JP2000280122A - ワイヤカット放電加工方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工方法

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JP2000280122A
JP2000280122A JP11088657A JP8865799A JP2000280122A JP 2000280122 A JP2000280122 A JP 2000280122A JP 11088657 A JP11088657 A JP 11088657A JP 8865799 A JP8865799 A JP 8865799A JP 2000280122 A JP2000280122 A JP 2000280122A
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machining
wire
electric discharge
distance
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JP11088657A
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English (en)
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Kouka Motoya
享嘉 元矢
Koji Shimoide
光次 下出
Kenichi Miyamura
謙一 宮村
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Sodick Co Ltd
Original Assignee
Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数個取り加工において適切な加工スキップ
の要否判定を行えるようにすること。 【解決手段】 加工穴の加工継続時間taを第1基準時
間T1とステップS52で比較し、ta≧T1の場合に
は再加工を行う。ta<T1の場合、taが第2基準時
間T2(<T1)より小さいか否かがステップS53で
判別され、ta≧T2の場合にはステップS54で加工
条件を変更して再加工する。ta<T2であるとステッ
プ45でスキップ処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤカット放電
加工機を用いて被加工物に多数個の穴を順次放電加工す
る所謂多数個取り加工を行うためのワイヤカット放電加
工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワイヤカット放電加工機は、周知のとお
り、1対のワイヤ電極のガイド間にワイヤ電極を張架し
てワイヤ電極を連続的に供給・更新しつつ、これに被加
工物を対向せしめ、被加工物とワイヤ電極との間に加工
液を供給しながら放電加工パルス電流を両者間に印加
し、被加工物またはワイヤ電極に加工形状に応じた相対
的な送りを与えることによって被加工物をくり抜くよう
に或いは所要の形状が得られるように切断加工するもの
である。ワイヤ電極の供給・更新の際には、ワイヤカッ
ト放電加工機に備え付けられている自動結線装置により
ワイヤ電極の自動結線、切断が行われるように構成され
ており、何らかの原因により加工中にワイヤ電極が断線
した場合に備えて、ワイヤカット放電加工機には、ワイ
ヤ電極の断線を検出する装置が備え付けられている。
【0003】このようなワイヤカット放電加工機により
被加工物に多数個の穴等を加工する、所謂多数個取り加
工が行われる。特にこの多数個取り加工において、近
時、大きさが数mm〜1mm以下で、しかも極めて多数
個の加工をすることが多く要求されるようになってきて
いる。
【0004】多数個取り加工においてそれぞれの穴を加
工するときには、自動結線装置により、まず当該穴の加
工スタート穴にワイヤ電極を自動結線してから加工を開
始し、1つの加工穴の加工が終了するとワイヤ電極を切
断して次の加工穴の加工スタート穴に移動して再びワイ
ヤ電極の自動結線を行い、加工を再開する。このよう
に、1つの加工穴の加工には、ワイヤ電極の自動結線と
切断とを伴うが、この場合、希ではあるが、自動結線が
できなかったり、ワイヤ電極が加工の途中で何度も断線
したりする場合がある。
【0005】加工中にワイヤ電極が断線する現象は、放
電加工条件が加工エネルギー的に強かったり、ワイヤ電
極のテンションが不適切であったり、加工液の噴流の掛
かり具合が弱かったりする場合に専ら発生するが、通常
は、放電加工を開始する前にこれらの加工条件等が適切
に設定されているので、このようなトラブルは殆ど発生
しない。特に、現在のワイヤカット放電加工機において
は、テンションや噴流の制御が安定しており加工中にこ
れらが変動することも少ない。
【0006】にもかかわらずワイヤ電極の断線が生じる
ことがあるのは、最初から加工条件やテンションの設定
が不適切であったり加工液の噴流が弱めであったりする
設定不良の場合、又は、局部的に加工液噴流の掛かり具
合が悪くなるような加工形状の特殊性による場合のいず
れかであることが多い。
【0007】前者の場合には、どちらかと言えば加工が
開始されたときの早いうちに、しかも、多くの加工穴に
おいて連続的にワイヤ電極が断線する傾向を有する。こ
れに対し、後者の場合には、例えば、大テーパの加工、
鋭角のコーナ近傍の加工、隣り合う加工済みの溝の近傍
での加工、微細加工の連続する複雑形状の箇所の加工な
どを含む特定の加工箇所付近で集中して断線が発生す
る。
【0008】また、この他にも、中子落としの場合に傾
いた被加工物がワイヤ電極と接触したり、ドライランで
チェックし忘れた場合に加工範囲が加工テーブルの機械
的な移動範囲あるいはソフトウエアリミットを越えて移
動したりして、加工が継続できないことがある。このよ
うな場合、その加工穴の再加工が際限なく繰り返され、
それ以降の加工が行われなくなることを避けるため、そ
の加工穴の再加工を中断して次の加工穴に加工を進め
る、いわゆる加工穴スキップが行われる。
【0009】この加工スキップを伴う多数個取り加工方
法は、とりわけ穴寸法が数mm〜1mm以下の極めて多
数の加工穴を放電加工するケースで重要な意義を有す
る。つまり、このようなケースでは加工穴の個数が多い
だけに、必要な場合には適切に加工スキップが行われる
と共に、加工スキップができるだけ発生しないようにし
ながら一通りの加工が行われるようにする必要があるか
らである。
【0010】加工スキップをさせるかどうかの判定方法
として、特開昭56−95540号公報(特公平2−3
8330号)には、複数個の加工穴のうちの1つの穴加
工の加工中にワイヤ断線が生じた場合にその加工開始点
に移動してワイヤの自動結線を行い再び加工を開始する
ようにした方法が開示されている。ここでは、ワイヤ電
極の断線回数が指定回数以上となった場合に、この断線
位置を記憶すると共に次の加工穴の加工に移るようにし
ている。
【0011】加工スキップに関するその他の従来技術と
しては、特開平6−55353号公報、特開平1−12
1126号公報、特開平6−190634号公報、特開
平3−92219号公報、特開平7−290319号公
報がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は、
いかなる場合に加工スキップさせるかについてすべてが
言及しているわけではないが、言及された方法は、ワイ
ヤ電極の断線回数をもって加工スキップするかどうかを
判定する方法である。この方法では、断線が多少発生し
てもある程度加工が進行するような加工状況であって
も、断線回数が指定回数に達すればすべて加工スキップ
が行われることになるので、未加工穴が必要以上に出現
することになる。そのため、加工終了後に改めてこの未
加工穴に追加工を施すとき、追加工のための装置の設定
の段取りや追加工用のプログラムを編集するなどのプロ
グラム作成作業が必要となり、加工効率が著しく低下す
ることになるという問題点を有している。
【0013】本発明の目的は、ワイヤカット放電加工機
を用いて複数個の放電加工を順次行う場合において、1
つの加工箇所において加工が中断したとき、この加工箇
所で加工再開の適否を的確に判別して、加工のスキップ
が適切に行われるようにしたワイヤカット放電加工方法
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ワイヤカット放電加工機を用いて複数個
の放電加工を順次行う場合において、加工途中にワイヤ
電極の断線が発生して再加工を行ったときに再びワイヤ
電極の断線が生じた場合には、この再加工における放電
加工の継続時間に応じて、又はこの再加工における放電
加工の加工距離に応じて、この再加工を行うか、次の加
工予定箇所に加工スキップするか否かを判定するように
したものである。
【0015】請求項1の発明によれば、ワイヤカット放
電加工機のワイヤ電極自動結線機能及びワイヤ切断機能
を用いて被加工物に複数個の放電加工を順次行うように
したワイヤカット放電加工方法において、前記複数個の
放電加工のうちの少なくとも1つの加工において、ワイ
ヤ電極の断線が発生したことにより当該加工の再加工を
行い、再加工時に再びワイヤ電極の断線が生じた場合に
は、再加工時における再加工開始からの加工継続時間に
応じて次の加工予定箇所に加工スキップするか否かを判
定するようにした方法が提案される。
【0016】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
発明において、前記加工継続時間が所定の基準時間と比
較され、前記加工継続時間が前記基準時間より大きい場
合には当該加工を再開し、前記加工継続時間が前記基準
時間より小さい場合には加工スキップを行うようにした
方法が提案される。
【0017】請求項3の発明によれば、請求項1記載の
発明において、前記加工継続時間が所定の第1の基準時
間とこれより短い第2の基準時間と比較され、前記加工
継続時間が前記第1の基準時間以上の場合には同じ加工
条件で当該加工箇所の再加工を行い、前記加工継続時間
が前記第1の基準時間より小さく且つ前記第2の基準時
間以上の場合には放電加工条件を弱めて当該加工箇所の
再加工を行い、前記加工継続時間が前記第2の基準時間
より小さい場合に加工スキップを行うようにした方法が
提案される。
【0018】請求項4の発明によれば、ワイヤカット放
電加工機のワイヤ電極自動結線機能及びワイヤ切断機能
を用いて被加工物に複数個の放電加工を順次行うように
したワイヤカット放電加工方法において、前記複数個の
放電加工のうちの少なくとも1つの加工において、ワイ
ヤ電極の断線が発生したことにより当該加工の再加工を
行い、再加工時に再びワイヤ電極の断線が生じた場合に
は、再加工時における再加工開始からの加工継続距離に
応じて次の加工予定箇所に加工スキップするか否かを判
定するようにした方法が提案される。
【0019】請求項5の発明によれば、請求項4記載の
発明において、前記加工継続距離が所定の基準距離と比
較され、前記加工継続距離が前記基準距離より大きい場
合には当該加工を再開し、前記加工継続距離が前記基準
距離より小さい場合には加工スキップを行うようにした
方法が提案される。
【0020】請求項6の発明によれば、請求項4記載の
発明において、前記加工継続距離が所定の第1の基準距
離及びこれより短い第2の基準距離と比較され、前記加
工継続距離が前記第1の基準距離以上の場合には同じ加
工条件で当該加工箇所の再加工を行い、前記加工継続距
離が前記第1の基準距離より小さく且つ前記第2の基準
距離以上の場合には放電加工条件を弱めて当該加工箇所
の再加工を行い、前記加工継続距離が前記第2の基準距
離より小さい場合に加工スキップを行うようにした方法
が提案される。
【0021】請求項7の発明によれば、請求項1乃至6
記載のいずれかの発明において、所定個数以上の加工箇
所で連続して加工スキップが発生する場合には、放電加
工を中断し警報を出力するようにした方法が提案され
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0023】図1は、本発明の方法により被加工物に複
数の加工を行うことができるようにしたワイヤカット放
電加工装置の実施の形態の一例を示す概略構成図であ
る。ワイヤカット放電加工装置1は、ワイヤカット放電
加工機本体100と、加工用電源装置200とから構成
されている。
【0024】ワイヤカット放電加工機本体100は、こ
れ自身公知の構成のものである。ワイヤ電極102は、
ワイヤ供給装置101から供給され、ワイヤ電極102
が断線したか否かを検出するための断線検出装置103
及び送り側案内ローラ104を経由し、図示省略したワ
イヤ切断装置を含む、ワイヤ電極102の自動挿通・結
線を行うための自動結線装置105を通って、一対のワ
イヤガイド106、107に送られる。ワイヤ電極10
2が一対のワイヤガイド106、107間で被加工物1
08と対向して放電加工間隙が構成される。
【0025】被加工物108は、基台109上に設置さ
れたX−Y移動装置110上に設けられたワークスタン
ド111によって固定されている。X−Y移動装置11
0は、X軸テーブル110A、Y軸サドル110B、X
軸モータ110C及びY軸モータ110Dを備えて成る
公知構成のものである。X−Y移動装置110は、一対
のワイヤガイド106、107間に張架されて走行して
いるワイヤ電極102に対して被加工物をX−Y平面内
で所要の相対移動運動させることができる構成となって
いる。
【0026】加工用電源装置200は、上下のワイヤガ
イド106、107に組み込まれている図示しない通電
子と被加工物への給電線とを介してワイヤ電極102と
被加工物108との間に放電加工用パルス電圧を印加す
るための放電電源部201と、コンピュータシステムと
して構成されている数値制御装置202とを備えて成っ
ている。数値制御装置202は、放電電源部201及び
X−Y移動装置110の動作を制御するように構成され
ている。
【0027】数値制御装置202において、CPU20
3はバス204を介してROM205、RAM206、
入力手段207、表示手段208、I/O209〜21
1と接続されている。I/O209、210には、X−
Y移動装置110のX軸モータ110C及びY軸モータ
110Dを駆動制御するためのモータ制御手段212及
び放電電源部201を制御する放電制御手段213がそ
れぞれ接続されている。断線検出装置103によって検
出されたワイヤ電極102の断線情報は、断線検出装置
103から数値制御装置202のI/O211に入力さ
れる。
【0028】ROM205には、数値制御装置202に
よる所要の制御を遂行するのに必要な制御プログラムが
格納されており、ワイヤカット放電加工装置1はこの制
御プログラムに従って動作し、被加工物108の放電加
工が行われる。
【0029】すなわち、数値制御装置202は、次のよ
うな制御を行うが、これらは従来の制御と変わることが
ないので簡単に説明すると、 (1)所要の加工プログラムを読み込み、加工条件、加
工軌跡を解析し、関係機器に指令を出力する。 (2)特に加工中に、加工プログラムに従う加工軌跡に
沿ってワイヤ電極102と被加工物108との間の相対
的な移動をX−Y移動装置110によって制御すると共
に、両者間に印加される放電加工パルス電圧・電流を制
御する。さらに、ワイヤテンション、ワイヤスピード、
放電加工極間の加工液噴流流量等を加工条件に従って制
御する。ワイヤ電極102の位置を逐次検出するととも
に、ワイヤ電極102の断線の有無を断線検出装置10
3によって検出している。 (3)プログラム中のワイヤ電極102の自動結線、切
断コードに従って、結線、切断を行う。
【0030】数値制御装置202は、このほか、被加工
物108に対し、所謂多数個取りと称されている複数の
加工を本発明による加工方法に従って順次遂行する機能
を有している。
【0031】次に、図2を参照して、被加工物108に
6個の穴を加工穴H1、加工穴H2、・・・、加工穴H
6として順次加工する場合の実施の形態の一例について
説明する。ここで、符号S1〜S6は、各加工穴の加工
スタート穴である。
【0032】先ず最初の加工穴H1の加工スタート穴S
1で自動結線装置105によりワイヤ電極102の自動
結線が行われ、加工穴H1の加工が開始される。数値制
御装置202からの指令で加工穴H1の加工が終了する
と、次の加工穴である加工穴H2の放電加工を同様にし
て実行する。これを順次繰り返して、加工穴H2、加工
穴H3、・・・の加工が遂行される。通常の加工の場
合、このようにして加工穴H1、加工穴H2、・・・を
先ず荒加工し、加工穴H6までの荒加工が終了した後、
再び加工穴H1に戻り、加工穴H1から加工穴H6まで
の各加工穴毎にセカンド加工から仕上げ加工を順次行
う。
【0033】図3は、上述した加工を行うための加工プ
ログラムの一例である。
【0034】先ず、加工穴H1ファーストカットのため
の一連のプログラムについて説明すると、G00のコー
ドは、その次に示される座標位置まで直線補間しながら
加工ヘッド(ワイヤ電極)を移動させる指令コードで、
このプログラムでは、加工スタート穴S1の位置へ移動
させるための指令となっている。T91は自動結線の指
令で、これにより、ワイヤ電極が自動結線される。結線
終了後、M98P0001の指令コードにより、別途加
工サブプログラムとして用意されているファーストカッ
ト加工プログラムN0001が呼び出されて実行され
る。図2から判るように、加工穴H1〜H6は全て同一
の加工形状となっているため、加工穴H1〜H6のそれ
ぞれの加工についてファーストカット加工プログラムN
0001が共通に用いられている。ファーストカット加
工プログラムN0001では、1穴の形状加工用のプロ
グラムが加工軌跡の順にその軌跡に対応する加工ブロッ
クで記載してある。例示したG01は直線に加工するコ
ードである。M99はサブプログラムの終了を表し、メ
インプログラムに戻ることを指令するためのコードであ
る。コードM03は後述する加工スキップ位置指定コー
ドであり、加工を続行できない場合を除き無視される。
次に、ワイヤ切断指令コードであるコードT90によっ
てワイヤ電極が切断されて加工穴H1のファーストカッ
トが終了する。
【0035】加工穴H2〜H6のファーストカットのた
めのプログラムも同様のプログラム構成となっている。
【0036】加工穴H1〜H6のセカンドカットについ
ても、基本的には対応するファーストカットの場合と同
様であるが、各セカンドカットの場合には、加工サブプ
ログラムN0002が用いられる点で異なっている。そ
してM02で加工プログラムが終了する。なお、通常加
工サブプログラムN0002にはサードカット以下仕上
げ加工までのプログラムを含むサブプログラムがさらに
加えられているが、本説明ではこれを省略している。
【0037】また、図3に示したプログラムでは、本発
明に関係するワイヤ電極の自動結線コード、切断コー
ド、移動コード、加工コードのみを組み合わせた多数個
取り加工プログラム例を表示しており、加工条件、オフ
セット量、座標系等を指定するコード等は省略してい
る。このため、ファーストカット加工プログラムN00
01と加工サブプログラムN0002が同一となって表
現されている。
【0038】M03コードは、加工プログラムの必要な
箇所に予め挿入しておくもので、加工スキップが発生し
たときに、実行するプログラムを次のM03コードの箇
所にスキップさせる機能を果たすものである。本実施の
形態にあっては、M03コードがワイヤ切断コードT9
0の前に挿入されている。
【0039】このM03コードによって、サブプログラ
ムの加工中に加工スキップが行われたときには、加工ス
キップが発生したブロック、及びこのブロックから次の
M03までの間にある加工ブロックを無視するようにな
っている。いかなるトラブルが発生した場合に加工スキ
ップをするかは、M03スキップ条件を別途設定するこ
とによって選択できるようになっている。トラブルとし
ては、加工テーブルの移動限でリミットストップ又はソ
フトウエアリミットストップ(後者はその設定がある場
合)、接触感知(ワイヤ電極が被加工物に接触して放電
不能になる)による加工停止、自動結線失敗、加工中の
集中放電によるワイヤ電極の断線等がある。この断線す
る場合の加工スキップが本発明で開示するもので後に詳
述する。
【0040】M03がワイヤ切断コードT90の前にあ
る本実施の形態の場合には、ワイヤ電極が加工中に断線
して加工スキップする場合でも、T90コードを実行し
てワイヤ電極を切断・先端処理してから、次の加工穴へ
移動する処理プログラムが実行されることになる。
【0041】以下、本発明に係わる多数個取り加工を説
明する。先ず最初に、ある加工穴についてのワイヤ電極
102の自動結線が所定回数を越えて失敗した場合に
は、その加工穴についての加工を中断してスキップ処理
を行い、次の加工穴に対してワイヤ電極102の自動結
線を行う。
【0042】次に、ある加工穴の加工中にワイヤ電極1
02の断線が生じた場合のスキップ処理について説明す
る。この処理は、1つの加工穴でワイヤ電極の断線等が
発生したときに再加工が始まるときからその制御が開始
される。
【0043】第1の方法は、再加工の継続時間によって
判定するものである。1つの加工穴で加工が最初に中断
したとき、その加工穴の加工スタート穴にワイヤ電極が
戻される。そして、加工中断位置(断線位置)から加工
が再開される。この加工再開後の加工継続時間を計数し
ておき、この加工穴において再度断線が生じた場合に、
この加工継続時間の長さによって、この加工穴の加工を
中断して加工スキップするかこの加工穴の加工スタート
穴に戻って再度加工を開始するかの判断を行う。この加
工継続時間は、最初に断線した加工ブロックと同じブロ
ックで次の断線が生じた場合には、この加工ブロックに
おける加工継続時間であり、断線した加工ブロック以降
の加工ブロックで再び断線した場合には、その加工ブロ
ックでの加工始点からの加工継続時間である。いずれに
しても1つ1つの加工ブロックでの加工が継続した時間
である。この方法の実施態様では、加工継続時間が所定
の第1の基準時間以上であれば、加工条件の変更を行わ
ずに加工を再開するが、加工継続時間が第1の基準時間
よりも短くて別途設定した第2の基準時間(<第1の基
準時間)よりも長い場合には、加工をスキップせず、加
工条件をより断線の可能性の少ない加工条件に変更して
再度加工を行うようにする。そして加工継続時間が第2
の基準時間より短い場合に、加工をスキップするもので
ある。
【0044】第2の方法は、第1の方法における加工継
続時間の代わりに、加工再開後にワイヤ電極102が再
び断線するまでに進んだ加工距離に基づいて、加工スキ
ップするか再加工を行うかの判断する方法である。そし
て第1の方法と同様に再加工の場合の加工条件の変更の
有無を選ぶようにすることもできる。ここでも加工継続
距離は、1つ1つの加工ブロック上での加工が継続した
距離である。
【0045】図4及び図5は、被加工物108に複数の
加工を行う場合に上述した第1の方法に従って加工スキ
ップを制御するための制御プログラムを示すフローチャ
ートである。図4及び図5に示す制御プログラムは、加
工スキップを行うか否かを、単にワイヤ電極102の断
線回数で判断するのではなく、再加工時においてワイヤ
電極102が再び断線するまでに加工が継続した時間に
よって判定するようにしたものである。
【0046】以下、図4及び図5を参照して、本制御プ
ログラムによる処理につき、実際の動作に合わせて詳細
に説明する。
【0047】本制御プログラムがスタートすると、ま
ず、ステップS1において加工プログラムが読み込まれ
る。このとき、変数、例えば加工スタート穴の機械座標
位置、同穴番号のスタート穴登録表データ、加工スキッ
プしたときのワイヤ電極位置を示す機械座標位置と同ブ
ロック番号のスキップデータ、自動結線実行回数m、断
線回数n、経過時間t等が0に初期化される。また、予
め設定してある第1の基準時間T1、第2の基準時間T
2、再結線の繰り返し許容回数Mが読み込まれる。
【0048】次に、ステップS2において、加工プログ
ラムの中の1つの指令である、1つのコードやブロック
が読み込まれる。例えば、T90や、G00 X○○,
Y○○,G01 X△△,Y△△等である。これらの指
令が順次読み込まれてワイヤ電極102の結線や切断、
移動、加工等が行われる。図3の加工プログラムでは最
初にG00コードが読み込まれる。
【0049】ステップS3では、加工が終了したか否
か、すなわち、ステップS2で読み込まれたコードがM
02等の加工終了コードに至ったか否かが判別される。
当然加工プログラムの最後になるまでM02が読み込ま
れず、ステップS4に入る。M02等の加工終了コード
に至って加工が終了した場合には、ステップS3の判別
結果はYesとなり、本制御プログラムの実行を終了す
る。
【0050】ステップS4では、ステップS2で読み込
まれたコードがワイヤ電極102の自動結線を指令する
自動結線コードであるか否かが判別される。最初は移動
コードから始まっているので自動結線コードでないと判
別され、ステップS4の判別結果はNoとなり、ステッ
プS5に入る。
【0051】ステップS5では、ステップS2で読み込
まれたコードがワイヤ電極102の切断を指令するコー
ドであるT90つまり切断コードであるか否かが判別さ
れる。ここでも最初の移動コードであれば、Noと判別
され、ステップS6以下が実行される。加工プログラム
が順次進んで切断が必要になると、切断コードがステッ
プS2で読み込まれて、ステップS5の判別結果はYe
sとなり、ステップS21に入る。ステップS21が実
行される場合とは、1つの穴加工が終了した直後である
から、次の自動結線に備えて自動結線装置105でワイ
ヤ電極102を切断し、巻き上げ、ワイヤ電極102の
先端を整えるという公知技術による処理が行われる。そ
して断線回数nが0に初期化される。しかる後、ステッ
プS2に戻り、次のコードが読み込まれる。
【0052】ステップS6では、加工ブロックの実行中
に、当該放電加工の加工開始からの経過時間tのカウン
トを開始する。特に加工中にワイヤ電極が断線して再加
工を行う場合には、先の断線位置にワイヤ電極が復帰し
て加工が再開されたときからの時間が計数される。ま
た、新たな加工ブロックの加工が開始されるときには、
加工ブロック毎に改めて経過時間tをカウントする構成
となっている。もちろん加工ブロックでなければ計時が
行われない。そして、ステップS7に入り、ステップS
2で読み込まれた指令ブロックの実行、例えばワイヤ電
極102の結線や切断、移動、加工等の1つのブロック
の実行を開始する。加工実行中の加工ブロック番号はこ
のときカウントされる。
【0053】加工中においては、断線検出装置103に
よってワイヤ電極102の断線の有無が周期的に検出さ
れており、ステップS8において、断線があるか否かが
判別される。断線がない場合に、ステップS8の判別結
果はNoとなり、ステップS9に入る。
【0054】ステップS9では、例えば、加工範囲がX
−Y移動装置110の加工テーブルの機械的な移動範囲
又はソフトウエアリミットを超えて移動する場合や、ワ
イヤ電極102と被加工物108とが接触して放電でき
ない場合等の放電加工が継続できない状態が生じている
か否かが判別される。このような状態が生じていない場
合にはステップS9の判別結果はNoとなり、ステップ
S10に入る。
【0055】ステップS10では、1つのブロックの実
行が終了したか否かが判別される。判断方法は従来技術
と変わることはない。1つのブロックが未だ終了してい
ない場合にはステップS10でNoと判別されステップ
S8に戻る。そして以後1つのブロックが終了するまで
これが繰り返され、断線と加工不能の有無が監視され
る。やがて1つのブロックが終了した場合には、ステッ
プS10の判別結果はYesとなり、ステップS2に戻
って次の加工ブロックの加工のためのコードが読み込ま
れる。以上のようにしてステップS2で読み込まれた1
つ1つのブロックが実行されていく。図3の加工プログ
ラムでは、最初に加工スタート穴にワイヤ電極が位置決
めされ、次にT91コードで自動結線が行われた後、M
98P0001のサブプログラムが読み込まれて、その
中の加工ブロックG01X−、Y−が順次実行されてい
くのである。
【0056】次に、ステップS6〜S10において1つ
の加工ブロックに対する放電加工が実行されている途中
でワイヤ電極102の断線やその他の加工継続不可能な
状態が生じた場合の処理について説明する。
【0057】まず、ステップS8において、ワイヤ電極
102の断線が発生するとステップS8の判別結果はY
esとなり、ステップS31に入る。ステップS31で
は、断線したときまでにカウントされた経過時間tが加
工開始からワイヤ電極102断線までの加工継続時間t
aとして一時的に記憶される。この加工継続時間ta
は、最初に断線した加工ブロックと同じブロックで次の
断線が生じた場合には、この加工ブロックにおける加工
継続時間であり、断線した加工ブロック以降の加工ブロ
ックで再び断線した場合には、その加工ブロックでの加
工始点からの加工継続時間である。いずれにしても1つ
1つの加工ブロックでの加工が継続した時間である。さ
らに、このとき加工中であったブロック番号及びワイヤ
電極102の断線座標位置が一時的に記憶される。次に
ステップS32に入り、ここで、次の自動結線に備えて
ワイヤ電極102を巻き上げ、ワイヤ電極102の先端
を整える。そして、これまでの断線回数nに1をプラス
したものが新たな断線回数nとしてカウントされる。ス
テップS21で先の加工穴の加工完了にともない断線回
数nが0に初期化されているので、次の加工穴で最初に
断線するときはn=1である。
【0058】ステップS33では、ステップS32でカ
ウントされた断線回数nが2以上であるか否か、すなわ
ち、断線が2回目以降かそれとも初回であるかが判別さ
れる。最初は初回の断線であるから、ステップS33の
判別結果はNoとなり、ステップS34に入る。
【0059】ステップS34では、加工中であった加工
穴の加工スタート穴位置に加工ヘッドが戻される。この
場合、加工ヘッドが加工済みの軌跡を逆戻りするか、あ
るいは最短距離に直線で戻るかのいずれかが設定できる
のが望ましい。
【0060】次にステップS35に入り、加工を再開す
る加工スタート穴位置で再びT91の自動結線コードか
らプログラムが開始されるように、加工プログラム上で
もプログラムの実行開始位置が戻される。すなわち、実
行中のブロックよりも以前にある最初のT91ブロック
へ戻る。そして、ステップS2に戻り、ステップS4で
T91コードから開始される。こうして、ワイヤ電極が
最初に断線する場合には、必ず加工スタート穴に戻っ
て、加工が再開される。
【0061】なお、この後、次のステップS2でT91
が読み込まれて自動結線が行われ、再びステップS2で
読み込まれた加工プログラムによって加工が再開される
とき、ワイヤ電極102が加工済みの加工溝をたどって
ステップS31で記憶された断線箇所まで加工せずに復
帰するか、弱い加工条件で加工しながら復帰するかのい
ずれかが設定により選択されることが好ましい。そし
て、この復帰動作中に実行した加工ブロックのブロック
番号がカウントされると共に、ワイヤ電極102の座標
位置がフィードバックされ、前回の断線位置に達したと
きに復帰移動が完了し、再び本来の加工が再開される。
【0062】一方、1つの加工穴で加工を再開した後再
び断線した場合、すなわち1つの加工穴で断線が2回以
上発生した場合にステップS33において、断線回数n
が2以上であるからステップS33の判別結果はYes
となり、ステップS52に入る。
【0063】ステップS52及び次のステップS53
は、加工スキップの要否を判別するものである。加工継
続時間taは、最初に断線した加工ブロックと同じ加工
ブロック内で断線した場合には、その加工ブロックでの
再加工の継続時間となり、次の(それ以降の)加工ブロ
ックで断線した場合には、その加工ブロックの加工開始
点から断線点までの加工継続時間となる。1つ1つの加
工ブロックの加工開始点からの加工継続時間も再加工の
継続時間と様に取り扱っても何ら問題がないからであ
る。
【0064】一方、加工継続時間taを判別する基準時
間は、本実施例では第1の基準時間T1及びこれより小
さい第2基準時間T2が設定可能となっている。
【0065】そして、ステップS52で、加工継続時間
taが第1の基準時間T1と比較され、加工継続時間t
aが第1の基準時間T1以上であるか否かが判別され
る。加工継続時間taが第1の基準時間T1以上である
場合、ステップS52の判別結果はYesとなり、充分
に加工継続可能と判断してステップS34に入る。ステ
ップS52で、加工継続時間taが第1の基準時間T1
以上ではない場合は、ステップS52の判別結果はNo
となり、ステップS53に入る。
【0066】ステップS53では、加工継続時間taが
さらに第2の基準時間T2と比較され、加工継続時間t
aが第2の基準時間T2以上であるか否かが判別され
る。加工継続時間taが第2の基準時間T2以上である
場合、ステップS53の判別結果はYesとなり、加工
条件を弱めれば加工が継続可能と判断してステップS5
4に入る。ステップS54では、例えば加工休止時間を
伸ばす等により加工中の穴に対する加工条件を弱める変
更を行う。なお、放電休止時間を伸ばして加工条件を弱
めると、加工速度が若干低下するが、再び断線すること
は少なくなる。このとき加工形状の寸法精度も殆ど変わ
ることがない。加工条件を弱くした場合には、次の加工
ブロックで再びもとの加工条件に戻すようにする。しか
る後、ステップS34に戻る。
【0067】ステップS53において、加工継続時間t
aが第2の基準時間T2以上でない場合、すなわち、加
工再開後の加工や1つの加工ブロックでの加工が継続し
ない場合には、ステップS53の判別結果はNoとな
り、加工続行が不可能としてステップS55に入る。ス
テップS55では、経過時間t、加工継続時間ta及び
断線回数nが0に初期化される。しかる後、ステップS
44に入る。
【0068】ステップS44以下では、スキップ処理が
行われる。先ず、ステップS44では、加工スキップす
る直前のワイヤ電極102の機械座標位置を断線位置と
して記憶する。自己診断機能があれば、このときの加工
中断原因を登録してもよい。次に、ステップS45でス
キップ処理を行い、その後ステップS2に戻る。このス
キップ処理のとき、M03コードによるプログラム上の
スキップによって、加工スキップが発生した加工ブロッ
ク、及びこの加工ブロックから次のM03までの間にあ
る加工ブロックを無視してプログラムをM03に飛ば
し、M03直後のブロックに対してステップS2以下を
実行する。このとき、M03がワイヤ電極の切断コード
T90の前にあるときには、ワイヤ電極が断線していて
も念のためT90コードを実行してワイヤ電極102を
切断、先端処理し、次の移動コードによって次の加工穴
へ移動することになる。
【0069】以上のように、本制御プログラムでは、1
つの加工穴においてワイヤ電極102の断線が2回目で
あると判別されれば、さらに加工継続時間taによる加
工継続に関する判定が行われるように構成されており、
単に断線回数nによって判定されるのではない。当然、
第2の基準時間T2が第1の基準時間T1より短く設定
され、第2の基準時間T2は数秒程度である。ここで、
放電加工機の制御装置が加工条件と加工軌跡の距離とか
ら加工終了時間を予測できるものである場合にあって
は、1つの加工ブロックの加工時間を予想して、これに
数%程度の所定の割合を乗算して基準時間T1、T2の
値を設定するものであってもよい。この割合は、任意に
オペレータが設定できるものであってもよいし、また、
予め初期値としてNC装置に設定されているものであっ
てもよい。
【0070】次に、ステップS9において、例えば、加
工範囲が加工テーブルの機械的な移動範囲又はソフトウ
エアリミットを超えて移動したり、ワイヤ電極102と
被加工物108とが接触して放電できなかったりする
等、加工継続不可能な状態が生じた場合について説明す
る。この場合には、ステップS9の判別結果はYesと
なり、ステップS44に入る。そして、ステップS44
以下において上述の加工スキップ処理が行われた後、ス
テップS2に戻る。
【0071】次に、自動結線動作について詳述する。ス
テップS2で読み込まれたコードが自動結線コードT9
1である場合のステップS4以降の処理についてであ
る。この場合には、ステップS4の判別結果はYesと
なり、ステップS11に入る。つまり、ステップS11
が実行されるのは、1穴(荒加工では、荒加工のみ。セ
カンド加工以降では、セカンドから仕上げ加工までの加
工である。いずれにおいても再加工の場合を含む。)の
加工開始時である。
【0072】本制御では、1つ1つの加工スタート穴に
ワイヤ電極102を最初に自動結線する際に、加工スタ
ート穴の穴番号と機械座標位置とをNC装置に用意され
たスタート穴登録表に登録するようになっている(S1
2)。そこで、ステップS11では、自動結線コードを
実行するに先立ち、スタート穴が登録済みか否か、すな
わち、現在の加工スタート位置にあるワイヤ電極102
の座標位置が既に登録された座標位置データと一致して
いるか否かをチェックする。1つの加工穴が最初に加工
されるときには、スタート穴が登録済みではないのでス
テップS11の判別結果はNoとなり、最初の加工であ
るとしてステップS12に入る。そこでステップS12
でスタート穴を登録する。次にステップS13に入り、
ここで、自動結線を実行する。自動結線実行回数mのカ
ウントアップも行われ、従前の自動結線実行回数mに1
を加えたものを新たな自動結線実行回数mとする。な
お、当然T91の前にある加工プログラムの移動ブロッ
クでワイヤ電極102の中心が加工スタート穴の中心に
既に位置決めされている。
【0073】次に、ステップS14では、公知の検出手
段によってワイヤ電極102の結線が完了したか否かの
確認を行う。ステップS14で結線が完了した場合はス
テップS14の判別結果はYesとなり、ステップS1
5に入る。ステップS15では、自動結線実行回数mを
0に初期化して、ステップS2に戻る。ステップS2
で、次の加工ブロックが読み込まれ、ステップS6で加
工が開始されることになる。
【0074】ステップS14で結線が完了していないと
判別された場合には、ステップS14の判別結果はNo
となり、ステップS41に入る。ステップS41が実行
されるのは結線に失敗した場合であるから、次の自動結
線に備えてワイヤ電極102を巻き上げ、ワイヤ電極1
02の先端を整える従来技術による処理を行う。その
後、ステップS42に入る。
【0075】ステップS42では、予め設定された再結
線の繰り返し許容回数Mと自動結線実行回数mとが比較
され、自動結線実行回数mが再結線の繰り返し許容回数
M以上であるか否かが判別される。最初の内自動結線実
行回数mが再結線の繰り返し許容回数M未満である場合
には、ステップS42の判別結果はNoとなり、ステッ
プS13に戻って再結線を試みる。一方、自動結線が失
敗を繰り返して自動結線実行回数mが再結線の繰り返し
許容回数M以上になった場合には、ステップS42の判
別結果はYesとなり、結線不能と見做して次の加工穴
に加工スキップさせるため、ステップS43以下の処理
を実行する。まず、ステップS43において、自動結線
実行回数mを0に初期化する。その後、ステップS44
及びS45で前述したスキップ処理を行った後、ステッ
プS2に戻る。
【0076】以上、ステップS11においてスタート穴
が未だ登録されていない場合、すなわち、最初の加工で
あると判別された場合につき説明した。自動結線が失敗
しても繰り返し許容回数Mになるまでは再結線を試み
て、無用な加工スキップが発生しないようにしている。
【0077】次に、ステップS11において、スタート
穴が登録済みである場合、すなわち、断線後の再加工で
あるか、セカンド加工以降の加工である場合の自動結線
につき説明する。この場合には、ステップS11の判別
結果はYesとなり、ステップS61に入る。
【0078】ステップS61では、ステップS44で記
憶された、ワイヤ電極102の加工スキップした機械座
標位置データが存在するか否かがチェックされる。断線
後の再加工、あるいは、荒加工が終了した加工穴に対す
るセカンド加工以降の加工であれば、スキップデータが
存在しないので、ステップS61の判別結果はNoとな
る。そして断線後の再加工である場合にステップS13
以下に移り、再結線され再加工が行われる。また、セカ
ンド加工以降の加工である場合にも、前回の加工(実際
には、荒加工)が完了しているので同様にステップS1
3以下に移って、今回の加工(セカンド以降の仕上げ加
工)が開始される。
【0079】一方、ステップS61において、ステップ
S44で記憶された、ワイヤ電極102の加工スキップ
した機械座標位置データが存在すると判別された場合に
は、ステップS61の判別結果はYesとなる。この場
合、前回の加工(実際には荒加工)が完了していないと
いうことであるから、自動結線を行うことなくステップ
S45以下に移って、加工スキップがなされる。
【0080】以上のように、荒加工において加工スキッ
プが発生した場合には、セカンド加工以降の加工が当該
未加工穴に対して行われないようにしている。そのた
め、荒加工が開始される際に、加工穴のスタート穴の加
工穴番号と結線位置の機械座標がステップS12におい
て登録されるようにするとともに、この荒加工の際に加
工スキップが発生して荒加工が中断した場合に、加工ス
キップした機械座標位置がステップS44でスキップデ
ータとして記憶されるようにする。そして、セカンド加
工以降の加工を行うときには、ステップS4で当該未加
工穴に自動結線をするときに、次のステップS11でス
タート穴の登録の有無によりセカンド以降の加工である
かどうかを判定し、さらにステップS61でスキップの
有無をスキップデータの有無により判別して、荒未加工
穴であることを認識するのである。該当する場合にはス
テップS45で加工スキップ処理が行われて次の加工穴
にスキップするようになっている。
【0081】このように、ステップS61からステップ
S45に直接入る場合の加工は、セカンド加工以降、仕
上げ加工までの加工であって、荒加工においてスキップ
が発生した加工である。それでこのような穴に対してセ
カンド加工以降を行う必要がないので、結線コードを含
めてその後の加工ブロックが次のM03まで無視され
る。なお、セカンド加工以降の加工においても1つの加
工穴の加工開始時には自動結線が行われ、加工終了時に
ワイヤ電極102の切断が行われることがあるが、荒加
工時の加工と同じであるから、荒加工時と同様なスキッ
プ処理制御で足りる。
【0082】以上、図4及び図5に基づいて、1つの加
工穴において、加工中にワイヤ電極が断線した場合にそ
の加工ブロック番号、断線位置及び加工開始から断線発
生までの加工継続時間taを記憶し、断線回数nが2以
上の場合には加工継続時間taと第1及び第2の基準時
間T1、T2との大小を比較することにより、加工を継
続するか、加工条件を変更した上で加工を継続するか、
又はスキップ処理を行うかのいずれかを判定するように
した実施の形態の一例について説明した。
【0083】このように、単に断線回数によってではな
く、加工が継続した時間でスキップ処理を行うか否かを
判定、制御することによって、特に大テーパの加工、鋭
角のコーナ付近での加工、加工済みの溝の近傍での加
工、微細、複雑形状の箇所での加工など、局部的に加工
の難しい箇所を含む加工ブロックの場合に加工の安定度
がより厳密且つ適正に判定でき、無用な加工スキップが
できるだけ発生しないようにしながら一通りの加工を行
えるという効果がある。
【0084】しかしながら、本発明の方法はこの実施の
形態の構成に限定されるものではない。図5のフローチ
ャートにおいて、第1の基準時間T1及び第2の基準時
間T2の2つの値を用いてステップS52、S53の2
段階で判定を行い、その判定結果に応じて、加工を継続
させる場合に加工条件を弱める処理を行うか否かを決定
したが、例えば、基準時間をT1のみとして1段階の判
定とし、単に、加工を継続するか否かのみを決定するよ
うにすることもできる。この場合には、ステップS53
及びS54は省かれることになり、この実施の形態にお
いては、図4及び図5で示した2段階の判定を行う形態
に比べると加工スキップを行う場合が若干増えるが、加
工速度を優先する場合に有利である。
【0085】また、本発明の方法の別の実施の形態とし
て、1つの加工穴の加工中にワイヤ電極102が断線し
た場合、加工ブロック番号及び断線位置を記憶し、断線
回数nが2以上の場合、加工開始から断線発生までの加
工継続時間taの代わりに、加工再開時における加工開
始位置からワイヤ電極102が断線した位置までの加工
継続距離kaを用い、加工継続距離kaと所定の第1及
び第2の基準距離L1、L2との大小を比較することに
より、加工を継続するか、加工条件を変更して加工を継
続するか、又はスキップ処理を行うかのいずれかを判定
するようにすることもできる。この場合にも加工継続距
離kaは、1つ1つの加工ブロック毎に加工が継続した
距離である。
【0086】図6及び図7は、スキップ処理の要否等の
判定基準として加工継続時間taの代わりに加工継続距
離kaを用いた、本発明の方法による実施の形態を示す
制御プログラムのフローチャートである。以下、図6及
び図7を参照しながら、この制御プログラムの処理につ
き説明する。
【0087】制御プログラムがスタートし、ステップS
1からステップS5までで行われる処理は、図4の制御
プログラムの場合と同様であるから、ここではその説明
を省略する。ステップS5において、ステップS2で読
み込まれたコードがワイヤ電極102の切断を指令する
コードであるT90つまり切断コードである場合、ステ
ップS5の判別結果はYesとなり、ステップS21に
入る。ステップS21における処理は、図4の場合と同
様であるから、ここではその説明を省略する。
【0088】ステップS5において、ステップS2で読
み込まれたコードがT90で指令されるワイヤ電極10
2の切断コードではない場合には、ステップS5の判別
結果はNoとなり、ステップS106に入る。ステップ
S106は、実行中のコードが加工コードである場合に
行われる処理であり、その加工ブロックで加工されるべ
き加工距離に予め設定された第1の割合、第2の割合が
乗算されて、第1の基準距離L1及び第2の基準距離L
2が算出され、記憶される。
【0089】第1及び第2の割合は数%程度に設定され
ているが、第1の基準距離L1が第2の基準距離L2よ
りも長くなるように定められている。第1の基準距離L
1及び第2の基準距離L2を第1及び第2の割合を用い
て設定する場合には、1つの加工ブロックの実際の加工
距離を勘案することなく設定することが可能であるが、
第1及び第2の割合を用いずに第1の基準距離L1及び
第2の基準距離L2を直接設定するものであってもよい
のは勿論である。
【0090】なお、1つの加工ブロックを実行するに際
して、従来から、加工始点から加工終点までの加工軌跡
が次の加工ブロックにおけるオフセットされた加工軌跡
につながるように加工プログラムが先読みされ、加工始
点及び加工終点の座標が算出されているので、加工ブロ
ックの加工距離が容易に算出される。
【0091】次のステップS7の処理は、図4の場合と
同様に行われるので、ここではその説明を省略する。
【0092】次にステップS8においてワイヤ電極10
2の断線があるか否かが判別される。断線がないと判別
された場合、ステップS8の判別結果はNoとなり、ス
テップS9に入る。ステップS9及びステップS10の
処理は、図4の場合と同様であるから、ここではその説
明を省略する。
【0093】一方、ステップS8においてワイヤ電極1
02の断線があると判別された場合、ステップS8の判
別結果はYesとなり、ステップS131に入る。ステ
ップS131では、断線したときの加工ブロック番号及
びワイヤ電極102の座標位置が一時的に記憶される。
【0094】次にステップS32に入る。ステップS3
2の処理は図4の場合と同様であるから、ここではその
説明を省略する。
【0095】次にステップS33に入る。ステップS3
3では、ステップS32でカウントされた断線回数nが
2以上であるか否か、すなわち、断線が2回目以降であ
るかそれとも初回であるかが判別される。断線回数nが
2以上でない場合、すなわち、初回の断線である場合に
は、ステップS33の判別結果はNoとなり、ステップ
S34に入る。ステップS34及びS35の処理は、図
4の場合と同様であるから、ここではその説明を省略す
る。
【0096】ステップS33で、断線回数nが2以上で
ある場合、すなわち、1つの加工穴において2回目の断
線である場合には、ステップS33の判別結果はYes
となり、ステップS151に入る。
【0097】ステップS151では、そのとき加工中の
加工ブロックの加工始点位置とステップS131で記憶
された断線座標位置とから、1つの加工ブロックにおけ
る加工開始位置から断線位置までの加工済みの軌跡上の
加工継続距離kaが算出される。より厳密に言えば、あ
る加工ブロックを加工中に断線が生じて再加工を行った
ときに同じ加工ブロックで再び断線した場合には、その
ブロックでの再加工距離が加工継続距離kaである。次
の加工ブロック(別の加工ブロック)で断線した場合に
は、その加工ブロックの加工始点から断線位置までの加
工距離が加工継続距離kaである。両者は同一視して判
断される。
【0098】次に、ステップS152に入り、ここで、
加工継続距離kaがステップS106で算出、記憶され
た第1の基準距離L1以上であるか否かが判別される。
加工継続距離kaが第1の基準距離L1以上であると判
別された場合、ステップS152の判別結果はYesと
なり、加工が継続可能と判断してステップS34に入
る。一方、ステップS152で、加工継続距離kaが第
1の基準距離L1以上ではないと判別された場合、ステ
ップS152の判別結果はNoとなり、ステップS15
3に入る。
【0099】ステップS153では、加工継続距離ka
がさらに第2の基準距離L2と比較され、加工継続距離
kaが第2の基準距離L2以上であるか否かが判別され
る。加工継続距離kaが第2の基準距離L2以上である
と判別された場合、すなわち、加工継続距離kaが第1
の基準距離L1よりは小さく第2の基準距離L2以上で
ある場合、ステップS153の判別結果はYesとな
り、加工条件を弱めて加工が継続可能と判断してステッ
プS54に入る。ステップS54の処理は図4の場合と
同様であるから、ここではその説明を省略する。
【0100】ステップS153において、加工継続距離
kaが第2の基準距離L2以上ではないと判別された場
合、ステップS153の判別結果はNoとなり、加工が
続行不能であると判定してステップS155に入る。ス
テップS155では加工継続距離kaと断線回数nが0
に初期化される。しかる後、ステップS44に入り、ス
テップS44以下でスキップ処理が行われるが、この処
理は図5の場合と同様であるから、ここではその説明を
省略する。
【0101】以上、図6及び図7に基づいて、1つの加
工穴の加工中にワイヤ電極が断線した場合、加工ブロッ
ク番号及び断線位置を記憶し、断線回数nが2以上の場
合、加工開始から断線発生までの加工継続時間taの代
わりに、加工を再開した位置から断線した位置までの加
工継続距離kaを算出する。より厳密に言えば、ある加
工ブロックを加工中に断線が生じ再加工を行ったときに
再び断線した場合には、そのブロックでの再加工距離が
加工継続距離kaである。次の加工ブロック(別の加工
ブロック)で断線した場合には、そのブロックの加工開
始点から断線位置までの加工距離が加工継続距離kaで
ある。そして、加工継続距離kaと第1及び第2の基準
距離L1、L2との大小を比較することにより、加工を
継続するか、加工条件を変更して加工を継続するか、又
はスキップ処理を行うかのいずれかを判定するようにし
た場合の実施の形態について説明した。この場合につい
ても、本発明をこの実施の形態の構成に限定する趣旨で
はない。例えば、図7のフローチャートにおいては第1
の基準距離L1及び第2の基準距離L2の2つの値を用
いて、ステップS152、S153の2段階で判定を行
い、ステップS54で加工条件を弱める処理を行うよう
にしたが、基準距離を1つの値L1のみとして1段階の
判定とし、加工条件を弱めることなく加工を再開するよ
うにすることもできる。この場合には、ステップS15
2で加工継続距離kaを基準距離L1と比較し、ステッ
プS153及びS54のステップは省かれることにな
る。この実施の形態においては、図6及び図7で示した
2段階の判定を行う形態に比べると加工スキップを行う
場合が若干増えるが、加工形状の精度と加工速度を優先
する場合に有利である。
【0102】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、いずれの実施の形態においても、単に断線回数n
に基づいてスキップ処理を行うのではなく、再加工した
ときに断線が加工時間的、距離的にすぐ発生するかを考
慮してスキップ処理を行うようにしたので、加工の安定
度をより正確に判定することができる。示されている、
連続して所定個数以上の加工穴においてスキップが発生
する場合には、加工条件及び又は加工形状に無理がある
と判定し、スキップすることを止めて警報を発生するよ
うにすることができる。これにより、無理に加工を続行
して未加工穴を多く発生させることが避けられる。
【0103】なお、多数個取り加工中に加工軌跡を描画
しておき、ワイヤ電極の移動した位置を軌跡上に表示さ
せることがよく行われる。この場合、まず未加工穴の各
加工スタート穴を例えば黄色で表示しておき、荒加工が
終了すると、この各加工スタート穴を青色に変える。一
方、加工途中で上記の判定によってスキップが発生した
ときには、その加工スタート穴を赤色に変更する。こう
すると、画面上で加工進行状態を確認するのに都合がよ
い。通常、加工中には、加工スキップしているかどうか
が関心事であり、加工失敗した座標位置の情報は追加工
するときまで必要になることがないから、断線位置の表
示にこだわる必要がない。そして、断線位置等はスキッ
プデータテーブルにその座標位置が記憶され、加工後に
その座標位置を一覧表示できるようにする。そして加工
終了後にその座標位置を利用して、新たな追加工を行う
ときに参照することができるようにする。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、ワイヤカット放電加工
機による多数個取り加工において、加工中に最初にワイ
ヤ電極が断線した後の再加工中に再び断線が生じたとき
に、加工継続時間と所定の基準時間とを比較することに
より、又は加工継続距離を所定の基準距離と比較するこ
とにより、再加工時の加工状態を判定し、この結果に基
づいて次の加工穴に加工スキップするか元の穴を再加工
するかを選択して実行できるようにしたので、適切に加
工スキップの要否が判定され、無駄な加工スキップを抑
えて加工をできるだけ続行させることができる。そし
て、真に加工スキップが必要な場合には、速やかに加工
スキップを行うことができる。
【0105】また、基準時間又は基準距離として大小2
つの値を設定し、2段階に判定するようにした場合に
は、より厳密に正確にスキップの要否を判定することが
できると共に、加工を継続する場合においても、加工条
件を弱めて加工を継続するかどうかを一定の基準で判定
することができる。そして、加工条件を弱めた場合に
は、断線後の再加工が安定し、スキップを最小限に抑え
ることができる。
【0106】また、所定回数以上連続して加工穴にスキ
ップを生じるときに警報を出して放電加工を停止するよ
うにする場合には、未加工穴が多く残るような無理な加
工を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により被加工物に複数の加工を行
うことができるようにしたワイヤカット放電加工装置の
実施の形態の一例を示す概略構成図。
【図2】図1に示したワイヤカット放電加工装置を用い
て本発明の方法に従って被加工物に6個の穴を順次加工
する場合の実施の形態の一例について説明するための説
明図。
【図3】図2に示した加工を行うための加工プログラム
の一例を示す図。
【図4】図1に示したワイヤカット放電加工装置により
被加工物に複数の加工を行う場合本発明の方法に従って
加工スキップを制御するための制御プログラムの一例を
示すフローチャートの一部を示す図。
【図5】図1に示したワイヤカット放電加工装置により
被加工物に複数の加工を行う場合本発明の方法に従って
加工スキップを制御するための制御プログラムの一例を
示すフローチャートの図4に示していない残りの部分を
示す図。
【図6】図1に示したワイヤカット放電加工装置により
被加工物に複数の加工を行う場合本発明の方法に従って
加工スキップを制御するための制御プログラムの別の例
を示すフローチャートの一部を示す図。
【図7】図1に示したワイヤカット放電加工装置により
被加工物に複数の加工を行う場合本発明の方法に従って
加工スキップを制御するための制御プログラムの別の例
を示すフローチャートの図6に示していない残りの部分
を示す図。
【符号の説明】
1 ワイヤカット放電加工装置 100 ワイヤカット放電加工機本体 102 ワイヤ電極 103 断線検出装置 105 自動結線装置 108 被加工物 110 X−Y移動装置 200 加工用電源装置 201 放電電源部 202 数値制御装置 212 モータ制御手段 213 放電制御手段 H1〜H6 加工穴 S1〜S6 スタート穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 謙一 神奈川県横浜市都筑区仲町台3丁目12番1 号 株式ソディック内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB05 CB16 CC08 CK03 CL08 FB16 FD00 FD07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤカット放電加工機のワイヤ電極自
    動結線機能及びワイヤ切断機能を用いて被加工物に複数
    個の放電加工を順次行うようにしたワイヤカット放電加
    工方法において、 前記複数個の放電加工のうちの少なくとも1つの加工に
    おいて、ワイヤ電極の断線が発生したことにより当該加
    工の再加工を行い、再加工時に再びワイヤ電極の断線が
    生じた場合には、再加工時における再加工開始からの加
    工継続時間に応じて次の加工予定箇所に加工スキップす
    るか否かを判定するようにしたことを特徴とするワイヤ
    カット放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記加工継続時間が所定の基準時間と比
    較され、前記加工継続時間が前記基準時間より大きい場
    合には、当該加工を再開し、前記加工継続時間が前記基
    準時間より小さい場合には加工スキップを行うようにし
    た、請求項1記載のワイヤカット放電加工方法。
  3. 【請求項3】 前記加工継続時間が所定の第1の基準時
    間及びこれより短い第2の基準時間と比較され、前記加
    工継続時間が前記第1の基準時間以上の場合には同じ加
    工条件で当該加工箇所の再加工を行い、前記加工継続時
    間が前記第1の基準時間より小さく且つ前記第2の基準
    時間以上の場合には放電加工条件を弱めて当該加工箇所
    の再加工を行い、前記加工継続時間が前記第2の基準時
    間より小さい場合に加工スキップを行うようにした、請
    求項1記載のワイヤカット放電加工方法。
  4. 【請求項4】 ワイヤカット放電加工機のワイヤ電極自
    動結線機能及びワイヤ切断機能を用いて被加工物に複数
    個の放電加工を順次行うようにしたワイヤカット放電加
    工方法において、 前記複数個の放電加工のうちの少なくとも1つ放電の加
    工において、ワイヤ電極の断線が発生したことにより当
    該加工の再加工を行い、再加工時に再びワイヤ電極の断
    線が生じた場合には、再加工時における再加工開始から
    の加工継続距離に応じて次の加工予定箇所に加工スキッ
    プするか否かを判定するようにしたことを特徴とするワ
    イヤカット放電加工方法。
  5. 【請求項5】 前記加工継続距離が所定の基準距離と比
    較され、前記加工継続距離が前記基準距離より大きい場
    合には当該加工を再開し、前記加工継続距離が前記基準
    距離より小さい場合には加工スキップを行うようにし
    た、請求項4記載のワイヤカット放電加工方法。
  6. 【請求項6】 前記加工継続距離が所定の第1の基準距
    離及びこれより短い第2の基準距離と比較され、前記加
    工継続距離が前記第1の基準距離以上の場合には同じ加
    工条件で当該加工箇所の再加工を行い、前記加工継続距
    離が前記第1の基準距離より小さく且つ前記第2の基準
    距離以上の場合には放電加工条件を弱めて当該加工箇所
    の再加工を行い、前記加工継続距離が前記第2の基準距
    離より小さい場合に加工スキップを行うようにした、請
    求項4記載のワイヤカット放電加工方法。
  7. 【請求項7】 所定個数以上の加工箇所で連続して加工
    スキップが発生する場合には、放電加工を中断し警報を
    出力するようにした請求項1、2、3、4、5又は6記
    載のワイヤカット放電加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008027261A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Sodick Co Ltd 数値制御工作機械および割込み加工方法
CN101979203A (zh) * 2010-09-16 2011-02-23 苏州电加工机床研究所有限公司 一种电火花微小孔加工质量的在线控制方法

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JP4656432B2 (ja) * 2006-07-24 2011-03-23 株式会社ソディック 数値制御工作機械および割込み加工方法
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