
きくなることにより、ねじりモーメント等に対する強度
も向上する。さらに、ドライバビットとねじの駆動穴と
の遊びがなくなることにより、ドライバビット初動時、
速やかにねじに回転伝達を行うことが可能になり、その
分高速にねじの締付けを行うことができる等の利点があ
る。なお、前述の効果は、特に本発明のドライバビット
を締付けトルク値に応じてドライバビットの回転駆動を
切り替える自動ねじ締め機などに用いた場合に顕著にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドライバビットを示し、(a)は
その要部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図2】図1のV−V線に係る要部拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明に係るドライバビットをねじの
駆動穴に嵌合させた状態を示す断面図であり、(b)は
そのW−W線に係る断面図である。
【図4】JIS規格に準じて加工されたドライバビット
の翼部の幅及び対向する溝部の底面間距離と溝部の寸法
値を示す説明図である。
【図5】本発明に係るドライバビットの他の例を示し、
(a)はその要部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図6】図5のX−X線に係る要部拡大断面図である。
【図7】従来のドライバビットを示し、(a)はその要
部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図8】図6のY−Y線に係る要部拡大断面図である。
【図9】(a)は従来のドライバビットをねじの駆動穴
に嵌合させた状態の要部拡大断面図であり、(b)はそ
のZ−Z線に係る断面図である。
【図10】ドライバビットの加工工程の説明図である。
【符号の説明】
1 ドライバビット 2 翼部 3 溝部 4 係合部 C 円弧部 L 直線部 b 対向する溝部の底面間距離 m 翼部の幅
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ドライバビット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじを締め付ける
際、ねじの頭部に形成された駆動穴に係合させてねじを
回転駆動するドライバビットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からワークにねじを締め付ける時に
は、ドライバビットが用いられている。このドライバビ
ットは、軸線回りに複数の翼部と溝部とを交互に配して
成る係合部を有し、この係合部を対応するねじの駆動穴
に合致嵌合させることにより、ドライバビットを回転駆
動した時の回転力をねじに伝達できるようになってい
る。
【0003】前述のようなドライバビットの具体例とし
て、JIS規格B4633に準じて作成された図7及び
図8に示すドライバビット10について説明すると、こ
のドライバビット10は軸線回りに翼部2及び溝部3を
それぞれ4個ずつ配した横断面略十字状の係合部4を有
している。このドライバビット10の係合部4は、まず
図10(a)に示すように、棒状のビット素材先端に円
錐面4aを予備成形し、続いて同図(b)、(c)及び
(d)に示すように、円周上に先鋭な切り刃51を複数
配置した円形カッタ50を用いてビット素材に溝部3を
削設していくことにより形成される。
【0004】溝部3は、図10(b)の矢印A1方向に
カッタ50を回転させながら、これを矢印A2方向に直
線移動させることにより削られ、これによって溝部3の
底形状は、カッタ50の直線移動によって形成された直
線部L(図中、網掛け部分)と、カッタ50の直線移動
停止位置においてカッタの切り刃51の回転軌跡に沿う
ように削られた円弧状の円弧部Cとによって構成される
ものとなる。この溝部3を削るカッタ50の切り刃51
は、図10(c)及び同図(d)に示すように先鋭な形
状を成しているため、溝部3は、底に向かうに従って幅
が狭くなる横断面形状になる。このため、翼部2は溝部
3の底側ほど広くなる。なお、前述の直線部Lの長さ
は、その最低寸法がJIS規格に規定されているため、
それを下回らない値が予備試験などのデータから決定さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のドライバビ
ットは、ねじの駆動穴に嵌合させた時、駆動穴に直線部
Lの部位が配置されるようになっている。この直線部L
は、上述のとおりカッタを直線的に移動させることによ
って形成されたものであるが、このようにカッタを直線
的に移動させると翼部の幅が狭くなってしまうため、図
9(a)及び同図(b)に示すように、ねじSの駆動穴
にドライバビット10の係合部4を嵌合させた時の遊び
が大きくなってしまう問題があった。このため、ねじを
締付ける時には、ドライバビット10の翼部2がねじS
の駆動穴の駆動面に衝突することになってしまい、その
時の衝撃的なトルクの影響でドライバビット10が早期
に破断してしまう等の問題が発生していた。
【0006】自動ねじ締め機などでは、ねじの締付けに
際して締付けトルクが所定の値に達すると、ドライバビ
ットを回転駆動するモータの駆動切換えを行ってドライ
バビットの停止、再駆動を繰り返し、ねじを増し締めし
ていくことが一般的に行われている。このような自動ね
じ締め機に上記従来のドライバビットを適用すると、前
述の問題はさらに顕著になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑み
て創成されたものであり、ねじの駆動穴に嵌合させた時
に遊びの少ないドライバビットの提供を目的とする。こ
の目的を達成するために本発明は、 軸線回りに翼部と
溝部とを交互に配して成る係合部を有し、この係合部を
ねじに形成された駆動穴に係合させてねじ締付けの用に
供するドライバビットであって、前記溝部は、底に向か
うに従って幅が狭くなる横断面形状を全長に渡って有し
かつその底形状が全て係合部先端から離れるにともなっ
て軸線から離れる一様な曲率の円弧部に形成され、係合
部のねじの駆動穴に嵌合する部位の横断面積が係合部先
端から大きくなるように構成されていることを特徴とす
る。このようなドライバビットであれば、ねじの駆動穴
に嵌合する部分で係合部の横断面積が急激に大きくなる
ため、ねじの駆動穴にドライバビットを嵌合させた時の
遊びが極めて少なくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図3において、1はドラ
イバビットであり、このドライバビット1は、その先端
軸線回りに翼部2,2・・と溝部3,3・・とを交互に
連設して成る横断面略十字様の係合部4を有している。
ねじを締め付ける時には、この係合部4をねじの駆動穴
に係合させることにより、ドライバビットの回転をねじ
に伝達することができる。
【0009】前記係合部4は、上記従来のドライバビッ
ト10を加工するのと同じカッタ50で溝部3,3・・
を削設することによって形成されているが、この係合部
4においては、加工時にカッタ50の直線移動距離を従
来より短くして溝部3,3・・底面おける直線部L(図
中、網掛け部分)の長さを従来よりも短くしてある。こ
れにより本ドライバビット1においては、溝部3の円弧
状の円弧部Cに相応する部位もねじSの駆動穴に嵌合す
るように構成されている。
【0010】溝部3を削るカッタ50の切り刃51は、
従来同様に先鋭なものであるため、ドライバビットの軸
線に直交する横断面における溝部3の断面形状はどの位
置においても底に向かうほど幅が狭くなる形状となる。
これにより翼部2は溝部3の底に向かうほど幅が広くな
る横断面形状に形成される。
【0011】図4は、従来例で述べたJIS規格に準ず
るドライバビットの翼部の表面幅m及び対向する溝部
3,3の最深部の底面間距離bを測定した結果を示す。
なお、この図4における翼部の表面幅mは、同図におけ
るドライバビットのモデル上に点で示した翼部表面の幅
である。この図4によれば、翼部の幅m、底面間距離b
及び溝部の底とドライバビット軸線との距離(b/2)
は、いずれも溝部3の底形状が円弧部Cになる測点以
降急激に大きくなることが明かである。前述のとおり、
翼部2は溝部3の底に向かって広がる横断面形状を成す
ため、これらを総合すると、図4の各測点における横断
面積は溝部3の底が円弧部Cになる測点以降、急激に
増大することが明かになる。
【0012】本ドライバビット1では、溝部3の円弧部
Cに相応する部位がねじSの駆動穴に嵌合するようにな
っているため、図3(a)及び同図(b)に示すよう
に、係合部4とねじSの駆動穴との遊びが極めて少なく
なるのである。したがって、ねじを締め付ける場合に
は、遊びによる衝撃トルクの作用でドライバビット1が
早期に破断したり、ねじの駆動穴が変形したりすること
がなくなる。また、係合部4の横断面積が増すことによ
り、ねじりモーメント等に対する強度も向上する。
【0013】また、溝部3には僅かながら直線部Lが設
けられているため、係合部4先端の翼部2の幅は従来通
り狭いものとなる。従って、加工上、形状が不安定にな
るねじSの駆動穴底部付近にドライバビット1が圧接さ
れて固着するのを防止できる。なお、この直線部Lは所
定の角度α傾いて形成されているが、この傾斜角度α
は、ねじSの駆動穴との隙間が適度に取れるように設け
られるものである。
【0014】一方、図5及び図6は、本発明に係るドラ
イバビットの他の例を示すものであり、この図5及び図
6のドライバビット1′における溝部3′は、上述のカ
ッタ50よりも直径の大きなカッタ(図示せず)を利用
して底形状が全て円弧部C′になるように削設されてい
る。このドライバビット1′では、係合部4′の横断面
積が先端位置から大きくなっていくため、係合部4′を
ねじの駆動穴に嵌合させた時の遊びが駆動穴全般に渡っ
て少なくなる。
【0015】なお、本発明の実施の形態では係合部が横
断面十字様のドライバビットについて説明したが、何も
これに限定されるものではなく、例えば、軸線回りに翼
部と溝部とをそれぞれ3個づつ交互に配した3枚翼形状
のドライバビットなど、軸線回りに複数の翼部と溝部と
を交互に配して成る係合部を有するドライバビットであ
れば同様の効果を得ることができる。また、溝部の底形
状は円弧状に限らず曲率の変化する曲線状であってもよ
く、その他の構成についても本発明の主旨を逸脱しない
範囲において適宜変更できる。
【0016】
【発明の効果】本発明のドライバビットによれば、ねじ
の駆動穴に嵌合する部位の横断面積を大きくすることが
できるため、ドライバビットをねじの駆動穴に嵌合させ
た時の遊びが極めて少なくなる。したがって、ねじの締
付け時における衝撃トルクの作用によりドライバビット
が早期に破断したり、あるいはねじの駆動穴が変形した
りすることを防止できる。また、係合部の横断面積が大
きくなることにより、ねじりモーメント等に対する強度
も向上する。さらに、ドライバビットとねじの駆動穴と
の遊びがなくなることにより、ドライバビット初動時、
速やかにねじに回転伝達を行うことが可能になり、その
分高速にねじの締付けを行うことができる等の利点があ
る。なお、前述の効果は、特に本発明のドライバビット
を締付けトルク値に応じてドライバビットの回転駆動を
切り替える自動ねじ締め機などに用いた場合に顕著にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドライバビットを示し、(a)は
その要部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図2】図1のV−V線に係る要部拡大断面図である。
【図3】(a)は本発明に係るドライバビットをねじの
駆動穴に嵌合させた状態を示す断面図であり、(b)は
そのW−W線に係る断面図である。
【図4】JIS規格に準じて加工されたドライバビット
の翼部の幅及び対向する溝部の底面間距離と溝部の寸法
値を示す説明図である。
【図5】本発明に係るドライバビットの他の例を示し、
(a)はその要部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図6】図5のX−X線に係る要部拡大断面図である。
【図7】従来のドライバビットを示し、(a)はその要
部拡大正面図、(b)は底面図である。
【図8】図6のY−Y線に係る要部拡大断面図である。
【図9】(a)は従来のドライバビットをねじの駆動穴
に嵌合させた状態の要部拡大断面図であり、(b)はそ
のZ−Z線に係る断面図である。
【図10】ドライバビットの加工工程の説明図である。
【符号の説明】 1 ドライバビット 2 翼部 3 溝部 4 係合部 C 円弧部 L 直線部 b 対向する溝部の底面間距離 m 翼部の幅

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸線回りに翼部と溝部とを交互に配して成
    る係合部を有し、この係合部をねじに形成された駆動穴
    に係合させてねじ締付けの用に供するドライバビットで
    あって、 前記溝部は、底に向かうに従って幅が狭くなる横断面形
    状を全長に渡って有するとともに、その底面が係合部先
    端から離れるにともなって軸線から離れる曲線状に形成
    された底形状を成し、この底形状に相応する部位がねじ
    の駆動穴に嵌合するように構成されていることを特徴と
    するドライバビット。
  2. 【請求項2】溝部の底形状は円弧状になっていることを
    特徴とする請求項1に記載のドライバビット。
  3. 【請求項3】溝部の底形状は、ねじの駆動穴の底部付近
    に嵌合する箇所が直線状を成し、これに連続する箇所が
    円弧状を成していることを特徴とする請求項1に記載の
    ドライバビット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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